JPH05247857A - 衣料品のオゾン脱色方法 - Google Patents

衣料品のオゾン脱色方法

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JPH05247857A
JPH05247857A JP4025067A JP2506792A JPH05247857A JP H05247857 A JPH05247857 A JP H05247857A JP 4025067 A JP4025067 A JP 4025067A JP 2506792 A JP2506792 A JP 2506792A JP H05247857 A JPH05247857 A JP H05247857A
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ozone
clothing
decolorizing
chamber
garment
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JP4025067A
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David Hall
ホール デビッド
Eric Wasinger
ワシンジャー エリック
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なるオゾン反応度を有する染料を複数使用
することにより、異なる色合の衣料品を提供し、又、部
分的に異なる色合いを有する衣料品を提供すること。 【構成】 セルロース材料を含有する衣料品12を選択
的に脱色する方法であって、当該衣料品12にオゾン酸
化性着色剤を付与し、当該衣料品12を湿潤化してから
その衣料品12とオゾンとをチャンバー13内において
接触させる工程からなり、当該オゾンは当該衣料品12
の実質的劣化を招くことなく当該着色剤を酸化させるこ
とを特徴とする衣料品のオゾン脱色方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は衣料品の染料あるいは
着色剤の減色もしくは脱色に関するものである。さらに
特定すれば、本発明は実質的に全く損傷を与えないでセ
ルロース材料を含有する染色衣料品の脱色並びに/ある
いは減色に関するものである。本発明は劣化作用を伴う
化学漂白剤を使用せずにストーン、軽石、砂等の磨耗効
果を得るための、色あせデニムブルージーンズのごとき
ファッション性に富む衣料品の処理において特に有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】特有な外観を得るための減色、「ストー
ンウォッシュ」、アイスウォッシュ、あるいはサンドブ
ラスト処理済みデニムブルージーンズは非常に人気が高
い。しかしながら、望む効果を得るには多少なりとも繊
維を損傷させたり、劣化させる処理方法を採用すること
が必要であった。ファッション効果を出すための塩素含
有漂白剤使用、あるいは砂もしくはストーンによる衣料
品の吹き付け処理等は衣料品の寿命に関係する繊維の損
傷を招く。
【0003】そこで、従来から、オゾンはセルロース材
料の脱色に使用されてきた。シングに付与された米国特
許4,283,251号はアルカリ系剤による処理後の
酸性ペーハー気体オゾンでのセルロースパルプ漂白につ
いて開示している。トルセンに付与された米国特許4,
214,330号及び4,300,367号はオゾンと
蒸気の混合物による非染色生地の処理方法並びに装置を
解説している。該方法は生地繊維の損傷を最少限に押さ
える生地の縮み防止処理に利用される。該オゾン処理に
おいてオゾンは非染色繊維と化学反応し、さらに白い繊
維を提供する。該処理方法は衣料品の染色、及び染料固
定化を促進するものとして記述されている。
【0004】W.J.トルセン他はテキスタイル研究所
発行「テキスタイルリサーチジャーナル誌1979年版
の190から197ページにかけた表題『羊毛衣料品の
蒸気相(Vapor−Phase)オゾン処理』の論文
内で、オゾンと蒸気による羊毛布地並びに羊毛衣料品の
耐縮(shrink resistance)処理方法
