JP4298595B2 - 撮像装置及びその信号処理方法 - Google Patents

撮像装置及びその信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4298595B2
JP4298595B2 JP2004183351A JP2004183351A JP4298595B2 JP 4298595 B2 JP4298595 B2 JP 4298595B2 JP 2004183351 A JP2004183351 A JP 2004183351A JP 2004183351 A JP2004183351 A JP 2004183351A JP 4298595 B2 JP4298595 B2 JP 4298595B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
signal
exceptional
signals
signal generation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004183351A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006013582A (ja
Inventor
徹也 久野
勝利 杉山
博明 杉浦
俊 伊藤
孝一 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2004183351A priority Critical patent/JP4298595B2/ja
Priority to KR1020067020711A priority patent/KR100825172B1/ko
Priority to GB0621263A priority patent/GB2430105B/en
Priority to PCT/JP2005/000359 priority patent/WO2005101853A1/ja
Priority to US11/547,069 priority patent/US7663668B2/en
Priority to TW094101764A priority patent/TWI255645B/zh
Publication of JP2006013582A publication Critical patent/JP2006013582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4298595B2 publication Critical patent/JP4298595B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Color Television Image Signal Generators (AREA)

Description

この発明は、撮像装置における比視感度補正のために必要とする赤外除去フィルタを用いずに比視感度補正を行い、色再現性の良好な画像が得られる信号処理を具備した撮像装置及び信号処理方法に関するものである。
従来の撮像装置は、入射光を結像するレンズと、レンズにより結像した光学像を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子から得られた電気信号に対し信号処理を施すことにより所定の映像信号を得る映像信号処理手段とを有している。
通常撮像素子として用いるCCD(Charge Coupled Device)センサー又はCMOS(Complimentary Metal Oxte Semiconductor)センサーを一枚だけで撮像装置を構成する場合、即ち、単板式のセンサーにおいては、色分解を行う色フィルタとして、画素ごとに異なる色のものがセンサー上に設けられている。
赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号を得るには、R、G、Bに対応する光の帯域を透過させる、R、G、Bの原色フィルタを用いる場合と、マゼンタ(Mg)、シアン(Cy)、イエロー(Ye)、Gの補色フィルタを用いる場合がある。上記のいずれの色フィルタも染料もしくは顔料を用いて目的の色を透過させるようにその分光透過特性が設計されているが、近赤外領域でも一定の透過率を有する。また、撮像素子の光電変換部は主にシリコン(Si)などの半導体で構成されているため、光電変換部の分光感度特性は波長の長い近赤外領域で感度を有している。よって、色フィルタを具備した撮像素子から得られた信号は近赤外領域の光線にも反応している。
これに対し、人間の色に対する感度特性である色覚特性及び明るさに対する感度特性である比視感度特性はその感度が可視域といわれる380nmから780nmまでの感度特性であり、700nmより長波長域ではほとんど感度を有さない。そこで、撮像装置の色再現性を人間の色覚特性に合わせるためには、撮像素子の前に近赤外領域の光線を通過させない視感度補正用の赤外線除去フィルタ(以後、IRCF:Infrared Cut Filter)を設ける必要があった。
一方、例えば監視カメラ等のように色再現性よりも感度を重視する場合には、近赤外領域の光を利用するため、IRCFを設けず撮像素子に近赤外光を受光させるほうが良い。
そこで、色再現性を重視したカラー画像の撮像と、高感度撮像のいずれにも対応できるようにするため、色再現性を重視するときはIRCFを撮像素子の前に設置し、感度を重視するときは近赤外の光線を受光するために、IRCFを移動させる機構手段を設けたり、入射光量を調整する絞りの一部にIRCFを設け、光量に応じてIRCFを撮像素子の前に設置したり除去したりする技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、IRCFを設置せずにホワイトバランスを取り、IRCFを設置したときに輝度信号を生成するR、G、B信号の混色比とは異なる混色比で輝度信号を生成することで感度向上を図る技術も提案されている(特許文献2、3参照)。
特開2001−36807公報(第3−4頁、第1図、第2図) 特開2003−134522公報(第4−5頁、第1図) 特開2003−264843公報(第4頁、第1図)
しかしながら、特許文献1に挙げた従来の撮像装置はIRCFを移動させる機構手段が必要であり、撮像素子を含むユニットの小型化に不利であり、IRCFを用いない構成とすることが望まれている。
また、撮像素子の電子シャッタを用いて光量調整を行う簡易的な撮像装置(例えば、ピーシー(PC)カメラ、携帯電話用カメラ、トイ(TOY)カメラ、民生用監視カメラ)は絞り機構を有していないことが多いため、新たにIRCFを着脱する機構手段を設けなければならない。
さらに、特許文献2、3に挙げた撮像装置は白黒の映像信号を得るときは問題ないが、カラーの映像信号を得るときは、色信号はホワイトバランスを合わせるのみであり、さらに輝度信号も人間の比視感度特性が考慮されていない色信号比であるため、そのカラーの映像信号は人間の色覚特性またはその線形変換から得られる分光感度特性から得られるにより決まるR、G、B値と異なった、すなわち色差ΔE*ab(JIS Z8730)の大きな映像信号となり、正確な色再現性が得られない。
さらにまた、絵の具の緑などに対しては適切に分光感度補正を行うことができても、絵の具の緑と、人間の目には同じ色(等色)に見える、自生している木の葉の緑や化学繊維の布の色などに対して適切に分光感度補正を行うことができないという問題があった。
本発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、IRCFなしで、絵の具の緑などや、自生している木の葉の緑や化学繊維の布の色などのいずれに対して適切に分光感度補正を行うことができ、良好な色再現性を得ることができる撮像装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、
入射光を受けて、入射光を少なくとも3つの色成分に分離し、前記少なくとも3つの色成分に対応する第1乃至第3の色信号を出力する色信号生成手段と、
前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号とマトリクス係数との乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、前記色信号生成手段が有する近赤外領域での応答特性を補正する分光感度補正手段と、
