JP4024230B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、撮像装置に関し、特に赤外線に対して分光感度を有する撮像素子を有し、かつ赤外線による透視撮像を防止する機能を備えた撮像装置に関する。
従来の撮像装置は、入射光を結像するレンズと、レンズにより結像した光学像を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子から得られた電気信号に対し信号処理を施すことにより所定の映像信号を得る映像信号処理手段とを有している。
通常撮像素子として用いるCCD(Charge Coupled Device)センサー又はCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)センサを一枚だけで撮像装置を構成する場合、即ち、単板式のセンサーにおいては、色分解を行う色フィルタとして、画素ごとに異なる色のものがセンサー上に設けられている。
赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号を得るには、R、G、Bに対応する光の帯域を透過させる、R、G、Bの原色フィルタを用いる場合と、マゼンタ(Mg)、シアン(Cy)、イエロー(Ye)、Gの補色フィルタを用いる場合がある。上記のいずれの色フィルタも染料もしくは顔料を用いて目的の色を透過させるようにその分光透過特性が設計されているが、赤外領域でも一定の透過率を有する。また、撮像素子の光電変換部は主にシリコン(Si)などの半導体で構成されているため、光電変換部の分光感度特性は波長の長い赤外光まで感度を有している。よって、色フィルタを具備した撮像素子から得られた信号は赤外領域の光線にも反応している。
これに対し、人間の色に対する感度特性である色覚特性および明るさに対する感度特性である比視感度特性はその感度が可視域といわれる380nmから780nmまでの感度特性であり、700nmより長波長域ではほとんど感度を有さない。そこで、撮像装置の色再現性を人間の色覚特性に合わせるためには、撮像素子の前に赤外領域の光線を通過させない視感度補正用の赤外線除去フィルタ(以後、IRCF:Infrared Cut Filter)を設ける必要があった。
一方、例えば監視カメラ等のように色再現性よりも感度を重視する場合には、赤外領域の光を利用するため、IRCFを設けず撮像素子に赤外光を受光させるほうが良い。
そこで、色再現性を重視したカラー画像の撮像と、高感度撮像のいずれにも対応できるようにするため、色再現性を重視するときはIRCFを撮像素子の前に設置し、感度を重視するときは赤外の光線を受光するために、IRCFを移動させる機構手段を設けたり、入射光量を調整する絞りの一部にIRCFを設け、光量に応じてIRCFを撮像素子の前に設置したり除去したりする技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に挙げた従来の撮像装置はIRCFを移動させる機構手段が必要であり、撮像素子を含むユニットの小型化に不利であり、IRCFを用いない構成とすることが望まれている。
また、IRCFを設置せずにホワイトバランスを取り、IRCFを設置したときに輝度信号を生成するR、G、B信号の混色比とは異なる混色比で輝度信号を生成することで感度向上を図る技術も提案されている(特許文献2、3参照)。
さらにまた、撮像素子の赤外の感度を利用してIRCFを用いず赤外領域の光線を受光して撮像する場合、人間などの被写体から放出する赤外線を利用して撮像することができるため、可視域の光線を遮断するフィルタ(たとえばシャープカットフィルタ)を撮像素子の前に装着し、衣服に包まれている身体を透視して撮像することが可能であり、これが不正に利用されることがあると言う問題があった。その対策として、水着に赤外線を透過させない材質を使用することも提案されている(特許文献4参照)。
特開2001−36807公報(第3−4頁、第1図、第2図) 特開2003−134522公報(第4−5頁、第1図) 特開2003−264843公報(第4頁、第1図) 特開2000−178809公報(第2頁)
しかしながら、特許文献4による対策は被写体となる人間が赤外線を遮断する衣服を着用する場合に限って有効であり、そのような衣服の着用が困難ないし非実際的である場合が多い。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、被写体が特殊な衣服を着用しなくても、赤外線による透視を利用した不適切な撮像を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
本発明は、
入射光を受けて、入射光に対応し、赤外成分を含む第1の映像信号を生成する映像信号生成手段と、
前記第1の映像信号を受け、前記第1の映像信号から前記赤外成分を除去して第2の映像信号を生成する分光感度補正手段と、
記第1の映像信号及び前記第2の映像信号に基いて、前記第1の映像信号に含まれる赤外成分が所定値よりも大きいか否かの判定を行い、大きいと判定されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、前記第1の映像信号、前記第2の映像信号、又はこれらのいずれかを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止する透視撮像防止手段とを備え、
