JP4019109B2 - 汚染土壌の浄化方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
開示技術は、機械メーカー等の生産施設の敷地内等の土壌に対して不測にして漏洩等されたトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物に汚染された該土壌から当該有機塩素系化合物を揮発除去する施工の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、近時市民生活の向上と相俟って産業の隆盛は極めて盛んになっているが、これに伴って公害問題や環境汚染問題も一地方地域に限らず、全地球規模で無視出来ないほどクローズアップされてきている。
【0003】
このうち、所謂バブル経済の最中においてハイテク産業等の隆盛に伴い、半導体等の精密加工部品の洗浄等に用いられてきたトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物の関係から、当該加工部品の製造施設の敷地内や近傍の地域土壌中に漏洩するケースが一般的であった。
【0004】
しかし、水質汚濁防止法の改正に伴い産業施設内等での土壌中の有機塩素系化合物の濃度を設定以下になるように制限が規定されるようになり、かかる背景において当該産業施設内の土壌中の有機塩素系化合物の浄化除去処理が注目されるようになってきている。
【0005】
而して、かかる産業施設の敷地内等の土壌中に於て漏洩等された有機塩素系化合物の旧来の処理態様としては、さまざまな対処技術が案出され、基本的には開発実用化可能にされており、例えば、該有機塩素系化合物に汚染された土壌から当該有害物質を浄化除去する手段としては土壌中にスクリーンを設けた通気管を設置し、加圧、及び、負圧を発生させることによって揮発させ、設置した通気管を介して除去する方法があった。
【0006】
該種従来技術にあっては浄化は土壌の透気性に依存しており、粘土層のような難透気性土壌への適応は難しく、これに対処するに、特開平7−275837号公報の『地盤の浄化方法』発明や特開平8−112586号公報の『土壌の浄化方法』発明に開示されてあるように酸化カルシウムを土壌に混合することにより土壌中の水和と反応させ、化学的及び熱反応によって有機塩素系化合物の揮発を促進させ、土壌から有機塩素系化合物を浄化除去する技術もあった。
【0007】
しかしながら、該種旧来技術にあっては所定の浄化除去を完了させるためには、土壌に対し浄化施工を数回反復して繰り返す必要があり、それだけ長い時間がかかり、施工能率が悪いという欠点があった。
【0008】
これに対し、これまでに新たに固化処理,分解処理,分離処理の大別して3つの技術方式が新たに開発されており、そのうちの一番目の固化技術については漏洩等された有機塩素系化合物による汚染された土壌自体に対する対策として所謂原位置ガラス固化処理技術等があり、汚染された土壌に炭素性の電極を差し込んで電流を流し、これによって該土壌中のシリカ成分を電解熱により溶融して有機塩素系化合物を揮発させてガスを発生し、当該ガスを地上に設置したフード式の集塵用カバーに捕集して閉じ込めて併設するガス処理プラントにて無害化処理し、その後、高温の溶融成分を冷却するだけでガラス固化体に形成させ、数百トンクラスの処理装置を使うことにより、時間当たり数トンの汚染土壌を固化出来るメリットがあるが、施設的に大がかりとなり、コスト的にも見合わないデメリットがある。
【0009】
一方、2番目の分解処理技術に基づく有機塩素系化合物が漏洩等した土壌の処理方法として、汚染土壌中に生息する微生物を活性化して該有機塩素系化合物をその場で分解し無害化する所謂バイオレメディエーション方式があるが、この方式はエネルギーの投入量が少く、経済的にも見合う土壌浄化方式であるとみなされはするが、有機塩素系化合物を分解する微生物を増殖させることが施工上のネックとなっている。
【0010】
即ち、該種バイオレメディエーション処理方式が適用出来る領域についてはトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物の濃度が高い領域では目的の微生物を増やすことが極めて難しいという難点があるからである。而して、3番目の分離処理技術としては有機塩素系化合物の除去には所謂土壌ガス吸引方式(SVE方式)が一般に用いられており、該SVE方式では砂地盤等の透気性の高い土壌に対しては有効な土壌浄化方法ではあるが、粘性土地盤等の透気性の低い土壌に対しては当該SVE方式単独では浄化効果には限界がある不具合が分ってきた。
