JP3371650B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents
車両走行制御装置Info
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Landscapes
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
- Image Processing (AREA)
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Description
状況、および自車周辺の他車状況を的確に判断して、例
えば安全性の高い車線への走行車線変更を効果的に制御
し得る車両走行制御装置に関する。
テムとして、例えば特開平7−198882号公報に
は、道路上の白線を検知して自車の走行域を認識して自
車の走行状態を制御したり、或いは運転者に警報を発す
る走行域認識装置が開示される。また特開平7−421
2号公報には、車両の周辺状況をその危険度に応じた強
調処理を施して映像化して運転者に提示する車両周辺情
報警報装置が開示される。
現する場合、道路状況を認識することは勿論のこと、自
車周辺における他車の挙動状況等を認識して、より安全
な走行車線を選択しながら走行制御する必要がある。例
えば車両に搭載された各種センサにより検出される情報
や、道路に沿って設置されたラジオビーコン機器から与
えられるインフラストラクチャ情報、更には他車間との
通信情報等に基づいて、自車周辺における他車の位置,
車速,減加速度等を認識し、自車との相対的な危険度を
車線毎に求め、その危険度に基づいて自車の走行車線を
より安全な車線へと変更することが重要となる。
示すように道路上の白線Wによって区画される車線に対
応付けて走行レーンを定義し、各走行レーン(車線)毎
に、自車前方の他車との間の危険度(前方危険度D
F)、および自車後方の他車との危険度(後方危険度D
R)を求め、これらの和を当該走行レーン(車線)の相
対的な危険度として算出している。尚、自車が走行中の
車線(レーン)以外の車線についての危険度は、その車
線(レーン)に自車がいるものと看做して計算される。
即ち、自車の走行車線を中心として当該車線を第2レー
ン、その左側車線を第1レーン、また右側車線を第3レ
ーンとしてそれぞれ定義し、更に各レーンを自車を基準
として前方・後方のレーンに分けた上で、各レーンにお
ける相対的な危険度を自車および他車の重心位置を基準
としてそれぞれ算出することにより行われる。
は、先行車速度をVf,先行車減速度をAf,先行車との
車間距離をDf,そして自車速度をVs,車間時間をTm
としたとき、例えば As =(Vs2/2)/(Df−Vs・Tm+Vf2/2Af) として計算される自車減速度Asを、前方危険度DFと定
義して求められる。
Rは、後続車速度をVr,後続車減速度をAr,後続車と
の車間距離をDrとしたとき、 As =(Vs2/2)/(−Dr+Vs・Tm+Vr2/2Ar) として計算される自車減速度Asを、後方危険度DRと定
義して求められる。しかして安全性の高いレーンへの車
線変更は、例えば図12に示すように、先ず前処理とし
て各レーン毎に求められる前方危険度DFと後方危険度
DRとを、そのレーン毎に加算して各レーンの相対的危
険度を D = DF + DR としてそれぞれ求める(ステップS1)。しかる後、自
車が車線変更中であるか否かを判定する(ステップS
2)。尚、車線変更中である場合には、以下に示す車線
変更判断は行わない。そして車線変更中でない場合、次
に現在、自車が走行している第2レーンの危険度が最も
低いか否かを比較判定し、車線変更の必要性の有無を判
断する(ステップS3)。第2レーンの危険度が最も低
い場合には、当然のことながらその走行状態(走行車
線)を維持した方が安全性が高いので、車線変更判断を
終了する。
い場合には、第1または第3レーンの危険度が少なく、
第2レーンよりも安全性が高いことを意味するので、次
に第1レーンの危険度と第3レーンの危険度とを比較判
定する(ステップS4)。そして第1レーンの危険度が
小さい場合には、左側車線への車線変更を行い(ステッ
