JP4020775B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、詳しくは、電解液の熱的安定性の向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電解コンデンサの中高圧用電解液は、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の直鎖のカルボン酸または上記のカルボン酸に側鎖基としてアルキル基およびアルキレン基等を置換させたカルボン酸を溶解させた電解液が使用されてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−48460号公報(第2頁、表)
【特許文献2】
特公平7−63047号公報(第3頁、表1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記カルボン酸はエチレングリコールに対しての溶解度が低く、また、エチレングリコールとエステル化しやすいため、熱的安定性が低いという欠点があった。この改善策として、側鎖基にアルキル基及びアルキレン基等を置換させたカルボン酸が使用されているが、更に高温度化が進む電解コンデンサにおいての使用は困難であるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、上記の問題を解決するもので、高温における安定性を向上させた電解コンデンサの駆動用電解液を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために各種検討した結果、見出されたものであり、カルボキシル基の隣接位置に置換基としてスルホ基を導入することにより、エチレングリコールとのエステル化を立体的に抑制させる効果、エチレングリコール等の溶媒に対する溶解性を向上させる効果、電導度を向上させる効果を利用した電解液である。
【0007】
すなわち、本発明の電解コンデンサの駆動用電解液では、エチレングリコールを含む溶媒に対して、以下の化学式で表されるスルホジカルボン酸またはその塩を溶解したことを特徴とする。
【0008】
【化2】
【0009】
本発明において、上記スルホジカルボン酸の塩としては、アンモニウム塩の他、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩等を例示することができる。
【0010】
溶媒としては、エチレングリコールの他、プロピレングリコール等のグリコール類、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等のアミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のオキシド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、水等を例示することができる。
【0011】
本発明において、上記スルホジカルボン酸またはその塩の溶解量は、電解質の種類および溶媒の種類により異なるが、電解液全体に対して1.0〜20.0wt%であることが好ましい。また、1.0wt%未満では十分な効果が得られず、20.0wt%を超えると、析出する傾向にある。
【0012】
上記の電解液には、漏れ電流の低減、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。添加剤の例として、リン酸化合物、ニトロ化合物等が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電解液では、エチレングリコール等の溶媒に対して、スルホジカルボン酸またはその塩を溶解する。ここで、前記スルホジカルボン酸またはその塩の溶解量は、電解液全体に対して1.0〜20.0wt%である。
【0014】
このような電解液では、エチレングリコールを主成分とする溶媒にスルホジカルボン酸またはそれらの塩を溶解することで、電解液の熱的安定性を向上させることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
【0016】
まず、表1に示す組成の電解液について、30℃における比抵抗、並びに火花電圧を測定した結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
また、上記の各電解液を用いて、250V−68μF(φ16×25L)のアルミニウム電解コンデンサを製作し、105℃、1000時間経過した後、電解液を絞り出して、その比抵抗並びに火花電圧を測定した結果を表1に示す。
【0019】
表1に示すように、スルホジカルボン酸を溶解させた本発明の実施例に係る電解液は、従来の直鎖のカルボン酸を溶解させた従来例の電解液と比較して1000時間後の比抵抗上昇、並びに火花電圧低下が抑えられている。
【0020】
また、スルホカルボン酸はエチレングリコールを主成分とする溶媒に対して溶解度が低いが、実施例の如く直鎖のカルボン酸を組み合わせることによって、上記の効果は得られている。
【0021】
なお、スルホカルボン酸を溶解させた効果は、実施例に限定されるものではなく、各種化合物を単独または複数溶解させた電解液に用いても実施例と同様の効果があった。
【0022】
【発明の効果】
上記の通り、本発明に係る電解液では、エチレングリコールを主成分とする溶媒にスルホカルボン酸またはその塩を溶解したので、電解液の熱的安定性の改善を図ることができる。
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