JP4021130B2 - ボール式免震台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール(鋼球)を使用した免震台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
免震台(免震装置)の一つに、上下ベースの間にボールを転動自在に介在させることにより、上下ベースの水平方向の相対動を許容したタイプがある。
【0003】
この種のボール式免震台では、上下ベースにおけるボール支持面のうちいずれか一方又は両方を、中央部に行くに従って深さが深くなる凹面に形成しており、このため、上下ベースは往復動しながら原位置に戻る。
【0004】
そして、ボール式の免震台は、上下ベースが平面視で任意の方向に相対動し得るため、どのような方向の揺れに対しても応答性良く免震できる利点がある。また、上下ベースはボールの移動距離の2倍の距離を相対動するため、コンパクトで高い免震機能を得ることができ、このため、例えば美術品用展示ケースのような什器類に使用する免震台に好適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ボール式免震台において、地震の揺れに追従して上下ベースを正確に相対動させるには、各ボールの相対位置を維持しておくことが必要であり、そのためにはリテーナによって各ボールを転動自在に保持すれば良い。
【0006】
しかし、リテーナを設けた場合、リテーナとボールとの間にガタ付きがあると、上下ベースの相対動方向が変わるたびにボールがリテーナに衝突して、上下ベースの相対動に加速度(マイナスの加速度)が発生して、上下ベースの滑らかな動きが損なわれ、ひいては免震性能を低下させる虞がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題を招来することなくリテーナでボールを保持できる免震台を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の免震台は、基本構成として、平面視で重なるように配置した上下ベース、前記上下ベースを水平方向に相対動させるために両者の間に介在させた複数個のボール、前記各ボールを転動自在に保持するリテーナ、を備えている。
【0009】
そして、請求項1の発明では、前記リテーナは、各ボールに対応した複数個のボール保持部材と、前記各ボール保持部材が固定された本体とを備えており、前記ボール保持部材は、合成樹脂からなる単一部材であると共に上下に開口した筒状のボール保持部を有しており、前記ボール保持部を、前記本体と反対側の外側に位置した部位に上下長手のスリットを形成して平面視で非ループ状に分断することにより、ボール保持部自身の弾性によってボールが転動可能な状態に挟持されていると共に、開口部からボールを嵌め入れできるようになっている。
【0010】
請求項2の発明では、前記基本構成の下で、前記リテーナは、各ボールの箇所に一対ずつ配置された挟持体と、前記挟持体が取り付けられた本体とを備えており、前記各挟持体は、平面視でボールを挟んだ両側に配置されていると共に、ボールが部分的に嵌まる凹所を有しており、一対の挟持体は、前記凹所でボールを挟む方向に弾性体で付勢されている。
【0011】
【発明の作用・効果】
両請求項の発明とも、ボールはその転動が許容された状態でリテーナにガタ付きなく納まっているため、リテーナとボールとは完全に一体になって相対動する。
【0012】
従って、上下ベースを、加速度を生じさせることなくスムースに相対動させることができるのであり、その結果、リテーナを設けたことの意義、すなわち、各ボールを揃えた状態で移動させて免震性能を高めるという意義を、より確実ならしめることができる。
【0013】
請求項1の構成では、ボール保持部は単一部材から成っているため、それだけ構造が簡単になる。また、ボール保持部を頑丈な構造にできるため、大きな荷重がかかる免震台に好適である。
【0014】
請求項2の構成では、挟持体は弾性体で付勢されているため、挟持体等の部材の寸法精度を高くしなくても、ボールを挟持体で確実に挟持することができる。
【0015】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて発明する。
【0016】
(1).第1実施形態(図1〜図19)