【0011】
そこで、これに対処するに、ロッドに対して生石灰等の浄化剤を空気等により気体輸送介してノズルによって当該公害汚染物質により汚染された土壌中に圧送して土壌中の水と化学的に
CaO+H2 O→Ca(OH)2 +15.6 kcal /モル
の水和反応を生じさせ、当該水和反応時に発生する熱によるトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物を揮発させ、輸送気体と共に発生した揮発性ガスを地上の集塵用のカバー内に捕集し、併設する処理プラントにより無公害処理する所謂LAIM工法が開発され実用化されるようになってきた。
【0012】
しかし、かかる技術は酸化カルシウム、及び、空気を土壌中に混合攪拌するために軟弱地盤改良用の機械を用いるため、酸化カルシウムと土壌中の化学反応によって土壌の強度が増大し、所定の浄化が困難になる難点がある。
【0013】
即ち、該種LAIM工法を図5によって略説すると、当該トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物で汚染された土壌1の所定部位に粉粒体混合攪拌装置の重機2を搬入セットし、そのリーダー3に沿って回転差動装置4を上設されたロッド5をその先端部に固設した上下二段等の攪拌翼6,6´ により掘削削孔すると共に当該土壌1を攪拌し、浄化剤としての生石灰を供給プラント7からホース8を介しスイーベルジョイント9を介し当該ロッド5内の気体輸送通路を介し該生石灰等の浄化剤を空気等により気体輸送し、攪拌翼6,6´ の基端部に設けた圧送ノズル10から当該攪拌翼6,6´ の回転領域にその回転背面内に噴射し、生石灰分は攪拌翼6,6´ の回転領域において攪拌土壌と均一に混合攪拌されて土壌1中の水と上記水和反応させ、該反応熱により該土壌中に含有されている有機塩素系化合物を揮発させ、当該揮発性ガスは分離された輸送気体と共に、図6に示す様に、断面角型のロッド5の回転間隙5´´から地上に揚昇されて上部のフードタイプの集塵用カバー11内にて捕集され、該集塵用カバー11に併設された防塵装置13に吸引されて隣設された無公害化処理プラント14により無公害化処理されるようにされている。
【0014】
当該LAIM工法によれば気体輸送される生石灰等の水和反応による所謂「ベタベタ」状態から「ボソボソ」状態に団粒化が添加される生石灰によって行われ、土壌1の透気性の向上を図る原理が利用されてはいる。
【0015】
又、該種LAIM工法自体が比較的新しい技術であるため、当該汚染土壌中の有機塩素系化合物の浄化除去を出来る限り有効に行うには、解決されねばならない幾多の問題が横たわっていることが分ってき、出願人は平成8年6月26日付で特願平8−184288号(未公開)の汚染土壌の浄化システムを所謂DJM(噴射攪拌工法)工法を発展的に開発したものであるが、施工装置のロッドの先端部に、当該図6,図7に示す様に、上下二段の攪拌翼6,6´ を設ける等して各攪拌翼の基部に浄化剤、及び、空気の混合状態にされたものを土壌中に圧送する圧送ノズル10を設ける等して該ロッド5の下降プロセスや上昇プロセスにおいて浄化剤と空気との混合物を圧送して土壌1と混合攪拌して揮発性ガスを除去するような技術等が提示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当該新規技術にあっては削孔プロセスにおいて、特に、上昇プロセスにおいて、例えば、上下二段の攪拌翼6,6´ が同一サイズにされていることにより、攪拌抵抗が大きく、作業能率が悪いという不都合さがあり、又、該上下二段の攪拌翼6,6´ の圧送ノズル10から圧送された浄化剤の水和反応によるが、図6に示す様に、上昇する際に上段の攪拌翼6´ に干渉されて該揮発性ガスの土壌内1における上昇逸散が設計通りに行われ難く、該攪拌翼6,6´ の昇降を反復して行わなければならないという不具合があった。
【0017】
又、それ故に、下段の攪拌翼6の圧送ノズル10から圧送される浄化剤の水和反応による揮発性ガスが土壌1中を上昇するプロセスにおいて効率的に有機塩素系化合物の揮発が設計通りにいかないというネックがあった
【0018】
