JP4020873B2 - ガスシールドアーク溶接用ワイヤ - Google Patents

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本発明は、様々な断続溶接や連続の長時間溶接においてもワイヤ送給性に優れ、かつコンタクトチップの摩耗が少ないガスシールドアーク溶接用ワイヤに関するものである。
ガスシールドアーク溶接は、一般にスプールに巻かれた溶接用ワイヤ(以下、ワイヤという)をワイヤ送給装置によって引き出し、長尺でかつ湾曲したコンジットチューブを経て溶接トーチ(以下、トーチという)へ送ることにより行われる。トーチ内で溶接電流がコンタクトチップ(以下、チップという)から通電され、トーチから出たワイヤはシールドガスにより大気から保護されつつワイヤの先端と母材間にアークを発生する。ワイヤと母材は溶融して溶融池を形成し、その後冷却され溶接金属となる。
上記のような溶接を行う際に良好な溶接部を得るためには、予め良好な溶接部が得られるように設定されている溶接電流とアーク電圧との関係を維持しなければならない。溶接電流はワイヤ送給速度に依存するので、ワイヤを一定の速度で溶接部に供給すること、つまりワイヤ送給性が良好であることが必要となる。ワイヤは送給ローラによってコンジットチューブに送り出される際、コンジットチューブ内面からの摩擦抵抗を受けている。ワイヤ表面に疵があると良好なワイヤ送給性が得られないため、疵がつかないように送給ローラの圧下力は制限される。したがってコンジットチューブの摩擦抵抗が大きくなるとワイヤと送給ローラとはスリップして送給ローラの円周の長さよりも実際の送り出されたワイヤの長さは短くなり、一定の速度でワイヤを送れなくなる。
ワイヤ送給装置は送給ローラの回転速度を制御して設定値に維持しているが、コンジットチューブが10〜20mの長尺であったり、コンジットチューブが数多く湾曲していたり、または湾曲半径が小さい場合等の過酷な使用環境においては、摩擦抵抗の増減に対処しきれずワイヤ送給性が悪化する。さらに通電時のワイヤとチップの接触によりチップが摩耗し、摩耗の程度が大きくなるとワイヤが振れることによる狙い位置のずれやアーク不安定が起こる。
ワイヤの送給性を向上させる技術として、例えば特開平10―58183号公報(特許文献1)には、コンジットチューブ内の摩擦抵抗を減らすため液体潤滑剤の種類と付着量を限定しワイヤ送給性を向上させる技術や、特開平6―269978号公報(特許文献2)には、ワイヤ径、引張強さおよびキャスト径を限定してワイヤ送給性と通電性を向上させる技術が開示されている。しかしながらこれらは長時間の溶接の際にはワイヤ送給性が劣るといった問題があり、ワイヤ送給性の改善が求められていた。また特開2001-25890号公報(特許文献3)に、キャスト径とキャスト外面と内面の油塗布量を限定してワイヤ送給性と通電性を向上させる技術が開示されているが、コンジットチューブが長尺で数多く湾曲している場合ワイヤ送給性が劣るという問題があった。
さらに、ワイヤとチップの摩擦を減少するための技術としてはワイヤ表面に銅めっきを施す方法や、例えば特公昭50−3256号公報(特許文献4)に開示されているワイヤ表面に潤滑油を塗布する方法があるが、それだけでは不十分である。また特開2002−239779号公報(特許文献5)には、ワイヤ表面に二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の固体潤滑剤を混合した液体潤滑剤を付着させる方法、あるいは特開平6−262389号公報(特許文献6)に開示されている有機モリブデンを含有させた液体潤滑剤を付着させる方法等各種の方法が提案または実施されている。しかし、ワイヤ表面に銅めっきを施すことは広く実施されているがその製造工程が複雑で長く、工程削減やめっきの廃液処理の問題等から、これを省略しようという提案もある。