図1〜図19では第1実施形態を示しており、このうち図1は全体の概略斜視図、図2は分離した状態の正面図である。本実施形態の免震台1は、美術品や博物用の展示ケースのように、かなりの重量のある物品(被免震物)Wに使用するように設計されている。
【0017】
図2に示すように、免震台1は、物品Wが取付く上ベース2と、床面に置かれる下ベース3と、上下ベース2,3の間に介在させた4個のボール4と、これらのボール4を保持するリテーナ5とを備えている。リテーナ5には、軽い力では物品Wが動かないように上下ベース2,3の相対動に抵抗を与える抵抗付与手段(ダンパ手段)の一例として、ロータリダンパ6を設けている。以下、各部位を詳述する。
【0018】
(1)-1.上ベース2の構造
図3は図2の III-III視底面図、図4は図3のIV−IV視断面図であり、これら両図及び図2に示すように、上ベース2は金属製の上基板7を備えている。
【0019】
上基板7における下面のうちコーナー寄りの4ヶ所には、金属板製の上受け板8がねじによって固着されている。上受け板8の下面には、底面視円形の凹曲面8aが形成されている。隣合った上受け板8の間には間隔が空いており、このため、上ベース2の下面には、中心から四方に延びる上溝7aが形成されている。
【0020】
上基板7の四周には、下向きに突出した金属板製の上フレーム9を固着している。上受け板8と上フレーム9との間にもある程度の間隔が空いており、上基板7の四辺の箇所には、上フレーム9の内側に位置した断面略L字状のストッパー10を取付けている。
【0021】
上ベース2の下面のうちL字状に交叉した2つの上溝7aに、平面視で直交した方向に延びる第1ダンパ用ガイドレール11及び第2ダンパ用ガイドレール12を固着している。図5に示すように、両ダンパ用ガイドレール11,12は、ガイド溝13が形成された合成樹脂製の樹脂部材14を金属板製の枠材15で囲った構造になっている。もちろん、金属板のみで単なる断面コ字状やC字状に形成したり、全体を合成樹脂製としても良い。
【0022】
(1)-2.リテーナ5の構造
次に、リテーナ5について、図2に加えて図6〜図11を参照して説明する。図6は図2のVI−VI視平面図、図7はリテーナ5の部分平面図、図8は図6のVIII−VIII視断面図、図9は図6のIX−IX視断面図、図10は図6の X-X視断面図、図11は図6のXI−XI視断面図である。
【0023】
リテーナ5は、平面視略矩形に形成された金属板製の本体16と、本体16の四隅部にねじ止め等によって固着した合成樹脂製のボール保持部材17とを備えており、ボール保持部材17に一体成形した筒状のボール保持部17aにボール4を嵌め込んでいる。
【0024】
この場合、図7及び図8で明瞭に示すように、各ボール保持部17aに、リテーナ5の対角方向の外側に位置するスリット21を上下全長にわたって延びるように形成している。このように、各ボール保持部17aを非連続状態に分断し、ボール保持部17aの弾性力でごく緩くボール4を挟持することにより、ボール4をガタ付き無くしかも摩擦抵抗が殆どない状態に保持している。
【0025】
図9〜図11に示すように、リテーナ5における本体16の各縁部16aは下向きに開口した樋状に折曲げ形成されており、これら各縁部16aに、下向きに開口したリテーナ側ガイドレール18を固着している。
【0026】
リテーナ側ガイドレール18には、多数の小球19を介してランナー20の上スライダー20aが移動自在に嵌め込まれている。図示していないが、小球19は中間レールで脱落不能に保持されている。ランナー20はブラケット板20bを備えており、このブラケット板20bの上面に上スライダー20aをねじ止めしている。
【0027】
ブラケット板20bの外端部は上向きの段違い状に折曲げられており、このブラケット板20bが上ベース2のストッパー10に当接することにより、上下ベース2,3の最大相対動ストロークが規制されると共に、被免震物Wの転倒防止が図られている。
【0028】
図9に示すように、ランナー20におけるブラケット板20bの下面には下スライダー20cを固着しており、この下スライダー20cは、下ベース3に固着したベース側ガイドレール23に多数の小球19を介して装着されている。
【0029】
下スライダー20cは上スライダー20aと平面視で直交した方向に延びている。また、ランナー側ガイドレール18とベース側ガイドレール23も、平面視で直交する方向に延びている。
【0030】
(1)-3.ロータリダンパ6の構造
