JP4019823B2 - ガス濃度測定装置とガス濃度測定方法 - Google Patents

ガス濃度測定装置とガス濃度測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス濃度を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車やボイラー等の種々の燃焼装置や燃焼機関等から排出される排気ガス中の種々の可燃性ガス(種々の炭化水素ガス等)、窒素酸化物ガス(NOガス)等の量をできる限り低減すること、あるいはこれらのガス量を高精度に制御することが課題となっている。このため、排ガス浄化装置の動作の監視やこれらのガス量の制御等のために、可燃性ガスや、窒素酸化物ガスや、酸素ガス等のガス濃度を測定する技術の開発が進められている。
【0003】
可燃性ガスのガス濃度測定装置の一例が特開平8−247995号公報に開示されている。この公報に記載のガス濃度測定装置は、被測定ガス中の酸素を減じる第1酸素ポンプセルと、酸素が減じられた被測定ガス中の可燃性ガスを燃焼させるための酸素を導入する第2酸素ポンプセルを備えている。そして、この公報には、第1酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空間側の電極として、Pt又はPt−Auとセラミック成分からなる電極を用いたものが示されている。
【0004】
この装置は、被測定ガス中に含まれ、可燃性ガスの測定に影響を与える酸素ガスを予め減じた後、酸素ガスが減じられた被測定ガス中の可燃性ガスを燃焼させるための酸素を第2酸素ポンプセルによって導入し、その酸素の導入量(これは第2酸素ポンプセルに流れる電流等からわかる)から、可燃性ガス濃度を測定しようとするものである。
【0005】
また、窒素酸化物ガスのガス濃度測定装置として、被測定ガス中の酸素を減じる第1酸素ポンプセルと、酸素が減じられた被測定ガス中の窒素酸化物ガスを分解させて、その分解により生じた酸素を排出する第2酸素ポンプセルを備えたものが知られている。この装置では、第1酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空間側の電極として、PtとAuを含む電極を用いたものが知られている。
【0006】
この装置は、被測定ガス中に含まれ、窒素酸化物ガスの測定に影響を与える酸素ガスを予め減じた後、酸素ガスが減じられた被測定ガス中の窒素酸化物ガスを第2酸素ポンプセルによって分解させ、その分解によって生じた酸素量(これは第2酸素ポンプセルに流れる電流等からわかる)から、窒素酸化物ガス濃度を測定しようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した可燃性ガスのガス濃度測定装置は、第1酸素ポンプセルのうち、被測定ガスの収容空間側の電極をPtとセラミック成分からなる電極としている。しかし、この電極は、酸素のみならず可燃性ガス(種々の炭化水素等)に対しても活性であるため、この電極において可燃性ガスが反応してしまう。この結果、被測定ガス中に元々含まれていた量よりも少ない量の可燃性ガスしか第2酸素ポンプセルに導入できない。この結果、第2酸素ポンプセルに流れる電流等から得られる可燃性ガス濃度の測定精度が低いという問題があった。
【0008】
また、上記した窒素酸化物ガスのガス濃度測定装置は、第1酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空間側の電極をPtとAuを含む電極としている。この電極は、酸素ガスに対しては活性であるが、酸素ポンプセルに印加する電圧が低い間は窒素酸化物ガスに対して活性が低い。よって、第1酸素ポンプセルにおいて窒素酸化物に与える影響を少なくして被測定ガス中から酸素をポンプして減じることが可能である。しかし、第1酸素ポンプセルに印加する電圧が高くなると、窒素酸化物ガスに対する活性が上昇し、この結果、第2酸素ポンプセルにおける窒素酸化物ガス濃度の測定精度が低下してしまうという問題があった。
【0009】
また、被測定ガス中に酸素ガスと、可燃性ガスと、窒素酸化物ガスが含まれる場合がある。この場合、上記2つのガス濃度測定装置のように、まず被測定ガス中の酸素を酸素ポンプセルによって減じる場合には、その酸素ポンプセルの電極は、可燃性ガスと窒素酸化物ガスに対して活性が低い必要がある。しかし、上記Ptとセラミック成分からなる電極は酸素ガスのみならず、可燃性ガス(種々の炭化水素等)と窒素酸化物ガスの両方に対して活性である。また、上記PtとAuを含む電極は窒素酸化物ガスに対しては活性が低いが、可燃性ガス(種々の炭化水素等)に対しては活性が高い。このように従来は、酸素ガスに対しては活性で、可燃性ガスと窒素酸化物ガスに対しては活性が低いという電極が見出されていなかった。この結果、被測定ガス中に可燃性ガスと窒素酸化物ガスが含まれる場合に、これらのガスの濃度を選択的に精度良く測定できる技術はこれまでに見当たらなかった。
【0010】
本発明は、被測定ガス中に酸素ガスと可燃性ガスと窒素酸化物ガスが含まれている場合に、これらのガスの濃度を選択的に精度良く測定できる技術を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用と効果】
発明を具現化した第1のガス濃度測定装置は、第1空室と、第2空室と、第3空室と、第1酸素ポンプセルと、第2酸素ポンプセルと、窒素酸化物ガスの検知手段を備えている。第1酸素ポンプセルは、酸素イオン導電性の第1固体電解質と、その第1固体電解質に接する1対の第1電極を有する。第1固体電解質は第1空室を区画する壁の少なくとも一部を構成する。第1電極の一方は第1空室内に配置されている。第2酸素ポンプセルは、酸素イオン導電性の第2固体電解質と、その第2固体電解質に接する1対の第2電極を有する。第2固体電解質は、第1空室被測定ガスを導入可能な第2空室を区画する壁の少なくとも一部を構成する。第2電極の一方は、Au又はAuを成分にもつ合金を含み、第2空室内に配置されている。窒素酸化物ガスの検知手段は、第2空室内の被測定ガスを導入可能な第3空室内の被測定ガス中の窒素酸化物ガスの濃度を測定可能である。
ここで、第1空室内に配置された前記第1電極の一方は、
(I)(A1−x)(C1−y)O3−zで表されるペロブスカイト型酸化物と(II)(Ce1−x)O2−z系酸化物の少なくとも一方を含む。さらに、第1空室と第3空室の間に第2空室が配置しており、被測定ガスは第1空室、第2空室、第3空室の順に流動する。
〔(I)において、Aは、La,Pr,Ce,Ca,Sr,又はBaを表す。Bは、Sr,Ce,又はCaを表す。Cは、Cr,Mn,Fe,Co,Ti,Zr,又はGaを表す。Dは、Cr,Ni,Mg,Zr,Ce,Fe,Al,又はCoを表す。
(II)において、Pは、La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Tm,Yb,Ca,Y,Mg,Sr,Ba,Zr,Mn,Fe,又はCrを表す。
X、Yは、0≦X≦0.5、0≦Y≦0.5を満たす。〕
【0012】
このガス濃度測定装置は、第1電極の一方を、上記(I)と(II)の少なくとも一方の酸化物を含む電極(以下「酸化物含有電極」という)としている。
この酸化物含有電極は、酸素ガスに対しては活性で、可燃性ガスと窒素酸化物ガスに対しては活性が低い。しかも、この酸化物含有電極においては、酸素のイオン化に伴う電極反応抵抗が低いため、酸素ポンプ機能が高い。
【0013】
よって、酸素ガスと可燃性ガスと窒素酸化物ガスが含まれた被測定ガスの窒素酸化物ガス濃度を測定する場合に、第1電極の一方が上記酸化物含有電極である第1酸素ポンプセルによると、被測定ガス中に含まれる可燃性ガスと窒素酸化物ガスに与える影響を少なくして被測定ガス中から酸素ガスを選択的に減じること、あるいは、第1空室を所望の酸素分圧に制御することが可能である。このため、被測定ガス中に元々含まれていた量に近い量の可燃性ガスと窒素酸化物ガスを含むとともに、酸素ガスが選択的に減じられ、あるいは所望の酸素分圧に制御された被測定ガスを第2空室(第2酸素ポンプセル側)に導入できる。さらに、第2酸素ポンプセルのうち第2空室内に配置された第2電極の一方は、Au又はAuを成分にもつ合金を含んでいるので、可燃性ガスに対する活性は高いが、窒素酸化物ガスに対する活性は低い。よって、第2電極の一方がAu又はAuを成分にもつ合金を含む第2酸素ポンプセルによると、窒素酸化物ガスに与える影響を少なくしつつ、そのポンプ作用によって導入した酸素と、第1空室から第2空室に導入された可燃性ガスを燃焼させることができる。このため、被測定ガスに元々含まれていた量に近い量の窒素酸化物ガスを含むとともに、酸素ガスと可燃性ガスが減じられた被測定ガスを第3空室に導入できる。従って、本発明によると、被測定ガス中に酸素ガスと可燃性ガスと窒素酸化物ガスが含まれている場合に、被測定ガス中の酸素ガスと可燃性ガスを減じることによって、窒素酸化物ガスの濃度を精度良く測定できるガス濃度測定装置を実現できる。このような装置は有用で価値が高いものでありながら、従来は実現し得なかったものである。