したがって、一旦貫入し攪拌した攪拌翼6,6´ の引き上げ工程においては大きな攪拌引抜き抵抗が生じ、しかも、当該図6,図7に示す様に、上段の攪拌翼6´ の取り付け角度により引き上げ工程における土壌1に対する締め付け作用が行われて緻密な土壌となり、透気性を著しく損なう不具合がある。
【0019】
又、生石灰と土壌1中の水の水和反応は急速であるために、脱水された土壌1は攪拌翼6,6´ や圧送ノズル10に固着し、攪拌抵抗が大きくなって攪拌効率が低下したり、揮発性ガスの揚昇がスムーズに行われ難いという不都合さがあった。
【0020】
そして、汚染土壌の浄化プロセスにおいて下段の攪拌翼6の圧送ノズル10から圧送された浄化剤による土壌1中の水との水和反応を介しての有機塩素系化合物の揮発を促進されないという不都合があり、又、削孔プロセスにおいて各攪拌翼6,6´ の上昇プロセスでの攪拌抵抗が上述した如く大きく、作業能率が悪いというという不都合さがあった。
【0021】
更に、下段の攪拌翼6からの汚染ガスが上段の攪拌翼6´ により阻害されて土壌1中から設計通りに効率良く回収されないという不具合があった。
【0022】
かくの如く、従来の粉粒体混合攪拌装置を用いて有機塩素系化合物で汚染された土壌1を浄化剤の該土壌1中への圧送を行って当該汚染土壌の浄化施工を行うには、該浄化剤の該土壌1中での水との水和反応の特性や土壌浄化工事で要求される性能等を考慮すると、これまでの技術をそのまま適用するには効率が悪く、少くとも設計に沿う精度で土壌浄化を行うことが出来ないというデメリットがあった。
【0023】
【発明の目的】
この出願の発明の目的は前述従来技術に基づく上述新規開発された生石灰等の浄化剤の水和反応熱による汚染土壌中の有機塩素系化合物の揮発による浄化方式のメリットをフルに利用するべく、攪拌翼による攪拌抵抗、及び、透気性を良好にし、設計通りの浄化が行われない問題点を解決すべき技術的課題とし、汚染の土壌が粘性土等の難透気性土壌であっても生石灰等の水和反応によって生ずる有機塩素系化合物の揮発性ガスが確実に処理プラントに揚昇されて設計通りに浄化除去が果せるように攪拌翼の攪拌抵抗、及び、引き抜き抵抗を低減し、当該浄化システムにて効率良く浄化することが出来るようにして公害防止産業における浄化技術利用分野に益する優れた汚染土壌の浄化方法、及び、該方法に直接使用する装置を提供せんとするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述課題を解決するために、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物等により汚染された土壌の浄化を当該汚染土壌中に生石灰等の浄化剤と空気を混合状態にして圧送し、当該土壌と攪拌混合を介して土壌中の水との水和反応を介しての反応熱により有機塩素系化合物を揮発させ、揮発性ガスを地上に揚昇して当該汚染土壌の浄化施工を行うに際し、当該粉粒体混合攪拌装置に設けたリーダーに沿って下向きに延設したロッドの先端部に上下二段の攪拌翼を配設し、該ロッドに生石灰等の浄化剤と空気との混合体の輸送通路を設け、地上に設けた浄化剤供給プラントから該生石灰等の浄化剤を空気による混合状態でロッド内を気体輸送し、下段の攪拌翼の基端部に設けた浄化剤圧送ノズルより空気と共に気体輸送した混合体として土壌中に圧送し、その際、該圧送ノズルより圧送された空気と混合された浄化剤は土壌内の水と水和反応し、該水和反応熱を介して発生する有機塩素系化合物の揮発性ガスは土壌中を該土壌の微細間隙を介し上昇して該有機塩素系化合物の揮発を促進して除去するに際し、当該下段の攪拌翼はロッドの先端部のパイロットビットにより先行掘削攪拌し、当該掘削時は勿論のこと、引き上げ時にも上段の攪拌翼にもビットを設け、その際、上段の攪拌翼は下段の攪拌翼よりそのサイズを小さくされて土壌に対する攪拌抵抗を少くし、掘削、及び、上昇がスムーズに行われるようにし、又、下段の攪拌翼の圧送ノズルから圧送された生石灰等の浄化剤が土壌中の水と水和反応してその反応熱により当該有機塩素系化合物を揮発し、浄化された揮発性ガスが上段の攪拌翼にその上昇拡散を阻害されることなく、又、上段の攪拌翼周囲の土壌中の有機塩素系化合物の除去がスムーズに行われるようにし、揮発性ガスの該土壌中での良効率の吸収が設計通りに行われるようにし、又、土壌の揮発性ガスの透気性の確保が図れるようにした技術的手段を講じたものである。
【0025】
【作用】