前記透視撮像防止手段は、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号の差に基いて、前記判定を行うことを特徴とする撮像装置を提供するものである。
本発明はまた、
入射光を受けて、入射光に対応し、赤外成分を含む第1の映像信号を生成する映像信号生成手段と、
前記第1の映像信号を受け、前記第1の映像信号から前記赤外成分を除去して第2の映像信号を生成する分光感度補正手段と、
記第1の映像信号及び前記第2の映像信号に基いて、前記第1の映像信号に含まれる赤外成分が所定値よりも大きいか否かの判定を行い、大きいと判定されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、前記第1の映像信号、前記第2の映像信号、又はこれらのいずれかを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止する透視撮像防止手段とを備え、
前記透視撮像防止手段は、前記第1の映像信号の積算値と前記第2の映像信号の積算値の差に基いて、前記判定を行うことを特徴とする撮像装置を提供する。
本発明によれば、赤外線による透視を利用した不適切な撮像を防止することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による撮像装置を示す概略構成図である。図示のように、この撮像装置は、映像信号生成手段2と、分光感度補正手段4と、映像信号処理手段6と、透視撮像防止手段8とを有する。
映像信号生成手段2は、入射光を受けて、入射光に対応する映像信号(第1の映像信号)、例えばR、G、Bの色信号を出力するものであり、例えば図1に示すように、撮像手段11と、増幅手段12と、A/D変換器(ADC)13と、直流成分再生手段(DC再生手段)14と、ホワイトバランス(WB)手段15とを有する。
分光感度補正手段4は、映像信号生成手段2から出力される第1の映像信号から、赤外成分、すなわち、映像信号生成手段2が赤外領域において分光感度を有することによって第1の映像信号に含まれる信号成分を除去して、第2の映像信号を生成するものである。
映像信号処理手段6は、分光感度補正手段4から出力される第2の映像信号を、外部に出力するのに適した信号(第3の映像信号)に変換するものである。
透視撮像防止手段8は、第1の映像信号に含まれる赤外成分が所定値よりも大きいかどうかの判定を行い、大きいと判定されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、第2の映像信号又はこれを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止するものである。
撮像手段11は、例えば図2及び図3に示すように、レンズを含む光学系21と、2次元的に配列され、それぞれ画素を構成する複数の光電変換素子を有する撮像素子22とを有する。撮像素子22の複数の光電変換素子は、例えば図2に示すように、色分離手段としての色フィルタ群23で覆われている。
複数の光電変換素子は第1乃至第3の群に分けられている。
色フィルタ群23は、第1の群の光電変換素子の各々に対して設けられた複数の赤のフィルタ(Rフィルタ)26と、第2の群の光電変換素子の各々に対して設けられた複数の緑のフィルタ(Gフィルタ)27と、第3の群の光電変換素子の各々に対して設けられた複数の青のフィルタ(Bフィルタ)28とを有し、これらが例えば図示のように即ちベイヤ型に配列されている。
図4にはそれぞれR、G、Bの色フィルタ26、27、28が設けられた光電変換素子の分光感度特性r(λ)、g(λ)、b(λ)を示す。図4に示した分光感度特性は、色フィルタの透過率と撮像手段11の各画素を構成する光電変換素子の分光感度特性との組合せの特性である。撮像手段11の各画素を構成する光電変換素子は1000nm近辺の波長まで感度を有するので、r(λ)、g(λ)、b(λ)は、略色フィルタの分光透過率に対応したものである。従って、Rフィルタ26は、略560nmから透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Gフィルタ27は、略450nmから600nmまで透過率が大きくなり、略700nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Bフィルタ28は、略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有する。
レンズを含む光学系21から入射した光は、撮像素子22の受光面上に結像する。撮像素子22は、上記のように色フィルタ群23で覆われており、各光電変換素子からは、色フィルタ群23の分光透過率に対応した色成分、即ちR、G、Bのアナログ映像信号Ra、Ga、Baが出力される。
このようにして、撮像手段11から出力されるR、G、Bのアナログ信号(以下、それぞれ「R信号」、「G信号」、「B信号」と言うことがある)は、増幅手段12によって増幅される。増幅手段12から出力された映像信号はADC13によってデジタル色信号Rb、Gb、Bbに変換される。
デジタル色信号Rb、Gb、BbはDC再生手段14により、DCレベルが再生される。DC再生は通常映像信号の黒レベルが「0」になるように、ADC13によるA/D変換前に有していたオフセットレベルをDCシフトするか、クランプ処理を行う。
