JP4019908B2 - 太陽電池付き屋根瓦 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光により発電する太陽電池を備えた太陽電池付き屋根瓦に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業の発展に伴い、エネルギーの使用量が飛躍的に増加している。その中で地球環境に負荷を与えない、経済的で高性能な新しいクリーンエネルギーの生産技術の開発が求められている。太陽電池は無限にあるといってよい太陽光を利用することから新しいエネルギー源として注目されている。現在、実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等の無機材料を用いた無機太陽電池である。そして、このような太陽電池を住宅等の屋根に設置し、太陽光の持つエネルギーを利用して発電することによって、商用電力の消費電力を節約することが提案されている。具体的には、平瓦基材に凹凸を設けると共にこの凹部に太陽電池を装着する屋根材の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、特許文献1のものは上記のような無機太陽電池を用いているので、モジュール(太陽電池)自体の重量が大きく、従って、無機太陽電池を設けた屋根材の重量が大きくなって施工性が低下するという問題があった。また、無機太陽電池は、その製造プロセスが複雑でコストが高いという欠点を持ち合わせているために、上記の特許文献1のような屋根材は広く一般家庭に普及するには至っていない。
【0004】
一方、有機太陽電池は無機材料の代わりに有機材料が用いられているために、簡単なプロセスで低コスト・大面積化・軽量化が可能であり、近年研究が盛んに行われている。従来から研究されている有機太陽電池としては、ショットキー接合を有するもの(J.H.Schon,Appl.Phys.Lett.77,2473(2000))、P型とN型の半導体を積層した有機ヘテロ接合を有するもの(P.Peumans,Appl.Phys.Lett.79,126(2001))、P型とN型の半導体をブレンドした有機バルクヘテロ接合を有するもの(S.E.Shaheen,Appl.Phys.Lett.78,841(2001))、電子供与体である導電性有機化合物、特に導電性高分子と電子受容体である化合物半導体粒子を混合した活性層を含む有機太陽電池(W.U.Huynh,Science 295,2425(2002))などが挙げられる。
【0005】
また、屋根材(屋根瓦)においても、従来は窯業系(セメント、粘土等)、自然系(石、草木等)、金属系(鋼板、非鉄金属板)等が挙げられるが、これらの屋根材には、施工性・デザイン性・生産性等で一長一短の特性があり、上記の中でも優れているのは金属屋根材(金属瓦)であるが、コストが高いという問題があった。そこで、これらの課題を解決するために、低コストで軽量な樹脂製屋根瓦が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−179092号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開2002−167908号公報(特許請求の範囲等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、軽量で施工性に優れた太陽電池付き屋根瓦を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような軽量で施工性に優れた太陽電池付き屋根瓦を達成するために鋭意研究を重ねた結果、低コストで軽量な無機質充填材と樹脂とを混合して成形(成型)された樹脂製の屋根瓦の表面に、有機材料を用いた簡単なプロセスで低コスト・大面積化・軽量化が可能な有機太陽電池を設けることにより、上記の目的を達成できることを見出した。さらに、低コストで軽量な無機質充填材と樹脂とを混合して成形された樹脂製の屋根瓦の表面に、有機太陽電池を直接形成することにより、有機太陽電池を支持するための部材を省いた構造にすることで、より良好に上記の目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1に係る太陽電池付き屋根瓦は、無機質充填材と樹脂とを混合して成形された樹脂製の屋根瓦基材1の表面に形成された負極7と、前記負極7の表面に形成された活性層6と、前記活性層6の表面に形成された正孔輸送層5と、前記正孔輸送層5の表面に形成された正極4と、屋根瓦基材1の表面に順に積層された前記の負極7と活性層6と正孔輸送層5と正極4とを覆うように形成された保護部材8とを備えることによって、有機太陽電池2を前記屋根瓦基材1の表面に直接形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明の参考例としての太陽電池付き屋根瓦は、図1に示すように、屋根瓦基材1と有機太陽電池2とから構成されている。有機太陽電池2は、基板3と、基板3の表面(下面)に形成された透明導電膜からなる正極4と、前記正極4の表面(下面)に形成された正孔輸送層5と、前記正孔輸送層5の表面(下面)に形成された活性層6と、前記活性層6の表面(下面)に形成された負極7及び保護部材8を備えて形成されている。活性層6は光が照射されて電荷分離する層である。また、保護部材8は外気から正極4と正孔輸送層5と活性層6及び負極7を遮断して、水分や酸素等による正極4と正孔輸送層5と活性層6及び負極7の劣化を少なくするなどの作用をするものであり、屋根瓦基材1の表面(上面)に固定されている。この有機太陽電池2は基板3や保護部材8や正極4等を透過させて活性層6に光を到達させるものである。