前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号を受けて、これらの組み合わせが予め定めた例外色を表すものであるかどうかを判定し、判定結果に応じて前記マトリクス係数を切り換える係数設定手段と
を備えることを特徴とする撮像装置を提供する。
本発明によれば、IRCFなしで、人間の目で同じ色(等色)に見える、絵の具の緑と、自生している木の葉の緑や化学繊維の布の色などのいずれに対しても、良好な色再現を実現することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による撮像装置の概略構成を示す図である。図示のように、この撮像装置は、色信号生成手段2と、分光感度補正手段4と、係数設定手段6、映像信号処理手段8とを有する。
色信号生成手段2は、入射光を受けて、入射光に対応する映像信号(第1の映像信号)、例えば赤、緑、青の色信号R2、G2、B2を出力するものである。
分光感度補正手段4は、色信号生成手段2から出力される色信号R2、G2、B2とマトリクス係数との乗算を含むマトリクス演算により、近赤外成分、すなわち、色信号生成手段2が近赤外領域において分光感度を有することによって第1の映像信号に含まれる信号成分を除去して、第2の映像信号、例えばR3、G3、B3の色信号を生成するものである。
係数設定手段6は、色信号生成手段2から出力される色信号R2、G2、B2を受けて、これらの組み合わせが予め定めた特定の例外色を表すものであるかどうかを判定し、判定結果に応じてマトリクス係数を切り換える。
映像信号処理手段8は、分光感度補正手段4から出力される第2の映像信号を、外部に出力するのに適した信号(第3の映像信号)に変換するものである。
色信号生成手段2は、例えば図1に示すように、撮像手段11と、増幅手段12と、A/D変換器(ADC)13と、直流成分再生手段(DC再生手段)14と、ホワイトバランス(WB)手段15とを有する。
撮像手段11は、例えば図2及び図3に示すように、レンズを含む光学系21と、2次元的に配列され、それぞれ画素を構成する複数の光電変換素子を有する撮像素子22とを有する。撮像素子22の複数の光電変換素子は、例えば図2に示すように、色分離手段としての色フィルタ群23で覆われている。
複数の光電変換素子は第1乃至第3の群に分けられている。
色フィルタ群23は、第1の群の光電変換素子の各々に対して設けられた複数の赤のフィルタ(Rフィルタ)26と、第2の群の光電変換素子の各々に対して設けられた複数の緑のフィルタ(Gフィルタ)27と、第3の群の光電変換素子の各々に対して設けられた複数の青のフィルタ(Bフィルタ)28とを有し、これらが例えば図示のように即ちベイヤ型に配列されている。
図4にはそれぞれR、G、Bの色フィルタ26、27、28が設けられた光電変換素子の分光感度特性r(λ)、g(λ)、b(λ)を示す。図4に示した分光感度特性は、色フィルタの透過率と撮像手段11の各画素を構成する光電変換素子の分光感度特性との組合せの特性である。撮像手段11の各画素を構成する光電変換素子は1000nm近辺まで感度を有するので、r(λ)、g(λ)、b(λ)は、略色フィルタの分光透過率に対応したものである。即ち、Rフィルタ26は、略560nmから透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Gフィルタ27は、略450nmから600nmまで透過率が大きく、略700nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Bフィルタ28は、略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有する。
レンズを含む光学系21から入射した光は、撮像素子22の受光面上に結像する。撮像素子22は、上記のように色フィルタ群23で覆われており、各光電変換素子からは、色フィルタ群23の分光透過率に対応した色成分、即ちR、G、Bのアナログ映像信号が出力される。
このようにして、撮像手段11から出力されるR、G、Bのアナログ信号(以下、それぞれ「R信号」、「G信号」、「B信号」と言うことがある)は、増幅手段12によって増幅される。増幅手段12から出力された映像信号はADC13によってR、G、Bのデジタル色信号に変換される。
ADC13からのR、G、Bのデジタル色信号はDC再生手段14により、DCレベルが再生される。DC再生は通常映像信号の黒レベルが「0」になるように、ADC13によるA/D変換前に有していたオフセットレベルをDCシフトするか、クランプ処理を行う。
ホワイトバランス手段15は、図5に示されるように、DC再生手段14から出力される色信号R1、G1、B1を増幅し、色信号R2、G2、B2を出力する3つの増幅手段31r、31g、31bと、色信号R1、G1、B1をそれぞれ一画面内のすべての画素について積算して積算値ΣR1、ΣG1、ΣB1を出力する積算手段32と、積算手段32の出力ΣR1、ΣG1、ΣB1に基づいて、積算値の比ΣR1/ΣG1及びΣB1/ΣG1を求める除算手段33と、除算手段33の出力に基いて増幅手段31r、31g、31bの増幅率を制御する利得制御手段34とを有する。
なお、積算値の比はその分母をΣG1としたが、逆数であっても問題ない。但し、以下では、ΣG1を分母とした比を用いるものとして説明する。
利得制御手段34は積算値の比ΣR1/ΣG1及びΣB1/ΣG1を入力とし、理想とする色信号Rt、Gt、Btの少なくとも一画面にわたる積算値の比ΣRt/ΣGt及びΣBt/ΣGtへ変換し、ホワイトバランス手段15のホワイトバランス係数を算出し、ホワイトバランス係数を増幅手段31r乃至31bへ出力する。上記した理想とする色信号とは本発明による撮像装置にて良好な色再現を実現するにターゲットとするR、G、B信号であり、近赤外光による不要な信号が含まれていない良好な色再現性を実現する信号である。変換の方法については後述する。
ホワイトバランス手段は、一般被写体の場合、一画面中の色は平均すれば無彩色に近くなるという統計的結果(エバンスの原理)を利用して、画面内のすべての画素について積算値が互いに等しくなるように、それぞれの色の信号に対する増幅率を制御して行う。ホワイトバランス手段15の出力が色信号生成手段2の出力(第1の映像信号)となる。
分光感度補正手段4は、上記のように、色信号生成手段2から出力される色信号R2、G2、B2から、色信号生成手段2、特にその撮像手段11が近赤外領域において分光感度を有することによって、信号R2、G2、B2に含まれる信号成分(この信号成分を「近赤外成分」と呼ぶ)を除去して、言い換えると、色信号生成手段2が近赤外領域に分光感度を有することによる影響を取り除いて、色信号(第2の映像信号)R3、G3、B3を生成するものである。
分光感度補正手段4は、マトリクス演算によってそのような補正を行うものであり、マトリクス演算に用いられる係数が、上記のような条件を満たすように定められている。マトリクス係数の定め方については後述する。
映像信号処理手段8は、上記のように、分光感度補正手段4から出力される信号R3、G3、B3を、外部に出力するのに適した信号に変換するものであり、例えば、図1に示すように、ガンマ(γ)補正手段16と、輝度色差信号生成手段17とを有する。
ガンマ補正手段16は分光感度補正手段4から出力された色信号R3、G3、B3に非線形の階調変換を行って、ガンマ補正された色信号R4、G4、B4を出力する。
輝度色差信号生成手段17はガンマ補正手段16から出力された色信号R4、G4、B4を、輝度信号(Y信号)、及び2つの色差信号(Cr信号、Cb信号)に変換する。輝度色差信号生成手段17は、この変換(YCrCb変換)のため、通常3行3列のマトリクス係数を掛ける、下記の式(1)の線形マトリクス演算を行う。
Figure 0004298595
式(1)において3行3列のマトリクス係数は例えば、IEC(International Electrotechnical Commission)61966−2−1)に規定されているように、y1=0.2990、y2=0.5870、y3=0.1140、cr1=−0.1687、cr2=−0.3313、cr3=0.5000、cb1=0.5000、cb2=−0.4187、cb3=−0.0813と定められる。
分光感度補正手段4による分光感度補正について以下にその詳細を説明する。
図6に人間の色覚特性を表した分光感度特性を示す。図6に示した特性は正常色覚者の等色関数の平均値であり、CIE(Commission Internationale de l‘E’clairage)1931にて規定されている。人間が感じる色は、色順応などの機能を無視し、簡単に表せば図6に示したR、G、Bの分光感度特性(等色関数)と被写体の反射分光特性と照明の分光特性とを乗算し、乗算結果を可視域にて積算することにより得られる値として表すことができる。図6に示したように人間の感度特性はいわゆる可視域と呼ばれるように略380nmから780nmまでしか感度が無く、700nmより長波長側ではほとんど感度がない。