について記述している。該処理方法はオゾンと羊毛布地
との間の化学反応を利用したものである。本文中にて使
用する用語「染料」とは通常の染料及びピグメント(p
igment)等のごとき布地を着色するのに使用され
る全ての材料を含むものである。又、本文中にて使用す
る用語『オゾンと蒸気』とは本発明の好ましい一方法に
関するものであり、オゾン単独もしくは不活性ガスで希
釈されたオゾンをも含むものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の脱
色方法においては、ファッション性衣料品を提供するた
めに選択的、並びに/あるいは均一に染色衣料品を脱色
あるいは減色することはできなかった。
【0006】そこで、本発明の目的は、染色衣料品の減
色あるいは脱色をなすことである。本発明の別の目的
は、布地を漂白することなくオゾンで染色衣料品を脱色
することである。本発明の別の目的は、ファッション性
衣料品を提供するために選択的、並びに/あるいは均一
に染色衣料品を脱色あるいは減色することである。本発
明のさらに別の目的は、異なるオゾン反応度を有する染
料を複数使用することにより、異なる色合の衣料品を提
供し並びに/あるいは部分的に異なる色合いを有する衣
料品を提供することである。本発明のさらに別の目的
は、布地の劣化を防止するために色の抜け具合をモニタ
ーしながら染色衣料品を脱色する工程を提供することで
ある。本発明の他の目的及び他の詳細な説明は添付図面
を利用した以下の実施例中及び請求の範囲に記載されて
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記並びに他の目的に鑑
み、後述するように本発明は、セルロース材料を含有す
る衣料品の選択的脱色方法を提供するものであるが、そ
の最も単純な態様は、1)オゾンと化学反応する染料を
含有する衣料品の準備工程、2)該衣料品の湿潤化工
程、並びに3)該染料とオゾンを化学反応させるための
該湿潤化衣料品とオゾン、あるいはオゾンと蒸気の混合
物との接触工程の3工程から構成される。該衣料品は
綿、リネン、又は他の靱皮繊維(bast fibe
r)、あるいはレーヨン単独、あるいは天然及び合成繊
維を含む他の材料との混合物である。
【0008】染色衣料品は布地の漂白あるいは損傷なく
脱色もしくは減色されることが望ましい。通常、衣料品
が濡れていればオゾンは衣料品の染料と化学反応を起こ
す。よって、衣料品は湿潤化されるか、あるいは湿潤化
状態で処理される。湿潤化された衣料品の水分含有量は
処理程度や望まれる効果にもよるが、好ましくは重量比
で約20%から40%、あるいはそれ以上である。本工
程はバッチ式あるいは連続式のどちらでも構わず、通常
でオゾンがリットルあたり10mgから100mg存在
するチャンバー内にて実施される。該チャンバー内温度
がセ氏約40度から100度、好ましくは50度から6
5度となるようにオゾンと蒸気をチャンバー内に送通す
る。蒸気を使用しないならば、チャンバー内に加熱装置
を装着し、その温度を維持させる。余剰オゾンはチャン
バー内へリサイクルするか、あるいは作業工程において
排出される廃液の処理に使用する。
【0009】本発明の一好適実施例においては、オゾン
ブロック剤、あるいは異なるオゾン反応性もしくは感度
を有する染料で処理されたオゾン反応性染色の湿潤化衣
料品がクローズド型チャンバー内に入れられる。コンピ
ュータに接続されたスペクトロフォトメータは該染色衣
料品の色変化をモニターすることにより、該衣料品とそ
の染料とのオゾンの反応を連続測定する。チャンバー温
度がセ氏約40度と100度の間となるように蒸気をチ
ャンバー内に送通する。望まれる温度に達したとき、チ
ャンバー内部の蒸気と混合し、衣料品の染料と化学反応
を起こすようにオゾンをチャンバー内に送通する。チャ
ンバー内のオゾン濃度はオゾンフォトメータでモニター
し、リットルあたり10mgから100mgの範囲に維
持する。該衣料品が所定の色合いに到達したとき、すな
わち、オゾンと反応する脱色工程を経た染料が望む色合
いに到達したとき、該衣料品布地自体とオゾンが実質的
な反応を起こす前にその化学反応を終了させる。
【0010】具体的には、請求項1に記載の本発明は、