次に、ロータリダンパ6について、主として図6〜図11に基づいて説明する。図8〜図11に示すように、ロータリダンパ6は、上向きに開口した平面視円形のケース25と、ケース25の内部に収納した円板(抵抗板)26とを備えている。
【0031】
ケース25は合成樹脂製であり(金属製でも良い)、その上面は蓋板27で塞がれている。そして、ケース25と円板26との相対回転に抵抗を与える手段として、ケース25の内部に、シリコーン樹脂のような粘度の高い粘性流体28が充填されている(粘性流体28を使用せずに、単なる摩擦によって抵抗を付与することも可能である)。
【0032】
ケース25にはフランジ25aが形成されており、リテーナ5の本体16に、フランジ25aの上面及び外周面に密接する回転ガイド体29を円周方向に沿って適当な間隔で固着している。したがって、ケース25は回転可能な状態でリテーナ5に取り付けられている。
【0033】
円板26の中心には、蓋板27に開けた穴から上向きに突出するボス30が固着されている。ボス30には、水平方向に延びる第1アーム31を固着しており、この第1アーム31の先端に上向きのピン32を突設している。また、ケース25の蓋板27には、ケース25の外側に向けて水平状に延びる第2アーム33が固着されており、第2アーム33の先端に上向きのピン34を突設している。両アーム31,33は本体16の縁部まで延びている。
【0034】
ケース25と蓋27との間、及び、ボス30と蓋板27との間には、それぞれOリングのようなシール材35を介在させている。
【0035】
そして、第1アーム31のピン32を上ベース2における第1ダンパ用ガイドレール11のガイド溝13に挿入し、第2アーム33のピン34を上ベース2における第2ダンパ用ガイドレール12のガイド溝13に挿入している。
【0036】
(1)-4.下ベース3の構造
次に、図12〜図14に基づいて下ベース3の構造を説明する。図12は図2のXII-XII 視平面図、図13は図12のXIII−XIII視断面図、図14は図12のXIV-XIV 視断面図である。
【0037】
これらの図に示すように、下ベース3は金属板製の下基板36を備えており、下基板36に、上ベース2の上受け板8に対応した4枚の下受け板37を固着している。このため、下ベース3には、平面視で十字状に延びる下溝36aが形成されている。また、下基板36の周縁には下フレーム38を固着している。なお、下基板36で直接にボール4を受けても良い。
【0038】
下基板36の各下溝36aには、前記したベース側ガイドレール23をそれぞれ固着している。なお、図13では、小球19を保持する中間レール39を表示している。
【0039】
図14に示すように、下基板36の中心部には、リテーナ5の本体16に密着する摩擦板40を配置している。摩擦板40は、ABS樹脂のように、リテーナ5との間に適度の摩擦を発生させる素材から成っている。
【0040】
摩擦板40は、筒体41の上端に固着した支持板42にねじ止めされており、支持板42は、下基板36にねじ込んだねじ43によって上向き抜け不能に保持されている。筒体41の内部に圧縮ばね44が嵌め込まれており、摩擦板40をリテーナ5の下面に適当な圧力で押し付けている。
【0041】
(1)-5.動きの説明
次に、免震台1の動きを図15〜図19に基づいて説明する。図15は、上ベース2を省略した状態での免震台1の平面図、図16は図15の XVI-XVI視断面図(アーム31,32の下方の部位は省略している)、図17は動きの一例を示す平面図、図18は図17の XVIII-XVIII視断面図、図19はロータリダンパ6の動きを説明するための平面視図である。
【0042】
リテーナ側ガイドレール18とベース側ガイドレール23との各対が平面視で直交した方向に延びており、しかも、ランナー20は平面姿勢を変えることなく両ガイドレール18,23を自在に摺動するため、リテーナ5と上下ベース2,3とは任意の方向に相対動し得る。従って、地震によって床(地面)がどの方向に揺れても、上下ベース2,3は地震の揺れと同じ方向に相対動し得る。
【0043】
図17では、上下ベース2,3が第1ガイドレール11の長手方向に相対動した状態を示しており、この状態では、第1アーム31は姿勢を変えることなく第1ダンパ用ガイドレール11に沿って移動するが、第2アーム33は、第2ダンパ用ガイドレール12のガイド作用によってモーメントが作用するため、矢印Aで示すように水平回動する。このため、ロータリダンパ6のケース25と円板26とが相対回転し、その際の抵抗により、上下ベース2,3の相対動に抵抗が付与される。
