JP4024286B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機(パチンコ遊技機、いわゆるパチスロ遊技機(パチンコ型スロットマシン)を含む)に係わり、詳しくは遊技情報媒体(例えば、プリペイドカード)に記憶された有価価値(金額情報)を所要数の貸球に変換して遊技を行う遊技機に関する。
従来、有価価値をデータ(金額データ)として記憶し、遊技媒体である遊技球に変換するためのプリペイドカードを遊技機に併設されたカード式球貸装置に挿入し、球貸し操作を行うことにより、所定数毎の球貸しがなされる遊技機がある。
この遊技機は、カード式球貸装置と通信線で接続されており、遊技機球貸し操作部には球貸しスイッチ、カード返却スイッチ、カード残度表示器が配置されている。そして、遊技者がこの遊技機球貸し操作部を操作することにより、球貸し、カード返却が可能である。これらの制御はカード式球貸装置により制御されており、遊技機に設けられている排出制御装置に球貸しの指令を送出することで、上皿に球が貸し出され、貸し出した所定数の球に対応する有価価値が挿入されたプリペイドカードの記憶データ(有価価値データ)から減算され、カード残度表示器に表示される。プリペイドカードに記憶されている有価価値データが帰零した場合(金額が0になる)、カードはプリペイドカードとしての機能を終え、カード式球貸装置から排出される。
このような従来の遊技機としては、例えば以下の特許文献1、2に開示のものがある。
特開平5−049747号公報 特開平6−277353号公報
しかしながら、このようなカードを使用した従来の遊技機にあっては、以下のような問題点があった。
(イ)プリペイドカードは磁気カードによって構成されており、昨今のいわゆるテレホンカードの偽造と同様に、カードデータの改竄があった場合に、改竄による不利益をカード会社に与えるという問題点があった。カードデータの改竄には、例えば度数が減算しないタイプ、単にデータを改竄したタイプ等がある。
プリペイドカードの不正な改竄では、例えば使用済みのカードに再度有価価値を付加し使用可能にして、球貸しのみを行い、上皿に不正に排出させて球を獲得し、そのまま景品に交換する場合がある。
(ロ)例えば、上皿に球がある状態で、遊技を行わずに、上皿から下皿を球を抜き、そして、下皿から球収納箱(いわゆるドル箱)に球を抜き、次いで、景品カウンタでそのまま景品に交換するようなケースである。また、このように球が上皿から下皿に流動している状態で、さらに球貸しスイッチを操作して次の球を上皿に排出させることが行われることもある。
すなわち、遊技を行わずに貸し球行為だけを行い、貸し球を不正に獲得するものである。現状の遊技機では、貸し球要求の信号がカード式球貸装置から遊技機に入力されると、要求された貸し球数に対応する分だけ貸し球排出を行い、再度貸し球要求があった場合、遊技機側の制御処理条件が満たされていると、再度貸し球排出を行っている。
例えば、不正に貸し球を獲得すべく球を上皿から下皿に流動している状態で、さらに球貸しスイッチを操作して次の球を上皿に排出させて獲得し、そのまま景品に交換するような事態を従来は有効に防止することができなかった。
なお、遊技店は、当該遊技店において使用された球貸し金額をカード会社に請求するので、カードデータの改竄があっても、遊技店が不利益を被ることはない。
(ハ)カードデータの改竄があっても、遊技店が不利益を被ることはないとはいえ、当該遊技店の評判が低下し、営業上の信用が低下するおそれがあった。
(ニ)プリペイドカードの不正な改竄によって球貸しが行われてそのまま景品と交換されても、従来は不正な遊技者の動作を店員が的確に監視することが困難であった。
そこで本発明は、遊技機の状態を監視し、通常遊技を行っている場合には想定できない貸球要求があった場合に、遊技情報媒体の不正な改竄に基づく有価価値から貸球への変換によって、遊技を行わずにそのまま貸球を獲得するという異常状態であると判断して、不正行為を防止することのできる遊技機を提供することを目的としている。
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、遊技に使用可能な有価価値が記録された遊技情報媒体を利用するものであって、
遊技情報媒体の有価価値を所要数の貸球に変換する貸球排出指令を出力する貸球排出操作手段と、
前記貸球排出指令に基づいて変換した所要数の貸球を球排出装置を作動させて球供給皿へ排出する貸球排出制御手段と、を備えた遊技機において、
遊技者が前記球供給皿の球を下部受皿に移すために操作した場合の前記球供給皿から下部受皿への球の流動、前記球供給皿が満杯になった場合に球供給皿で受け入れられることができないオーバーフロー球の流動、又は遊技者の操作による下部受皿から外部への球の流動のうち、少なくとも1つ以上の状態に基づいて球の流動状態であることを検出する流動状態検出手段と、
球の非弾発遊技状態を検出する非弾発遊技状態検出手段と、
貸球排出操作手段から貸球排出指令が出力されたことを条件に、流動状態検出手段から球の流動状態を検出する検出出力があることおよび非弾発遊技状態検出手段から球の非弾発遊技状態を検出する検出出力があることに基づいて前記貸球排出制御手段を不能動化する貸球排出不能動化手段と、
前記貸球排出制御手段の不能動化を解除する不能動化状態解除手段と、
前記貸球排出制御手段を不能動化することを予告報知する貸球不能動化状態予告報知手段と、を備え、
前記貸球不能動化状態予告報知手段は、
前記流動状態検出手段により球の流動状態が検出された場合および前記非弾発遊技状態検出手段により遊技球の非弾発遊技状態が検出された場合に、予告報知を行うようにしたことを特徴とする。
なお、本発明での貸球とは、遊技を実行するための遊技媒体の意味であり、遊技情報媒体に記録されている有価価値が所要数の遊技媒体に変換されるものである。したがって、パチンコ球のみならず、例えばパチスロ遊技機(パチンコ型スロットマシン)に使用される貸コイン等も含まれる。
本発明によれば、貸球排出指令が出力されたことを条件に、球の流動状態の検出出力があること、および球の非弾発遊技状態の検出出力があることに基づいて球貸し制御を不能動化し、特に球の流動状態として遊技者が球供給皿の球を下部受皿に移すために操作した場合の球供給皿から下部受皿への球の流動、球供給皿が満杯になった場合に球供給皿で受け入れることができないオーバーフロー球の流動、又は遊技者の操作による下部受皿から外部への球の流動のうち、少なくとも1つ以上の状態に基づいて球の流動状態であることを検出することにより、遊技球を既に持っているかどうかの監視を可能としつつ、発射が行われていないにも拘らず、球が流動し、なおかつ球貸し操作を行うというような遊技を行わずに球を不正獲得しようとする行為をより一層細かく防止することができる。
また、貸球排出制御手段の不能動化状態を解除する不能動化状態解除手段を備えることにより、球貸し制御を不能動化した場合にホール側が遊技機の確認を行ってから通常遊技が可能な状態に戻すことができるので、不正行為の状況確認を行うことが可能になり、不正行為を有効に抑制することができる。
さらに、球の流動が検出された場合に、貸球排出不能動化手段が不能動することを予告する貸球不能動化状態予告報知手段を備えることにより、一般の遊技者が誤って球貸し操作をしないように認識させることができ、トラブルを未然に防ぐことができる。また、不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者に対して警告し、以後の操作を停止させるように知らせることができる。
また、従来はプリペイドカードの不正な改竄によって球貸しが行われてそのまま景品と交換されても、不正な遊技者の動作を店員が的確に監視することが困難であったが、本発明では不能動化状態の予告報知を行った場合に、以後の遊技者の操作を監視することにより、遊技者の動作を店員が的確に監視することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
第1実施例
最初に、本発明の第1実施例について説明する。図1は遊技機の全体を示す外観斜視図である。図1において、1はパチンコ球を使用して遊技を行う遊技機であり、遊技機1は同様のものが遊技店内に所定数設置されている。本実施例の遊技機1は大きく分けてパチンコ機本体2と、パチンコ機本体2の側方に配設された遊技媒体貸出装置としてのカード式球貸機(以下、単に球貸機という)3によって構成され、これらが対をなして設置されている。パチンコ機本体2と球貸機3とが対をなして設置された遊技機1は、いわゆるCR機(カードリーディング機)と称されている。
球貸機3は比較的狭い幅の縦長タイプに形成され、一定の奥行を有している。そして、遊技機1の側方に配設されることによって、遊技者の手の届く範囲でカード(後述のプリペイドカード400のこと)挿入が可能であり、貸し球操作が簡便であるというような遊技者の便宜を図れるようになっている。また、球貸機3はパチンコ機本体2と分離することが可能であり、修理の際には交換することができる構造になっているが、少なくともパチンコ機本体2と球貸機3が信号上、接続されていないと遊技ができないようになっている。
球貸機3にはカードリーダーライタ制御装置および球貸し制御装置等が内蔵され、球貸機3の前面パネル4には上記カードリーダーライタ制御装置に対応するプリペイドカード400(以下、適宜単にカードと略称する)が挿入されるカード挿入口5と、カードの残り度数を表示するカード残度数表示器6と、発光ダイオード等からなりカードの受け付けが有効であることを表示するカード受付け表示器7とが設けられているとともに、さらに前面パネル4の上部には島設備に配置された島用の情報中継装置との間で、赤外線通信を行う赤外線通信ユニット8が設けられている。
赤外線通信ユニット8は赤外線の送信/受信を行う光送受信部を有し、島用の情報中継装置を介して、ホールの情報を収集する端末制御装置と通信上で接続され、端末制御装置は電話回線によりカード利用データの精算を行うセンターに対して通信可能になっている。そして、赤外線通信ユニット8を使用することにより、遊技機1の球貸機3から光LANを用いた赤外線通信により当該球貸機3の玉貸し情報を情報中継装置を介して端末制御装置に送信し、端末制御装置では、各遊技機より収集した情報を電話回線を利用してセンターに連絡することで、遊技店のカード利用データの精算がセンターとの間で行われるようになっている。
ここで、プリペイドカードは遊技に使用可能な有価価値(金額情報)が記録された遊技情報媒体に相当し、本実施例では球貸機3によりカードの有価価値を遊技価値(球貸し情報:すなわち、球数)に変換して遊技が行われる。
また、遊技情報媒体プリペイドカードという磁気カードを用いた例に限らず、例えばICカードを用いてもよい。ICカードを用いた場合、当然のことながらカードリーダ・ライタおよびカードリーダ・ライタ制御装置はICカードに対応するものを使用することになる。
パチンコ機本体2は遊技領域10を形成する遊技盤と、額縁状前面枠11と、ガラス(透明板)を支持する金属製のガラス枠(図1ではほとんど見えていない)の前面側に取り付けられる取り付けベース盤12と、取り付けベース盤12の前面側に取り付けられる前面装飾体13とを有している。額縁状前面枠11はパチンコ機本体2の前面側に開閉可能に備えられ、ほぼ中央に開口部が形成され、開口部を通して遊技領域10における遊技に供する各種入賞装置等が見えるようになっている。
なお、遊技盤における遊技領域10はどのようなものでもよく、遊技球を使用するパチンコ遊技機であれば、任意の構成を取り得る。例えば、いわゆる「第1種」に属するもので、複数の図柄を可変表示可能な表示装置(特別図柄表示装置)を備え、この表示装置における可変表示結果が予め定められた特別図柄で表示されたことを条件に遊技者に有利な特別遊技状態(大当り状態)を発生可能な遊技機でもよい。また、表示装置の図柄内容を変化させてゲームを行うもので、「第3種」に属する遊技機、あるいは特別電動役物を備えた他の種類の遊技機、いわゆる「第2種」に属する遊技機、又はその他の機種(例えば、他種タイプ)等に幅広く適用が可能である。また、表示装置を備えていない各種類の遊技機にも適用することができる。本実施例では「第1種」に属するタイプのものを用いている。
パチンコ機本体2は前面側に前面表示パネル15と、前面操作パネル16とを有している。額縁状前面枠11は木製(樹脂製でもよい)の機枠17に対して上部蝶番18および下部蝶番(図示略)によって開閉可能に支持され、この額縁状前面枠11にガラス枠が開閉可能に支持されている。
ここで、前面装飾体13は遊技領域を囲むようにパチンコ機本体2の前面側に配置されており、ステレオ配置構造のスピーカ21、22、上部装飾ランプ23およびサイド装飾体24、25により構成される。スピーカ21、22、上部装飾ランプ23およびサイド装飾体24、25はパチンコ機本体2の前面側にやや突出しているとともに、比較的に大きな形状に形成され、カラフルな色彩が施されている。
また、前面装飾体13の下方には遊技領域10を取り囲むように、不能動化状態予告報知ランプ26が配置されているとともに、額縁状前面枠11の片側には縦方向に不能動化状態報知ランプ27が配置されている。
前面表示パネル15には上皿(球供給皿に相当)31と、プリペイドカードの残高を表示するカード度数表示器(カード残高表示器)32と、球を購入するときに操作される球貸釦(変換釦)33と、プリペイドカードを排出するときに操作されるカード排出釦(返却釦)34と、球貸し可能表示器35と、上皿31の球を後述の球貯留皿42に移す球通路開閉用の押し釦36とが設けられている。なお、球貸釦33、カード排出釦34、カード度数表示器32は球貸機3により制御される。
前面操作パネル16には、灰皿41と、球を貯留する球貯留皿(下皿)42と、球貯留皿42に貯留された球を外部下方に抜くための球抜きレバー43と、発射装置の操作を行う発射操作ノブ44とが設けられている。
パチンコ機本体2の額縁状前面枠11の図中右部には施錠部45が配置されている。そして、ガラス枠は前面枠11に開閉可能に支持され、通常は施錠装置によって前面枠11に対して施錠されている。ガラス枠を開く場合には、施錠部45に所定のキーを挿入して回動操作することにより、施錠装置のロック状態が解除されてオープンする。
次に、図2はパチンコ機本体2の裏機構の構成を示す図である。
図2において、パチンコ機本体2の裏機構の主要なものとして、貯留タンク(上タンク)51、球導出樋52、外部端子基盤53、球排出装置54、球抜き装置55、排出制御装置56、役物制御装置(遊技盤制御装置)57、セーフ球払出装置58、発射制御装置59、スピーカ60、オーバーフローセンサ61、球通路62がある。
貯留タンク51は排出される前の球を予め貯留しておくもので、この貯留タンク51の球数の不足は補給センサ71によって検出され、不足のときは島設備から球が補給される。貯留タンク51内の球は球導出樋52により誘導され、球排出装置54によって排出される。なお、この球導出樋52は特に限定されないが、短時間に多量の球を排出できるように2条に形成されており、その途中には球の重なりを防止する球ならし部材72および待機球検出器(半端センサ:図示略)が設けられている。また、このような2条構成は球排出装置54および球抜き装置55の内部についても同様である。
外部端子基盤53はAC電源の入力やホールの管理装置との間における信号の授受などについての中継を行うものである。
球排出装置54は内部に2つの排出ソレノイドを有し、上方の球導出樋52から流入するパチンコ球を2つの排出ソレノイドを用いて下方に排出するもので、本実施例の場合、賞品球に対応する球の排出と、球の貸し出し要求に伴う貸し球の排出との双方の排出を行う。
球抜き装置55は貯留タンク51などのいわゆる裏メカに存在する球を抜くためのもので、球抜き操作が行われると、球排出通路のゲートを回収側に切り換えて球を抜取るように作動する。
セーフ球払出装置58はセーフソレノイドを1回オンさせる毎に、セーフ球を1個だけ移動させて排出し、その後、直ちに次の球を保持するという動作を行うことにより、賞球排出に対応させてセーフ球を排出するものである。このように、セーフ球を一時的に保持しておくことにより、実際にセーフ球が入賞によって生じたという確認を取り、不正防止や遊技者とのトラブルが避けられる。