「セルロース材料を含有する衣料品を選択的に脱色する
方法であって、当該衣料品にオゾン酸化性着色剤を付与
し、当該衣料品を湿潤化し、当該湿潤化した衣料品とオ
ゾンとを接触させる工程からなり、当該オゾンは当該衣
料品の実質的劣化を招くことなく当該着色剤を酸化させ
ることを特徴とする衣料品のオゾン脱色方法」である。
又、請求項2に記載の本発明は、「前記オゾンとの接触
前に前記衣料品をオゾンブロック剤にて処理する工程を
含むことを特徴とする請求項1記載の衣料品のオゾン脱
色方法」である。請求項3に記載の本発明は、「前記オ
ゾンブロック剤は無機系物質であることを特徴とする請
求項2記載の衣料品のオゾン脱色方法」である。請求項
4に記載の本発明は、「前記衣料品は蒸気及びオゾンと
接触することを特徴とする請求項1記載の衣料品のオゾ
ン脱色方法」である。
【0011】請求項5に記載の本発明は、「前記着色剤
はオゾンによる酸化に対して異なる程度の反応度を有す
る複数の染料からなることを特徴とする請求項1記載の
衣料品のオゾン脱色方法」である。請求項6に記載の本
発明は、「前記着色剤は前記衣料品の布地を漂白せずに
脱色できる染料からなることを特徴とする請求項1記載
の衣料品のオゾン脱色方法」である。請求項7に記載の
本発明は、「前記衣料品はクローズド型チャンバー内に
入れられ、余剰オゾンは当該チャンバーにリサイクルさ
れることを特徴とする請求項1記載の衣料品のオゾン脱
色方法」である。請求項8に記載の本発明は、「セ氏約
40度から100度の範囲でリットルあたり約10mg
から100mgのオゾンが前記チャンバー内に提供され
ることを特徴とする請求項7記載の衣料品のオゾン脱色
方法」である。
【0012】さらに、請求項9に記載の本発明は、「実
質的に綿製の衣料品が酸化性染料付き縦糸を有し、 A.当該衣料品を湿潤化し、 B.当該衣料品をオゾンブロック剤にて選択的に処理
し、 C.当該衣料品とオゾン、あるいはオゾンと蒸気の混合
物をセ氏約40度から100度の温度範囲で接触させ、 D.当該衣料品のオゾンによる色変化により染料の酸化
程度をモニターし、 E.所定の衣料品の色合いが達成された段階で酸化を停
止させる ステップからなることを特徴とする請求項1記載の衣料
品のオゾン脱色方法」である。請求項10に記載の本発
明は、「セルロース材料を含有する衣料品にオゾン酸化
性着色剤を付与し、当該衣料品を湿潤化し、当該湿潤化
した衣料品とオゾンとを接触させ、当該オゾンによって
当該衣料品の実質的劣化を招くことなく当該着色剤が酸
化されることにより選択的に脱色されて製造されること
を特徴とするファッション衣料品」である。
【0013】
【作用】上記構成により、セルロース材料を含有する衣
料品には、まずオゾン酸化性着色剤が付与され、当該衣
料品は湿潤化された後、オゾンと接触され当該オゾンに
よって当該衣料品は実質的劣化を招くことなく当該着色
剤が酸化され、選択的に脱色される。尚、前記オゾンと
の接触前に前記衣料品をオゾンブロック剤にて処理して
もよく、所定の衣料品の色合いが達成された段階で酸化
を停止させるようにしてもよい。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適実施例について説明す
る。明確化を期すために以下の文中においては特殊用語
が使用されているが、これらの用語は図面の説明用に選
ばれた本発明の特殊構造に供するためのものであり、本
発明範囲の定義、あるいは本発明範囲の制限を目的とし
たものではない。
【0015】本発明の一単純態様として、チャンバー1
3を有するクローズド型脱色装置10が提供されてい
る。本装置10にはオゾン発生器(図示せず)と接続す
るオゾンインレット15と、オリフィス14aを有する
蒸気供給手段14が配されている。尚、蒸気が壁面上に
結露して衣料品12に落下することなく廃棄溝16に集
結するよう、該装置10には傾斜屋根20を取り付ける
ことが望ましい。
【0016】湿潤化された(wetted)衣料品12
はコンベア手段11から吊り下がるフックあるいはラッ
ク手段11aにより前記チャンバー13内に搬入され
る。前記インレット15からオゾンを注入する以前に、