また、特開2002−239779号公報(特許文献5)のごとく固体潤滑剤を液体潤滑剤に混合した潤滑剤を塗布したワイヤは、長時間溶接すると固体潤滑剤がコンジットチューブ内またはチップ内に溜まってワイヤの送給不良を引き起こすため、固体潤滑剤の混合量が限られる。また特開平6−262389号公報(特許文献6)に記載の有機モリブデンを塗布したワイヤは、仮付け溶接や断続溶接などの様にチップが高温になり難い溶接では有機モリブデンが二硫化モリブデンを析出できないので有効ではなく、二硫化モリブデンを含有する例では、その含有量が多くて前述の如く固体潤滑剤がコンジットチューブ内に溜まり、ワイヤ送給不良となる。
特開平10-58183号公報 特開平6-269978号公報 特開2001-25890号公報 特公昭50−3256号公報 特開2002−239779号公報 特開平6−262389号公報
本発明は、連続した長時間溶接においてもワイヤの送給不良を起こさず、コンタクトチップの摩耗量が少ないガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、ガスシールドアーク溶接用ワイヤにおいて、ワイヤ径1.2〜2.0mmで引張強さが600〜1400N/mm、キャスト径が300〜1000mmであり、かつ引張強さT(N/mm)、キャスト径D(mm)、ワイヤ径d(mm)としたとき、下記(1)式で示すYが130以上であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用ワイヤである。
Y=−0.12T+0.69D−48.6d ・・・・ (1)
また、潤滑油をベースとしてこれに4〜15質量%の有機モリブデン化合物と0.3〜4.0質量%の二硫化モリブデンを含有する送給潤滑剤が、ワイヤ10kg当たり0.2〜2.0gワイヤ表面に付着していることも特徴とする。
なお、本発明におけるキャスト径とは、スプール巻のワイヤを切り取った線輪を平面上に置いたときの自由な状態における直径の最大値と最小値の平均値をいう。
本発明のガスシールドアーク溶接用ワイヤによれば、コンジットチューブが長尺で湾曲していてワイヤ送給性が悪化する過酷な環境であっても、良好なワイヤ送給性を示しコンタクトチップの摩耗が少なく、長時間の溶接においても良好なアーク安定性を発揮するアーク溶接用ワイヤを提供することができる。
本発明者らは、スプール巻にて供給されるワイヤを使用するにつれ、ワイヤ送給性が悪化する原因について検討した。その結果、断続溶接や連続の長時間溶接時に良好なワイヤ送給性を得るために具備すべきワイヤ径と引張強さおよびキャスト径の適正範囲およびその関係を見出したものである。
半自動溶接では、ワイヤの送給が不安定になるとトーチの振動が生ずる。このようなトーチの振動は溶接者に疲労を与えるため、低減が求められていた。そこで本発明らは、ワイヤ径、引張強さおよびキャスト径の異なる各種ワイヤを用いて、図1に示す溶接装置で溶接時のワイヤ送給不良に伴うトーチの振動を測定した。図1において、溶接機に繋がるワイヤ送給装置4にスプール1を搭載し、ワイヤ送給ローラ6およびコンジットチューブ8を経由してワイヤ7をトーチ9へ送給し、ノズル10からシールドガスと共に送り出した。母材である鋼パイプ11をターニングローラ12の上に乗せて、これとの間でアークを発生させつつ所定の速度で回転させて試験を行った。コンジットチューブの長さは6mのものを使用して途中に600mm径のループ16を2個設けた。
トーチの振動の測定は、トーチ9に取り付けた振動計13の信号をケーブル14を介してパソコン15に送り、振動波をデータ処理することで定量化した。表1に振動電圧レベルと振動評価点を示す。なお、振動波の測定は、キーエンス社製の振動計を用いた。振動電圧評価点はLV1からLV3までの各振動電圧レベルの測定時間における割合に、LV1には10点、LV2には−2点、LV3には−10点を乗じてそれぞれを足し合わせ数値化したものである。たとえば全測定時間中においてLV1であれば振動電圧評価点は10になり、LV1とLV2の時間が半々であれば10×0.5−2×0.5=4となる。
Figure 0004020873
