JP4022449B2 - 模様柄形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、染色布帛への模様柄形成方法に関する。特に、オゾンガスで染色布帛の表面層のみを脱色した後に、脱色された布帛の表面層を削り取ることによって布帛内部の濃色部分を露出させる模様柄形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維製品を着用しているときに他のものと良く擦れ合うところが、その摩擦によってその他の部分より色が薄くなると、長期間愛用したかのような風合いが現れる。ジーンズ等の繊維製品においては、このように着こなされた風合いを与えるために、いわゆるビンテージ加工が施される。この加工法においては、染色された繊維製品の擦れ合いやすい部分の表面を削ってその部分の色を薄くする。例えば、砂を吹き付けるサンドブラスト、ブラシで摩擦するブラッシング、あるいはサンドペーパーで摩擦するシェービングなどの各種の方法で繊維製品の表面が削られる。
【0003】
一方、オゾンは、強力な酸化性を有する気体であり、これを使用して染色物に脱色模様を形成する方法が知られている。例えば特開平4−100987号公報には、繊維染色物を湿気のある状態でオゾン雰囲気に暴露することによって脱色する繊維染色物の脱色方法が記載されているが、このとき水分付着量の多少差によって脱色コントラストのついた脱色模様を得ることができる。当該公報によれば、水分率が約50〜60%のときに脱色の程度が最大になり、それ以上でもそれ以下でも低下するとされている。また、このようにオゾンで脱色する方法は、漂白剤含有水溶液で脱色する方法に比べて、廃水処理の負担が軽減される。
【0004】
特開平5−186973号公報には、スレン染料(インディゴを含む)又は反応染料で染色したデニム製品を、オゾンガスを注入しながら洗濯機中で水洗して、デニム製品の表面の脱色を行った後に一旦乾燥させ、砂等でデニム製品の表面を削り取り、中層部に残っている未脱色部を露出させて発色させる、脱色及び発色方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年の消費者ニーズの多様化に伴い、斬新な模様柄の形成が望まれるようになっている。表面を削った部分が濃色に発色して、いわゆるビンテージ加工で得られる模様と濃淡が反転している点で、特開平5−186973号公報に記載されている方法で得られる模様柄は斬新で興味深いものである。
【0006】
特開平5−186973号公報に記載されている方法では、染色された布帛を水とともに撹拌しながら、撹拌槽中にオゾンガスを注入する。しかしながら、当該公報記載の方法ではオゾンによる脱色速度が遅く、生産効率が高くなかった。脱色に使用されるオゾンガスの製造コストは必ずしも安価ではないので、脱色速度が遅くてオゾンガスの利用効率が低ければ処理プロセス全体のコストを上昇させてしまう。また、表面を十分に淡色化してからコントラストの高い濃色部分を形成することが困難で、形成できる模様柄にも制約があった。
【0007】
さらに、特開平5−186973号公報に記載されている方法では、脱色操作後に相当量のオゾンガスが溶解した廃水が発生する。オゾンガスを含有する廃水からはオゾンガスが揮発しやすく、このような廃水を開放系で取り扱ったのでは、作業環境や周辺環境を悪化させるおそれがある。一方で、廃水処理を完全な密閉系の中で行ったのでは、処理コストが高くなってしまう。