JP4021142B2 - アンモニア含有臭気ガスの生物脱臭方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭気ガスの生物学的脱臭方法に係り、特に、アンモニアを含む、堆肥化施設、下水処理施設、し尿処理施設、ごみ処理施設、各種工場等から発生する臭気ガスを、生物学的に脱臭する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生ゴミや汚泥等の堆肥化処理への要求が高まりつつある中で、堆肥化施設から発生するアンモニアを高濃度で含むガスの処理が問題となっている。
従来、アンモニア含有ガスの脱臭は、水や、酸等の薬液を吸収剤とする湿式洗浄法で行われるのが一般的であった。しかし、この方法では、大量の水や薬剤が必要であるばかりでなく、アンモニアを含有する排水が大量に排出されるといった問題がある。
また、活性炭やゼオライト等の吸着剤による脱臭法が適用される場合もあるが、これらの吸着剤はアンモニア吸着量が少ないために、アンモニアの負荷が高い場合には大量の吸着剤が必要であると共に、吸着剤交換作業が煩雑であり、また、使用済み吸着剤といった廃棄物が発生するという問題がある。
【0003】
これらの脱臭方法に対して、硫黄系悪臭物質含有ガスの処理において、近年実績を挙げ、注目されている充填塔式生物脱臭法は、維持管理が容易でランニングコストが低いといった利点がある。しかし、この方法で、アンモニア含有臭気を処理した場合、大きな問題点が二つある。まず、第一に、アンモニアが生物学的に硝化されると、散水に用いる循環水中に硝酸性窒素が蓄積することである。硝酸性窒素の過剰な蓄積は、処理性能に影響を与えるため、長期間脱臭性能を維持することが困難となる。硝酸性窒素の蓄積を抑えるためには、これを希釈するために大量の水が必要であると同時に、硝酸性窒素含有排水が大量に排出される。したがって、堆肥化施設等のように使用水量及び排水量が制限される施設に適用するのは困難であった。
【0004】
この問題に対して、先に、前記アンモニア含有臭気ガスの生物脱臭方法において、硝化工程と脱窒素工程とを組合せることによって、臭気中のアンモニアを窒素ガスまで変換する方法を提案している。この方法では、水相への窒素成分の蓄積が抑えられると共に、硝化反応と脱窒素反応がバランス良く進行することで、循環水のpHは中性に維持されるため、水の再利用が可能である。したがって、この方法によれば、使用水量及び排水量の問題は解決される。
第二の問題点は、一般的に、アンモニア含有臭気中のアンモニア濃度は、変動が極めて大きいため、前記の方法を採用するだけでは、生物学的脱臭方法で安定した性能を維持するのが困難ということにある。特に、アンモニア濃度が急激に上昇すると、硝化反応が追いつかず、循環水に一時的にアンモニアが高濃度に蓄積するため、循環水のpHが上昇する。その結果、臭気からのアンモニアの吸収除去性能を低下させると共に、生物学的硝化脱窒素反応が阻害される。
【0005】
さらに、pHが上昇すると、次の(1)式の様に、循環水に吸収されたアンモニアの大部分が遊離のアンモニアとなり、この遊離のアンモニアは、高濃度になると生物学的硝化反応を著しく阻害する。硝化菌は増殖速度が遅いため、一度、遊離のアンモニア濃度が上昇すると、長期間にわたってアンモニア除去性能が低下する。
NH4 + + OH- → NH3 + H2O (1)
また、このようなアンモニア負荷及び循環水pHの大幅な変動は、硝化反応と脱窒素反応のバランスを崩すことにもつながる。その結果、循環水に硝酸性窒素が蓄積してpHが過度に低下し、硝化脱窒素反応が阻害されるため、アンモニア除去性能が低下することにもなる。
【0006】
以上のように、生物脱臭法によるアンモニア含有臭気ガスの処理において、pHの安定化は、性能を維持するための最も重要な因子の一つである。
pHを安定させる方法としては、酸剤やアルカリ剤でpH制御する方法がある。しかし、循環式硝化脱窒素処理においてこの方法を採用すると、次の問題が生じる。
(1)アンモニアが蓄積した場合は、酸剤を添加するのに対して、硝酸が蓄積した場合は、アルカリ剤を添加する必要があるため、中和剤の添加量が膨大となる。
(2)硝化・脱窒素反応が完了した際には、前記(1)で添加した中和剤は残留物となるため、これを再度中和しなければならな場合があるため、中和剤の添加量が膨大となる。
(3)pHが至適域に維持されても、添加した中和剤に起因する塩濃度の上昇が、硝化脱窒素反応を阻害する。
【0007】