本発明のガス濃度測定装置は、各種の分野で用いることが勿論可能であるが、特に自動車産業の分野においては、その分野で大きな課題となっている排気ガス中の可燃性ガスや窒素酸化物ガスの量の低減や、これらのガス量の高精度の制御のための基礎となるものであり、非常に有益なものである。
【0015】
こで、窒素酸化物ガスの検知手段としては、例えば、抵抗変化センサや、起電力センサや、電流センサ(後述する酸素ポンプセル等)等が挙げられる。
【0021】
上記の第1のガス濃度測定装置において、前記窒素酸化物ガスの検知手段は、第3酸素ポンプセルと、第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段を有し、その第3酸素ポンプセルは、酸素イオン導電性の第3固体電解質と、1対の第3電極を有し、その第3固体電解質は第3空室を区画する壁の少なくとも一部を構成し、その第3電極の一方は第3空室内に配置されていることが好ましい。
窒素酸化物ガスの検知手段として第3酸素ポンプセルを用いる場合、その第3酸素ポンプセルは、窒素酸化物ガスを分解させ、その分解により生じる酸素量を検知するため、窒素酸化物ガスを分解する前から被測定ガス中に存在する酸素ガスと可燃性ガスの存在が窒素酸化物の検知精度に大きな影響を与えることになる。しかし、本発明によると、先に述べたように、窒素酸化物ガスを分解する前の被測定ガス中の酸素ガスと可燃性ガスを選択的に減じ、あるいは所望の酸素分圧に制御できるので、窒素酸化物ガスの検知手段として第3酸素ポンプセルを用いた場合でも、検知精度の低下を十分に抑制することができ、本発明の効果がより有効に発揮される。
【0022】
上記の第1のガス濃度測定装置において、前記第3空室内に配置された前記第3電極の一方が、Pt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
第3電極の一方に上記材料が含まれていると、窒素酸化物ガスに対する活性を高くすることができる。よって、第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力から得られる窒素酸化物ガス濃度の測定精度がより高いガス濃度測定装置を実現できる。
【0023】
発明を具現化した第2のガス濃度測定装置は、被測定ガス中の酸素を減じる第1酸素ポンプセルと、第1酸素ポンプセルによって酸素が減じられた被測定ガス中の可燃性ガスを燃焼させるための酸素を導入する第2酸素ポンプセルと、第2酸素ポンプセルによって可燃性ガスが燃焼した被測定ガス中の窒素酸化物ガスの濃度を測定する窒素酸化物ガスの検知手段を備えている。ここで、前記第1酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空室側に設けられた電極は、上記(I)と(II)に示した酸化物の少なくとも一方を含む。
本発明によると、窒素酸化物ガス濃度の測定精度が高いガス濃度測定装置を実現できる。
【0024】
上記の第2のガス濃度測定装置において、前記第2酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空室側に設けられた電極はAu又はAuを成分にもつ合金を含んでいるのが好ましい。
本発明によると、Au又はAuを成分にもつ合金を含む電極は、可燃性ガスに対する活性は高いが、窒素酸化物ガスに対する活性は低いという特性を有することができる。よって、窒素酸化物ガスに与える影響を少なくしつつ、第2酸素ポンプセルのポンプ作用によって導入した酸素と、第1空室から第2空室に導入された可燃性ガスを燃焼させることができる。
【0026】
上記の第2のガス濃度測定装置において、前記窒素酸化物ガスの検知手段は、窒素酸化物ガスを分解させ、その分解により生じる酸素を排出する第3酸素ポンプセルと、第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段を有することが好ましい。
【0027】
発明は、ガス濃度の測定方法にも具現化される。この方法は、被測定ガスを第1空室に導入し、第1空室内に配置された電極が上記(I)と(II)に示した酸化物の少なくとも一方を含む第1酸素ポンプセルを用いて第1空室の被測定ガスの酸素を減じる。そして、酸素が減じられた被測定ガスを第1空室から第2空室に導入し、第2空室内の被測定ガス中の可燃性ガスを、第2酸素ポンプセルを用いて第2空室に導入した酸素と反応させて燃焼させ、その酸素を第2空室に導入するときに第2酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力から被測定ガス中の可燃性ガス濃度を測定する。さらに、可燃性ガスが燃焼した被測定ガスを第2空室から第3空室に導入し、第3空室内の被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定するものである。
本発明によると、第2酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力から得られる可燃性ガス濃度と、第3空室内の被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度の測定精度が高いガス濃度測定方法を実現できる。
【0028】
上記のガス濃度測定方法においては、酸素が減じられた被測定ガスを第1空室から第2空室に導入し、第2空室内の被測定ガス中の可燃性ガスを、第2空室内に配置された電極がAu又はAuを成分にもつ合金を含む第2酸素ポンプセルを用いて導入した酸素と反応させて燃焼させことが好ましい。
本発明によると、Au又はAuを成分にもつ合金を含む電極は、可燃性ガスに対する活性は高いが、窒素酸化物ガスに対する活性は低いという特性を有することができる。よって、窒素酸化物ガスに与える影響を少なくしつつ、第2酸素ポンプセルのポンプ作用によって導入した酸素と、第1空室から第2空室に導入された可燃性ガスを燃焼させることができる。
【0030】
上記のガス濃度測定方法において、被測定ガス中の窒素酸化物ガスを、第3酸素ポンプセルを用いて分解させ、その分解により生じた酸素を第3空室から排出し、その酸素を第3空室から排出するときに第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力から被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定することが好ましい。
本発明によると、窒素酸化物ガス濃度を容易に精度良く測定することが可能なガス濃度測定方法を実現できる。
【0031】
定の拡散抵抗の下で被測定ガスを少なくともいずれかの空室に導入する拡散律速部をさらに備えることが好ましい。酸素の排出又は導入量の指標となる限界電流特性を各酸素ポンプセルが示すためには、拡散律速部を備えることが基本的には必要である。拡散律速部は特に第1空室の前に備えることが好ましく、第2空室、第3空室の前に別途備えても構わない。
なくともいずれかの酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段をさらに備えることが好ましい。
【0032】
なくともいずれかの酸素ポンプセルの一対の電極間に通電を行う通電手段をさらに備えることが好ましい。より具体的には、
(1)所定の空室に導入された被測定ガス中の酸素ガスをその空室から排出させるために酸素ポンプセルの一対の電極間へ通電を行う通電手段、
(2)所定の空室に導入された被測定ガス中の可燃性ガスと燃焼させるための酸素をその空室に導入するために酸素ポンプセルの一対の電極間へ通電を行う通電手段、
(3)所定の空室に導入された被測定ガス中の窒素酸化物ガスを分解させ、その分解により生じた酸素をその空室から排出するために酸素ポンプセルの一対の電極間へ通電を行う通電手段、のいずれかを備えることが好ましい。
【0033】
なくともいずれかの酸素ポンプセルを加熱する加熱部をさらに備えることが好ましい。このような加熱部を備えることで、固体電解質が酸素ポンプ作用を生じさせるような温度にすることが容易に行える。
【0034】
なくともいずれかの空室の酸素濃度をモニタする酸素濃度モニタ手段をさらに備えることが好ましい。
素濃度モニタ手段でモニタされた酸素濃度に応じて、酸素ポンプセルに印加する通電量を制御する制御手段をさらに備えることが好ましい。
このような酸素濃度モニタ手段や制御手段を備えることで、ガスの測定精度をより向上させることが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態) 図1に、第1実施形態のガス濃度測定装置(ガス濃度センサ)の概略断面図を示す。このガス濃度測定装置は、第1〜第3酸素ポンプセル42,52,62と、第1〜第3検出手段48,58,68と、第1〜第3拡散律速層36,76,80と、第1〜第3通電手段50,60,70と、加熱ヒータ22と、絶縁層26,28,32,74,84等を備えている。