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、オゾンガスを効率的に利用でき、コントラストの高い模様柄を形成でき、しかも廃水処理が容易で環境負荷の小さい、斬新な模様柄を形成する方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、経糸、緯糸ともに芯まで染色された織物地であって、その目付けが170g/m 2 以上である染色布帛への模様柄形成方法であって、染色布帛を回転ドラム中で水とともに撹拌してから遠心脱水処理して、染色布帛100重量部に対して65〜80重量部の水分を含有させた後、流動水が存在しない接触槽内でオゾンガスと接触させながら撹拌して、前記染色布帛の表面層のみを脱色した後に、脱色された布帛の表面層を削り取ることによって布帛内部の濃色部分を露出させることを特徴とする模様柄形成方法を提供することによって解決される。流動水が存在しない状態で、水分を含有する染色布帛をオゾンガスと接触させることによって、布帛表面のみを効率良く脱色することが可能であり、しかも廃水処理も容易である。
【0010】
このとき、染色布帛が反応染料又はインディゴで染色されたものであることが、コントラストの高い模様柄を効率良く形成しやすくて好ましい。
【0011】
またこのとき、染色布帛100重量部に対して65〜80重量部の水分を含有させてからオゾンガスと接触させることによって、オゾンガスでの脱色速度が速く、しかも表面層のみを脱色することができる。オゾンガスと接触させる際の、接触槽内のオゾンガスの最高濃度が1〜200g/m3であることが、脱色速度とオゾンガスの利用効率のバランスの観点から好ましく、接触槽内でオゾンガスを接触させる時間が2〜100分であることが生産効率の観点から好ましい。また、接触槽内に導入される気体中のオゾンガスの濃度が10〜500g/m3であり、かつ1分間に導入される前記気体の流量が、接触槽の内容積の0.1〜10体積%であることが、装置設計上好適である。
【0012】
脱色された布帛の、表面層を削り取っていない部分のトータルK/Sが40以下であることが、本発明の好ましい実施態様である。また、脱色された布帛の、表面層を削り取った部分のトータルK/Sが、表面層を削り取っていない部分のトータルK/Sに比べて10%以上大きいことも、本発明の好ましい実施態様である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、染色布帛への模様柄形成方法であって、染色布帛に水分を含有させた後、流動水が存在しない接触槽内でオゾンガスと接触させて、前記染色布帛の表面層のみを脱色した後に、脱色された布帛の表面層を削り取ることによって布帛内部の濃色部分を露出させることを特徴とする模様柄形成方法である。
【0015】
本発明で使用される染色布帛の素材は特に限定されず、各種の天然繊維、合成繊維及び再生繊維を使用することができる。なかでもセルロース系繊維素材が、濃淡による自然な模様柄を形成したいジーンズ等の衣料に広く使用される点から重要である。セルロース系繊維素材としては、綿、麻、レーヨン、ポリノジック、「テンセル」、「リヨセル」、アセテート、トリアセテートなどが例示され、綿が最も重要である。
【0016】
ここで使用される染色布帛の染色に用いられる染料は特に限定されない。オゾンは強力な酸化剤であり、多様な染料に対して脱色が可能である。直接染料、酸性染料、塩基性染料、バット染料、硫化染料、反応染料などを使用することができる。前述のように、本発明においてはセルロース系繊維からなる染色布帛が重要であることから、セルロース系繊維の染色に適した染料である直接染料、バット染料、反応染料、硫化染料が好適に使用される。これらの中でもデニム生地への模様柄形成の市場ニーズが大きいバット染料であるインディゴが特に好適に使用される。また、高コントラストの模様柄を効率良く形成しやすい点からは反応染料が特に好適に使用される。
【0017】
染色布帛の形態は特に限定されず、各種の織編地が使用できるが、その目付けが170g/m2以上である織物地であることが、表面層のみを脱色しやすくて好ましい。一定以上の目付けの織物地であることが、布帛の表面層と布帛内部との脱色コントラストを形成しやすくて好ましい。より好適には300g/m2以上であり、さらに好適には400g/m2以上である。したがって、セルロース系繊維からなる厚手の綾織物であるデニム生地が特に好適に使用される。また、染色布帛が、経糸、緯糸ともに芯まで染色された織物地であることが、高コントラストの模様柄を得るためには好ましい。