それに対して、撮像手段11に色分解を行うRGBの色フィルタ23を設けた場合、色フィルタの分光透過率と撮像素子の分光感度の積に応じたR、G、Bの信号が撮像手段11から出力されるが、撮像手段11は光電変換を行う撮像素子例えばフォトダイオードがSi(シリコン)などの半導体で形成されているため、可視域から近赤外領域(1000nm近辺)まで分光感度を有する。また、図4を参照して説明したように、Rフィルタ26は、略560nmから透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Gフィルタ27は、略450nmから600nmまで透過率が大きく、略700nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有し、Bフィルタ28は、略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる分光透過率特性を有する。さらに、Rフィルタ26は、近赤外領域の透過率も比較的高いため、近赤外線を撮像素子22に透過させる。また、Gフィルタ27や、Bフィルタ28も同様に近赤外領域に一定の透過率を有する。これは、RGBの色フィルタは通常それぞれの色を含んだ染料や顔料を用いてフィルタを構成するが、その分光透過率は構成する材質に依存し、長波長側の可視域から近赤外領域に掛けて再び透過率が上がる特性を有しているためである。
図4に示した撮像素子22のR、G、Bの分光感度特性(r(λ)、g(λ)、b(λ))は図6に示した等色関数とは異なり、特に近赤外領域(700nmから1100nm)では著しく異なるため、従来の撮像装置では近赤外領域の光を通過させず除去する赤外カットフィルタ(IRCF)を撮像素子22の前に設けている。IRCFは図7にIRCF(λ)で示すように、略700nmで急激に透過率を低下させる分光透過率特性を有している。IRCF(λ)とR、G、Bの色フィルタの分光透過率特性(r(λ)、g(λ)、b(λ))とを掛け合わせた特性が従来のIRCFを具備した場合の撮像手段のR、G、B信号に対応するそれぞれの色の分光感度特性であり、図7に破線r’(λ)、g’(λ)、b’(λ)で示されている。
なお、IRCFはその材質によって分光透過率の特性が異なり、光の干渉を利用して複数の薄膜を重ねたタイプのIRCFは急峻なカットオフ特性を実現できるため図7に示した特性となる。一方、光の吸収を利用した通常青ガラスと呼ばれるIRCFは急峻なカットオフ特性を実現できないため、半値が略650nmであるが、いずれのタイプにしても目的は等色関数にあわせるためであり、700nm以上の透過をなくすための特性を有している。
従来の撮像装置はIRCFの使用により、図7に破線で示した撮像手段の分光感度特性にて撮像を行うが、厳密には図7の破線で示した分光感度特性は図6で示した等色関数とは異なるため、図7の破線の分光感度特性では、図6の等色関数から得られる画像とまったく同値の色再現性は得られない。しかし、ほぼ同等の色再現性が得られるため、従来の撮像装置では本特性にて充分であるとしていた。ここでの色再現性とは人間の目で見える色に略一致させることであり、かつ目で違うものに見える色は違う色に、同じものに見える色は同じ色に再現することを意味する。
また、更に厳密に色再現性の精度を上げるためにはR、G、B信号に対して3行3列のマトリクス演算を行うことにより、更に等色関数への近似を行い色再現性を向上させるという信号処理も行われていた。
上記のように従来は近赤外領域における撮像素子22の分光感度特性が人間の感度特性と異なるため、IRCFを挿入し、分光感度特性を近似させていた。
撮像手段11から得られた信号に対する処理により、近赤外領域から得られる余分な信号成分を元の信号から除去することができれば、IRCFを用いずに良好な色再現性を実現することができる。
分光感度補正手段4はその目的で用いられるものであり色信号生成手段2から出力される色信号R2、G2、B2に対して後述の式(2)で示されるマトリクス演算を行って補正された色信号R3、G3、B3を出力する。
以下の説明では、分光感度補正手段4の出力として理想とすべき信号をRt、Gt、Btで表す。理想とすべき色信号Rt、Gt、Btは、色信号生成手段2が近赤外領域に分光感度を持たない場合に、たとえば色信号生成手段2の撮像手段11がIRCFを備えたものである場合に、色信号生成手段2の出力側に得られる信号である。
分光感度補正手段4の前段に設けられたホワイトバランス手段15はDC再生手段14から出力された信号R1、G1、B1に対してRt、Gt、Btを基準としたホワイトバランスを行う。これは最終的に得るターゲットの色信号がRt、Gt、Btであり、Rt、Gt、Btに対するホワイトバランスを行うことで、後段の分光感度補正手段4における補正のためのマトリクス演算が、照明光の色温度に影響されないようにすることができる。具体的には以下のように行う。図8、図9及び図10に黒体輻射に準ずる照明(太陽光、フィラメント発光)の色温度に応じた分光特性を例として示す。図11には完全反射体(全波長において分光反射率が均一な反射体)を被写体とし、光源としてハロゲンや太陽光など黒体輻射を行う照明を用いた場合、除算手段33から得られる積算値の比ΣR1/ΣG1とΣB1/ΣG1の関係を○印の点を結ぶ破線(a)にて示す。図11に示すように積算値の比は黒体輻射に準ずる照明(太陽光、フィラメント発光)の色温度の値に応じて線上の軌跡で表せるため、積算値の比のいずれかが分かれば、他方の積算値の比及び色温度は一義的に求まる。
一方、カラーターゲットとすべきRt、Gt、Btの分光感度特性は、図7の破線(撮像素子22の特性にIRCFの特性を乗算したもの)に示される。図7の破線の分光感度特性と完全反射体と照明の分光特性を掛け合わせ、全波長において積算した和から求められる色信号(Rt、Gt、Bt)において、画像全画面の積算値の比ΣRt/ΣGt及びΣBt/ΣGtの値は同じく図11内にて●印の点を結ぶ実線(b)で表すことができる。撮像素子22の分光感度特性及びIRCFの分光感度特性は既知であるので、図7の破線で示す分光感度特性は計算により求めることができる。図7の破線の分光感度特性が求まれば、図11の実線(b)は色温度に応じた照明の分光特性と上記の図7の破線の分光感度特性との積により計算により求めることができる。また、図11の破線(a)も予め求めておくことができる。よって、図11上で、例えば、3000Kの照明のときに得られる値は破線(a)上でも、実線(b)上でも知ることができるため除算手段33から得られるΣR1/ΣG1(又はΣB1/ΣG1)は図11からΣRt/ΣGt(又はΣBt/ΣGt)へ1対1の関係で値を変換することができる。上記値の変換は例えば、利得制御手段34が図11に示す2曲線の特性をLUT(Look up Table)などでデータとして記憶しておくことで変換が可能である。
利得制御手段34は上述した積算値の比の変換を行い、ホワイトバランス係数を増幅手段31r乃至31gへ出力する。ホワイトバランス係数は、Gの色信号を基準として、Gの色信号のための増幅手段31gの利得を「1」に固定し、Rの色信号のための増幅手段31rに対しては、上記の積算値ΣRt/ΣGtの比の逆数ΣGt/ΣRtの値をその利得として設定する。Bの色信号のための増幅手段31bに対しては、上記の積算値ΣBt/ΣGtの比の逆数ΣGt/ΣBtの値をその利得として設定する。
今、R2、G2、B2から不要な赤外線による信号が除かれたものがRt、Gt、Btであることを考えると、図7に示される破線と実線との差が不必要な近赤外領域での信号成分の積算値を表すこととなり、上述したホワイトバランス手段15により、Rt、Gt、Btのホワイトバランスがなされたと考えることができる。
なお、上記のホワイトバランスは被写体を完全反射体(無彩色の被写体)で説明したが、撮像した一般の被写体を一画面にて積算した色は無彩色に近くなるという統計的結果(エバンスの原理)があり、上述したホワイトバランスはこの原理にもとづいて処理を行うことができるため、画面全体を積算することは完全反射体(無彩色の被写体)を撮像していると等価である。
