JP4353412B2 - 酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法 - Google Patents

酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法 Download PDF

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本発明は微粉の酸化鉄すなわちフエライトを用いた揮発性有機化合物の処理方法に関し、特に土中の揮発性有機化合物の処理方法に関する。
ガソリン、灯油、軽油、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン等の揮発性有機化合物(以下VOCとも称する)で汚染された土壌や地下水を浄化処理する技術は種々知られている。
その主な手段としては熱で分解する例(特許文献1参照。)や、薬品等での分解(特許文献2参照。)や活性炭による吸着も知られている。
熱を用いた汚染された土壌や地下水の浄化処理は、VOCの揮発に要する熱の授与に困難があり、薬品を使用する場合は土壌の性質が変化して埋め戻しに適さない場合がある等の問題があった。
また、活性炭でVOCを吸着する場合には、VOCを吸着した活性炭は、再生しようとするとダイオキシンが発生するので、産廃処理にはその高価な活性炭をリサイクルなしで高温で完全に焼却しなければならず、コスト的に、また全体的な作業効率の面でも非効率であった。
近時、還元鉄粉が種々のVOCを効果的に分解することが知られている。しかしながら、従来の還元鉄粉ではVOCの分解に例えば数日から数週間を要して工期的に問題があった。
これに対して、従来の還元鉄粉によるVOC分解の欠点である分解反応の速度を上昇させるものとして、粒子の細かい酸化鉄粉粒体、特にマグネタイト(Fe)をベースとしたものが、有害な中間生成物を作る事無くVOCを分解する反応速度が比較的に早いことが解った。
また、酸化鉄が微粒子のため、水中において分散性が高く均一に拡散するので好都合である。
また、酸化鉄は磁性体であるから、磁石や電気製品を直接に使用することは好ましくなく、特に水中ポンプへの付着、閉塞が問題であった。
なお、酸化鉄粉粒体により浄化された地下水は、そのままであると黒色の濁液状態を呈していることから、下水等に排水するにあたってはSS処理が必要になるが、「膜分離槽」をシステム内に組み入れることにより、酸化鉄を効率よく回収でき、リサイクルできコスト低減が可能なことがわかった。
高濃度地下水を処理するには、活性炭吸着法のほかに光触媒法で直接分解したり或いは、加熱分離処理の技術も知られている。
しかしながら、これらの技術は、設備費や使用電力量が膨大なものとなって何れもコスト的に問題であった。
発明者は、上記の粒子の細かい酸化鉄粉粒体、特にマグネタイト(Fe)をベースとしたもので従来技術の問題点を排除して土中の汚染物質すなわち汚染土壌および汚染した地下水を連続して処理でき、しかも高価な酸化鉄の再生が可能であり、多量の汚染物質を効果的に低コストで除去できる技術を発明した。
特開2000−107741号公報(図1及びその説明参照) 特開2003−071426号公報(図1及びその説明参照)
したがって、本発明の目的は、酸化鉄を用いて効果的に土中の汚染物質であるVOCを比較的多量かつ連続的に除去できる汚染物質の処理方法を提供するにある。
また本発明の他の目的は、汲上げられた汚染された地下水や発生した汚染されたVOCガスを連続的に処理でき、使用した酸化鉄の消耗の少ない汚染物質の処理方法を提供するにある。
本発明によれば、酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法において、汚染域に向けて孔(H)を削孔し、その孔(H)に固化材と高圧水と空気と酸化粉粒体末とを水平方向外方に噴射するロッド(R)を挿入し、そのロッド(R)を上方に引上げながらロッド(R)を回転させて固化材と高圧水と空気と酸化粉粒体末とを噴射して汚染域(D)を攪拌し、その間スラリーを前記孔(H)から吸引し、攪拌した汚染域(D)の下部に固化材の層(C)を形成し、そして上部にブリージングによるブリージング層(B)が形成され、吸引したスラリーを酸化鉄により処理し、処理したスラリーを前記ブリージング層(B)に再充填するようになっている。
本発明の作用効果を以下に列挙する。
(a)本発明によれば、酸化鉄を用いて効果的に土中の汚染物質であるVOCを比較的多量かつ連続的に除去できて従来に比較して短工期で施工できる。
(b)また、汲上げられた汚染された地下水や発生した汚染されたVOCガスを連続的に処理でき、使用する酸化鉄の消耗の少なくし、産廃処理が必要で高価な活性炭の使用を少なくできる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第1実施形態を示している。
図1は、汚染物質を含んだ汚染域Dが地下水Lより下方に存在している現地の状態を示していて、最初に、地上Sからボーリング等によって汚染域Dの位置を検査し確認する。