プS5)、逆に第3レーンの危険度が小さい場合には、
右側車線への車線変更を行う(ステップS6)。
度判定は、車線を1つの単位として、しかも自車および
他車がその車線の中央を走行しているものと看做してレ
ーン危険度を求めているに過ぎないので、実際の走行形
態とはそぐわず、車線変更判断に違和感が残る。特に他
車が車線の中央を走行しているのか、車線の片側に寄っ
て走行しているのか、更には白線を跨いで車線変更中で
あるのかを判断することができないので、的確な車線変
更判断ができない。更には自車および他車を、その重心
位置で捉えているに過ぎないので、車幅等を考慮した的
確な危険度判定を行うことができないと言う問題があ
る。
車が車線の中央を走行するものとして自動走行制御のア
ルゴリズムを構築することになるので、実際の走行形態
とはかけ離れたものとなり易い。特に自車が車線の中央
から外れた領域を走行している場合、これを車線変更中
であると看做して車線変更判断を行わないので、所謂盲
時間が長くなると言う問題がある。
たもので、その目的は、実際の走行形態に即した状態で
自車および自車周辺の他車状況等を的確に捉えて車線変
更判断することのできる車両走行制御装置を提供するこ
とにある。
べく本発明に係る車両走行制御装置は、自車の運転状況
を検出する自車状況認識手段、自車周辺の車両情報を検
出する周辺車両状況認識手段、および自車が走行してい
る道路状況を認識する道路状況認識手段を備えてなり、
特に上記道路認識手段にて認識された道路状況に従って
道路上の白線により区画される複数の走行車線をその走
行車線に沿ってそれぞれ複数のレーンに区分するレーン
分割手段を備え、レーン危険度算出手段においては、前
記自車状況認識手段にて求められた自車状況と前記周辺
車両状況認識手段にて求められた周辺車両状況とから自
車と他車との相対的な危険度を上記分割されたレーン毎
に求めるようにし、これらの各レーン毎に求められたレ
ーン危険度に基づいて車線変更の適否を判断するように
したことを特徴とするものである。
ン分割し、これらのレーン毎に危険度を算出して前記車
線間での車線変更を判断するようにしたことで、自車お
よび他車が各車線の中央以外の領域を走行している場合
でも、これに対処し得るようにしたことを特徴とするも
のである。また請求項2に記載の発明は、請求項1に記
載の発明に加えて更に、自車および他車の重心位置とそ
の車幅とに従って該車両が跨いでいる隣接走行レーンを
求め、前記レーン毎に求められたレーン危険度の内、上
記隣接走行レーンのレーン危険度に前記車両の車幅を考
慮した所定の危険度を付加する面積危険度付加手段を備
えたことを特徴とするものである。
た面積的な概念を導入し、車両の重心位置が存在するレ
ーンのみならず、そのレーンに隣接して当該車両がはみ
出しているレーンに対しても所定の危険度を付与するこ
とで、実際に即した危険度判断を行い得るようにしたこ
とを特徴とするものである。更に請求項3に記載の発明
は、請求項1または2に記載の発明において、更に前記
分割されたレーン毎に、前記道路状況認識手段にて認識
された道路状況に応じた地上座標系危険度を設定し、こ
れらの地上座標系危険度を前記レーン毎に求められたレ
ーン危険度にそれぞれ付加する地上座標系危険度付加手
段を備えたことを特徴とするものである。
ンが、例えば路肩に近いレーンであったり、車線を区画
する白線に近いレーンである等、それぞれレーン固有の
性質を持つことに着目し、そのレーンに応じた地上座標
系危険度を前述したレーン毎に求められる危険度に付加
することで、実際の道路状況に応じた危険度判定を行い
得るようにしたことを特徴とするものである。
求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、自車の
走行レーンおよびその隣接レーンについてそれぞれ求め
られたレーン危険度から自車走行危険度を統合的に求め
る自車走行危険度算出手段、および車線変更しようとす
る向きの互いに隣接する複数のレーンについてそれぞれ
求められているレーン危険度から変更車線危険度を統合
的に求める変更車線危険度算出手段を備え、これらの各
算出手段にて求められた変更車線危険度と自車走行危険