【0018】
本発明の模様柄形成方法に供される染色布帛は、未縫製の布地の形態であっても良いし、縫製加工品の形態であっても良い。布地の形態である場合には、脱色後に布地の形態で表面層を削り取ってから縫製加工しても良いが、脱色後に縫製加工してから表面層を削り取る方が、衣料の所望の場所に模様柄を形成しやすくて好ましい。より好適な方法は、縫製加工された衣料をそのまま脱色してから表面層を削り取る方法である。この方法によれば、小ロットへの対応が容易で、生産効率も良い。
【0019】
縫製加工された衣料を使用する場合の衣料の種類も特に限定されない。パンツ、シャツ、スカート、ジャケットなど各種の衣料品に対して模様柄を形成することができる。なかでも、デニムパンツ及びデニムジャケットが、濃淡による自然な模様柄を形成する市場ニーズが大きく、最も重要である。
【0020】
染色布帛に水分を含有させる方法は特に限定されないが、回転ドラム中で水とともに撹拌してから、遠心脱水処理する方法が好適なものとして挙げられる。本発明では、以後の操作において流動水がない状態で処理する必要が有ることから、遠心脱水処理等によって流動水がなくなる程度まで水分を調整する必要がある。遠心脱水処理を施した後は、ドラム内壁に染色布帛が押し付けられて不自然な折れ曲がり方をしていることが多いので、一旦、ドラムを低速で回転させてほぐしておくことが好ましい。こうすることで染色布帛全体に均一にオゾンガスを接触させることができる。この操作におけるドラムの回転時間は、通常1〜60分程度である。
【0021】
オゾンガスと接触させる際の染色布帛の好適な水分含有量は、染色布帛の重量100重量部に対して、水分が50〜90重量部である。なおここでいう原料の染色布帛の重量は、通常の環境下で既に含有している水分を含んだ量である。
【0022】
染色布帛の水分含有量が多すぎても少なすぎても、布帛表面層の脱色速度が低下する傾向がある。染色布帛の重量100重量部に対して水分が50〜60重量部の時に表面層の脱色速度が最大であり、50重量部以下では脱色速度が低下する。一方、染色布帛の重量100重量部に対して水分が90重量部を超える場合、特に接触槽内に流動水が存在するような状況では、表面層はある程度脱色するもののその脱色速度が低下する。布帛の表面層についてはできるだけ効率的に脱色できることが、オゾンガスの利用効率の面から好ましい。
【0023】
一方、染色布帛の重量100重量部に対して水分が50重量部未満の場合には、布帛内部が表面層とほぼ同じように脱色されて、本発明の目的とする模様柄を形成することが困難な場合が多く、特にコントラストの高い模様柄を形成することは困難である。これに対し、染色布帛の重量100重量部に対して水分率が50重量部以上の場合には、内部の脱色速度が表面層に比べて低下して、表面のみが選択的に脱色されるようになり、本発明の目的とする模様柄を形成することができる。布帛表面と布帛内部との濃度のコントラストは、染色布帛の重量100重量部に対して水分率が65〜70重量部であるときに最大となる。
【0024】
染色布帛の重量100重量部に対して、水分が50〜90重量部という限られた含水率の範囲において、オゾンガスと接触させた場合に、染色布帛の表面層の脱色速度が速く、しかも内部が脱色されにくいという、特徴ある脱色挙動を示しやすくなる。しかも、このような含水率の場合には接触槽内に流動水が存在せず、廃オゾンガスを気相で処理できるので、廃水処理の面からも好ましい。
【0025】
染色布帛の重量100重量部に対する水分の含有量は、使用する染色布帛の仕様や目指す模様柄によって適宜調整されるべきものであるが、その下限値はより好適には60重量部以上であり、さらに好適には65重量部以上である。一方、水分量の上限値は、より好適には80重量部以下であり、さらに好適には70重量部以下である。