さらに付け加えると、ホワイトバランスは元来照明の色温度が異なる場合に、白い被写体が白く写るようにRチャンネル、Gチャンネル、Bチャンネルの利得を調整するものであり、色再現性をすべて補正できるものではない。例えば、色温度の低い(赤い)照明下で撮影した被写体は全体的に赤く写り、ホワイトバランスを行うことで白い被写体が白く写るようにすることはできる。しかし、例えばマクベスのカラーチェッカーを例に挙げると、撮像素子の不適切な分光感度特性により赤色がややマゼンタがかったり、黄色がやや緑がかったりする色再現性の場合、上記ホワイトバランスではこれらに対する補正を行うことができず、後述するマトリクス演算による色再現性の補正を行う。
分光感度補正手段4はホワイトバランス手段15から出力される色信号R2、G2、B2を入力し以下の式(2)で示されるマトリクス演算を行い、補正された信号R3、G3、B3を算出する。
Figure 0004298595
式(2)において、e11乃至e33はマトリクス係数である。
図4に示した撮像手段11の分光感度特性と、図7に破線で示した分光感度特性とは特に近赤外の領域においてその分光特性が大きく異なるが、式(2)で示したマトリクス係数を適切に定めることで条件等色を満たし良好な色再現性を得ることができる。ここで、条件等色とは分光特性の異なる2つの色刺激が、特定の観測条件で等しい色に見えることである。
すなわち、特定の照明を用いて特定の被写体を撮像したときの色再現性が最も良くなるように、すなわち、IRCFを用いなくてもIRCFを用いたときと略等しい信号が分光感度補正手段4の出力側に得られるように、マトリクス係数を定める。
具体的なマトリクス係数の求め方は例えば、以下の通りである。
照明としては、例えば図9に示す5000Kの色温度を有する照明を用いる。
被写体としては、標準的なカラーチャート、例えばマクベスカラーチェッカー(Macbeth Color Checker)の24色のカラーパッチ(色票)を用いる。
マクベスカラーチェッカーは、被写体として現存する色を代表し、かつ人間の記憶色(肌色、植物の緑、空の青等)を重視して選択された24色のカラーパッチを含むものであり、24色のカラーパッチの300nmから1200nmの分光反射率が図12に示されている。図12でカラーパッチの番号1乃至24はそれぞれ以下の色に対応する。
1:暗い肌色(Dark skin)、
2:明るい肌色(Light Skin)、
3:青空の色(Blue sky)、
4:草の色(Foliage)、
5:青色の花(Blue flower)、
6:青みの緑色(Bluish green)、
7:オレンジ色(Orange)、
8:紫みの青色(Purplish blue)、
9:中程の赤色(Moderate red)、
10:紫色(Purple)、
11:黄緑色(Yellow green)、
12:オレンジみの黄色(Orange yellow)、
13:青色(Blue)、
14:緑色(Green)、
15:赤色(Red)、
16:黄色(Yellow)、
17:マゼンタ(Magenta)、
18:シアン(Cyan)、
19:白色(White)、
20:グレイ8(Neutral 8)、
21:グレイ6.5(Neutral 6.5)、
22:グレイ5(Neutral 5)、
23:グレイ3.5(Neutral 3.5)、
24:黒色(Black)
である
(なお、上記した各カラーパッチの和訳は、新編色彩化学ハンドブック第2版、日本色彩学会編による。)
図9に示した照明の分光特性と、図12に示した各カラーパッチの分光反射率と、図7に破線に示した分光感度特性の積を全波長にわたって積算することで各カラーパッチに対応するR、G、B信号を算出し、R、G、Bのそれぞれの色信号の画面全体にわたる積算値が等しくなるように、または、白基準とするチェッカー内のグレイの部分の積算値が等しくなるようにホワイトバランスを行い、Rt、Gt、Btを算出する。
次に図9に示した照明の分光特性と、図12に示した各カラーパッチの分光反射率と、図4に示した分光感度特性との積を全波長にわたって積算することで各カラーパッチに対応するR、G、B信号を算出し、カラーターゲットとすべき分光感度特性(図7破線)で求めたときのホワイトバランス係数の値をR、G、Bの色信号に掛け合わせることでホワイトバランスを行い、R2、G2、B2を算出する。
このようにして、Rt、Gt、Bt及びR3、G3、B3は24パッチ分算出でき、これらの値から式(2)の係数e11乃至e33の値を最小二乗誤差法にて算出することができる。
上記のようにして求められたマトリクス係数を用い式(2)に示すマトリクス演算に用いることにより得られたR3、G3、B3と、図7の破線の分光感度特性を介して算出されるRt、Gt、Btとの色差を図13に示す。用いたマトリクス係数は
e11=0.3288、e12=0.4454、e13=−0.3080、e21=−0.1981、e22=1.1294、e23=−0.1594、e31=−0.1421、e32=0.1495、e33=0.7857である。色差ΔE*abは
Figure 0004298595
で算出している(JIS Z8730−1995)。図13に示すように平均の色差は3.0であり、人間の目にはほとんど同色の色再現性を実現することができている。
しかし、上記マトリクス係数は被写体として標準的なカラーチャート例えばマクベスカラーチェッカーを用いて算出したものであり、実際のすべての被写体の色について必ずしも妥当ではない。特にマクベスカラーチェッカーは自然界に存在する特徴的な色をできるだけ網羅して作成されたものであるが、その特性は可視域だけを考慮して作成されているといえる。それに対して、近赤外の領域まで考慮した場合、マクベスカラーチェッカーの色とは異なる色もあり得る。マクベスカラーチェッカーはチャートであるため、そのカラーパッチは絵の具などの顔料が用いられている。それに対して、例えば、可視域では同じ緑色に見える木の葉などは絵の具の緑とは異なった分光反射率を有する。図14にマクベスカラーチェッカーで緑色の例として挙げられている「草の色(Foliage)」、「青みの緑色(Bluish green)」、「黄緑色(Yellow green)」、「緑色(Green)」と自然界に自生している木の葉の2つの特性(「木の葉(1)」、「木の葉(2)」)を示す。例えば「草の色(Foliage)」は木の葉の色を再現するために作成されたカラーパッチであるが、その分光特性は実際の木の葉とは異なり、特に近赤外領域である700nmから異なり、木の葉は700nmから急激にその反射率が高くなる特徴を持つ。先の述べたように人間の目は700nmからほとんど感度を有さないため、カラーパッチの色と木の葉の色はほぼ同じ色として見えるが、近赤外領域の光線に感応する図4に示した撮像手段11の分光感度特性では得られる色再現が大きく異なり、例えばR信号が必要以上の大きくなるため緑が茶色の色再現となる。
同様に化学繊維の布なども、顔料の分光反射率とは近赤外領域で異なるため、可視域では同じ色に見えても近赤外光を入射すると大きく色再現性が異なる。図15に化学繊維の青色の布と、マクベスカラーチェッカーの「青色(Blue)」の分光反射率を示す。化学繊維の布も木の葉と同様に700nmから急激にその反射率が高くなる特徴を持つ。よって、人間の目にはほぼ同じ色として見えるが、近赤外領域の光線に感応する図4に示した撮像手段11で得られる色再現が大きく異なり、たとえばR信号が必要以上の大きくなり青色の布が紫色に見える色再現となる。
このように絵の具やペンキなどの顔料で表される被写体の色は、上記のマトリクス係数で良好な色再現性を実現することができるが、木の葉や化学繊維の布の色などは700nm以上の範囲で分光反射率が著しく異なるため、色再現性が悪い。
図16に自然の木の葉2種類(「木の葉(1)」、「木の葉(2)」)と、化学繊維の青色、赤色、黒色(「青布」、「赤布」、「黒布」)の分光反射率を例として示す。この5色をマクベスカラーチェッカー24パッチに加え合計29色で、上述した最小二乗法であらたにマトリクス係数を算出したときの色差ΔE*abを図17に示す。ここでマトリクス係数は
e11=0.2925、e12=0.5184、e13=−0.3522、e21=−0.2118、e22=1.1587、e23=−0.1804、e31=−0.1541、e32=0.1762、e33=0.7663を用いた。マクベスカラーチャートのカラーパッチの色差の平均値(色番号1乃至24)は2.9と、24パッチだけで求めたときとほぼ同値の良好な色再現性を実現しているが、新たに加えた5パッチについては色差が大きく、特に化学繊維の赤を除けば色差は9以上と大きな値となっている。
そこで、木の葉や化学繊維の色など、カラーターゲットとしている分光感度特性(図7の破線)では感度の無い700nmから大きな反射率を有する色を例外色として、例外色に応じたマトリクス係数を適用させることで、木の葉や化学繊維の色に対しても良好な色再現性を実現する。