第1酸素ポンプセル42は、酸素イオン導電性の第1固体電解質46と、その第1固体電解質46の上面と下面にそれぞれ接する1対の第1電極44a,44bを有する。
第1固体電解質46は第1空室40を取囲む壁の一部を構成している。ここで、第1空室40を取囲む壁は、上側の固体電解質層34の一部と、下側の固体電解質層30の一部(第1固体電解質46を含む)と、上側の固体電解質層34と下側の固体電解質層30の間に配置された絶縁層32及び第2拡散律速層76によって構成されている。このうち、上側の固体電解質層34には、ガス導入孔38が形成されている。
【0036】
第1電極の一方44aは、第1固体電解質30のうち第1空室40側の面(上面)に設けられている。この第1電極の一方44aを「第1内側電極」という。
第1電極の他方44bは、第1固体電解質30のうち下側の大気連通空室24側の面(下面)に設けられている。この第1電極の他方44bを「第1外側電極」という。
第1拡散律速層36は、上側の固体電解質層34の一部に接して形成されている。第1拡散律速層36とガス拡散孔38は隣合っている。
第1検出手段である第1電流計48と、第1通電手段である第1電圧源50は、一対の第1電極44a,44b間に直列に接続されている。
【0037】
第2酸素ポンプセル52は、酸素イオン導電性の第2固体電解質56と、その第2固体電解質56の上面と下面にそれぞれ接する1対の第2電極54a,54bを有する。
第2固体電解質56は第2空室78を取囲む壁の一部を構成している。ここで、第2空室78を取囲む壁は、上側の固体電解質層34の一部(第2固体電解質56を含む)と、下側の固体電解質層30の一部と、上側の固体電解質層34と下側の固体電解質層30の間に配置された第2拡散律速層76及び第3拡散律速層80によって構成されている。
【0038】
第2電極の一方54aは、第2固体電解質56のうち第2空室78側の面(下面)に設けられている。この第2電極の一方54aを「第2内側電極」という。
第2電極の他方54bは、第2固体電解質56のうち上側の大気連通空室72側の面(上面)に設けられている。この第2電極の他方54bを「第2外側電極」という。
第2拡散律速層76は、第1空室40と第2空室78の間に設けられている。第2検出手段である第2電流計58と、第2通電手段である第2電圧源60は、一対の第2電極54a,54b間に直列に接続されている。
【0039】
第3酸素ポンプセル62は、酸素イオン導電性の第3固体電解質66と、その第3固体電解質66の上面と下面にそれぞれ接する1対の第3電極64a,64bを有する。
第3固体電解質66は第3空室82を取囲む壁の一部を構成している。ここで、第3空室82を取囲む壁は、上側の固体電解質層34の一部(第3固体電解質66を含む)と、下側の固体電解質層30の一部と、上側の固体電解質層34と下側の固体電解質層30の間に配置された第3拡散律速層80及び絶縁層84によって構成されている。
【0040】
第3電極の一方64aは、第3固体電解質66のうち第3空室82側の面(下面)に設けられている。この第3電極の一方64aを「第3内側電極」という。
第3電極の他方64bは、第3固体電解質66のうち上側の大気連通空室72側の面(上面)に設けられている。この第3電極の他方64bを「第3外側電極」という。
第3拡散律速層80は、第2空室78と第3空室82の間に設けられている。
第3検出手段である第3電流計68と、第3通電手段である第3電圧源70は、一対の第3電極64a,64b間に直列に接続されている。
【0041】
下側の固体電解質層30よりも下方には、下側の大気連通空室24及び絶縁層28を介して、加熱ヒータ22を覆う下側絶縁層26が設けられている。
上側の固体電解質層34よりも上方には、上側の大気連通空室72を介して、上側絶縁層74が設けられている。但し、この上側絶縁層74は、第1酸素ポンプセル42の上方には設けられていない。
【0042】
ここで、第1ポンプセル42の第1内側電極44aは、次の(I)〜(IV)のいずれかの酸化物を含む多孔質電極(以下「酸化物含有電極」という場合がある)である。この酸化物含有電極は必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
(I)(A1−x)(C1−y)O3−zで表されるペロブスカイト型酸化物。
(II)(Ce1−xx)O2−z系酸化物。
(III)(A1−x)(C1−y)O3−zで表されるペロブスカイト型酸化物と(Ce1−xx)O2−z系酸化物を含み、その(Ce1−xx)O2−z系酸化物の混合割合が1〜95重量%である混合体。
(IV)(A1−x)(C1−y)O3−zで表されるペロブスカイト型酸化物、(Ce1−xx)O2−z系酸化物、これらの混合体のいずれかを含む層が少なくとも二層積層された積層体。
【0043】
ここで、(I)〜(IV)中、Aは、La,Pr,Ce,Ca,Sr,Baを表す。Bは、Sr,Ce,Caを表す。Cは、Cr,Mn,Fe,Co,Ti,Zr,Gaを表す。Dは、Cr,Ni,Mg,Zr,Ce,Fe,Al,Coを表す。Pは、La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Tm,Yb,Ca,Y,Mg,Sr,Ba,Zr,Mn,Fe,Crを表す。
【0044】
前記(I)のペロブスカイト型酸化物の中でも、前記A又はBがLa,Pr,Ca,Srであることが好ましく、C又はDがCr,Mn,Fe,Co,Ga,Niであることが好ましい。前記(III)に示す混合体、又は前記(IV)に示す積層体においても同様である。
また、前記(II)中のPとしては、中でも、Pr,Sm,Gd,Tb,Ca,Zr,Mnが好ましい。前記(III)に示す混合体、又は前記(IV)に示す積層体においても同様である。
【0045】
また、前記(I)〜(IV)の各々において、X、Yは独立に次の範囲を表す。Xは、0≦X≦0.5を満たし、中でも0.1≦X≦0.4が好ましい。Yは、0≦Y≦0.5を満たし、中でも0≦Y≦0.3が好ましい。以下、本明細書において各酸化物におけるz値をαとする。
上記酸化物含有電極としては、前記(I)のペロブスカイト型酸化物及び/又は前記(II)の(Ce1−xx)O2−z系酸化物のみからなる電極であってもよいし、これらの酸化物を含む他に、Pt、Pd、Au、安定化ジルコニア等の他の成分を含む電極であってもよい。
【0046】
前記(I)のペロブスカイト型酸化物、又は前記(II)の(Ce1−xx)O2−z系酸化物の具体例としては、下記表1に記載のものが好適に挙げられる。
【0047】
【表1】
Figure 0004019823
【0048】
前記(III)に示す混合体は、(A1−x)(C1−y)O3−zで表されるペロブスカイト型酸化物(以下「(I)に示す酸化物」という場合がある。)と、(Ce1−xx)O2−z系酸化物(以下「(II)に示す酸化物」という場合がある。)を含み、かつ、その構成比〔II/(I+II)〕が1〜95重量%である。この混合体は、必要に応じてPt,Pd,Au,安定化ジルコニア等の他の成分を含んでいてもよい。
前記構成比の中でも、酸化物イオン導電性の固体電解質との接着性等の点から、30〜80質量%が特に好ましい。
【0049】
前記(III)に示す混合体の具体例としては、下記表2に記載のものが好適に挙げられる。
【0050】
【表2】
Figure 0004019823
【0051】
前記(IV)に示す積層体は、前記(I)に示す酸化物、前記(II)に示す酸化物、これらの混合体のいずれかを含む層が少なくとも二層積層されている。
具体的には、例えば、〔25質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−α+75重量%Ce0.8Sm0.22−α〕と〔50質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−α+50重量%Ce0.8Sm0.22−α〕の積層体;〔Ce0.8Sm0.22−α〕と〔50重量%Ce0.8Sm0.22−α+50質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−α〕の積層体;〔Ce0.9Ca0.12−α〕と〔Pr0.6Sr0.4MnO3−α〕の積層体;〔Ce0.8Sm0.22−α〕と〔La0.6Sr0.4Co0.95Ni0.053−α〕の積層体等が好適に挙げられる。
【0052】
前記(I)〜(IV)の中でも、(III)に示す混合体、(IV)に示す積層体が好ましく、(lII)に示す混合体が特に好ましい。
【0053】
また、上記酸化物含有電極については、応答性を向上させる等の観点から、Pt,Pd,Rh,Ag,Ni,Auの少なくとも1種を含んでいてもよい。含有する場合の含有比としては、前記(I)に示すペロブスカイト型酸化物、前記(II)に示す酸化物、又はこれらの混合体の総質量に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
【0054】