また、これらの方法の問題点を解決するために、微生物担体にカルシウム分を含む無機多孔質担体硬化体を用いると共に、循環水をリン酸含有水とするアンモニア含有排ガスの生物脱臭方法が提案されている。この方法では、アンモニアとリン酸との反応により、リン酸がアンモニアを固定するため、装置立ち上時における微生物の硝化反応が不充分な場合でも、臭気を無臭化できるとされている。また、次の(2)式の様に、リン酸水素カルシウムは、アンモニアの作用により水酸リン灰石となってリン酸放出するため、このリン酸によって中和されるとしている。
10CaHPO4 + 2H2O → Ca10(PO4)6(OH)2 +4H3PO4 (2)
【0008】
一方、アンモニアが生物学的に分解除去されると逆の反応がおこる可能性もあり、再びリン酸は、リン酸カルシウムとし固定されることもある。つまり、系内のアンモニア濃度に応じて、リン酸の水相への放出反応と固相への回収反応が起こる可能性がある。したがって、薬品使用量の削減及び水相の塩濃度の上昇を防止することができる。
しかし、処理対象臭気のアンモニア濃度が高濃度で、かつ濃度変動が大きい場合は、次の理由により、アンモニア濃度変動に追随してpH変動を抑えることができないため、処理性能を安定させるのが難しい。
(1)前記(2)式の反応速度が遅い。
(2)循環水のpHが中性の条件で、カルシウムとリン酸が共存している場合、その主な形態はリン酸水素カルシウムと考えられ、この塩は水に対する溶解度が極めて小さいことから、液相に存在しているリン酸又はリン酸塩濃度は極めて低い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決し、高濃度かつ濃度変動が大きいアンモニア含有臭気ガスの脱臭性能を、低コストかつ極めて簡便な方法で安定させることができ、かつ、使用水量及び排水量を低減できる生物脱臭方法と装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、アンモニア含有臭気ガスを、硝化工程で循環水と接触させて含有するアンモニアを吸収し、硝化菌によって生物学的に硝化処理すると共に、該硝化液を脱窒素工程に導き、該脱窒素処理液を再び硝化工程に循環水として返送する循環式硝化脱窒素方式の生物脱臭法において、該循環水にpH緩衝溶液を用いることとしたものである。
前記脱臭方法において、pH緩衝溶液は、リン酸塩緩衝溶液とするか、炭酸塩緩衝溶液とすることができ、また、pH緩衝溶液は、薬剤を供給して、循環水のpHが6.0〜7.5の範囲となるようにpH制御することができる。
また、本発明では、内部に、アンモニア含有臭気ガスを通す硝化菌を担持させた充填層と、該充填層に循環水を散水する散水装置と、循環水を貯留する循環水槽とを有する硝化脱臭塔と、該硝化脱臭塔からの硝化液を脱窒素処理する脱窒素槽と、該脱窒素槽と前記硝化脱臭塔とを循環水が循環する経路とを有する生物脱臭装置において、前記循環水にpH緩衝溶液を用いることとしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、循環式硝化脱窒素方式の生物脱臭法によるアンモニアの処理に関して、次の点に着目し、循環水に単なる生物処理水を用いる代わりに、pHを安定させる目的で工業的に汎用されているpH緩衝溶液を利用したものである。
(1)循環式硝化脱窒素処理では、反応が過不足なく行われれば、本来pH調整は不要である。したがって、アンモニア濃度が高く変動が大きい場合は、アンモニアや硝酸の蓄積に起因する一時的なpH変動さえ防止すれば良い。
(2)生物脱臭法においては、水は、処理対象物ではなく、生物学的硝化脱窒素反応を進行させるための単なる媒体であり、循環式硝化脱窒素反応が過不足なく行われれば、水質変化を生じないことから、系外に排水せず何度でも循環再利用できる。
【0012】
循環式硝化脱窒素方式の生物脱臭法によるアンモニア含有臭気ガスの処理は、次の(3)式〜(5)式に従って進行する。
NH3 + H2O → NH4 + + OH- (3)
NH4 + +2O2 → NO3 - +2H+ + H2O (4)
2NO3 - + 5H2 → N2 + 2OH- + 4H2O (5)
該処理においては、(3)式のアンモニアの蓄積と(5)式の脱窒素反応により、水酸化物イオン濃度が上昇してpHが上昇するのに対して、(4)式の硝化反応により、水素イオン濃度が上昇してpHが低下する。(3)〜(5)式の反応が完結して、アンモニアが窒素ガスまで変換されると、pHの上昇分と低下分が相殺されて、pHは一定となる。