【0044】
図19では、上下ベース2,3の相対動方向とロータリダンパ6の働きとの関係を模式的に示している。上下ベース2,3がX方向に相対動した場合は、図17の場合とは逆に、第2アーム33の姿勢は変化することなく第1アーム31だけが水平回動する。また、上下ベース2,3がその側辺に対して傾斜した方向に相対動すると、両アーム31,33はともに回動する。
【0045】
結局、両ダンパ用ガイドレール11,12が平面視で交叉した方向に延びているため、リテーナ5と上ベース2とがどの方向に相対動しても、両アーム31,33におけるピン32,34の間隔が変化する。そのため、ロータリダンパ6のケース25と円板26とが相対回転して、リテーナ5と上ベース2との相対動に抵抗が付与される。そして、上下ベース2,3の相対動はボール4を介して連動しているため、結局、上下ベース2,3の相対動にも抵抗が付与される。
【0046】
従って、平常時に被免震物Wを水平方向に押す力が作用しても、軽い力では被免震物Wは動かない。また、地震に際しては共振が抑制される。更に、例えば人が被免震物Wの縁部を水平方向に強い力で押すなどして、平常時に被免震物Wを水平旋回させる外力が作用しても、被免震物Wは水平旋回することはなく、安定した姿勢のままで直線方向に移動するに過ぎない。
【0047】
ところで、リテーナ5におけるボール保持部材17のボール保持部17aにスリット21がない場合は、ボール保持部材17やボール4の寸法誤差により、ボール4がボール保持部17a内でガタ付いたり、逆に、ボール4が動きにくい状態になったりする虞がある。
【0048】
そして、ガタ付きがある場合は、上下ベース2,3が相対動するに際して方向変換するたびにボール4がリテーナ5に衝突して、上下ベース2,3の相対動に加速度(マイナスの加速度)が発生して、滑らかな相対動が損なわれる虞がある。逆に、ボール4をボール保持部17aできつく掴んでいる状態だと、ボール4が上下ベース2,3をスリップして免震機能が大きく低下してしまう。
【0049】
これに対して、本実施形態のようにボール保持部17aをスリット21で分断すると、ボール保持部17aが弾性変形し得るため、ボール4やボール保持部材17の寸法誤差を吸収できる。その結果、全くガタ付き(クリアランス)がないと共に、限りなく抵抗を抑制した状態でボール4を挟持することが可能となる。そのため、加速度の発生やスリップの発生を防止又は著しく抑制して、免震機能を格段に向上できる。
【0050】
(2).第2実施形態(図20〜図27)
図20〜図27では第2実施形態を示しており、このうち図20は分離した状態の正面図、図21は図20の XXI-XXI視平面図、図22は要部の平面図、図23は要部の分離平面図、図24は要部の分離斜視図、図25は組み立てた状態での図21の XXV-XXV視断面図、図26は組み立てた状態での図21の XXVI-XXVI視図、図27は使用状態の一例を示す図である。
【0051】
この実施形態はごく小型の免震台1′に適用したもので、上ベース2′と下ベース3′とリテーナ5′とを備えているが、第1実施形態のようなガイド手段やダンパは備えていない。
【0052】
図20に示すように、上ベース2′は、上枠46に金属製の上受け板8を固着した構造であり、上受け板8に凹曲面8aが形成されている。他方、下ベース3′は、下枠47にフラットな受け板37を固着した構造になっており、下受け板37のうちその四辺寄りの箇所には、免震台1′を持ち運ぶための治具(図示せず)を挿入する鍵穴状の穴48を空けている。
【0053】
なお、上枠46や下枠47は合板製としたり樹脂製としても良い。また、上下ベース2,3′の外面に化粧クロスを張っても良い。
【0054】
リテーナ5′は、四隅をカットした板状の本体16を備えており、四隅箇所に、ボール保持部となる一対ずつの挟持体49を配置している。また、本体16の四辺部には、当該本体16の上下両方向に張り出すストッパー10をねじ止めしている。本体16は合成樹脂で製造されている(金属板等の他の素材製でもよい)。
【0055】
例えば図23や図24に示すように、両挟持体49の先端部には、ボール4が部分的に嵌まる凹所50を形成している。凹所50は、ボール4に対して複数の箇所で点接触するように複数のフラット面から成っている。
【0056】
そして、本体16の四隅部に、両挟持体49の後ろ半分程度が嵌まる切欠き51が形成されている一方、両挟持体49の外側面には、切欠き51の左右側縁52に嵌合する嵌合溝53が形成されている。また、左右挟持体49の後部の相対向する面に、圧縮コイルばね54が嵌まるばね受け穴55を形成している。