上記酸化物含有電極は、得られた前記(I)に示す酸化物、前記(II)に示す酸化物、又はこれらの混合体若しくは積層体を、例えば、必要に応じてバインダー等を加えてロールミル等により混練しペースト状に調製し、グリーンシート上にスクリーン印刷する等によって作製できる。また、酸化物イオン導電性の固体電解質の基板に蒸着法、スパッタ法、ゾルゲル法等により形成することもできる。また、その大きさや形状は、後述するガス濃度測定装置の大きさや形状に応じて適宜選択できる。
前記バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、トリトンX、セルロース等が挙げられ、その他にアルコール、エーテル、水等を添加してもよい。
【0055】
第2酸素ポンプセル52の第2内側電極54aは、可燃性ガスに対して活性が高く、窒素酸化物ガスに対して活性が低い電極であることが好ましい。第2内側電極54aは、Au又はAuを成分にもつ合金を含むことが好ましい。この中でも、Auを含むとともに、可燃性ガス(特に炭化水素ガス)の選択性の観点から、Pt,Pd,Rh,Ag,Niから選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。この中でも、Pt−Auを成分にもつ合金とセラミック成分を含むサーメット電極(以下「Pt−Au電極」という)であることがより好ましい。
【0056】
第3酸素ポンプセル62の第3内側電極64aは、Pt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。この中でも、Pt−Pd合金とセラミック成分を含むサーメット電極(以下「Pt−Pd電極」という)、Pt−Au−Pd合金とセラミック成分を含むサーメット電極(以下「Pt−Au−Pd電極」という)、Pt−Rh合金とセラミック成分を含むサーメット電極(以下「Pt−Rh電極」という)、Pt−Rh−Pd合金とセラミック成分を含むサーメット電極(以下「Pt−Rh−Pd電極」という)がより好ましい。
【0057】
第3内側電極64aの一部を構成するPt−Pd合金、Pt−Au−Pd合金、Pt−Rh−Pd電極は、PtへのPd添加量(=100×Pd/(Pt+Pd))が1質量%以上であることが好ましい。PtへのPd添加量が1質量%以上にすると、第3内側電極64aのNOxに対する活性をより高くすることができる。また、Pt電極と同等以上の高い活性を有するには、PtへのPd添加量は90質量%以下が好ましい。Pd添加量は、さらに好ましくは5〜40質量%である。
【0058】
また、第3内側電極64aの一部を構成する合金としてPt−Au−Pd合金を用いる場合において、Auに対するPdの重量比(以下、これを「Pd/Au比」という。)を1.67以上とすると、Pdを含まないPt−Au電極に比べてNOガスに対する活性を向上させることができる。また、Pd/Au比を1.67以上とすると、NOガスに対する活性がPt電極とほぼ同等である電極が得られる。
また、第3内側電極64aの一部を構成する合金としてPt−Rh−Pd合金を用いる場合は、Rh添加量が30wt%を超えると電極抵抗が増大するため、添加量は30wt%以下であることが好ましい。
【0059】
第1〜第3外側電極44b,54b,64bの電極材料には特に限定はない。第1〜第3外側電極44b,54b,64bには、例えば、Pt,Pd,Rh,Ni,Auの少なくとも1種を含む電極を用いてもよい。例えば、Ptとセラミック成分を含むサーメット電極(Pt電極)を用いてもよい。
【0060】
上記電極(第1〜第3電極44、54、64)の一部を構成し得るセラミック成分は、電極と固体電解質の間の密着力を高めるためや、電極反応抵抗を低減するため等の目的で加えられるものである。従って、その組成及び添加量は、電極と固体電解質の間に良好な密着力が得られる限り、任意に選択できる。但し、セラミック成分の添加量が多くなると、電極の導電率を低下させてしまう。通常、上記電極には、固体電解質と同一組成を有するセラミック成分が5〜20質量%程度添加される。
【0061】
固体電解質30,34(46,56,66)の材質は酸素イオン導電性を示すものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、ジルコニア系固体電解質(ZrO−M固溶体又はZrO−MO固溶体、M=Y、Yb、Gd、Ca、Mg等)、セリア系固体電解質(CeO−M固溶体又はCeO−M固溶体、M=Y、Sm等)、酸化ビスマス系固体電解質(Bi−WO固溶体等)等が挙げられる。中でも、排ガス中での安定性と酸化物イオン導電性の観点で、ジルコニア系固体電解質が好ましく、3〜10mol%のYを固溶させたZrOが特に好ましい。
【0062】
絶縁層26,28,32,74,84には、固体電解質が酸素ポンプ作用を示す温度において、高い絶縁抵抗を有する材料が用いることが好ましい。具体的には、アルミナ、スピネル、ムライト、コーディエライト等が好適な一例として挙げられる。また、加熱ヒータ22には、通常、耐酸化性に優れた金属粉末(例えばPt等)とセラミック成分を含むものが用いられる。
【0063】
次に、第1実施形態のガス濃度測定装置の動作について説明する。
ガス濃度測定装置(より詳細には、ガス拡散孔38とその上方に位置する第1拡散律速層36の周辺)を、酸素と、可燃性ガスと、窒素酸化物ガスを含む被測定ガス雰囲気中に配置する。
すると、被測定ガスは、第1拡散律速層36によって規定される所定の拡散抵抗の下で、ガス拡散孔38を通って第1空室40に徐々に導入される。
第1空室40に被測定ガスが導入されている状態において、一対の第1電極44a,44b間に、第1内側電極44aが陰極となり、第1外側電極44bが陽極となるように第1電圧源50によって電圧を印加する。すると、第1酸素ポンプセル42による酸素ポンプ作用によって、第1内側電極44a、第1固体電解質46、第1外側電極44bの順に酸素が第1空室40から下側の大気連通空室24に排出される。
このときに第1酸素ポンプセル42に流れるポンプ電流を第1電流計48で測定することで、被測定ガス中の酸素ガスの濃度を精度良く測定できる。なぜなら、第1酸素ポンプセル42によって第1拡散律速層36を通じて導入された被測定ガス中の酸素ガスを相当程度取除くことができるため、ポンプ電流は限界電流を示すことから、被測定ガス中の酸素ガスの濃度を精度良く測定できるからである。
【0064】
本実施形態では、第1酸素ポンプセル42のうち第1空室40側に配置された第1内側電極44aを先に述べた酸化物含有電極としている。この酸化物含有電極は、酸素ガスに対しては活性で、可燃性ガスと窒素酸化物ガスに対しては活性が低い。しかも、この酸化物含有電極44aにおいては、酸素のイオン化に伴う電極反応抵抗が低いため、酸素ポンプ機能が高い。即ち、低電圧で大量の酸素をポンプできる。
よって、第1内側電極44aが上記酸化物含有電極である第1酸素ポンプセル42によると、被測定ガス中に可燃性ガスと窒素酸化物ガスが含まれていても、これらのガスにほとんど影響を与えずに被測定ガス中から酸素を選択的に充分に減じることが可能である。このため、被測定ガスに元々含まれていた量にほぼ近い量の可燃性ガスと窒素酸化物ガスを含むとともに、酸素ガスが選択的に充分に減じられた被測定ガスを第2空室78(第2酸素ポンプセル52側)に導入できる。
【0065】
第1酸素ポンプセル42によって第1空室40で酸素ガスが選択的に減じられた被測定ガスは、第2拡散律速層76を通って第2空室78に徐々に導入される。
第2空室78に被測定ガスが導入されている状態において、一対の第2電極54a,54b間に、第2内側電極54aが陰極となり、第2外側電極54bが陽極となるように第2電圧源60によって電圧を印加する。すると、第2酸素ポンプセル52による酸素ポンプ作用によって、酸素ガスが、第2外側電極54b、第2固体電解質56、第2内側電極54aの順に上側の大気連通空室72から第2空室78に導入される。
なお、通常、酸素は陰極、固体電解質、陽極の順にポンプされるが、本実施形態では第2内側電極54a側と第2外側電極54b側の大きな酸素濃度差により逆電圧が発生し、この逆電圧が重畳されるため、陽極、固体電解質、陰極の順に酸素がポンプされる。
【0066】
上記したように、第2空室78には、被測定ガスに元々含まれていた量にほぼ近い量の可燃性ガスを含むとともに、可燃性ガスとの燃焼反応が生じてしまう酸素ガスが選択的に充分に減じられた被測定ガスが導入されている。よって、第2酸素ポンプセル52によりポンプされる酸素の量は、被測定ガスに元々含まれていた量の可燃性ガスの燃焼に必要な量にほぼ近い量となる。このため、このときに第2酸素ポンプセル52に流れるポンプ電流を第2電流計58で測定することで、被測定ガス中の可燃性ガス濃度の精度良く測定できる。
【0067】