次いで、図2を参照して、汚染域Dの周辺Pに複数の注入井戸Waを地上Sから地下水Lを通して汚染域Dの深さまで掘削し、汚染域Dの中に揚水井戸Wbを掘削する。揚水井戸Wbは汚染域Dの大きさや形状に応じて1つでも複数でもよい。揚水井戸Wbの中に揚水ロッドQを配置する。符号Mbは揚水井戸Wbに設けられた詰まりを防止するための網目であり、符号Mqは揚水ロッドQに設けられた詰まりを防止用の網目である。また、注入井戸Waの下部に詰まりを防止するための網目Maが設けられている。
なお、注入井戸Wa及び揚水井戸Wbに連通するポンプは、非磁性体ポンプで酸化鉄の付着による弊害の生じないもので構成されている。
また、揚水井戸Wb、揚水ロッドQに通じる揚水ポンプは、エアーリフトポンプ、真空ポンプ、レシプロポンプ等でかつ、いずれも磁石を使用しない形式のポンプが必要である。
ついで、図3を参照して、注入井戸Waから泥水を汚染域Dに向けて注入しながら、揚水井戸Wb内の揚水ロッドQから揚水する。これによって、汚染域Dを含む周辺から揚水井戸Wbに通じる流路Fが形成される。また、揚水井戸Wbへの流路Fの形成によって、水面Lが揚水井戸Wbを低位中心にして流路Fを流れ易い状態にする。
ついで、図4を参照して、注入井戸Waから粉末酸化鉄を混入した酸化鉄混入水を地下に向けて注入し、揚水井戸Wb内の揚水ロッドQから揚水して汚染域Dに酸化鉄混入水を充填させる。この酸化鉄によって汚染域D内のVOCが分解除去される。
なお、符号Bvは、汚染域DからのVOCの拡散を防止するための地中壁である。
図5は、上記工程によって、注入井戸Waからの酸化鉄混入水と揚水井戸Wb内の揚水ロッドQからの揚水により、地下水Lより下方の汚染域D内のVOCがすべて浄化された状態を示している。
上記の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第1実施形態によって、地下水Lより下方に存在している汚染物質を含んだ汚染域Dに、注入井戸Waから酸化鉄混入水を注入してVOC土壌、地下水を分解除去して、揚水井戸Wbから水を揚水するので、汚染域Dが浄化域になり、揚水も浄化されていて無害になる。
また、工事のすべてが現地で連続的に行うことができて、計画的な施工ができ、工期のぶれが生じない。
図6〜図10は、本発明の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第2実施形態を示している。
図6を参照して、最初に、地面Sから地盤Gの汚染物質を含んだ汚染域Dに向けてボーリング孔Hを掘削する。
次いで、図7を参照して、酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法を実施するための処理装置A1を設置する。ここで概要を示す処理装置A1は、後記する第4実施形態によって詳細が記されている。
処理装置A1は次ぎのように設置される。
地盤G中に掘削された孔H内に、2重管で形成されているロッドRdが回転及び上下動が可能に配置されている。ロッドRdの先端部に固化材スラリーWhを高圧水で水平方向に噴射するノズルと、そのノズルの半径方向の周囲に設けられて酸化粉粒体末Afをエアと共に噴射するノズルが設けられている。
孔Hにスラリーを貯蔵する地上の貯蔵設備20に連通する管L20が配置され、管L20にはスラリーポンプP1が介装されている。
次いで、施工状態を示す図8を参照して、継手Jを介した駆動装置TによってロッドRdを回転させ引上げながら先端部から水平方向に固化材スラリーWhを高圧噴射し、周辺から酸化粉粒体末Afをエアと共に汚染域に向けて噴射する。
固化材スラリーと、Wh酸化粉粒体末Afとエア、の噴射によって地盤Gを切削し攪拌し、流動状にして、孔H及び管L20を介してスラリーポンプP1によってスラリーを貯蔵設備20に吸引する。
次いで、図9を参照して、貯蔵設備20にはスラリーを固化させない処理を施して、酸化鉄によってVOCが分解されるまで例えば1日間を待機する。地中の切削、攪拌された汚染域の底部は、固化材が沈澱固化して層Cを形成し、層Cの上部は改良材によってブリージング層Bが形成される。
なお、層Cの固化に要する時間と、貯蔵設備20でのVOCの分解に要する時間とを同じにして無駄時間を生じないようにするとよい。
次いで、図10を参照して、貯蔵設備20でVOCが分解したスラリーに固化材を注入しながら、スラリーポンプP1、管L20を介してブリージング層Bに再充填し、固化層Baを形成する。
上記の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第2実施形態によって、地下の汚染物質を含んだ汚染域に、高圧水と共に固化材を、エアと共に酸化粉粒体末を、それぞれ同時に噴射して地盤を掘削、攪拌して汚染域地盤を流状化させ、そのスラリーを地上の貯蔵設備20でVOCを分解させて浄化し、掘削地盤Gに再充填させる。
従って、汚染域(D)にVOCを浄化した土壌を置換させるので、地上で浄化を確認して地中に戻すことができ、外他部への汚染土壌の拡散がない。
図11〜図15は、本発明の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第3実施形態を示している。