度とを比較して車線変更の適否を判断するようにしたこ
とを特徴とするものである。
互に比較するだけではなく、自車が関与する複数のレー
ンの危険度を統合することで、これを自車走行危険度と
してまとめ、一方、車線変更しようとする向きの互いに
隣接する複数のレーンの危険度についてもこれを統合す
ることで変更車線危険度としてまとめ、これらを比較す
ることでその判断処理の簡単化を図ったことを特徴とす
るものである。
線危険度および自車走行危険度を、処理対象としたレー
ン毎に求められたレーン危険度の平均としてそれぞれ算
出することで、危険度の取り扱いを一定化し、更に前記
変更車線危険度算出手段においては、自車速度に応じて
処理対象とするレーン数を可変することで、自車速度に
応じた危険度判断を行い得るようにしたことを特徴とす
るものである。
る車両走行制御装置の実施形態について説明する。図1
は車両走行制御装置の全体的な構成を示す図で、概略的
には道路状況認識部1,車両周辺状況認識部2,自車状
況認識部3,これらの各確認部1,2,3にてそれぞれ
認識された情報に従って危険度を求める危険度算出部
4,そしてこの危険度算出部4の出力に従って制御部5
に対する各種制御量を計算する制御量計算部6により構
成される。前記各認識部1,2,3は、従来よりそれぞ
れ提唱されている各種の認識装置として実現されるもの
なので、ここではその構成を簡単に説明する。
び車両後方の道路情報を画像入力する白線認識用の車載
カメラ11,12、その入力画像に対して所定の画像処
理を施して道路上の白線を認識する白線認識ECU(電
子回路ユニット)13、また認識された白線の情報から
道路軌跡を求める道路軌跡ECU14によって構築され
る。これらのECU13,14は、例えばマイクロプロ
セッサを主体として構成され、必要に応じてインフラス
トラクチャ情報15を用いて上記認識処理を進める。
に配置されたレーザスキャナや超音波センサ等からなる
周辺車両認識センサ部21と、それらのセンシング情報
に基づいて自車周辺の他車の情報を求める周辺車両位置
認識ECU22、また他車との間で通信される車々間通
信情報23に基づいて、他車の種別等を認識する周辺車
両情報認識ECU24を備えて構成される。そして自車
状況認識部3は、クランク角センサや車輪速センサ等か
らなる自車認識部31の出力に基づいて自車の挙動を認
識する自車情報認識ECU32を具備して構成される。
ける特徴的な役割を果たすものであり、その詳細につい
ては後述するが、基本的には前記道路状況認識部1にて
認識された車線を複数のレーンに分割し、分割したレー
ン毎に所定の危険度関数に基づいてその相対的な危険度
を算出する車両座標系危険度算出手段、各レーンについ
ての固有な危険度を求める地上座標系危険度算出手段、
車幅を考慮した危険度を求める面積危険度算出手段、更
には車線変更の為の比較危険度を求める変更車線危険度
算出手段等を備えて構成される。
主体として構成され、この制御量計算部6にて計算され
た制御量出力に基づいて制御部5の、例えばステアリン
グアクチュエータ51,アクセル開度機構52,トルク
伝達機構のシフトポジション制御機構53,自動ブレー
キ機構54等の作動がそれぞれ制御される。次に前記危
険度算出部4における本発明の特徴的な処理機能につい
て具体的に説明する。
にて求められた道路情報の内、白線によって区画された
複数の車線をそれぞれ複数のレーンに分割し、各レーン
毎に前述した危険度関数に基づいてレーン危険度を算出
している。例えば図2に示すように各車線を車両が通常
走行する中央領域と、車線変更時に車両が通過する白線
を含む車線境界領域との2種類に分ける。そして自車が
現在走行しているレーンを自車を基準としてその中央に
位置する第3レーンと定義し、これに隣接する左右のレ
ーンをそれぞれ第2および第4レーンとし、更にこれら
の外側を第1および第5レーンとして定義する。尚、こ
れらのレーン番号は自車の走行レーンを基準として定め
られるものであり、車線を分割したレーンの道路に対す
る絶対的な位置を定めるものではない。
分割した各レーン毎に前述した危険度関数に基づいて前
方危険度DFと後方危険度DRとを算出し、その和として