【0013】
本発明において、上記の屋根瓦基材1は無機質充填材と樹脂とを混合して成形された樹脂製であるので、低コストで軽量な屋根瓦基材1となり、これにより、本発明の太陽電池付き屋根瓦も低コストで軽量なものとすることができる。上記の無機質充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられ、無機質充填材と樹脂との配合比としては、無機質充填材100質量部に対して樹脂の配合量が20〜50質量部であることが好ましい。このような屋根瓦基材1の構成にすることによって、建築基準法における防火試験である飛び火試験に合格することができる。
【0014】
屋根瓦基材1を成形するにあたっては、例えば、無機質充填材と樹脂とを予め混練してペレットを作り、シート状に押し出し成形し、押し出し成形後に任意の大きさや形状に切断したり、あるいは押し出し成形後に任意の大きさや形状にプレス成形したりすることで屋根瓦基材1を形成することができるものであり、これにより、容易に任意の形状の屋根瓦基材1が形成可能となる。また、ガラス繊維マットに無機質充填材と樹脂とを予め混練したものを流し込み成形して屋根瓦基材1を形成することができる。このようにガラス繊維マットを屋根瓦基材1に含有させることにより、強度に優れた樹脂製の屋根瓦基材1が得られるものである。屋根瓦基材1に用いる樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。
【0015】
有機太陽電池2は、上記のようなショットキー接合を有するもの、P型とN型の半導体を積層した有機ヘテロ接合を有するもの、P型とN型の半導体をブレンドした有機バルクヘテロ接合を有するもの、電子供与体である導電性有機化合物、特に導電性高分子と電子受容体である化合物半導体粒子を混合した活性層を含むものなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0016】
太陽電池付き屋根瓦を形成する方法としては、上記のような屋根瓦基材1と有機太陽電池2とをそれぞれ別々に形成した後、適当な形状を有する固定具にて屋根瓦基材1と有機太陽電池2とを固定する方法を挙げることができるが、軽量化を考えた場合、固定具は軽量な樹脂製とすることが好ましい。また、接着剤により屋根瓦基材1と有機太陽電池2とを接着して固定するのがより好ましく、さらに軽量化された太陽電池付き屋根瓦を得ることができるものである。
【0017】
また、本発明の太陽電池付き屋根瓦は、図2に示すように、基板3を使用せずに屋根瓦基材1の上に有機太陽電池2を直接形成する。すなわち、図2に示す有機太陽電池2は、屋根瓦基材1の表面(上面)に形成された負極7と、前記負極7の表面(上面)に形成された活性層6と、前記活性層6の表面(上面)に形成された正孔輸送層5と、前記正孔輸送層5の表面(上面)に形成された正極4とを備え、屋根瓦基材1の表面に順に積層された前記の負極7と活性層6と正孔輸送層5と正極4とを覆うように形成された保護部材8を備えたものである。このように屋根瓦基材1に直接有機太陽電池2を形成することから、有機太陽電池2を支持するための固定具を設ける必要が無く、さらに軽量で施工性に優れた太陽電池付き屋根瓦を形成可能である。
【0018】
以下に、本発明で用いる有機太陽電池2を構成する部材について述べる。
【0019】
上記の基板3は、光透過性を有するものであり、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス基板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。また、基板3内に基板母材と屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含有させることによって、光拡散効果を有するものも使用可能である。
【0020】
上記の正極4は、有機太陽電池2内に発生した正孔を効率よく収集するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いるのが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような電極材料としては、具体的には、金などの金属、CuI(銅インジウム)、ITO(インジウムチンオキサイド)、SnO2、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料を挙げることができる。正極4は、例えば、上記の電極材料を基板3の表面(基板3上)に真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の方法で成膜することによって、基板3の表面に薄膜として作製することができる。
【0021】
また、正極4を透過させて活性層6に光を到達させるためには、正極4の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、正極4のシート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好ましく、特に好ましくは、100Ω/□以下とするものである。ここで、正極4の膜厚は、正極4の光透過率やシート抵抗等の特性を上記の範囲のように制御するために、材料等によっても異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。尚、正極4の光透過率は大きい方が好ましいので、その上限は100%である。
【0022】