インレット15aから不活性ガスを送通して該チャンバ
ー13を前もって一掃(浄化)しておくこともできる。
通常、本オゾン処理は衣料品12の洗濯工程後、乾燥工
程前に行われるので、オゾン処理する際には衣料品12
は既に湿潤化されている。しかしながら、衣料品12が
直前に洗濯されたものでなければ、オゾン処理前に湿潤
化しておくことが必要となる。
【0017】衣料品を選択的に減色するには、湿潤化処
理前、あるいはその後にオゾンブロック剤にて処置して
おく。もし、該オゾンブロック剤が炭化水素系グリース
あるいはワックスのごとき疎水性材料であるならば、湿
潤化工程においてのブロック剤ロスは殆ど生じない。し
かし、粘土等の無機系ブロック剤の場合においては湿潤
化処理後に使用する。
【0018】チャンバー13内に入れられると、衣料品
12には前記オリフィス(開口)14aを有する蒸気供
給手段(スチームパイプ)14から送られてくる蒸気が
あてられる。オゾンは前記インレット15から該チャン
バー13内に送通される。望む脱色のタイプやその程度
により、不活性ガス又はオゾンで該チャンバー13を一
掃(洗浄)しておいてもよい。該チャンバー13内のオ
ゾン量をダシビ(Dasibi)モデル1003HCオ
ゾンフォトメータのごときオゾンフォトメータ19によ
りモニターする。該チャンバー13内の温度はサーモカ
プル18及び18′によりモニターされる。本脱色処理
中は、常時バウシュアンドロム(Bausch and
Lomb)カラースキャンスペクトロフォトメータの
ごときスペクトロフォトメータ21で対象衣料品12の
色合いをモニターする。モニター装置は色の変化を記録
し、染色衣料品12から望む色の量が消滅したときに処
理工程を停止させるべく作動するコンピュータ手段22
に連動させることが望ましい。本処理の停止はオゾン供
給を停止して排気口17からオゾンを抜き取るか、オゾ
ン雰囲気中から対象衣料品12を運び去ることで行うこ
とができる。前記廃棄溝16は蒸気の雫を集めて除去す
るために前記チャンバー13の底部に配置する。
【0019】オゾンと蒸気の主部分が衣料品12の吊り
下げ箇所に集中するよう、前記チャンバー13の中央部
が実質的に封止され、適当な高さを有してさえいれば該
チャンバー13のデザイン及び各寸法にはさほどの重要
性はない。該チャンバー13製造用材料としては、ステ
ンレススチール、アルミ、テフロン、ポリオレフィン等
のようにオゾンと化学反応を起こさず、空気を通さない
材料ならば何を使用しても構わない。
【0020】化学反応性オゾンは、アルゴン及び窒素等
のガスと混合することも可能であるが、熱蒸気により衣
料品12と前記チャンバー13が熱せられるに従い、該
衣料品12の染料と反応を始める。蒸気とオゾンが該チ
ャンバー13内に万遍なく行き渡るように送風機(図示
せず)を使用してもよい。
【0021】オゾンと混合する蒸気の割合を望むガス温
度が得られるように調整する。蒸気発生器(図示せず)
で発生し、前記蒸気供給手段14を通過する蒸気の量を
増加させれば前記チャンバー13内の温度は高くなる。
該チャンバー13内で加熱手段(図示せず)を使用する
ことも可能である。該チャンバー13内の温度は通常セ
氏約40度から100度であり、好ましくは、セ氏約5
0度から65度の範囲である。
【0022】本発明の処理工程を行うのに使用される本
装置10は、オープンエンド型あるいはクローズドエン
ド型チャンバーのどちらを使用しても構わない。連続的
工程の場合には複数のチャンバーからなるオープン型が
都合がよい。オゾン処理用チャンバーの温度は、オゾン
と混合される蒸気の温度により制御することが望まし
い。サーモカプル18及び18′をチャンバー温度測定
に使用することも可能である。
【0023】処理対象衣料品の色ロス程度をモニターし
て判断するものとしてはスペクトロフォトメータが適し
ている。スペクトロフォトメータはオゾンと反応する染
料の残量をモニターし、布地の劣化を防止するのに都合
がよい。できれば、該スペクトロフォトメータを色彩値
読み取り及び本処理工程を制御するためのコンピュータ
とリンクさせる。
【0024】衣料品に使用する染料のタイプにはそれほ
どの重要性はない。使用染料がオゾン反応タイプか否か