排出制御装置56は球の排出に必要な各種制御を行い、役物制御装置57は同じく遊技盤における遊技の実行に必要な各種制御を行う。発射制御装置59は球の発射に必要な各種制御を行う。スピーカ60は必要な効果音(例えば、球の排出に伴う効果音)を報知するもので、球排出数、賞態様および球の貸出しに応じて各種の音を発生して遊技者に知らせる。
オーバーフローセンサ61は上皿31と球貯留皿42とを連通する球通路62に設けられ、この球通路62に所定数以上の球が収納されたとき、検出状態となって球貯留皿42のオーバーフローを検出するものである。
次に、図3は前面表示パネル15の裏面側の構造を示す図である。
図3において、75は上皿31と球貯留皿42とを連通する球通路62の一部を形成する球排出口、76は上皿球抜き流動検出センサ、77は発射数センサである。上皿球抜き流動検出センサ76は上皿31の球を球貯留皿42に移すために球通路開閉用の押し釦36を操作した場合に、上皿31の球が流動して球貯留皿42に排出されたことを検出する。これは、球供給皿(上皿31)から下部受皿(球貯留皿42)への球の流動を検出することに相当する。
なお、上皿球抜き流動検出センサとしては図3に示すような構成に限らず、上皿31の球が流動して球貯留皿42に排出されたことを検出可能なものあれば、他の構成でもよい。
発射数センサ77は球送り装置から出てきて発射レールに乗る球を検出するもので、結局、球が発射されることを検出する。
図4は球貯留皿42(下皿)の球を抜く球抜きレバー43の操作をし、球が外部下方に流動しているのを検出する下皿球抜き流動検出センサ81の構成を示す図であり、そのうち図4(a)は球貯留皿42の上面図、図4(b)は球貯留皿42の断面図である。
図4(a)、(b)に示すように、球貯留皿42の底部には球を抜くための開口部である球通路82が形成されており、球通路82は球抜きレバー43と一体に形成された球阻止部材83によって通常は閉鎖されている。このとき、図示は略すが、球阻止部材83は弾性部材(例えば、スプリング)によって球通路82を閉鎖する方向に付勢されている。球抜きレバー43を図中左側方向に移動すると、弾性部材の付勢力に抗して、球阻止部材83が変位し球通路82が開口して球貯留皿42の球が自重により下方に落下する(抜き取られる)。
下皿球抜き流動検出センサ81はフォトセンサ84、遮光部85、スプリング86、球検知板87、バネ止軸88を有している。遮光部85と球検知板87は一体的に形成され、図4(c)に下皿球抜き流動検出センサ81の断面拡大図を示すように、支点Aを基準として回動可能になっている。フォトセンサ84はコの字状に形成され、そのコの字状の部分の一方の側から光を放射し、他方の側で受信するようになっており、遮光部85がフォトセンサ84のコの字状の部分に入ると、光が遮ぎられて後述するように球貯留皿42から球が抜き取られる流動状態を検出するようになっている。
球通路82の周囲には球貯留皿42の球がスムーズに落下するように筒状の板抑え部材89が設けられ、この板抑え部材89は球検知板87に当接して、該球検知板87と一体の遮光部85がフォトセンサ84を外れた位置で必要以上に変位するのを規制している。球検知板87は、通常状態でスプリング86の付勢力を受けて板抑え部材89と当接する位置(図4(c)の実線の位置)にある。スプリング86はバネ止軸88により移動しないように支持されている。
球抜きレバー43が操作されると、球阻止部材83が変位して球通路82が開口し球貯留皿42の球が自重により下方に落下を開始するが、このとき球が球検知板87に当たって、球の自重で球検知板87が図4(c)に破線で示すように、スプリング86の付勢力に抗して変位し、球検知板87と一体の遮光部85がフォトセンサ84のコの字状の部分に入り光を遮ぎって球貯留皿42から球が抜き取られる流動状態を検出する。これは、下部受皿(球貯留皿42)から外部への球の流動を検出することに相当する。
球貯留皿42からの球の落下が終了すると、再びスプリング86の付勢力を受けて球検知板87が通常位置(図4(c)の実線の位置)に復帰する。
なお、下皿球抜き流動検出センサとしては図4に示すような構成に限らず、下部受皿(球貯留皿42)から外部への球の流動を検出可能なものあれば、他の構成でもよい。
次に、図5はオーバーフロー球流動検出センサの構成を示す図である。図5において、91は球排出装置54から排出された球が通る球排出通路、92は上皿31への球の排出口、93は球排出通路91の途中に設けられた鈴である。鈴93は球排出通路91を流下する球が当ると、鳴って球の排出音および球の貸し出し音を演出する。通常、球は球排出通路91を流下し排出口92を通って上皿31に供給されるが、上皿31が満杯になると、排出口92の方に流れず、球Tは排出通路91から下皿である球貯留皿42に供給される。上皿31への排出口92より下方の球排出通路91にはオーバーフロー球流動検出センサ94が配置されており、オーバーフロー球流動検出センサ94は可動球検出部101、リミットスイッチ102を有している。なお、上皿31への排出口92より下方の球排出通路91はオーバーフロー球が通過することから、オーバーフロー通路95を構成する。オーバーフロー通路95は球供給皿(上皿31)が満杯になった場合に、球供給皿(上皿31)で受け入れることができない球を貯留可能な下部受皿(球貯留皿42)へ案内するオーバーフロー機構部に相当する。
可動球検出部101は支点Bで回動可能に支持されており、一部が球排出通路91内に突出している。球排出通路91を球が流動しないときは可動球検出部101が図5の実線で示す位置にあり、リミットスイッチ102に当接せず、リミットスイッチ102が動作(例えば、オン)しない。上皿31が満杯になり球貯留皿42の方に球Tが流動を開始すると、球Tが可動球検出部101に当って図5に破線で示す位置に変位してリミットスイッチ102を押す。これにより、リミットスイッチ102が動作(例えば、オン)して上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球Tが流動する状態(すなわち、オーバーフロー流動状態)が検出される。これは、球供給皿(上皿31)が満杯になった場合に、球供給皿(上皿31)で受け入れることができない球を貯留可能な下部受皿(球貯留皿42)へ案内するオーバーフロー機構部を球が流動することを検出することに相当する。
図6はオーバーフロー球流動検出センサの他の構成例を示す図である。図6において、上皿31への排出口92より下方の球排出通路91(すなわち、オーバーフロー通路95)の壁の外には近接スイッチからなるオーバーフロー球流動検出センサ105が配置されており、オーバーフロー球流動検出センサ105は球Tが通過すると、磁気的に反応して球Tの流動状態を検出する。なお、球排出通路91は樹脂製であり、オーバーフロー球流動検出センサ105を球排出通路91の外側に配置しても球Tに十分に反応する。図6のように近接スイッチを使用すると、球排出通路91にオーバーフロー球流動検出センサ105を突出させる必要がなく、取り付けも簡単であるという利点がある。
なお、オーバーフロー球流動検出センサとしては図5あるいは図6に示すような構成に限らず、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動する状態(すなわち、オーバーフロー流動状態)を検出可能なものあれば、他の構成でもよい。
次に、図7は遊技機1における制御系のブロック図である。
図7において、この制御系は大きく分けると、パチンコ遊技や球の貸出し等に必要な制御を行うCPU201と、各種情報信号を受け入れて波形整形あるいは必要に応じてA/D変換する等の処理を行ってCPU201に出力する入力フィルタ202と、CPU201の作動クロックの基本となる周波数を刻む水晶(クリスタル)203と、CPU201からの制御信号をドライブして各種駆動信号を生成して各表示器等に出力するドライバ204と、CPU201、入力フィルタ202、ドライバ204に必要な電源を供給する電源部205と、パチンコ遊技に関連する各種状態を検出して必要なデータを入力フィルタ202に出力するセンサ群と、ドライバ204からの信号によって駆動されるアクチュエータ群とによって構成される。なお、CPU201は制御プログラム等を記憶しているROM206およびワークエリアとして用いられるRAM207を含んで構成される。
CPU201、入力フィルタ202、水晶203およびドライバ204は排出制御装置56の機能を実現し、マイクロコンピュータを含むボードユニットによって実装されている。そして、マイクロコンピュータのボードユニットは球貸機3のカードリーダーライタ制御装置、島設備、遊技店の管理装置等との間で制御信号やデータの授受が行われるようになっている。また、役物制御装置57との間で賞球数情報の授受が行われる。
入力フィルタ202には、排出センサ111および排出センサ112(すなわち、球排出装置54の2条の各排出センサ)の各出力信号、セーフ球払出装置58で1個宛て排出されるセーフ球を検出するセーフセンサ211の出力信号、球導出樋52の待機球を検出する半端センサ(待機球検出器のことで、以下単に半端センサという)212の出力信号、役物制御装置57から送信される賞球数に対応する賞球数信号213、役物制御装置57から送信され賞球数信号の同期をとる送信クロック信号(同期信号)214、球貸機3から送信される球貸し要求信号(BRDY)215、球貸機3から送信される球貸し単位信号(BRQ)216、球貯留皿42が満杯であることを検出するオーバーフローセンサ217からの信号、補給センサ71の出力信号、球抜きスイッチ218からの球抜き信号、管理装置からの打止め信号219、上皿31の球が流動して球貯留皿42に排出されたことを検出する上皿球抜き流動検出センサ76からの信号、球貯留皿42から球が抜き取られる流動状態を検出する下皿球抜き流動検出センサ81からの信号、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動する状態を検出するオーバーフロー球流動検出センサ94からの信号、球の発射を検出する発射数センサ77からの信号、CPU201の動作(例えば、排出制御装置56の動作も含まれる)をリセットするリセットスイッチ220からの信号、管理装置から出力される不正解除信号221が入力されている。
球抜きスイッチ218から出力される球抜き信号は、遊技店の係員が球抜処理を開始するための操作、すなわちパチンコ機本体2の前面に設けられた操作用孔に球抜き棒(図示略)を挿入する操作がなされたときに出力される。
役物制御装置57から出力される賞球数信号213としては、各種始動入賞口に入賞した場合の排出数データ等があり、例えば7個あるいは15個賞球のデータとなっている。球貸し要求信号(BRDY)215は遊技者が球貸機3にプリペイドカードを挿入して球の貸出しを要求した場合の信号であり、球貸し単位信号(BRQ)216は100円を1単位とする信号である。
球貯留皿42が満杯であることを検出するオーバーフローセンサ217からの信号が発生すると、球の発射が停止されるとともに、球の排出(賞球排出および球貸し排出)が停止される。
ドライバ204からは球排出装置54の2条の各排出ソレノイド301、排出ソレノイド302、セーフソレノイド303、球抜きソレノイド304、遊技盤の前面に配置された不能動化状態予告報知ランプ26、不能動化状態報知ランプ27に対して制御信号が出力されるとともに、管理装置に不正を通知する不正信号305が、管理装置に賞球払い出し数情報を通知する賞球データ送信信号306が、球貸機3へ球貸しの完了を知らせる球貸し完了信号線に球貸し単位完了信号(EXS)307が、同じく球貸機3へ球貸しの受付け可能状態を知らせる球貸し受付可能信号線に球貸し受付可能信号(PRDY)308が、発射制御装置59に発射停止信号309が、さらに役物制御装置57に賞球数要求信号310が出力される。
排出ソレノイド301、排出ソレノイド302は球排出装置54で球の排出を行うときに作動するもの、セーフソレノイド303はセーフ球払出装置58で1個宛てセーフ球を排出するときに作動するもの、球抜きソレノイド304は球抜き装置55に内蔵され、貯留タンク51などの裏メカに存在する球を抜くとき、球抜き操作が行われた場合に、球排出通路のゲートを回収側に切り換えるためのものである。
不能動化状態予告報知ランプ(貸球不能動化状態予告報知手段)26は、球が所定の球流下経路(例えば、上皿31から球抜きレバー43を操作して球を球貯留皿42に流下させる通路、球貯留皿42からの球を抜く球通路82、上皿31を球がオーバーフローした場合のオーバーフロー通路等)を流動する状態になった場合に、球貸し操作を行うと球の貸し出しが不能動化されることを予告するためのランプである。不能動化することを予告するのは、通常の遊技者には誤って不正行為とも受けられてしまいかねない球の流動中での球貸し操作を行わないように注意するためであり、不正を行う遊技者に対しては不正行為を抑制させるための警告を行うためである。
不能動化状態報知ランプ(不能動化状態報知手段)27は、球が所定の球流下経路(例えば、上記同様)を流動する状態になった場合に、球貸し操作を行うことにより球の貸し出しができなくなったこと(不能動化)を報知するためのランプである。不能動化状態の報知を行うのは、プリペイドカードの不正な改竄により、例えば使用済みのカードに再度有価価値を付加し使用可能にして、球貸しのみの選択操作を行うような不正行為を行ったときに、点灯して当該遊技者および店員に知らせるためである。
不正信号305は遊技店の管理装置等(すなわち、遊技機1の外部)に出力されて管理のために使用される。不正信号305には、例えば異常な球の貸し出し操作等の不正状態も含んで管理装置に出力される。
賞球データ送信信号306は管理装置へ賞球払い出し数情報を通知するために出力され、球貸し単位完了信号307および球貸し受付可能信号308は球貸機3に内蔵のカードリーダーライタ制御装置に出力され、さらに発射停止信号309は発射制御装置59に出力される。賞球数要求信号は役物制御装置57に賞球数の要求を出力するものである。
CPU201および排出制御装置56は貸球排出制御手段、貸球排出不能動化手段を構成する。球貸機3からの球貸し要求信号(BRDY)215はプリペイドカード(遊技情報媒体)の有価価値(金額情報)を所要数の貸球に変換する貸球排出指令に相当し、球貸機3は球貸釦3が操作されることに基づいて貸球排出指令を出力する貸球排出操作手段を構成する。
リセットスイッチ220およびCPU201は、球の排出が不能動化された場合に、その不能動化状態を解除する不能動化状態解除手段を構成する。なお、不能動化状態を解除する場合には、不正な球貸し操作が行われたかどうかを確認し、確認の後にリセットスイッチ220を操作することになる。
上皿球抜き流動検出センサ76、下皿球抜き流動検出センサ81、オーバーフロー球流動検出センサ94(あるいはオーバーフロー球流動検出センサ105)およびCPU201は、球の流動状態を検出する流動状態検出手段と、所定時間内に球の流動を所定量検出したことに基づいて球の流動状態の検出を確定する流動状態確定出力手段と、球の流動を検出してから所定時間が経過するまで、球の流動状態の検出出力を維持しておく流動状態出力維持手段とを構成する。
次に、上述したCPU201によって行われる制御の手順を図8〜図19を参照して詳細に説明する。
CPU201による制御は、遊技機1の電源の投入と同時に開始され、電源が投入されている限り繰り返してその処理が実行される。
A.メインルーチン
最初に、メインルーチン(いわゆるゼネラルフロー)について図8を参照して説明する。このルーチンは、前述したように遊技機1の電源の投入後、開始され、後述の割り込み処理により割り込みフラグがセットされる毎にステップS16〜ステップS28の処理が繰り返される。