ホワイトバランス手段15は、図5に示されるように、DC再生手段14から出力される色信号Rc、Gc、Bcを増幅して増幅された色信号Rd、Gd、Bdを出力する3つの増幅手段31r、31g、31bと、色信号Rc、Gc、Bcをそれぞれ1画面内のすべての画素について積算して積算値ΣRc、ΣGc、ΣBcを出力する積算手段32r、32g、32bと、積算手段32r、32g、32bの出力ΣRc、ΣGc、ΣBcに基づいて増幅手段31r、31g、31bの増幅率を制御する利得制御手段33とを有する。
ホワイトバランス手段は、一般被写体の場合、1画面中の色は平均すれば無彩色に近くなるという統計的結果を利用して、画面内のすべての画素について積算値が互いに等しくなるように、それぞれの色の信号に対する増幅率を制御して行う。ホワイトバランス手段15の出力が映像信号生成手段2の出力(第1の映像信号)となる。
分光感度補正手段4は、上記のように、映像信号Rd、Gd、Bdから、映像信号生成手段2、特にその撮像手段11が赤外領域において分光感度を有することによって、信号Rd、Gd、Bdに含まれる信号成分(この信号成分を「赤外成分」と呼ぶ)を除去して、言い換えると、映像信号生成手段2が赤外領域に分光感度を有することによる影響を取り除いて、色信号(第2の映像信号)Re、Ge、Beを生成するものである。
従って、色信号Re、Ge、Beは、映像信号生成手段2が赤外領域に分光感度を持たない場合に、たとえば映像信号生成手段2の撮像手段11がIRCFを備えたものである場合に、映像信号生成手段2の出力側に得られる信号と略同じものである。
分光感度補正手段4は、マトリクス演算によってそのような補正を行うものであり、マトリクス演算に用いられる係数が、上記のような条件を満たすように定められている。以下、分光感度補正手段4による分光感度補正について詳細に説明する。
図6に人間の色覚特性を表した分光感度特性を示す。図6に示した特性は正常色覚者の等色関数の平均値であり、CIE(Commission Internationale de l‘E’clairage)1931にて規定されている。人間が感じる色は、色順応などの機能を無視し、簡単に表せば図6に示したR、G、Bの分光感度特性(等色関数)と被写体の反射分光特性と照明の分光特性とを乗算し、乗算結果を可視域にて積算することにより得られる値として表すことができる。図6に示したように人間の感度特性はいわゆる可視域と呼ばれるように略380nmから780nmまでしか感度が無く、700nmより長波長側ではほとんど感度がない。
撮像手段11に色分解を行うRGBの色フィルタ23を設けた場合、色フィルタの分光透過率と撮像素子の分光感度の積に応じたR、G、Bの信号が撮像手段11から出力されるが、撮像手段11は光電変換を行う撮像素子例えばフォトダイオードがSi(シリコン)などの半導体で形成されているため、可視域から赤外領域(1000nm近辺)まで分光感度を有する。また、図4を参照して説明したように、Rフィルタ26は、略560nmから透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Gフィルタ27は、略450nmから600nmまで透過率が大きくなり、略700nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Bフィルタ28は、略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有する。さらに、Rフィルタ26は、赤外領域の透過率も比較的高いため、赤外線を撮像素子22に透過させる。また、Gフィルタ27や、Bフィルタ28も同様に赤外領域に一定の透過率を有する。これは、RGBの色フィルタは通常それぞれの色を含んだ染料や顔料を用いてフィルタを構成するが、その分光透過率は構成する材質に依存し、長波長側の可視域から赤外領域に掛けて再び透過率が上がる特性を有しているためである。
図4に示した撮像素子22のR、G、Bの分光感度特性(r(λ)、g(λ)、b(λ))は図6に示した等色関数とは異なり、特に赤外領域(700nmから1100nm)では著しく異なるため、従来の撮像装置では赤外領域の光を通過させず除去する赤外カットフィルタ(IRCF)を撮像素子22の前に設けている。IRCFは図7にIRCF(λ)で示すように、略700nmで急激に透過率を低下させる分光透過率特性を有している。IRCF(λ)とR、G、Bの色フィルタの分光透過率特性(r(λ)、g(λ)、b(λ))とを掛け合わせた特性が従来のIRCFを具備した場合の撮像手段のR、G、B信号に対応するそれぞれの色の分光感度特性であり、図7に破線r’(λ)、g’(λ)、b’(λ)で示されている。
なお、IRCFはその材質によって分光透過率の特性が異なり、光の干渉を利用して複数の薄膜を重ねたタイプのIRCFは急峻なカットオフ特性を実現できるため図7に示した特性となる。一方、光の吸収を利用した通常青ガラスと呼ばれるIRCFは急峻なカットオフ特性を実現できないため、半値が略650nmであるが、いずれのタイプにしても目的は等色関数にあわせるためであり、700nm以上の透過をなくすための特性を有している。
従来の撮像装置はIRCFの使用により、図7に破線で示した撮像手段の分光感度特性にて撮像を行うが、厳密には図7の破線で示した分光感度特性は図6で示した等色関数とは異なるため、図7の破線の分光感度特性では、図6の等色関数から得られる画像とまったく同値の色再現性は得られない。しかし、ほぼ同等の色再現性が得られるため、従来の撮像装置では本特性にて充分であるとしていた。ここでの色再現性とは人間の目で見える色に略一致させることであり、かつ目で違うものに見える色は違う色に、同じものに見える色は同じ色に再現することを意味する。
