JP4019897B2 - 車両用推奨操作量生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された車両用推奨操作量生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】
特開平10−211886号。
【0003】
運転者の運転を補助することを目的とした発明は、これまで多数出願されている。例えば、上記特許文献では、自車の周囲を走行する周囲車両との相対運動状態に基づいて潜在的危険度(リスクポテンシャル)を定義し、算出された該リスクポテンシャルの値をもとに操舵系への補助トルクの値を調節する装置に関する発明が開示されている。
このような補助装置は、運転者がリスクを伴うことが予想される操作をしようとした場合に、そのような運転操作を抑制する効果を狙った発明であると位置付けることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術に代表される抑制型の補助装置では、ある瞬間において車線変更することが妥当か否かだけを判定すればいいので、両車線のリスクがほぼ同等であるような場合など、車線変更を短い周期で頻繁に繰り返すような操作が算出されてしまう可能性がある。
本発明の目的は、現在走行中の車線と変更先の車線のリスクが同程度になる場面でも、頻繁に車線変更を繰り返す操作が算出されることを防止できる車両用推奨操作量生成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、周囲車両検出手段と、自車状態検出手段と、周囲車両挙動予測手段と、周囲車両検出手段の出力と自車状態検出手段の出力とから自車に対する運転操作の望ましさを算出する評価関数を構成する評価関数構成手段と、周囲車両挙動予測手段の出力と評価関数構成手段の出力とから自車にとって望ましい加減速パターンと車線変更のトリガー信号を計算する推奨操作量演算手段とを備え、周囲車両挙動予測手段は、自車の車線に沿った運動を予測する縦方向モデルと、自車の車線変更に伴う運動を予測する車線変更モデルと、周囲車両の挙動を予測する他車モデルとを有し、評価関数構成手段は、自車と周囲車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する周囲車両評価項と、自車の縦方向の運動を評価する縦方向運動評価項と、自車の車線変更に伴う運動を評価する車線変更評価項の少なくとも三つの項から構成され、車線変更評価項は、車線変更のトリガー信号が頻繁に切り替わるような振動的な解の算出を抑制する振動防止項を含み、前記車線変更のトリガー信号は、左車線に対応する値と右車線に対応する値およびその中間の任意の連続値をとる信号として定義され、前記車線変更モデルは、前記車線変更のトリガー信号を入力とし、前記車線変更のトリガー信号の変化に対して遅延を伴って追従する車線変数を出力することを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、現在走行中の車線と変更先の車線のリスクが同程度になる場面でも、頻繁に車線変更を繰り返す操作が算出されることを防止できる車両用推奨操作量生成装置を実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
《参考例》
本発明の参考例を図1から図5までの図面に基づいて説明する。
図1は、本発明である車両用推奨操作量生成装置を構成するのに必要な第一の実施の形態の一配置図である。
【0008】
図1において、前方レーダー1aは車両前面に取り付けられ、自車両前方に位置する複数の車両の位置を測定する。画像センサ1bも車両前面の適当な位置にとりつけられ、前方レーダー1aの測定情報を補完するとともに、道路上に引かれた車線を検出する。後方レーダー1cは車両背面に取り付けられ、自車両後方に位置する複数の車両の位置を測定する。側方センサ1dは左右の車両側面に一個ずつ取り付けられ、前方レーダーと後方レーダーの死角となる車両側方に位置する車両の位置を検出する。なお、側方センサとしてはレーダーを用いることもできるが、超音波センサや画像センサを用いることができる。
【0009】
車速センサ2は、ロータリーエンコーダーをホイールに取り付けることで実現できる。ホイールの回転速度に応じた周期のパルス列を出力し、車速の計測値を得る。
【0010】
演算部3は、マイクロコンピュータとその周辺部品から構成され、各センサからの信号を内蔵メモリに記録されたプログラムに従って処理し、計算結果を表示装置に送る。
【0011】
表示装置4は、液晶画面などの表示用ディスプレイおよび該ディスプレイに表示する画像を描画するためのマイクロコンピュータとその周辺部品から構成され、演算部3から送られてきた信号を内蔵メモリに記録された描画プログラムに従って処理し、画像をディスプレイに描画することで運転者に情報を提示する。
【0012】
演算部3は、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示すブロック3a〜3cを構成する。
【0013】