各レーンの相対的危険度を求めている。図3はこのよう
にして分割されたレーン毎に求められる危険度に従って
実行される車線変更判断手順を示すもので、先ずその前
処理として各レーン毎に求められる前方危険度DFと後
方危険度DRとを、そのレーン毎に加算してその相対的
危険度をそれぞれ求めることから開始される(ステップ
S11)。しかる後、自車が車線変更中であるか否かを
判定する(ステップS12)。この判断は、自車の重心
位置と道路情報として与えられる車線の情報とから、自
車が前述した車線境界領域のレーンに位置するか否かを
調べることによってなされ、車線変更中である場合には
以下に示す車線変更判断は行わない。
ている第3レーンを基準として、これに隣接する第2お
よび第4レーンとの危険度を相互に比較して第3レーン
の危険度が最も低いか否かを比較判定し、車線変更の必
要性の有無を判断する(ステップS13)。第3レーン
の危険度が最も低い場合には、当然のことながらその走
行状態(走行レーン)を維持した方が安全性が高いと判
断し、その時点で車線変更判断処理を終了する。
い場合には、隣接する第2レーンまたは第4のレーンに
比較して第3レーンの危険度が高く、むしろ第2または
第4レーンの方が安全性が高いことを意味するので、次
に第2レーンの危険度と第4レーンの危険度とを比較判
定する(ステップS14)。この判定により、左右のい
ずれの車線側へ変更すべきかが判断される。その上で、
第2レーンの危険度が小さい場合には、更に第1レーン
と第2レーンの各危険度を比較し(ステップS15)、
第1レーンの危険度が小さいことが確認された時点で初
めて、左側車線への車線変更を行う(ステップS1
6)。逆に第4レーンの危険度が小さい場合には、更に
第5レーンと第4レーンの危険度を比較し(ステップS
17)、第5レーンの危険度が小さいことが確認された
時点で初めて、右側車線への車線変更を行う(ステップ
S18)。
中央と車線境界部分の2つ)のレーンに分割し、各レー
ン毎に求められる危険度に従って車線変更を判断する装
置によれば、基本的に自車は車線の中央域である第3レ
ーンを走行しているので、第1,第3または第5レーン
に存在する車両を各車線内の中央域を通常走行している
と認識し、第2または第4レーンに存在する車両を車線
変更中であると認識して処理を進めることができる。し
かも車両の走行域を従来のように車線の中央に限定する
ことなく、白線を跨ぐ車線境界域を走行している状況も
踏まえて認識するので、実際の車両走行の状況に即した
状況把握が可能となり、車線変更判断を的確に行うこと
が可能となる。
度が高い場合、それに隣接する第2または第4レーンに
車線変更中の車両が存在しないか否かを判断した上で車
線変更を行うので、その車線変更制御を的確に行うこと
が可能となる。ところで上述した如く車線を複数のレー
ンに分割して各レーン毎に危険度を求めて車線変更する
場合、偶発的な事例ではあるが次のような不具合が生じ
る虞がある。即ち、図4に例示するように、同じシステ
ムを搭載した2台の車両が第2車線を挟んで第1車線と
第3車線をそれぞれ走行しており、各車線の前方にそれ
ぞれ他車が存在する場合、上記2つの車両においては自
車走行レーン(第3レーン)の危険度が高いことから、
それぞれ車線変更しようとする。この場合、前述したよ
うに隣接レーン(第2レーンおよび第4レーン)の危険
度を判定して車線変更の方向を決定することから、第1
および第3車線を走行中の車両は共に第2車線へと車線
変更しようとする。すると第2車線へと車線変更した時
点で両車両が相互に接触する虞が生じる。この不具合
は、各車両にとってその車線変更判断を行う時点で第1
または第5レーンの危険度が求められないことに起因す
る。
的には本発明を次のように実施することが好ましい。図
5は本発明の最も好ましいレーン分割の例を示すもの
で、道路情報に基づいて認識された車線をそれぞれ3分
割してレーンを設定する。尚、各車線を4分割すること
も考えられるが、レーン増大に伴って処理対象とする情
報量が徒に増大し、また比較判断等の処理手続きも複雑
化するので、実際的には各車線を3分割することが好ま
しい。
行位置(走行レーン)を基準として左右に3レーンずつ