また、更に厳密に色再現性の精度を上げるためにはR、G、B信号に対して3行3列のマトリクス演算を行うことにより、更に等色関数への近似を行い色再現性を向上させるという信号処理も行われていた。
上記のように従来は赤外領域における撮像素子22の分光感度特性が人間の感度特性と異なるため、IRCFを挿入し、分光感度特性を近似させていた。
撮像手段11から得られた信号に対する処理により、赤外領域から得られる余分な信号成分を元の信号から除去することができれば、IRCFを用いずに良好な色再現性を実現することができる。
分光感度補正手段4はその目的で用いられるものであり映像信号生成手段2から出力される色信号Rd、Gd、Bdに対して下記の式(1)で示されるマトリクス演算を行って補正された色信号Re、Ge、Beを出力する。
Figure 0004024230
式(1)において、e11乃至e33はマトリクス係数である。
図4に示した撮像手段11の分光感度特性と、図7に破線で示した分光感度特性とは特に赤外の領域においてその分光特性が大きく異なるが、式(1)で示したマトリクス係数を適切に定めることで条件等色を満たし良好な色再現性を得ることができる。ここで、条件等色とは分光特性の異なる2つの色刺激が、特定の観測条件で等しい色に見えることである。
すなわち、特定の照明を用いて特定の被写体を撮像したときの色再現性が最も良くなるように、すなわち、IRCFを用いなくてもIRCFを用いたときと略等しい信号が分光感度補正手段4の出力側に得られるように、マトリクス係数を定める。
具体的なマトリクス係数の求め方は例えば、以下の通りである。
照明としては、例えば5000Kの色温度を有する照明を用いる。図8に5000Kの色温度の照明の分光特性を示す。
被写体としては、標準的なカラーチャート、例えばマクベスのカラーチェッカー(Macbeth Color Checker)の24色のカラーパッチ(色票)を用いる。
マクベスカラーチェッカーは、被写体として現存する色を代表し、かつ人間の記憶色(肌色、植物の緑、空の青等)を重視して選択された24色のカラーパッチを含むものであり、24色のカラーパッチの300nmから1200nmの分光反射率が図9に示されている。図9でカラーパッチの番号1乃至24はそれぞれ以下の色に対応する。
1:暗い肌色(Dark skin)、
2:明るい肌色(Light Skin)、
3:青空の色(Blue sky)、
4:草の色(Foliage)、
5:青色の花(Blue flower)、
6:青みの緑色(Bluish green)、
7:オレンジ色(Orange)、
8:紫みの青色(Purplish blue)、
9:中程の赤色(Moderate red)、
10:紫色(Purple)、
11:黄緑色(Yellow green)、
12:オレンジみの黄色(Orange yellow)、
13:青色(Blue)、
14:緑色(Green)、
15:赤色(Red)、
16:黄色(Yellow)、
17:マゼンタ(Magenta)、
18:シアン(Cyan)、
19:白色(White)、
20:グレイ8(Neutral 8)、
21:グレイ6.5(Neutral 6.5)、
22:グレイ5(Neutral 5)、
23:グレイ3.5(Neutral 3.5)、
24:黒色(Black)
である
(なお、上記した各カラーパッチの和訳は、新編色彩化学ハンドブック第2版、日本色彩学会編による。)
図8に示した照明の分光特性と、図9に示した被写体の分光反射率と、図7に破線に示した分光感度特性との積を、全波長に亘って積算することにより、積算和を求める。
図1の撮像装置でマクベスカラーチェッカーの各カラーパッチを撮像したときに分光感度補正手段4の出力側に得られる信号は、照明の分光特性(例えば図8に示されるもの)と、各カラーパッチの分光反射率と、映像信号生成手段2の分光感度特性(図4に示した分光感度特性に略等しい)と、分光感度補正手段4の応答特性との積に依存する。
一方、図1の撮像装置でマクベスカラーチェッカーの各カラーパッチを撮像したときに分光感度補正手段4の出力側に得られるべき信号(ターゲット信号)Rt、Gt、Btは、照明の分光特性(例えば図8に示されるもの)と、各カラーパッチの分光反射率(図9に示される)と、図7に破線で示される分光感度特性との積で求められる。
そこで、上記したターゲット信号Rt、Gt、Btの値に、分光感度補正手段4の出力側に得られる信号Re、Ge、Beの値が最も近くなるように、係数e11乃至e33の値を定める。最も近いかどうかの判定は、最小二乗誤差法により、即ち両者のそれぞれ対応する値の差の二乗の総和を求めて、この総和が最小かどうかを判定することにより行われる。
上記の算出により求められたマトリクス係数を用い式(1)に示すマトリクス演算により得られたRe、Ge、Beと、撮像手段の分光感度特性が図7の破線で示すごとくであるときに選られる信号Rt、Gt、Btとの色差ΔE*abを図10に示す。用いられたマトリクス係数はe11=0.3288、e12=0.4454、e13=−0.3080、e21=−0.1981、e22=1.1294、e23=−0.1594、e31=−0.1421、e32=0.1495、e33=0.7857である。