上記の負極7は、活性層6中に発生した電子を効率よく収集するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料で形成することが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような負極7の電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類等、及びこれらと他の金属との合金、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物などを例示することができる。また、アルミニウム、Al/Al2O3混合物混合物なども使用可能である。また、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を負極7の下地として用い、さらに前述の仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合金)を1層以上積層して用いてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、Al2O3/Alの積層などを例示することができる。また、ITO、IZOなどに代表される透明電極を負極7として用い、負極7側からも光を入射させる構成としてもよい。
【0023】
そして、上記のような電極材料を基板3の表面(基板3上)に真空蒸着法やスパッタリング法等の方法で成膜することによって、負極7を基板3の表面に薄膜として作製することができる。さらに、負極7の表面にAl等の金属をスパッタ等で積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、その他の有機分子(モノマー)や高分子等を蒸着、スパッタ、CVD、プラズマ重合、塗布した後、紫外線硬化、熱硬化、その他の方法で薄膜を形成したりすることも可能であり、これにより、図1に示す保護部材8として上記の薄膜を機能させることができる。負極7の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1〜500μmの範囲に設定するのが好ましい。
【0024】
上記の正孔輸送層5を構成する正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能力を有し、活性層6からの正孔移動効果を有すると共に、正極4に対して優れた正孔移動効果を有し、且つ薄膜形性能力に優れた化合物を挙げることができる。このような正孔輸送材料としては、具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポリフィリン誘導体、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TPD)や4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4′,4′′−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミン)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子などの高分子材料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
上記の活性層6に用いる電子供与性有機化合物としては、フタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物、また有機電子写真感光体に用いられる電荷移動剤、電気伝導性有機電荷移動錯体、さらには導電性高分子等を用いることができる。
【0026】
上記のフタロシアニン系顔料としては、中心金属がCu、Zn、Co、Ni、Pb、Pt、Fe、Mg等の2価のもの、無金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、その他のバアナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0027】
上記の電荷移動剤としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0028】
上記の電気伝導性有機電荷移動錯体としては、テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラチオフラバレン等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0029】
上記の導電性高分子としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体等のトルエン等の有機溶媒に可溶なものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0030】
上記の化合物半導体粒子としては、化合物半導体ナノ結晶が用いられる。ここで、ナノ結晶とは、サイズが1〜100nmであるものをいう。また、ナノ結晶の形状にはロッド状、球状、テトラポッド状が含まれる。具体的な材料としてはInP、InAs、GaP、GaAs等のIII-V族化合物半導体結晶、CdSe、CdS、CdTe、ZnS等のII−VI族化合物半導体結晶、ZnO、SiO2、TiO2、Al2O3等の酸化物半導体結晶、CuInSe2、CuInS2等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0031】