例外色に適したマトリクス係数は、例外色の分光反射率特性を図4の分光感度特性を介して得られた値が、例外色の分光反射率特性を図7の破線で示すカラーターゲットとする分光感度特性を介して得られた値に近くなるように、最小二乗誤差法で算出することができる。
これにより、マトリクス係数として、e11=0.4624、e12=−0.1669、e13=−0.4632、e31=−0.1229、e22=0.8402、e23=−0.2531、e31=−0.0798、e32=−0.0769、e33=0.6867が得られた。このような例外色のためのマトリクス係数を第2のマトリクス係数と呼び、上記した顔料などの色に対するマトリクス係数、例えば、e11=0.3288、e12=0.4454、e13=−0.3080、e21=−0.1981、e22=1.1294、e23=−0.1594、e31=−0.1421、e32=0.1495、e33=0.7857を区別のため第1のマトリクス係数と呼ぶ。
第1及び第2のマトリクス係数は予め定められ、係数設定手段6内に記憶されており、係数設定手段6は、色信号生成手段2から出力される第1乃至第3の色信号R2、G2、B2を受けて、これらの組み合わせが予め定めた例外色を表すものであるかどうかを判定し、例外色であると判定したときは、第2のマトリクス係数を選択し、そうでないときは第1のマトリクス係数を選択し、選択されたマトリクス係数を分光感度補正手段4に供給する。
分光感度補正手段4は、係数設定手段6から供給されるマトリクス係数を用いて分光感度補正のためのマトリクス演算を行う。
係数設定手段6は、例えば図1に示すように、識別信号生成手段41と、色識別手段42と、係数決定手段43とを有する。
識別信号生成手段41は信号R2、G2、B2を入力し、予め定めた対象とする色を識別するために必要な複数の、例えば3つ以上の信号(識別信号)を算出する。
色識別手段42は識別信号生成手段41から出力された複数の識別信号の組合せが、予め定められた条件を満たすかどうかの判定を行い、判定結果を示す判別信号DSを出力する。即ち、予め定められた条件を満たすときは、例外色であると判定して、判別信号DSを第1の値、例えば「1」とする。それ以外のときは、判別信号DSを第2の値、例えば「0」とする。
係数決定手段43は色識別手段42から供給される判別信号DSの値に応じて適切なマトリクス係数を分光感度補正手段4へ出力する。
以下より具体的に説明する。
識別信号生成手段41は、識別信号として、信号R2とG2を加算することにより第1の和信号Yeを生成し、信号G2とB2を加算することにより第2の和信号Cyを生成し、信号R2とB2を加算して第3の和信号Mgを生成する。さらに、信号R2とG2とB2とを一定の比率a:b:cで加算して第4の和信号Zを生成し、これを信号レベルの基準とする。識別信号生成手段41は入力したR2、G2、B2と新たに生成したMg、Cy、Ye、Zを色識別手段42へ出力する。a、b、cは任意の値とすれば良いが、一例として、
a:b:c=0.7:0.2:0.1として、
Z=0.7R2+0.2G2+0.1B2
によってZを求める。
色識別手段42は、入力されるR2、G2、B2、Mg、Cy、Ye、Zの7個の信号から、顔料の色(通常色)と例外色とを予め定めた判断基準に照らし合わせて判別する。例外色かどうかの判別を行う基準の一例を式(3)から式(5)に示す。これら式(3)、式(4)、式(5)を全て満たす色が例外色と判定される。
Figure 0004298595
Figure 0004298595
Figure 0004298595
上記の式(3)では、和信号Cyの和信号Zに対する比Cy/Zが第1の所定値(1.0)以上であるかどうかの判定をしており、上記の式(4)では、和信号Yeの和信号Mg信号に対する比Ye/Mgと色信号R2の和信号Cy信号の比R2/Cyとの差の絶対値が第2の所定値(0.2)以下であるかどうかの判定をしており、上記の式(5)では、色信号R2の和信号Cyに対する比R2/Cyと色信号G2と色信号B2に対する比G2/B2との差の絶対値が第3の所定値以上であるかどうかの判定をしている。
図18にマクベスカラーチェッカーの24色と、例外色である5色に対して、Ye/Mg、R/Cy、G/Bを示す。図19には各パッチに対するCy/Zを示す。マクベスカラーチェッカーの各カラーパッチについては色番号は先に示したマクベスカラーチェッカーの番号と同一であり、色番号25は化学繊維の黒(「黒布」)、色番号26は木の葉(1)、色番号27は化学繊維の赤(「赤布」)、色番号28は木の葉(2)、色番号29は化学繊維の青色(「青布」)である。これら色ごとに色の特徴を上記した7個の信号で把握することにより、顔料から成り立つ色(マクベスカラーチェッカーのカラーパッチ)と例外色である木の葉や化学繊維の色の大部分を分離することができる。例外色の内、化学繊維の赤は式(3)から式(5)では判別することができなかったが、図17に示したように化学繊維の赤は従来のマトリクス係数でも色差が2.0であるため、例外色として判断されなくても問題は無いと考えることができる。
色識別手段42は上記判別基準に基づいて色の判別を行い、例外色と判断したときは判別信号DSの値を「1」とする。
係数決定手段43は色識別手段42からの供給される判別信号DSの値に応じて、第1のマトリクス係数又は第2のマトリクス係数を選択して出力する。即ち、判別信号DSの値が「0」のときは、上記のように定めた第1のマトリクス係数を出力し、判別信号DSの値が「1」のとき(例外色のとき)は、第2のマトリクス係数を出力する。
分光感度補正手段4は係数決定手段43から供給された第1のマトリクス係数又は第2のマトリクス係数を用いてマトリクス演算を行う。
図20に上記したマトリクス演算によって算出されたマクベスカラーチェッカー24色と例外色である5色について、ターゲットカラーからの色差ΔE*abを示す。図20に示すように色番号25から29の色の平均が3.8と、図17に示した色番号25から29の色差の平均11.3に比べ小さくなっており、例外色の色再現性が大きく改善していることがわかる。このように係数設定手段6によって例外色かどうかに応じてマトリクス係数を切り替えることで、如何なる色に対しても適切な色再現性を実現することができ、近赤外線が入射した不要な信号を補正することが可能となる。
なお、上記の例では、係数決定手段43が色識別手段42の検出信号に応じて第1のマトリクス係数又は第2のマトリクス係数を出力し、分光感度補正手段4は、供給されたマトリクス係数を用いてマトリクス演算を行っているが、このように構成する代わりに、第1のマトリクス係数及び第2のマトリクス係数を分光感度補正手段4内に記憶しておき、色識別手段42の検出信号に応じて、第1のマトリクス係数及び第2のマトリクス係数のうちのいずれかを選択してマトリクス演算に用いることとしても良い。この場合には、係数設定手段6には、係数決定手段43を設けなくても良い。但し、この場合は、係数決定手段が分光感度補正手段4に内蔵されていると見ることもできる。
また、上記の例では、分光感度補正手段4に3行3列のマトリクス演算を用いたが、分光感度補正手段4で行うマトリクス演算は、3行3列のものに限られるわけではなく、例えば、入力信号のR2、G2、B2のべき乗を用いて式(6)に示すように3行9列のマトリクス演算を行う場合もあり、この場合にも、通常の顔料などの色に適切な第1のマトリクス係数と木の葉や化学繊維の色などの例外色に適した第2のマトリクス係数を用意しておき、切替え手用いることで同様の効果が得られる。
Figure 0004298595
上記の式でr1〜r9、g1〜g9、b1〜b9はマトリクス係数である。また、iは「1」より大きな定数、jは「1」より小さい定数である。
上記の例では、ホワイトバランス手段15が色信号を一画面分積算しているが、一画面以上にわたって積算することとしても良い。同様にターゲット信号の積算値の比ΣRt/ΣGt及びΣBt/ΣGtも一画面以上にわたる積算値の比であっても良い。
また、上記の例では、撮像手段11が図7に破線で示す分光感度特性を有する場合に得られる信号をターゲット信号としたが、撮像手段11が図6の等色関数に等しい分光感度特性を有する場合に選られる信号をターゲット信号としても良い。すなわち、色信号生成手段2から分光感度補正手段4までの総合的な特性が、CIE1931等色関数又はそれを線形変換することによって得られる等色関数に近似した分光感度特性、或いは人間の色覚特性又はそれを線形変換することによって得られる分光感度特性を有するときに得られる色信号をターゲット信号としても良い。
実施の形態2.