そして、本実施形態では、第2酸素ポンプセル52のうち第2空室78内に配置された第2内側電極54aがAu又はAuを成分にもつ合金を含んでいるので、可燃性ガスに対する活性は高いが、窒素酸化物ガスに対する活性は低い。よって、第2内側電極54aがAu又はAuを成分にもつ合金を含む第2酸素ポンプセル52によると、窒素酸化物ガスにほとんど影響を与えずに、そのポンプ作用によって導入した酸素と、第1空室40から第2空室78に導入された可燃性ガスを燃焼させることができる。このため、被測定ガスに元々含まれていた量にほぼ近い量の窒素酸化物ガスを含むとともに、酸素ガスと可燃性ガスが減じられた被測定ガスを第3空室82(第3酸素ポンプセル62側)に導入できる。
【0068】
第2空室78で可燃性ガスを燃焼させた後の被測定ガスは、第3拡散律速層80を通って第3空室82に徐々に導入される。
第3空室82に被測定ガスが導入されている状態において、一対の第3電極64a,64b間に、第3内側電極64aが陰極となり、第3外側電極64bが陽極となるように第3電圧源70によって電圧を印加する。すると、被測定ガス中の窒素酸化物ガスが分解され、その分解により生じた酸素が第3酸素ポンプセル62の酸素ポンプ作用によって、第3内側電極64a、第3固体電解質66、第3外側電極64bの順に第3空室82から上側の大気連通空室72に排出される。
【0069】
上記したように、第3空室82には、被測定ガスに元々含まれていた量にほぼ近い量の窒素酸化物ガスを含むとともに、酸素ガスと可燃性ガスが減じられた被測定ガスが導入されている。よって、第3酸素ポンプセル62によりポンプされて排出される酸素の量は、被測定ガスに元々含まれていた量の窒素酸化物ガスが分解されて生じた酸素の量にほぼ近い量となる。このため、このときに第3酸素ポンプセル62に流れるポンプ電流を第3電流計68で測定することで、被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を精度良く測定できる。
【0070】
このように、本実施形態によると、被測定ガス中に酸素ガス、可燃性ガス、窒素酸化物ガスが含まれている場合に、これらのガスの各々の濃度を選択的に精度良く同時に検出できる。従来は可燃性ガスのみの濃度を測定する装置や、窒素酸化物ガスのみの濃度を測定する装置は存在していたが、可燃性ガスと窒素酸化物ガスの濃度を選択的に精度良く測定できる装置は見当たらなかった。これに対し、本実施形態のガス濃度測定装置によれば、酸素ガスと、可燃性ガスと、窒素酸化物ガスの濃度を選択的に精度良く測定することが可能であり、非常に有益なものである。
【0071】
また、自動車等の排気ガスを被測定ガスとする場合、その被測定ガス中の酸素濃度が高濃度であったり、あるいはその酸素濃度が自動車等の運転状態によって大きく変動する状況が想定される。しかし、本実施形態では、第1酸素ポンプセル42の高い酸素ポンプ作用によって、予め被測定ガス中の酸素を充分に減じるようにすることから、このように被測定ガス中の酸素濃度が高濃度であったり、大きく変動する状況下にあったとしても、可燃性ガスあるいは窒素酸化物ガスの濃度を精度良く測定できる。
【0072】
さらに、自動車等の排気ガスを被測定ガスとする場合、その被測定ガス中の可燃性ガスや窒素酸化物ガスの濃度が低濃度ないしは微量である状態も想定される。しかし、本実施形態では、第1酸素ポンプセル42の高い酸素ポンプ作用によって、予め被測定ガス中の酸素を充分に減じるとともに、その第1酸素ポンプセル42が可燃性ガスと窒素酸化物ガスに与える影響は非常に少ない。このため、可燃性ガスや窒素酸化物ガスの濃度が低濃度ないしは微量であっても、これらのガスの濃度を精度良く測定できる。
【0073】
(第2実施形態) 図2に、第2実施形態のガス濃度測定装置の概略断面図を示す。このガス濃度測定装置は、各酸素ポンプセル42,52,62に印加する電圧を、各空室40,78,82の酸素分圧に応じて制御するように構成されている。その他の構成は、第1実施形態の装置と概ね同様である。
より具体的には、第1実施形態と同様の構成に加えて、第1〜第3起電力検知セル83,92,102と、第1〜第3電圧計81,90,100と、制御部(汎用のコンピュータや専用の制御回路等)79を備えている。第1起電力検知セル83は、固体電解質86と、一対の第1制御用電極85a、85bを有する。第2起電力検知セル92は、固体電解質96と、一対の第2制御用電極94a、94bを有する。第3起電力検知セル102は、固体電解質106と、一対の第3制御用電極104a、104bを有する。一対の制御用電極85,94,104間にそれぞれ電圧計81,90,100が接続されている。制御部79は、電圧計81,90,100と電圧源51,61,71の間に接続されている。
【0074】
ここで、被測定ガス中の可燃性ガスや窒素酸化物ガスに影響を与えないようにするという観点からは、第1制御用電極の一方85aは、第1内側電極44aと同様に、先に述べた酸化物含有電極を用いることが好ましい。また、窒素酸化物ガスに影響を与えないようにするという観点からは、第2制御用電極の一方94aは、第2内側電極54aと同様に、Au又はAuを成分にもつ合金を含む電極(Pt−Au電極等)を用いることが好ましい。その他の制御用電極85b,94b,104a,104bについては特に限定はないが、例えばPt電極等を用いてもよい。
【0075】
次に、第2実施形態のガス濃度測定装置の動作について説明する。
第1実施形態と同様に、第1空室40に酸素と、可燃性ガスと、窒素酸化物を含む被測定ガスが導入されている状態において、一対の第1電極44a,44b間に第1電圧源51によって電圧を印加する。この場合に、一対の第1制御用電極85a,85b間には、第1空室40の雰囲気中と下側大気連通空間24の大気(基準空気)中の酸素濃度差に応じて起電力が発生する。この電圧値は第1電圧計81で測定され、この電圧値データが制御部79へ送られる。この電圧値から第1空室40の酸素分圧がわかるので、制御部79はこの電圧値に応じて、第1空室40の酸素分圧が所望の値となるように、一対の第1電極44a,44b間に印加する電圧値(第1電圧源51)を制御する。
【0076】
また、第2空室78に被測定ガスが導入されている状態において、一対の第2電極54a,54b間に、第2電圧源61によって電圧を印加する。この場合に、一対の第2制御用電極94a,94b間には、第2空室78の雰囲気中と上側外部連通空間72の大気中の酸素濃度差に応じて起電力が発生する。この電圧値は第2電圧計90で測定され、この電圧値データが制御部79へ送られる。この電圧値から第2空室78の酸素分圧がわかるので、制御部79はこの電圧値に応じて、第2空室78の酸素分圧が所望の値となるように、一対の第2電極54a,54b間に印加する電圧値(第2電圧源61)を制御する。
また、第2電圧計90で測定された電圧値を用い、第1酸素ポンプセル42への印加電圧を制御し、第2空室78に導入されたガス中の酸素濃度を制御することもできる。
【0077】
さらに、第3空室82に被測定ガスが導入されている状態において、一対の第3電極64a,64b間に、第3電圧源71によって電圧を印加する。この場合に、一対の第3制御用電極104a,104b間には、第3空室82の雰囲気中と上側外部連通空間72の大気中の酸素濃度差に応じて起電力が発生する。
この電圧値は第3電圧計100で測定され、その電圧値データが制御部79へ送られる。この電圧値から第3空室82の酸素分圧がわかるので、一対の第3電極64a,64b間に印加する電圧値を制御することができる。
また、第3空室82の残留酸素濃度がわかるため、第3酸素ポンプセル62から得られる濃度信号を補正することができる。また、第3制御用電極104aにAu又はAuを成分にもつ合金を含む電極を用い、第3起電力検知セル102に電源と電流計を接続し、第3空室82から酸素のみを排出し、このときに流れる電流値から残留酸素を求めることができる。この電流値を用いれば、第3酸素ポンプセル62に流れる電流のうち酸素分をキャンセルできるので、窒素酸化物ガス濃度の測定精度を向上させることができる。
【0078】
第2実施形態によると、種々の方法によって電圧値を制御することが可能である。例えば、第1空室40の酸素分圧が所望の一定値となるように制御することで、被測定ガスの酸素分圧が大きく変動する場合であっても、第1空室40において酸素分圧を一定に制御した被測定ガスを第2空室78に導入できる。このため、被測定ガスの酸素分圧が大きく変動する場合であっても、可燃性ガスあるいは窒素酸化物ガスの濃度を精度良く測定することが可能となる。この場合、第1空室40から第2空室78又は第3空室82に導入された酸素の存在に起因して可燃性ガス又は窒素酸化物ガスの測定精度が低下することを抑制する観点から、制御する酸素分圧の値はできるだけ小さい値とすること好ましい。
【0079】
また、例えば、第2空室78中の被測定ガスに含まれる可燃性ガスの燃焼に必要かつ十分な量の酸素ガスが第2空室78に導入されるように、第2起電力検知セル92と第2電圧計90と、制御部79によって第2電圧源61の印加電圧値を制御することが好ましい。このように制御すると、第2酸素ポンプセル52のポンプ電流(これは第2空室78に導入された酸素ガスの量を示す)から得られる可燃性ガスの濃度の測定精度をより高くすることができる。