図2において、3aは周囲車両挙動予測手段、3bは評価関数構成手段、3cは推奨操作量演算手段、5は車速センサ2と車線検出器としての画像センサ1bにより構成される自車状態検出手段、6は周囲センサ1a〜1dにより構成される周囲車両検出手段、7は周囲車両情報である。周囲車両挙動予測手段3aは、縦方向モデル3a−1、車線変更モデル3a−2、他車モデル3a−3を有する。評価関数構成手段3bは、周囲車両評価項3b−1、縦方向運動評価項3b−2、車線変更評価項3b−3を有する。
【0014】
以下、図3に示すような道路状況における動作の例に基づいて、各ブロック3a〜3cの具体的な構成方法を説明する。
図3は、片側二車線の直線道路を自車(図に示すように、車両0と定義)と3台の他車両(車両1〜3と定義)が走行している場面である。自車は左車線上の先行車よりも速い速度で走行しており、右車線へ車線変更しなければ減速しなければいけない状況にある。一方、右車線上の車両2は自車よりも速い速度で走行しており、車両3は自車とほぼ同じ速度で走行している。簡単のため、他車両である車両1〜3は車線変更を行なわないと仮定する。
【0015】
ここでは、道路の進行方向に沿ってx座標をとり、各車両のx座標の値を表す変数をxiと表記する。ここで、iは0から3までの値をとり、車両を区別するインデックスである。また、各車が走行する車線を識別する変数yiを導入し、yi=−1で左車線を走行している状態を表し、yi=1で右車線を走行している状態を表すものとする。周囲センサ1a〜1dからは周囲車両と自車両との相対的な位置および相対的な速度を得ることができる。従って、座標系の原点を適当に定めれば、自車および各車のx座標の値を具体的に確定することができる。また、周囲センサ1bから得られた車線に関する情報を利用することによって、自車および検出した車両がどの車線上を走行しているかを判別できるので、変数yiの値も具体的に確定することができる。また、車速センサ2からは自車両の縦方向の絶対速度を得ることができるので、自車速に各車の相対速度を加算することで、各車の絶対速度を得ることができる。以上より、センサから得られた全ての周囲車両情報7を次のようなベクトルの形でまとめることができる。
【0016】
【数1】
ただし、vi=xi ・は各車の縦方向の絶対速度を表す。なお、「・」は時間微分を表す。また、括弧( )付きの数式においては「・」は変数の上にあるものとし、上付きの「・」と、変数の上にある「・」は同意とする。
【0017】
周囲車両挙動予測手段3aは、次のように構成される。
まず、自車の車線に沿った運動を予測する縦方向モデル3a−1が構成される。縦方向モデル3a−1としては、次のようなモデルが考えられる。
【0018】
【数2】
ここで、uxは自車に対する加減速の指令信号である。
【0019】
車線変更モデル3a−2としては、ここでは自車の車線変更を表現する指令変数としてuyを導入し、uyの値が−1から1まで連続的に変化することによって車線変更のトリガー信号とする。
【0020】
他車モデル3a−3としては、先行車が存在しない車両については、各車が固有の希望車速vi dを持つものとして、
【0021】
【数3】
というモデルを割り当てる。ここで、kv iは車両iの加減速のパターンを決める定数である。先行車が存在する車両については、
【0022】
【数4】
というモデルを割り当てる。ただし、xp、vpは車両iの先行車に相当する車両の位置と速度を表し、hi、k1 i、k2 iは車両iの追従特性を決める定数である。
【0023】
(2)、(3)、(4)式はいずれも連続時間表現されたモデルであるが、実際の計算においては、以下のような離散時間表現されたモデルを用いることもある。
【0024】
【数5】
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
ただし、kは離散化に伴うステップのインデックス、Δtは離散化の時間間隔である。
【0027】
図3の例の場合、自車には(2)式が、車両1、車両2には(3)式が割り当てられる。車両3に対しては、(4)式が割り当てられるが、車両3の先行車は自車が左車線にいる間は車両2であるが、自車が右車線に車線変更した場合には自車が先行車になる。このような先行車の切り替えを表現するために、次のような簡単な切り替え則を導入する。
【0028】
【数8】
以上が周囲車両挙動予測手段3aの具体的な構成要素である。
【0029】
次に、評価関数構成手段3bについて説明する。
評価関数は、現在から一定時間未来までの車両群の状態と自車に対する操作を評価する関数として定義される。連続時間表現では、
【0030】
【数9】
という形で表現できる。ただし、tは現在の時刻、Tは予測時間の長さを表す。離散時間表現すると、
【0031】
【数10】
となる。ただし、関数Lは運転者の操作に対する評価基準を表現した評価式であり、Nは予測時間Tを離散化によって分割したステップの数である。
【0032】
関数Lの具体的な表現式として、ここでは、縦方向運動評価項3b−2と、周囲車両評価項3b−1と、車線変更評価項3b−3の三つの項を考える。
【0033】
縦方向運動評価項3b−2は、自車の加減速をなるべく小さくするという要請を表現する評価式で構成される。具体的には、連続時間表現では、
【0034】
【数11】
であり、離散時間表現では、
【0035】
【数12】
という式が考えられる。
【0036】
周囲車両評価項3b−1は、自車両と周囲車両との相対的な運動状態を評価する項である。例えば、車両に対する評価項として、
【0037】
【数13】
あるいは、
【0038】
【数14】
のような項を考え、検出車両すべてに対して足し合わせることで周囲車両に対する評価とする。ここで、λyは適当な正のパラメータである。(11)式は自車両が車両iに近づけば近づくほど大きな値をとる関数となっているので、他車両に近づきすぎないという要請を表現したものとなっている。
【0039】
車線変更評価項3b−3としては、ここでは走行する車線の好みを表す走行車線評価項と、安易な車線変更を抑制し、頻繁に車線変更を繰り返すような操作が生成されることを防ぐ振動防止項を考える。
【0040】
走行車線評価項は、車線変更のトリガー信号であるuyの関数として定義され、優先して走行したい車線に対応する評価値を他の車線に対応する評価値よりも低い値に設定することで表現される。特に優先して走行したい車線が存在しない場合には、
【0041】
【数15】
のように対称な関数を設定すればよい。
【0042】
振動防止項としては、車線変更のトリガー信号の変化量を評価する評価式を導入することによって表現することができる。具体的には、
【0043】
【数16】
という評価式などが考えられる。
【0044】
以上のような評価項に適当な重みパラメータを乗じて足し合わせた式を全体の評価式Lとして構成する。すなわち、
【0045】
【数17】
のような構成とする。ここで、nは検出した車両(自車を除く)の総数であり、図3の例の場合、n=3となる。wX、wY1、wY2、wiは各評価項に対する重みパラメータである。
以上が評価関数構成手段3bの具体的な構成である。
【0046】
求めるべき推奨操作量とは、(5)、(6)、(7)式という制約条件のもとで、(10)、(17)式で定義される評価関数を最小にするような操作量の系列ux(k)、uy(k)、k=1,2,…,Nである。このような最適化問題を実際に解いて最適なux(k)、uy(k)を算出する処理を行なうのが、推奨操作量演算手段3cの処理内容である。実際の計算方法としては、例えば遺伝的アルゴリズムのような探索手法を利用することができる。遺伝的アルゴリズムでは、最適な操作量が常に求まるとは限らないが、実用上は評価値が十分に良い操作量系列であれば、必ずしも厳密な意味で最適ではなくても推奨操作量として提示することに問題はない。
【0047】
算出された推奨操作量は、表示装置4に転送されて運転者に提示される。
【0048】
図4に、図3の場面における推奨操作量生成の例を示す。
最初に加速して、車両2との車間距離を広げてから右車線に車線変更する解が得られている。車線変更する近辺では左車線の評価と右車線の評価が接近しているために、車線変更のトリガー信号がきれいに立ち上がらないが、振動防止項の効果によりひどく振動的になることなく、最終的には右車線への車線変更を完了している。
【0049】
まとめとして、全体としての処理の流れを図5のフローチャートに沿って説明する。
ステップ1では、周囲センサ1a〜1dおよび自車状態検出手段5のセンサ信号を読み込む。この時点で各車の速度および自車と周囲車両との相対的な位置を算出し、(1)式のようなベクトルXが算出される。
【0050】
ステップ2では、縦方向モデル3a−1と車線変更モデル3a−2が生成される。具体的には(2)式と車線変更のトリガー信号が初期値を設定された上でメモリー上に読み出される。
【0051】
ステップ3では、検出車両1台ごとに、他車モデル3a−3が生成される。具体的には、(3)、(4)式のモデルが適当に割り当てられたパラメータと対応する初期値とともにメモリー上に生成される。
【0052】
ステップ4では、(17)式に示したような評価式L(k)が構成され、メモリー上に生成される。
【0053】
ステップ5では、ステップ2から4で設定された周囲車両挙動予測手段3aと評価関数で定義される最適化問題を適当な探索手法を用いて解き、推奨操作量を生成する。
【0054】
ステップ6では、生成された推奨操作量を表示装置4に転送して処理を終了する。
【0055】
以上説明したように、本参考例では、自車の周囲車両を検出する周囲車両検出手段6と、自車の状態を検出する自車状態検出手段5と、周囲車両の挙動を予測する周囲車両挙動予測手段3aと、周囲車両検出手段6の出力と自車状態検出手段5の出力とから自車に対する運転操作の望ましさを算出する評価関数を構成する評価関数構成手段3bと、周囲車両挙動予測手段3aの出力と評価関数構成手段3bの出力とから自車にとって望ましい加減速パターンと車線変更のトリガー信号を計算する推奨操作量演算手段3cとを備え、周囲車両挙動予測手段3aは、自車の車線に沿った運動を予測する縦方向モデル3a−1と、自車の車線変更に伴う運動を予測する車線変更モデル3a−2と、周囲車両の挙動を予測する他車モデル3a−3とを有し、評価関数構成手段3bは、自車と周囲車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する周囲車両評価項3b−1と、自車の縦方向の運動を評価する縦方向運動評価項3b−2と、自車の車線変更に伴う運動を評価する車線変更評価項3b−3の少なくとも三つの項から構成され、車線変更評価項3b−3は、車線変更のトリガー信号が頻繁に切り替わるような振動的な解の算出を抑制する振動防止項を含むことを特徴とする。
【0056】
このような構成により、周囲車両の挙動予測に基づいて自車の推奨操作量を算出する装置において、推奨操作量の評価基準の中に、周囲車両との関係によって定まるリスクを評価する周囲車両評価項3b−1だけでなく、車線変更という操作そのものを評価する車線変更評価項3b−3を含み、振動防止項によって車線変更に伴うコストを周囲車両のリスクと同列に並べて評価しているので、車線変更に対して慎重な評価基準が形成され、リスクが同程度になる場面でも頻繁に車線変更を繰り返す操作が算出されることを防止できる。
【0057】
従って、先願の本願発明者らの装置と比較すると、単にリスクが小さくなるような運転操作を算出し、算出された情報を運転者に伝達することによって、運転者にリスクの小さい運転を積極的に促す効果を発揮することができるだけでなく、アルゴリズム設計において現在走行中の車線と車線変更先の車線のリスクを何らかの形で評価する部分が含まれていても、前記振動防止項により評価を補正するため、車線変更を短い周期で頻繁に繰り返すような操作を算出する可能性をなくすことができる。
【0058】
また、振動防止項は、車線変更のトリガー信号と車線変数との偏差を含む項から構成されることを特徴とする。
このように、車線変更のトリガー信号と車線変数の偏差を評価することによって、トリガー信号が変化すること自体にペナルティーがかかるような評価になるので、トリガー信号の立ち上がり(立ち下がり)を抑制すると同時に、立ち上がった(立ち下がった)トリガー信号を保持するような効果が得られ、頻繁に車線変更を指示するような推奨操作量が算出される仕組みを具体的に実現できる。
【0059】
また、車線変更評価項3b−3は、運転者の走行車線に対する希望を反映する走行車線評価項を含むことを特徴とする。
このような構成により、車線変更評価項3b−3の中に走行している車線を評価する走行車線評価項を導入することで、走行する車線によって評価値が変わるようになり、優先して走行したい車線の評価値を他の車線よりも小さくすることで、優先車線として指定した車線への車線変更を指示するような推奨操作量を得やすくすることができる。
【0060】
また、走行車線評価項は、車線変更のトリガー信号の関数として表現されることを特徴とする。
このような構成により、トリガー信号の値が評価されるので、優先車線として指定した車線への車線変更を指令するトリガー信号を得られやすくすることができる。
【0061】
また、走行車線評価項は、車線変数の関数として表現されることを特徴とする。
このような構成により、車線変数の値が評価されるので、優先車線として指定した車線への車線変更を指令するトリガー信号を得られやすくすることができる。
以上が本発明の参考例である。
【0062】
《第一の実施の形態》
本発明の第一の実施の形態を図6の図面に基づいて説明する。
第一の実施の形態における装置の基本的な構成は、参考例と同じであり、図1に示した配置図と図2に示した構成図は同一である。
処理の流れも図5のフローチャートと同一である。
参考例との相違点は、周囲車両挙動予測手段3a、評価関数構成手段3b、推奨操作量生成手段3cそれぞれの構成方法である。以下、図3の場面に基づいて説明する。
【0063】
本実施の形態では、振動的な車線変更の解が算出されることを防止するために、車線変更のトリガー信号uyに遅延を伴って追従する車線変数y0を導入し、uyとy0を
【0064】
【数18】
のようなモデルによって関連付ける。ここで、ωは車線変数y0がトリガー信号uyに追従する速さを決める適当な正の定数である。なお、本実施の形態においては、周囲車両挙動予測手段3a、評価関数ともに連続時間表現で記述する。
【0065】
また、これに伴い車線変更の切り替え処理を(8)式に替わって、次のように改める。
【0066】
【数19】
【0067】
【数20】
ただし、車線変数y0は、−1≦y0≦1の範囲でだけ定義されているものとする。
【0068】
このような切り替え則を導入することで、自車の車線変更に伴って車両3の先行車に相当する変数が連続的に切り替わるようなモデルとすることができる。なお、縦方向モデル(2)と他車モデル(3)は、参考例と同じ構成とする。後の説明で用いるため、周囲車両挙動予測手段3aをまとめて、
【0069】
【数21】
と表記する。本実施の形態では、関数f(X,ux,uy)の具体形は次のようになる。
【0070】
【数22】
車線変数y0の導入に伴い、評価関数の構成も次のように変更する。
本実施の形態では、周囲車両評価項3b−1は、各車線ごとに定義されるリスクを足し合わせることで構成する例を示す。車線ごとのリスクは、該当する車線上を走行する先行車および後続車との相対的な運動状態によって定義する。例えば、先行車までの車間時間(車間距離/速度)の逆数をリスクを表す指標として利用することができる。図3の例の場合、車両1に対するリスクとして、
【0071】
【数23】
を用いることができる。あるいは、先行車との相対速度をリスクとしてより重視したい場合には、先行車までの衝突時間(車間距離/相対速度)をベースとした以下のような指標を用いることもできる。
【0072】
【数24】
ただし、λ、λ0は、適当な正の定数である。
【0073】
図3の例の場合、左車線には車両1だけしか走行していないので、左車線のリスクLL(X)は、
【0074】
【数25】
として表現することができる。
【0075】
右車線の車両についても、構成方法は同様である。車間時間をベースとした指標を用いる場合、
【0076】
【数26】
【0077】
【数27】
というリスクが定義され、衝突時間をベースとした指標を用いる場合には、
【0078】
【数28】
【0079】
【数29】
というリスクが定義される。以上に定義したリスクのいずれかを用いて、右車線のリスクLR(X)を、
【0080】
【数30】
として表現することができる。左車線のリスクLL(X)と右車線のリスクLR(X)を、(18)式で導入した車線変数y0を用いて結合することによって、道路全体のリスクを定義する。
【0081】
車線変数y0を、0とある適当な実数値を両端とする閉区間上に写像する関数であって、車線変数y0の右車線に対応する値を0に写像する左接続関数cL(y0)と、車線変数y0の左車線に対応する値を0に写像する右接続関数cR(y0)とから構成する場合、このような左接続関数cL(y0)と右接続関数cR(y0)を用いて、周囲車両評価項LS(X)を
【0082】
【数31】
のように構成する。接続関数の具体形としては、
【0083】
【数32】
のような関数を挙げることができる。
【0084】
振動防止項は、(16)式のかわりに
【0085】
【数33】
という評価式を利用する。また、この場合、走行車線評価項は、車線に優先度をつけない場合は省略できる。
【0086】
縦方向運動評価項3b−2は、(11)式をここでもそのまま利用することができる。
【0087】
(11)、(31)、(33)式だけでも評価関数を構成することができるが、これ以外の要請として、例えば走行速度に関する要請を表現した評価項を取り入れることができる。例えば、左車線の走行希望車速vd Lが、右車線の走行希望車速がvd Rであったとする。このとき、左車線における自車速度評価項を、現在の車速と希望車速との偏差をとって、
【0088】
【数34】
のように定義する。同様に右車線における速度評価項を
【0089】
【数35】
と定義し、両車線にまたがる速度評価項として、
【0090】
【数36】
を構成することができる。以上をまとめて、全体の評価式Lとして、
【0091】
【数37】
を設定する。ここで、wX、wY、wS、wVは各評価項に対する重みパラメータである。
【0092】
以上のように、周囲車両挙動予測手段3aと評価関数を微分可能性を満たすように構成すると、推奨操作量演算において、関数の微分に基づいて効率的に最適解を探索する最適制御の理論を利用することができる。
【0093】
最適制御の理論では、モデルと同じ次数の補助変数ベクトルe・・が導入され、最適化演算の中で用いられる。なお、「・・」はベクトルを表す。また、括弧( )付きの数式においては「・・」は変数の上にあるものとし、上付きの「・・」と、変数の上にある「・・」は同意とする。
本実施の形態の場合、モデルの次数は12なので、
【0094】
【数38】
という補助変数ベクトルになる。補助変数ベクトルと予測式、評価関数から、次式のような関数(ハミルトニアン)が定義される。
【0095】
【数39】
指令値の時系列ux(τ)、uy(τ)、0≦τ≦Tが評価関数L(τ)を最小にする最適解となるための必要条件は次のように書き下すことができる。
【0096】
【数40】
【0097】
【数41】
【0098】
【数42】
ただし、*は最適解に対応する量であることを示す添え字である。(40)、(41)式は、常微分方程式の二点境界値問題となっており、解くのには工夫が必要である。ここでは仮に、X*とe・・*が計算できたものとして、(42)式からuy *(τ)を算出する過程について説明し、車線変更のトリガー信号が実際には左車線に対応する値と右車線に対応する値の二通りの値しかとらないことを説明する。
【0099】
(22)式で表される予測式と、(37)式で表される評価関数からハミルトニアンを構成した場合、ハミルトニアンを構成する項の中でuy(τ)に関係する項だけを抜粋して書くと、次のようになる。
【0100】
【数43】
従って、(42)式より最適解uy *は次のように算出される。
【0101】
【数44】
以上より、車線変更のトリガー信号は、連続的な値をとる信号として定義されていても、実際には二通りの値だけをとる不連続な信号となる。
【0102】
二点境界値問題の解法も含む最適制御問題全体の解法については、例えば、文献1:加藤寛一郎著 工学的最適制御 非線形へのアプローチ、文献2:T. Ohtsuka, ''Continuation/GMRES method for fast algorithm of nonlinear receding horizon control'' Proc. 39th IEEE Conference on Decision and Control, pp.766-771, 2000. などに具体的な計算方法が示されているので、そのような方法を用いて推奨操作量の演算を実行することができる。
【0103】
図6に、図3の場面における推奨操作量生成の例を示す。
最初に加速して、車両2との車間距離を広げてから右車線に車線変更する解が得られている、という点では参考例と同様であるが、(44)式よりトリガー信号が二値に限定されるので、車線変更のトリガーが明確になったことと、速度評価項を導入して右車線に左車線よりも高い希望速度を割り当てたことにより、車線変更した後も加速操作が持続しているという点で異なる結果が得られている。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態では、車線変更のトリガー信号は、左車線に対応する値と右車線に対応する値およびその中間の任意の連続値をとる信号として定義され、車線変更モデル3a−2は、車線変更のトリガー信号を入力とし、車線変更のトリガー信号の変化に対して遅延を伴って追従する車線変数を出力することを特徴とする。
【0105】
このような構成により、車線変更モデル3a−2によってトリガー信号に遅延して連続的に追従する車線変数が生成されるので、車線変数を用いて周囲車両との位置を評価すると、滑らかな評価関数が構成できるので、推奨操作量演算によって算出されるトリガー信号が不連続的に変化する場合でも、加減速パターンが不連続に変化する悪影響を改善してより滑らかで自然な操作量を算出することができる。
【0106】
また、周囲車両評価項3b−1は、左車線上にいる車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する左車線評価項と、右車線上にいる車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する右車線評価項と、車線変数を、0とある適当な実数値を両端とする閉区間上に写像する関数であって、車線変数の右車線に対応する値を0に写像する左接続関数と、車線変数の左車線に対応する値を0に写像する右接続関数とからなり、左車線評価項と左接続関数との積と、右車線評価項と右接続関数の積との和として構成することを特徴とする。
【0107】
このような構成により、車線変数を用いた連続関数で左車線のリスクを表す関数と右車線のリスクを表す関数を連結することで周囲車両によるリスクを評価する周囲車両評価項を構成しているので、各車線ごとにリスクを定義することによって簡便に両車線のリスクを評価する連続関数を構成することができる。
【0108】
また、左接続関数および右接続関数は、微分可能な単調増加または単調減少関数であって、定義域において微分係数が0にならないことを特徴とする。
このような構成により、微分可能で微分係数が0にならない関数を用いて接続関数を構成しているので、推奨操作量演算において評価関数の微分情報を利用できるようになり、効率的な計算方法を用いて推奨操作量を計算することができる。
【0109】
また、縦方向運動評価項3b−2は、自車が左車線上にいる場合の縦方向の運動を評価する項と、自車が右車線上にいる場合の縦方向の運動を評価する項を、それぞれ左接続関数と右接続関数との積をとって足し合わせた項として構成することを特徴とする。
このような構成により、接続関数によって二つの縦方向運動評価項3b−2を連結することができるので、走行する車線によって望ましい加減速のパターンを変化させることができる。
【0110】
また、評価関数構成手段3bは、自車の速度を評価する自車速評価項を含み、自車速評価項は、自車が左車線上にいる場合に自車の速度を評価する項と、自車が右車線上にいる場合に自車の速度を評価する項を、それぞれ左接続関数と右接続関数との積をとって足し合わせた項として構成することを特徴とする。
このような構成により、接続関数によって二つの自車速評価項を連結することができるので、走行する車線によって望ましい走行車速を切り替えることができる。
【0111】
以上が本発明の第一の実施の形態である。
【0112】
《第二の実施の形態》
本発明の第二の実施の形態を図7および図8の図面に基づいて説明する。
第二の実施の形態における装置の基本的な構成は参考例、第一の実施の形態と同じであり、図1に示した配置図と図2に示した構成図は同一である。
【0113】
処理の流れも図5のフローチャートと同一である。
【0114】
周囲車両挙動予測手段3aの構成についても第一の実施の形態と同一である。評価関数構成手段3b、推奨操作量演算手段3cも基本的には第一の実施の形態と同様な要素で構成されるが、若干の相違点があるので、以下、相違点について、図3の場面に基づいて説明する。
【0115】
評価関数については、第一の実施の形態では走行車線に優先度をつけなかったため、走行車線評価項を省略した実施の形態を示した。ここでは、右車線に優先度をつけた場合の走行車線評価項の構成について示す。右車線に優先度をつけたい場合には、右車線を走行した場合の評価値が左車線を走行した場合の評価値よりも低くなるような評価項を導入すればよい。評価項の例としては、トリガー信号を評価するなら、
【0116】
【数45】
という評価項となり、車線信号を評価するなら、
【0117】
【数46】
という評価項とすればよい。どちらの評価項を用いるかで、推奨操作量演算の手順に若干の違いが生じるものの、得られる効果はほぼ同じである。
【0118】
また、第一の実施の形態では、左車線と右車線で希望速度が異なる場合の評価関数の構成方法を示したが、左車線と右車線で異なる加減速の評価を設定することもできる。そのような設定を利用することで、例えば、右車線ではより大きな加減速を許容するような特性を作ることができる。そのような特性は、重みパラメータを含む縦方向運動評価項を
【0119】
【数47】
のように構成し、左車線と右車線で重みパラメータの値が変わるような構成とすればよい。
【0120】
以上のような修正を加えると、評価式Lは、
【0121】
【数48】
のように構成される。
【0122】
評価関数の中に振動防止項を含めているので、それだけでもトリガー信号が頻繁に左車線と右車線の間で切り替わるような現象はかなり防止することができる。しかし、評価関数に設定する重みパラメータや自車が置かれた周囲条件によっては、振動防止項だけでは抑えきれずにトリガー信号の頻繁な切り替えが起こってしまう場合がある。そのようなトリガー信号の振動を完全に防止するために、以下のように推奨操作量演算手段3cに若干の修正を施す方法がある。
【0123】
以下、図7に基づいて説明する。
今、図3のような場面において、図7のAに示したような推奨操作量が計算されたとする。Aに示した推奨操作量は最初に左車線の走行を指示し、最終的には右車線への車線変更を指示する操作量となっているが、途中で左車線と右車線を頻繁に往復するようなトリガー信号が生成されている。このようなトリガー信号の振動を含む解は、そのままでは推奨操作量として提示するのにふさわしくない。そこで、最初にトリガー信号の変化した時刻τ1から所定の時間T1の間は、トリガー信号を固定する。そのような拘束条件を設定した上で再度推奨操作量演算を実行し、得られた解を修正する。新たに得られた解は拘束条件が課せられているので、拘束条件を設定した区間についてはトリガー信号の振動は起こりえない。拘束条件を設定した区間外で振動が発生している場合には、振動が発生した時刻から再度拘束条件を課して推奨操作量演算を実行する、という手順を繰り返せば、最終的には時間間隔T1よりも短い周期でトリガー信号が振動するような解は除去され、図7のBに示したような振動の少ない、あるいは、まったくない解を得ることができる。
【0124】
以上に説明した処理をフローチャートにまとめると、図8のようになる。
ステップ1では、拘束をつけずに推奨操作量演算を行なう(図5のフローチャートのステップ5に相当)。ステップ2で得られた車線変更のトリガー信号のパターンをチェックして、トリガー信号が二度以上変化しているか否かを調べる。
二度以上の変化がなければ、トリガー信号の振動は起こりえないので、ステップ6へ進み、得られたステップ1で得られた推奨操作量をそのまま演算結果として出力する。
二度以上変化があった場合には、ステップ3へ進み、トリガー信号の変化の間隔がT1以上離れているかどうかをチェックする。
離れていれば、トリガー信号は振動状態ではないと判定し、ステップ6へ進み結果を出力する。
トリガー信号の変化の間隔がT1よりも小さい場合には、トリガー信号が振動状態にあると判断し、ステップ4に進む。
ステップ4では、変化の間隔がT1よりも小さくなった区間で最初にトリガー信号が変化した時刻からT1の間だけ、トリガー信号の変化を禁止するような拘束を設定し、ステップ5で拘束つきの推奨操作量演算を行い、得られた結果をステップ3にもどって再度チェックする。
【0125】
以上説明したように、本実施の形態では、推奨操作量演算手段3cは、車線変更のトリガー信号が二回以上変化するような推奨操作量が得られた場合には、車線変更のトリガー信号の変化の時間間隔が所定の時間以上になるように推奨操作量を補正することを特徴とする。
このような構成により、振動防止項だけでは抑えきれないほど振動的な車線変更指令が得られた場合に、トリガー信号を直接修正することで、トリガー信号の頻繁な変動を防止することができる。
以上が本発明の第二の実施の形態である。
【0126】
以上本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の車両用推奨操作量生成装置も一配置図である。
【図2】 本発明の参考例における演算部のソフトウェアブロックを示す図である。
【図3】 本発明の参考例の適用場面の一例を示す図である。
【図4】 本発明の参考例における推奨操作量計算の結果の例を示した図である。
【図5】 本発明の参考例の処理のフローチャートを示した図である。
【図6】 本発明の第一の実施の形態における推奨操作量計算の結果の例を示した図である。
【図7】 本発明の第二の実施の形態における車線変更トリガー信号の修正例を示した図である。
【図8】 本発明の第二の実施の形態における車線変更トリガー信号の修正処理のフローチャートを示した図である。
Claims (10)
- 自車の周囲車両を検出する周囲車両検出手段と、
前記自車の状態を検出する自車状態検出手段と、
前記周囲車両の挙動を予測する周囲車両挙動予測手段と、
前記周囲車両検出手段の出力と前記自車状態検出手段の出力とから前記自車に対する運転操作の望ましさを算出する評価関数を構成する評価関数構成手段と、
前記周囲車両挙動予測手段の出力と前記評価関数構成手段の出力とから前記自車にとって望ましい加減速パターンと車線変更のトリガー信号を計算する推奨操作量演算手段と、を備えた車両用推奨操作量生成装置であって、
前記周囲車両挙動予測手段は、
前記自車の車線に沿った運動を予測する縦方向モデルと、
前記自車の車線変更に伴う運動を予測する車線変更モデルと、
前記周囲車両の挙動を予測する他車モデルとを有し、
前記評価関数構成手段は、
前記自車と前記周囲車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する周囲車両評価項と、
前記自車の縦方向の運動を評価する縦方向運動評価項と、
前記自車の車線変更に伴う運動を評価する車線変更評価項の少なくとも三つの項から構成され、
前記車線変更評価項は、
前記車線変更のトリガー信号が頻繁に切り替わるような振動的な解の算出を抑制する振動防止項を含み、
前記車線変更のトリガー信号は、
左車線に対応する値と右車線に対応する値およびその中間の任意の連続値をとる信号として定義され、
前記車線変更モデルは、前記車線変更のトリガー信号を入力とし、
前記車線変更のトリガー信号の変化に対して遅延を伴って追従する車線変数を出力することを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項1記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記振動防止項は、
前記車線変更のトリガー信号と前記車線変数との偏差を含む項から構成されることを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項1または2記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記周囲車両評価項は、
左車線上にいる車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する左車線評価項と、
右車線上にいる車両との相対的な位置、速度の関係の少なくとも一方を評価する右車線評価項と、
前記車線変数を、0とある適当な実数値を両端とする閉区間上に写像する関数であって、
前記車線変数の右車線に対応する値を0に写像する左接続関数と、
前記車線変数の左車線に対応する値を0に写像する右接続関数と、からなり、
前記左車線評価項と前記左接続関数との積と、前記右車線評価項と前記右接続関数の積との和として構成することを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項3記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記左接続関数および前記右接続関数は、
微分可能な単調増加または単調減少関数であって、
定義域において微分係数が0にならないことを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項3または4記載の車両用推奨操作量生成装置において、
縦方向運動評価項は、
自車が左車線上にいる場合の縦方向の運動を評価する項と、
自車が右車線上にいる場合の縦方向の運動を評価する項を、
それぞれ左接続関数と右接続関数との積をとって足し合わせた項として構成することを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項3ないし5のいずれか記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記評価関数構成手段は、
前記自車の速度を評価する自車速評価項を含み、
前記自車速評価項は、
前記自車が左車線上にいる場合に前記自車の速度を評価する項と、
前記自車が右車線上にいる場合に前記自車の速度を評価する項を、
それぞれ前記左接続関数と前記右接続関数との積をとって足し合わせた項として構成することを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項1ないし6のいずれか記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記車線変更評価項は、
運転者の走行車線に対する希望を反映する走行車線評価項を含むことを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項7記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記走行車線評価項は、
前記車線変更のトリガー信号の関数として表現されることを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項7記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記走行車線評価項は、
前記車線変数の関数として表現されることを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。 - 請求項1ないし9のいずれか記載の車両用推奨操作量生成装置において、
前記推奨操作量演算手段は、
前記車線変更のトリガー信号が二回以上変化するような推奨操作量が得られた場合には、
前記車線変更のトリガー信号の変化の時間間隔が所定の時間以上になるように前記推奨操作量を補正することを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。
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