色差ΔE*abは
Figure 0004024230
で算出している(JIS Z8730−1995)。図10に示すように平均の色差は3.0であり、人間の目にはほとんど同色の色再現性を実現できている。
上述した分光感度補正手段4の3行3列のマトリクス演算は一例であり、他の係数マトリクスを用いたマトリクス演算でも赤外線による不要な信号成分を補正する演算処理であれば良い。
よって、上述した分光感度補正手段4によるマトリクス演算により、その出力信号Re、Ge、Beは、図7に破線で示す人間の眼で見える可視域の範囲の分光感度特性を介した信号と略等価であるため、補正信号積算手段45は図7に破線で示す分光感度特性を介して得られたR、G、B信号の画面全体の積算値を算出していることになる。
映像信号処理手段6は、上記のように、分光感度補正手段4から出力される信号Re、Ge、Beを、外部に出力するのに適した信号に変換するものであり、例えば、図1に示すように、ガンマ(γ)補正手段16と、輝度色差信号生成手段17とを有する。
ガンマ補正手段16は分光感度補正手段4から出力された色信号Re、Ge、Beに非線形の階調変換を行って、ガンマ補正された色信号Rf、Gf、Bfを出力する。
輝度色差信号生成手段17はガンマ補正手段16から出力された色信号Rf、Gf、Bfを、輝度信号(Y信号)、及び2つの色差信号(Cr信号、Cb信号)に変換する。輝度色差信号生成手段17は、この変換(YCrCb変換)のため、通常3行3列の係数マトリクスを掛ける、下記の式(2)の線形マトリクス演算を行ってY、Cr、Cb信号を生成する。
Figure 0004024230
式(2)において3行3列のマトリクス係数は例えば、IEC(International Electrotechnical Commission)61966−2−1)に規定されているように、y1=0.2990、y2=0.5870、y3=0.1140、cr1=−0.1687、cr2=−0.3313、cr3=0.5000、cb1=0.5000、cb2=−0.4187、cb3=−0.0813と定められる。
透視撮像防止手段8は、上記のように、第1の映像信号(映像信号生成手段2の出力)Rd、Gd、Bdに含まれる赤外成分が所定値よりも大きいかどうかの判定を行い、大きいと判定されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、第2の映像信号(分光感度補正手段4の出力)又はこれを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止するものであり、例えば、図1に示すように、透視撮像検出手段41と、出力手段42とを有する。透視撮像検出手段41は、図1に示すように、減算手段43r、43g、43bと、差分積算手段44と、補正信号積算手段45と、判定手段46とを有する。
透視撮像検出手段41は、映像信号生成手段2の出力Rd、Gd、Bdと分光感度補正手段4の出力Re、Ge、Beに基づいて、映像信号に含まれる赤外成分が所定値よりも大きいことが検出されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、透視撮像検出信号BSを第1の値、例えば「1」にする。透視撮像が行われていると判定されないときは、透視撮像検出信号BSは第2の値、例えば「0」とされる。
出力手段42は、透視撮像検出信号BSに応じて、輝度色差信号生成手段17から出力される輝度色差信号YCrCbを受けて、そのまま出力させたり、その出力を禁止したりするものである。
出力手段42は、通常は、即ち透視撮像検出信号BSの値が「0」のときは、輝度色差信号生成手段17から供給される輝度色差信号YCrCbをそのまま出力するが、透視撮像検出信号BSの値が「1」のときは、輝度色差信号YCrCbの出力を禁止する。
透視撮像検出手段41を構成する減算手段43r、43g、43bは映像信号生成手段2の出力信号Rd、Gd、Bdから、分光感度補正手段4の出力信号Re、Ge、Beを差し引き、その差分ΔR、ΔG、ΔBを出力する。具体的には、前者Rd、Gd、Bdから後者Re、Ge、Beを差し引いたものをΔR、ΔG、ΔBとして出力する。
映像信号生成手段2の出力信号Rd、Gd、Bdは、赤外領域成分を含むものであり、分光感度補正手段4の出力信号Re、Ge、Beは、赤外成分を含まないものであるので、前者から後者を差し引くことで得られる差分は、赤外成分を表すものとなる。
差分積算手段44は、差分を積算し、赤外成分の積算値Σ(ΔR)、Σ(ΔG)、Σ(ΔB)を得る。
一方、補正信号積算手段45は分光感度補正手段4の出力信号Re、Ge、Beを積算し、積算値ΣRe、ΣGe、ΣBeを得る。
差分積算手段44および補正信号積算手段45は入力された信号を画像の例えば1画面に亘って積算する。
差分積算手段44及び補正信号積算手段45によって算出された積算値は判定手段46に出力される。
判定手段46は積算値Σ(ΔR)、Σ(ΔG)、Σ(ΔB)がΣRe、ΣGe、ΣBeを基準として比較的大きいかどうかの判定を行う。具体的には、判定手段46は、差分積算手段44の積算値Σ(ΔR)、Σ(ΔG)、Σ(ΔB)が補正信号積算手段45の積算値のΣRe、ΣGe、ΣBeに予め定めた係数を掛けた値よいも大きいとき、赤外成分が比較的大きいと判断し、従って赤外線による透視を利用した不適切な撮像が行われたものと判断し、透視撮像検出信号BSの値を「1」にする。