【0057】
本体16における切欠き51の左右内側縁54の先端部には、平面視で半円状の支点部52aが形成されている一方、両挟持体49における嵌合溝53の前端部は支点部52aときっちり嵌まるように円弧部53aとなっている。
【0058】
また、本体16における切欠き51の左右内側縁54の後端部には、係合溝52bが形成されている一方、両挟持体49における嵌合溝53の後部には、前記係合溝52bに嵌合する段部53bを形成している。
【0059】
図から容易に理解できるように、両挟持体49は、本体16の支点部52aで外側から支持された状態で、後部はばね54で離反するように付勢されているため、ボール4は両挟持体49で弾性的に挟持されている。このため、ボール4はガタ付きのない状態に保持されており、且つ、両挟持体49の姿勢も保持されている。言うまでもないが、ばね54は、ボール4の転動を許容する程度の適度のばね力に設定されている。両挟持体49はできるだけ摩擦係数の小さい素材が好ましい。
【0060】
本実施形態では、ピンやねじ等の部材を不要であるため、それだけ部材点数を低減できる。また、両挟持体49の間にボール4とばね54とを挟んだ状態で、嵌合溝53を切欠き51の側縁52に嵌め込むことによってワンタッチ的に取付けることができる一方、両挟持体49を指で摘んでばね54に抗して接近動させて、段部53bと係合溝52bとの嵌合を解除するとワンタッチ的に抜き外すことができる。したがって、取付け・取り外しがきわめて簡単である。
【0061】
なお、図26で示すように、リテーナ5′のストッパー10が上下ベース2′,3′における枠46,47の側板に当たることにより、上下ベース2′,3′の相対動ストロークが規制される。
【0062】
本実施形態の免震台1′は、それ自体で独立して使用することもできるし、図27に示すように、展示ケースWを第1実施形態で示した免震台1で支持し、展示ケースWの展示面には本実施形態の免震台1′をおいて展示物W′を載せると言うように、他の免震台と併用しても良い。このように他の免震台1と併用すると、二重に免震できるため、免震機能を一層向上させることができる(この点は第3〜第4実施形態も同じである)。
【0063】
(3).第3実施形態(図28〜図31)
図28〜図31では第3実施形態を示しており、図28はリテーナ5′の平面図、図29は図28の XXIX-XXIX視正面図、図30は分離平面図、図31は図28のXXXI-XXXI 視断面図である。
【0064】
この実施形態では、一対の挟持体49の中間部に、互いに重なり合う張り出し部49a,49bを形成し、この張り出し部49a,49bの箇所でピン(ボルト)56によって両者を本体16に取り付けている。
【0065】
この実施形態では、ばね受け55′はピン状になっている。また、いずれか一方の挟持体49の先端部に形成した下向きの段部49′を本体16の端面に当てることにより、両挟持体49の姿勢を保持している。姿勢保持手段としては、いずれか一方の挟持体49を本体16にピンで止めたり、ピン56を本体16及び一方の挟持体49に対して回転不能に嵌め込み、他方の挟持体49をピン49に対して回動可能に嵌め込むなどしても良い。
【0066】
(4).第4実施形態(図32〜図33)
図32及び図32では第4実施形態を示しており、図32は平面図、図33は図32の XXXIII-XXXIII視断面図である。
【0067】
この実施形態では、両挟持体49は、その中間部において別々のピン(ボルト)56で本体16に水平回動自在に取付けられている。両挟持体49の後端には、互いに重なり合うばね掛け部49c,49dを形成しており、このばね掛け部49bに、本体16の対角方向に延びるように配置した引っ張りばね57の一端を係止している。
【0068】
引っ張りばね57の他端は中間部材58に係止されており、中間部材58は、本体16に固定したブラケット59に貫通したボルト60により、本体16の対角方向に移動可能となっている。図33に示すように、本体16にはボール4を下向きに露出させるための逃がし穴61が空いている。
【0069】
この例では、両挟持体49は、引っ張りばね57により、ボール4を挟むように付勢されていると共に、姿勢が保持されている。また、ボルト60を回転させて中間部材58を移動させることにより、ボール4の挟持力を調節することができる。