その結果、ワイヤ径dと引張強さTおよびキャスト径Dの関係において、Y値(−0.12T+0.69D−48.6d)を定めると、図2に示すようにワイヤ送給性を点数で示した振動電圧評価点とY値の間に関係が有ることが判明した。図2においてY値が130以上で良好な振動電圧評価点である8.5以上が得られ、ワイヤ送給性が良好である。
ところで溶接時にトーチ振動の大きいワイヤは1.2mm以上のワイヤ径に多く見られ、1.0mm以下のワイヤ径では溶接トーチ振動はあまり発生しなかった。これはワイヤ径が大きいと同じレベルの引張強さであっても変形に要する力が大きくコンジットチューブ内での摩擦が大きくなるためである。したがって本発明が対象とする溶接用ワイヤは径が1.2mm以上のものとする。なお、ワイヤ径の上限は、一般にガスシールドアーク溶接に用いられるワイヤ径の上限である2.0mmとする。
またワイヤの引張強さが1400N/mmを超えるとコンジットチューブの変形によるワイヤ癖の変化は受け難いためチップでの給電状態やチップ摩耗には問題ないが、コンジットチューブ内での変形に要する力が大きく摩擦抵抗が大きくなりワイヤ送給性が悪化する。一方、ワイヤの引張強さが600N/mm未満であるとコンジットチューブ内での変形に要する力が小さいのでワイヤ送給性は良好であるが、コンジットチューブの変形によるワイヤ癖の変化を受け易く、チップでの給電状態およびチップ摩耗に対し不利になる。また、ワイヤの引張強さが低すぎる場合はワイヤが座屈しワイヤの送給ができなくなる。このためワイヤの引張強さが600N/mm未満または1400N/mm超の場合にはY値を満たしても良好な溶接作業性を得ることはできないので、ワイヤの引張強さは600〜1400N/mmとする。
ワイヤの引張強さはワイヤの成分組成にもよるが、ワイヤを塑性加工するさい歪などによる硬化、焼鈍などによる軟化の作用を施してやれば、ワイヤの引張強さを制御できる。焼鈍後の引張強さは400〜650N/mm程度であり、目的とする引張強さを得るために必要な歪の量は焼鈍時のワイヤ径および伸線後の最終径を変えることによって制御できる。
またキャスト径が300mm未満であるとコンジットチューブ内での変形量および変形に要する力が大きくなり摩擦抵抗が大きくなり過ぎるため、Y値を満たすように調整しても良好なワイヤ送給性を得ることはできない。また、耐チップ摩耗性に関しても効果を得ることができない。したがってキャスト径は300mm以上とすべきであるが、好ましくは450mm以上である。一方、キャスト径が1000mmを超えると、ワイヤ送給性には問題がないもののスプールから広がろうとする力が働いており、ワイヤ送給装置へのセット時の取扱が煩雑となる。したがってキャスト径は1000mm以下とすべきである。
スプールに巻かれる前のワイヤは、伸線加工の過程において300〜400mm径程度のワイヤ癖が付いているが、スプールへの巻取り装置にワイヤ癖を調整するための矯正機を設置する。通常用いられている20kg巻スプールの胴径は150mm程度であり、ここで例えば600mmのキャスト径を得るためには供給するワイヤのワイヤ癖が800〜1000mm径になるように矯正する。またワイヤがスプールに巻かれていくと巻き径はワイヤの積層分だけ大きくなり巻き終わりの巻き径は260mm程度になる。巻き径が大きくなると巻き径によるワイヤ癖への影響は小さくなるため、供給するワイヤのワイヤ癖を600〜700mm径に矯正すれば良い。
このように1スプール内のキャスト径をある範囲で保つことにより、溶接の途中で作業条件が変わるのを防止できる。この1スプール内におけるキャスト径の変動範囲は200mm以内にするのが好ましい。このようにするためにはスプールへ巻き取る前のワイヤに対してスプールへのワイヤ積層の変化に追従してワイヤ癖を付与する矯正機を用いれば良い。例えば図3に示すようにスプール1のワイヤ積層の高さまたは入線位置を感知し、ワイヤ7に癖を付与する矯正ローラ3を上下に移動するようにすればガイドローラ2とスプール1の間にキャスト径が大きくなるようにワイヤ癖を付与でき、また調整が可能である。