のみが重要である。衣料品産業界において普通に使用さ
れるバット(vat)染料のごとき、セルロース直接染
色タイプの染料が都合がよい。典型的な使用可能セルロ
ース直接(substantive)染色染料には、ア
シッドライトスカーレット(Acid Light S
carlet)GL、アシッドレベリング染料、セブロ
ン(Sevron)ブリリアントレッド2B、インディ
ゴバット(vat)染料、カシオニック(cation
ic)染料、スルフォニン(Sulfonine)ブリ
リアントレッドB、アニオニック染料、ブリリアントミ
リングレッドB、C.I.ディスパース(Disper
se)ブルー、ピラゾロンアゾメチン(pyrazol
one azomethine)染料、ヒドロキシアゾ
染料等が含まれる。キサンテン染料の場合には、脱色処
理工程中に化学ルミネセンスが生じる。使用可能な他の
適した染料は、テキスタイル化学者並びに染料家誌(T
extile Chemist and Colori
st)の1980年1月版第12巻第1号「染料特定は
容易であるか、さもなければ研究所での長時間を要す
る」(PP26/11)との表題によるチャールズ デ
ー. スイーニー著の研究論文中にその掲載がある。
【0025】衣料品は単独あるいは複数の染料で処理可
能である。オゾン反応度の異なる複数の染料を使用する
ことで、衣料品に異なる外観、あるいは異なる効果を有
する箇所を提供することができる。たとえば、減色、ス
トーンウォッシュ、アイスウォッシュ、サンドブラスト
あるいは斑効果を提供する。同様な効果はオゾンブロッ
ク剤の使用によっても達成可能である。オゾンブロック
剤は炭化水素系オイル、グリースあるいはワックスのご
とき有機系材料、あるいは粘土のごとき無機系材料から
なる。マスキングテープ等のカバリングを使用しても構
わない。特別な効果を得るためのさらに別な手段として
は、衣料品を部分的または選択的に湿潤化することであ
る。オゾンと染料の化学反応は衣料品の濡れた箇所に効
果的に生じるからである。通常の場合、オゾンは湿って
いない布地箇所では化学反応を起こさない。
【0026】前記ブロック剤としてはそれ自体はオゾン
と反応するが、衣料品上の染料またはその一部の脱色防
止あるいは妨害を行うようないかなる化学剤でも構わな
い。化学反応時間並びにオゾンの使用量は異なるファク
ターにより変動することは当然である。すなわち、オゾ
ン処理時間及びオゾン量は望む効果、使用する染料のタ
イプ、温度、湿潤化程度等により変動する。染料が同じ
であれば、低密度オゾンによる長時間処理は、多量オゾ
ンでの短時間処理と同一効果をもたらす。よって、前記
反応チャンバー内の状態を正しくモニターすることは本
処理工程を最適化するのに非常に重要なことである。
【0027】望ましくは、前記チャンバー内のオゾン量
を定期的に測定し、必要以上の量にせず、リットルあた
り10mgから100mgの範囲に留めるべきである。
電気回路ブレーカあるいはコロナ放電を利用し、乾燥空
気または酸素からオゾンを製造するグリフィンテクニク
ス インク(Griffin Technics,In
c.)社製造のモデルGTC−2Bのごときオゾン発生
器によりオゾンを発生させることができる。発生オゾン
は、単独もしくは不活性ガスにて希釈されて使用され
る。
【0028】図2の略図に示すごとく、通常はデニムの
ブルージーンズのごときの減色対象衣料品を本発明の処
理に障害となるようなサイズ(sizing)用、ある
いはファッション処理用コーティング剤または他の材料
を排除するために、まずは洗濯する。たとえば、スター
チ糊はオゾンブロック剤として作用することがある。洗
浄作業には衣料品を洗浄するための洗濯処理に引き続い
て、本産業界において普通に使用される酵素を使用する
サイズ剤落とし処理が含まれることもある。余分な水分
を除去するために洗浄後、衣料品を脱水あるいはパッド
による水切りに処す。本処理用には、衣料品内の水分量
は重量比で約20%から40%の範囲でなければならな
い。もし衣料品が十分に湿っていなければ、水噴霧等の
手段により湿潤化することができる。
【0029】処理対象衣料品は、望む効果によりその種
類が決定されるブロック剤により処理される。たとえ