上述構成において、有機塩素系化合物により汚染された土壌の浄化を掘削混合攪拌装置技術を用いてロッド内にて生石灰等の浄化剤を空気と共に、気体輸送して該ロッドの先端部に設けた上下二段の攪拌翼のうちの下段の攪拌翼に設けた圧送ノズルから土壌中に圧送し、該土壌中に存在する水と水和反応による反応熱を介して発生した有機塩素系化合物の揮発性ガスをロッドの周囲間隙を介して生石灰と分離された空気と共に地上に揚昇し、集塵用カバーを介し地上の処理プラントにより無害化処理するに際し、上下の攪拌翼により攪拌された土壌の粗粒状の状態を維持された該土壌中に於いて均一な水和反応による有機塩素系化合物の揮発を良好な通気性のもとに行うようにし、この際、上段の攪拌翼が下段の攪拌翼よりそのサイズが小さくされていることにより、下段の攪拌翼から上昇する有機塩素系化合物の揮発性ガスの上昇を阻害することなく、又、攪拌抵抗も少くされ下段の攪拌翼から上昇する浄化された揮発性ガスを上段の攪拌翼により二次的に更により良く揮発を促進させ、設計通りに有効裡に土壌中の有機塩素系化合物の除去が図られ、当該施工プロセスにおいてロッドを軸方向に所定サイクルで振動させたり、攪拌翼の回転速度を所定に変化調整させ、浄化領域における攪拌翼による施工を反復して行い、浄化剤と空気との混合物の圧送を攪拌翼の径方向、或いは、ロッド方向に対して所定に行い、土壌の透気性が維持され、設計通りの汚染土壌の浄化が行われるようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
而して、この出願の発明の実施しようとする形態を開示するが、前述した如く、基本的には粉粒体混合攪拌装置を用いて気体輸送する浄化剤としての生石灰等を汚染土壌中に圧送して攪拌混合し、土壌中の水との水和反応を介して発生する反応熱による揮発性ガスをSVE工法を加味して処理プラントにより浄化処理する様式であるために、当該粉粒体混合攪拌装置の利用技術としてロッドと攪拌翼を当該浄化処理に用いる最適態様にしたものである。
【0027】
次に、この出願の発明の実施しようとする形態を実施例の態様として図5,図6を参照して図1〜図4に従って説明すれば以下の通りである。
【0028】
尚、図5〜図7と同一態様部分は同一符号を用いて説明するものとする。
而して、当該実施しようとする形態は、例えば、ハイテク関連の精密機械製造施設等におけるプリント基板等の洗浄に用いられる有機溶剤としてのトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物によって汚染されている土壌1に対する浄化の態様である。
【0029】
尚、当該実施態様は粉粒体供給プラントとSVE工法による共用プラントの態様である。
【0030】
図4に示す態様は粉粒体圧送攪拌装置の重機2のリーダー3に併設して立設するロッド5のフードタイプの集塵用カバー11により上の部分相当の概略構成を示すものであり、該ロッド5の内部に挿通する浄化剤と空気の混合体を気体輸送する通路5´ の上部はスイーベルジョイント9を介して図5に示す浄化剤としての生石灰の輸送プラント7に接続されている。
【0031】
而して、浄化剤としての生石灰の気体輸送通路5´ を内部に形成するロッド5は断面方形の角型であり、回転間隙により在来態様同様図6に示す様に、その回転間隙5´´を削孔された攪拌土壌中に形成し、輸送空気と上述する揮発性ガス17を地上に揚昇するようにされている。
【0032】
而して、該ロッド5の先端部にはパイロットビットとしての爪ビット22´´を有して設けられており、そして、該爪ビット22´´´ の上部には上記気体輸送通路5´ に連通する圧送ノズル10が径方向に形成されており、該圧送ノズル10をカバーするように下段の攪拌翼6がその縁部にビット22を有して所定の大サイズにて配設されており、該下段の攪拌翼6の所定距離上部には該下段の攪拌翼6に直行する姿勢で該下段の攪拌翼6よりも小さなサイズの上段の攪拌翼6´ がその縁部に同様にビット22´ を有して配設されている。
【0033】
尚、この出願の発明にあっては圧送ノズル10は下段の攪拌翼6に設けられているのみであって、該下段の攪拌翼6に比し小サイズの上段の攪拌翼6´ には次述する如く、その機能により設けられてはいないものである。
【0034】
尚、上段の攪拌翼6´ は径方向の長さ、及び、周方向の幅と共に下段の攪拌翼6よりも小サイズにされているものである。
【0035】
そして、ロッド5の周囲の回転間隙5´´から揚昇する生石灰の輸送気体が土壌1中で該生石灰の土壌1中の水との水和反応による吸収熱反応により発生する揮発性ガスを一旦集塵用カバー11内に貯留し、外気で逸散しないようにし、図6に示す在来態様同様に防塵装置13を介し無公害化処理プラント14にガス吸引して無公害化処理して排出するようにされている。