透視撮像検出信号BSの値が「1」になると、後述のように、出力手段42は、映像信号の出力を停止する。
具体的な判別式を下記の式(3)、(4)、(5)で示す。
Σ(ΔR)>k1×ΣRe …(3)
Σ(ΔG)>k2×ΣGe …(4)
Σ(ΔB)>k3×ΣBe …(5)
式(3)、式(4)、式(5)においてk1、k2、k3は正の定数である。これら式(3)乃至(5)のすべて、またはいずれかを満たしたときに判定手段46は透視撮像検出信号BSの値を「1」にする。
判定手段は、上記の判定で、赤外成分が比較的大きいと判定したときは、透視撮像検出信号を所定の値、例えば「1」にする。これに応じて、出力手段42は輝度色差信号生成手段17から出力される輝度色差信号YCrCbの出力を停止する。
上記のような判定により、赤外線を利用した透視撮像を防止し得る理由は以下の通りである。水着などの薄い衣服を着用した被写体に対して、赤外線による透視を利用して撮像を行う際には、鮮明な映像を得るために目的で、赤外領域にも分光感度を有する撮像手段から、赤外成分だけを出力させるために、可視域の光線を透過させないシャープカットフィルタなどを撮像手段に装着して撮像が行われることがある。
そこで、差分積算手段44の積算値が通常の撮像時の積算値から変化がなく、補正信号積算手段45の積算値が著しく小さいときは、可視域の光線は透過させないシャープカットフィルタを装着して撮像を行っていると判断することができ、この判断に基づいて撮像によって得た映像信号の出力(表示のための出力、他の機器への伝送)を禁止することで、上記のような赤外線による透視を利用した不適切な撮像の際、撮像画像の利用ができないようにすることができるのである。
上述した判定手段46による制御によって、赤外領域と可視域の撮像が両用可能な撮像装置の利点を損なうことなく、薄い衣服を着用した被写体に対する赤外線を利用した透視撮像を防止することができる。
なお、上記の例では、差分積算手段44及び補正信号積算手段45が1画面にわたる積算を行っているが、1画面より広い範囲にわたり積算を行っても良い。ホワイトバランス手段15の積算手段32r、32g、32bについても同様である。
さらに、上記の判別式(3)乃至(5)の代わりに、下記の式(6)に示すように信号レベルを比較する条件式でも良い。
a×Σ(ΔR)+b×Σ(ΔG)+c×Σ(ΔB)>k4×(a×ΣRe+b×ΣGe+c×ΣBe) …(6)
式(6)においてk4は正の定数である。また、a、b、cも定数である。
上記の例においては、赤外線の映像信号に対応する信号成分として、映像信号生成手段2の出力Rd、Gd、Bdから分光感度補正手段4の出力Re、Ge、Beを減算して、その差を積算手段44により、1画面以上にわたる積算値ΣΔR、ΣΔG、ΣΔBを求め、これらが、積算手段45の積算値のΣRe、ΣGe、ΣBeに予め定めた係数を掛けた値よいも大きいとき、赤外成分が比較的大きいと判断している。このようにする代わりに、映像信号生成手段2の出力Rd、Gd、Bdを1画面分積算して積算値ΣRd、ΣGd、ΣBdを求め、分光感度補正手段4の出力Re、Ge、Beを1画面分積算して積算値ΣRe、ΣGe、ΣBeを求め、これらを用いて減算を行ってそれらの差Δ(ΣR)、Δ(ΣG)、Δ(ΣB)を、この差を赤外線の映像信号に対応する信号成分として、上記した差の積算値Σ(ΔR)、Σ(ΔG)、Σ(ΔB)の代わりに用いることが可能である。この場合、(差の積算値Σ(ΔR)、Σ(ΔG)、Σ(ΔB)の代わりに)積算値の差Δ(ΣR)、Δ(ΣG)、Δ(ΣB)が積算手段45の積算値のΣRe、ΣGe、ΣBeに予め定めた係数を掛けた値よいも大きいとき、赤外成分が比較的大きいと判断することとする。
この場合、透視撮像検出手段41で行っている演算及び判定を、R信号について総合すると以下のようになる。
ΔΣR>k1×ΣRe
ΔΣR=ΣRd−ΣReであるので、
ΣRd−ΣRe>k1×ΣRe
従って、
ΣRd>(1+k1)×ΣRe
即ち、映像信号生成手段2の出力Rdが分光感度補正手段4の出力Reに所定の係数(1+k1)を掛けた値よりも大きいときは、透視撮像が行われていると判定していることになる。G信号、B信号についても同様に、映像信号生成手段2の出力(Gd、Bd)が分光感度補正手段4の出力(Ge、Be)に所定の係数((1+k2)、(1+k3))を掛けた値よりも大きいときは、透視撮像が行われていると判定していることになる。
上記の例では、透視撮像が検出されたときに第2の映像信号又はそれを変換することにより得られる映像信号(上記の例では輝度色差信号)の外部への出力を禁止するようにしているが、透視撮像が検出されたときに第1の映像信号又はそれを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止するように構成しても良い。
上記の例では、撮像手段11が図7に破線で示す分光感度特性を有する場合に、得られる信号をターゲット信号としたが、撮像手段11が図6の等色関数に等しい分光感度特性を有する場合に選られる信号をターゲット信号としても良い。すなわち、映像信号生成手段2から分光感度補正手段4までの総合的な特性が、映像信号生成手段2から分光感度補正手段4までの総合的な特性がCIE1931等色関数又はそれを線形変換することによって得られる等色関数に近似した分光感度特性、或いは人間の色覚特性又はそれを線形変換することによって得られる分光感度特性を有するときに得られる色信号をターゲット信号としても良い。
実施の形態2.