図21には本発明の実施の形態2の撮像装置の概略構成を示す。
実施の形態2の撮像装置は、実施の形態1の撮像装置と概して同じであるが、
分光感度補正手段4と、映像信号処理手段6の間に後ホワイトバランス(後WB)手段18と、3行3列の調整用マトリクス演算手段19とが挿入されている点で異なる。
なお、図21では、色信号生成手段2及び係数設定手段6の内部構成の図示が省略されている。
後ホワイトバランス手段18との区別のため、色信号生成手段2内のホワイトバランス手段15を前ホワイトバランス手段と呼ぶことがある。
後ホワイトバランス手段18は分光感度補正手段4から出力された信号R3、G3、B3に対してホワイトバランス処理を行って信号R5、G5、B5を出力する。
後ホワイトバランス手段18は、図22に示すように、色信号R3、G3、B3を増幅して色信号R5、G5、B5を生成する増幅手段51r、51g、51bと、色信号R3、G3、B3を積算して積算値ΣR3、ΣG3、ΣB3を生成する積算手段52と、積算値の比ΣR3/ΣG3及びΣB3/ΣG3を求める除算手段53と、除算手段53から出力される積算値の比ΣR3/ΣG3及びΣB3/ΣG3に基づいて増幅手段51r、51g、51bの増幅率を制御する利得制御手段54とを有する。
上記のように、分光感度補正手段4は得られたR2、G2、B2信号をマトリクス演算によって色補正を行い、図7に破線で示したカラーターゲットとすべき分光感度特性における色の信号を得るための処理を行うが、カラーターゲットとする信号とまったく同じ値が得られるわけではなく図20に示したように各パッチに対して誤差が生じる。
そのため、ホワイトバランスもホワイトバランス手段15で予め行っているが、上記した誤差の分に対してホワイトバランスの誤差も若干生じるため、これを補正するため、再度、信号の画面全体の積算値を積算手段52によって算出し、除算手段53により算出した積算値の比を用いて、利得制御手段54は積算値の比が等しくなるように、ホワイトバランス処理を行う。これにより、より正確なホワイトバランスを行うことができる。
さらに、調整用マトリクス手段19は、3行3列のマトリクス演算を行い色再現性を変更する。本発明では図7に破線で示した分光感度特性を介して得られた色信号をカラーターゲットとすべき信号Rt、Gt、Btであるとしたが、図7に破線で示した分光感度特性と、人間の色彩に関する分光感度特性(等色関数)はまったく一致しているわけではない。
通常撮像装置と人間の色彩に関する分光感度特性(等色関数)がまったく一致もしくは、人間の分光感度特性の線形変換で成り立つルータ条件を満たしていればよいが、人間の分光感度特性とは異なるため、特定の代表的な照明のときのみ良好な色再現性が得られるように、例えば調整用マトリクス手段19によって人間の見た色に近づくように色調整を行っている。実際には撮像装置は完全な測色機ではないため従来の民生品などはそれで良しとされているが、人間の目で見える色との差が気になる場合には3行3列のマトリクス演算を行い、更に色再現性を改善する。
このような改善を行うことによって得られた色信号R6、G6、B6がガンマ補正手段15に入力される。
実施の形態3.
図23は、実施の形態3の撮像装置の概略を示す図である。
実施の形態3の撮像装置は、実施の形態1の撮像装置と概して同じであり、図23は、図1と類似であるが、図23には、図5に示したのと同様の、ホワイトバランス手段15の内部構成が示されている。一方、映像信号処理手段8の内部構成の図示は省略されている。
実施の形態3の撮像装置は、実施の形態1の撮像装置と比べ、ホワイトバランス手段15の除算手段33の出力ΣR1/ΣG1が係数決定手段43に入力されている点で異なり、また、係数決定手段43は、複数の互いに異なる色温度の値に応じて異なるマトリクス係数の組を記憶しており、除算手段33の出力ΣR1/ΣG1の値に応じて、複数組のマトリクス係数のうちの一組のマトリクス係数を選択し、選択された組のうち、色識別手段42の出力に応じて第1のマトリクス係数及び第2のマトリクス係数を選択して出力する。
実施の形態3は、分光感度補正手段4で用いるマトリクス係数を、照明の色温度によって変えることで、照明の色温度に拘らず良好な色再現性を実現するものである。
撮像手段の分光感度特性(図4)が、理想の分光感度特性と異なるため、被写体への照明の色温度が異なるとその色再現性も異なるものとなる。つまり、色補正のマトリクス係数はある色温度の照明下において、理想の分光感度特性から得られた色再現と同じになるように求めた係数であり、条件等色である。そのため、照明の色温度が異なる場合には、その色温度の照明下において、得られた色からターゲットとすべき色へ変換(色補正)するためのマトリクス係数を異なるものとする必要がある。
色温度は図11で示したグラフを元に、ΣR1/ΣG1(又はΣB1/ΣG1)から知ることができる。そこで、マトリクス係数を照明の色温度によって変える場合、式(2)の代わりに、下記の式(7)を用いて、補正マトリクス演算を行うことになる。
Figure 0004298595
なお、ctは色温度を表し、e11(ct)〜e33(ct)は、e11〜e33がctに依存することを表す。同様に、e11(ΣR1/ΣG1)〜e33(ΣR1/ΣG1)はe11〜e33がΣR1/ΣG1に依存することを表す。
異なる色温度に対するマトリクス係数e11(ΣR1/ΣG1)〜e33(ΣR1/ΣG1)は以下のようにして求めることができる。例えば、マクベスカラーチェッカー24色に対して、照明の色温度毎に、図4の分光感度特性を介して得られるRGBの色信号の値に対して、上述したホワイトバランス処理を行うことにより得られる信号R2、G2、B2の値と、理想とする分光感度特性(図7の破線)を介して得られるRGBの色信号の値に対してホワイトバランス処理を行うことにより得られる値Rt、Gt、Btとが等しくなるように、最小二乗法によりマトリクス係数を算出する。例外色についても同様に第2のマトリクス係数を各色温度に対して算出する。これにより、算出した色温度の数だけ第1及び第2のマトリクス係数の組ができる。異なる色温度の数が多ければそれだけ細やかに色補正を行うことができ、また、色温度に応じて変化する度合いを数式化して実現することもできる。
上記のように、比ΣR1/ΣG1は、各色温度に対応するので、各色温度の対応する比ΣR1/ΣG1に対して、通常色についてのマトリクス係数(第1のマトリクス係数)と、例外色についてのマトリクス係数(第2のマトリクス係数)を組にして係数決定手段43に予め記憶させておく。従って、係数決定手段43は、複数の色温度に対して、複数組のマトリクス係数を記憶していることになる。
除算手段33は積算された色信号の比ΣR1/ΣG1及びΣB1/ΣG1を計算し、利得制御手段34に出力するが、本実施の形態では、ΣR1/ΣG1を係数決定手段43へも出力を行う。
係数決定手段43は、除算手段33から供給されたΣR1/ΣG1の値に応じて、複数組のマトリクス係数のうちの一組のマトリクス係数を選択し、さらに色識別手段42の出力に基づいて、選択された組のマトリクス係数のうちの第1のマトリクス係数又は第2のマトリクス係数を選択して、選択したマトリクス係数を分光感度補正手段4へ出力する。分光感度補正手段4では、係数決定手段43から供給されるマトリクス係数を用いて補正マトリクス演算を行う。これにより、照明の色温度に応じ、かつ例外色かどうかに応じて適切な補正マトリクスを選択することができ、良好な色再現性を実現することができる。
なお、分光感度補正手段4が色温度に応じて複数組の第1及び第2のマトリクス係数を記憶し、色識別手段42からの識別信号及び除算手段33からのΣR1/ΣG1の値に応じて、第1のマトリクス係数又は第2のマトリクス係数の選択、及び複数組のマトリクス係数のうちの一組のマトリクス係数の選択を行うようにしても良い。
また、上記の例では、「各色温度に対応する比ΣR1/ΣG1」に対応するマトリクス係数の組を用いているが、「各色温度に対応する比ΣB1/ΣG1」を用い、これに対応するマトリクス係数の組を用いて良い。ΣR1/ΣG1とΣB1/ΣG1とは対応関係があるので、どちらを用いても実質的に同じことである。また、これらの逆数を用いても実質的に同じことである。
実施の形態4.