【0070】
(5).その他
本発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、挟持体を設ける場合、回動式には限らず、全体として接近・離反するように本体にスライド自在に取付けて、接近する方向にばねで付勢しても良い。
【0071】
また、ボールを片側から支持する受け部を本体に一体成形し、回動式又はスライド式の押圧体を本体に取付けて、固定式の受け部と可動式の押圧体とでボールを挟持することも可能である。更に、リテーナの本体を合成樹脂製として、この本体の各コーナー部に保持部を一体成形することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る免震台の全体の概略斜視図である。
【図2】分離した状態の正面図である。
【図3】図2の III-III視底面図である。
【図4】図3のIV−IV視視断面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】図2のVI−VI視平面図である。
【図7】リテーナの部分平面図である。
【図8】図6のVIII−VIII視断面図である。
【図9】図6のIX−IX視断面図である。
【図10】図6の X-X視断面図である。
【図11】図6のXI−XI視断面図である。
【図12】図2のXII-XII 視平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII視断面図である。
【図14】図12のXIV-XIV 視断面図である。
【図15】上ベースを省略した状態での平面図である。
【図16】図15の XVI-XVI視断面図である。
【図17】作動状態の一例を示す図である。
【図18】図17の XVIII-XVIII視断面図である。
【図19】動きを説明するための図である。
【図20】第2実施形態の分離した状態の正面図である。
【図21】図20の XXI-XXI視平面図である。
【図22】要部の平面図である。
【図23】要部の分離平面図である。
【図24】要部の分離斜視図である。
【図25】組み立てた状態での図21の XXV-XXV視断面図である。
【図26】組み立てた状態での図21の XXVI-XXVI視図である。
【図27】使用状態の一例を示す図である。
【図28】第3実施形態に係るリテーナの平面図である。
【図29】図28の XXIX-XXIX視正面図である。
【図30】分離した状態の平面図である。
【図31】図28のXXXI-XXXI 視断面図である。
【図32】第4実施形態に係るリテーナの平面図である。
【図33】図32の XXXIII-XXXIII視断面図である
【符号の簡単な説明】
W 物品(被免震物)
1,1′ 免震台
2,2′上ベース
3,3′下ベース
4 ボール
5,5′ リテーナ
16 リテーナの本体
17 ボール保持部材
17a ボール保持部
21 スリット
49 挟持体
50 凹所
54,57 ばね
Claims (2)
- 平面視で重なるように配置した上下ベース、前記上下ベースを水平方向に相対動させるために両者の間に介在させた複数個のボール、前記各ボールを転動自在に保持するリテーナ、
を備えているボール式免震台であって、
前記リテーナは、各ボールに対応した複数個のボール保持部材と、前記各ボール保持部材が固定された本体とを備えており、前記ボール保持部材は、合成樹脂からなる単一部材であると共に上下に開口した筒状のボール保持部を有しており、前記ボール保持部を、前記本体と反対側の外側に位置した部位に上下長手のスリットを形成して平面視で非ループ状に分断することにより、ボール保持部自身の弾性によってボールが転動可能な状態に挟持されていると共に、開口部からボールを嵌め入れできるようになっている、
ボール式免震台。 - 平面視で重なるように配置した上下ベース、前記上下ベースを水平方向に相対動させるために両者の間に介在させた複数個のボール、前記各ボールを転動自在に保持するリテーナ、
を備えているボール式免震台であって、
前記リテーナは、各ボールの箇所に一対ずつ配置された挟持体と、前記挟持体が取り付けられた本体とを備えており、前記各挟持体は、平面視でボールを挟んだ両側に配置されていると共に、ボールが部分的に嵌まる凹所を有しており、一対の挟持体は、前記凹所でボールを挟む方向に弾性体で付勢されている、
ボール式免震台。
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