【0013】
しかし、アンモニア負荷の変動により、これらの反応のバランスが崩れると、アンモニアや硝酸の蓄積によりpHの変動が生じる。適切なpH域以外では、臭気からのアンモニアの吸収除去性能を低下させるだけでなく、生物学的硝化脱窒素反応が阻害されるため、一度適切なpH域を外れると、その後pHを調整しても生物学的反応はすぐには回復しない。したがって、長期間にわたってアンモニア除去性能が低下する。
本発明においては、前記の如く、アンモニア含有臭気を処理する生物脱臭装置の循環水にpH緩衝溶液を用いているため、一時的にアンモニアや硝酸イオンが蓄積しても、水酸化物イオン濃度と水素イオン濃度を一定に維持させるpH緩衝作用が直ちに働くためpHが一定に保たれる。pH緩衝溶液としてリン酸塩緩衝液を用いた場合のpH緩衝作用は、(6)式及び(7)式で示される。
HPO4 2- + H+ → H2PO4 - (6)
H2PO4 - + OH- → HPO4 2- + H2O (7)
【0014】
したがって、一時的にアンモニアや硝酸イオンが蓄積しても、pH変動による硝化脱窒素反応の阻害が無いため、一時的に蓄積したアンモニアや硝酸は、処理を継続していくうちにいずれ窒素ガスに変換される。また、アルカリ剤や酸剤を用いた場合は、pH調整効果は一過性であるのに対して、pH緩衝液を利用した場合のpH調整効果は、アンモニアや硝酸イオンが窒素ガスまで変換されることによってpH緩衝能が復活する持続性のものである。前記のとおり、生物脱臭法では、水は処理対象ではなく、微生物反応を進行させるための媒体であるから、系外に排出する量を極力少なくして循環再利用できる。したがって、使用水量の削減や、排水量を低減あるいは無排水方式にできるばかりでなく、循環水をpH緩衝液とするために添加する薬剤(以下、pH緩衝剤とする)の量も少なくて良い。無排水方式の場合のpH緩衝剤の主な損失は、ミストとして処理ガスに同伴して排出される分、及び微生物の栄養源として消費される分のみである。
【0015】
pH緩衝剤は、これらの損失分を計算した量を適宜供給しても良いが、循環水のpHを測定し、その測定値によってpH緩衝剤の供給量を制御することもできる。pH制御注入の方法は、pH緩衝剤の濃厚溶液を直接注入して行うことができる。また、pH緩衝剤は一般的に、アルカリ性の成分と酸性の成分の二成分で構成されていることが多いので、これらの成分を循環水に別々に注入してpH制御しても良い。なお、循環水のpHは、6.0〜7.5の範囲で制御することが好適である。
【0016】
本発明で用いるpH緩衝溶液としては、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液等の、生物学的硝化脱窒素反応に影響を与えないものが良い。この場合のpH緩衝剤の組み合わせとしては、緩衝溶液自体のpHが中性となるものが良く、例えば、リン酸二水素カリウム+リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム+リン酸水素ニナトリウム、リン酸三カリウム+リン酸、リン酸三ナトリウム+リン酸、リン酸三カリウム+硫酸、リン酸三ナトリウム+硫酸、リン酸三カリウム+塩酸、リン酸三ナトリウム+塩酸、リン酸二水素カリウム+硫酸、リン酸二水素ナトリウム+硫酸、リン酸二水素カリウム+水酸化カリウム、リン酸二水素ナトリウム+水酸化ナトリウム、リン酸+リン酸水素二カリウム、リン酸+リン酸水素二ナトリウム、リン酸+リン酸二水素カリウム、リン酸+リン酸二水素ナトリウム、炭酸カリウム+硫酸、炭酸カリウム+塩酸、炭酸ナトリウム+硫酸、炭酸ナトリウム+塩酸、炭酸水素カリウム+硫酸、炭酸水素カリウム+塩酸、炭酸水素ナトリウム+硫酸、炭酸水素ナトリウム+塩酸等の組合せを、pHが中性となる混合比で用いる。また、臭気ガス中に炭酸ガスを高濃度で含む場合には、循環水中に、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加して、臭気ガス中の炭酸ガスを吸収させれば良い。
【0017】
本発明の方法において、臭気ガスが導入される硝化工程の形態は、曝気水槽等を用いたガス分散方式でもよいが、臭気中のアンモニアは水に極めて吸収されやすいため、充填塔、スプレー塔、ベンチュリースクラバー、サイクロンスクラバー等の液分散方式でも良い。