選択し、計7レーンについてそれぞれ求められるレーン
危険度を車線変更判断の基本情報とする。即ち、自車走
行レーンを第4レーンとして位置付けし、第1乃至第7
レーンについて各レーン毎に前述した危険度関数に基づ
く危険度を求めるようにする。
上述した2レーン分割と同様な不具合が生じる虞があ
り、また一般に車両の車幅に比較して分割されたレーン
の幅が狭くなる。そこで各車両の車幅を考慮し、図6に
示すように車両の重心位置と車幅との関係に基づいて、
車両の重心位置が存在するレーンから該車両の側部が隣
接レーンにはみ出しているような場合、これらの隣接レ
ーンについても所定の危険度を付与するようにする。
されたレーンの中央に位置するにも拘わらず、図6の
(a)に示すようにその車幅がレーン幅よりも広く、車両
の側部が両隣のレーンにそれぞれはみ出しているような
場合、これらの各隣接レーンに対して、車両走行レーン
について求められたレーン危険度より若干低いレーン危
険度を付与する。また車両がその走行レーンにおいて偏
った位置にあり、図6の(b)に示すように片側の隣接レ
ーンにのみはみ出しているような場合には、そのレーン
に対して前記車両走行レーンについて求められたレーン
危険度より若干低いレーン危険度を付与する。このよう
にして車両が跨る隣接レーンに付与するレーン危険度
は、該車両の重心が位置する走行レーンについて求めら
れたレーン危険度が[D]である場合、例えば[D−
1]として設定される。
レーンのみならず、その車両が跨いでいるレーンにも所
定のレーン危険度を付与することで、当該車両の車幅を
考慮した面積的な概念を導入することが可能となる。こ
の結果、車両の重心位置にのみ着目して車両を点として
捉える従来の処理概念から脱皮して、車両をある大きさ
(幅,面積)を持つ塊として捉え、複数のレーンにその
情報を反映させることができるので、より実際的な処理
判断を行うことが可能となる。
険度の付与は、自車に対して施すことは勿論のこと、周
辺車両状況認識部2にて求められる他車の車種等の情報
が明らかな限り、その他車についても同様に施すことは
言うまでもない。ところで前述した如く車線を複数のレ
ーン分割して各レーン毎に危険度を算出すると雖も、各
レーンは、道路上の位置によってそれぞれ固有の性質を
有する。例えば車線の中央域に設定されたレーンは、車
両の通常走行域としての性質を持つが、車線の片側に寄
ったレーンは隣接車線に近く、隣接車線を走行する車両
との接触可能性が高い性質を持つ。また3車線以上の道
路にあって、最左側車線または最右側車線の路肩に近い
レーンは、車両が誤って路肩に進入する可能性を含むも
のであり、また路肩自体は原則的に走行が禁止されてい
る領域であり、更に路肩の外方には通常、ガードレール
が設けられている。
分割したレーン毎に自車を基準とする車両座標系を設定
してそのレーン危険度を求めると同時に、上記分割した
レーンに対応して地上座標系のレーンを設定し、その地
上座標系のレーン毎にレーン位置の性質に応じた地上座
標系危険度を与えている。例えば3車線道路の場合、図
7に示すように地上座標系のレーン位置に応じてそのレ
ーンについての危険度を定めている。具体的にはガード
レール部分の危険度を[20],路肩部分の危険度を
[3],路肩に隣接するレーンの危険度を[2],そし
て車線を区画する白線に隣接するレーンの危険度を
[1],車線中央のレーンの危険度を[0]としてそれ
ぞれ定めている。
定められる各レーンについての地上座標系危険度を、前
述した如く車両座標系を基準として各レーン毎に求めら
れる危険度に付加することで、各レーン危険度に道路状
況を反映させることが可能となる。しかも自車がどのレ
ーンを走行しているかによって、その走行状況に応じた
地上座標系危険度が加えられるので、例えば車両座標系
を基準として各レーン毎に求められた危険度が等しいよ
うな場合、危険度が[0]である車線中央のレーンに自
車を導くような判断がなされることになり、車両が白線
を跨ぎながら走行し続ける等の不具合をなくすことがで
きる。
れる危険度を、その都度、相互に比較判定しながら車線
変更判断することは、その処理量が膨大であり、処理時
間も長くなる。そこでこの装置では、車線変更判断を行