ば、サンドブラストあるいはストーンウォッシュ効果が
望まれているとするならば、湿らせた衣料品にオゾンブ
ロック剤としての効果を発揮するように粘土あるいは他
の無機系粉末を吹き付ける。しかし、もし斑文(mot
tled)様の外見を望むなら、オゾン反応の効果が及
ばないように適した炭化水素系オイル、グリースあるい
はワックスで対象衣料品の選択的希望箇所を保護する。
該衣料品はプリント処理が可能であり、彩色はペインテ
ィング、あるいは媒染剤(mordant)を使用して
行うことができる。
【0030】オゾンブロック処理の代用として、異なる
オゾン反応度を有する染料で衣料品を選択的に処理する
ことでも特殊効果を達成することが可能である。それら
異なるオゾン反応度の染料はオゾンブロック剤の使用が
オプションとなるように初期の工程で使用することがで
きる。非オゾン反応性あるいは難オゾン反応性染料はス
プレー、ブラシあるいはディッピング等により付着させ
ることができる。該非反応性染料にはピグメントタイプ
の色剤が含まれる。湿潤化された衣料品をクローズド型
オゾン処理チャンバーに送付し、そこでの脱色処理を常
時コンピュータのごときインディケータと接続している
スペクトロフォトメータによりモニターする。さらに
は、望む色合い、あるいは染料反応の程度が達成された
とき直ちに反応を停止すべく、該コンピュータをオゾン
及び洗浄(purge)ガスの調整器と連結させておく
こともできる。
【0031】衣料品をオゾンブロック剤にて処理したな
らば、乾燥又はプレス処理等の他の処理工程前に該ブロ
ック剤を除去すべくその衣料品に洗浄を施さねばならな
い。本工程はブルーデニムをアイスウォッシングするこ
とで生じる黄ばみ作用を生じさせないことが発見されて
いる。
【0032】以下の例は本発明をさらに詳細に説明する
ためのものであり、本発明の範囲に制限を加えるもので
はない。又、例文中のパーセント数値は重量比による。 例1 回転脱水器付き通常タイプの洗濯機を使用し、カ氏12
0度においてブルーインディゴ染料(CI Vat B
lue 1)でバット染色された綿製デニムブルージー
ンズを標準的な洗剤で洗濯した。脱水後の該衣料品には
重量比で約35%の水分が含まれていた。該衣料品にス
トーンウォッシング効果を得るために粘土を吹き付け
た。
【0033】前記衣料品を図1のごときタイプのクロー
ズド型チャンバー内に吊り下げた。該チャンバーを窒素
で洗浄(purge)し、蒸気熱を内部に供給した。該
チャンバーがセ氏約52度の温度に達したとき、リット
ルあたり40mgとなるまでオゾンをチャンバー内に供
給した。該衣料品の該チャンバー内滞在時間30分後、
オゾンの供給を停止し、該チャンバーからオゾンを除去
した。
【0034】試験用布地を使用するか、望ましい色合い
が達成されたときを知らせるスペクトロフォトメータと
連結させたコンピュータをプログラムすることで前記滞
在時間を決定をすることもできる。連続的処理において
は該装置の使用が望ましい。前記粘土を取り除くために
標準洗剤で通常の市販洗濯機を使用して前記衣料品を再
度洗濯した。その結果、該衣料品は確かにストーンウォ
ッシングの効果を有し、スキャン式電子顕微鏡検査の結
果でも布地の劣化現象は皆無であった。
【0035】例2 ASTMテストメソッドD−1682を利用してグラブ
ブレーク(GrabBreak)テストを実施し、各サ
ンプル毎に縦糸と横糸両方のブレークテストを5回づつ
行いその平均値をとった。磨耗テストはASTMメソッ
ドD−3885(ストールフレックス)に従い実施し
た。縦糸と横糸両方のサンプルを5つづつテストに付
し、それらの平均をとった。使用した布地は標準型リー
バイス(Levi)のスタイル501であった。
【0036】テスト結果 − 全試験結果は表1に掲載
されている。コントロールとして標準式アイス方式を採
用した。 A。オゾン処理衣料品と塩素処理衣料品との比較。 塩素(ヒポクロリド(Hypochloride)ナト
リウム)処理の結果は表1に掲載されている。該処理は
中間色ブルーから白色までの脱色範囲の段階的レベル値
を得るために、普通(C1)、中間(C2)及び高(C
3)の3段階塩素含有量にて実施した。これらの処理を