また、脱窒素工程は、無酸素状態に維持する必要があるため、反応相を水没式にする必要があるが、その形態は、活性汚泥方式、流動床方式、固定床方式のいずれでも良い。また、硝化工程が、液分散型方式の場合は、循環水槽を脱窒素槽と兼用しても良い。脱窒素反応速度を高めたい場合は、適宜、水素供与体を脱窒素工程に供給すれば良い。水素供与体は、使用水量及び排水量削減の観点から、分解生成物が循環水中に残留しないものを用いるのが好ましい。このような水素供与体の例としては、メタノール、エタノール、酢酸、アセトン、グルコース等の有機化合物や水素ガス等が挙げられる。
【0018】
以下に、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の脱臭方法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。
硝化工程である硝化・脱臭塔3は、微生物を担持させるための充填材を充填した充填層7と、充填層7に散水するための散水部6と、散水するための散水ポンプ8と、循環水を貯留するための循環水槽5を備える。また、脱窒素工程の脱窒素槽4は、微生物を担持させるための充填材を充填した充填層10と脱窒素処理液を硝化工程に返送する処理液循環ポンプ9を備える。なお、脱窒素工程に供給される硝化液には、水素供与体貯留槽12より水素供与体を水素供与体供給ポンプ13で供給する。
循環水槽5に微生物を含む活性汚泥等の種汚泥を添加し、循環水ポンプ8で散水部6から充填層7に対して循環散水すると共に、処理液循環ポンプ9で充填層10に種汚泥を供給する。同時にアンモニアを含む臭気ガス1を硝化・脱臭塔3に導入し、アンモニアを除去するための脱臭を行う。なお、循環水には、アンモニア及び硝酸性窒素が蓄積しても、pHを6.0〜7.5に維持できるように、循環水にpH緩衝剤を添加しておく。
【0019】
図2は本発明の脱臭方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図である。
硝化工程である硝化・脱臭塔3は、微生物を担持させるための充填材を充填した充填層7と、充填層7に散水するための散水部6と、散水するための散水ポンプ8と、循環水を貯留するための循環水槽5を備える。また、脱窒素工程の脱窒素槽4は、微生物を担持させるための充填材を充填した充填層10と、脱窒素処理液を硝化工程に返送するための処理液循環ポンプ9を備える。なお、脱窒素工程に供給される硝化液には、水素供与体貯留槽12より水素供与体を水素供与体供給ポンプ13で供給する。
循環水槽5に微生物を含む活性汚泥等の種汚泥を添加し、循環水ポンプ8で散水部6から充填層7に対して循環散水すると共に、処理液循環ポンプ9で充填層10に種汚泥を供給する。同時にアンモニアを含む臭気ガス1を硝化脱臭塔3に導入し、アンモニアを除去するための脱臭を行う。なお、循環水のpHは、循環水槽に設置されたpH計16からの信号17をもとに、pH緩衝剤14をpH緩衝剤供給ポンプ15でpH制御注入する。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例こ限定されない。
実施例1
図1に示す構造の装置を用いた。
堆肥化施設から発生するアンモニア含有臭気ガスを対象とした。なお、臭気ガス中のアンモニア濃度は、堆肥化の状態及び堆肥の耕転工程等に影響を受けて激しく変動する。
実験条件は次のとおりである。
【0021】
臭気ガス中のアンモニア濃度 :5〜500ppm
臭気ガス温度 :30〜40℃
処理風量 :40m3/min
硝化工程の空塔速度 :200h-1
硝化工程の散水量(単位処理ガス量あたりの散水量):3リットル/m3
硝化工程の循環水槽容量 :10m3
補給水量 :50リットル/日
硝化・脱窒素循環水量 :2リットル/分
脱窒素槽の充填層容量 :10m3
水素供与体の種類 :メタノール
循環水の種類 :リン酸塩緩衝溶液
【0022】
循環水をpH緩衝溶液とするための薬剤の注入方法 :定量注入
循環水槽に濃度約1.2g/Lの硝化槽汚泥1m3を投入後、循環水を連続的に散水しながら、臭気ガスを連続的に通気した。通気開始直後からアンモニア除去率は90%以上であり、以後安定した除去率を示した。なお、1日あたりのpH緩衝剤添加量は、リン酸二水素カリウム0.68kg、リン酸水素二カリウム0.88kgであった。運転開始から約1か月経過時までのアンモニア除去性能を表1に示す。
【0023】
実施例2
図2に示す構造の実験装置を用いた。運転条件は、pH緩衝剤の供給方法を循環水に定量注入するのではなく、循環水pHが6.0〜7.5となるようにpH制御注入したこと以外は実施例1と同じである。