【0026】
上述のように染色布帛に水分を含有させた後、流動水が存在しない接触槽内でオゾンガスと接触させて、前記染色布帛の表面層のみを脱色する。このとき、流動水がない状態で接触させることが重要である。前述のように、流動水が存在する状態では、染色布帛の表面層の脱色速度が遅く、オゾンガスを効率的に使用することができない。また、脱色操作後、オゾンガスが溶け込んだ流動水を排出する際に、オゾンガスの揮発によって作業環境や周辺環境を悪化させるおそれがある。
【0027】
オゾンガスと接触させる容器はオゾンガスを封入可能なものであれば良く、特に限定されないが、通常、オゾンガスが連続的に導入され、同時に内部の気体が連続的に排出されるものである。容器の中には撹拌可能な手段を有していることが好ましく、好適には回転ドラム中で染色衣料を撹拌できるようになっていることが好ましい。水分の調整操作、オゾンガスに接触させながら撹拌する操作をいずれも単一の槽内で行うことが、作業性が良好であるため好ましい。このような場合には、洗浄や脱水操作も可能な回転ドラム付きウォッシャーが好適に使用される。
【0028】
オゾンガスの発生装置は特に限定されず、電気分解式、放電式、紫外線式のいずれの発生装置を使用することもできる。これらのうち紫外線式の場合にはオゾンガス濃度が不十分になる場合があり、高濃度のオゾンガスを含む気体を得るには電気分解式または放電式の発生装置を使用することが好ましい。大量のオゾンガスを得るには放電式、特に無声放電式のオゾン発生装置が好ましく使用される。オゾンガスの発生量は、接触槽の容量や、処理する染色布帛の重量などによって調整される。
【0029】
染色布帛をオゾンガスと接触させる際の、接触槽内のオゾンガスの最高濃度は、1〜200g/m3であることが好ましい。濃度が低すぎると染色布帛の表面層を脱色する速度が遅くなりすぎて効率的ではないし、濃度が高すぎると染色布帛の内部まで脱色されやすい。オゾンガスの最高濃度は、好適には2g/m3以上であり、より好適には5g/m3以上である。また好適には100g/m3以下であり、より好適には50g/m3以下である。ここでいうオゾンガスの最高濃度は、接触槽内から排出される気体のオゾンガス濃度を測定することで得られるものである。接触槽内のオゾンガス濃度は、オゾンガスを含有する気体が導入されることによって徐々に増加していくが、上記オゾンガスの最高濃度は、接触操作中で最大になったときの濃度のことである。通常、接触操作を終了するときの濃度が最大になる場合が多いが、場合によっては途中で一定の濃度まで上昇したときにオゾンガス供給能力を低下させて調整する場合もある。
【0030】
このようなオゾンガス濃度にすることができるように、オゾンガスを含有する気体が接触槽内に導入される。導入される気体のオゾンガス濃度は、導入される気体の流量や接触槽の内容積、さらには槽内で消費される量を考慮して設定される。通常、槽内濃度よりもかなり大きい濃度、例えば10〜500g/m3程度に設定される。導入気体のオゾンガス濃度は好適には50g/m3以上であり、より好適には100g/m3以上である。また好適には300g/m3以下である。導入される気体の流量は、大きすぎると未反応のオゾンガスの排出量が増加して利用効率が低下するし、小さすぎると脱色操作に時間がかかりすぎる。通常、接触槽の内容積の0.1〜10体積%程度の気体を毎分当たり導入することが好適である。より好適には0.2体積%以上であり、また5体積%以下である。
【0031】
染色布帛にオゾンガスを接触させる時間は通常2〜100分である。接触時間が短すぎると染色布帛の表面層の脱色が不十分になるおそれがあり、より好適には5分以上であり、さらに好適には10分以上である。一方、接触時間が長すぎると染色布帛内部の脱色も進行してしまうおそれがあり、より好適には60分以下であり、さらに好適には40分以下である。この間、撹拌を継続することが染色布帛全体からみて脱色ムラが少なくできて好ましい。