なお、スプールに巻く際のワイヤのバックテンションは5kg程度であり、このバックテンションが変わるとスプールでのキャスト径が変わるので注意が必要である。従来の製造方法ではスプール巻きのキャスト径は表層450mmのとき底層200mm、表層600mmのとき底層300mmというように、表層から底層までの間に250〜300mm変化したが、ワイヤ癖を制御する矯正ローラ3の設置によって表層から底層までのキャスト径が600〜450mm程度となり、キャスト径の変化が150mm程度に低減できる。
また、ワイヤ表面に塗布する送給潤滑剤について種々検討した結果、ベースとなる潤滑油に有機モリブデン化合物と共に、二硫化モリブデンを少量含有させた送給潤滑剤を塗布したワイヤが、断続溶接や連続の長時間溶接においてワイヤ送給性により優れ、かつチップの摩耗が小さいことを見出した。
ベース油としては、動植物油、鉱物油、合成油を単独またはこれらを混合したものを使用することができ、これらのベース油は基本的にワイヤのコンジットチューブ内およびチップ内の摩擦抵抗を下げて送給抵抗およびチップ摩耗量を低減する役割を担っている。
ワイヤ表面に塗布する送給潤滑剤に添加する有機モリブデン化合物としては、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオ燐酸モリブデン、硫化オキシモリブデンオルガ、ホスホロジチオエート等があり、これらの化合物は約300℃で二硫化モリブデンを析出し、コンジットチューブおよびチップ内でのワイヤの摩擦抵抗を低減する。
さらに、二硫化モリブデンの少量添加は、有機モリブデン化合物が十分な二硫化モリブデンを析出できない低い温度域における潤滑機能を補助するものであってコンジットチューブ内およびチップ内でのワイヤの摩擦抵抗を低減する。
これらの潤滑剤の他に固体潤滑剤として、グラファイトや二硫化タングステンあるいはCF系の固形潤滑剤を必要に応じ併用することができる。
本発明における有機モリブデン化合物は、ベース油中への添加量を4〜15質量%とするのが好ましく、4質量%未満では耐チップ摩耗性について明瞭な効果は認められない。しかし、15質量%を超える添加は、有機モリブデン化合物の粘度が高いために送給潤滑剤の流動性が悪くなり、ワイヤ表面に均一に付着させることが困難となり好ましくない。
二硫化モリブデンは不溶性かつ不活性であり、ベース油中への添加量が4.0質量%を超えると送給潤滑剤の流動性を悪化させ、ワイヤ表面への均一な付着を妨げると共に、コンジットチューブ内およびチップ内に溜まってワイヤの送給不良を起こす可能性がある。しかし、0.3質量%以上添加しなければ、低温での耐チップ摩耗性について明瞭な効果は認められない。
なお、ワイヤ表面に送給潤滑剤を付着させる方法としては、伸線後にロールまたはフェルトを用いて塗布する方法や、伸線工程の最終ダイスの潤滑剤として使用するなどの方法がある。またグラファイトや二硫化タングステンなどと併用する場合のベース油中への添加量は二硫化モリブデンを含めた固体潤滑剤の合計量としては4.0質量%以下が好ましい。これより多いとやはりベース油の流動性を悪化させ、ワイヤ表面への均一な付着を妨げると共に、送給不良を起こす可能性があるからである。
次に、ワイヤ表面の前記送給潤滑剤の付着量はワイヤ10kg当り0.2〜2.0gである。送給潤滑剤の付着量がワイヤ10kg当り0.2g未満ではワイヤ送給性が不安定となり潤滑効果が明瞭にみられない。一方、付着量がワイヤ10kg当り2.0gを超えるとワイヤ送給性は安定するが、主に潤滑油に含まれるH源により、溶着金属中に水素含有量が増大するため、ブローホールや水素割れなどの溶接欠陥が生じ易くなり好ましくない。
なお、本発明は、めっき有りまたは無しのソリッドワイヤいずれにも適用可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
JIS Z3312 に規定されるYGW11のワイヤにおいて、表2および表3に示すように径dが1.2〜2.0mmのものについて引張強さTとキャスト径Dおよび送給潤滑剤塗布量を変化させたスプール巻ワイヤを試作した。図1に示す装置を用いて表4に示す溶接条件でスプールの上層部(U)で10分、中層部(M)で10分、下層部(L)で10分の合計30分間溶接して溶接時のトーチ振動およびチップの摩耗について調べた。