図11は図1に示した撮像装置の出力部分の別の構成例である。図11に示す例では、出力手段42に加えて、文字発生手段51と、合成手段52とが設けられ、さらに合成手段52の出力を受けて映像を表示する表示手段53が設けられている。
文字発生手段51は、透視撮像検出信号BSが「1」(透視撮像が検出されたことを示すもの)であるときは、警告を表す文字データ、例えば「不適切な撮像です」、「今の撮像結果は表示することはできません」と言った文字列を表示するためのデータを出力し、透視撮像検出信号BSが「0」(透視撮像が検出されないことを示すもの)であるときは、上記のような文字列を表示するためのデータ出力をしない。
出力手段42は、透視撮像検出信号BSが「0」であるときは、輝度色差信号生成手段17からの映像信号(輝度色差信号YCrCb)を出力し、透視撮像検出信号BSが「1」であるときは、輝度色差信号生成手段17からの映像信号を出力しない。
合成手段52は、出力手段42の出力及び文字発生手段51の出力を合成して出力するものである。
透視撮像検出信号BSが「0」のときは、出力手段42の出力のみが供給され、文字発生手段51の出力が発生されないので、出力手段42からの映像信号のみが、合成手段52を通って出力される。即ち、合成手段52の出力は出力手段42から出力される映像信号と同じものとなる。
透視撮像検出信号BSが「1」のときは、出力手段42から映像信号が出力されず、文字発生手段51から文字データが供給されるので、合成手段52の出力は、文字発生手段51から出力される文字データと同じものとなり、この文字データに対応する文字列が表示手段53に表示される。この文字列により警告することで使用者に撮像装置の透視撮像(不適切な使用)をやめるように働きかけることができる。
実施の形態3.
図12は図1に示した撮像装置の出力部分のさらに別の構成例である。図12に示す例では、出力手段42に加えて、音声信号発生手段54が設けられ、さらに、音声信号発生手段54の出力を受けて音声を発生するスピーカ55が設けられている。音声信号発生手段54とスピーカ55とで音声発生手段が構成されている。
音声信号発生手段54は、透視撮像検出信号BSが「1」であるときは、警告を表す音声信号、例えばブザーのような警告音を発するための音声信号、或いは、例えば、「不適切な撮像です」、「今の撮像結果は表示することはできません」と言った合成音声信号を発生し、透視撮像検出信号BSが「0」であるときは、上記のような音声信号を出力しない。
出力手段42は、透視撮像検出信号BSが「0」であるときは、映像信号を出力し、透視撮像検出信号BSが「1」であるときは、映像信号を出力しない。
透視撮像検出信号BSが「0」のときは、出力手段42が映像信号を出力し、音声信号発生手段54の出力が発生されないので、スピーカ55から音声が発生されない。
透視撮像検出信号BSが「1」のときは、出力手段42から映像信号が出力されず、音声信号発生手段54が音声信号を発生するので、この音声信号に対応する音声がスピーカ55から出力される。この音声による警告により、使用者に撮像装置の不適切な使用をやめるように働きかけることができる。
実施の形態4.
図13は図1に示した撮像装置の別の構成例である。図13の撮像装置は、図1に示した撮像装置と概ね同一であるが、電源56が透視撮像防止手段8の一部を成し、透視撮像検出信号BSの出力により制御される。透視撮像検出手段41は、外部からのリセット信号RSによりリセットされる。
電源手段56は、映像信号生成手段2、映像信号処理手段6、赤外成分検出手段10、及び出力手段42へ電力を供給するものであるが、透視撮像検出信号BSが「1」となると、映像信号生成手段2の撮像手段11、増幅手段12、ADC13、DC再生手段14、WB手段5、分光感度補正手段4、映像信号処理手段6のガンマ補正手段16、輝度色差信号生成手段17、及び出力手段42の一部又は全部への電力を供給を停止する。この結果、撮像装置の撮像動作が停止する。これにより、使用者に撮像装置の不適切な使用をやめるように働きかけることができる。
撮像動作が停止した撮像装置を動作状態に戻すためには、例えば、シャープカットフィルタを外した後、図示しない入力手段でリセット信号RSを判定手段46に供給する。
実施の形態5.
以上の実施の形態の撮像装置は、動画や静止画を撮像するビデオカメラ、カメラ一体型VTR、デジタルスチルカメラ、PCカメラ、並びに携帯電話や携帯端末機に内蔵されるデジタルスチルカメラに適用可能であり、これらからIRCFを不要とし、かつ暗視に利用することが多い、監視カメラや車載カメラなどにも適用でき、このようなカメラにおいて、赤外領域に分光感度を有する構成において、被写体が着用した衣服を赤外線により透視して行われる撮像を防ぐことができる。
以下デジタルスチルカメラに適用した場合の構成を、図14を参照して説明する。図14に示すように、このデジタルカメラは、図1に示した撮像装置を構成する各要素のうち、映像信号生成手段2の代わりに映像信号生成手段61を備え、さらにシャッタボタン62、シャッタ駆動手段63、表示駆動手段64、モニタ65、画像圧縮手段66、及び書込み手段67を付加したものである。
シャッタ駆動手段63は、シャッタボタン62の操作に応じて映像信号生成手段61内のシャッタを駆動する。表示駆動手段64は、出力手段42の出力を受けてビューファインダーとしてのモニタ65に画像を表示させる。モニタ65は、例えば液晶表示装置で構成され、表示駆動手段64に駆動されて、映像信号生成手段61内の撮像手段で撮像されている画像を表示する。画像圧縮手段66は、出力手段42の出力を受けて例えばJPEGに準拠した画像圧縮を行なう。書込み手段67は、画像圧縮手段66で圧縮されたデータを記録媒体68に書き込む。
なお、撮像装置を動画撮影に用いて、画像データを図示しない機器に伝送する場合、出力手段42の出力をエンコードしてNTSC信号を生成して出力する。
上記のように不適切な撮像であることが検出されると、出力手段42から映像信号が出力されなくなるので、モニタ65による撮像画像の表示も行われず、画像圧縮手段66による圧縮及び記録媒体68への書込みも行われなくなる。これにより不適切な撮像による映像の利用を不能にする。