メインルーチンが起動すると、まずステップS10で割り込みを禁止する。次いで、ステップS12で初期化処理を行う。これにより、RAM207のワークエリアがクリアされたり、フラグの設定、出力ポートのリセット、サブルーチンのイニシャライズ等が行われる。次いで、ステップS14で割り込みを許可する。これにより、後述の割り込み処理によって割り込みフラグがセットされると、割込みがかかることになる。次いで、ステップS16で割り込みフラグがあるか(セットされているか)否かを判別し、割り込みフラグがなければこのステップS16に待機し、割り込みフラグがあると、続くステップS18以降の処理に移行する。
ステップS18では割り込みフラグをクリアし、ステップS20で球払い開始確認条件監視処理を行う。これは、球を払い出す条件(球を貸し出す条件でもある)が揃ったかどうかを確認する処理、すなわち球排出装置54によって賞品球あるいは球貸しのための排出を開始する条件が揃ったか否かを確認するためのもので、例えばセーフ球がある、球貸し要求信号があるなどのデータに基づいて確認が行われる(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS22でスイッチ(SW)、信号入力監視処理を行う。これは、各種検出スイッチからの入力情報や各種の入力信号を監視するもので、具体的にはセンサ群、すなわち排出センサ111、排出センサ112、セーフセンサ211、半端センサ212、賞球数信号213、送信クロック信号214、球貸し要求信号(BRDY)215、球貸し単位信号(BRQ)216、オーバーフローセンサ217からの信号、補給センサ71からの信号、球抜きスイッチ218からの信号、打止め信号219、上皿球抜き流動検出センサ76からの信号、下皿球抜き流動検出センサ81からの信号、オーバーフロー球流動検出センサ94からの信号、発射数センサ77からの信号、リセットスイッチ220からの信号、管理装置からの不正解除信号221を監視することが行われる。このとき、例えば各種検出スイッチからの論理変換やチャタリング防止処理も行われる。チャタリング防止処理としては、例えばCPU201で各種検出スイッチからの信号をソフト的に2回読み込む処理を行うことにより、ノイズの時定数等を考慮し、チャタリング防止を図るような処理がある。
次いで、ステップS24ではステップ分岐の判断処理を行う。これは、分岐先に対応してセットされたステップA〜ステップFに基づいて分岐先を決定するものである。分岐先のステップとしては、ステップA〜ステップFがある。ここで、各分岐先ステップの処理内容は、次の通りである。
ステップA:
セーフ球の確認および球の貸し出し確認処理を行う。これは、入賞によってセーフ球が生じたことの確認を行う必要があること、および遊技者が球貸しを要求するために球貸釦33を押した場合に球貸し要求信号や球貸し単位信号が発生して受信したことの確認を行う必要があるためである。
ステップB:
賞球数情報送受信処理を行う。これは、役物制御装置57に賞球数要求信号を出力し、それに対応して役物制御装置57から送信される賞球数信号213を受信するものである。
ステップC:
排出処理を行う。これは、賞品球、貸し球の排出を行うものである。これにより、球排出装置54の作動が開始して賞品球あるいは貸し球が遊技者に払い出される。このとき、球の排出数を数えて規定数の排出を行う。規定数の排出を終わると、球排出装置54の作動が停止して賞品球あるいは貸し球の払い出しが終了する。
ステップD:
セーフ球払い出しおよびウエイト処理を行う。これは、賞品球の排出が終了した時点で、セーフ球払出装置58のセーフソレノイド303を1回オンさせて今回のセーフ球を1個だけ排出するとともに、その後、次回の賞品球を連続して払い出す場合に、球の排出動作の間に一定のウエイト時間を設けてスムーズな排出動作が実行されるようにするものである。
ステップE:
球抜処理を行う。これは、球抜き装置55を作動させて貯留タンク51などの裏メカに存在する球を抜くためのもので、係員によって球抜き操作が行われると、球排出通路のゲートが回収側に切り換えられて球がホール側に抜き取られる。
ステップF:
不正処理を行う。これは、球を払い出す条件が揃ったかどうかの先のステップでの判定結果等に基づいて(例えば、貸球排出指令(球貸し要求信号)が出力されたことを条件に、球の流動状態を検出する検出出力があることに基づいて)貸球排出制御を不能動化する処理および不正解除信号がある場合に、不能動化を解除を行う処理である(詳細はサブルーチンで後述)。
上記ステップA〜ステップFのうちの何れかのステップを経ると、次いで、ステップS26に進み、ソレノイド制御処理を行う。これは、所定のステップ状態によって対応するソレノイドへ駆動情報を設定するものである。ソレノイド制御処理を経ると、次いで、ステップS28で出力処理を行う。ここでは、例えば出力ポートにデータを出力したり、ソレノイドに切換信号を出力するなどの処理が行われる。また、ステップS28の出力処理では貸球排出制御を不能動化する場合の予告報知データ、不能動化の報知データ、各種ランプ類の出力データ等の出力を行う。ステップS28を経ると、ステップS16に戻って処理を繰り返す。
B.割り込み処理
図9は割り込み処理のプログラムを示すフローチャートであり、割り込み処理は1ms毎に実行される。ステップS30で割り込みフラグをセットし、リターンする。したがって、1ms毎に割り込みフラグがセットされ、前述したメインルーチンのステップS16〜ステップS28の処理が1ms毎に繰り返されることになる。
C.球払い開始確認条件監視処理
図10は球払い開始確認条件監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。球払い開始確認条件監視処理では、まずステップS40で補給センサ監視処理を行う。これにより、補給センサ71の出力に基づいて貯留タンク51に十分に球があるか否かの監視が行われる。次いで、ステップS42で半端センサ監視処理を行う。これにより、半端センサ212の出力に基づいて球導出樋52に待機球が存在しているか否かの監視が行われる。
次いで、ステップS44で排出センサ1、2球有判定処理を行う。排出センサ1、2は球排出装置54における2条の各排出センサ111、排出センサ112をそれぞれ指している。したがって、このステップS44では球排出装置54の2条の各通路に配置された排出センサ111、排出センサ112の部分に排出可能な球が存在しているか否かを判別することになる。
次いで、ステップS46でオーバーフロー監視処理を行う。これにより、オーバーフローセンサ217の出力に基づいて球貯留皿42が満杯であるか(すなわち、オーバーフロー状態になったか)否かの監視が行われる。オーバーフロー状態になると、球の発射が停止されるとともに、球の排出(賞球排出および球貸し排出)が停止されることになる。
なお、オーバーフロー状態とオーバーフロー流動状態とは、異なる概念である。オーバーフロー状態とは、上皿31および下皿(球貯留皿42)が共に満杯になって、球をこれ以上排出できない状態であり、オーバーフロー流動状態とは、上皿31が満杯になって下皿(球貯留皿42)の方へ球が流動する状態である。
次いで、ステップS48で上皿球抜きセンサ流動検出処理を行う。これにより、上皿球抜き流動検出センサ76の出力に基づいて上皿31の球が流動して球貯留皿42に抜き取られたか否かの監視が行われて、貸球排出の不能動化の予告報知データのセット等の処理が行われる(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS50で下皿球抜きセンサ流動検出処理を行う。これにより、下皿球抜き流動検出センサ81の出力に基づいて球貯留皿42から球が抜き取られたか否かの監視が行われて、貸球排出の不能動化の予告報知データのセット等の処理が行われる(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS52でオーバーフロー球センサ流動検出処理を行う。これにより、オーバーフロー球流動検出センサ94の出力に基づいて上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動したか否かの監視が行われて、貸球排出の不能動化の予告報知データのセット等の処理が行われる(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS54でリセットSW監視処理を行う。これにより、リセットスイッチ220からの信号を監視することが行われる。なお、リセットスイッチ220からの信号があると、上皿流動フラグ、下皿流動フラグ、オーバーフロー球流動フラグ等の球排出の不能動化制御に関連するフラグ(フラグの詳細は後述サブルーチン参照)のクリアを行う(なお、この場合はCPU201の全体動作をリセットするものではない)。したがって、貸球排出制御の不能動化状態が解除されることになる。
次いで、ステップS56で不正解除信号監視処理を行う。これにより、管理装置からの不正解除信号221があるか否かの監視が行われる。なお、管理装置からの不正解除信号221があると、上記同様に上皿流動フラグ、下皿流動フラグ、オーバーフロー球流動フラグ等の球排出の不能動化制御に関連するフラグ(フラグの詳細は後述サブルーチン参照)のクリアを行い、貸球排出制御の不能動化状態が解除されることになる。
次いで、ステップS58で条件判定処理を行う。これは、球排出装置54までの部分で球の排出に必要な条件が揃っているか、球貯留皿42がオーバーフロー状態でないか、球の流動状態が検出されていないか等の各条件から球排出の必要・十分条件を判定するものであり、詳細はサブルーチンで後述する。ステップS58を経ると、メインルーチンにリターンする。
D.上皿球抜きセンサ流動検出処理
図11、図12は球払い開始確認条件監視処理における上皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。上皿球抜きセンサ流動検出処理では、まずステップS100で貸球不正フラグがあるか否かを判別する。貸球不正フラグは、球が流動している状態で遊技を行うことが可能であるにも拘らず、さらに球貸し操作を行う場合に、不正であるとして後述のルーチンでセットされるものである。貸球不正フラグがあれば、不正中と判断して今回のルーチンを終了してリターンする。
一方、貸球不正フラグがなければステップS102に進んで上皿流動フラグがあるか否かを判別する。上皿流動フラグは、上皿31から球が抜き取られて流動していることが確定したときに、後述のステップでセットされるものである。
上皿流動フラグがなければステップS104に進んで流動タイマAが作動中であるか否かを判別する。流動タイマAは、上皿31で球が流動していない状態から球の流動を1個検出すると、起動するものである。ここでの球の流動とは、上皿31における球の流動をいい、上皿31から球が抜き取られて流動していることが確定した状態のことである。
(1)球が流動していないとき
いま、球が流動していなければ、流動タイマAが起動しておらず、ステップS104の判別結果がNOとなってステップS106に分岐する。ステップS106では上皿センサ球有り検出か(すなわち、上皿球抜き流動検出センサ76によって上皿31の球が流動して球貯留皿42に排出されている状態が検出されているかということ、以下同様)否かを判別する。球が流動していない場合には、上皿センサ球有り検出の判別結果がNOとなって今回のルーチンを終了しリターンする。したがって、球が流動していなければ、流動タイマAが起動しない。
(2)球の流動が開始されたとき(球の流動の1個目のルーチン)
球の流動が開始されたとき、最初に上皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを実行するときは、ステップS104でNOに分岐してステップS106に進む。そして、ステップS106で上皿センサ球有り検出の判別結果がYESとなってステップS108に進み、流動タイマAを起動する。流動タイマAが起動して一定期間内に球の流動が何個か検出されると、流動状態が確定し、後述のように流動状態の確定を維持する維持タイマAが起動することになる。ステップS108で流動タイマAを起動した後は、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、上皿31で球の流動が開始すると、流動タイマAが起動する。すなわち、流動の1個目の球を検出したときは、このようなルーチンを経ることになる。
(3)球の流動の2個目以降のルーチン
球の流動が開始された後、その流動が継続すると(すなわち、流動の1個目の球を検出した後の2個目以降のルーチンに移行すると)、ステップS100、ステップS102を経てステップS104に進むが、流動タイマAが起動しているので、ステップS104の判別結果がYESとなってステップS110に進む。ステップS110では上皿センサ球有り検出か否かを判別し、流動タイマAが起動しているときに上皿センサ球有りを検出すると、ステップS112で球カウンタAを[+1]だけインクリメント(カウントアップ)してステップS114に進む。球カウンタAは、流動タイマAが起動している状態で、上皿31からの球の流動量をルーチンの実行毎に計数するものである。一方、流動タイマAが起動していても上皿センサ球有りを検出しなければステップS112をジャンプしてステップS114に進み、球カウンタAのインクリメントは行わない。
ステップS114では流動タイマAを更新する。これは、2個目以降の球を計数する所定時間である流動タイマAの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS116で流動タイマAがタイムアップしたか否かを判別する。
ここで、上皿31における球の流動を検出する際に、故意の操作を行う場合(例えば、遊技者が故意に球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする場合)には、所定時間内に上皿31から流動する遊技球が多量に検出されるので、流動状態検出とし、所定時間内に遊技球を少量検出するときは故意の操作ではないとして流動状態との認識をしないようにする。すなわち、上皿球抜き流動検出センサ76が反応してから所定時間内の遊技球の個数で上皿31の球の流動状態確定とする。
そのため、流動タイマAのタイムアップとは、上記所定時間が経過することをいう。そして、流動タイマAがタイムアップするまでに、上皿31を流動する球を計数している球カウンタAのカウント値が所定数以上になると、上皿31の球の流動状態が確定することになる。
ステップS116で流動タイマAがタイムアップしていなければ、今回のルーチンを終了してリターンし、次回以降のルーチンを繰り返す。そして、次回以降のルーチンで流動タイマAがタイムアップすると、ステップS118に進んで球カウンタAのカウント値が所定数以上であるか否かを判別する。流動タイマAがタイムアップしても所定数以上の球が上皿31から流動していなければ、ステップS126にジャンプして流動タイマAをクリアする。これは、流動タイマAがタイムアップしたので、いままで使った流動タイマAをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS128で球カウンタAをクリアする。これは、流動タイマAがタイムアップしたとき、所定数以上の球を検出することがなかったので、上皿31における流動を確定せずに(すなわち、上皿流動フラグがセットせずに)、いままで使った球カウンタAをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS128を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
一方、流動タイマAがタイムアップして所定数以上の球が上皿31から流動している場合には、ステップS118の判別結果がYESとなり、ステップS120に進んで上皿31における球の流動を確定する上皿流動フラグをセットする。次いで、ステップS122で維持タイマAを起動する。維持タイマAは、上皿31における球の流動の確定状態を維持する時間(例えば、5秒)をカウントするものである。