また、可燃性ガス又は窒素酸化物ガスの測定精度を向上させるためには、第1〜第3空室40,78,82の酸素分圧が小さな値となることが好ましく、適宜選択された起電力検知セル83,92,102と、各電圧計81,90,100と、制御部79によって、各電圧源51,61,71を制御することが好ましい。
【0080】
【実施例】
本実施例においては下記表3に示す電極番号1〜28の電極について、各種金属酸化物を所定の質量比で湿式混合、乾燥し、1200℃で焼成した後、固形分が70質量%となるように、5質量%のセルロース含有エーテル液を加え、ロールミルで混練し、印刷ぺ一ストAとした。なお、表3中の各電極は、印刷ぺ一ストを付与、乾燥後、約1500℃で焼成して形成することができた。これらの電極は、上記第1酸素ポンプセル42の第1内側電極44aとして用いるのに好適である。
【0081】
また、下記表3に示す電極番号29の電極について、Ptと、Auと、6mol%のYで安定化したジルコニア(YSZ)を、Pt:Au:YSZ=88:2:10で混合し、上記と同様の手法でぺースト化し、印刷ぺーストBとした。以下、本ぺーストBを用いて作製した電極を「Pt−Au電極」という。この電極は、上記第2酸素ポンプセル52の第2内側電極54aとして用いるのに好適である。
【0082】
さらに、下記表3に示す電極番号30の電極について、6mol%のYで安定化したジルコニア(YSZ)と、PtをPt:YSZ=9:1で混合し、上記と同様の手法でぺースト化し、印刷ぺーストCとした。以下、本ぺーストCを用いて作製した電極を「Pt電極」という。これらの電極は、上記第3酸素ポンプセル62の第3内側電極64a、あるいは上記各酸素ポンプセル42,52,62の外側電極44b,54b,64bとして用いるのに好適である。
【0083】
【表3】
Figure 0004019823
【0084】
図3に示すような検討素子を以下のように作製し、表3の電極の性能を評価した。まず、酸化物イオン導電性の固体電解質として、6mol%のYで安定化したジルコニアのグリーンシート110を用意した。そして、グリーンシート110の一方の側(上側)に表3の電極番号〔1〕のCe0.8Sm0.22−αを用いて得た印刷ぺ一ストAをスクリーン印刷した。また、グリーンシート110の他方の側(下側)に上記した印刷ぺ一ストCをスクリーン印刷した。そして、乾燥後約1500℃で焼成して、内側電極に相当する電極120aと、外側電極に相当する電極120bを形成した。焼成後、図3に示すように、両電極120a,120bを電圧源116と電流計114を介して接続するとともに、グリーンシート110を壁とし二つの空室124,126が区画されるように、Auリードとアルミナグリーンシートからなる拡散律速体112a,112bを取付けた。これを検討素子〔1〕とする。
なお、以下では検討素子の番号は、グリーンシート110の一方の側(上側)に形成される電極120aの電極番号に対応させる。
【0085】
また、印刷ぺ一ストAの調製に用いた上記50質量%Ce0.8Sm0.22−α+50質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−αの混合物に代え、表3の電極番号〔3〕のPr0.6Sr0.4MnO3−α(単体)を用いて、上記と同様にして検討素子〔3〕を得た。また、表3の電極番号〔13〕の50質量%Ce0.8Sm0.22−α+50質量%のPr0.6Sr0.4MnO3−αの混合物を用いて、上記と同様にして検討素子〔13〕を得た。
【0086】
上記検討素子〔1〕、〔3〕、〔13〕を用いて、ペロブスカイト型酸化物、CeO系酸化物、又はその混合体を用いることによる素子の抵抗低減効果を評価した。なお、電気化学的酸素ポンプ素子は、瞬時に大量に酸素を排出又は導入できることが好ましく、そのためには、その素子の抵抗(素子の抵抗は、電解質抵抗とガス反応に伴う反応抵抗とからなるが、電解質抵抗は反応抵抗に比べて十分に小さいため、反応抵抗を素子の抵抗とみなしてよい。)が小さいほどよい。
【0087】
まず、酸素濃度変化に対する特性を検討した。電気炉内で上記検討素子〔1〕、〔3〕、〔13〕を約750℃に加熱し、酸素濃度0〜0.5%の範囲で変化させた時の電流−電圧特性(IV特性)を測定した。その結果を図4に示す。図4(a)〜(c)はそれぞれ検討素子〔1〕、〔3〕、〔13〕のIV特性を示す。
【0088】
図4(a)〜(c)においては、IV特性の傾きが大きく、素子の抵抗が小さいことがわかる。さらに、混合体電極を備える検討素子〔13〕では、IV特性の立上がりが急峻で、検討素子〔1〕、〔3〕に比べて抵抗が大幅に小さくなっていることがわかる。検討素子〔13〕においては、特に酸素濃度0.5%において、混合体電極の素子抵抗は1桁以上小さくなっていた。
【0089】
次に、各電極の電極表面での可燃性ガスと酸素の反応性について検討した。ここで、約750℃で約0.1%酸素雰囲気に可燃性ガスとしてCを0〜300ppm添加したときの電流−電圧特性(IV特性)を測定し、そのとき得られる限界電流の変化を評価した。即ち、限界電流に対応した値を示すため、もし電極において可燃性ガスと酸素が反応すれば反応で消費された分だけの酸素濃度が低下し、限界電流も低下することになる。評価した結果を図5に示す。図5(a)〜(c)はそれぞれ検討素子〔1〕、〔3〕、〔13〕のIV特性を示す。
【0090】
図5(a)〜(c)に示すように、検討素子〔1〕、〔3〕、〔13〕のいずれにおいても、Cを添加しても限界電流の変化は認められず、各電極におけるCと酸素の反応はほとんど生じていないことがわかった。これらの傾向は、表3に示す電極番号〔1〕〜〔28〕の電極を用いた場合において共通し、特にCeO系酸化物を含む多孔質電極は、素子抵抗が小さく、可燃性ガスと酸素の燃焼反応がほとんど起こらないため限界電流の低下が認められなかった。また、CeO系酸化物の混合量が異なる層を積層し電極を構成しても同様の結果が認められた。
【0091】
また、各電極の電極表面での可燃性ガスと酸素の反応性、及び窒素酸化物ガスの反応性について検討した。ここで、約750℃で約0.5%酸素雰囲気に可燃性ガスとしてCを0〜500ppm添加したときの電流−電圧特性(IV特性)を測定し、このときに得られる限界電流の変化を評価した。図6に、このときの電流相対値とC濃度の関係を示す。
また、約750℃で約0.5%酸素雰囲気に窒素酸化物ガスとしてNOを0〜4000ppm添加したときの電流−電圧特性(IV特性)を測定し、このときに得られる限界電流の変化を評価した。図7に、このときの電流相対値とNO濃度の関係を示す。
【0092】
なお、この検討は、検討素子〔1〕(Ce0.8Sm0.22−α)、〔13〕(50質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−α+50質量%Ce0.8Sm0.22−α)、〔20〕(Ce0.8Sm0.22−αとPr0.6Sr0.4MnO3−αの積層体)、〔22〕(Ce0.8Sm0.22−αと〔50質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−α+50質量%Ce0.8Sm0.22−αの混合体〕の積層体)、〔29〕(88質量%Pt+2質量%Au+10質量%YSZ)、〔30〕(90質量%Pt+10質量%YSZ)の6種について行った。
【0093】
図6と図7に示すように、Ce0.8Sm0.22−αを含む電極を備えた検討素子〔1〕、〔13〕、〔20〕、〔22〕では、雰囲気中にC、NOを添加しても限界電流の変化は小さかった。このことから、Ce0.8Sm0.22−αを含む電極は、C8、NOに対する活性が低いことがわかった。
これに対し、図6に示すように、Pt−Au電極を備えた検討素子〔29〕、Pt電極を備えた検討素子〔30〕では、Cを添加することによって限界電流の低下がみられた。このことから、Pt−Au電極とPt電極はCに対して活性が高く、CとOの反応性を高めることがわかった。
また、図7に示すように、Pt−Au電極を備えた検討素子〔29〕では、NOの添加に対しては限界電流の変化は小さく、NOに対する活性が低いことがわかった。一方、Pt電極を備えた検討素子〔30〕では、NOの添加に対して限界電流の増加がみられ、NOに対する活性が高く、NOの還元性が高いことがわかった。
【0094】
以上の検討素子についての検討から、第1酸素ポンプセル42第1内側電極44aとして、上記酸化物含有電極を採用することで、素子の抵抗を大幅に低減でき、酸素ガスと可燃性ガスと窒素酸化物ガスとが混在する雰囲気下でも、可燃性ガスと窒素酸化物ガスにほとんど影響を与えずに、酸素ガスを選択的に排出又は導入できる酸素ポンプセルを構成し得ることがわかった。
【0095】