循環水槽に濃度約1.2g/Lの硝化槽汚泥1m3を投入後、循環水を連続的に散水しながら、臭気ガスを連続的に通気した。通気開始直後からアンモニア除去率は90%以上であり、以後安定した除去率を示した。なお、1日あたりのpH緩衝剤添加量は、リン酸二水素カリウム0.27kg、リン酸水素二カリウム0.35kgであった。運転開始から約1か月経過時までのアンモニア除去性能を表1に示す。
【0024】
比較例1
実施例1と同じ構造の装置を用いた。運転条件は、循環水にpH緩衝剤を注入しなかったこと以外は実施例1と同じである。
循環水槽に濃度約1.2g/Lの硝化槽汚泥1m3を投入後、循環水を連続的に散水しながら、臭気ガスを連続的に通気した。通気開始直後はアンモニア除去率は90%以上であったものの、アンモニアの負荷変動により循環水pHが変動し、アンモニア除去性能は不安定であった。運転開始から約1か月経過時までのアンモニア除去性能を表1に示す。
【0025】
比較例2
実施例2と同じ構造の装置を用いた。運転条件は、循環水pHの制御を、pH緩衝剤ではなく、硫酸及び水酸化ナトリウム水溶液といった中和剤を注入して行ったこと以外は実施例2と同じである。
循環水槽に濃度約1.2g/Lの硝化槽汚泥1m3を投入後、循環水を連続的に散水しながら、臭気ガスを連続的に通気した。通気開始直後はアンモニア除去率は90%以上であったものの、循環水中の塩濃度が徐々に上昇し、硝化性能が低下した。さらに、硝化工程の充填層にスケールが発生してガスの偏流が生じ、臭気中のアンモニア吸収除去性能も低下した。運転開始から約1か月経過時までのアンモニア除去性能を表1に示す。
【0026】
実施例3
pH緩衝溶液として、炭酸水素ナトリウム及び硫酸を用いた以外は実施例2と同様に行った。
運転開始から約1か月経過時までのアンモニア除去性能を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明の方法では、アンモニア含有臭気ガスを硝化工程に導き、硝化菌によって生物学的に硝化処理すると共に、該硝化液を脱窒素工程に導き、該脱窒素処理液を再び硝化工程に返送する循環式硝化脱窒素方式の生物脱臭法において、該循環水にpH緩衝溶液を用いることで、アンモニア負荷の変動が大きくかつ、使用水量及び排水量が制限される場合でも、低コストかつ簡単な方法で、循環水pHを硝化菌及び脱窒素菌に適した中性域に維持できるため、生物脱臭法によるアンモニアの安定除去が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭方法に用いる装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明の脱臭方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【0029】
【符号の説明】
1:臭気ガス、2:処理ガス、3:硝化・脱臭塔、4:脱窒素槽、5:循環水槽、6:散水部、7:充填層、8:散水ポンプ、9:処理液循環ポンプ、10:充填層、11:排水、12:水素供与体貯留槽、13:水素供与体供給ポンプ、14:pH緩衝剤貯留槽、15:pH緩衝剤供給ポンプ、16:pH計、17:制御信号
Claims (5)
- アンモニア含有臭気ガスを、硝化工程で循環水と接触させて含有するアンモニアを吸収し、硝化菌によって生物学的に硝化処理すると共に、該硝化液を脱窒素工程に導き、該脱窒素処理液を再び硝化工程に循環水として返送する循環式硝化脱窒素方式の生物脱臭法において、該循環水にpH緩衝溶液を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 前記pH緩衝溶液が、リン酸塩緩衝溶液であることを特徴とする請求項1記載の脱臭方法。
- 前記pH緩衝溶液が、炭酸塩緩衝溶液であることを特徴とする請求項1記載の脱臭方法。
- 前記pH緩衝溶液は、薬剤を供給して、循環水のpHが6.0〜7.5の範囲となるようにpH制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載の脱臭方法。
- 内部に、アンモニア含有臭気ガスを通す硝化菌を担持させた充填層と、該充填層に循環水を散水する散水装置と、循環水を貯留する循環水槽とを有する硝化脱臭塔と、該硝化脱臭塔からの硝化液を脱窒素処理する脱窒素槽と、該脱窒素槽と前記硝化脱臭塔とを循環水が循環する経路とを有する生物脱臭装置において、前記循環水にpH緩衝溶液を用いることを特徴とする脱臭装置。
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