ここで、上皿31における球が流動している状態を検出した場合、しばらくの間、流動状態検出の有効時間を設けることにより、故意の操作による球抜き動作(例えば、遊技者が故意に球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする球抜き動作)と、正常な球貸し操作との交互操作に対応可能とする。これは、流動状態検出の有効時間を設けないと、球抜き動作を行っている最中にしか球貸しを不能動化するための監視ができず、故意の操作による球抜き動作を行った直後の球貸しを不能動化するための監視に対応できないことがあるからである。
そのため、上皿球抜き流動検出センサ76が反応してから所定時間は流動状態検出の有効時間とすることで、故意の操作による球抜き動作を行った直後の球貸しに対しても不正監視を可能にしている。
流動状態検出の有効時間としては、例えば5秒とし、その5秒をカウントするために維持タイマAが設けられる。したがって、前述したように、維持タイマAは上皿31における球の流動の確定状態を維持する時間をカウントする。そして、維持タイマAがタイムアップするまでは、上皿31の球流動がなくなっても球流動の検出状態が維持される。
次いで、ステップS124で不能動化状態予告報知データをセットする。不能動化状態予告報知データは、球が上皿31を流動する状態になって、さらに球貸し操作を行う場合に球の貸し出しを不能動化することを予告するためのデータであり、セットされた不能動化状態予告報知データはメインルーチンのステップS28で出力されて不能動化状態予告報知ランプ26が点灯する。これにより、不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者が、以後の操作を停止するという効果を期待することができる。したがって、不正を抑制(すなわち、不正な球の貸し出しによって球を獲得することの抑制)することができる。また、遊技者が正常な球貸し操作を行っているにも拘らず、いきなり球貸し制御が不能動化されるという誤動作を防止することができる。なお、不能動化状態の予告報知では不能動化状態予告報知ランプ26を点灯しているのが、点灯に限らず、点滅してもよいし、あるいは不能動化状態予告報知ランプ26の表面に球貸し制御が不能動化されるという「不能動化状態予告報知」という文字を入れてもよい。また、例えば特図表示器内で、不能動化状態の予告報知を行うようにしてもよい。例えば、特図表示器をCRT装置あるいは液晶表示器で構成した場合には、その画面内に不能動化状態予告報知を表す表現で報知情報(文字あるいは画像)を入れるようにしてもよい。例えば、「いま、球貸し操作を行うと不正になります」等の報知情報を画面に表示するようにしてよい。又は、不能動化状態の予告報知を音声、効果音等の音情報で報知するようにしてもよいし、ランプ、画像、音情報を組み合せてもよい。
次いで、ステップS126で流動タイマAをクリアする。これは、上皿31における流動を確定する上皿流動フラグがセットされたので、いままで使った流動タイマAをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS128で球カウンタAをクリアする。これも同様に、上皿31における流動を確定する上皿流動フラグがセットされたので、いままで使った球カウンタAをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS128を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
(4)球の流動状態が確定しているとき
次に、ステップS102で上皿流動フラグがある場合には、YESに分岐してステップS130に進む。ステップS130では維持タイマAを更新する。これは、上皿流動フラグがセットされているので、維持タイマAの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS132で維持タイマAがタイムアップしたか否かを判別する。維持タイマAがタイムアップしていなければステップS134に進んで上皿センサ球有り検出か否かを判別する。維持タイマAがタイムアップしていないときに上皿センサ球有りを検出すると、ステップS136で維持タイマAをクリアし、さらに続くステップS138で維持タイマAを再び起動してルーチンを終了しリターンする。これにより、球の流動状態が確定しているときに次の球が上皿31を流動すると、再び最初から維持タイマAのカウントが開始される。このように、上皿31の球流動がなくなっても球流動の検出状態が維持されているときには、次の球の流動が検出される毎に新たに維持タイマAが起動して最初からカウントが行われることになる。したがって、球流動の検出毎に流動状態確定時間が延長されていくことになる。
そして、ルーチンを繰り返して維持タイマAがタイムアップすると、ステップS132の判別結果がYESとなってステップS140に分岐する。ステップS140では上皿流動フラグをクリアする。これは、上皿31の流動状態確定の期間が終了したので、上皿31から球が抜き取られて流動していることが確定したときにセットされる上皿流動フラグをリセットするものである。次いで、ステップS142で維持タイマAをクリアする。これは、同じく上皿31の流動状態確定の期間が終了したので、流動状態確定時間をカウントしていた維持タイマAをリセットするものである。次いで、ステップS144で不能動化状態予告報知データをクリアしてルーチンを終了しリターンする。これは、上皿31の流動状態確定の期間が終了したので、不正の予告報知状態を解除するものである。これにより、上皿31の流動に対しての不正監視状態が終了する。
E.下皿球抜きセンサ流動検出処理
図13、図14は球払い開始確認条件監視処理における下皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。下皿球抜きセンサ流動検出処理では、まずステップS200で貸球不正フラグがあるか否かを判別し、貸球不正フラグがあれば、不正中と判断して今回のルーチンを終了してリターンする。
一方、貸球不正フラグがなければステップS202に進んで下皿流動フラグがあるか否かを判別する。下皿流動フラグは、球貯留皿42(下皿)から球が抜き取られて流動していることが確定したときに、後述のステップでセットされるものである。
下皿流動フラグがなければステップS204に進んで流動タイマBが作動中であるか否かを判別する。流動タイマBは、球貯留皿42で球が流動していない状態から球の流動を1個検出すると、起動するものである。ここでの球の流動とは、球貯留皿42における球の流動をいい、球貯留皿42から球が抜き取られて流動していることが確定した状態のことである。
(1)球が流動していないとき
いま、球が流動していなければ、流動タイマBが起動しておらず、ステップS204の判別結果がNOとなってステップS206に分岐する。ステップS206では下皿センサ球有り検出か(すなわち、下皿球抜き流動検出センサ81によって球貯留皿42の球が流動して外部(例えば、いわゆるドル箱)に排出されている状態が検出されているかということ、以下同様)否かを判別する。球が流動していない場合には、下皿センサ球有り検出の判別結果がNOとなって今回のルーチンを終了しリターンする。したがって、球が流動していなければ、流動タイマBが起動しない。
(2)球の流動が開始されたとき(球の流動の1個目のルーチン)
球の流動が開始されたとき、最初に下皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを実行するときは、ステップS204でNOに分岐してステップS206に進む。そして、ステップS206で下皿センサ球有り検出の判別結果がYESとなってステップS208に進み、流動タイマBを起動する。流動タイマBが起動して一定期間内に球の流動が何個か検出されると、流動状態が確定し、後述のように流動状態の確定を維持する維持タイマBが起動することになる。ステップS208で流動タイマBを起動した後は、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、球貯留皿42で球の流動が開始すると、流動タイマBが起動する。すなわち、流動の1個目の球を検出したときは、このようなルーチンを経ることになる。
(3)球の流動の2個目以降のルーチン
球の流動が開始された後、その流動が継続すると(すなわち、流動の1個目の球を検出した後の2個目以降のルーチンに移行すると)、ステップS200、ステップS202を経てステップS204に進むが、流動タイマBが起動しているので、ステップS204の判別結果がYESとなってステップS210に進む。ステップS210では下皿センサ球有り検出か否かを判別し、流動タイマBが起動しているときに下皿センサ球有りを検出すると、ステップS212で球カウンタBを[+1]だけインクリメント(カウントアップ)してステップS214に進む。球カウンタBは、流動タイマBが起動している状態で、球貯留皿42からの球の流動量をルーチンの実行毎に計数するものである。一方、流動タイマBが起動していても下皿センサ球有りを検出しなければステップS212をジャンプしてステップS214に進み、球カウンタBのインクリメントは行わない。
ステップS214では流動タイマBを更新する。これは、2個目以降の球を計数する所定時間である流動タイマBの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS216で流動タイマBがタイムアップしたか否かを判別する。
ここで、球貯留皿42における球の流動を検出する際に、故意の操作を行う場合(例えば、遊技者が故意に球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする場合)には、所定時間内に球貯留皿42から流動する遊技球が多量に検出されるので、流動状態検出とし、所定時間内に遊技球を少量検出するときは故意の操作ではないとして流動状態との認識をしないようにする。すなわち、下皿球抜き流動検出センサ81が反応してから所定時間内の遊技球の個数で球貯留皿42の球の流動状態確定とする。
そのため、流動タイマBのタイムアップとは、上記所定時間が経過することをいう。そして、流動タイマBがタイムアップするまでに、球貯留皿42を流動する球を計数している球カウンタBのカウント値が所定数以上になると、球貯留皿42の球の流動状態が確定することになる。
ステップS216で流動タイマBがタイムアップしていなければ、今回のルーチンを終了してリターンし、次回以降のルーチンを繰り返す。そして、次回以降のルーチンで流動タイマBがタイムアップすると、ステップS218に進んで球カウンタBのカウント値が所定数以上であるか否かを判別する。流動タイマBがタイムアップしても所定数以上の球が球貯留皿42から流動していなければ、ステップS226にジャンプして流動タイマBをクリアする。これは、流動タイマBがタイムアップしたので、いままで使った流動タイマBをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS228で球カウンタBをクリアする。これは、流動タイマBがタイムアップしたとき、所定数以上の球を検出することがなかったので、球貯留皿42における流動を確定せずに(すなわち、下皿流動フラグがセットせずに)、いままで使った球カウンタBをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS228を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
一方、流動タイマBがタイムアップして所定数以上の球が球貯留皿42から流動している場合には、ステップS218の判別結果がYESとなり、ステップS220に進んで球貯留皿42における球の流動を確定する下皿流動フラグをセットする。次いで、ステップS222で維持タイマBを起動する。維持タイマBは、球貯留皿42における球の流動の確定状態を維持する時間(例えば、5秒)をカウントするものである。
ここで、球貯留皿42における球が流動している状態を検出した場合、しばらくの間、流動状態検出の有効時間を設けることにより、故意の操作による球抜き動作(例えば、遊技者が故意に球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする球抜き動作)と、正常な球貸し操作との交互操作に対応可能とする。これは、流動状態検出の有効時間を設けないと、球抜き動作を行っている最中にしか球貸しを不能動化するための監視ができず、故意の操作による球抜き動作を行った直後の球貸しを不能動化するための監視に対応できないことがあるからである。
そのため、下皿球抜き流動検出センサ81が反応してから所定時間は流動状態検出の有効時間とすることで、故意の操作による球抜き動作を行った直後の球貸しに対しても不正監視を可能にしている。
流動状態検出の有効時間としては、例えば5秒とし、その5秒をカウントするために維持タイマBが設けられる。したがって、前述したように、維持タイマBは球貯留皿42における球の流動の確定状態を維持する時間をカウントする。そして、維持タイマBがタイムアップするまでは、球貯留皿42の球流動がなくなっても球流動の検出状態が維持される。
次いで、ステップS224で不能動化状態予告報知データをセットする。不能動化状態予告報知データは、球が球貯留皿42を流動する状態になって、さらに球貸し操作を行う場合に球の貸し出しを不能動化することを予告するためのデータであり、セットされた不能動化状態予告報知データはメインルーチンのステップS28で出力されて不能動化状態予告報知ランプ26が点灯する。これにより、不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者が、以後の操作を停止するという効果を期待することができ、不正を抑制(すなわち、不正な球の貸し出しによって球を獲得することの抑制)することができる。また、遊技者が正常な球貸し操作を行っているにも拘らず、いきなり球貸し制御が不能動化されるという誤動作を防止することができる。
次いで、ステップS226で流動タイマBをクリアする。これは、球貯留皿42における流動を確定する下皿流動フラグがセットされたので、いままで使った流動タイマBをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS228で球カウンタBをクリアする。これも同様に、球貯留皿42における流動を確定する下皿流動フラグがセットされたので、いままで使った球カウンタBをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS228を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
(4)球の流動状態が確定しているとき
次に、ステップS202で下皿流動フラグがある場合には、YESに分岐してステップS230に進む。ステップS230では維持タイマBを更新する。これは、下皿流動フラグがセットされているので、維持タイマBの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS232で維持タイマBがタイムアップしたか否かを判別する。維持タイマBがタイムアップしていなければステップS234に進んで下皿センサ球有り検出か否かを判別する。維持タイマBがタイムアップしていないときに下皿センサ球有りを検出すると、ステップS236で維持タイマBをクリアし、さらに続くステップS238で維持タイマBを再び起動してルーチンを終了しリターンする。これにより、球の流動状態が確定しているときに次の球が球貯留皿42を流動すると、再び最初から維持タイマBのカウントが開始される。このように、球貯留皿42の球流動がなくなっても球流動の検出状態が維持されているときには、次の球の流動が検出される毎に新たに維持タイマBが起動して最初からカウントが行われることになる。したがって、球流動の検出毎に流動状態確定時間が延長されていくことになる。