また、第1実施形態として先に述べた図1に示すガス濃度測定装置を試作した。上側及び下側の酸素イオン導電性の固体電解質34,30として、6mol%イットリアで安定化したジルコニアからなるセラミックシートを用いた。そして、上記検討素子と類似の方法によって形成した電極44,54,64を有するセラミックシート34,30を、Alを主成分とする絶縁シート32,84と拡散律速層76,80を挟んで第1〜第3空室40,78,82が形成されるように積層した。また、下側の固体電解質30の下方に大気連通空間24が形成されるように、加熱ヒータ22を実装するAlを主成分とする絶縁シート26を絶縁シート28を介して設けた。また、上側の固体電解質34の上方であって、第2空室78と第3空室82の上方に大気連通空間72が形成されるように、Alを主成分とする絶縁シート74を設けた。さらに、上側の固体電解質34のうち、第1空室40の上方部位にガス拡散孔38を形成するとともに、その上側の固体電解質34上に拡散律速層36を積層した。その後、約1500℃で焼成することで、図1のガス濃度測定装置を得た。
【0096】
ここで、セラミックシート30の第1空室40側の面(上面)には、第1内側電極として、50質量%Pr0.6Sr0.4MnO3−α+50質量%Ce0.8Sm0.22−αからなる混合体電極44aを上記検討素子と類似の方法によってスクリーン印刷により形成した。セラミックシート30の第1空室40と反対側の面(下面)には、第1外側電極としてPt電極44bを形成した。
また、セラミックシート34の第2空室78側の面(下面)には第2内側電極としてPt−Au電極54aを形成し、第2空室78と反対側の面(上面)には第2外側電極としてPt電極54bを形成した。
また、セラミックシート34の第3空室82側の面(下面)には第3内側電極としてPt電極64aを形成し、第3空室82と反対側の面(上面)にも第3外側電極としてPt電極64bを形成した。
【0097】
以上のようにして作製したガス濃度測定装置の各酸素ポンプセル42,52,62に0.3Vの電圧を印加して駆動させた。そして、O、C、NOの混合雰囲気下で、いずれかの成分をパラメータガスとして変化させ、各酸素ポンプセル42,52,62の限界電流の変化を評価した。パラメータガスとして用いないガスの濃度は、O:0.5%、C:300ppm、NO:2000ppmとした。
【0098】
このときの第1〜第3酸素ポンプセル42,52,62の特性をそれぞれ図8(a)〜(c)に示す。
図8(a)に示すように、第1酸素ポンプセル42においては、CやNOの濃度を増加させても、第1酸素ポンプセル42に流れる限界電流はほとんど変化しなかった。。一方、Oの濃度を増加させると、この増加にほぼ比例して第1酸素ポンプセル42に流れる限界電流も増加した。
図8(b)に示すように、第2酸素ポンプセル52においては、OやNOの濃度を増加させても、第2酸素ポンプセル52に流れる限界電流はほとんど変化しなかった。一方、Cの濃度を増加させると、この増加にほぼ比例して第2酸素ポンプセル52に流れる限界電流も増加した。
図8(c)に示すように、第3酸素ポンプセル62においては、OやCの濃度を増加させても、第3酸素ポンプセル62に流れる限界電流はほとんど変化しなかった。一方、NOの濃度を増加させると、この増加にほぼ比例して、第3酸素ポンプセル62に流れる限界電流も増加した。
【0099】
これらのことから、第1酸素ポンプセル42はOに、第2酸素ポンプセル52はCに、第3酸素ポンプセル62はNOに定量性が高いことがわかった。従って、今回試作したガス濃度測定装置を用いることで、被測定ガス中にOガス、Cガス、NOガスが含まれている場合に、これらのガスを選択的に精度良く定量できることがわかった。
【0100】
この結果は、先に述べたように、
第1酸素ポンプセル42の第1内側電極44aとして、Oに対して非常に活性が高く、CとNOに対して活性が低い上記混合体電極(上記酸化物含有電極の一例)を用いたこと、
第2酸素ポンプセル52の第2内側電極54aとして、Cに対して活性が高く、NOに対して活性が低いPt−Au電極(Auを含む電極の一例)を用いたこと、
第3酸素ポンプセル62の第3内側電極64aとして、NOに対して活性が高いPt電極(Pt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含む電極の一例)用いたこと、による結果として得られたものと考えられる。
【0101】
即ち、第1酸素ポンプセル42の第1内側電極44aである上記混合体電極は、Oに対して非常に活性が高く、CとNOに対して活性が低いので、Oを選択的に精度良く定量できていると考えられる。
第2酸素ポンプセル52の第2内側電極54aであるPt−Au電極は、CのみならずOにも活性が高い。しかし、第1内側電極44aとして上記混合体電極を用いた第1酸素ポンプセル42によって、酸素が選択的に充分に減じられており、また、その第1酸素ポンプセル42ではCの反応がほとんど生じていない。このため、第2酸素ポンプセル52でCを選択的に精度良く定量できていると考えられる。
第3酸素ポンプセル62の第3内側電極64aであるPt電極は、NOのみならずOとCにも活性である。しかし、上記したように、第1酸素ポンプセル42では、酸素が選択的に充分に減じられており、また、その第1酸素ポンプセル42ではNOの反応はほとんど生じない。また、第2内側電極54aとしてPt−Au電極を用いた第2酸素ポンプセル52では、可燃性ガスが充分に燃焼され、また、NOの反応はほとんど生じない。このため、第3酸素ポンプセル62でNOを選択的に精度良く定量できていると考えられる。
【0102】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0103】
(1)上記実施形態では、第1酸素ポンプセル42に流れるポンプ電流を第1電流計48で測定して酸素ガスの排出量を測定し、これを被測定ガス中の酸素ガスの濃度としているが、このような酸素ガスの濃度は測定せずに、可燃性ガスと窒素酸化物の濃度だけを測定するようにしてもよい。
【0104】
(2)第3酸素ポンプセル62を備えずに、窒素酸化物ガスの濃度を測定しない構成であってもよい。この場合、上記ガス濃度測定装置は、酸素ガスと可燃性ガスの濃度を選択的に測定する装置、あるいは可燃性ガスの濃度を測定する装置として用いられる。この場合、被測定ガス中に窒素酸化物ガスが含まれていないのであれば、第2酸素ポンプセル52の第2内側電極54aは、窒素酸化物ガスに対して活性を低下させる役割を果たすAuを含んでいなくてもよい。この場合、第2内側電極54aは、例えば、Pt,Pd,Rh,Ni,Auの少なくとも1種を含む電極によって構成されていることが好ましく、例えばPt電極によって構成されていることが好ましい。
【0105】
(3)可燃性ガスの濃度を測定しない構成であってもよい。この場合は、第3酸素ポンプセル62を削除し、第2酸素ポンプセル52によって窒素酸化物ガスの濃度を測定するような構成にすればよい。この場合、第2酸素ポンプセル52の第2内側電極54aは窒素酸化物に対して活性を高くする必要があるので、むしろAuを含まないようにすることが好ましい。この場合、第2内側電極54aは、例えば、Pt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含む電極によって構成されていることが好ましく、例えばPt電極によって構成されていることが好ましい。
【0106】
(4)上記実施形態は、各酸素ポンプセル42,52,62に流れるポンプ電流を各電流計48,58,68で測定することで、各ガスの濃度を測定しているが、各酸素ポンプセル42,52,62の一対の電極間の酸素濃度差に起因して生じる起電力を電圧計で測定することで、各ガスの濃度を測定してもよい。
【0107】
(5)上記実施形態では、第2空室78と第3空室82の間は第3拡散律速層80によって隔てられているが、第2空室78と第3空室82の間を隔てずに一体的にしてもよい。この場合、実質的に1つの空室で可燃性ガスと窒素酸化物ガスの濃度が測定されることになる。
【0108】
(6)可燃性ガスの中でも炭化水素ガス濃度を選択的に測定する場合は、Hガス、COガス等を予め取除くために、これらのガス等を選択的に燃焼させるための触媒を拡散律速層等に付加してもよい。
【0109】
(7)第3酸素ポンプセル62に代えて、公知の抵抗変化センサや、起電力センサ等を用いてもよい
【0110】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のガス濃度測定装置の概略断面図を示す。
【図2】 第2実施例のガス濃度測定装置の概略断面図を示す。
【図3】 検討素子の概略断面図を示す。
【図4】 酸素濃度変化に対する特性を検討するための電流−電圧特性を示す。
【図5】 可燃性ガスと酸素の反応性を検討するための電流−電圧特性を示す。
【図6】 限界電流とC濃度の関係を示す。
【図7】 限界電流とNO濃度の関係を示す。
【図8】 酸素ポンプセルの限界電流と各ガスの濃度の関係を示す。
【符号の説明】
42:第1酸素ポンプセル
44a:第1内側電極
44b:第1外側電極
46:第1固体電解質
52:第2酸素ポンプセル
54a:第2内側電極
54b:第2外側電極
56:第2固体電解質
62:第3酸素ポンプセル
64a:第3内側電極
64b:第3外側電極
66:第3固体電解質