この発明の実施の形態1の撮像装置を示すブロック図である。 図1の撮像装置の撮像手段1内の撮像素子22上のカラーフィルタの配列を示した図である。 撮像素子22とカラーフィルタ、光学系の配置を示す図である。 撮像手段の分光感度特性を示す図である。 図1のホワイトバランス手段の一構成例を示すブロック図である。 CIE1931による等色関数を示す図である。 撮像手段、IRCF、およびそれらを乗算した分光感度特性を示す図である。 5000Kの照明の分光特性を示す図である。 マクベスチャートの各カラーパッチの分光反射率特性を示す図である。 分光感度補正によって得られた信号の色差を示す図である。 実施の形態2の撮像装置の出力部分を示すブロック図である。 実施の形態3の撮像装置の出力部分を示すブロック図である。 実施の形態4の撮像装置の出力部分を示すブロック図である。 実施の形態5のカメラの構成を示すブロック図である。
符号の説明
2 映像信号生成手段、 4 分光感度補正手段、 6 映像信号処理手段、 8 透視撮像防止手段、 11 撮像手段、 12 増幅手段、 13 ADC、 14 DC再生手段、 15 ホワイトバランス手段、 16 ガンマ補正手段、 17 輝度色差信号生成手段、 41 透視撮像検出手段、 42 出力手段、 43r、43g、43b 減算手段、 44 差分積算手段、 45 補正信号積算手段、 46 判定手段、 51 文字情報発生器、 52 合成手段、 53 表示手段、 54 音声信号発生手段、 55 スピーカ、 56 電源。

Claims (10)

  1. 入射光を受けて、入射光に対応し、赤外成分を含む第1の映像信号を生成する映像信号生成手段と、
    前記第1の映像信号を受け、前記第1の映像信号から前記赤外成分を除去して第2の映像信号を生成する分光感度補正手段と、
    記第1の映像信号及び前記第2の映像信号に基いて、前記第1の映像信号に含まれる赤外成分が所定値よりも大きいか否かの判定を行い、大きいと判定されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、前記第1の映像信号、前記第2の映像信号、又はこれらのいずれかを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止する透視撮像防止手段とを備え、
    前記透視撮像防止手段は、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号の差に基いて、前記判定を行うことを特徴とする撮像装置。
  2. 入射光を受けて、入射光に対応し、赤外成分を含む第1の映像信号を生成する映像信号生成手段と、
    前記第1の映像信号を受け、前記第1の映像信号から前記赤外成分を除去して第2の映像信号を生成する分光感度補正手段と、
    記第1の映像信号及び前記第2の映像信号に基いて、前記第1の映像信号に含まれる赤外成分が所定値よりも大きいか否かの判定を行い、大きいと判定されたときに、赤外線を利用した透視撮像が行われていると判定し、前記第1の映像信号、前記第2の映像信号、又はこれらのいずれかを変換することにより得られる映像信号の外部への出力を禁止する透視撮像防止手段とを備え、
    前記透視撮像防止手段は、前記第1の映像信号の積算値と前記第2の映像信号の積算値の差に基いて、前記判定を行うことを特徴とする撮像装置。
  3. 前記映像信号生成手段が、赤、緑、青の光を透過させる第1、第2、第3のカラーフィルタを有し、それぞれのカラーフィルタの分光透過率に対応した第1、第2、第3の信号を前記映像信号として出力するものであり、
    前記第1、第2、第3の色フィルタのうちの少なくとも一つが、赤外領域に分光透過率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1のカラーフィルタは、略560nmから透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、前記第2のカラーフィルタは、略450nmから600nmまで透過率が大きくなり、略700nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、前記第3のカラーフィルタは、略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記透視撮像防止手段は、前記差の積算値が、前記第2の映像信号の積算値に所定の係数を掛けたものよりも大きければ、前記透視撮像が行われていると判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記透視撮像防止手段は、前記積算値の差が、前記第2の映像信号の積算値に所定の係数を掛けたものよりも大きければ、前記透視撮像が行われていると判定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  7. 前記分光感度補正手段は、前記映像信号生成手段から前記分光感度補正手段までの総合的な分光感度特性が、人間の色覚特性若しくはそれを線形変換することによって得られる分光感度特性、又はCIE1931等色関数若しくはそれを線形変換することによって得られる分光感度特性に近似したものとなるような補正を行って前記第2の映像信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  8. さらに前記映像信号で表される映像の表示を行う表示手段を有し、
    前記透視撮像防止手段は、前記透視撮像が行われていると判定したとき、前記表示手段に、前記映像信号で表される映像の代わりに警告を表示させる
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
  9. さらに音声発生手段を有し、
    前記透視撮像防止手段は、前記透視撮像が行われていると判定したとき、前記音声発生手段に警告音声を発生させる
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
  10. 前記透視撮像防止手段は、前記透視撮像が行われていると判定したとき、前記映像信号生成手段、前記分光感度補正手段、及び前記出力手段の少なくとも一つに対する電源の供給を停止することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
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