そして、ルーチンを繰り返して維持タイマBがタイムアップすると、ステップS232の判別結果がYESとなってステップS240に分岐する。ステップS240では下皿流動フラグをクリアする。これは、球貯留皿42の流動状態確定の期間が終了したので、球貯留皿42から球が抜き取られて流動していることが確定したときにセットされる下皿流動フラグをリセットするものである。次いで、ステップS242で維持タイマBをクリアする。これは、同じく球貯留皿42の流動状態確定の期間が終了したので、流動状態確定時間をカウントしていた維持タイマBをリセットするものである。次いで、ステップS244で不能動化状態予告報知データをクリアしてルーチンを終了しリターンする。これは、球貯留皿42の流動状態確定の期間が終了したので、不正の予告報知状態を解除するものである。これにより、球貯留皿42の流動に対しての不正監視状態が終了する。
F.オーバーフロー球センサ流動検出処理
図15、図16は球払い開始確認条件監視処理におけるオーバーフロー球センサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。オーバーフロー球センサ流動検出処理では、まずステップS300で貸球不正フラグがあるか否かを判別し、貸球不正フラグがあれば、不正中と判断して今回のルーチンを終了してリターンする。
一方、貸球不正フラグがなければ、ステップS302に進んでオーバーフロー球流動フラグがあるか否かを判別する。オーバーフロー球流動フラグは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が自重で落下して流動することが確定したときに、後述のステップでセットされるものである。
オーバーフロー球流動フラグがなければステップS304に進んで流動タイマCが作動中であるか否かを判別する。流動タイマCは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動していない状態から球の流動を1個検出すると、起動するものである。
ここでの球の流動とは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ流れる球の流動をいい、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動していることが確定した状態のことである。このようなケースとしては、例えば大当りによる球の賞球排出、セーフ球による賞球排出によって上皿31に余裕がなくなってオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が流動する場合がある。また、賞球排出ではなく、例えば遊技者が球貸し操作を連続的に行うことによる貸し球連続排出によって短時間に多量の球が排出されるために、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が流動する場合がある。なお、このように上皿31からオーバーフローする球の流動が検出された場合に、同時に貸し球操作が行われると、不正に貸し球を獲得しようとする意図があると考えられる。
(1)球が流動していないとき
いま、球が流動していなければ、流動タイマCが起動しておらず、ステップS304の判別結果がNOとなってステップS306に分岐する。ステップS306ではオーバーフロー球センサ球有り検出か(すなわち、オーバーフロー球流動検出センサ105によって上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動している状態が検出されているかということ、以下同様)否かを判別する。球が流動していない場合には、オーバーフロー球センサ球有り検出の判別結果がNOとなって今回のルーチンを終了しリターンする。したがって、球が流動していなければ、流動タイマCが起動しない。
(2)球の流動が開始されたとき(球の流動の1個目のルーチン)
球の流動が開始されたとき、最初にオーバーフロー球センサ流動検出処理のサブルーチンを実行するときは、ステップS304でNOに分岐してステップS306に進む。そして、ステップS306でオーバーフロー球センサ球有り検出の判別結果がYESとなってステップS308に進み、流動タイマCを起動する。流動タイマCが起動して一定期間内に球の流動が何個か検出されると、流動状態が確定し、後述のように流動状態の確定を維持する維持タイマCが起動することになる。ステップS308で流動タイマCを起動した後は、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下する流動が開始すると、流動タイマCが起動する。すなわち、流動の1個目の球を検出したときは、このようなルーチンを経ることになる。
(3)球の流動の2個目以降のルーチン
球の流動が開始された後、その流動が継続すると(すなわち、流動の1個目の球を検出した後の2個目以降のルーチンに移行すると)、ステップS300、ステップS302を経てステップS304に進むが、流動タイマCが起動しているので、ステップS304の判別結果がYESとなってステップS310に進む。ステップS310ではオーバーフロー球センサ球有り検出か否かを判別し、流動タイマCが起動しているときにオーバーフロー球センサ球有りを検出すると、ステップS312で球カウンタCを[+1]だけインクリメント(カウントアップ)してステップS314に進む。球カウンタCは、流動タイマCが起動している状態で、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下する球の流動量をルーチンの実行毎に計数するものである。一方、流動タイマCが起動していてもオーバーフロー球センサ球有りを検出しなければステップS312をジャンプしてステップS314に進み、球カウンタCのインクリメントは行わない。
ステップS314では流動タイマCを更新する。これは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下する2個目以降の球を計数する所定時間である流動タイマCの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS316で流動タイマCがタイムアップしたか否かを判別する。
ここで、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下する球の流動を検出する際に、大当り等の大量に賞球が排出される場合に、所定時間内に上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下する遊技球が多量に検出されるので、流動状態検出とし、所定時間内に遊技球を少量検出するときは球排出口75が詰ってしまっている場合に賞球がたまたま球貯留皿42の方へ落下しているとして流動状態との認識をしないようにする。仮に、不正遊技者がわざと球排出口75を詰らせて球貸し操作を行って球貯留皿42へ落下させても、球貸し量は一定量(例えば、300円分で75発)落下するので、流動状態は検出される(例えば、この状態は故意の操作に相当)。すなわち、オーバーフロー球流動検出センサ105が反応してから所定時間内に検出される遊技球の個数で上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下する流動状態確定とする。
そのため、流動タイマCのタイムアップとは、上記所定時間が経過することをいう。そして、流動タイマCがタイムアップするまでに、球貯留皿42を流動する球を計数している球カウンタCのカウント値が所定数以上になると、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下する流動状態が確定することになる。
ステップS316で流動タイマCがタイムアップしていなければ、今回のルーチンを終了してリターンし、次回以降のルーチンを繰り返す。そして、次回以降のルーチンで流動タイマCがタイムアップすると、ステップS318に進んで球カウンタCのカウント値が所定数以上であるか否かを判別する。流動タイマCがタイムアップしても所定数以上の球が上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下していなければ、ステップS326にジャンプして流動タイマCをクリアする。これは、流動タイマCがタイムアップしたので、いままで使った流動タイマCをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS328で球カウンタCをクリアする。これは、流動タイマCがタイムアップしたとき、所定数以上の球を検出することがなかったので、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下する球の流動を確定せずに(すなわち、オーバーフロー球流動フラグをセットせずに)、いままで使った球カウンタCをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS328を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
一方、流動タイマCがタイムアップして所定数以上の球が上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下して流動している場合には、ステップS318の判別結果がYESとなり、ステップS320に進んで上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動している状態を確定するオーバーフロー球流動フラグをセットする。次いで、ステップS322で維持タイマCを起動する。維持タイマCは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下している球の流動の確定状態を維持する時間(例えば、5秒)をカウントするものである。
ここで、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動している状態を検出した場合、しばらくの間、流動状態検出の有効時間を設けることにより、大当りによる賞球排出、セーフ球による賞球排出等があったとき上皿31に余裕がなければ、球が上皿31をオーバーフローする流動状態となるが、そのオーバーフロー流動が終了した直後に、遊技者が故意にさらなる球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする行為をした場合にも対応可能(その行為を監視可能)とすることができる。仮に、流動状態検出の有効時間を設けないとすると、オーバーフロー流動が終了した直後に、遊技者が故意にさらなる球貸し操作を行って球を不正獲得しようとする行為を有効に監視できないからである。
流動状態検出の有効時間としては、例えば5秒とし、その5秒をカウントするために維持タイマCが設けられる。したがって、前述したように、維持タイマCは上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下している球の流動の確定状態を維持する時間をカウントする。そして、維持タイマCがタイムアップするまでは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下する球の流動がなくなっても球流動の検出状態が維持される。
次いで、ステップS324で不能動化状態予告報知データをセットする。不能動化状態予告報知データは、球が上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ落下して流動する状態になって、さらに球貸し操作を行う場合に球の貸し出しを不能動化することを予告するためのデータであり、セットされた不能動化状態予告報知データはメインルーチンのステップS28で出力されて不能動化状態予告報知ランプ26が点灯する。これにより、前述した場合と同様に不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者が、以後の操作を停止するという効果を期待することができ、不正を抑制することができる。また、遊技者が正常な球貸し操作を行っているにも拘らず、いきなり球貸し制御が不能動化されるという誤動作を防止することができる。
次いで、ステップS326で流動タイマCをクリアする。これは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動することを確定するオーバーフロー球流動フラグがセットされたので、いままで使った流動タイマCをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS328で球カウンタCをクリアする。これも同様に、オーバーフロー球流動フラグがセットされたので、いままで使った球カウンタCをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS328を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
(4)球の流動状態が確定しているとき
次に、ステップS302でオーバーフロー球流動フラグがある場合には、YESに分岐してステップS330に進む。ステップS330では維持タイマCを更新する。これは、オーバーフロー球流動フラグがセットされているので、維持タイマCの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS332で維持タイマCがタイムアップしたか否かを判別する。維持タイマCがタイムアップしていなければステップS334に進んでオーバーフロー球センサ球有り検出か否かを判別する。維持タイマCがタイムアップしていないときにオーバーフロー球センサ球有りを検出すると、ステップS336で維持タイマCをクリアし、さらに続くステップS338で維持タイマCを再び起動してルーチンを終了しリターンする。これにより、球の流動状態が確定しているときに次の球が上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ流動すると、再び最初から維持タイマCのカウントが開始される。このように、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ向う球の流動がなくなっても球流動の検出状態が維持されているときには、次の球の流動が検出される毎に新たに維持タイマCが起動して最初からカウントが行われることになる。したがって、球流動の検出毎に流動状態確定時間が延長されていくことになる。
そして、ルーチンを繰り返して維持タイマCがタイムアップすると、ステップS332の判別結果がYESとなってステップS340に分岐する。ステップS340ではオーバーフロー球流動フラグをクリアする。これは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ向う球の流動状態の確定の期間が終了したので、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42に球が落下して流動していることが確定したときにセットされるオーバーフロー球流動フラグをリセットするものである。次いで、ステップS342で維持タイマCをクリアする。これは、同じく上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ向う球の流動状態の確定の期間が終了したので、流動状態確定時間をカウントしていた維持タイマCをリセットするものである。次いで、ステップS344で不能動化状態予告報知データをクリアしてルーチンを終了しリターンする。これは、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ向う球の流動状態の確定の期間が終了したので、不正の予告報知状態を解除するものである。これにより、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ向う球の流動に対しての不正監視状態が終了する。
G.条件判定処理