Claims (15)

  1. 第1空室と、第2空室と、第3空室と、第1酸素ポンプセルと、第2酸素ポンプセルと、窒素酸化物ガスの検知手段を備え、
    第1酸素ポンプセルは、酸素イオン導電性の第1固体電解質と、1対の第1電極を有し、
    第1固体電解質は第1空室を区画する壁の少なくとも一部を構成し、
    第1電極の一方は第1空室内に配置されており、
    第2酸素ポンプセルは、酸素イオン導電性の第2固体電解質と、1対の第2電極を有し、
    第2固体電解質は、第1空室被測定ガスを導入可能な第2空室を区画する壁の少なくとも一部を構成し、
    第2電極の一方は、Au又はAuを成分にもつ合金を含み、第2空室内に配置されており、
    窒素酸化物ガスの検知手段は、第2空室内の被測定ガスを導入可能な第3空室内の被測定ガス中の窒素酸化物ガスの濃度を測定可能であり、
    第1空室内に配置された前記第1電極の一方は、
    (I)(A1−x)(C1−y)O3−zで表されるペロブスカイト型酸化物と(II)(Ce1−x)O2−z系酸化物の少なくとも一方を含んでおり、
    第1空室と第3空室の間に第2空室が配置しており、被測定ガスは第1空室、第2空室、第3空室の順に流動することを特徴とするガス濃度測定装置。
    〔(I)において、Aは、La,Pr,Ce,Ca,Sr,又はBaを表す。Bは、Sr,Ce,又はCaを表す。Cは、Cr,Mn,Fe,Co,Ti,Zr,又はGaを表す。Dは、Cr,Ni,Mg,Zr,Ce,Fe,Al,又はCoを表す。
    (II)において、Pは、La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Tm,Yb,Ca,Y,Mg,Sr,Ba,Zr,Mn,Fe,又はCrを表す。
    X、Yは、0≦X≦0.5、0≦Y≦0.5を満たす。〕
  2. 前記窒素酸化物ガスの検知手段は、第3酸素ポンプセルと、第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段を有し、
    第3酸素ポンプセルは、酸素イオン導電性の第3固体電解質と、1対の第3電極を有し、
    第3固体電解質は第3空室を区画する壁の少なくとも一部を構成し、
    第3電極の一方は第3空室内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  3. 前記第3空室内に配置された前記第3電極の一方が、Pt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項2に記載のガス濃度測定装置。
  4. 第2酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス濃度測定装置。
  5. 被測定ガス中の酸素を減じる第1酸素ポンプセルと、
    酸素が減じられた被測定ガス中の可燃性ガスを燃焼させるための酸素を導入する第2酸素ポンプセルと、
    可燃性ガスが燃焼した被測定ガス中の窒素酸化物ガスの濃度を測定する窒素酸化物ガスの検知手段を備え、
    前記第1酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空室側に設けられた電極は、
    (I)(A 1−x )(C 1−y )O 3−z で表されるペロブスカイト型酸化物と( II )(Ce 1−x )O 2−z 系酸化物
    の少なくとも一方を含むことを特徴とするガス濃度測定装置。
    〔(I)において、Aは、La,Pr,Ce,Ca,Sr,又はBaを表す。Bは、Sr,Ce,又はCaを表す。Cは、Cr,Mn,Fe,Co,Ti,Zr,又はGaを表す。Dは、Cr,Ni,Mg,Zr,Ce,Fe,Al,又はCoを表す。
    II )において、Pは、La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Tm,Yb,Ca,Y,Mg,Sr,Ba,Zr,Mn,Fe,又はCrを表す。
    X、Yは、0≦X≦0.5、0≦Y≦0.5を満たす。〕
  6. 前記第2酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空室側に設けられた電極はAu又はAuを成分にもつ合金を含むことを特徴とする請求項5に記載のガス濃度測定装置。
  7. 前記窒素酸化物ガスの検知手段は、窒素酸化物ガスを分解させ、その分解により生じる酸素を排出する第3酸素ポンプセルと、第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段を有することを特徴とする請求項6に記載のガス濃度測定装置。
  8. 前記第3酸素ポンプセルのうち被測定ガスの収容空室側に設けられた電極はPt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項7に記載のガス濃度測定装置。
  9. 第2酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力を測定する測定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のガス濃度測定装置。
  10. 第1酸素ポンプセルを構成する電極のうちの第1空室側に配置された第1電極又は収容空室側に配置された電極は、
    (I)のペロブスカイト型酸化物と( II )の酸化物を含み、前記( II )の酸化物の混合割合が1〜95質量%である混合体、又は
    (I)のペロブスカイト型酸化物、( II )の酸化物、及びこれらの混合体のいずれかを含む層が少なくとも二層積層された積層体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のガス濃度測定装置。
  11. 被測定ガスを第1空室に導入し、第1空室内に配置された電極が(I)(A 1−x )(C 1−y )O 3−z で表されるペロブスカイト型酸化物と( II )(Ce 1−x )O 2−z 系酸化物の少なくとも一方を含む第1酸素ポンプセルを用いて第1空室の被測定ガスの酸素を減じ、
    酸素が減じられた被測定ガスを第1空室から第2空室に導入し、第2空室内の被測定ガス中の可燃性ガスを、第2酸素ポンプセルを用いて第2空室に導入した酸素と反応させて燃焼させ、
    その酸素を第2空室に導入するときに第2酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力から被測定ガス中の可燃性ガス濃度を測定し、
    可燃性ガスが燃焼した被測定ガスを第2空室から第3空室に導入し、第3空室内の被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定することを特徴とするガス濃度測定方法。
    〔(I)において、Aは、La,Pr,Ce,Ca,Sr,又はBaを表す。Bは、Sr,Ce,又はCaを表す。Cは、Cr,Mn,Fe,Co,Ti,Zr,又はGaを表す。Dは、Cr,Ni,Mg,Zr,Ce,Fe,Al,又はCoを表す。
    II )において、Pは、La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Tm,Yb,Ca,Y,Mg,Sr,Ba,Zr,Mn,Fe,又はCrを表す。
    X、Yは、0≦X≦0.5、0≦Y≦0.5を満たす。〕
  12. 酸素が減じられた被測定ガスを第1空室から第2空室に導入し、第2空室内の被測定ガス中の可燃性ガスを、第2空室内に配置された電極がAu又はAuを成分にもつ合金を含 む第2酸素ポンプセルを用いて導入した酸素と反応させて燃焼させることを特徴とする請求項11に記載のガス濃度測定方法
  13. 被測定ガス中の窒素酸化物ガスを、第3酸素ポンプセルを用いて分解させ、その分解により生じた酸素を第3空室から排出し、
    その酸素を第3空室から排出するときに第3酸素ポンプセルに流れる電流又は発生する起電力から被測定ガス中の窒素酸化物ガス濃度を測定することを特徴とする請求項12に記載のガス濃度測定方法。
  14. 第3酸素ポンプセルのうちの第3空室側に配置された電極はPt,Pd,Rh,Niの少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項13に記載のガス濃度測定方法。
  15. 第1空室側に配置された第1電極は、
    (I)のペロブスカイト型酸化物と( II )の酸化物を含み、前記( II )の酸化物の混合割合が1〜95質量%である混合体、又は
    (I)のペロブスカイト型酸化物、 II )の酸化物、及びこれらの混合体のいずれかを含む層が少なくとも二層積層された積層体であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載のガス濃度測定方法。
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