以上の実施の形態1乃至3において、処理の対象が例えば静止画の場合には、特にホワイトバランス手段15以降の処理は、ソフトウェアによって、即ち、プログラムされたコンピュータによって実現することができる。
実施の形態5.
以上の実施の形態の撮像装置は、動画や静止画を撮像するビデオカメラ、カメラ一体型VTR、デジタルスチルカメラ、PCカメラ、並びに携帯電話や携帯端末機に内蔵されるデジタルスチルカメラに適用可能であり、これらからIRCFを不要とし、かつ暗視に利用することが多い、監視カメラや車載カメラなどにも適用できる。
以下デジタルスチルカメラに適用した場合の構成を、図24を参照して説明する。図24に示すように、このデジタルカメラは、図1に示した撮像装置を構成する各要素のうち、色信号生成手段2の代わりに色信号生成手段61を備え、さらにシャッタボタン62、シャッタ駆動手段63、表示駆動手段64、モニタ65、画像圧縮手段66、及び書込み手段67を付加したものである。
シャッタ駆動手段63は、シャッタボタン62の操作に応じて色信号生成手段61内のシャッタを駆動する。表示駆動手段64は、映像信号処理手段8の出力を受けてビューファインダーとしてのモニタ65に画像を表示させる。モニタ65は、例えば液晶表示装置で構成され、表示駆動手段64に駆動されて、色信号生成手段61内の撮像手段で撮像されている画像を表示する。画像圧縮手段66は、映像新語処理手段8の出力を受けて例えばJPEGに準拠した画像圧縮を行なう。書込み手段67は、画像圧縮手段66で圧縮されたデータを記録媒体68に書き込む。
なお、撮像装置を動画撮影に用いて、画像データを図示しない機器に伝送する場合、輝度色差手段17の出力をエンコードしてNTSC信号を生成して出力する。
この発明の実施の形態1の撮像装置を示すブロック図である。 図1の撮像装置の撮像手段1内の撮像素子22上のカラーフィルタの配列を示した図である。 撮像素子22とカラーフィルタ、光学系の配置を示す図である。 撮像手段の分光感度特性を示す図である。 図1のホワイトバランス手段15の一構成例を示すブロック図である。 CIE1931による等色関数を示す図である。 撮像手段、IRCF、及びそれらを乗算した分光感度特性を示す図である。 黒体輻射における3000Kの場合の分光特性を示す図である。。 黒体輻射における5000Kの場合の分光特性を示す図である。 黒体輻射における6500Kの場合の分光特性を示す図である。 RGB信号の積算値の比を示した図である。 マクベスカラーチェッカーの各カラーパッチの分光反射率特性を示す図である。 マクベスカラーチェッカーの24色の色票から求めたマトリクス係数による色差を示す図である。 木の葉とマクベスカラーチェッカーの緑色との分光反射率を示す図である。 化学繊維の青とマクベスカラーチェッカーの青色との分光反射率とを示す図である。 例外色の分光反射率を示す図である。 マクベスカラーチェッカーの24色の色票と5つの例外色から求めたマトリクス係数による色差を示す図である。 色識別に用いる信号の比Ye/Mg、R/Cy、G/Bを示す図である。 色識別に用いる信号の比Cy/Zを示す図である。 第1及び第2のマトリクス係数を切り換えて用いた場合の色差を示す図である。 この発明の実施の形態2の撮像装置を示すブロック図である。 図21のホワイトバランス手段18の一構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3の撮像装置を示すブロック図である。 実施の形態5のカメラの構成を示すブロック図である。
符号の説明
2 色信号生成手段、 4 分光感度補正手段、 6 係数設定手段、 8 映像信号処理手段、 11 撮像手段、 12 増幅手段、 13 ADC、 14 DC再生手段、 15 ホワイトバランス手段、 16 ガンマ補正手段、 17 輝度色差信号生成手段、 18 ホワイトバランス手段、 19 調整用マトリクス演算手段、 22 撮像素子、 31r、31g、31b 増幅手段、 32 積算手段、 33 除算手段、 34 利得制御手段、 41 識別信号生成手段、 42 色識別手段、 43 係数決定手段、 51r、51g、51b 増幅手段、 52 積算手段、 53 除算手段、 54 利得制御手段。

Claims (18)

  1. 入射光を受けて、入射光を少なくとも3つの色成分に分離し、前記少なくとも3つの色成分に対応する第1乃至第3の色信号を出力する色信号生成手段と、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号とマトリクス係数との乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、前記色信号生成手段が有する近赤外領域での応答特性を補正する分光感度補正手段と、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号を受けて、これらの組み合わせが予め定めた例外色を表すものであるかどうかを判定し、判定結果に応じて前記マトリクス係数を切り換える係数設定手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記係数設定手段は、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号から、前記例外色の識別に用いられる識別信号を生成する識別信号生成手段と、
    前記識別信号が所定の条件を満たすかどうかの判定により、前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号で表される色が前記例外色であるかどうかの判定を行う色識別手段と、
    前記色識別手段における判定結果に基づいてマトリクス係数を定める係数決定手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記識別信号生成手段は、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号R2、G2、B2に基づいて、
    前記第1の色信号R2と前記第2の色信号G2を加算して得られる第1の和信号Yeと、
    前記第2の色信号G2と前記第3の色信号B2を加算して得られる第2の和信号Cyと、
    前記第1の色信号R2と前記第3の色信号B2を加算して得られる第3の和信号Mgと
    を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記識別信号生成手段は、さらに、
    前記第1乃至第3の色信号を所定の比率で加算して第4の和信号Zを生成し、
    前記色識別手段は、
    前記第2の和信号Cyの前記第4の和信号Zに対する比Cy/Zが第1の所定値以上であり、
    前記第1の和信号Yeの前記第3の和信号Mg信号に対する比Ye/Mgと前記第1の色信号R2の前記第2の和信号Cy信号の比R2/Cyとの差の絶対値が第2の所定値以下であり、
    前記第1の信号R2の前記第2の和信号Cyに対する比R2/Cyと前記第2の色信号G2と前記第3の色信号B2に対する比G2/B2との差の絶対値が第3の所定値以上であるときに
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号で表される色が前記例外色であると判定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記色信号生成手段は、
    赤、緑、青の光を抽出する第1乃至第3のカラーフィルタを有し、赤、緑、青の光に対応する信号を得る撮像手段を有し、
    と、
    前記第1のカラーフィルタの分光透過率は略560nmから透過率が大きくなる特性を有しており、
    前記第2のカラーフィルタの分光透過率は略450nmから600nmまで透過率が大きくなり、略700nmから再び透過率が前記第1のカラーフィルタの透過率より大きくなる特性を有しており、
    前記第3のカラーフィルタの分光透過率は略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる特性を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記色信号生成手段は、
    赤、緑、青の光を抽出する第1乃至第3のカラーフィルタを有し、赤、緑、青の光に対応する信号を得る撮像手段と、
    前記撮像手段から得られた第1乃至第3の信号に対してホワイトバランス調整を行うホワイトバランス手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記ホワイトバランス手段は、
    前記撮像手段から出力される赤、緑、青の信号を少なくとも一画面の積算を行い、赤、緑、青の信号の積算値を生成する積算手段と、
    前記積算手段から得られた赤の信号の積算値と緑の信号の積算値の比、及び青の信号の積算値と緑の信号の積算値の比を算出する除算手段と、
    前記除算手段から得られた積算値の比から、目標とすべき赤、青、緑の信号の積算値の比へ変換し、ホワイトバランス係数を算出する利得制御手段と、
    前記利得制御手段で算出されたホワイトバランス係数により、前記撮像手段から出力される赤、緑、青の信号に対する利得を調整し、ホワイトバランス調整を行う増幅手段と
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記色信号生成手段から前記第1乃至第3の色信号が前記例外色を表すものであるときは、例外色のためのマトリクス係数が用いられ、
    前記色信号生成手段から前記第1乃至第3の色信号が前記例外色を表すものでないときは、通常色のためのマトリクス係数が用いられ、
    前記通常色のために定められたマトリクス係数は、標準的なカラーチャートのカラーパッチを用いて定められ、
    前記例外色のためのマトリクス係数は、例外色を用いて予め定められている