図17は球払い開始確認条件監視処理における条件判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。条件判定処理では、まずステップS400で補給センサ球有フラグがあるか、ステップS402で半端センサ球有フラグがあるか、ステップS404で排出センサ球有フラグがあるか、さらにステップS406でオーバーフローフラグがあるか否かをそれぞれ判別する。
補給センサ球有フラグは補給センサ71によって貯留タンク51に球があることが検出されているときセットされる。半端センサ球有フラグは半端センサ212により球導出樋52に待機球が存在しているときセットされる。排出センサ球有フラグは排出センサ111、112により球排出装置54の排出カムの部分に球が存在しているときセットされる。オーバーフローフラグは球貯留皿42が球で満杯になっているときにセットされる。
補給センサ球有フラグがあり、半端センサ球有フラグがあり、排出センサ球有フラグがあり、かつオーバーフローフラグがなければ、ステップS408に進んで条件確認1フラグをセットする。
条件確認1フラグがセットされるのは、賞球要求に対して賞品球を払い出せる条件が揃ったときで、具体的には、以下の4つの条件が揃ったときである。
(I)貯留タンク51に十分な球が存在する。
(II)排出前の球が1単位の貸し球数や賞球数以上に対応する分だけ球導出樋52に存在する。
(III)球排出装置54の2条の通路に球が連続して存在している。
(IV)球貯留皿42がオーバーフローしていない(球を皿に放出しても差し支えない)。
このような4つの条件が揃ったとき、条件確認1フラグ=1となって球の排出処理を開始するための必要十分条件、すなわち球の排出開始条件が成立する。この条件が成立することにより、賞球数信号があった場合に、それに応じて球の払い出しが行われ、その場合に一定数の球の排出が保証されることになる。
次いで、ステップS409で球貸し受付可能信号(PRDY信号)をONしてステップS410へ進む。これにより、賞品球および貸し球の排出が可能な状態にあることが球貸機3に通知されることになる。
なお、上皿31が満杯でないという条件は条件確認1フラグのセット条件に入っていない。これにより、上皿31が満杯でも賞品球の払い出しが行われ、球貯留皿42へ流入する余裕があるので、セーフ球がセーフ球払出装置58に溜まってトラブルの原因になる等の不具合が避けられ、また遊技者の利益に直接結び付く賞品球が確実に払い出される。
次いで、貸し球を払い出す条件を求める。すなわち、ステップS410で上皿流動フラグがあるか、ステップS412で下皿流動フラグがあるか、ステップS414でオーバーフロー球流動フラグがあるか否かを判別する。これらの上皿流動フラグ、下皿流動フラグ、オーバーフロー球流動フラグがないとき(セットされていないとき)は、貸し球を払い出す条件が揃っていると判断し、ステップS416で条件確認2フラグをセットしてルーチンを終了しリターンする。
したがって、条件確認2フラグがセットされるのは、
(I)貯留タンク51に十分な球が存在し、
(II)排出前の球が1単位の貸し球数や賞球数以上に対応する分だけ球導出樋52に存在し、
(III)球排出装置54の2条の通路に球が連続して存在しており、
(IV)球貯留皿42がオーバーフローしていない(球を皿に放出しても差し支えない)、
(V)上皿31から球が抜き取られて流動していない、
(VI)球貯留皿42から球が抜き取られて流動していない、
(VII)上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動していない、
という7つの条件が揃ったときである。このとき、条件確認2フラグ=1となって貸し球の排出処理を開始するための必要かつ十分条件、すなわち貸し球の排出開始条件が成立する。したがって、球貸し要求信号に応じて球の払い出しが行われ、かつ一定数の球の排出が保証される。
これに対して、上記各条件(I)、(II)、(III)、(IV)のうち1つでも欠けると、ステップS418に分岐して条件確認1フラグをクリアする。このケースは、球の排出処理を開始するための必要条件が成立しない場合である。次いで、ステップS420で球貸し受付可能信号(PRDY信号)をOFFする。これにより、球の排出ができない状態にあることが球貸機3に通知されることになる。次いで、ステップS422で条件確認2フラグをクリアしてリターンする。
また、上記条件(V)、(VI)、(VII)のうち1つでも欠けると、球の排出に必要な条件は揃っているが、貸し球の排出に対して十分条件でないと判断し、ステップS422に分岐して条件確認2フラグをクリアしてリターンする。したがって、この場合は遊技機1側で貸し球の排出を行わないように制御される。
H.ステップAのサブルーチン
次に、上述のメインルーチンにおけるステップAを実行するサブルーチンについて説明する。
図18はステップAのサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS450で球貸し要求信号(BRDY)があるか否か、すなわちCPU201を含む排出制御装置56側に球貸機3から球貸し要求信号(BRDY)がきているか否かを判別する。球貸し要求信号(BRDY)は、遊技者が球貸釦33を押して球の貸し出しを希望したときに発生する。球貸し要求信号(BRDY)がなければ、ステップS452に進んでセーフ球があるか否かを判別する。セーフ球がなければ、賞品球としての球の払い出しを行う必要がないので、今回はルーチンを終了してリターンする。
セーフ球があると、賞品球としての球の払い出しを行う必要があるので、ステップS454に進んで条件確認1フラグがあるか否かを判別する。条件確認1フラグは球排出装置54までの部分で球の排出に必要な条件が揃っており、球貯留皿42がオーバーフロー状態(上皿31のオーバーフロー流動状態とは異なる)でないときにセットされるものである。ステップS454の判別結果がYESのとき(条件確認1フラグがあるとき)には、ステップS456に進んで次の実行ステップBの処理(すなわち、賞球数情報送受信処理)をセットしてメインルーチンにリターンする。これにより、セーフ球に対応して賞品球の払い出しが行われることになる。また、ステップS454の判別結果がNOのとき(条件確認1フラグがないとき)には、メインルーチンにリターンする。
ステップS450で球貸し要求信号(BRDY)があれば、ステップS458〜ステップS462でそれぞれ上皿流動フラグがあるか、下皿流動フラグがあるか、オーバーフロー球流動フラグがあるかを判別する。どれか1つでも流動フラグがあると、ステップS464に分岐して不能動化予告報知データをクリアし、次いでステップS466に進んで次の実行ステップFの処理(すなわち、不正処理)をセットしてメインルーチンにリターンする。これにより、球貸し要求信号(BRDY)があるときに、上皿31から球が抜き取られて流動している、球貯留皿42から球が抜き取られて流動している、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動している状態のうち、1つでも球の流動があると、不能動化予告報知が終了し、その代りにステップFの処理に移行して球の排出制御が不能動化されることになる。
一方、ステップS458〜ステップS462で何れの流動フラグもないときは、ステップS468に進んで、球貸し単位信号(BRQ)があるか否かを判別する。球貸し単位信号(BRQ)は、球貸機3から送信されるもので、所定単位(ここでは100円単位)毎に球を貸し出すという信号であり、遊技者が球貸釦33を押して球貸しを希望した場合に、100円単位で球を排出するために、球貸し単位信号(BRQ)が形成されている。
球貸し単位信号(BRQ)がなければ今回のルーチンを終了してリターンする。球貸し単位信号(BRQ)があればステップS470に進んで条件確認2フラグがあるか否かを判別する。条件確認2フラグは球排出装置54までの部分で球の排出に必要な条件が揃っており、球貯留皿42がオーバーフロー状態でなく、かつ上皿流動フラグがない、下皿流動フラグがない、オーバーフロー球流動フラグがないときにセットされるものである。
したがって、ステップS470の判別結果がNOのとき(条件確認2フラグがないとき)には、ステップA以外を通るメインルーチンで上皿流動フラグ、下皿流動フラグ、オーバーフロー球流動フラグの何れかがセットされたと判断し、ステップS472、ステップS474の処理を行わず、今回はそのままメインルーチンにリターンする。
このことにより、貸し球操作を行って球貸し排出を行っているときに、流動状態を検出しても、球貸し排出が不能動化になる制御を行っているので、不正に対応できる。
一方、ステップS470の判別結果がYESのとき(条件確認2フラグがあるとき)には、ステップS472で球貸し単位数を排出カウンタにセットする。これにより、ルーチンの実行毎に100円分の球貸し数に対応する球貸し単位数=25個の球が貸し出されることになる。200円分以上の球貸しは、次回以降のルーチンを繰り返すことにより行われることになる。次いで、ステップS474でステップCをセットしてリターンする。これにより、メインルーチンではステップCが実行されて球が払い出される。
100円分の球貸し数に対応する球が払い出され、さらに引続いて球貸機3から球貸し要求信号(BRDY)がきていると、ステップS450、ステップS458、ステップS460、ステップS462、ステップS468、ステップS470、ステップS472、ステップS474の処理を繰り返し、200円分以上の球貸しが行われる。そして、球貸し分の排出が終了すると、ステップS450の判別結果がNOとなり、ステップS452に分岐する。
このようにして、セーフ球の確認および球の貸し出し確認処理が行われる。
ここで、球の排出と各信号の関係について説明する。例えば、200円分の球を貸し出す場合を例として説明すると、遊技者が球貸釦33を押して球の貸し出しを要求する操作を行うと、球貸機3が球貸釦33の入力を受け付け、排出制御装置56よりの球貸し受付可能信号(PRDY:球貸機3へ排出制御装置56が動作可能であることを知らせる信号)が能動中であることを確認して、球貸し要求信号(BRDY:球貸し要求中にアクティブになっている信号で、これにより、排出制御装置56は連続して球貸し単位信号(BRQ)が送信されてくることが分かる)をパチンコ機本体2に送信する。次いで、排出制御装置56を受信体制にし、球貸し単位信号(BRQ:1パルス25個の信号)を球貸機3から排出制御装置56に送信する。
排出制御装置56では球貸し要求信号(BRDY)がアクティブで、かつ球貸し単位信号(BRQ)の入力があると、25個の球貸し排出を行い、排出後に球貸し単位完了信号(EXS)を球貸機3へ送信する。球貸機3は球貸し単位完了信号(EXS)を受信後に連続して球貸し単位信号(BRQ)がある場合(例えば、200円の球貸し要求であれば、連続して球貸し単位信号がある)には、球貸し単位信号(BRQ)を排出制御装置56に送信する。これにより、排出制御装置56は球貸し要求信号(BRDY)に応答してさらに25個の球貸し排出を行う。
I.ステップFのサブルーチン
次に、上述のメインルーチンにおけるステップFを実行するサブルーチンについて説明する。
図19はステップFのサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS500でリセットSW入力検出があるか否かを判別する。これは、球貸し排出制御の不能動化状態をリセットする(つまり排出可能に復帰する)リセットスイッチ220からの信号の入力を検出したかどうかを判断するものである。また、ステップS502では球貸し排出制御の不能動化状態を解除する不正解除信号の検出があるか否かを判別する。これは、管理装置から出力される不正解除信号221が入力されているかどうか判断するものである。リセットスイッチ220からの信号がなく、かつ不正解除信号221が入力されていなければ、ステップS504に進んで不正報知データをセットする。
不正報知データは、球が流動状態になった場合に、球貸し操作を行うことにより、球排出を不能動化することを報知するためのデータであり、セットされた不正報知データはメインルーチンのステップS28で出力されて不能動化状態報知ランプ27が点灯する。これにより、不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者に対して、球貸し制御が不能動化されて停止されるという事態を報知して、不正な球の貸し出しによって球を獲得することをおもいとどませることができる。また、不能動化状態報知ランプ27が点灯することにより、ホールの係員が当該遊技機1を容易に発見することができ、必要な処置(例えば、不正を行っている遊技者への注意等)をすることができる。
なお、不能動化状態の報知では不能動化状態報知ランプ27を点灯しているが、点灯に限らず、点滅してもよいし、あるいは不能動化状態報知ランプ27の表面に球貸し制御が不能動化されたという「球貸し不能動化状態」という文字を入れてもよい。また、例えば特図表示器内で、不能動化状態の報知を行うようにしてもよい。例えば、特図表示器をCRT装置あるいは液晶表示器で構成した場合には、その画面内に球貸し不能動化状態を表す表現で報知情報(文字あるいは画像)を入れるようにしてもよい。例えば、「いま、球貸し操作を行うことはできません。係員を呼んでください」等の報知情報を画面に表示するようにしてよい。又は、不能動化状態の報知を音声、効果音等の音情報で報知するようにしてもよいし、ランプ、画像、音情報を組み合せてもよい。
次いで、ステップS506で貸球不正フラグをセットする。これにより、前述した上皿球抜きセンサ流動検出処理、下皿球抜きセンサ流動検出処理、オーバーフロー球センサ流動検出処理では不正中と判断されて、球貸し制御の不能動化状態が継続することになる。次いで、ステップS508で不正信号をセットする。これにより、管理装置に対して当該遊技機1から不正信号305が送信され、管理装置側で不正の発生している遊技機1を把握して必要な処置を取ることができる。次いで、ステップS510でステップFをセットしてメインルーチンにリターンする。これにより、不正状態が解除されない限り、次回のメインルーチンで再びステップFの処理(不正処理)が実行され、球貸し制御の不能動化状態が継続し、不正行為(すなわち、不正な球の貸し出しによって球を獲得する行為)を防止することができる。
一方、ステップS500でリセットスイッチ220からの信号がある場合、あるいはステップS502で不正解除信号221が入力された場合には、不正の解除要求があると判断してステップS512に分岐する。まず、ステップS512で上皿流動フラグをクリアし、ステップS514で下皿流動フラグをクリアし、さらにステップS516でオーバーフロー球流動フラグをクリアする。これら各流動フラグのクリアにより貸球を払い出す条件のうち、球流動の検出状態が解除される。次いで、ステップS518で維持タイマを全てクリアする。これにより、維持タイマA、B、Cが何れもクリアされる。次いで、ステップS520で不正報知データをクリアする。これにより、メインルーチンの実行により不能動化状態報知ランプ27が消灯する。
次いで、ステップS522で貸球不正フラグをクリアする。これにより、前述した上皿球抜きセンサ流動検出処理、下皿球抜きセンサ流動検出処理、オーバーフロー球センサ流動検出処理では不正中ではないと判断されて、球の流動状態を検出する状態に戻る。次いで、ステップS524で不正信号をクリアする。これにより、管理装置への不正信号305の送信が停止される。次いで、ステップS526でステップAをセットしてルーチンを終了しリターンする。これにより、次回のメインルーチンでは再びステップAの処理から実行されることになり、通常遊技状態に戻る。
以上のプログラムを実行することによる貸球排出の不能動化制御の具体例について図20を参照して説明する。
(a)賞球排出の手順
球貸し動作中以外で排出制御装置56がセーフ球を検出すると(ステップA)、役物制御装置57へ賞球数の要求信号を送信し、役物制御装置57より賞球数(賞球数信号および送信クロック)を受信する(ステップB)。そして、賞球数に対応した球を球排出装置54を動作させて排出する(ステップC)。