【0032】
接触操作が終了した後に接触槽内のオゾンガスを排出する。オゾンガスの排出方法は特に限定されないが、圧縮空気を吹き込んで接触槽内の気体を置換する方法などが挙げられる。このように接触操作後に排出されるオゾンガスや、接触操作中に接触槽から導出されるオゾンガスは、分解処理してから大気中に放出される。オゾンガスの分解処理方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、熱分解法、活性炭法、薬液処理法、触媒法などを例示することができる。分解コストや維持管理の容易さから、触媒法による分解操作が、工業的には好適である。
【0033】
従来広く行われている方法のように、液体の漂白剤を使用した脱色方法では、大量の漂白剤が残存する廃液の処理が必要であった。現在、繊維加工用途で広く使用されている漂白剤は次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤である。このような酸化剤を含有する水溶液を廃水処理するに際しては、そのまま活性汚泥槽に投入したのでは汚泥中の分解菌が弱るおそれがあるために、予め還元剤で処理してから活性汚泥槽に投入する手法などが採用されている。しかしながら、これでは廃液処理のためにさらに化学物質を使用することになり、環境への負荷も大きく、処理の手間や費用もかさむこととなる。これに対し、上述のように、オゾンガスを脱色剤として使用する本発明では、気相での簡単な処理によってオゾンガスを分解させることができるから、廃液処理や周辺環境への負荷の点からも有用な方法である。
【0034】
オゾンガスを排出した後の染色布帛を洗浄して、僅かに残存するオゾンを洗浄除去する。洗浄に際しては、冷水、温水のいずれで洗浄しても良いし、洗浄水に界面活性剤を含有させても良い。界面活性剤入りの洗浄水で洗浄した後にはさらに水によってすすぎが施される。このような洗浄操作の後に脱水処理が施されるが、遠心脱水することが好ましい。こうして、染色布帛の表面層のみが脱色され、布帛内部の濃色部分を有する染色布帛が得られる。
【0035】
脱水された染色布帛は、染色布帛100重量部に対して、通常40〜90重量部の水分を含んだ状態である。特に、遠心脱水した場合には、ドラムに押し付けられて不自然な皺が残っているので、これを伸ばしてから布帛の表面層を削り取る作業を行うことが好ましい。皺を伸ばす方法は特に限定されず、水分を含んだままで皺を伸ばしても良いし、乾燥させてから皺を伸ばしても良い。本発明の模様柄形成方法においては、皺を伸ばした後で布帛の表面層を削り取ることから、削り取った後で再度の洗浄が必要である。したがって、中間で一旦乾燥させる操作は作業効率上、あるいはエネルギー利用効率上からは無駄であるので、水分を含んだままで皺を伸ばして、引き続き水分を含んだままで布帛の表面層を削り取る方が好ましい。水分を含んだままで皺を伸ばす方法としては、高温蒸気又は高温空気を短時間吹き付けて皺を伸ばす方法が好適に採用される。例えば、パンツやジャケットのような衣料の形態であれば、仕上げ機(フィニッシャー)を用いて、衣料内部に高温蒸気又は高温空気を吹き込んで皺を伸ばすことが好ましい。この皺伸ばし工程の前後においては水分率は大きく変動せず、工程後においても通常30〜60重量部の水分を含んだ状態である。
【0036】
表面層が脱色され、好ましくは皺が伸ばされた染色布帛に対し、その表面層を削り取ることによって布帛内部の濃色部分を露出させる。表面層を削り取る方法は、内部の濃色部分を露出させて模様柄を形成することのできる方法であれば特に限定されない。砂等の粒体を吹き付けるサンドブラスト、ブラシで摩擦するブラッシング、あるいはサンドペーパー等で摩擦するシェービングなどの各種の方法を採用することができ、目的とする模様柄に応じて適宜選択される。
【0037】