う際の判断基準として、次のような変更車線比較危険度
を定義している。即ち、図8に例示するように自車の走
行危険度として、自車が走行している第4レーンとその
両隣の第3レーンおよび第5レーンに着目し、これらの
各レーンの危険度の平均を自車走行危険度としている。
また変更車線に対する危険度を、自車走行レーン(第4
レーン)に隣接する第3レーンおよび第5レーンをそれ
ぞれ基準とし、これらの各レーンからそれぞれ外側に1
レーンまたは2レーン分広げた領域を判断対象とし、こ
れらの各レーンの危険度の平均を変更車線危険度として
求めるものとなっている。
域の幅は、例えば自車の速度に応じて可変設定されるも
ので、具体的には自車速度が40km/h未満である場
合には、自車走行レーンの両隣においてそれぞれ2レー
ン分の領域として定める。つまり第2レーンと第3レー
ンの危険度の平均を左側変更車線危険度として求め、第
5レーンと第6レーンの危険度の平均を右側変更車線危
険度として求める。そして自車速度が40km/h以上
となったとき、そのレーン領域の幅を広げてそれぞれ3
レーン分の危険度から変更車線危険度を求めるようにす
る。具体的には第1乃至第3レーンの危険度の平均を左
側変更車線危険度として求め、第5乃至第7レーンの危
険度の平均を右側変更車線危険度として求めるようにす
る。尚、各レーンの危険度の平均を自車走行危険度およ
び変更車線危険度とすることで、処理対象とするレーン
数に関係なく、その危険度を一義的に取り扱うことが可
能となる。
右の変更車線危険度と前記自車走行危険度とを相互に比
較し、これによって車線変更判断を実行することによ
り、その危険度の取り扱い自体を簡単なものとすること
ができる。しかも上記変更車線危険度および自車走行危
険度は、互いに隣接する複数レーンの危険度の平均とし
て各レーンの危険度情報を含むものであるから、車両の
周辺状況を反映した信頼性の高いものとなり、的確な車
線変更判断を行うことが可能となる。
る処理概念に基づく車線変更判断の処理アルゴリズムの
例を示すものである。この処理手続について説明する
と、基本的には先ず道路情報に基づいて車線を3レーン
に分割し、自車走行レーンを中心として左右に3レーン
ずつの計7レーンについて各レーン毎に前述した危険度
関数に基づいて前方危険度と後方危険度とを算出し、そ
れらの和を各レーンの車両座標系危険度として求める
(ステップS21)。しかる後、自車および自車周辺の
他車の重心位置とその車幅の情報に基づき、各車両がそ
の走行レーンからはみ出している隣接レーンを求め、こ
れらの隣接レーンに対して所定の危険度を付与する(ス
テップS22)。車幅を考慮して隣接レーン付与する所
定の危険度は、前述したようにその走行レーンの危険度
を基準として、その危険度を[−1]した値として与え
られる。この処理によって各車両の車幅を考慮した面積
的な危険度の情報が前記各レーン危険度にそれぞれ盛り
込まれる。
てなる各レーン毎に、そのレーン固有の地上座標系危険
度を求め、前述した車両座標系のレーン危険度にレーン
対応させてそれぞれ加算する(ステップS23)。尚、
対応するレーンの判別は、自車が走行中のレーン(車両
座標系における第4レーン)が地上座標系におけるどの
リーンに位置付けられるかを調べることによりなされ
る。このような地上座標系危険度の付加処理により、前
述した車両座標系における各レーン危険度に、そのレー
ン固有の情報が盛り込まれることになる。
度をそれぞれ求めた後、次に第3乃至第5レーンの危険
度の平均を求め、これを自車走行危険度とする(ステッ
プS24)。しかる後、自車速度が40km/h以上で
あるか否かを判定する(ステップS25)。そして40
km/h未満である場合には、第2および第3レーンの
危険度の平均を左側変更車線危険度、また第5および第
6レーンの危険度の平均を右側変更車線危険度としてそ
れぞれ算出する(ステップS26)。一方、車速が40
km/h以上である場合には、処理対象とするレーン数
を3レーン分に拡大し、第1乃至第3レーンの危険度の
平均を左側変更車線危険度、また第5乃至第7レーンの
危険度の平均を右側変更車線危険度としてそれぞれ算出
する(ステップS27)。