保護部材8としては、樹脂、樹脂フィルム、金属フィルム(金属箔)などを用いることができる。樹脂としてはエポキシ樹脂などを例示することができる。樹脂フィルムとしてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ナイロン等で形成されたものを用いることができる。金属フィルムとしてはアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で形成されたものを用いることができる。保護部材8は上記の樹脂、樹脂フィルム、金属フィルムのそれぞれ単独で形成するほかに、これらの二種類以上を組み合わせて形成することもできる。
【0032】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0033】
(参考例1)
ガラス基板3上に、ITO(インジウム−スズ酸化物)をスパッタしてシート抵抗7Ω/□の正極4を形成したITOガラス(山容真空社製)を用い、これをアセトン、純水、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄した後乾燥させ、この後、UVオゾン洗浄した。次に、上記のITOガラス基板3をスピンコーティング装置にセットし、正孔輸送層5として、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルフォネート(PSS)(アルドリッチ製)を100nm形成した。次に、活性層6として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)の90wt%とCuInS2(CIS)の10wt%のナノ粒子混合ピリジン−クロロホルム溶液をスピンコーティングにより200nm形成した後、負極界面層としてLiFを0.6nm、その表面に負極7としてAlを150nm真空蒸着法により形成し、その上から表面保護のための保護部材8として、エポキシ樹脂で表面を覆うと共にAl箔により封止して有機太陽電池2を得た。
【0034】
一方、樹脂として不飽和ポリエステル(武田薬品(株)製)に無機質充填材として炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)製)と水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製)を3:7の割合で混合したものを配合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物をガラス繊維マット上に流し込み、プレス成形により厚み3mmのシート状の樹脂製の屋根瓦基材1を形成した。尚、上記樹脂組成物中における樹脂と無機質充填材との配合割合は質量比で、無機質充填材:樹脂=60:40とした。
【0035】
そして、屋根瓦基材1の上面に上記の有機太陽電池2を接着剤で固定することによって太陽電池付き屋根瓦を形成した。
【0036】
(実施例2)
参考例1において、屋根瓦基材1の上面に負極7として直接Al電極を設け、その上に活性層6、正孔輸送層5、正極4としての透明電極を順に形成し、この積層物の表面を上記と同様の保護部材8で覆うようにした。そしてこれ以外は参考例1と同様にして有機太陽電池2を樹脂製の屋根瓦基材1の表面に直接形成した太陽電池付き屋根瓦を得た。
【0037】
(比較例1)
屋根瓦基材1として、薄物スレート瓦(松下電工製、フルベスト20)を用いた以外は参考例1と同様にして太陽電池付き屋根瓦を得た。
【0038】
(比較例2)
太陽電池として、無機シリコン系の太陽電池(シャープ製)を用いた以外は参考例1と同様にして太陽電池付き屋根瓦を得た。
【0039】
上記の参考例1と実施例2及び比較例1、2で作製した太陽電池付き屋根瓦について、単位面積当たりの重量を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、参考例1及び実施例2の太陽電池付き屋根瓦は比較例1、2のものよりも単位面積当たりの重量が小さくなった。
【0042】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、無機質充填材と樹脂とを混合して成形された樹脂製の屋根瓦基材の表面に有機太陽電池を設けるので、低コストで軽量な無機質充填材と樹脂とを混合して成形された樹脂製の屋根瓦基材の表面に、有機材料を用いた簡単なプロセスで低コスト・大面積化・軽量化が可能な有機太陽電池を設けることによって、軽量で施工性に優れるものである。
【0043】
また本発明の請求項1の発明は、上記樹脂製の屋根瓦基材の表面に形成された負極と、前記負極の表面に形成された活性層と、前記活性層の表面に形成された正孔輸送層と、前記正孔輸送層の表面に形成された正極と、屋根瓦基材の表面に順に積層された前記の負極と活性層と正孔輸送層と正極とを覆うように形成された保護部材とを備えることによって、有機太陽電池を前記屋根瓦基材の表面に直接形成するので、有機太陽電池を支持するための部材を省いた構造にすることにより、さらに軽量で施工性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 太陽電池付き屋根瓦の参考例を示す概略の断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 屋根瓦基材
2 太陽電池
4 正極
5 正孔輸送層
6 活性層
7 負極
8 保護部材
Claims (1)
- 無機質充填材と樹脂とを混合して成形された樹脂製の屋根瓦基材の表面に形成された負極と、前記負極の表面に形成された活性層と、前記活性層の表面に形成された正孔輸送層と、前記正孔輸送層の表面に形成された正極と、屋根瓦基材の表面に順に積層された前記の負極と活性層と正孔輸送層と正極とを覆うように形成された保護部材とを備えることによって、有機太陽電池を前記屋根瓦基材の表面に直接形成して成ることを特徴とする太陽電池付き屋根瓦。
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