同程度の脱色を達成する種々なオゾン処理時間とマッチ
ングした。たとえば、C1はオゾン処理による1時間と
マッチングし、C2はオゾン処理による1.5時間とマ
ッチングした。完全ケース用に採用したC3(完全白
色)ジーンズとマッチングするオゾン処理は皆無であっ
た。この結果から、オゾン処理された布地は塩素処理さ
れた布地ほど縦糸力が落ちないことが判明した。インデ
ィゴ染料を含有するのは縦糸である。デニムの横糸は染
色されておらず、よって、該糸はオゾンの十分な効果か
らの保護が与えられなかった。本テスト結果により、オ
ゾン処理は、塩素漂白処理と比較して、縦糸横糸両方向
において衣料品の磨耗抵抗力をより良く維持することが
判明した。 B。オゾン処理。 複数の布地をオゾンで0.5から2.0時間処理した。
その結果は表1に掲載されている。該布地の色はオゾン
処理時間の経過に伴い薄くなった。該衣料品の色(染
料)レベルをバウシュアンドロムカラースキャンスペク
トロメータでモニターした。 C。アイスウォッシュ衣料品のオゾン処理。 アイスウォッシュ衣料品(コントロール)をオゾン雰囲
気中にて15分間処理した(サンプル03 1/4時
間)。多少の強度ロスは生じたが、表1に示すように十
分な抵抗力は維持された。又、アイスウォッシュ布地の
漂白されていない部分のブルーシェードは、さらに色が
薄くなり、アイスウォッシュ技術のみでは達成できない
シェード効果を生じた。さらに、アイスウォッシュは衣
料品の白(漂白)部分に黄ばみ(staining)を
与え、衣料品の品質を損う。この黄ばみ(染料)は、白
地の色変化を起こす布地に残留するインディゴ染料のブ
レークダウン残余物(compounds)が原因であ
る。オゾン処理はこの黄ばみ複合物の脱色にも効果を発
し、該衣料品に美しい「白」地を付与した。すなわち、
本オゾン処理はアイスウォッシュ処理の重大な欠点を補
ったのである。 表 1 様々な布地処理における強度の比較(グラブブレーク及び磨耗) 処理方法 テスト結果 グラブブレーク 磨耗(サイクル) (1ポンド) パートC 縦糸 横糸 縦糸 横糸 アイスウォッシュ 174 150 5473 3979 (コントロール) パートB オゾン(03) 0.25時間 139 120 9014 5784 0.50時間 224 120 9527 5955 1.0 時間 245 105 20428 11665 1.5 時間 195 141 8906 4894 2.0 時間 174 110 5588 4278 パートA 塩素 (C1) 中間色ブルー 225 134 14080 7524 (C2) 薄いブルー 179 101 5823 4350 (C3) 白 143 81 3266 2920
【0037】本発明はある程度の詳細さで記述されてい
るが、本発明の例示として開示されており、本発明の精
神及びに範囲内において、構造の細部、組み合わせ、並
びに部分的アレンジを施せば数多くの変更が可能であ
る。尚、本発明は本明細書及び図面に示された特定の構
造に限定されるものではなく、特許請求の範囲内のいか
なる変更をも含むものである。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば染
色衣料品の減色あるいは脱色を容易になすことができ、
又、布地を漂白することなくオゾンで染色衣料品を脱色
することができる。さらに、本発明によれば、ファッシ
ョン性衣料品を提供するために選択的並びに/あるいは
均一に染色衣料品を脱色あるいは減色することができ、
又、異なるオゾン反応度を有する染料を複数使用するこ
とにより、異なる色合の衣料品を提供し並びに/あるい
は部分的に異なる色合いを有する衣料品を提供すること
ができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明に
よれば、布地の劣化を防止するために色の抜け具合をモ
ニターしながら染色衣料品を脱色する工程を提供するこ
とができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のオゾン処理装置の一態様の概略を示
す正面図である。
【図2】 本発明の処理方法を表すブロック図である。
【符号の説明】