る自車走行危険度と、左右の変更車線危険度とがそれぞ
れ求められたならば、次に自車が車線変更中であるか否
かを判断する(ステップS28)。車線変更中である場
合には、その車線変更が完了した時点で新たにレーン危
険度を算出して車線変更判断を行うので、この時点では
車線変更判断を中止する。
次に前記車線変更比較危険度自車走行危険度を相互に比
較し、自車走行危険度が最も低いかを判断する(ステッ
プS29)。自車走行危険度が最も低い場合には、その
走行レーンに対する走行を維持した方が安全性が高いこ
とを意味するので、車線変更判断を終了する。左右の変
更車線危険度に比較して自車走行危険度が高い場合に
は、次に右側変更車線危険度が左側変更車線危険度より
低いかを判断する(ステップS30)。そして右側変更
車線危険度が低い場合には、右側車線への車線変更を指
示し(ステップS31)、左側変更車線危険度が低い場
合には、左側車線への車線変更を指示する(ステップS
32)。
路上における車線の中央を走行している場合のみなら
ず、その車線の片側に片寄った位置を走行している場合
であっても、各車線を分割して定めたレーンの下で各車
両の走行状況を的確に捉えて各レーンにおける危険度が
求められる。その上でこれらの各レーン危険度に車両の
車幅を考慮した危険度が付加され、車両の重心位置が存
在するレーンに隣接して当該車両が跨っているレーンに
対して、その車両の部分的な存在に基づく危険度が付与
される。従って車両を面積的に捉えて各レーンにおける
危険度を求めることが可能となる。更に上記の如く求め
られるレーン危険度に対して、道路上の位置に依存する
固有の危険度が地上座標系危険度としてそれぞれ付加さ
れるので、各レーン毎に求められる危険度に道路状況を
反映させることができる。
ーンを単位として統合し、その平均として自車走行危険
度および変更車線危険度をそれぞれ求め、これらの危険
度を相互に比較して車線変更判断を行うので、車幅や道
路状況等の必要な情報を盛り込んで集約された危険度の
情報に従って車線変更判断処理を簡単に、且つ的確に行
うことが可能となる。
中央域だけを走行するものと看做すことなく、その車線
幅内で移動しながら走行することを前提として処理判断
の基準とするレーンを分割して定め、これらの各レーン
毎に危険度を求めて車線変更判断を行うので、実際の車
両走行の状況に即した違和感のない自動走行制御が可能
となる。
ものではない。例えば危険度算出等の処理能力が高く、
且つ高速処理が可能であれば、車線を4レーン以上に分
割してより細かい状況判断を行うようにしても良い。ま
た衛星を利用したGPSの情報を利用しながら道路状況
判断を行うようにすることも勿論可能である。更には自
車周辺の状況に応じて、適宜、面積危険度の付加を省略
したり、或いは地上座標系危険度の付加を省略した状態
で車線変更比較危険度を求めて車線変更を判断するよう
にしても良い。その他、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
車の運転状況を検出する自車状況認識手段、自車周辺の
車両情報を検出する周辺車両状況認識手段、および自車
が走行している道路状況を認識する道路状況認識手段を
備えた車両走行制御装置において、道路上の白線により
区画される複数の走行車線をその走行車線に沿ってそれ
ぞれ複数のレーンに区分し、各レーン毎に自車と他車と
の相対的な危険度を求めて車線変更の適否を判断するの
で、自車および他車が各車線の中央域以外を走行してい
る場合でも、これを的確に状況把握しながら車線変更の
適否を判断することができる。
項1に記載の発明に加えて車両の重心位置とその車幅と
に従って該車両が跨いでいる隣接走行レーンに対して所
定の危険度を付加する面積危険度付加手段を備えている
ので、危険度判断に各車両の車幅を考慮した面積的な概
念を導入して、車両の大きさに応じた危険度判断を行う
ことができる。
上記各発明に加えて、前記各レーン毎に求められた危険
度に、道路状況に応じたレーン固有の地上座標系危険度
をそれぞれ付加する地上座標系危険度付加手段を備えて
いるので、実際の道路状況を踏まえた危険度判定を行い
得る。そして請求項4に記載の発明によれば、自車の走