表面層を削り取った後に洗浄して、削りカスや砂などの付着物を除去する。引き続いて乾燥することによって、目的とする模様柄が形成された染色布帛が得られる。得られた布帛の、表面層を削り取っていない部分のトータルK/Sが40以下、より好ましくは30以下となる程度まで脱色する場合に、脱色速度が速い本発明の方法を採用する実益が大きい。ここでいうトータルK/Sとは、400nm〜700nmの測定範囲で20nmおきに測定した16波長でのK/S値16個を合計した値である。K/S関数(Kubelka-Munk function)は下記式で示されるものである。また、測定条件は実施例に記載した通りである。
K/S=(1−ρ)2/2ρ
但し、ρは分光反射率(0<ρ≦1)である。
【0038】
また、表面層を削り取った部分のトータルK/Sが、表面層を削り取っていない部分のトータルK/Sに比べて10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上大きいことが、明確なコントラストを有する模様柄を形成できて好ましい。つまり、表面層を削り取っていない部分が十分に淡色化され、しかも表面層を削り取った部分が十分に濃色であるような模様柄を形成する際に、生産性よく高コントラストの模様柄を形成できる本発明の方法を採用する意義が大きい。
【0039】
こうして得られる模様柄は、従来には容易に得ることのできなかった斬新な模様柄である。例えばパンツにおいて膝の上面など、擦れ易い部分を濃色にすれば、いわゆるビンテージ加工をちょうど反転させたような模様柄を形成することもできる。近年の消費者のニーズの多様化に伴い、様々な意匠の繊維製品が要求されるようになってきているが、本方法はそのようなニーズに対応する一手法を提供するものである。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0041】
実施例1
模様柄を形成する染色衣料として、以下に記載した綿製パンツ6本(合計重量4kg)を準備して使用した。
【0042】
・染色衣料1(2本):
デンプン分解酵素を含有する60℃の温水で糊抜き処理を施した後に、一旦乾燥したインディゴデニムパンツ。生地の目付けは14オンス/平方ヤード(475g/m2)であり、経糸はその芯の部分には未染着の部分が残るように染められていて、緯糸は未染色の白糸である。
【0043】
・染色衣料2(2本):
縫製加工後に、2%owfの直接染料(日本化薬株式会社製「カヤラス スプラ ブルー BWL134」);直接染料1)で染色してから、一旦乾燥したデニムパンツ。生地の目付けは12オンス/平方ヤード(407g/m2)であり、経糸、緯糸ともに芯まで染色されている。
【0044】
・染色衣料3(1本):
縫製加工後に、ダイスタージャパン株式会社製の、下記3種類の染料の混合物(エンジ色;反応染料1)で染色してから、一旦乾燥したデニムパンツ。生地の目付けは12オンス/平方ヤード(407g/m2)であり、経糸、緯糸ともに芯まで染色されている。
「レマゾール レアノバ イエロー CA」1.872%owf
「レマゾール レアノバ レッド CA」1.758%owf
「レマゾール レアノバ ブルー CA」0.835%owf
【0045】
・染色衣料4(1本):
縫製加工後に、ダイスタージャパン株式会社製の、下記3種類の染料の混合物(緑色;反応染料2)で染色してから、一旦乾燥したデニムパンツ。生地の目付けは12オンス/平方ヤード(407g/m2)であり、経糸、緯糸ともに芯まで染色されている。
「レマゾール レアノバ イエロー CA」2.298%owf
「レマゾール レアノバ レッド CA」0.502%owf
「レマゾール レアノバ ブルー CA」1.203%owf
【0046】