Figure 0004020873
Figure 0004020873
Figure 0004020873
トーチ振動の評価は、各層でスタートから3分間振動電圧レベルを測定した。表1の区分による前述の評価方法で振動評価点8.5以上のものがワイヤ送給性が良好でアークが安定である。また、チップの摩耗量は、試験毎に新しい市販のチップを用いて溶接終了後最も摩耗の大きい箇所の内径を測定した。チップ摩耗の評価は、摩耗量が0.1mm以下を良好として評価した。それらの結果を表5および表6に示す。
Figure 0004020873
Figure 0004020873
表2、表3、表5および表6中試験No.1〜5が本発明例、試験No.6〜11は比較例である。
本発明例である試験No.1〜5は、ワイヤの引張強さT、キャスト径DおよびY値が適正で、ワイヤ表面の送給潤滑剤中の有機モリブデンおよび二硫化モリブデン含有量および送給潤滑剤付着量が適正であるので、振動評価点が高くワイヤ送給性が良好でアーク状態が良好で、かつチップ摩耗が少ないなど極めて満足な結果であった。
比較例中試験No.6は、スプールの中層部および下層部のY値が低いので、中層部および下層部での振動評価点が低くワイヤ送給性が不良でアークが不安定になった。また、有機モリブデンの含有量が少ないので、チップ摩耗量が多くなった。
試験No.7は、ワイヤの引張強さが低いので、チップ摩耗が多くなった。また、二硫化モリブデンの含有量が多いので、下層部での振動評価点が低くワイヤ送給性が不良でアークが不安定になった。
試験No.8は、ワイヤの引張強さが高いので、上層から下層部まで振動評価点が低くワイヤ送給性が不良でアークが不安定になった。また、送給潤滑剤付着量が多いのでブローホールも生じた。
試験No.9は、中層部のY値が低く、下層部のキャスト径およびY値が低いので、中層および下層部での振動評価点が低くワイヤ送給性が不良でアークが不安定になった。また、送給潤滑剤中の二硫化モリブデン含有量が少ないので、チップ摩耗量が多くなった。
試験No.10は、キャスト径が大きいので、ワイヤ送給装置へのセットに時間を要した。また、送給潤滑剤付着量が少ないので、上層から下層部まで振動評価点が低くワイヤ送給性が不良でアークが不安定になった。
試験No.11は、中層部のY値が低く、下層部のキャスト径およびY値が低く、送給潤滑剤中の有機モリブデン含有量が多いので、上層から下層部まで振動評価点が低くワイヤ送給性が不良でアークが不安定になった。
本発明の実施例に用いた試験装置の概略図 Y値と振動評価点の関係を示す図 キャスト径を制御する装置の概略図
符号の説明
1 スプール
2 ガイドローラ
3 可動式矯正ローラ
4 ワイヤ送給装置
6 ワイヤ送給ローラ
7 ワイヤ
8 コンジットチューブ
9 トーチ
10 ノズル
11 鋼パイプ
12 ターニングローラ
13 振動計
14 ケーブル
15 パソコン
16 ループ

Claims (2)

  1. ガスシールドアーク溶接用ワイヤにおいて、ワイヤ径1.2〜2.0mmで引張強さが600〜1400N/mm、キャスト径が300〜1000mmであり、かつ引張強さT(N/mm)、キャスト径D(mm)、ワイヤ径d(mm)としたとき、下記(1)式で示すYが130以上であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
    Y=−0.12T+0.69D−48.6d ・・・・ (1)
  2. 潤滑油をベースとしてこれに4〜15質量%の有機モリブデン化合物と0.3〜4.0質量%の二硫化モリブデンを含有する送給潤滑剤が、ワイヤ10kg当たり0.2〜2.0gワイヤ表面に付着していることを特徴とする請求項1記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
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