而して、この出願の発明の1つのポイントとなる掘削抵抗、及び、引き上げ抵抗を可及的に減少し、硬質地盤における掘削効率を高くし、攪拌抵抗を少くする上下二段の攪拌翼6,6´ については、上述した如く、各々その縁部にビット22,22´ を設けると共に、下段の攪拌翼6よりも上段の攪拌翼6´ を小サイズにすることにより攪拌抵抗を少く、且つ、下段の攪拌翼6の圧送ノズル10から土壌中に圧送される生石灰と空気との混合物による揮発性ガスの上昇を促進し、したがって、浄化がより効率的に行われるようにされる。
【0036】
そして、下段の攪拌翼6により均一に土壌1中に攪拌分散された生石灰は該土壌1中の水と水和反応し該水和反応時に発生する反応熱による揮発性ガスは該攪拌土壌1中において水和反応による団粒化された土壌1中においても透気性が促進されて浄化効果の向上が図られる。
【0037】
上述構成において、図3によりその作用を説明すると、図5に示す重機2による駆動によりロッド5が回転されて軸方向の押圧力が所定に付与され、土壌1を所定に掘削するに、下段の攪拌翼6のビット22により、又、先端ビット21のパイロットビットの爪ビット22´´により所定に削孔が形成されて、又、これに伴い、上段の小サイズの攪拌翼6´ も補助的にそのビット22´ により第二義的に攪拌掘削を行っていく。
【0038】
そして、ロッド5の掘削プロセス、或いは、上昇プロセスにおいて下段の攪拌翼6に設けられた圧送ノズル10より地上のプラント7よりスイーベルジョイント9を介し生石灰が空気と共に、気体輸送通路5´ を介して輸送されて該圧送ノズル10から土壌1中に圧送され、これに伴って、下段の攪拌翼6がその回転により該浄化剤と土壌中の水との水和反応により、又、その反応熱によって該塩素系化合物を揮発させ、該下段の攪拌翼6を介して生石灰と土壌1中の水分との水和反応により団粒化が行われ、透気性を良好にされた土壌1の間隙を介して上昇していくが、当該上昇プロセスにおいてその上位で待機して同じく回転している上段の攪拌翼6´ によりそのビット22´ により多くの汚染物質の揮発を促進し、完全に浄化作用を土壌中の汚染された有機塩素系化合物を揮発性ガス17として良透気性の団粒化された粗粒状の土壌1の間隙を通り、又、ロッド5の周囲の間隙5´´を介して地上に揚昇され、地上に設けられている集塵カバー11内にて捕集され、更に、防塵装置13に吸引されて隣設されている無公害化処理プロセス14により無公害化処理されて所定に大気中に排出するようにされている。
【0039】
当該浄化プロセスにおいて当該図1〜図3に示す様に、上段の攪拌翼6´ が下段の翼攪拌6よりも小サイズにされていることにより、ロッド5の上昇プロセスにおいて小トルクにより攪拌抵抗が少く、作業能率が良いのみならず、下段の攪拌翼6により揮発された揮発性ガスが上段の攪拌翼6´ により阻害されることなくスムーズに揚昇し、且つ、該上段の攪拌翼6´ により第二義的に水和反応が成され、揮発が促進されて浄化作用が確実に行われる。
【0040】
而して、この出願の発明による浄化事例を周公知の土壌浄化攪拌(噴射攪拌工法)工法で使用される態様と比較した表を次の表1に示すと、集塵用カバー11内に回収される揮発性ガス化した汚染物質の濃度を測定した結果は当該表1に示す通りであり、この出願の発明により回収される汚染ガス濃度は明らかに在来態様に比較して揮発性ガス化した汚染物質を効率良く回収されていることが良く分る。
【0041】
【表1】
Figure 0004019109
【0042】
尚、この出願の発明の実施態様は上述実施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、浄化剤は生石灰に限らず、酸化カルシウム等でも良いことは種々の態様が採用可能である。
【0043】
又、設計変更的にロッドに対し、軸方向の振動装置や回転速度調整装置を設けることが出来る等種々の態様が採用可能である。
【0044】
そして、対象とする汚染土壌はトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物ばかりでなく、重金属類に対しても土壌中において反応させ、その反応熱により分解する揮発性ガスをロッド周囲の旋回間隙を介して揚昇出来る汎用性も含まれる。