本実施例で使用した脱色装置は、工業用ウォッシャーにオゾン発生装置と排オゾン分解処理装置とを配管を介して接続したものである。使用した工業用ウォッシャーは、横方向回転方式の全自動型の株式会社稲本製作所製「LAVNET IWE−22EB」である。処理槽の内容積は580リットルであり、槽内部の回転ドラムによって撹拌、洗浄、脱水などの操作が可能である。これに接続したオゾン発生器は、株式会社ササクラ製の「オゾンマスターOM−72」である。電気分解法によってオゾンを発生させるものであり、オゾンガスの発生能力は、最大出力での運転時で72g/時間であり、そのときに槽内に導入される気体中のオゾン濃度は210g/m3である。また、導入される気体の流量は約6リットル/分である。前記ウォッシャーに接続された排オゾン分解処理装置は、ヨウ化カリウム水溶液中に導出ガスをバブリングさせる形式のものである。
【0047】
前記パンツ6本を、前記脱色装置の槽内に投入し、80リットルの水を注入し、ドラムを回転させて30℃で5分間水洗した後、遠心脱水した。遠心脱水後に低速で15分間回転させて、パンツ全体をほぐした。こうして得られたパンツには、パンツ6本に対して合計で2.8kg(パンツ100重量部に対して70重量部)の水分が含まれていた。このとき、槽内には流動水は存在せず、パンツの生地の内部及び表面に水分が保持されている状態であった。
【0048】
引き続き、210g/m3の濃度でオゾンガスを含有する気体を約6リットル/分の流量で槽内に導入しながら、ドラムの回転を継続した。この操作を20分間継続している間に、槽内のオゾンガス濃度は徐々に上昇していき、20分後に18g/m3まで上昇した。この濃度は接触層から排出される気体中のオゾンガス濃度を測定したものである。20分後にオゾンガスの供給を停止し、槽内に圧縮空気を導入しながら20分間残留オゾンガスを排出した。オゾンガスとの接触工程及び残留オゾンの排出工程で排出されたオゾンガスは、ヨウ化カリウム水溶液中にバブリングして除去してから、大気中に放出した。
【0049】
オゾンガスの排出操作後、槽内に80リットルの水を注入して5分間撹拌し、脱色処理後の染色布帛内に僅かに残留するオゾンを洗浄除去した。引き続き、温水80リットルと界面活性剤120gを投入して、70℃で10分間のソーピング洗浄操作を行った。引き続き、60℃の温水での洗浄工程及び水での洗浄工程を経て、遠心脱水してから、フィニッシャーで高温蒸気を吹き込んで遠心脱水時にできた皺を伸ばした。皺が伸ばされたパンツは水分を含んだ状態のままでサンドブラスト加工に供し、膝に相当する部分の表面を選択的に削り取った。その後、パンツをウォッシャー内に投入して水洗し、付着している削りカスと砂を除去し、脱水、乾燥した。
【0050】
こうして得られたパンツは、サンドブラストによって削り取られた部分が、他の部分に比べて濃色となった。得られたパンツの表面の着色度を、表面層を削り取った部分と、表面層を削り取っていない部分について測定した。測定に際しては着色度をトータルK/Sにて評価した。トータルK/Sは400nm〜700nmの測定範囲で20nmおきに測定した16波長でのK/S値16個を合計した値であり、倉敷紡績株式会社製色度計AUCOLOR NF(2視野、光源FL40SW)により測定したものである。測定結果を表1にまとめて示す。
【0051】
また、オゾンガスに接触させる際の水分率だけを変化させて、上記同様の試験を行って、水分率が模様柄に与える影響を検討した。その結果、パンツ100重量部に対して65重量部の水分量では、上記例(70重量部)とほぼ同様の模様柄を得ることができた。75重量部では表面層を削り取っていない部分の着色度が少し大きくなってコントラストが少し低下した。80重量部では、表面層を削り取っていない部分の着色度が大きくなってコントラストがかなり低下した。90重量部以上では、表面層を削り取っていない部分の着色度がさらに大きくなってコントラストがさらに低下した。一方、60重量部では、表面層は上記例(70重量部)同様に淡色化できたものの、表面層を削り取った部分の着色度が低下してコントラストが低下した。55重量部以下では、表面層を削り取っていない部分の着色度と、表面層を削り取った部分の着色度との差が小さくなって、コントラストが大きく低下した。