(b)球貸し排出の手順
(1)通常の球流動の場合
上皿31に球がある場合(例えば、貸し球排出によって上皿31に球がある場合、あるいは賞球排出によって上皿31に球がある場合)、例えば遊技者が上皿31の球を球貯留皿42に移すために球通路開閉用の押し釦36を操作すると、上皿31の球が流動して球貯留皿42に排出される。これにより、図20に示すように上皿球抜き流動検出センサ76がオンし、これに伴って流動タイマAが起動し、所定時間のカウントを行う。そして、流動タイマAが起動中に所定個数以上の球の流動が検出されなければ、流動タイマAのタイムアップとともに、球流動の監視が終了する。
なお、上記の説明は上皿31からの球の流動の例であるが、球貯留皿42から球が抜き取られる流動状態、あるいは上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動する状態であっても同様である。説明が繁雑になるので、そのような場合について、いちいち説明していないが、通常の球流動の場合についての動作は同様である。
(2)通常の球貸し操作の場合
上皿31に球がある場合に、遊技者が球貸釦33を押して球の貸し出しを要求する操作を行うと、球貸機3が球貸釦33の入力を受け付け、排出制御装置56よりの球貸し受付可能信号308(PRDY:球貸機3へ排出制御装置56が動作可能であることを知らせる信号)が能動中であることを確認して、球貸し要求信号215(BRDY:球貸し要求中にアクティブになっている信号で、これにより、排出制御装置56は連続して球貸し単位信号(BRQ)が送信されてくることが分かる)をパチンコ機本体2に送信する。そして、排出制御装置56を受信体制にし、球貸し単位信号216(BRQ:1パルス25個の信号)を球貸機3から排出制御装置56に送信する。
排出制御装置56は球貸し要求信号(BRDY)がアクティブで、かつ球貸し単位信号(BRQ)の入力があると、25個の球貸し排出を行い、排出後に球貸し単位完了信号(EXS)を球貸機3へ送信する。球貸機3は球貸し単位完了信号(EXS)を受信後に連続して球貸し単位信号(BRQ)がある場合(例えば、200円の球貸し要求であれば、連続して球貸し単位信号がある)には、球貸し単位信号(BRQ)を排出制御装置56に送信する。これにより、排出制御装置56は球貸し要求信号(BRDY)に応答してさらに25個の球貸し排出を行う。
なお、球貸釦33の1入力で300円(遊技店で球貸機3に1入力の球貸数を設定できる)の要求操作が行われた場合には、球要求信号(BRDY)をアクティブにして球貸し単位信号(BRQ)をアクティブにし、25個の球の排出が終了すると、球貸し単位完了信号(EXS)を球貸機3へ送信し、球貸機3では球貸し単位完了信号(EXS)の受信後に再び球貸し単位信号(BRQ)をアクティブにして25個の球の排出を終了して球貸し単位完了信号(EXS)を球貸機3へ送信する。さらに、球貸機3では球貸し単位完了信号(EXS)の受信後に再び球貸し単位信号(BRQ)をアクティブにして25個の球の排出を終了する。このようにして300円分(100円分を3回)の球貸しが行われ、球の排出が終了すると、球貸し要求信号(BRDY)をノンアクティブにすることで、排出制御装置56に球貸し終了を知らせる。
(3)不正な球貸し操作の場合
まず、遊技者が上皿31の球を球貯留皿42に移すために球通路開閉用の押し釦36を操作(不正に貸し球を獲得する操作)すると、上皿31の球が流動して球貯留皿42に排出される。これにより、上皿球抜き流動検出センサ76がオンし、これに伴って流動タイマAが起動し、所定時間のカウントを行う。そして、流動タイマAが起動中に所定個数以上の球の流動が検出されると、球の流動状態であると判断し、その流動状態が確定して上皿31における球の流動を確定する上皿流動フラグがセットされるとともに維持タイマAが起動し、流動の確定状態を維持する時間(例えば、5秒)のカウントが開始される。また、維持タイマAが起動するタイミングで不能動化状態予告報知ランプ26が点灯し、球の貸し出しを不能動化することを予告する報知が行われ、遊技者に警告する。
その後、遊技者により上皿31の球を球貯留皿42に抜くための操作が引続き行われていると、球の流動がある度に維持タイマAが更新されていく。そして、維持タイマAのカウント期間内に、再び遊技者が球貸釦33を押して球の貸し出しを要求する操作を行うと、球貸機3が球貸釦33の入力を受け付け、球貸し要求信号215(BRDY)がパチンコ機本体2に送信される。ところが、これは遊技者による不正な意図のある操作(つまり不正に遊技球を獲得しようとする操作)であると判断されて球貸し要求信号215(BRDY)がアクティブになると同時に不能動化状態予告報知が終了し、代りに不能動化状態報知ランプ27が点灯し、かつ球貸し制御が不能動化される。また、球貸し単位完了信号(EXS)がノンアクティブになる。これにより、不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者に対して、球貸し制御が不能動化されて停止したことが報知され、かつ実際の球の排出も停止される(すなわち、貸球排出不能動化状態となる)。また、管理装置に不正信号305が出力される。
その後、係員がリセットスイッチ220をオンするか、あるいは管理装置からの不正解除信号221が入力されると、球貸し制御の不能動化状態が解除されて通常状態に復帰する。
なお、上記の説明は上皿31からの球の流動の例であるが、球貯留皿42から球が抜き取られる流動状態、あるいは上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動する状態であっても同様である。
このように本実施例では、上皿31等に遊技球の持ち球が存在するにも拘らず、遊技者が球貸し操作を行うという通常遊技を行う上では見られない動作(すなわち、通常遊技を行っている場合には想定できない貸球要求動作)を監視し、そのような不正な動作を発見すると、貸球操作に対する球の排出を行わないように球貸し制御が不能動化される。
具体的には、上皿31から球が抜き取られて流動した、球貯留皿42から球が抜き取られて流動した、上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動したことの何れかの状態が検出されたとき、球貸し操作が行われると、これを不正な動作として球の排出を行わないように球貸し制御が不能動化される。すなわち、球が流動しているということは、既に遊技球を多少持っているということであり、なお球の買い足し(購入)をするのは、不自然であるということで、その行為を不正とみなすものである。
したがって、以後の遊技者の不正行為、すなわち不正に遊技球を獲得しようとする貸球操作に基づく行為を継続させなくすることができる。その結果、遊技を行わずに、上皿31等から球を抜き、そして、球供給皿42から球収納箱(いわゆるドル箱)に球を抜き、次いで、景品カウンタでそのまま景品に交換するようなケースを有効に防止することができる。特に、プリペイドカードを改竄して、例えば度数が減算しないような改竄あるいは使用済みのカードに再度金額データを付加するような改竄をして、そのカードによって球貸しのみを行い、上皿31に不正に排出させて球を獲得し、そのまま景品に交換するような不正行為をなくすることができる。
また、このような不正行為を防止することが可能であるので、カードデータの改竄をしたプリペイドカードの使用に対して、遊技店の評判の低下を防止することができるとともに、営業上の信用の低下を防止することができる。
不正行為の発生によって球貸し制御が不能動化されたことを報知することにより、ホール側で不正行為の事実を容易に把握することができるとともに、当該遊技者に対しても不正を行ったことを容易に認識させることができる。例えば、従来は不正行為を行っている遊技者がいても、その証拠を掴むのが困難であったが、遊技機1の不能動化状態報知ランプ27が点灯するので、係員が容易に不正行為(つまり不正操作の段階で)の証拠を掴むことができ、不正行為の事実を明確にすることができる。また、管理装置に不正信号305が出力されるので、管理装置側でも不正行為の発生を簡単に認識することができる。
不能動化状態を解除する手段(例えば、リセットスイッチ220、管理装置からの不正解除信号の出力)を設けることにより、球貸し制御を不能動化した場合にホール側が遊技機1の確認を行ってから通常遊技が可能な状態に戻すことができるので、不正行為の状況確認を行うことが可能になり、不正行為の抑制になる。
所定時間内に球の流動を所定量検出したことに基づいて、球の流動状態の検出を確定することにより、例えば上皿球抜き流動検出センサ76が反応してから所定時間内の遊技球の個数(所定数)で上皿31の球の流動状態確定とすることにより、通常遊技中でも何等かの作用により球流動状態を検出してしまうが、このように明確に球流動が認識されてから球の流動状態の検出を確定すれば、通常遊技に影響を与えないようにすることができる。すなわち、故意の不正な球貸し操作と、通常の球貸し操作とを区別して不必要な球流動状態の検出をなくすことができる。なお、所定時間内における球の流動を所定量検出することは、上皿31からの球の流動に限らず、球貯留皿42からの球の流動および上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動する場合についても同様である。
球の流動を検出してから所定時間が経過するまで、球の流動状態の検出出力を維持しておくことにより、例えば維持タイマAがタイムアップするまで上皿31における球の流動の確定状態を維持することにより、遊技者が故意に球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする球抜き動作と、正常な球貸し操作との交互操作という不正行為が発覚しにくい方法にも有効に対応可能として、球抜き動作を行っている最中にしか球貸しを不能動化するための監視ができず、故意の操作による球抜き動作を行った直後の球貸しに対応できないという不具合を避けることができる。
球の流動が検出された場合に、貸球排出制御を不能動することを不能動化状態予告報知ランプ26を点灯して予告することにより、一般の遊技者が誤って球貸し操作をしないように認識させることができ、トラブルを未然に防ぐことができる。また、不正な球の貸し出しによって球を獲得しようとする遊技者に対して警告し、以後の操作を停止させるように知らせることができる。また、従来はプリペイドカードの不正な改竄によって球貸しが行われてそのまま景品と交換されても、不正な遊技者の動作を店員が的確に監視することが困難であったが、本実施例では不能動化状態予告報知ランプ26が点灯した場合に、以後の遊技者の操作を監視することにより、遊技者の動作を店員が的確に監視することができる。
第2実施例
次に、図21〜図23は本発明の第2実施例を示す図である。この第2実施例は遊技者が実際の遊技を行っているかどうかを検出するために、発射を監視する手段を設けたものである。第2実施例のハード的構成は第1実施例と同様であり、そのうち発射数センサ77およびCPU201は、球の非弾発遊技状態を検出する非弾発遊技状態検出手段を構成する。
図21〜図23の説明に当り、前述した第1実施例のフローチャートと同様の処理を行うステップには同一ステップ番号を付して重複説明を省略する。第2実施例では、メインルーチンにおける球払い開始確認条件監視処理の処理内容が第1実施例と異なるため、その部分を説明する。
C−1.球払い開始確認条件監視処理
図21は第2実施例における球払い開始確認条件監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。球払い開始確認条件監視処理では、ステップS40で補給センサ監視処理、ステップS42で半端センサ監視処理、ステップS44で排出センサ1、2球有判定処理、ステップS46でオーバーフロー監視処理をそれぞれ行った後、ステップS600で発射数センサ流動検出処理を行う。これにより、発射数センサ77の出力に基づいて球が球送り装置から出てきて発射レールに乗ったか否かの監視(すなわち、球が発射されたか否かの監視)が行われて、貸球排出の不能動化の予告報知データのセット等の処理が行われる(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS602で発射フラグがあるか否かを判別する。発射フラグは、発射のための球の流動により球を発射していることが確定したときに、発射数センサ流動検出処理サブルーチンにおけるステップでセットされるものである。発射フラグがなければ遊技を行っていないと判断してNOに分岐し、ステップS48以降の処理を行う(以後は第1実施例と同様)。
一方、発射フラグがあれば遊技を行っていると判断してYESに分岐し、ステップS604〜ステップS608を実行し、その後、ステップS54にジャンプする。ステップS604では上皿流動フラグをクリアする。上皿流動フラグは上皿31から球が抜き取られて流動していることが確定したときにセットされるものであるが、遊技中に上皿31から球が流動するのは遊技中の通常の状態の1つであると考えられるため、上皿流動フラグをクリアして球貸し要求に対する球の排出制御不能動化をさせないようにするものである。
次いで、ステップS606で下皿流動フラグをクリアする。下皿流動フラグは球供給皿42から球が抜き取られて流動していることが確定したときにセットされるものであるが、遊技中に球供給皿42から球が流動するのは遊技中の通常の状態の1つであると考えられるため、下皿流動フラグをクリアして球貸し要求に対する球の排出制御不能動化をさせないようにするものである。
次いで、ステップS608でオーバーフロー球流動フラグをクリアする。オーバーフロー球流動フラグは上皿31をオーバーフローして球貯留皿42の方へ球が落下して流動していることが確定したときにセットされるものであるが、遊技中に上皿31をオーバーフローして球貯留皿42へ球が流動するのは遊技中の通常の状態の1つであると考えられるため、オーバーフロー球流動フラグをクリアして球貸し要求に対する球の排出制御不能動化をさせないようにするものである。
このように、発射フラグがあれば遊技者が実際の遊技を行っていると判断して上皿流動フラグ、下皿流動フラグ、オーバーフロー球流動フラグがクリアされ球貸し要求に対する球の排出制御が不能動化されない。
J.発射数センサ流動検出処理
図22、図23は第2実施例における球払い開始確認条件監視処理の発射数センサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。発射数センサ流動検出処理では、まずステップS700で貸球不正フラグがあるか否かを判別する。貸球不正フラグは、球が流動している状態で遊技を行うことが可能であるにも拘らず、遊技を行わずに、さらに球貸し操作を行う場合に、不正であるとして他のルーチンでセットされるものである。貸球不正フラグがあれば、不正中と判断して今回のルーチンを終了してリターンする。
一方、貸球不正フラグがなければステップS702に進んで発射フラグがあるか否かを判別する。発射フラグは、前述したように発射のための球の流動により球を発射していることが確定したときにセットされる。
発射フラグがなければステップS704に進んで流動タイマDが作動中であるか否かを判別する。流動タイマDは、球が球送り装置から出ずに流動していない状態から、球送り装置から出てきて発射レールに乗るという球の流動を1個検出すると、起動するものである。ここでの球の流動とは、発射レールに乗る球の流動をいい、発射のために球が流動していることが確定した状態のことである。
(1)球が流動していないとき
いま、球が流動していなければ、流動タイマDが起動しておらず、ステップS704の判別結果がNOとなってステップS706に分岐する。ステップS706では発射数センサ球有り検出か(すなわち、発射数センサ77によって発射のために球が流動している状態が検出されているかということ、以下同様)否かを判別する。球が流動していない場合には、発射数センサ球有り検出の判別結果がNOとなって今回のルーチンを終了しリターンする。したがって、球が流動していなければ、流動タイマDが起動しない。