行レーンおよびその隣接レーンについてそれぞれ求めら
れたレーン危険度から自車走行危険度を統合的に求める
と共に、車線変更しようとする向きの互いに隣接する複
数のレーンについてそれぞれ求められているレーン危険
度から変更車線危険度を統合的に求め、これらの変更車
線危険度と自車走行危険度とを比較して車線変更を判断
するので、各レーンの危険度を統合的に取り扱って簡単
な処理により車線変更を判断することができる。特に請
求項5に記載の発明によれば、上記前記変更車線危険度
および自車走行危険度を、処理対象としたレーンの危険
度の平均としてそれぞれ算出するので、危険度の取り扱
いを一定化することができ、また自車速度に応じて処理
対象とするレーン数を可変するので、自車速度に応じた
状況下での危険度判断を行い得る。
示す概略的な構成図。
けるレーンの概念を示す図。
判断の処理手続きの一例を示す図。
おいて予想される偶発的な不具合の例を模式的に示す
図。
けるレーンの概念を示す図。
概念を模式的に示す図。
を模式的に示す図。
域を模式的に示す図。
判断の処理手続きの一例を示す図。
更判断の処理手続きの一例を示す図。
を示す図。
図。
Claims (5)
- 【請求項1】 自車の運転状況を検出する自車状況認識
手段と、自車周辺の車両情報を検出する周辺車両状況認
識手段と、自車が走行している道路状況を認識する道路
状況認識手段と、認識された道路状況に従って道路上の
白線により区画される複数の走行車線をその走行車線に
沿ってそれぞれ複数のレーンに区分するレーン分割手段
と、前記自車状況と周辺車両状況とから自車と他車との
相対的な危険度を上記分割されたレーン毎に求めるレー
ン危険度算出手段と、前記各レーン毎に求められたレー
ン危険度に基づいて車線変更の適否を判断する判断手段
とを具備したことを特徴とする車両走行制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の車両走行制御装置にお
いて、 車両の重心位置とその車幅とに従って該車両が跨いでい
る隣接走行レーンを求め、前記レーン毎に求められたレ
ーン危険度の内、上記隣接走行レーンのレーン危険度に
前記車両の車幅を考慮した危険度を付加する面積危険度
付加手段を備えたことを特徴とする車両走行制御装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の車両走行制御
装置において、 前記分割された複数のレーン毎に、前記道路状況認識手
段にて認識された道路状況に応じた地上座標系危険度を
それぞれ設定し、これらの地上座標系危険度を前記レー
ン毎に求められたレーン危険度にレーン対応させてそれ
ぞれ付加する地上座標系危険度付加手段を備えたことを
特徴とする車両走行制御装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
車両走行制御装置において、 自車の走行レーンおよびその隣接レーンについてそれぞ
れ求められたレーン危険度から自車走行危険度を求める
自車走行危険度算出手段と、車線変更しようとする向き
の互いに隣接する複数のレーンについてそれぞれ求めら
れているレーン危険度から変更車線危険度を求める変更
車線危険度算出手段と、上記各算出手段にて求められた
変更車線危険度と自車走行危険度とを比較して車線変更
の適否を判断する手段とを具備したことを特徴とする車
両走行制御装置。 - 【請求項5】 前記変更車線危険度および自車走行危険
度は、処理対象としたレーン毎に求められたレーン危険
度の平均としてそれぞれ算出されるものであって、前記
変更車線危険度算出手段は、自車速度に応じて前記処理
対象とするレーン数を可変して変更車線危険度を求める
ことを特徴とする請求項4に記載の車両走行制御装置。
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- 1995-11-08 JP JP28968595A patent/JP3371650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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