【0045】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、基本的にトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物等の有害物質で汚染された土壌に混合攪拌装置を搬入セットし、上下二段の攪拌翼により削孔を掘削すると共に該攪拌翼の基部に設けられた圧送ノズルから浄化剤を空気と共に気体輸送して土壌中に圧送することにより在来態様の土壌ガス吸引方式のSVE工法では充分に粘性度等の高い難透気性土壌に対する浄化施工が出来なかったのに対し、例えば、生石灰等の浄化剤を土壌中に圧送して該土壌中の水との水和反応時に発生する反応熱を介して発生する揮発性ガスを輸送気体の揚昇と共に、地上に揚昇して処理プラントにより無公害化して浄化する工程においてその上下二段の攪拌翼を特殊な形状配列にして上段の攪拌翼を下段の攪拌翼より小サイズにし、当該下段の攪拌翼の基部にのみ設けた圧送ノズルから浄化剤と空気との混合体を土壌中に圧送することにより、間隙性を有する砂地盤のみならず、難透気性の粘土土壌に対しても有効に浄化作用を与えることが出来るという優れた効果が奏される。
【0046】
又、上段の攪拌翼を下段の攪拌翼よりも小サイズにすることにより、土壌削孔中における該土壌の攪拌抵抗を軽減させることが出来るために、当該掘削施工が極めて能率的に行えるという効果がある。
【0047】
又、上段の攪拌翼が下段の攪拌翼より小サイズにされているために、下段攪拌翼より有機塩素系化合物を浄化した揮発性ガスが上段の攪拌翼に阻害されることなく、スムーズに揚昇されるために、地上における処理プラントに確実に捕集されて無害化処理が出来るという優れた効果が奏される。
【0048】
更に、上段の攪拌翼が下段の攪拌翼より小サイズにされてはいるものの、上下二段に攪拌翼が設けられていることにより、下段の攪拌翼より浄化された揮発性ガスが更に第二義的に上段の攪拌翼により浄化作用を受けるために、有害物質に汚染された土壌の浄化除去が設計通りに確実に行われるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施形態の平面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】浄化プロセスの説明概略側面図である。
【図4】施工装置の一部拡大側面図である。
【図5】施工装置の全体概略側面図である。
【図6】在来態様における土壌浄化の作用の模式部分断面側面図である。
【図7】在来態様における施工部における土壌浄化の概略側面図である。
【符号の説明】
6´ 上段の攪拌翼
6 下段の攪拌翼
10 圧送ノズル

Claims (3)

  1. 揮発性有害物質で汚染された土壌に対して浄化剤及び空気を圧送して攪拌混合し該土壌中の有機塩素系化合物を揮発させて汚染土壌より除去するようにする汚染土壌の浄化方法で用いる装置であって、
    前記浄化剤及び空気を送給するための送給通路を有するロッドと、
    前記ロッドに設けられた上下二段の攪拌翼と、を有しており、
    上段の攪拌翼が、ロッド周方向の幅に関して下段の攪拌翼より小サイズに形成してあることを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  2. 揮発性有害物質で汚染された土壌に対して浄化剤及び空気を圧送して攪拌混合し該土壌中の有機塩素系化合物を揮発させて汚染土壌より除去するようにする汚染土壌の浄化方法で用いる装置であって、
    前記浄化剤及び空気を送給するための送給通路を有するロッドと、
    前記ロッドに設けられた上下二段の攪拌翼と、を有しており、
    上段の攪拌翼が、ロッド周方向の幅及びロッド長さ方向の幅に関して下段の攪拌翼より小サイズに形成してあることを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  3. 上記請求項1又は2記載の装置を用いて、揮発性有害物質で汚染された土壌に対し浄化剤及び空気を圧送して浄化する方法であって、
    ロッドに設けた上下二段の攪拌翼のうち、常に下段の攪拌翼の側から浄化剤と空気を土壌中に圧送するようにすることを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
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