【0052】
比較例1
実施例1において使用したのと同じパンツ6本を、実施例1と同じ脱色装置の槽内に投入し、80リットルの水を注入し、ドラムを回転させて30℃で5分間水洗した後、一度排水した。排水後、再度30℃の水80リットルを注入した。
【0053】
引き続き、210g/m3の濃度でオゾンガスを含有する気体を約6リットル/分の流量で、槽内の水中にバブリングさせて導入しながら、ドラムの回転を継続した。この操作を20分間継続している間に、槽内のオゾンガス濃度は徐々に上昇していき、20分後に25g/m3まで上昇した。この濃度は接触層から排出される気体中のオゾンガス濃度を測定したものである。20分後にオゾンガスの供給を停止し、槽内の水中に圧縮空気を20分間吹き込みながら、槽内の空気中に残存するオゾンガスと、水中に溶け込んだオゾンガスを排出した。オゾンガスとの接触工程及び残留オゾンの排出工程で排出されたオゾンガスは、ヨウ化カリウム水溶液中にバブリングして除去してから、大気中に放出した。残留オゾンガスを排出した後に、槽内の水を排出したが、排水中にはオゾンが残存しており、オゾン臭を発生した。
【0054】
以上の脱色操作以降は、実施例1と同様にしてパンツに模様柄を形成し、実施例1と同様にトータルK/Sを測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表から明らかなように、流動水のない状態でオゾンガスと接触させた実施例1の方が、流動水が存在する状態でオゾンガスと接触させた比較例1に比べて、表面層を削り取っていない部分(淡色部)のトータルK/Sが小さい値を示していて、同じ量のオゾンガスを投入した場合に、より効率良く脱色できていることがわかる。特にこの点はインディゴ及び反応染料において顕著である。また、特に反応染料を使用した場合には実施例1の方が比較例1に比べてコントラストが大きく、本発明の方法によって高コントラストの模様柄を得たい場合には好適であることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の模様柄形成方法によれば、斬新でコントラストの高い模様柄を容易に形成できる。しかも、オゾンガスを効率的に利用でき、廃水処理が容易で環境負荷の小さい、模様柄形成方法を提供することができる。
Claims (7)
- 経糸、緯糸ともに芯まで染色された織物地であって、その目付けが170g/m 2 以上である染色布帛への模様柄形成方法であって、染色布帛を回転ドラム中で水とともに撹拌してから遠心脱水処理して、染色布帛100重量部に対して65〜80重量部の水分を含有させた後、流動水が存在しない接触槽内でオゾンガスと接触させながら撹拌して、前記染色布帛の表面層のみを脱色した後に、脱色された布帛の表面層を削り取ることによって布帛内部の濃色部分を露出させることを特徴とする模様柄形成方法。
- 染色布帛が反応染料又はインディゴで染色されたものである請求項1記載の模様柄形成方法。
- オゾンガスと接触させる際の、接触槽内のオゾンガスの最高濃度が1〜200g/m3である請求項1又は2記載の模様柄形成方法。
- 接触槽内でオゾンガスを接触させる時間が2〜100分である請求項1〜3のいずれか記載の模様柄形成方法。
- 接触槽内に導入される気体中のオゾンガスの濃度が10〜500g/m3であり、かつ1分間に導入される前記気体の流量が、接触槽の内容積の0.1〜10体積%である請求項1〜4のいずれか記載の模様柄形成方法。
- 脱色された布帛の、表面層を削り取っていない部分のトータルK/Sが40以下である請求項1〜5のいずれか記載の模様柄形成方法。
- 脱色された布帛の、表面層を削り取った部分のトータルK/Sが、表面層を削り取っていない部分のトータルK/Sに比べて10%以上大きい請求項1〜6のいずれか記載の模様柄形成方法。
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