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記例外色は、前記標準的なカラーチャートのカラーパッチの一つと、略400nmから700nmまでは分光反射率が略同一であり、700nmから分光反射率が異なるものであることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記分光感度補正手段は、前記色信号生成手段から前記分光感度補正手段までの総合的な分光感度特性が、人間の色覚特性若しくはそれを線形変換することによって得られる分光感度特性、又はCIE1931等色関数若しくはそれを線形変換することによって得られる分光感度特性に近似したものとなるような補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  11. 入射光を受けて、入射光を少なくとも3つの色成分に分離し、前記少なくとも3つの色成分に対応する第1乃至第3の色信号を出力する色信号生成手段を備えた撮像装置の信号処理方法において、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号とマトリクス係数との乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、前記色信号生成手段が有する近赤外領域での応答特性を補正する分光感度補正工程と、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号を受けて、これらの組み合わせが予め定めた例外色を表すものであるかどうかを判定し、判定結果に応じて前記マトリクス係数を切り換える係数設定工程と
    を備えることを特徴とする信号処理方法。
  12. 前記係数設定工程は、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号から、前記例外色の識別に用いられる識別信号を生成する識別信号生成工程と、
    前記識別信号が所定の条件を満たすかどうかの判定により、前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号で表される色が前記例外色であるかどうかの判定を行う色識別工程と、
    前記色識別工程における判定結果に基づいてマトリクス係数を定める係数決定工程とを備えることを特徴とする請求項11に記載の信号処理方法。
  13. 前記識別信号生成工程は、
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号R2、G2、B2に基づいて、
    前記第1の色信号R2と前記第2の色信号G2を加算して得られる第1の和信号Yeと、
    前記第2の色信号G2と前記第3の色信号B2を加算して得られる第2の和信号Cyと、
    前記第1の色信号R2と前記第3の色信号B2を加算して得られる第3の和信号Mgと
    を生成することを特徴とする請求項12に記載の信号処理方法。
  14. 前記識別信号生成工程は、さらに、
    前記第1乃至第3の色信号を所定の比率で加算して第4の和信号Zを生成し、
    前記色識別工程は、
    前記第2の和信号Cyの前記第4の和信号Zに対する比Cy/Zが第1の所定値以上であり、
    前記第1の和信号Yeの前記第3の和信号Mg信号に対する比Ye/Mgと前記第1の色信号R2の前記第2の和信号Cy信号の比R2/Cyとの差の絶対値が第2の所定値以下であり、
    前記第1の信号R2の前記第2の和信号Cyに対する比R2/Cyと前記第2の色信号G2と前記第3の色信号B2に対する比G2/B2との差の絶対値が第3の所定値以上であるときに
    前記色信号生成手段から出力される前記第1乃至第3の色信号で表される色が前記例外色であると判定することを特徴とする請求項13に記載の信号処理方法。
  15. 前記色信号生成手段は、
    赤、緑、青の光を抽出する第1乃至第3のカラーフィルタを有し、赤、緑、青の光に対応する信号を得る撮像手段を有し、
    と、
    前記第1のカラーフィルタの分光透過率は略560nmから透過率が大きくなる特性を有しており、
    前記第2のカラーフィルタの分光透過率は略450nmから600nmまで透過率が大きくなり、略700nmから再び透過率が前記第1のカラーフィルタの透過率より大きくなる特性を有しており、
    前記第3のカラーフィルタの分光透過率は略380nmから550nmまで透過率が大きくなり、略800nmから再び透過率が大きくなる特性を有している
    ことを特徴とする請求項11に記載の信号処理方法。
  16. 前記色信号生成手段から前記第1乃至第3の色信号が前記例外色を表すものであるときは、例外色のためのマトリクス係数が用いられ、
    前記色信号生成手段から前記第1乃至第3の色信号が前記例外色を表すものでないときは、通常色のためのマトリクス係数が用いられ、
    前記通常色のために定められたマトリクス係数は、標準的なカラーチャートのカラーパッチを用いて定められ、
    前記例外色のためのマトリクス係数は、例外色を用いて予め定められている
    ことを特徴とする請求項11に記載の信号処理方法。
  17. 前記例外色は、前記標準的なカラーチャートのカラーパッチの一つと、略400nmから700nmまでは分光反射率が略同一であり、700nmから分光反射率が異なるものであることを特徴とする請求項16に記載の信号処理方法。
  18. 前記分光感度補正工程は、前記色信号生成手段における色信号生成から前記分光感度補正工程における分光感度補正までの総合的な分光感度特性が、人間の色覚特性若しくはそれを線形変換することによって得られる分光感度特性、又はCIE1931等色関数若しくはそれを線形変換することによって得られる分光感度特性に近似したものとなるような補正を行うことを特徴とする請求項11に記載の信号処理方法。
JP2004183351A 2004-04-05 2004-06-22 撮像装置及びその信号処理方法 Expired - Fee Related JP4298595B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004183351A JP4298595B2 (ja) 2004-06-22 2004-06-22 撮像装置及びその信号処理方法
KR1020067020711A KR100825172B1 (ko) 2004-04-05 2005-01-14 촬상 장치
GB0621263A GB2430105B (en) 2004-04-05 2005-01-14 Imaging device
PCT/JP2005/000359 WO2005101853A1 (ja) 2004-04-05 2005-01-14 撮像装置
US11/547,069 US7663668B2 (en) 2004-04-05 2005-01-14 Imaging device
TW094101764A TWI255645B (en) 2004-04-05 2005-01-21 Image pickup device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004183351A JP4298595B2 (ja) 2004-06-22 2004-06-22 撮像装置及びその信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006013582A JP2006013582A (ja) 2006-01-12
JP4298595B2 true JP4298595B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=35780334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004183351A Expired - Fee Related JP4298595B2 (ja) 2004-04-05 2004-06-22 撮像装置及びその信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4298595B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007214933A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Fujifilm Corp カラー撮像装置およびその制御方法
JP6531522B2 (ja) * 2015-07-01 2019-06-19 富士通株式会社 色補正プログラム、色補正方法及び色補正装置
JP6886150B2 (ja) * 2017-11-01 2021-06-16 伊藤光学工業株式会社 光学要素

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006013582A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100825172B1 (ko) 촬상 장치
JP4407448B2 (ja) 撮像装置
US20060146064A1 (en) Hexagonal color pixel structure with white pixels
US20050248667A1 (en) Extended dynamic range in color imagers
US20030184660A1 (en) Automatic white balance for digital imaging
JP5080934B2 (ja) 画像処理装置及び方法、及び撮像装置
US7812870B2 (en) Color space conversion in the analog domain
CN104756488B (zh) 信号处理设备以及信号处理方法
JP4874752B2 (ja) デジタルカメラ
CN107534759A (zh) 摄像装置、摄像方法和程序
JP4011039B2 (ja) 撮像装置及び信号処理方法
JP3933651B2 (ja) 撮像装置及びその信号処理方法
JP3966866B2 (ja) 撮像装置、カメラ、及び信号処理方法
JP3966868B2 (ja) 撮像装置、カメラ、及び信号処理方法
JP4298595B2 (ja) 撮像装置及びその信号処理方法
CN105323567B (zh) 色彩处理系统及装置
JP2005278213A (ja) 製造方法
JP4397724B2 (ja) 撮像装置、カメラ、及び信号処理方法
JP3933649B2 (ja) 撮像装置及び信号処理方法
JP4024230B2 (ja) 撮像装置
CN112335233B (zh) 图像生成装置以及摄像装置
JP2014042138A (ja) 画像処理装置、コンピュータプログラム、およびデジタルカメラ
JP2005303702A (ja) 撮像装置、カメラ、及び信号処理方法
JP5920144B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP2007097202A (ja) 画像処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees