JP3843512B2 - 車速制御方法および車速制御装置 - Google Patents

車速制御方法および車速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された速度での車両走行中に、前方に料金所等における渋滞車両が出現した場合に行われる車速制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
先行車との車間距離や相対速度を測定して、車間距離を一定に保つ車両用走行制御装置は周知である。
このような装置では、先行車までの距離を測定するための先行車検出装置を必ず備えている。このような先行車検出装置としては、従来より、レーザレーダ装置が用いられている。しかし、このレーザレーダ装置から照射されるレーザビームの方向が固定されていると、カーブ走行中は、自車線上を遠方まで照射することができず、路肩の看板やリフレクタ等に加えて他車線走行している車両を、先行車として検出してしまうことがあった。
【0003】
そこで、従来より、レーザビームを所定範囲内で走査するスキャン型レーザレーダが提案されている。更にカーブ検出手段を用いて、スキャン型レーザレーダで検知した障害物が、自車と同一車線上の車両かどうかを判断する先行車判定も考えられている。例えば、特開平4−248489号公報に開示された先行車検出装置では、ステアリング操舵角から算出したカーブ半径Rに基づいて、先行車かどうかを判断している。
【0004】
しかしながら、このカーブ半径Rと実際の道路のカーブとの間にずれがあると、簡単に先行車を見失ったり、先行車以外のものを誤って先行車と認識することが有り、実用上問題である。
これ以外に、例えば、特開平6−176300号公報に開示された先行車検出装置では、先行車らしさを確率で表す先行車確度という独特の概念を導入して、いる。このような先行車確度という概念をスキャン型にも適用すれば、先行車を簡単に見失うことなく、快適で安全な車間制御ができることが予想される。
【0005】
しかし、特開平6−176300号公報で用いているレーザレーダは固定ビーム方式である。したがって、前記先行車確度は、車幅方向の情報が一切無い、すなわち先行車が車幅方向に移動するとデータが無くなることを前提として処理されている。
【0006】
スキャン型では車幅方向の相対位置等が分かるので、前記特開平6−176300号公報の概念とはまったく異なり、先行車が車幅方向に移動してもデータが無くなるわけではなく、また複数の先行車のデータも同時に得られることから、前記特開平6−176300号公報の先行車確度という概念は、スキャン型の先行車検出装置には、まったく適用することはできない。
【0007】
このため、特開平8−279099号公報に示されているごとく、スキャン型にて先行車を適切に選択して車間制御するための新しい自車線確率という概念が提案され、快適で安全な車間制御ができる車間距離制御装置が実現されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
自車線確率による判断は、前方物体の状況を繰り返し確認することにより、次第に正確な判断ができるものであるために、先行車であると判断するほど自車線確率が上昇するまでには、時間を要する。
【0009】
このため、料金所等における渋滞車両のように、自車の通行が不可能なほどの停止物が前方に存在する場合には、先行車の判明有無に関らず、通行できないことが判った時点で早期に減速処理等の対策を採ることが重要である。
しかし、前述した従来技術では、前方物体を認識した後に、自車線確率に基づいて先行車を特定した後、自車速の制御を行っている。このため、前述した料金所の手前などの、建物や停止車両が混在する場面では、多数の物体が存在して、その内のいずれが先行車かを判断するのに時間がかかり、減速制御等の適切な制御の実行が遅れるという問題があった。
【0010】
本発明は、料金所等が渋滞であるために通行不可能である状況を迅速に判断して、早期に減速制御等の適切な処理を採ることができる車速制御方法、車速制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び効果】
本発明の車速制御方法は、測距手段により検出された前方物体から自車の走行に影響する移動物または停止物を先行車として選択して、該先行車との相対位置関係に基づいて自車の速度を調整する先行車追従処理を行う車速制御方法において、
前記前方物体として前記停止物が複数検出されたか否かを判定し、
前記停止物が複数検出されないと判定した場合には、前記先行車追従処理により自車の速度を調整し、
一方、前記停止物が複数検出されたと判定した場合には、近接している前記停止物同士を一つの連続した停止物とみなし、その停止物の状態から自車が該停止物の位置を通行可能か否かを判定する通行可不可判定処理を行い、
該通行可不可判定処理にて通行不可であると判定されると、加速停止制御、減速制御、または警告信号出力制御を行うことを特徴とする。
【0012】
ここで、通行可不可判定処理は、単に、停止物の状態から自車が通行可能か否かを判定しているため、前方物体を繰り返し検出して次第に先行車を確定してゆく処理をしていない。
また、特に、通行不可能なのは、通常、料金所等で多数の停止物(料金所の建物や停止車両など)が存在する場合であることから、通行可不可判定処理は、停止物が複数検出された場合になされるようにしている。
このため、停止物が複数存在した場合に、前方物体を繰り返し検出しなくても直ちに通行の可不可を判断でき、加速停止制御、減速制御、または警告信号出力制御を迅速に実行することができる。
【0013】
また、停止物同士が近接している場合には、自車はその間を通行することはできないので、通行可不可判定処理では、近接した停止物を一つの連続した停止物とみなして通行可能か否かを判定するようにしている。このため、通行可能か否かを判断する停止物のデータ数が少なくなるので、一層判定処理も迅速となる。
【0014】
前記停止物同士が近接しているか否かの判定は、停止物間の距離が所定距離以下あるいは自車から見た停止物間の角度が所定角度以下の場合に、近接していると判定する方法を用いても良い。
また、近接している停止物同士を一つの連続した停止物と見なした結果、得られた停止物の幅が所定幅より小さい場合には、通行可能と判定することとしても良い。他の停止物と十分に離れて存在する幅の狭い停止物は、十分に避けることが可能な停止物であると判断でき、更に、もっと幅の広くて自車の走行に影響を及ぼす停止物についての判断を迅速にすべきだからである。
【0015】
尚、前記先行車追従処理は、先行車の選択において、測距手段により検出された前方物体と自車との相対位置関係に基づいて、前方物体が自車の走行に影響する確率を繰り返し求め、該確率に基づいて先行車とすべき前方物体を選択するものであっても良く。前述したごとくの停止物が見つからない場合に、先行車を適切に決定でき、精度の高い追従制御が可能となる。
【0016】
上述した車速制御方法を、車速制御装置として実現する場合は、例えば次のような構成が挙げられる。
すなわち、
自車の速度を検出する車速検出手段と、
車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能な測距手段と、
該測距手段によって検出された距離および対応するスキャン角度に基づいて、自車に対する前記物体の相対位置を算出すると共に、自車に対する前記物体の相対速度を算出する物体認識手段と、
前記自車の走行路のカーブデータを求めるカーブ検出手段と、
前記物体認識手段による算出結果と、前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータと、に基づいて車間距離を制御すべき先行車を選択し、前記車速検出手段により検出された自車の速度を制御して、前記先行車との車間距離を制御する先行車追従処理手段と、
を備えた車速制御装置であって、
前記物体認識手段にて求められた前記相対速度に基づいて、前記物体の内、自車の走行に影響する停止物を抽出する停止物抽出手段と、
前記停止物抽出手段にて抽出された停止物が複数存在するか否かを判定する停止物数判定手段と、
該停止物数判定手段にて前記停止物が複数存在すると判定された場合に、前記複数存在する停止物の内で、近接している停止物同士を1つの連続した停止物とみなすための処理を行う停止物接続手段と、
該停止物接続手段により前記複数の停止物が処理されると、処理された後の停止物の相対位置と、前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータとに基づいて、前記停止物の位置を自車が通行可能か否かを検出する通行不可物検出手段と、
該通行不可物検出手段にて通行不可能であると検出された場合には、加速停止制御または減速制御を行う車速制御手段と、
を備え
前記停止物数判定手段にて前記停止物が複数存在しないと判定された場合には、前記先行車追従処理手段にて、自車の速度を制御することを特徴とする車速制御装置である。
【0019】
前記停止物接続手段は、
前記停止物抽出手段にて抽出された停止物間の距離が所定距離以下あるいは自車から見た停止物間の角度が所定角度以下の場合に、該当する停止物同士は近接していると判定するものであっても良い。
【0020】
更に、
前記停止物抽出手段にて抽出され、前記停止物接続手段にて処理された後の停止物について、前記測距手段によって検出された距離および対応するスキャン角度に基づいて各停止物の幅を検出する幅検出手段と、
前記幅検出手段にて検出された停止物の幅の内、所定幅より小さい停止物は、通行可能と判定する幅判定手段と、
を備えるものであっても良い。
【0021】
更に、
警報信号出力手段と、
前記通行不可物検出手段にて通行不可能であると検出された場合には、前記警報手段により警報信号を出力させる警報手段と、
を備えるものであっても良い。このことにより車速制御装置による制御とともに、運転者に通行不可能であることを伝達して、適切な処理を採らせることができる。
【0022】
また、前記車速制御手段の代りに、
警報信号出力手段と、
前記通行不可物検出手段にて通行不可能であると検出された場合には、前記警報手段により警報信号を出力させる警報手段と、
を備えることとしても良い。この場合は、車速制御装置が直接車速を制御するのではなく運転者に適切な処理を実行させることになる。
【0023】
更に、
前記先行車追従処理手段は、
前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータと前記物体認識手段によって算出された物体の相対位置とに基づいて、前記物体が自車と同一車線上にいる確率を求める自車線確率算出手段と、
該自車線確率算出手段によって求められた確率に基づいて、前記先行車を選択する先行車選択手段と、
前記車速検出手段により検出された自車の速度を調節して、前記先行車選択手段にて選択された先行車との車間距離を制御する車間距離制御手段と、
から構成してもよい。
【0024】
尚、既に述べた測距手段は、車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能なものである。
したがって、物体認識手段は、測距手段によって検出された距離および対応するスキャン角度に基づいて、自車に対する前記物体の相対位置を算出すると共に、自車に対する前記物体の相対速度を算出する。
【0025】
そして、カーブ検出手段は、前記自車の走行路のカーブデータを求める。このカーブデータとしては、例えば走行路のカーブ半径Rを求める。このカーブ半径Rは画像検出手段にて捉えたデータを画像処理してカーブ半径Rを求めることができるが、後述するごとく、操舵角センサ等により操舵角の変化を求めて決定することもできる。
【0026】
そして、新たに加えられた自車線確率算出手段は、該カーブ検出手段によって求められた前記カーブデータと前記物体認識手段によって算出された前記物体の相対位置とに基づいて、前記物体が自車と同一車線上にいる確率を求める。自車の走行路、すなわち自車線のカーブの状態が、カーブ検出手段により判明したので、その自車線上に、測距手段がスキャンにより2次元的に位置が判明した物体を配置して、その配置により各物体の自車線上にいる確率が判明する。
【0027】
先行車選択手段は、該自車線確率算出手段によって求められた確率に基づいて、車間距離制御すべき先行車を選択する。
このことにより、先行車が決定し、車間距離制御手段は、前述したような停止物が検出されていない場合には、前記車速検出手段により検出された自車の速度を調節して、前記先行車選択手段にて選択された先行車との車間距離を制御する。
【0028】
こうして、スキャンタイプの測距手段を用いて、前述したような停止物が検出されていない場合にも、先行車を適切に選択することができるので、快適で安全な車間制御ができる。
操舵角によるカーブ検出手段は、例えば、次のように構成することができる。
【0029】
すなわち、所定周期で検出操舵角を求める操舵角検出手段と、前回算出された平均操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて時間平均処理を行って新しい平均操舵角を算出する平均操舵角算出手段と、前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角の変化状態から自車の直進状態を判定する直進状態判定手段と、前記直進状態判定手段にて、自車が直進状態であると判定された期間に、前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角に基づいて、直進時の操舵角を学習する直進時操舵角学習手段と、前記直進時操舵角学習手段で学習して得られた直進時の操舵角と前記平均操舵角算出手段にて算出された平均操舵角との偏差に基づいて、走行路のカーブデータを求めるカーブ状態検出手段と、を備えたものである。
【0030】
このことにより、絶対的操舵角が分からないタイプの操舵角検出手段であっても、自車の直進状態の操舵角が学習により判明し、その学習した直進時の操舵角と実際に検出されている操舵角との偏差に基づいて、走行路のカーブデータ、例えばカーブ半径Rが判明する。特に、平均操舵角と、実際の操舵角を学習して得られた直進時の操舵角との偏差を計算しているので、より信頼性の高いカーブデータが得られる。
【0031】
前記平均操舵角算出手段が、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上の場合に、前回算出された平均操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて時間平均処理を行って新しい平均操舵角を算出し、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度未満の場合に、前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角を新しい平均操舵角とするように構成しても良い。低速の場合は、急なカーブを走行している場合が有り、極めて高い応答性が要求されるので、検出操舵角をそのまま平均操舵角としている。このことにより、いかなる速度でも走行路のカーブデータを検出するために必要な操舵角を、平均操舵角として得ることができる。
【0032】
また、更に、
前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角に基づいて操舵角が安定しているか否かを判定する操舵角安定判定手段を有すると共に、
前記平均操舵角算出手段が、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上であり前記操舵角安定判定手段により操舵角が安定していると判定された場合に、前回算出された平均操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて検出操舵角に対して所定の追随性で時間平均処理を行って新しい平均操舵角を算出し、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上であり前記操舵角安定判定手段により操舵角が安定していないと判定された場合に、前回算出された平均操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて前記所定の追随性よりも高い追随性で時間平均処理を行って新しい平均操舵角を算出し、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度未満の場合に、前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角を新しい平均操舵角とするものとしても良い。
【0033】
ある程度、自車の速度が高い場合に、操舵角が安定していれば、検出操舵角に対して所定の追随性で時間平均処理を行って新しい平均操舵角を算出し、操舵角が安定していなければ、前記追随性より高い追随性にて新しい平均操舵角を算出する。このことにより、カーブの出入口にて操舵角の変化の大きい際には、迅速に平均操舵角を変化させた方がハンドルを回転させている時なので正確に操舵角を現す。一方、直進路やカーブの最中のような場合には、追随性を低下させる方がハンドルの振れに影響されずに正確に操舵角を現す。このことにより、どのような操舵状態でも正確な操舵角が検出できる。
【0034】
この操舵角の安定は、例えば次のようにして判断することができる。
すなわち、更に、前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角の変化が所定変化以上であるか否かを判定する検出操舵角変化判定手段を有すると共に、
前記操舵角安定判定手段が、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上であって前記検出操舵角変化判定手段にて所定変化以上の変化であると判定された時から、所定時間以内は操舵角が安定していないと判定し、それ以外の期間は操舵角が安定していると判定するものとしても良い。
【0035】
ある程度以上の車速が有り、検出操舵角が所定変化以上であれば、カーブの入り口か出口を走行しているものと考えられ、操舵は変化している最中であるので、この状態である期間と、その状態から所定時間以内もまだ操舵は安定していないと判定されるからである。
【0036】
尚、検出操舵角が所定変化は、次のように求めても良い。
すなわち、更に、前回算出された変化チェック用操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて時間平均処理を行って新しい変化チェック用操舵角を算出する変化チェック用操舵角算出手段を有すると共に、
前記検出操舵角変化判定手段が、前記変化チェック用操舵角算出手段により算出された変化チェック用操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角との偏差が所定値以上の場合に、前記検出操舵角の変化が所定変化以上であると判定するものとしても良い。
【0037】
また、変化チェック用操舵角は、カーブの出入口や低速の場合は、操舵の状態を考慮して検出操舵角への追随性を高くしても良い。更にこの内でもカーブの出入口では特に迅速に安定した操舵角へ、変化チェック用操舵角を持って行くために、次に示すように低速の場合よりも検出操舵角への追随性を高くする。
【0038】
すなわち、前記変化チェック用操舵角算出手段が、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上であり前記操舵角安定判定手段により操舵角が安定していると判定された場合に、前回算出された変化チェック用操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて検出操舵角に対して所定の追随性で時間平均処理を行って新しい変化チェック用操舵角を算出し、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上であり前記操舵角安定判定手段により操舵角が安定していないと判定された場合に、前回算出された変化チェック用操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて前記所定の追随性よりも高い第2の追随性で時間平均処理を行って新しい変化チェック用操舵角を算出し、前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度未満の場合に、前回算出された変化チェック用操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて前記所定の追随性と前記第2の追随性との間の追随性である第3の追随性で時間平均処理を行って新しい変化チェック用操舵角を算出するものとしても良い。
【0039】
また、車間距離制御装置は、更に、
前記車速検出手段により検出された自車の速度が所定速度以上であって前記検出操舵角変化判定手段にて所定変化以上の変化であると判定された時から、所定時間以上経過しており、かつ前記変化チェック用操舵角算出手段により算出された変化チェック用操舵角と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角との偏差が所定値以下の場合に、学習を許可する学習許可手段を有すると共に、
前記直進時操舵角学習手段が、前記学習許可手段にて学習が許可されている場合に、前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角に基づいて直進時の操舵角を学習するものとしても良い。
【0040】
学習許可手段が許可している条件は、操舵角が特に安定している条件であり、この条件下では、自車は直進路を走行しているものと確度高く推定されることから、この時に直進時操舵角学習手段にて検出操舵角をセンターの操舵角として学習させるのである。
【0041】
また、前記直進時操舵角学習手段が、
前回算出された直進時操舵角学習値と前記操舵角検出手段にて検出された検出操舵角とに基づいて時間平均処理を行って新しい直進時操舵角学習値を算出するとともに、該時間平均処理が、時間の経過と共に、前回算出された直進時操舵角学習値の重み付けを大きい方向へ変化させるものとしても良い。
【0042】
すなわち、最初は、検出操舵角をセンターの操舵角(直進時の操舵角)として学習するが、長時間にわたって学習すれば、その値は、センターの操舵角としての確度が高くなるので、そのために、検出操舵角への追随性を時間と共に低下させている。
【0043】
また、前記時間平均処理が、前記車速検出手段にて検出された自車の速度が高いほど、前回算出された直進時操舵角学習値の重み付けの変化を大きくするものとしても良い。車速が高いほど時間当りの直進路の走行距離が長くなり学習量が増大するからである。また、高速なほど操舵量が少なく操舵が安定しているからである。
【0044】
また、前記カーブ状態検出手段が、前記車速検出手段にて検出された自車の速度が所定速度以上であって前記直進時操舵角学習手段による学習がある程度以上実行された場合に、前記直進時操舵角学習手段で学習して得られた直進時の操舵角と前記平均操舵角算出手段にて算出された平均操舵角との偏差に基づいて走行路のカーブ状態を求め、前記車速検出手段にて検出された自車の速度が所定速度以上であって前記直進時操舵角学習手段による学習がある程度以上実行された場合以外では、前記偏差を減少補正して、たとえば0として走行路のカーブ状態を求めるものとしても良い。所定速度以上の安定した走行をしていない場合、あるいは直進時操舵角学習手段による学習がある程度以上実行されていない場合には、カーブデータとしての正確な操舵角は算出できないので、前記偏差を減少させているのである。
【0045】
前記自車線確率算出手段は、
直進路において前方に存在する物体が自車線上に存在する確率を示す2次元マップと、前記物体認識手段によって算出された前記物体の相対位置を、前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータにより、直進路に該当する相対位置に変換する直進路変換手段と、前記直進路変換手段にて変換された前記物体の相対位置を、前記2次元マップに当てはめて、前記物体が自車線上に存在する瞬時の確率を求める瞬時確率検出手段とを備えたものとしても良い。
【0046】
前記2次元マップは一つでも、直進路変換手段にて、前記物体の相対位置をカーブデータに基づいて直進路に該当する相対位置に変換している。したがって、瞬時確率検出手段は、前記物体の相対位置を2次元マップに当てはめるだけで、前記物体が自車線上に存在する瞬時の確率を求めることができる。
【0047】
前記瞬時の確率は変動しているので、前記自車線確率算出手段は、更に、前回算出された確率と前記瞬時確率検出手段にて求められた瞬時の確率とに基づいて時間平均処理を行って新しい確率を算出する確率算出手段を有しても良い。
また、前記確率算出手段が、前記瞬時確率検出手段にて求められた瞬時の確率が所定確率以上の場合は、該所定確率以下の場合に比較して、時間平均処理に際して、前記瞬時の確率の重み付けを大きくするものとしても良い。これは、自車の前方への割込車両があった場合に、迅速に対処できるようにするためである。
【0048】
また、前記確率算出手段は、更に、停止物の場合に、算出される確率に上限を設けても良い。
前記2次元マップは、所定値未満の確率が、自車の直進方向を中心として左右に行くほど次第に低くなり、かつ前方に行くほど左右に広がる分布を表し、前記所定値以上の確率が、前方に行くほど左右への広がりが狭まって所定距離で分布が無くなる分布を表すものとしても良い。
【0049】
更に、前記所定値未満の確率の前方に行くほど左右に広がる分布が、内に膨らんだ円弧状に広がるものとしても良い。また、前記所定値未満の確率の前方に行くほど左右に広がる分布が、前方への距離の二乗に比例して設定されても良い。更に、所定値以上の確率が、前方に行くほど左右への広がりが外に膨らんだ円弧状に狭まるものとしても良い。また、所定値以上の確率が、前方に行くほど左右への広がりが直線状に狭まるものとしても良い。
【0050】
ここで、所定値とは、0〜100%の間のある値であり、例えば100%である。
前記先行車選択手段は、次のような構成を有することにより、先行車を選択することができる。
【0051】
すなわち、移動物先行車候補検出手段は、第1所定確率以上の移動物の内で確率が最大の物体を基準確率として選択し、該基準確率に対して所定範囲内にある確率の物体および第2所定確率以上の確率の物体の内で最も自車との距離が近い物体を移動先行車候補とし、前記基準確率が選択できない場合には、移動先行車候補無しとする。停止先行車候補検出手段は、第3所定確率以上の停止物の内で最も自車との距離が近い物体を停止先行車候補とし、第3所定確率以上の停止物が無い場合には停止先行車候補無しとする。先行車選択手段は、前記移動物先行車候補検出手段と前記停止先行車候補検出手段とにより、前記移動先行車候補および停止先行車候補の両者が得られた場合には、自車との距離が近い方を先行車とし、前記移動先行車候補および停止先行車候補のいずれかが得られた場合には、その候補を先行車とし、前記移動先行車候補および停止先行車候補のいずれも得られなかった場合には、先行車なしとする。
【0052】
尚、前記第1所定確率は、前記カーブ検出手段により求められたカーブデータに応じて変更されるものとしても良い。
前記車間距離制御手段は次のように構成することにより、前記先行車選択手段にて選択された先行車に対して車間制御することができる。
【0053】
すなわち、目標車間設定手段は、操作者の入力に基づいて目標車間距離を変更する。目標加減速率算出手段は、前記先行車選択手段により選択された先行車の距離データと前記目標車間設定手段にて設定された目標車間距離との偏差、および前記物体認識手段にて算出された相対速度に基づいて自車の目標加減速率を求める。目標車速算出手段は、該目標加減速率算出手段にて求められた目標加減速率と前回の目標車速とに基づいて今回の目標車速を求める。車速制御手段は、該目標車速算出手段で求められた目標車速と前記車速検出手段にて検出された自車の車速との偏差に基づいて、自車の速度を前記目標車速に近付ける制御を行う。
【0054】
このように、実際の先行車との車間と設定した目標車間との差および相対速度の関係から求められた加減速率にて、新たな目標車速を算出し、実際の車両走行速度を目標車速に近付ける制御を行っているので、車間を一定に保つ車間距離制御であるにもかかわらず、従来の定速走行制御のような車速制御ロジックを用いることができ、定速走行制御の走行フィーリングと、先行車に対する車間を一定に保つ車間距離制御の走行フィーリングとを同一にすることができ、先行車が選択されたり選択されなかったりしても走行フィーリングが変化せず、ドライバーに違和感を与えることがない。また自車の加減速率は、車間距離と設定した目標車間との差および相対速度の関係から算出しているので、先行車に対する車間距離だけで車速を決定するという技術に比べて実際の走行状況に対応した制御となり、先行車との間に不意の割り込みがあっても、急激な減速を防止することができる。
【0055】
尚、前記目標車間設定手段は、時間のディメンションで表された初期値に対して、その時間の長さを操作者の入力に基づいて変更することにより目標車間時間を求め、その目標車間時間を、前記車速検出手段にて検出された自車の車速との積により、目標車間距離に変換するものとしても良い。
【0056】
尚、前記目標車間時間に上限および下限を設けても良い。
更に、前記目標車速算出手段が、追随性を高めて適切な車間を確保するために、前記物体認識手段にて算出された相対速度が加速から減速に変化した場合あるいは減速から加速に変化した場合に、目標車速の応答性を高めるものとしても良い。
【0057】
更に、前記目標車速算出手段が、ドライバーが加減速操作している場合を除いて、目標速度の算出を、前記車間距離制御手段による車間距離制御がなされていない場合に行われる定速走行制御用の車速設定値を越えない範囲で、かつ前記車速検出手段にて検出された自車の車速を含む所定範囲に限定するものとしても良い。
【0058】
また、前記目標車速算出手段が、前記先行車選択手段にて先行車無し(先行車未認識)と判定された場合には、目標速度の算出を、定速走行用の車速設定値を越えない範囲で、前記車速検出手段にて検出された自車の車速が現在の目標速度より大きい場合は、前記車速検出手段にて検出された自車の車速を初期値として、前記目標加減速率算出手段にて求められた目標加減速率と前回の目標車速とに基づいて今回の目標車速を求め、前記車速検出手段にて検出された自車の車速が現在の目標速度以下の場合は、該現在の目標速度を初期値として、前記目標加減速率算出手段にて求められた目標加減速率と前回の目標車速とに基づいて今回の目標車速を求めるものとしても良い。例えば、後述する[その他](25)に示すごとく実施することができる。このように、先行車が未認識となった場合に上述のように目標車速を設定することにより、応答性を向上させることができる。
【0059】
また、前記直進時操舵角学習手段が、前記物体認識手段にて停止物と認識された物体の軌跡を検出する停止物軌跡検出手段と、前記停止物軌跡検出手段にて検出された軌跡から走行路のカーブ半径を求める軌跡カーブ半径算出手段と、前記軌跡カーブ半径算出手段にて算出されたカーブ半径の絶対値が所定半径以上の場合、直進時操舵角学習値と前記操舵角検出手段により検出された検出操舵角との差を計算して、該差を制御周期毎に累積して累積値を求める累積手段と、前記累積手段にて求められた累積値の絶対値が所定値を越えたとき、該累積値がプラスである場合、前記直進時操舵角学習値を所定値減算し、該累積値がマイナスである場合、前記直進時操舵角学習値を所定値加算する学習手段とを有するものとしても良い。例えば、後述する[その他](2),(3)に示すごとく実施することができる。このことにより、直進時の操舵角の学習をさらに適切に行って、正しい先行車判定をすることができる。
【0060】
また、前記自車線確率算出手段が、更に、前記物体認識手段にて路側物として認識された物体と、自車やその他の認識された物体との相対位置により、自車やその他の認識された物体の左右に存在する車線の有無を判定し、その判定結果を自車線確率に反映するものとしても良い。例えば、後述する[その他](4)に示すごとく実施することができる。このことにより、先行車の判定を一層確かなものとすることができる。
【0061】
また、前記自車線確率算出手段が、更に、ウインカーがオンのときに、前記確率判定の中心をウインカーの方向に、自車速に応じてずらすものとしても良い。あるいは、前記自車線確率算出手段が、ウインカーがオンのときに、前記物体の相対位置の内の左右方向の相対位置およびカーブデータの一方または両方を、ウインカーの方向に、自車速に応じて補正することにより、前記確率判定の中心をウインカーの方向に自車速に応じてずらすものとしても良い。例えば、後述する[その他](5)に示すごとく実施することができる。このことにより、ドライバーがウインカーをオンして自車の走行車線を変更する場合に対処できる。更に、先行車が遅くて車線変更して追い抜こうとするときに、減速しないようにすることができる。また、車線変更先の車線に車両がいるときには、迅速にそれを先行車と判定できる。
【0062】
また、前記自車線確率算出手段が、更に、前記物体認識手段にて算出される相対速度が自車に近づく方向である物体に対しては、確率を増加補正するものとしても良い。例えば、後述する[その他](7)に示すごとく実施することができる。このことにより、自車より速度の遅い先行車に対する追突防止をより確実にすることができる。
【0063】
また、前記物体認識手段が、更に物体の幅も算出すると共に、前記自車線確率算出手段が、更に、前記物体認識手段の算出データから物体が小さい物体であると判定した場合には、該物体に対しては確率を増加補正するものとしても良い。例えば、後述する[その他](8)に示すごとく実施することができる。先行する物体がバイク等の小さい車両である場合、バイク等は車線の中央を走行していないことが多いことから、通常の確率よりも高める方が実際的である。したがって、バイク等の安全性を考慮した制御が可能となる。
【0064】
また、前記自車線確率算出手段が、更に、前記物体認識手段の算出データから物体の車幅方向の相対速度が高くなった場合に、前記確率の変化の時定数を大きくし、該相対速度が低くなった場合に、前記確率の変化の時定数を小さくするものとしても良い。例えば、後述する[その他](9)に示すごとく実施することができる。操舵角だけからカーブ検出をしていると、自車がまだ直進路を走行しているにもかかわらず、先行車がカーブに入つたときには、実際には自車線を先行車が走行しているにもかかわらず、確率が低くなってその先行車が先行車として判断されないことがある。そこで、この状況を車幅方向の相対速度の大きさから検出して、確率の時定数を大きくすることが好ましい。先行車に続いて、すぐに、自車もカーブに入れば、車幅方向の相対速度が小さくなるので、直ちに元の時定数に戻る。こうすれば、カーブ入り口で先行車の確率が小さくなったために、その先行車を見失ったり、隣接車線の車両を先行車と誤認することが低減できる。
【0065】
また、更に、衛星波を使ったグローバルポジショニングシステムを有するナビゲーションシステムを備えているとともに、前記先行車選択手段にて、前記ナビゲーションシステムのデータから、前方がカーブと判定した場合、所定距離離れた物体は先行車として選択しないものとしても良い。例えば、後述する[その他](11)に示すごとく実施することができる。このことにより、自車がまた直線を走っている場合に、前方にカーブがあるとき、隣接車線を走行する前方の車両がほぼ真正面となっために、その車両を先行車と判定して確率が高くなって優先的に車間制御をするのを防ぐことができる。
【0066】
また、前記目標車間設定手段が、車間距離制御されていない時に前記先行車選択手段にて選択された先行車との車間状態を時間のディメンションで表される値として記憶しておいた値を、初期値として用いるものとしても良い。例えば、後述する[その他](12)に示すごとく実施することができる。このことにより、ドライバーの好みに合った車間が初期値として設定されるので、ドライバーは煩わしい車間設定操作をほとんどなくすことができる。
【0067】
また、前記目標車間設定手段が、車間距離制御の開始から所定時間は、所定時間後よりも、車間を長く設定するものとしても良い。例えば、後述する[その他](13)に示すごとく実施することができる。このことにより、先行車の検出が遅い場合にも先行車に接近しすぎる事態を防止できる。
【0068】
また、前記目標車間設定手段が、前記物体認識手段にて、所定数以上の移動物が認識された場合には、所定数未満の場合に比較して車間を短く設定するものとしても良い。例えば、後述する[その他](14)に示すごとく実施することができる。このことにより、一般のドライバは、交通量が多いときには車間をつめて走行するので、これを自動的に実現することができる。
【0069】
また、前記目標加減速率算出手段は、前記プラスの所定値より小さい第2のプラスの所定値を目標加減速率として設定するに際して、直前の目標加減速率が第2のプラスの所定値より小さい場合には、徐々に前記第2のプラスの所定値に向かって増加させるものとしても良い。例えば、後述する[その他](16)に示すごとく実施することができる。このように、徐々に加速度を増やすことにより、ドライバに急加速による不安感を与えることがない。
【0070】
また、前記目標加減速率算出手段は、前記先行車選択手段により先行車が選択されなかった場合に、目標加減速率を設定するに際して、左ウインカーがオンのときにはそれ以外のときよりも低い加減速率を設定するものとしても良い。例えば、後述する[その他](17)に示すごとく実施することができる。追越車線から走行車線への車線変更は、流れの遅い車線への車線変更と考えられるので、これに対処できる。また、高速道路で走行車線からサービスエリアへ入つていくときも、加速度が大きいとドライバーは恐く感じるが、これを防止することもできる。
【0071】
また、前記目標加減速率算出手段は、前記先行車選択手段により先行車が選択されなかった場合に、目標加減速率を設定するに際して、右ウインカーがオンのときにはそれ以外のときよりも高い加減速率を設定するものとしても良い。例えば、後述する[その他](18)に示すごとく実施することができる。走行車線から追越車線への車線変更は、流れの速い車線への車線変更と考えられるので、これに対処することができる。
【0072】
また、前記目標加減速率算出手段は、更に、下り坂を走行しているか否かを検出する降坂走行検出手段を有し、前記降坂走行検出手段にて下り坂の走行であると判定された場合に、前記目標加減速率を減少補正するものとしても良い。例えば、後述する[その他](21)に示すごとく実施することができる。このことにより、下り坂で車速が過剰となるのを防止できる。
【0073】
また、前記目標加減速率算出手段は、前記自車線確率算出手段により求められた確率に応じて、該確率が低いほど加減速率の絶対値を小さくするものとしても良い。例えば、後述する[その他](22)に示すごとく実施することができる。このことにより、隣接車線の車両への誤追従を一層低減し、快適な走行を図ることができる。
【0074】
また、前記目標加減速率算出手段は、前記目標車間設定手段にて設定された目標車間距離が所定距離以上の場合に、加減速率の絶対値を小さくするものとしても良い。例えば、後述する[その他](23)に示すごとく実施することができる。遠方車両は、ドライバーに危険を感じさせないし、追従意識も与えないので、過敏に反応するような制御をすると、逆に不快感を与えるので、これを防止するためである。
【0075】
また、前記車速制御手段は、スロットルが全閉になった場合、目標車速算出手段にて求められた目標車速にかかわらず、車間が前記目標車間設定手段にて設定された目標車間距離より所定距離以上となるまでは増速しないものとしても良い。例えば、後述する[その他](24)に示すごとく実施することができる。このことにより、ショックを伴うスロットル全閉をできるだけ回数を減らして不快感を与えないようにすることができる。
【0076】
また、更に、雨、雪あるいは霧等の前記測距手段に悪影響の有る天候状態を判定する天候判定手段と、前記天候判定手段にて、前記測距手段に悪影響の有る天候状態であると判定された場合に、少なくとも前記車間距離制御手段の処理を禁止する車間距離制御禁止手段と、前記車間距離制御禁止手段にて前記車間距離制御手段の処理が禁止された場合に、警告を発する警告手段とを備えたものとしても良い。例えば、後述する[その他](28)に示すごとく実施することができる。雨、雪、霧等の中では、測距手段の能力が低下するので、物体を認識し難くなる場合があり、このような天候の中で車間制御することは適当でないからである。
【0077】
更に、ドライバーに、前記車間距離制御手段による車間距離制御がなされている状態となされていない状態とを区別させる信号を発する制御状態告知手段を備えたものとしても良い。例えば、後述する[その他](29)に示すごとく実施することができる。先行車を捉えて車間制御をしているかどうかを、ドライバーが知っていないと不安に感じることと、フレーキを踏むタイミングにも困るからである。もし前に先行車が居るのをドライバーが認識していても、制御状態告知手段の状態から車間制御に入っていないと確認できれば、ドライバーはブレーキを踏んで安全を図ることができる。
【0078】
なお、このような車速制御方法や車速制御装置の各手段を実行する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えられる。このようなプログラムの場合、機械読み取り可能なROMやバックアップRAMを記憶媒体として前記プログラムを記憶しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。あるいは、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM等の機械読み取り可能な記憶媒体に記憶し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いても良い。
【0079】
【発明の実施の形態】
図1は、前述した発明の幾つかが適用された車間距離制御装置2のシステムブロック図を表す。本車間距離制御装置2は、ガソリン式内燃機関にて駆動される自動車に搭載され、定速走行制御の際に先行車を捉えると、適当な車間距離を保つとともに、前方に停止物が存在すると迅速に減速を行う装置である。
【0080】
車間距離制御装置2は、コンピュータ4を中心に構成され、スキャニング測距器6、ステアリングセンサ8、車速センサ10、クルーズコントロールスイッチ12、表示器14、自動変速機制御器16、ブレーキ部18およびスロットル部20を備えている。
【0081】
コンピュータ4は入出力インターフェース(I/O)および各種の駆動回路や検出回路を備えている。これらのハード構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。尚、コンピュータ4は、本実施の形態で述べる車間距離制御とともに、先行車が選択されていない場合には、車速を設定速度に維持する定速走行制御を行っている。
【0082】
ここで、スキャニング測距器6は、測距手段に該当するもので、送受信部6aおよび距離・角度演算部6bを備え、送受信部6aからは車両前方へレーザ光を所定角度の範囲でスキャンして出力し、かつその反射光を検出すると共に、距離・角度演算部6bにて反射光を捉えるまでの時間に基づき、前方の物体の相対速度や距離、更にはその位置座標をも検出する装置である。このような装置は既によく知られているので詳細な説明は省略する。レーザ光を用いるものの他に、マイクロ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。
【0083】
ステアリングセンサ8は、ハンドルの操舵角の変更量を検出するものであり、その値から相対的な操舵角を検出できるものである。したがって、車間距離制御装置2の電源がオンされた際には、メモリ上の操舵角格納アドレスには「0」が設定され、以後に検出される操舵角の変更量の積算により相対的な操舵角が決定される。また、後述する処理により、直進時のハンドルの操舵角が求められ、カーブデータの検出の基準値とされる。尚、本実施の形態で用いられているステアリングセンサ8はその分解能は2.25degである。
【0084】
車速センサ10は車輪の回転速度に対応した信号を検出するセンサであり、車速検出手段に該当する。
クルーズコントロールスイッチ12は、メインスイッチ12a、セットスイッチ12b、リジュームスイッチ12c、キャンセルスイッチ12d、タップスイッチ12eを備えている。メインスイッチ12aは、クルーズコントロールを開始させるためのスイッチであり、このメインスイッチ12aをオンすることにより、定速走行制御が開始されるとともに、その定速走行制御内で車間距離制御処理も実行される。セットスイッチ12bは、これを押すことにより、その時の車速Vnを取り込ませ、その車速Vnを目標速度Vmに設定させて定速走行制御を行わせるスイッチである。リジュームスイッチ12cは、定速走行制御中でない状態で、目標車速Vmが記憶されているときに、これが押された場合、車速を現在の車速から目標車速Vmまで復帰させるものである。キャンセルスイッチ12dは、定速走行制御中にこれが押されたとき、定速走行制御を中止させるものである。タップスイッチ12eは、後述するように先行車との車間を設定するためのものである。
【0085】
表示器14は、設定車速表示器14a、現在車間距離表示器14b、設定車間時間表示器14cおよびセンサ異常表示器14dを備えている。設定車速表示器14aは定速制御の設定車速を表示し、現在車間距離表示器14bはスキャニング測距器6の測定結果に基づいて後述する処理により選択された先行車との車間距離を表し、設定車間時間表示器14cは、後述する処理にて車間距離を制御するために時間のディメンションで設定された車間時間を表示し、センサ異常表示器14dは、スキャニング測距器6等の各種センサの異常を表示する。
【0086】
自動変速機制御器16は、コンピュータ4側からの指示により、自車の速度を制御する上で必要な、自動変速機のギヤ位置を選択するものである。
ブレーキ部18は、ブレーキ駆動器18aおよびブレーキスイッチ18bを備え、危険回避に必要ならば、コンピュータ4の指示によりブレーキ駆動器18aが作動してブレーキ圧力を調節する。またドライバーによるブレーキペダルの踏み込みはブレーキスイッチ18bにて検出される。
【0087】
スロットル部20は、スロットル駆動器20aおよびスロットル開度センサ20bを備え、速度制御においてコンピュータ4の指示によりスロットル駆動器20aが作動して、内燃機関のスロットルバルブの開度の調節が行われ、エンジン出力が制御される。スロットル開度は、スロットル開度センサ20bにより検出される。このスロットル開度と車速とを比較することにより、例えば、降坂走行か否かを判定することができる。
【0088】
またコンピュータ4は、図示しない電源スイッチを備え、そのオン動作により電源が供給されて所定の処理を開始する。
コンピュータ4は、このように構成されていることにより、後述するごとくの車間距離制御装置としての処理および定速走行制御処理を実行している。
【0089】
図2はコンピュータ4の制御ブロック図を示している。スキャニング測距器6の距離・角度演算部6bから出力された距離と角度とのデータは、極座標−直交座標間の座標変換ブロック4aにより自車を中心とするXY直交座標に変換される。センサ異常検出ブロック4bにより、この変換結果の値が異常な範囲を示していれば、表示器14のセンサ異常表示器14dにその旨の表示がなされる。
【0090】
またXY直交座標と車速演算ブロック4cにて算出された自車速度Vnとに基づいて、物体認識ブロック(物体認識手段に該当)4dにて前方の物体の認識種別、相対速度Vr、物体幅W、物体の中心位置XY座標が求められる。認識種別とは、その物体が移動物と認識されたものか停止物と認識されたものかの種類を表す。
【0091】
例えば、次式1,2の内のいずれかの式の条件を満足したとき停止物と認識し、それ以外は移動物と認識する。
【0092】
【数1】
Figure 0003843512
【0093】
ただし、一度停止物と認識されると、次式3,4の両方の条件をともに満足してはじめて、移動物との認識に変更される。
【0094】
【数2】
Figure 0003843512
【0095】
またステアリングセンサ8からの信号に基づいて操舵角演算ブロック4eにて操舵角θ0 が求められる。
カーブ半径(曲率半径)算出ブロック(カーブ検出手段に該当)4fでは、車速演算ブロック4cからの車速と操舵角演算ブロック4eからの操舵角θ0 とに基づいて、カーブ半径(曲率半径)Rを算出し、自車線確率演算ブロック(自車線確率算出手段に該当)4gでは、このカーブ半径Rおよび物体認識ブロック4dにて求められた認識種別、物体幅W、物体の中心位置XY座標に基づいて、先行車の自車線確率を算出し、先行車選択ブロック(先行車選択手段に該当)4hでは、カーブ半径R、自車線確率、認識種別、相対速度および物体の中心位置Y座標から先行車が選択されて、その距離および相対速度Vrが求められる。
【0096】
この先行車との距離および相対速度Vr、自車速Vn、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態およびブレーキスイッチ18bの踏み込み状態に基づいて、車間制御ブロック4i(車間距離制御手段に該当)にて、ブレーキ駆動器18a、スロットル部20および自動変速機制御器16に、先行車との車間距離を調整するための信号を出力するとともに、表示器14に対して必要な表示信号を出力して、状況をドライバーに告知している。
【0097】
前記カーブ半径算出ブロック4fの詳細を図3(a)のブロック図に示す。操舵角演算ブロック4eからの操舵角θ0 をフィルタ処理ブロック22にてフィルタをかけることにより時間平均化処理をし、この操舵角を中立学習ブロック24にて学習して中立位置の操舵角を求め、その中立位置の操舵角を基準として、検出操舵角演算ブロック26にて実際の操舵角(検出操舵角)を求め、その検出操舵角に基づいてカーブ半径計算ブロック28にてカーブ半径Rを算出する。
【0098】
前記車間制御ブロック4iの詳細を図3(b)のブロック図に示す。尚、本実施の形態の制御では、スロットル開度の制御が主であるので、このブロック図では、スロットル駆動器20aの制御のみ示すが、ブレーキ駆動器18aや自動変速機制御器16についても、検出されたデータに応じて、危険を回避する状況が生じたりして、急減速あるいは急加速等する必要がある場合に制御される。
【0099】
まず、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態と車速Vnとから、目標車間距離演算ブロック30にて目標車間距離が演算される。ただし、本実施の形態では、この車間距離を求める前に、後述する目標車間時間を求めてから、車速Vnとの積により目標車間距離を求めている。この目標車間距離、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態および先行車との距離・相対速度に基づいて、目標加減速率演算ブロック32により目標加減速率が求められる。この目標加減速率、車速Vn、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態から、目標車速算出ブロック34により目標車速Vmを求める。この目標車速Vmと実際の車速Vnとに基づいて、制御方法検討ブロック36にて、スロットル全閉制御をするかどうかの判断をする。ブレーキの制御や自動変速機の制御まで行うときには、ここがその制御の使用可否の判定をする。
【0100】
この制御方法、目標車速Vm、車速Vn、クルーズコントロールスイッチ12の設定状態およびブレーキスイッチ18bの状態に基づいて、車速制御ブロック38にてスロットル開度制御がスロットル駆動器20aを調整することによりなされる。また、表示器14にはリアルタイムに状態が表示される。
【0101】
また、通行不可物検出ブロック4jは、車速演算ブロック4cからの車速Vn、物体認識ブロック4dからの認識種別、相対速度、中心X、横幅Wおよび中心Yのデータ、カーブ半径算出ブロック4fからのカーブ半径を得て、通行不可物フラグとしてのオン/オフ出力を、車間制御ブロック4iに与えている。
【0102】
前記制御ブロック図にて説明した処理の詳細を図4以下のフローチャートに基づいて説明する。図4は、車間制御全体の処理を示す。本処理は0.2秒の制御周期で繰り返し実行される。
処理が開始されると、まず、スキャニング測距器6による距離・角度の計測データが読み込まれる(S1000)。次に前方障害物の認識処理がなされる(S2000)。
【0103】
この前方障害物の認識処理は、自車車速Vnと前方の物体がスキャニングされた結果とに基づいて前方の物体の認識種別、物体幅W、物体の中心位置XY座標および相対速度Vrが求められる。認識種別は、例えば、自車が走行しているにもかかわらず物体の相対位置がほとんど移動していない場合は移動物と認識できる。また次第に遠ざかる物体も移動物と認識できる。また物体の相対位置が自車に対して自車車速と同じ速度(絶対値)で近づく場合は停止物と認識できる。例えば、前記式1,式2にて判断できる。
【0104】
それ以外のもの、例えば現れてから認識できるほどの時間が経過していない物体等は、不明物として認識している。尚、この前方障害物の認識処理自体は当業者には良く知られた内容である。
次に、カーブ検出処理が実行される(S3000)。この処理の詳細を図5のフローチャートに示す。まず、フィルタ処理、すなわちステアリングセンサ8にて検出された操舵角θ0 の平均化処理が実施される(S3100)。
【0105】
(1)この操舵角の平均化処理は制御周期毎に繰り返される次の処理によりなされる。
▲1▼後述する学習禁止カウンタCgs<25で、かつ自車速Vn>20km/hであるとき、式5にて平均操舵角θa0を求める。
【0106】
【数3】
Figure 0003843512
【0107】
▲2▼後述する学習禁止カウンタCgs≧25で、かつ自車速Vn>20km/hであるとき、式6にて平均操舵角θa0を求める。
【0108】
【数4】
Figure 0003843512
【0109】
▲3▼自車速Vn≦20km/hであるとき、式7にて平均操舵角θa0を求める。
【0110】
【数5】
Figure 0003843512
【0111】
自車速が20km/h以上高い場合に、操舵角が安定していれば(Cgs<25)、検出操舵角θ0 に対して低めの追随性で時間平均処理(加重平均)を行って新しい平均操舵角θa0を算出し、操舵角が安定していなければ(Cgs≧25)、より高い追随性にて新しい平均操舵角θa0を算出する。このことは、カーブの出入口にて操舵角の変化の大きい際には、迅速に検出操舵角θ0 に応じて平均操舵角θa0を変化させることを意味する。これは、迅速に変化させる方がハンドルを回転させている時なので正確に操舵角を現すことになるからである。
【0112】
一方、直進路やカーブの最中のような場合には、追随性を低下させる方がハンドルの振れに影響されずに正確に操舵角を現すことになるからである。このことにより、どのような操舵状態でも正確な平均操舵角θa0を求めることができるようになる。
【0113】
この平均操舵角θa0の具体例のタイミングチャートを図7,8に示す。図7は、走行路の形状を表し、時点T0〜T3は、その時点に通過した地点を示す。図8(1)は操舵角θ0 、図8(2)は実際にステップS3100の処理にて求められた平均操舵角θa0、図8(3)は前記式5のみで計算した場合の平均操舵角θa0、図8(4)は前記式6のみで計算した場合の平均操舵角θa0を表している。前記式7のみの場合は、図8(1)と同じである。目的とする追随性が達成されているのがわかる。
【0114】
尚、前記学習禁止カウンタCgsは、次のステップS3200にて所定条件下にカウント値が設定され、制御周期(0.2秒)毎にデクリメントされるカウンタである。
次に、ステップS3100が終了すると、図6に示すステアリングセンサ8の中立学習処理、すなわちステアリングセンサ8の中立位置の操舵角の学習処理がなされる(S3200)。この中立位置とは、自車の直進状態での操舵角θc を意味する。 まず、チェック用操舵角θckが演算される(S3210)。
【0115】
(2)ここでチェック用操舵角θckは、次のようにして決定される。
▲1▼学習禁止カウンタCgs<25で、かつ自車速Vn>20km/hであるとき、式8にてチェック用操舵角θckを求める。
【0116】
【数6】
Figure 0003843512
【0117】
▲2▼学習禁止カウンタCgs≧25で、かつ自車速Vn>20km/hであるとき、式9にてチェック用操舵角θckを求める。
【0118】
【数7】
Figure 0003843512
【0119】
▲3▼自車速Vn≦20km/hであるとき、式10にてチェック用操舵角θckを求める。
【0120】
【数8】
Figure 0003843512
【0121】
すなわち、チェック用操舵角θckは、操舵角θ0 が安定している場合には、式8に示すごとく、操舵角θ0 への重み付けは小さくして操舵角θ0 への追随性を極端に低くし、操舵角θ0 が不安定である場合には、式9に示すごとく、操舵角θ0 への重み付けは大きくして追随性を高くし、それ以外では式10に示すごとく中間の追随性としている。
【0122】
このチェック用操舵角θckの具体例のタイミングチャートを図9に示す。図7と同じ走行路を走行したものとする。図9(1)は操舵角θ0 、図9(2)は実際に条件に応じて前記式8〜10を使い分けて求められたチェック用操舵角θck、図9(3)は前記式8のみで計算した場合のチェック用操舵角θck、図9(4)は前記式9のみで計算した場合のチェック用操舵角θck、図9(5)は前記式10のみで計算した場合のチェック用操舵角θckを表している。目的とする追随性が達成されているのがわかる。
【0123】
次に学習禁止カウンタCgsのセット条件が成立しているか否かが判定される(S3220)。この学習禁止カウンタCgsのセット条件とは、自車速>20km/hで、かつ|θck−θ0|>2.25×4degの場合である。
この条件が成立していれば、学習禁止カウンタCgsに10秒(カウント値ならば「50」)をセットする(S3230)。車間制御処理の制御周期が0.2秒なので、この10秒はカウント値「50」に相当する。
【0124】
また条件が成立していない場合に、学習禁止カウンタCgs=0か否かが判定される(S3240)。学習禁止カウンタCgs=0でなければ、学習禁止カウンタCgsはデクリメントされる(S3250)。学習禁止カウンタCgs=0であれば、学習禁止カウンタCgsはそのまま維持される。
【0125】
次に学習操舵角θc の学習条件が成立したか否かが判定される(S3260)。この学習条件は、次の(a),(b),(c)の全条件が成立した場合に、成立したものとする。
(a)自車速>30km/h
(b)学習禁止カウンタCgs=0
(c)|θck−θ0|<2.25×2deg
前記学習条件が成立すれば、中立点の学習演算が次の式11によりなされる(S3270)。
【0126】
【数9】
Figure 0003843512
【0127】
ここでKは次の式12で表される。
【0128】
【数10】
Figure 0003843512
【0129】
このαは表1のごとく自車速Vnに応じて決定され、学習度合カウンタCstは式13に示すごとくの演算が制御周期毎になされる。
【0130】
【表1】
Figure 0003843512
【0131】
【数11】
Figure 0003843512
【0132】
ただし、Cstの初期値は「0」であり、上限は「50,000」である。上限は無くても良い。ただし、ハードウエアの制限上、上限を設けなくてはならない場合がある。
前記式11〜13の計算は、学習条件下の制御周期(0.2秒)毎に、繰り返し行われるので、次第にKの値は小さくなって行く。すなわち学習が進めば、θc はほとんど変化しなくなる。したがって、学習がある程度進んだ場合にθc を固定しても良い。ただ、少しθ0 により修正される状態にして置くことは、万一、間違って学習していた場合に修正が効くので好ましい。
【0133】
中立点の学習演算(S3270)後、または学習条件が成立しなかった場合には、ステップS3200の処理を終了し、実操舵角θの算出処理がなされる(S3300)。
(5)実操舵角は、次のようにして求められる。
【0134】
▲1▼自車速>20km/hで、かつCst≧6のとき、式14にて実操舵角θが算出される。
【0135】
【数12】
Figure 0003843512
【0136】
▲2▼前記▲1▼以外の条件が成立しているとき、式15にて実操舵角θが算出される。
【0137】
【数13】
Figure 0003843512
【0138】
前記▲2▼の場合は、低速では少しの操舵量でも急なカーブとして現れ易いので、θの値をクリアしている。このようにクリアしなくても、前記式14にて得られるθを減少補正して用いても良い。
ステップS3300の次に、カーブ半径Rの算出処理が式16のごとくなされる。
【0139】
【数14】
Figure 0003843512
【0140】
ここでf(Vn)は車両の運動特性から決定される関数であり、操舵角からカーブ半径Rを求める関数として一般的に知られているものであるので、詳細な説明は省略する。
こうして、カーブ半径Rが求まると、カーブ検出処理(S3000)を終了して、次に図10に示す自車線確率算出処理(S4000)に移る。
【0141】
自車線確率算出処理(S4000)では、まず瞬時自車線確率算出が行われる(S4010)。瞬時自車線確率算出では、まず、前方障害物の認識処理(S2000)にて得られたすべての物体の中心位置・物体幅データ(X0,Y0,W0)を、直進路に変換する。すなわち、カーブ検出処理(S3000)にて得られたカーブ半径Rに基づいて、そのカーブを直進路にした場合に、物体の座標を求める。その変換は次のような式17〜19により座標変換することによりなされる。
【0142】
【数15】
Figure 0003843512
【0143】
すなわち、ここでは実質的にはX座標のみ変換している。
このようにして、直進路に変換して得られた中心位置・物体幅データ(X,Y,W)を、図11に示す自車線確率マップ上に配置して、各物体の瞬時自車線確率、すなわち、その時点で自車線に存在する確率を求める。確率として存在するのは、操舵角から求めるカーブ半径Rと実際のカーブ半径との間に誤差が存在するからであり、その誤差を考慮した制御をするために、ここで各物体の瞬時自車線確率を求める。
【0144】
図11において、横軸はX軸、すなわち自車の左右方向であり、縦軸はY軸、すなわち自車の前方を示している。本実施の形態では、左右5m、前方100mまでの領域を示している。ここで領域は、領域a(自車線確率80%)、領域b(自車線確率60%)、領域c(自車線確率30%)、領域d(自車線確率100%)、それ以外の領域(自車線確率0%)に別れている。この領域の設定は、実測により定めたものである。特に、領域dは自車直前への割込も考慮することにより設定された領域である。
【0145】
領域a,b,c,dを区切る境界線La、Lb,Lc,Ldは、例えば次の式20〜23で与えられるものである。尚、境界線La′、Lb′,Lc′,Ld′は、それぞれ境界線La、Lb,Lc,LdとはY軸で対称の関係にある。
【0146】
【数16】
Figure 0003843512
【0147】
これを一般式で表すと次式24〜27のようになる。
【0148】
【数17】
Figure 0003843512
【0149】
この式24〜27から一般的には、次の式28〜30を満足させるように領域を設定する。実際の数値の決定は、実験にて決定する。
【0150】
【数18】
Figure 0003843512
【0151】
尚、図11の境界線La、Lb,Lc,La′、Lb′,Lc′は、計算処理速度の点から、放物線としているが、処理速度が許すならば、円弧にて表す方が良い。境界線Ld,Ld′についても処理速度が許すならば外側に膨らんだ放物線または円弧にて表す方が良い。
【0152】
(6)各物体は、次のようにして、その瞬時自車線確率P0 が決定される。
▲1▼領域dを少しでも有する物体 → P0=100%
▲2▼領域a内に中心が存在する物体→ P0= 80%
▲3▼領域b内に中心が存在する物体→ P0= 60%
▲4▼領域c内に中心が存在する物体→ P0= 30%
▲5▼前記▲1▼〜▲4▼を満たさない物体 → P0= 0%
次に、このようにして得られた各物体の瞬時自車線確率P0 を次の式31,32により時間平均して自車線確率Pを求める。すなわちフィルタ処理を行う(S4020)。ただし、自車線確率Pの初期値は「0%」である。
【0153】
【数19】
Figure 0003843512
【0154】
90%以上で瞬時の自車線確率への追随性が高いのは、特に自車の前方への割込車両があった場合に、迅速に対処できるようにするためである。
次に、前記自車線確率にリミットを設け、最終的な自車線確率Pを決定する(S4030)。
【0155】
(7)そのリミットは次のように設定される。
▲1▼認識種別が移動物の場合、前記式31または前記式32で算出されたままの自車線確率Pとする。
▲2▼認識種別が停止物の場合、次の(a)〜(e)いずれかの条件を満足すれば、自車線確率Pの最大値を20%とする。
【0156】
(a)Y0 > 40m かつ W0 < 1.4m
(b)Y0 > 30m かつ W0 < 1.2m
(c)Y0 > 20m かつ W0 < 1.0m
(d)認識されてから1秒未満のもの(スキャン5回に満たないもの)
(e)他の移動物の中に、自車線確率P≧50%であって、自身よりも長く認識されている物体が存在する。
【0157】
以上のようして、ステップS4000にて各物体の自車線確率が求められる。
次に、この物体の内から、先行車が選択される(S5000)。この先行車選択処理(S5000)を図12に示す。
まず、移動物と停止物とに分けて、移動物から走行中の先行車を1台抽出し(S5010)、次に停止物から停止中の先行車を1台抽出する(S5020)。
【0158】
[移動物の場合](S5010)
▲1▼次の条件を満たす移動物で自車線確率Pが最大のものを抽出する。
(a) |R|<500mのとき、 自車線確率P>30%
(b) 500m≦|R|<1000mのとき、自車線確率P>40%
(c)1000m≦|R|のとき、 自車線確率P>50%
このように、カーブ半径Rの絶対値が小さいほど抽出条件が緩い(自車線確率Pが小さいものも抽出される)のはカーブ半径Rの絶対値が小さいほど先行車を見つけにくいからである。
【0159】
▲2▼前記▲1▼にて複数の移動物が抽出された場合は、(それらの移動物の内の最大の自車線確率P−15%)以上の自車線確率Pを有する移動物、または自車線確率P≧70%の移動物のいずれかに該当する移動物の内で、Y0 が最小の移動物を走行中の先行車として抽出する。前記▲1▼にて抽出されなかったら走行中の先行車は無しとする。
【0160】
[停止物の場合](S5020)
▲1▼自車線確率P≧70%の停止物の中でY0 が最小の停止物を停止中の先行車として抽出する。抽出されなければ、停止中の先行車は無しとする。停止物の場合は、路側物を先行車として判断しないために基準が移動物より厳しくされている。
【0161】
[総合判断](S5030)
前記[移動物の場合](S5010)および[停止物の場合](S5020)の抽出結果から、次のように先行車を選択する。
▲1▼走行中の先行車も停止中の先行車もいずれも存在しない場合は、先行車無しとする。
【0162】
▲2▼走行中の先行車および停止中の先行車のいずれか一方が存在する場合、それを先行車とする。
▲3▼走行中の先行車および停止中の先行車のいずれも存在する場合、Y0 が小さい方を先行車とする。
【0163】
(尚、上述のごとく先行車を判断した場合に、先行車を見失ってもあるいは見誤っても、毎回複数の検出物体から一番確からしい物体を先行車として選択するので一瞬の間違いで済む。)
こうして先行車検出処理(S1000〜S5000)が終了すると、車間制御処理(S6000〜S9000)の前に、図23のフローチャートに示す通行不可物検出処理(S5500)が行われる。
【0164】
処理が開始されると、停止物数が複数検出されているか否かが判定される(S5510)。この停止物の存在は、ステップS2000にてなされた前方障害物の認識処理結果が用いられる。例えば、式1,式2のいずれかを満足する物体が停止物として認識されている。
【0165】
したがって、ステップS2000にて認識されている停止物の数をカウントして、その数が複数であればステップS5510では肯定判定されてステップS5520が実行される。停止物が単数またはゼロであれば、通行不可物検出処理(S5500)は直ちに終了して、車間制御処理(S6000〜S9000)へ移行する。
【0166】
ステップS5520では、複数ある停止物を、自車からみて左側から番号付けする。この番号付けは、各停止物について検出された座標により決定できる。
例えば、図24(a)のごとく、自車Oのスキャニング測距器6のレーダ検出範囲Hに、料金所ブースFと料金を払うために停止している車両Vとが存在している場合には、ステップS2000の処理で、図24(b)に示す「*」のごとく、停止物の認識点が検出され、隣接する認識点を接続して、それぞれ停止物J1〜J5が決定されている。したがって、この5つの停止物J1〜J5に、左から番号を付す。ここでは、停止物J1に「1」、停止物J2に「2」、停止物J3に「3」、停止物J4に「4」、停止物J5に「5」が付される。
【0167】
次に、ステップS5530にて、左から2つの停止物J1,J2について、最も近接した認識点(すなわち、各停止物の近接している方の端部)同士のx座標における距離dx、y座標における距離dy、および進行方向に対してなす角度θが、ステップS2000で認識されている停止物J1,J2の位置データに基づいて算出される。図24(c)における例は、角度θについては2番目と3番目の停止物J2,J3に対するものであり、距離dx,dyについては停止物J4,J5に対するものである。
【0168】
次にステップS5540にて、角度θが評価され、30°以下であれば、ステップS5570にて、その2つの停止物をデータ的に一つの停止物として接続する処理が行われる。
角度θが30°より大きければ、ステップS5550にて、距離dxが評価される。ここでは、距離dxが3m以下であれば、ステップS5570が実行されて、2つの停止物がデータ的に一つに統合される。
【0169】
距離dxが3mより大きければ、ステップS5560にて、距離dyが評価される。ここでは、距離dyが5m以下であれば、ステップS5570が実行されて、2つの停止物がデータ的に一つに統合される。
距離dyが5mより大きければ、ステップS5580に移り、1つ右側に移動し、該当する2つの停止物について、前述したステップS5530〜ステップS5570の処理が繰り返される。このことにより、隣接する停止物J1〜J5の位置関係が、θ≦30°、距離dx≦3m、あるいは距離dy≦5mのいずれかの条件が満足されると、停止物同士は十分に近接していて、その間を通行することはできないものとして、一体に扱われる。
【0170】
例えば、ステップS5530〜ステップS5570の処理を繰り返した結果、停止物J1は接続されず、他の停止物J2〜J5が一体として認識された場合には、図24(d)に示すごとくの停止物L1となる。
次に、ステップS5590にて、ステップS5530〜ステップS5570の接続処理が行われた後における各停止物のx座標方向の長さ、すなわち幅が計算される。
【0171】
図24(d)の例では、停止物J1および停止物L1の幅が算出される。
次に、ステップS5600にて、この幅が評価され、全ての停止物が5m以下の場合は、ステップS5630にて、通行不可物フラグがオフに設定される。
5mを越える場合には、ステップS5610にて、その5mを越える停止物は自車の走行路中心に重なるか否かが判定される。尚、走行路は、ステップS3000にて得られているカーブ半径Rに基づいて決定する。
【0172】
重ならなければステップS5630にて通行不可物フラグがオフに設定されるが、重なる場合には、ステップS5620にて、通行不可物フラグがオンに設定される。
例えば、図24(d)の場合には、停止物L1の幅dL1は5mを越え、走行路中心Cに重なるので、ステップS5620にて、通行不可物フラグがオンに設定される。
【0173】
なお、図25に例示した場合は、全ての停止物J11〜J15がステップS5540〜ステップS5560のいずれかの判定にて、ステップS5570が実行されるので、全ての停止物J11〜J15が統合されて、一つの停止物L2が形成される。そして、この場合も、停止物L2の幅dL2は5mを越えて、かつ停止物L2は走行路中心Cに重なるので、ステップS5620が実行されて、通行不可物フラグがオンに設定される。
【0174】
次に車間制御処理(S6000〜S9000)が行われる。
最初に、図13のフローチャートに示す目標車間算出処理が実行される(S6000)。
まず、イニシャル中か否かが判定される(S6010)。イニシャル中とは、電源オンした後に本処理が最初に実行されたタイミングを意味する。
【0175】
最初は、ステップS6010にて肯定判定されて、目標車間時間THとして初期値T0 が設定される(S6020)。この初期値T0 としては、例えば「2.5秒」が設定される。
ステップS6010にて否定判定された場合に、あるいはステップS6020の処理後に、タップダウン操作が有ったか否かが判定される(S6030)。更にステップS6030にて否定判定された場合には、タップアップ操作が有ったか否かが判定される(S6040)。
【0176】
タップダウン操作とは、ドライバーによるクルーズコントロールスイッチ12にあるタップスイッチ12eの操作により、車間を大きくする操作である。タップアップ操作とは逆にタップスイッチ12eの操作により、車間を小さくする操作である。
【0177】
タップダウン操作がなされていれば、ステップS6030にて肯定判定されて、次の式33のごとく、目標車間時間THの増加処理がなされる(S6060)。
【0178】
【数20】
Figure 0003843512
【0179】
ただし、次のステップS6070,S6080の処理により目標車間時間THの上限は3.3秒とされる。
一方、タップアップ操作がなされていれば、ステップS6040にて肯定判定されて、次の式34のごとく、目標車間時間THの減少処理がなされる(S6090)。
【0180】
【数21】
Figure 0003843512
【0181】
ただし、次のステップS6100,S6110の処理により目標車間時間THの下限は0.7秒とされる。
こうして、目標車間時間THが設定されると、次に、その目標車間時間THが、次の式35のごとく、自車速Vnにより目標車間距離Dtに換算される(S6050)。
【0182】
【数22】
Figure 0003843512
【0183】
次に、図14のフローチャートに示す加減速率算出処理(S7000)が実行される。
まず、通行不可物フラグがオンとなっているか否かが判定され(S7002)、通行不可物フラグがオンであれば、ステップS7002にて肯定判定されて、次に、ステップS7004にて、加減速率Atに、例えば、後述する図15に示した基本加減速率MDVマップの内の最大の減速率である「−10km/h/s」が設定される。そして、ステップS8000の目標車速算出処理に移行する。
【0184】
ステップS7002にて否定判定された場合は、次に、コースト中か否かが判定され(S7010)、コースト中でなければアクセル中か否かが判定され(S7020)、先行車認識中か否かが判定される(S7030)。
ここで、コーストとは、定速走行制御中にセットスイッチ12bが押されたとき、減速制御し、その後、セットスイッチ12bが放されたときの自車速Vnを目標速度Vmとして定速走行制御に移行するものであり、コースト中とはこの減速制御の期間を意味する。アクセルとは、定速走行制御中にリジュームスイッチ12cが押されたとき、増速制御し、その後、リジュームスイッチ12cが放された時の自車速Vnを目標速度Vmとして定速走行制御に移行するものであり、アクセル中とはこの増側制御の期間を意味する。
【0185】
したがって、コースト中であれば、ステップS7010にて肯定判定されて、加減速率Atに「−2.6km/h/s」が設定され(S7100)、アクセル中であれば、ステップS7020にて肯定判定されて、加減速率Atに「2.6km/h/s」が設定される(S7090)。
【0186】
またコースト中でもアクセル中でもないときに、先行車認識中、すなわち、ステップS5000にて先行車が選択されている場合には、ステップS7030にて肯定判定されて、基本加減速率算出処理(S7040)が実行される。
(8)基本加減速率算出処理(S7040)は次のようになされる。
【0187】
▲1▼車間偏差Deを、次の式36のごとく、先行車との車間D(=Y)およびステップS6050にて得られた目標車間距離Dtとから算出する。
【0188】
【数23】
Figure 0003843512
【0189】
▲2▼次にこの車間偏差Deと相対速度Vrとから、図15に示したマップのデータを補間して、基本加減速率MDV(km/h/s)を求める。尚、ヒステリシスのために、車間偏差Deおよび相対速度Vrのそれぞれの境界部分に、車間偏差Deについては2mの不感帯を設け、相対速度Vrについては1km/hの不感帯を設けている。また、このマップの領域を越える場合は、最も近い領域の値を設定する。尚、図15では、車間偏差Deがマイナスでも、先行車の速度が高くて次第に離れて行く場合(Vr>0)には、増速(基本加減速率MDV>0)である。これは車間距離がつまっていても、先行車が遠ざかっていけば、自車がわざわざ減速する必要はないからであり、減速するとドライバーにとって不要な減速と感じられるからである。
【0190】
次に前記基本加減速率MDVを距離により補正するため、補正係数KMDVを、図16に示す車間Dとの関係から求める(S7050)。これは遠方の先行車に過敏な反応をしないようにするためである。
次に、式37のごとく加減速率Atを求める(S7060)。
【0191】
【数24】
Figure 0003843512
【0192】
また、ステップS7030にて否定判定された場合、アクセル終了後5秒以内である場合には、ステップS7070にて肯定判定されてステップS7090にて加減速率Atを「2.6km/h/s」に設定し、アクセル終了後5秒以内でなければ、ステップS7070にて否定判定されてステップS7080にて加減速率Atを「1.3km/h/s」に設定する。
【0193】
ここで、ステップS7070にて肯定判定された場合に、加減速率Atが2.6km/h/sとされるのは、ドライバーの意志をできるだけ尊重するという意図から、ドライバーが加速したいという意志を表したときは、これを優先する制御にしているためである。
【0194】
こうして、加減速率算出処理(S7000)が終了し、次に目標車速算出処理(S8000)が行われる。
目標車速算出処理(S8000)は、図17に示すごとく実施され、まず、目標車速Vmが次の式38のごとく算出される(S8010)。
【0195】
【数25】
Figure 0003843512
【0196】
ここで、dtはステップS8010の処理の時間間隔を表し、本実施の形態では「0.2秒」である。
次に、ステップS8010にて求められた目標車速Vmに次のような限界が設けられる(S8020)。
【0197】
▲1▼Vm>Vn+2km/hで、かつAt<0のときは、次の式39のごとく目標車速Vmを設定する。
【0198】
【数26】
Figure 0003843512
【0199】
▲2▼Vm<Vn−2km/hで、かつAt>0のときは、次の式40のごとく目標車速Vmを設定する。
【0200】
【数27】
Figure 0003843512
【0201】
▲3▼前記▲1▼▲2▼の制限とともに、更に目標車速Vmに次のように制限する。
すなわち、
(a)目標車速Vmはドライバーにより設定されている定速走行制御用の設定車速Vs以上とはしない。ただしアクセル中は除く。
【0202】
(b)目標車速Vmは、次の式41を満足するものとする。
【0203】
【数28】
Figure 0003843512
【0204】
こうして、先行車が認識されている場合あるいは通行不可物フラグがオンの場合の目標車速Vmが設定される。
目標車速Vmが決定した後に、スロットル全閉条件が成立しているか否かが判定され(S8030)、成立していなければスロットル全閉解除条件が成立しているか否かが判定される(S8050)。
【0205】
スロットル全閉条件とは、自車速Vnが目標車速Vmより上がりすぎた場合に、迅速に減速させる処理を開始させるための条件であり、次の式42に示す。またスロットル全閉解除条件とは、その減速処理を停止させるための条件であり、次の式43に示す。
【0206】
【数29】
Figure 0003843512
【0207】
ステップS8030の条件が満足されれば、スロットル全閉制御(S8040)が行われる。またステップS8050の条件が満足されれば、スロットル全閉制御の解除処理(S8060)が行われる。
スロットル全閉制御とは、内燃機関のスロットルバルブの開度を制御しているモータの回転速度を決定するデューティを、スロットルバルブが閉じる方向に最大のデューティ出力(最高速)として減速制御することを意味する。
【0208】
このようにして、目標車速算出処理(S8000)が終了すると、従来から知られている定速車速制御と同様にして、ステップS8000で求められた目標速度Vmを目標とした車速制御が行われる(S9000)。
本実施の形態は、上述のごとく構成されているため、カーブ半径Rに基づいて直進路に変換した前方物体個々の座標を、予め設定してある直進路の自車線確率マップに当てはめて個々の物体の自車線確率を求め、その自車線確率の状態から先行車を決定し、その先行車との位置関係等に基づいて自車の速度を調節して、車間距離を制御している。したがって、スキャニング測距器6を用いて、先行車を適切に選択することができ、その先行車に対して車間距離制御することができる。
【0209】
しかも、このような車間距離制御の際に、渋滞した料金所等に自車が差し掛かった場合には、ステップS5500の通行不可物検出処理により、その時に認識された停止物の自車線確率Pの値にかかわらず、すなわち、先行車として停止物が認識されるのを待つことなく、直ちに通行不可物フラグはオンとなり、ステップS7002にて、加減速率Atとして最大の減速率「−10km/h/s」が設定される。
【0210】
この結果、図26に示すごとく、時刻t0にて停止物が検出された後、一度の車間制御処理(図4)の中で直ちに通行不可物フラグ・オンとなり(時刻t1:車間制御処理が200ms毎に実行される場合は、時刻t0〜時刻t1の時間は約200ms以内)、直ちに減速が開始されて、自車速Vnは急速に低下する。
【0211】
しかし、従来のように、ステップS4020にて式31または式32の処理を、車間制御処理の1回毎に繰り返すことにより次第に増加させて自車線確率Pを求め、ステップS5020にてP≧70%となるのを待って初めて先行車(停止物)として認識していたのでは、例えば、図26の時刻t2まで(時刻t0〜時刻t2の時間は約1s)待たなくてはならず、早期に減速することができず、その間に停止物との車間距離は急速に小さくなってしまう。
【0212】
このように本実施の形態では、停止物の自車線確率Pを繰り返し求めるという手法にて自車線上の停止物を検出しなくても、直ちに通行の可不可を判断でき、減速制御を迅速に実行することができる。本実施の形態では、特に、停止物が複数存在する場合に、通行不可物フラグの設定処理を実行しているが、通行不可能なのは、通常、料金所等で多数の停止物(料金所の建物や停止車両など)が存在する場合であることから、効率的に通行不可か否かの判定ができ、コンピュータ4の負荷を増大させることはない。
【0213】
また、通行可不可判定処理は、近接している停止物同士は、その間を通行することはできないので、一つの連続した停止物とみなして通行可能か否かを判定している。このため、通行可能か否かを判断する停止物のデータ数が少なくなるので、通行可不可の判定処理も一層迅速となる。
【0214】
また、停止物の幅が所定幅以上の場合に、通行可能か否かを判定することとしているため、他の停止物と十分に離れて存在する幅の狭い停止物は、十分に避けることが可能な停止物であると判断でき、更に、もっと幅の広くて自車の走行に影響を及ぼす停止物についての判断を迅速にできる。
【0215】
尚、図23の通行不可物検出処理の内、ステップS2000,S5510が停止物抽出手段としての処理に該当し、ステップS5510が停止物数判定手段としての処理に該当し、ステップS5610〜S5630が通行不可物検出手段としての処理に該当し、ステップS5520〜S5570が停止物接続手段としての処理に該当し、ステップS5590が幅検出手段としての処理に該当し、ステップS5600が幅判定手段としての処理に該当する。
【0216】
[その他]
(1)前記実施の形態では、通行不可物フラグ・オンとなった場合には、ステップS7002にて、加減速率Atに「−10km/h/s」が設定されたが、通行不可物フラグ・オンとなる直前の加減速率Atよりも小さくするようにしても良い。例えば、加減速率At≦0km/h/sを満足するいずれかの値を設定しても良い。
【0217】
また、通行不可物フラグ・オンとなった場合には、現在の自車速Vnを基準として、自車速Vnを十分に低下させるように制御しても良い。
これ以外に、通行不可物フラグ・オンとなった場合に、スロットル駆動器20aを制御して、内燃機関のスロットルバルブの開度を「0」すなわち、全閉(アクセル・オフ)としても良い。更にアクセル・オフに加えて、OD(オーバードライブ)カットを行っても良い。
【0218】
また、通行不可物フラグ・オンとなった場合には、アクセルのみでなく、リターダなどの他の減速手段を作動させたり、あるいはブレーキや補助ブレーキ等の制動装置を作動させて、自車速Vnを迅速に低下させても良い。
また、通行不可物フラグ・オンとなった場合には、上述した制御を行う代りに、あるいは上述した制御に加えて、車両のダッシュボードなどに警報ランプを備えて、前方の停止物に対してランプの点灯で警告を発しても良い。あるいはブザーなどで警報音を発しても良い。
【0219】
図23の通行不可物検出処理では、2つの停止物をデータ的に接続して一つの停止物として扱う処理として、角度θ(S5540)、x軸方向の距離dx(S5550)あるいは、y軸方向の距離dy(S5560)のいずれかの条件が満足されれば、一つの停止物として扱ったが、ステップS5560は無くして、角度θ(S5540)またはx軸方向の距離dx(S5550)の条件のいずれかを満足すれば、接続処理するようにしても良い。また、ステップS5540およびステップS5560を無くして、x軸方向の距離dx(S5550)の条件のみで判断しても良い。
【0220】
また、停止物を統合する場合、停止物間の距離をx軸方向とy軸方向とで別個に判定していた(S5550,S5560)が、停止物間の直線距離にて判断しても良い。すなわち、直線距離が所定長さよりも短い場合に、2つの停止物を一つの停止物として統合するようにしても良い。
【0221】
(2)前記実施の形態の中立学習(S3200)では、操舵角のみの状態により中立学習を行ったが、この中立学習の信頼性を高めるために、次のように停止物の動きから中立位置を学習しても良い。
すなわち、停止物が認識されたらそれの軌跡を追跡する処理と、その軌跡を円弧と仮定して現在の走行路のカーブ半径Rを計算する処理と、そのカーブ半径Rの絶対値が所定半径(例えば1500m)以上の場合、θcと実操舵角θとの差を計算して、その値を制御周期毎に累積する処理と、その累積値の絶対値が所定値を越えた場合に、それがプラスである場合に、θcを所定値(例えば、ステアリングセンサ8の分解能の1/10の値、分解能が2.25°であれば、所定値としては0.225°)減算し、それがマイナスである場合に、θcを所定値(同上)加算する処理とを備えた中立位置学習処理としても良い。
【0222】
この停止物の軌跡を円弧と仮定してカーブ半径Rを計算する処理は、例えば次の手順▲1▼〜▲3▼のようになされる。尚、図18に示すごとく同一停止物の軌跡が各時点においてB0〜B4として5つ得られるとして説明する。
▲1▼カーブ半径Rの算出に用いる5点の座標を次のように選択する。
【0223】
(a)に示すごとく、各時点における左端、中心、右端の座標を各5点算出する。この状態を図19に示す。○が左端、×が中心、●が右端である。
(b)左端、中心、右端のそれぞれについて、5点を最小自乗法を用いて求めた線分(X=aY+b)で結ぶ。図19では、それぞれ、線分L、C、Rで示す。
【0224】
(c)左端、中心、右端のそれぞれについて、5点と線分との差の2乗を各々計算し、その各総和Stを次式44のごとく求める。
【0225】
【数30】
Figure 0003843512
【0226】
(d)左端、中心、右端のうち、(c)で求めた総和Stが最小のものを選択し、カーブ半径Rの算出には、これの5点の座標を用いる。すなわち物体の左端、中心あるいは右端のいずれかにおける5点を選択する。
ただし、例外として現在中心X座標<−2mのときには右端を、現在中心X座標>2mのときには左端を必ず選択する。
【0227】
▲2▼軌跡の線分近似
前記▲1▼で選択された5点により▲1▼の(b)にて得られている線分の両端(Xt,Yt),(Xb,Yb)の座標(図18に示す)を求める。
▲3▼カーブ半径R算出
前記▲2▼で求めた両端の座標(Xt,Yt),(Xb,Yb)から、次式45,46の連立方程式を解くことにより、カーブ半径Rが求められる。
【0228】
【数31】
Figure 0003843512
【0229】
尚、円の方程式は2点(Xt,Yt),(Xb,Yb)を通ることと自車中心の座標のX軸に点(Xz,0)にて直交することにより一意に決まり、また、円の方程式は、|X|<<|Y|,|X|<<|R|という仮定のもとで、放物線で近似している。
【0230】
ただし、図20に示すごとく、B0とB4とが共に領域Eに存在する場合は、▲2▼▲3▼の処理は行わずR=∞とする。
(3)前記実施の形態の中立学習(S3200)において、学習精度を更に高めるために、学習禁止カウンタCgsのセット条件(S3220)に、更に、次の条件を加えても良い。
【0231】
▲1▼前方障害物の認識処理(S2000)にて路側物(物体幅Wが車両の大きさでない停止物)として検出された停止物が、自車のすぐ前方にあり、前記停止物の軌跡から求めたカーブ半径Rの絶対値が小さいときには、急なカーブと判断して、学習禁止カウンタCgsのセット条件(中立学習禁止条件)成立と判定しても良い。このことにより、直進時の操舵角の学習をさらに適切に行って、正しい先行車判定をすることができる。
【0232】
▲2▼前方障害物の認識処理(S2000)にて、自車のすぐ前方で自車の前後方向に長さを持つ物体(ガードレールを想定)を捉えたとき、急なカーブと判断して、中立学習禁止条件成立としても良い。このことにより、直進時の操舵角の学習をさらに適切に行って、正しい先行車判定をすることができる。
【0233】
(4)瞬時自車線確率算出処理(S4010)において、先行車の判定を一層確かなものとするために、次のような処理にて、瞬時自車線確率を求めたり、あるいは前記実施の形態のステップS4010にて求めた瞬時自車線確率を補正しても良い。
【0234】
▲1▼前方障害物の認識処理(S2000)にて路側物(物体幅Wが車両の大きさでない停止物)として検出された停止物との相対位置で、自車や先行車の左右に車線のスペースがあるかないかを判断する。例えば、自車や先行車のすぐ左に路側物があれば、左に車線はなく、これが2車線の道路であれば自車や先行車は走行車線を走行していると判断する。また、左右両方に路側物があれば1車線の道路と判断する。
【0235】
▲2▼操舵角の変化量とウインカーから自車の車線変更を判断する。
▲3▼前記▲1▼と▲2▼と結果を瞬時自車線確率に反映させる。
例えば、1車線と判断した道路で、スキャニング測距器6が捉えた物体幅Wが車両の大きさである移動物は、まず間違いなく自車線上の先行車なので、自車線確率を高くする。このことにより、先行車判定が一層確かになる。
【0236】
(5)ウインカーがオンのときは、先行車判定の中心をウインカーの方向に、自車速に応じてずらしても良い。
例えば、瞬時自車線確率算出処理(S4010)において、前方障害物の認識処理(S2000)にて得られたすべての物体の中心位置・物体幅のデータ(X0,Y0,W0)を、直進路に変換して得られた中心位置・物体幅のデータ(X,Y,W)を、図11に示す自車線確率マップ上に配置して、各物体の瞬時自車線確率を求めたが、このときのX座標の変換式17のカーブ半径Rを、右ウインカーがオンの場合は増加補正し、右ウインカーがオンの場合は減少補正することにより、ドライバーがウインカーをオンして自車の走行車線を変更する場合に対処できる。このことにより、先行車が遅くて車線変更して追い抜こうとするときに、減速しないようにすることができる。また、車線変更先の車線に車両がいるときには、迅速にそれを先行車と判定できる。
【0237】
(6)前方障害物の認識処理(S2000)にて得られた物体の軌跡から求めたカーブ半径Rや衝突判定(物体がぶつかるかどうかの判定)の結果を、瞬時自車線確率算出処理(S4010)にて得られた各自車線確率に加味しても良い。
すなわち、衝突するとの判定がなされれば自車線確率を増加させ、衝突しないとの判定がなされればそのまま、あるいは自車線確率を減少させる。また、物体の軌跡から求められたカーブ半径Rが得られていれば、前記式17のカーブ半径Rに直接用いたり、あるいは操舵角から求められたカーブ半径Rを補正する。
【0238】
このことにより、ハンドルのふらつき等により生じた、操舵角から求められたカーブ半径Rの誤差を補って一層正確な先行車選択が可能となる。
(7)前方障害物の認識処理(S2000)にて得られる相対速度Vrにより自車に近づくと判断される物体に対しては、瞬時自車線確率算出処理(S4010)にて得られた瞬時自車線確率P0 を増加補正する。例えば、図21に示すごとく近づく方向の相対速度Vrに対して補正値Khを設定し、次式47のごとく瞬時自車線確率算出処理(S4010)にて得られた瞬時自車線確率P0 を補正して新たな瞬時自車線確率P0 を求める。ただし、瞬時自車線確率P0 は100%を上限とする。
【0239】
【数32】
Figure 0003843512
【0240】
このことにより、自車より速度の遅い先行車に対する追突防止をより確実にすることができる。
(8)前方障害物の認識処理(S2000)にて検出された物体が小さい場合、バイク等の車両であることが推定され、バイク等は車線の中央を走行していないことが多いので、安全性を考慮して瞬時自車線確率算出処理(S4010)にて得られた瞬時自車線確率P0 を大きい方に補正しても良い。
【0241】
例えば、次のような条件がすべて満足された場合に、バイク等の小さい物体が走行しているとして、数十%(例えば30%前後)の増加補正を瞬時自車線確率P0 に加える。
▲1▼所定時間認識されている物体である。(所定時間として、例えば、5秒以上)
▲2▼物体幅Wが所定幅以下である。(例えば認識されている間の平均幅Wが、所定幅としての0.7m以下)
▲3▼物体中心Y座標が所定値以下である。(例えば所定値として50m)
▲4▼前記式17にて自車線中心に変換した物体のX座標、すなわち自車線中心のY軸(X=Y0×Y0/2R)からの離間距離が所定距離以下である。(例えば所定距離としては2m)
(9)車幅方向の相対速度が大きいときには、前記式31,32にて求めた自車線確率Pを変化させにくくしても良い。すなわち、瞬時自車線確率P0 の重み付けを小さくして、自車線確率Pの瞬時自車線確率P0 への追随性を低下させても良い(時定数を大きくしても良い。)。
【0242】
ステアリングセンサ8だけからカーブ検出をしていると、自車がまだ直進路を走行しているにもかかわらず、先行車がカーブに入つたときには、実際には自車線を先行車が走行しているにもかかわらず、自車線確率Pが低くなって先行車と判断されないことがある。
【0243】
そこで、この状況を車幅方向(X軸方向)の相対速度Vrxの大きさから検出して、自車線確率Pの時定数を上述のごとく大きくすることが好ましい。先行車に続いて、すぐに、自車もカーブに入れば、車幅方向の相対速度Vrxが小さくなるので、直ちに元の時定数に戻る。こうすれば、カーブ入り口で先行車の自車線確率Pが小さくなったために、その先行車を見失ったり、隣接車線の車両を先行車と誤認することが低減できる。
【0244】
ただし、近距離(例えば40m未満)では時定数を大きくしない。近距離での急な割り込みは迅速に対処したいからである。
例えば、次式48のように車幅方向相対速度Vrxを求めて、その絶対値が大きいときに時定数を大きくすれば良い。
【0245】
【数33】
Figure 0003843512
【0246】
ここで、dX/dtは先行車の相対速度VrのX成分、d(Y・Y/2R)/dtは自車線中心変化速度のX成分である。
(10)先行車に追従中に割り込み車両があるときは、自車線確率Pによることなく先行車とみなして、車速制御を行う。割り込みは車幅方向の動きを検知して行うので、自車線確率Pが高くなるのを待つことなく、早期に先行車と判断でき、迅速に減速制御に入ることができる。
【0247】
(11)衛星波を使ったグローバルポジショニングシステム(GPS)を有するナビゲーションシステムを備えている場合は、このGPSにて自車位置を確認し、ナビゲーションシステムのマップ情報から前方がカーブと判定したら、ある程度遠い距離にある物体は先行車と判断しないようにしても良い。これは、図12のステップS5030の前または後に行う。
【0248】
これは、自車がまた直線を走っている場合に、前方にカーブがあるとき、隣接車線を走行する前方の車両がほぼ真正面となっために、その車両を先行車と判定して瞬時自車線確率P0 が高くなって優先的に車間制御をするのを防ぐことができる。
【0249】
(12)目標車間算出処理(S6000)のステップS6030,S6040,S6060〜S6110にては、ドライバーが自らタップスイッチ12eのレバーを操作することにより、車間設定が行われていた。これは、特にステップS6020にて設定される目標車間時間THの初期値T0 がドライバーにとって好みでない場合に行われるが、レバーの操作を本車間制御処理に入る毎に一度は実行しなくてはならず煩わしい。
【0250】
この処理の代りに、またはこの処理と共に、車間制御処理をしていない場合に、図22のフローチャートに示す処理により、ドライバーが望む車間を学習して、そのときの車間時間を目標車間時間の初期値として設定しても良い。
すなわち、車間制御処理外で、図22の処理は所定周期で実行され、ステップS1000〜S5000と同一の先行車検出処理(S6200)の後、前方障害物の認識処理(S2000)にて得られた物体の位置データから、自車と先行車との車間距離を求め、その車間距離を自車速にて除して車間時間Taを演算する(S6210)。次に、車間時間Taの頻度分布を得るために、車間時間に応じて、コンピュータ4内のメモリに設定されている領域の内、現在の車間時間Taに該当する領域の頻度値がインクリメントされる(S6220)。次にこの領域から最も頻度値の高い車間時間が選択され、あるいは頻度値で重み付けした車間時間の平均値が求められる(S6230)。この最高頻度の車間時間または前記平均値を車間時間の初期値T0 として設定する(S6240)。
【0251】
こうして、ドライバーの車間時間の好みが学習され、車間制御処理が開始された際に、ステップS6020にて、ドライバーの好みに合った車間時間が初期値T0 として設定される。このことにより、ドライバーは煩わしいレバー操作をほとんどなくすことができる。
【0252】
また、前記ステップS6220にて、車間時間の頻度分布を自車速Vn毎に求め、ステップS6020にて、初期値T0 を設定する場合に、その時の自車速Vnに基づいて、該当する車速の頻度分布の最高頻度の車間時間または前記平均値を選択して、初期値T0 として目標車間時間THに設定しても良く、更に精密に目標車間時間THの初期値T0 が設定できるので、ドライバーは一層煩わしいレバー操作をしなくて済む。
【0253】
(13)車間制御外の状態から、車間制御の状態に移ったときは、移った時点から所定時間は、前方障害物の認識処理(S2000)にて認識し始めた先行車の距離に応じて、目標車間距離Dt(目標車間時間TH)を通常よりも長くして、先行車への近づきすぎを防止する。
【0254】
この処理はステップS6050の前で、前方障害物の認識処理(S2000)にて認識されている先行車の距離に応じて、目標車間時間THを長くなるように補正しても良い。また、ステップS6050の中あるいは後で、ステップS6050にて、前方障害物の認識処理(S2000)にて認識されている先行車の距離に応じて、目標車間距離Dtを長くなるように補正しても良い。
【0255】
このことにより、先行車の検出が遅い場合に、目標車間距離Dt(目標車間時間TH)を補正していないと減速が間に合わなくなって先行車に接近しすぎる事態を防止できる。
(14)前方に所定台数(例えば3、4台)の移動物を検出しているときには、車群になって走行しているので、車間を通常よりも短めにしても良い。例えば次のような処理にて行う。
【0256】
ステップS6050の中または前後で、ステップS2000にて得られた物体データの内で、数秒(例えば3秒)認識されている移動物(走行車両)の数の時間平均値を算出し、その時間平均値が所定値以上(例えば3台以上)ならば、補正係数Kd(0<Kd<1)を用いて、次式49のごとく目標車間時間TH(目標車間距離Dt)を、他の場合に比較して短縮する。
【0257】
【数34】
Figure 0003843512
【0258】
ここでTmnは最低車間時間であり、例えば0.7秒が設定される。
この構成は、一般のドライバは、交通量が多いときには車間をつめて走行するので、これを自動的に実現するものである。
(15)先行車未認識時の前記ステップS7080での加減速率Atは、一定のプラスの加減速率(加速)に設定されているが、急カーブで、自車速Vnを安全な範囲に落とすために、このステップS7080の加減速率Atを、操舵角θ0 、横加速度Gあるいは走行半径に基づいて、安全に走行できる範囲に限定しても良い。
【0259】
(16)先行車未認識時の前記ステップS7080での加減速率Atは、最初から一定のプラスの加減速率(加速)に設定されるが、ステップS7070にて否定判定された後、初めてステップS7080の処理をする場合、特に加減速率Atが低い値にて、ステップS7080が実行された場合には、その値(実施の形態では1.3km/h/s)に徐々に増加させていっても良い。徐々に加速度を増やすことにより、ドライバに急加速による不安感を与えないためである。
【0260】
(17)左ウインカー・オンのときは、ステップS7080での加減速率Atの設定値を通常よりも小さくしても良い。
これは、追越車線から走行車線への車線変更は、流れの遅い車線への車線変更と考えられるので、これを考慮するためである。また、高速道路で走行車線からサービスエリアへ入つていくときも、加速度が大きいとドライバーは恐く感じるのでこれも考慮できる。
【0261】
(18)右ウインカー・オンのときは、ステップS7080での加減速率Atの設定値を通常よりも大きくしても良い。
これは、走行車線から追越車線への車線変更は、流れの速い車線への車線変更と考えられるので、これを考慮するためである。
【0262】
(19)図15に示したマップの代りに、目標車間の長短で、複数枚の加減速マップを持っても良い。
例えば、車間が長いときには、自車速を一定に保つマップ(例えば車間偏差Deや相対速度Vrに違いがあっても、基本加減速率MDVにほとんど差が無いマップ)とし、車間が短いときには、車間を一定に保つマップ(例えば車間偏差Deや相対速度Vrに違いがあると、基本加減速率MDVに大きな差が有るマップ)として、車間制御をすることにより、フィーリングを良くすることができる。
【0263】
(20)図15に示したマップの代りに、自車速Vnの高低で、複数枚の加減速マップを持っても良い。
例えば、自車速Vnが低いときには制御の応答性を速くするマップ(例えば車間偏差Deや相対速度Vrに違いがあると、基本加減速率MDVに大きな差が有るマップ)、高いときには応答性を遅くするマップ(例えば車間偏差Deや相対速度Vrに違いがあっても、基本加減速率MDVにほとんど差が無いマップ)として、自車速によって制御を変えることにより、フィーリングを良くすることができる。
【0264】
(21)降坂判定中は、加減速率を小さくしても良い。すなわち、降坂時には、プラスの加減速率(加速)の場合は加速を小さくし、マイナスの加減速率(減速)の場合は減速を大きくしても良い。
例えば、自車速Vnとスロットル開度センサ20bにて検出されたスロットル開度とを比較して、平地で走行している際の、車速Vnとスロットル開度との関係に比較して、スロットル開度が所定量以上閉じられていれば、降坂であると判定できる。降坂と判定された場合には、例えばステップS7040の後で、基本加減速率MDVを小さい方に補正すれば良い。
【0265】
このことにより、下り坂で車速が過剰となるのを防止できる。
(22)ステップS7040の後で、先行車の自車線確率Pを考慮して、加減速率を補正しても良い。
例えば自車線確率Pが低いほど、加減速率の絶対値が小さくなる方に補正する。これにより、隣接車線の車両への誤追従を一層低減し、快適な走行を図ることができる。ただし相対速度Vrがマイナスの場合は、補正しないようにすることが近づいて来る先行車を回避する上で好ましい。
【0266】
(23)ステップS7040の後で、目標車間距離Dtを考慮して、目標車間距離Dtが所定距離よりも長い場合は、加減速率の絶対値が小さくなるように補正しても良い。
遠方車両は、ドライバーに危険を感じさせないし、追従意識も与えないので、過敏に反応するような制御をすると、逆に不快感を与えることがあるからである。
【0267】
(24)一旦、スロットルが全閉になった場合は、ステップS8010にて、算出される目標車速Vmにかかわらず、次の車間Dと目標車間距離Dtとの関係式50を満足するまで自車の加速をしないようにしても良い。
【0268】
【数35】
Figure 0003843512
【0269】
ここでaはプラスの所定値である。また、前記式50は車間距離でなく車間時間で表しても良い。
このようにすることにより、ショックを伴うスロットル全閉をできるだけ回数を減らして不快感を与えないようにできる。
【0270】
(25)先行車が未認識となった場合、目標車速Vmに現在の車速Vnを設定しても良い。
ステップS8010の処理では、先行車が自車よりも遅いときには、自車を減速させるために目標車速Vmを低くするが、目標車速Vmが現在の車速Vnよりも低くなっている際に先行車がいなくなったときには、ステップS7080の処理にて、低くなった目標車速を徐々に増やすことになる。このため、加速に移るまでに時間がかかる。そこで、先行車が未認識となった場合に目標車速Vmに現在の車速Vnを設定することにより、応答性を向上させることができる。尚、この先行車未認識時でのVmの制限は、Vm≦Vsとする。
【0271】
(26)ステップS1000またはステップS2000の処理において、先行車に近づき過ぎて追突する恐れが有る場合は、表示器14内の現在車間距離表示器14bや図示しないブザー等により、ドライバーに危険を知らせても良い。
(27)車間制御にて急減速する場合には、後方車両に減速表示するために、図示しないブレーキ灯等を点灯させても良い。
【0272】
このことにより、後続車両に追突される危険を防止することができる。
(28)悪天候中は車間制御を禁止しても良い。
雨、雪、霧等の中では、スキャニング測距器6の能力が低下するので、先行車を認識し難くなる場合がある。したがって、このような天候の中で車間制御することは適当でないので、車間制御を禁止して、車間制御を開始させない、あるいは車間制御の最中にこのような天候となった場合には車間制御を中止する。
【0273】
またこのように悪天候にて車間制御を禁止する場合には、ドライバーに車間制御が禁止あるいは中止されたことを知らせるために、表示器14に表示しても良い。このような雨、雪、霧等を検出するセンサとしては、空気中の粒子の量を光学的に検出するセンサ、あるいは水滴を電気伝動度の変化にて検出するセンサ等が挙げられる。
【0274】
(29)先行車が選択されて、定速走行から車間制御に移行する場合には、表示器14の図示しないランプや現在車間距離表示器14bを点滅させて、ドライバーに知らせても良い。また、定速走行制御と車間制御とで表示器14のバックライトの色を切り替えても良い。
【0275】
これは、先行車検出処理(S1000〜S5000)により先行車を捉えて車間制御をしているかどうかを、ドライバーが知っていないと不安に感じることと、フレーキを踏むタイミングにも困るからである。もし前に先行車が居るのをドライバーが認識していても、表示器14の状態から車間制御に入っていないと確認できれば、ドライバーはブレーキを踏んで安全を図ることができる。
【0276】
(30)車間制御時にフットブレーキを踏んでも自車速が先行車の車速以上の間はアクセルオフするが、車間制御を中止(キャンセル)しないようにしても良い。
通常、車間制御(定速走行制御も含む)は、ブレーキを踏めば必ずキャンセルするようになっていて、再度制御に入るためには、レバー操作を必要とする。このレバー操作回数を減らすことにより、ブレーキを踏む度に生じる煩わしさを解消することができる。
【0277】
(31)スロットル全閉制御(S8040)およびスロットル全閉制御解除(S8060)においては、急激なスロットル開度の変化によるショックを防止するために、スロットルの開閉を徐々にしても良い。このことにより、ドライバーに与える不快感を少なくすることができる。
【0278】
(32)また、自動変速機制御器16において、所定条件下でオーバードライブを禁止する処理、いわゆるオーバードライブカットを行うことがある自動変速機制御を行っている場合には、そのオーバードライブカット時にスロットルを一瞬開方向に制御してカット時のショックを低減する処理を行っても良い。トランスミッションのギヤを切り替える時にはショックを生じてドライバーを不快にするので、これを防止するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態としての車間距離制御装置のシステムブロック図である。
【図2】 コンピュータの制御ブロック図である。
【図3】 コンピュータの詳細制御ブロック図であり、(a)はカーブ半径算出ブロック、(b)は車間制御ブロックを示す。
【図4】 車間制御全体の処理のフローチャートである。
【図5】 カーブ検出処理のフローチャートである。
【図6】 中立学習処理のフローチャートである。
【図7】 中立学習処理の説明図である。
【図8】 操舵角θ0 、平均操舵角θa0のタイミングチャートである。
【図9】 操舵角θ0 、チェック用操舵角θckのタイミングチャートである。
【図10】 自車線確率算出処理のフローチャートである。
【図11】 自車線確率マップの説明図である。
【図12】 先行車選択処理のフローチャートである。
【図13】 目標車間算出処理のフローチャートである。
【図14】 加減速率算出処理のフローチャートである。
【図15】 車間偏差Deと相対速度Vrとから基本加減速率MDVを求めるマップである。
【図16】 車間Dと補正係数KMDVとの関係を示すグラフである。
【図17】 目標車速算出処理のフローチャートである。
【図18】 停止物の軌跡からカーブ半径を求めるための説明図である。
【図19】 停止物の軌跡からカーブ半径を求めるための説明図である。
【図20】 停止物の軌跡からカーブ半径を求めるための説明図である。
【図21】 相対速度Vrと補正値Khとの関係を示す説明図である。
【図22】 車間時間学習処理のフローチャートである。
【図23】 通行不可物検出処理のフローチャートである。
【図24】 通行不可と判定される状況説明図である。
【図25】 通行不可と判定される状況説明図である。
【図26】 実施の形態の効果を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
2…車間距離制御装置 4…コンピュータ
4a…座標変換ブロック 4b…センサ異常検出ブロック
4c…車速演算ブロック 4d…物体認識ブロック
4e…操舵角演算ブロック 4f…カーブ半径算出ブロック
4g…自車線確率演算ブロック 4h…先行車選択ブロック
4i…車間制御ブロック 4j…通行不可物検出ブロック
6…スキャニング測距器 6a…送受信部
6b…距離・角度演算部 8…ステアリングセンサ
10…車速センサ 12…クルーズコントロールスイッチ
12a…メインスイッチ 12b…セットスイッチ
12c…リジュームスイッチ 12d…キャンセルスイッチ
12e…タップスイッチ 14…表示器 14a…設定車速表示器
14b…現在車間距離表示器 14c…設定車間時間表示器
14d…センサ異常表示器 16…自動変速機制御器
18…ブレーキ部 18a…ブレーキ駆動器
18b…ブレーキスイッチ 20…スロットル部
20a…スロットル駆動器 20b…スロットル開度センサ
22…フィルタ処理ブロック 24…中立学習ブロック
26…検出操舵角演算ブロック 28…カーブ半径計算ブロック
30…目標車間距離演算ブロック 32…目標加減速率演算ブロック
34…目標車速算出ブロック 36…制御方法検討ブロック
38…車速制御ブロック

Claims (10)

  1. 測距手段により検出された前方物体から自車の走行に影響する移動物または停止物を先行車として選択して、該先行車との相対位置関係に基づいて自車の速度を調整する先行車追従処理を行う車速制御方法において、
    前記前方物体として前記停止物が複数検出されたか否かを判定し、
    前記停止物が複数検出されないと判定した場合には、前記先行車追従処理により自車の速度を調整し、
    一方、前記停止物が複数検出されたと判定した場合には、近接している前記停止物同士を一つの連続した停止物とみなし、その停止物の状態から自車が該停止物の位置を通行可能か否かを判定する通行可不可判定処理を行い、
    該通行可不可判定処理にて通行不可であると判定されると、加速停止制御、減速制御、または警告信号出力制御を行うことを特徴とする車速制御方法。
  2. 前記停止物同士が近接しているか否かの判定は、停止物間の距離が所定距離以下あるいは自車から見た停止物間の角度が所定角度以下の場合に、近接していると判定することを特徴とする請求項1記載の車速制御方法。
  3. 前記近接している停止物同士を一つの連続した停止物と見なした結果、得られた停止物の幅が所定幅より小さい場合には、通行可能と判定することを特徴とする請求項1または2記載の車速制御方法。
  4. 前記先行車追従処理は、前記先行車の選択において、前記測距手段により検出された前方物体と自車との相対位置関係に基づいて、前記前方物体が自車の走行に影響する確率を繰り返し求め、該確率に基づいて先行車とすべき前方物体を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の車速制御方法。
  5. 自車の速度を検出する車速検出手段と、
    車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能な測距手段と、
    該測距手段によって検出された距離および対応するスキャン角度に基づいて、自車に対する前記物体の相対位置を算出すると共に、自車に対する前記物体の相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記自車の走行路のカーブデータを求めるカーブ検出手段と、
    前記物体認識手段による算出結果と、前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータと、に基づいて車間距離を制御すべき先行車を選択し、前記車速検出手段により検出された自車の速度を制御して、前記先行車との車間距離を制御する先行車追従処理手段と、
    を備えた車速制御装置であって、
    前記物体認識手段にて求められた前記相対速度に基づいて、前記物体の内、自車の走行に影響する停止物を抽出する停止物抽出手段と、
    前記停止物抽出手段にて抽出された停止物が複数存在するか否かを判定する停止物数判定手段と、
    該停止物数判定手段にて前記停止物が複数存在すると判定された場合に、前記複数存在する停止物の内で、近接している停止物同士を1つの連続した停止物とみなすための処理を行う停止物接続手段と、
    該停止物接続手段により前記複数の停止物が処理されると、処理された後の停止物の相対位置と、前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータとに基づいて、前記停止物の位置を自車が通行可能か否かを検出する通行不可物検出手段と、
    該通行不可物検出手段にて通行不可能であると検出された場合には、加速停止制御または減速制御を行う車速制御手段と、
    を備え、
    前記停止物数判定手段にて前記停止物が複数存在しないと判定された場合には、前記先行車追従処理手段にて、自車の速度を制御することを特徴とする車速制御装置。
  6. 前記停止物接続手段は、
    前記停止物抽出手段にて抽出された停止物間の距離が所定距離以下あるいは自車から見た停止物間の角度が所定角度以下の場合に、該当する停止物同士は近接していると判定することを特徴とする請求項5記載の車速制御装置。
  7. 更に、
    前記停止物抽出手段にて抽出され、前記停止物接続手段にて処理された後の停止物について、前記測距手段によって検出された距離および対応するスキャン角度に基づいて各停止物の幅を検出する幅検出手段と、
    前記幅検出手段にて検出された停止物の幅の内、所定幅より小さい停止物は、通行可能と判定する幅判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5または6記載の車速制御装置。
  8. 更に、
    警報信号出力手段と、
    前記通行不可物検出手段にて通行不可能であると検出された場合には、前記警報手段により警報信号を出力させる警報手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の車速制御装置。
  9. 前記車速制御手段の代りに、
    警報信号出力手段と、
    前記通行不可物検出手段にて通行不可能であると検出された場合には、前記警報手段により警報信号を出力させる警報手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の車速制御装置。
  10. 前記先行車追従処理手段は、
    前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータと前記物体認識手段によって算出された物体の相対位置とに基づいて、前記物体が自車と同一車線上にいる確率を求める自車線確率算出手段と、
    該自車線確率算出手段によって求められた確率に基づいて、前記先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記車速検出手段により検出された自車の速度を調節して、前記先行車選択手段にて選択された先行車との車間距離を制御する車間距離制御手段と、
    からなることを特徴とする請求項5〜9のいずれか記載の車速制御装置。
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