(2)球の流動が開始されたとき(球の流動の1個目のルーチン)
球の流動が開始されたとき、最初に発射数センサ流動検出処理のサブルーチンを実行するときは、ステップS704でNOに分岐してステップS706に進む。そして、ステップS706で発射数センサ球有り検出の判別結果がYESとなってステップS708に進み、流動タイマDを起動する。流動タイマDが起動して一定期間内に球の流動が何個か検出されると、流動状態が確定し、後述のように流動状態の確定を維持する維持タイマDが起動することになる。ステップS708で流動タイマDを起動した後は、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、発射のために球の流動が開始すると、流動タイマDが起動する。すなわち、流動の1個目の球を検出したときは、このようなルーチンを経ることになる。
(3)球の流動の2個目以降のルーチン
球の流動が開始された後、その流動が継続すると(すなわち、流動の1個目の球を検出した後の2個目以降のルーチンに移行すると)、ステップS700、ステップS702を経てステップS704に進むが、流動タイマDが起動しているので、ステップS704の判別結果がYESとなってステップS710に進む。ステップS710では発射数センサ球有り検出か否かを判別し、流動タイマDが起動しているときに発射数センサ球有りを検出すると、ステップS712で球カウンタDを[+1]だけインクリメント(カウントアップ)してステップS714に進む。球カウンタDは、流動タイマDが起動している状態で、発射のための球の流動量をルーチンの実行毎に計数するものである。一方、流動タイマDが起動していても発射数センサ球有りを検出しなければステップS712をジャンプしてステップS714に進み、球カウンタDのインクリメントは行わない。
ステップS714では流動タイマDを更新する。これは、発射レールに乗る2個目以降の球を計数する所定時間である流動タイマDの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS716で流動タイマDがタイムアップしたか否かを判別する。
ここで、球が球送り装置から送り出されて発射レールに乗るための流動を検出する際に、遊技者が通常の遊技を行う場合には所定時間内に球送り装置から送り出されて流動する遊技球が多量に検出されるので、流動状態検出とし、一方、故意の操作を行う場合(例えば、遊技者があたかも遊技を行っているように装いながら、故意に球貸し操作を行って球を不正に獲得しようとする場合)には、所定時間内に球送り装置から送り出されて流動する遊技球が少量しか検出されないので、結果的に遊技をしていないか、故意の操作として流動状態との認識をしないようにする。すなわち、発射センサ77が反応してから所定時間内の遊技球の個数で発射のための球の流動状態確定とする。
そのため、流動タイマDのタイムアップとは、上記所定時間が経過することをいう。そして、流動タイマDがタイムアップするまでに、球送り装置から送り出されて流動する球を計数している球カウンタDのカウント値が所定数以上になると、発射のための球の流動状態が確定することになる。
ステップS716で流動タイマDがタイムアップしていなければ、今回のルーチンを終了してリターンし、次回以降のルーチンを繰り返す。そして、次回以降のルーチンで流動タイマDがタイムアップすると、ステップS718に進んで球カウンタDのカウント値が所定数以上であるか否かを判別する。流動タイマDがタイムアップしても所定数以上の球が球送り装置から送り出されて流動していなければ、ステップS724にジャンプして流動タイマDをクリアする。これは、流動タイマDがタイムアップしたので、いままで使った流動タイマDをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS726で球カウンタDをクリアする。これは、流動タイマDがタイムアップしたとき、所定数以上の球を検出することがなかったので、発射のための流動を確定せずに(すなわち、発射フラグをセットせずに)、いままで使った球カウンタDをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS726を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
一方、流動タイマDがタイムアップして所定数以上の球が球送り装置から送り出されて流動している場合には、ステップS718の判別結果がYESとなり、ステップS720に進んで球送り装置から送り出されて発射される球の流動を確定する発射フラグをセットする。次いで、ステップS722で維持タイマDを起動する。維持タイマDは、発射されるために球送り装置から送り出される球の流動の確定状態を維持する時間(例えば、5秒)をカウントするものである。
ここで、例えば球送り装置から送り出される球の流動状態を検出した場合、しばらくの間、流動状態検出の有効時間を設けることにより、通常の遊技者(不正の意図のない遊技者)が一時的に発射操作ノブ44から手を離して喫煙の準備をするようにとき等に、直ちに発射停止と判断されて不正監視の対象となることがないようにすることが可能となる。仮にそのようにしなければ、発射操作ノブ44から手を離して球の発射が瞬間でも途切れると、発射停止と判断されて不正監視されるからである。
そのため、発射センサ77が反応してから所定時間は流動状態検出の有効時間とすることで、通常遊技を行う場合のほんの一時的な発射停止には支障がないようにしている。
流動状態検出の有効時間としては、例えば5秒とし、その5秒をカウントするために維持タイマDが設けられる。したがって、前述したように、維持タイマDは球送り装置から送り出される球の流動の確定状態を維持する時間をカウントする。そして、維持タイマDがタイムアップするまでは、球送り装置から送り出される球の流動がなくなっても球流動の検出状態が維持される。
次いで、ステップS724で流動タイマDをクリアする。これは、球送り装置から送り出される流動を確定する発射フラグがセットされたので、いままで使った流動タイマDをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。次いで、ステップS726で球カウンタDをクリアする。これも同様に、球送り装置から送り出される球の流動を確定する発射フラグがセットされたので、いままで使った球カウンタDをクリアして復帰し、次の流動検出に備えるものである。ステップS726を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
(4)球の流動状態が確定しているとき
次に、ステップS702で発射フラグがある場合には、YESに分岐してステップS728に進む。ステップS728では維持タイマDを更新する。これは、発射フラグがセットされているので、維持タイマDの起動を継続するために更新するものである。次いで、ステップS730で維持タイマDがタイムアップしたか否かを判別する。維持タイマDがタイムアップしていなければステップS732に進んで発射数センサ球有り検出か否かを判別する。維持タイマDがタイムアップしていないときに発射数センサ球有りを検出すると、ステップS734で維持タイマDをクリアし、さらに続くステップS736で維持タイマDを再び起動してルーチンを終了しリターンする。これにより、球の流動状態が確定しているときに次の球が球送り装置で流動すると、再び最初から維持タイマDのカウントが開始される。このように、球送り装置の球流動がなくなっても球流動の検出状態が維持されているときには、次の球の流動が検出される毎に新たに維持タイマDが起動して最初からカウントが行われることになる。したがって、球流動の検出毎に流動状態確定時間が延長されていくことになる。
そして、ルーチンを繰り返して維持タイマDがタイムアップすると、ステップS730の判別結果がYESとなってステップS738に分岐する。ステップS738では発射フラグをクリアする。これは、球送り装置における球の流動状態確定の期間が終了したので、発射のために球送り装置で球が流動していることが確定したときにセットされる発射フラグをリセットするものである。次いで、ステップS740で維持タイマDをクリアする。これは、同じく球送り装置での流動状態確定の期間が終了したので、流動状態確定時間をカウントしていた維持タイマDをリセットするものである。ステップS740を経ると、ルーチンを終了しリターンする。これにより、球送り装置における球の流動に対しての不正監視状態が終了する。
このように第2実施例では、遊技者が実際に遊技を行っているかどうかを発射数センサ77の出力に基づいて調べ、貸球要求の操作があった場合に上皿流動フラグ、下皿流動フラグ、オーバーフロー球流動フラグに基づいて不正に結び付きやすい球の流動状態であることを検出(球の発射のための流動検出は除く)し、なおかつ発射が行われていないことが検出されたときには、不正行為であると判断して、貸球要求の操作に対して球の排出制御が不能動化される。すなわち、発射が行われていないにも拘らず、球が流動(例えば、上皿31から球を抜き取るような流動等)しているということは、遊技を行わずに球の不正獲得のための排出行為を行っていることとなり、なお球の買い足しをするのは不自然であるから、不正行為と看做すものである。したがって、第2実施例では遊技を行わずに球を不正獲得するための排出行為をより一層細かく監視することができ、前記第1実施例以上に不正行為を有効に防止することができる。
本発明の実施の形態の変形例
(a)球貸機の配置場所は上記例に限るものではない。例えば、前面表示パネルの部分や皿前装飾体の部分に設けるようにしてパチンコ機本体と一体にしてもよい。
(b)上記第2実施例では球の非弾発遊技状態を検出する非弾発遊技状態検出手段として、発射数センサ(すなわち、球送り装置が作動していない状態を検出するもの)を用いているが、非弾発遊技状態検出手段は遊技者が実際に遊技を行っているかどうかを検出するものであり、発射数センサを用いる例に限るものでない。例えば、発射装置が作動しない状態、発射操作ノブに遊技者がタッチしていない状態、アウト球やセーフ球がない状態、球送り装置で球の検出がない状態等の何れか1つ以上の状態を検出することに基づいて球の非弾発遊技状態を検出するようにしてもよい。その場合、対応するセンサを使用すればよい。また、この他の状態に基づいて球の非弾発遊技状態を検出してもよい。
(c)上記各実施例では貸し球操作ができない貸球排出不能動化状態を解除するために、リセットスイッチ(不能動化状態解除手段の一部を構成)を設けているが、解除操作を行う手段としては、リセットスイッチに限るものでない。例えば、リセットスイッチとは別に単独で解除スイッチを設けてもよいし、ホールの管理室からの解除指令(例えば、管理装置からの解除指令信号)を出力するようにしてもよい。解除スイッチを設けた場合、遊技機のいわゆる裏メカ部分等を確認してから上記解除を行う。また、解除タイマを設けて、貸球排出不能動化状態の発生から一定時間後(例えば、3分後)に自動的に貸球排出不能動化状態を解除(すなわち、自動復帰)するようにしてもよい。さらに、係員が携帯するリモコン装置で遠隔的に貸球排出不能動化状態を解除してもよい。
(d)本発明は、遊技機であればパチンコ遊技機に限らず、回胴型のコイン式スロットマシン(パチスロ遊技機)等にも適用することができる。
(e)外部への不正信号の送信は管理装置に限らず、経営分析装置に送信してもよいし、あるいは電話回線等の通信手段を経て、遠隔の外部に送信してもよい。
本発明に係る遊技機の第1実施例の外観斜視図である。 遊技機の裏機構の構成を示す図である。 前面表示パネルの裏面側の構造を示す図である。 下皿球抜き流動検出センサの構成を示す図である。 オーバーフロー球流動検出センサの構成を示す図である。 オーバーフロー球流動検出センサの他の構成例を示す図である。 遊技機の制御系のブロック図である。 遊技機の制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 割り込み処理を示すフローチャートである。 球払い開始確認条件監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 上皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 上皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 下皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 下皿球抜きセンサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 オーバーフロー球センサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 オーバーフロー球センサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 条件判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 ステップAのサブルーチンを示すフローチャートである。 ステップFのサブルーチンを示すフローチャートである。 球の排出制御動作を説明するタイミングチャートである。 本発明の第2実施例の球払い開始確認条件監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第2実施例の発射数センサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第2実施例の発射数センサ流動検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 遊技機
2 パチンコ機本体
3 球貸機
26 不能動化状態予告報知ランプ(貸球不能動化状態予告報知手段)
27 不能動化状態報知ランプ(不能動化状態報知手段)
54 球排出装置
56 排出制御装置
76 上皿球抜き流動検出センサ
77 発射数センサ
81 下皿球抜き流動検出センサ
94 オーバーフロー球流動検出センサ
201 CPU
220 リセットスイッチ
400 プリペイドカード(遊技情報媒体)

Claims (1)

  1. 遊技に使用可能な有価価値が記録された遊技情報媒体を利用するものであって、
    遊技情報媒体の有価価値を所要数の貸球に変換する貸球排出指令を出力する貸球排出操作手段と、
    前記貸球排出指令に基づいて変換した所要数の貸球を球排出装置を作動させて球供給皿へ排出する貸球排出制御手段と、を備えた遊技機において、
    遊技者が前記球供給皿の球を下部受皿に移すために操作した場合の前記球供給皿から下部受皿への球の流動、前記球供給皿が満杯になった場合に球供給皿で受け入れられることができないオーバーフロー球の流動、又は遊技者の操作による下部受皿から外部への球の流動のうち、少なくとも1つ以上の状態に基づいて球の流動状態であることを検出する流動状態検出手段と、
    球の非弾発遊技状態を検出する非弾発遊技状態検出手段と、
    貸球排出操作手段から貸球排出指令が出力されたことを条件に、流動状態検出手段から球の流動状態を検出する検出出力があることおよび非弾発遊技状態検出手段から球の非弾発遊技状態を検出する検出出力があることに基づいて前記貸球排出制御手段を不能動化する貸球排出不能動化手段と、
    前記貸球排出制御手段の不能動化を解除する不能動化状態解除手段と、
    前記貸球排出制御手段を不能動化することを予告報知する貸球不能動化状態予告報知手段と、を備え、
    前記貸球不能動化状態予告報知手段は、
    前記流動状態検出手段により球の流動状態が検出された場合および前記非弾発遊技状態検出手段により遊技球の非弾発遊技状態が検出された場合に、予告報知を行うようにしたことを特徴とする遊技機。


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