10 脱色装置 12 衣料品 13 チャンバー 14 蒸気供給手段 15 オゾンインレット 18 サーモカプル 19 オゾンフォトメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック ワシンジャー アメリカ合衆国 テネシー州 38310 ア ダムズビル ピー. オー. ボックス 886 サウス ブレアー ストリート ア パート I 200

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース材料を含有する衣料品を選択
    的に脱色する方法であって、当該衣料品にオゾン酸化性
    着色剤を付与し、当該衣料品を湿潤化し、当該湿潤化し
    た衣料品とオゾンとを接触させる工程からなり、当該オ
    ゾンは当該衣料品の実質的劣化を招くことなく当該着色
    剤を酸化させることを特徴とする衣料品のオゾン脱色方
    法。
  2. 【請求項2】 前記オゾンとの接触前に前記衣料品をオ
    ゾンブロック剤にて処理する工程を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の衣料品のオゾン脱色方法。
  3. 【請求項3】 前記オゾンブロック剤は無機系物質であ
    ることを特徴とする請求項2記載の衣料品のオゾン脱色
    方法。
  4. 【請求項4】 前記衣料品は蒸気及びオゾンと接触する
    ことを特徴とする請求項1記載の衣料品のオゾン脱色方
    法。
  5. 【請求項5】 前記着色剤はオゾンによる酸化に対して
    異なる程度の反応度を有する複数の染料からなることを
    特徴とする請求項1記載の衣料品のオゾン脱色方法。
  6. 【請求項6】 前記着色剤は前記衣料品の布地を漂白せ
    ずに脱色できる染料からなることを特徴とする請求項1
    記載の衣料品のオゾン脱色方法。
  7. 【請求項7】 前記衣料品はクローズド型チャンバー内
    に入れられ、余剰オゾンは当該チャンバーにリサイクル
    されることを特徴とする請求項1記載の衣料品のオゾン
    脱色方法。
  8. 【請求項8】 セ氏約40度から100度の範囲でリッ
    トルあたり約10mgから100mgのオゾンが前記チ
    ャンバー内に提供されることを特徴とする請求項7記載
    の衣料品のオゾン脱色方法。
  9. 【請求項9】 実質的に綿製の衣料品が酸化性染料付き
    縦糸を有し、 A.当該衣料品を湿潤化し、 B.当該衣料品をオゾンブロック剤にて選択的に処理
    し、 C.当該衣料品と、オゾンあるいはオゾンと蒸気の混合
    物をセ氏約40度から100度の温度範囲で接触させ、 D.当該衣料品のオゾンによる色変化により染料の酸化
    程度をモニターし、 E.衣料品の所定の色合いが達成された段階で酸化を停
    止させる ステップからなることを特徴とする請求項1記載の衣料
    品のオゾン脱色方法。
  10. 【請求項10】 セルロース材料を含有する衣料品にオ
    ゾン酸化性着色剤を付与し、当該衣料品を湿潤化し、当
    該湿潤化した衣料品とオゾンとを接触させ、当該オゾン
    によって当該衣料品の実質的劣化を招くことなく当該着
    色剤が酸化されることにより選択的に脱色されて製造さ
    れることを特徴とするファッション衣料品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176935A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Fujibo Holdings Inc 繊維製品の彩色方法
KR101918154B1 (ko) * 2018-06-28 2019-01-29 이효진 오존을 이용한 의류 제품 탈색 장치 및 방법
WO2019087459A1 (en) * 2017-10-31 2019-05-09 Fast Retailing Co., Ltd. Damage process for a textile product

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