図11を参照して、最初に、地面Sから地盤Gの汚染物質を含んだ汚染域Dに向けてボーリング孔Hを掘削する。
次いで、図12を参照して、酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法を実施するための処理装置A2を設置する。ここで概要を示す処理装置A2は、後記する第5実施形態によって詳細が記されている。
処理装置A2は次ぎのように設置される。
地盤G中に掘削された孔H内に、3重管で形成されているロッドRtが回転及び上下動が可能に配置されている。
ロッドRtの先端部に酸化粉粒体末と水の混合液Wfを高圧で水平方向に噴射するノズルと、そのノズルの半径方向の周囲に設けられて高圧エアAirを噴射するノズルが設けられている。
上記各ノズルの下部に、図においては各ノズルと反対方向に固化材スラリーKを噴射するノズルが設けられている。
孔Hにスラリーを貯蔵する地上の貯蔵設備20に連通する管L20が配置され、管L20にはスラリーポンプP1が介装されている。
次いで、施工状態を示す図13を参照して、継手Jを介した駆動装置TによってロッドRtを回転させ引上げながら先端部から水平方向に固化材スラリーKを高圧噴射し、酸化粉粒体末を含んだ高圧水Wfと高圧エアAirを汚染域に向けて噴射する。
上記の各噴射ノズルによって地盤Gを切削し攪拌し、流動状にして、孔H及び管L20を介してスラリーポンプP1によってスラリーを貯蔵設備20に吸引する。
次いで、図14を参照して、貯蔵設備20にはスラリーを固化させない処理を施して、酸化鉄によってVOCが分解されるまで例えば1日間を待機する。地中の切削、攪拌された汚染域の底部は、固化材が沈澱固化して層Cを形成し、層Cの上部は改良材によってブリージング層Bが形成される。
なお、層Cの固化に要する時間と、貯蔵設備20でのVOCの分解に要する時間とを同じにして無駄時間を生じないようにするとよい。
次いで、図15を参照して、貯蔵設備20でVOCが分解したスラリー20Aに固化材を注入しながら、スラリーポンプP1、管L20を介してブリージング層Bに再充填し、固化層Baを形成する。
上記の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第2実施形態によって、地下の汚染物質を含んだ汚染域に、高圧水と共に酸化粉粒体末、高圧エア、固化材位スラリーを、それぞれ同時に噴射して地盤を掘削、攪拌して汚染域地盤を流状化させ、そのスラリーを地上の貯蔵設備20でVOCを分解させて浄化し、掘削地盤Gに再充填させる。
従って、汚染域(D)にVOCを浄化した土壌を置換させるので、地上で浄化を確認して地中に戻すことができ、外他部への汚染土壌の拡散がない。
図16は、前記第2実施形態を実施するための第4実施形態の処理装置A1を示している。
処理装置A1は、汚染域Dのある地盤Gに掘削された孔Hに回転及び上下動が可能に配置された2重管構造のロッドRdと、地面Sに建てられたスラリー貯蔵装置20とで主要構成がなされている。
ロッドRdの中央上部に回転継手22が装着され、先端部Rd1に設けられて水平方向外方に噴射する第1のノズルNwと、その第1のノズルNwの半径方向外方に第1のノズルNwを囲むように設けられて水平方向外方に噴射する第2のノズルNaとが装着されている。
なお、第1及び第2の噴射ノズルの機能または配置の組合せは、上記以外にも自在に決めることができる。
第1のノズルNwは、地上の高圧ポンプ24に第1の配管ラインL24によって連通されていて、高圧ポンプ24は固化材を含んだ混合水の供給源に通じている。
第2のノズルNaは、地上のエアコンプレッサ26に第2の配管ラインL26によって連通されていて、エアコンプレッサ26は高圧エアの供給源に通じている。
なお、酸化鉄と固化材の混合物を噴射する組合わせがあってもよく、その組み合わせは自在にできる。
第2のラインL26に酸化粉粒体末を貯蔵する貯蔵体30が配管L26aを介して連通されている。
地面S上にスラリー貯蔵設備20が建てられていて、貯蔵設備20はスラリーポンプ21を介装した配管ラインL20によって、孔Hに通じ、汚染域Dのある地盤Gに通じている。
スラリー貯蔵設備20は、ロッドRdによって切削され、酸化鉄及び固化材を注入、攪拌されたスラリー土壌をスラリーポンプ21で吸い上げ、固化しない処理を施してVOCが分解するまでの期間、たとえば1日間を滞留させる。そしてVOCが分解された段階で無害となったスラリーをスラリーポンプ21で汚染域のあった地盤Gに戻す機能を有して構成されている。
上記の処理装置A1の作用は第2実施形態の作用で説明の通りである。なお、実行にあたっては、汚染域Dに噴射、注入する固化材はpHが中性であることが好ましい。このようにすれば酸化鉄の分解反応性が良く、且つ、下水での排水処理が簡単となる。
上記、処理装置A1の構成によって、汚染域で酸化鉄を水と共に攪拌混合させ、そのスラリーをその地面上に建てたスラリー貯蔵設備20でVOCが分解反応する所定期間を待機し、VOCの分解除去を確認して埋め戻すので、汚染土壌の運搬その他の工事がなく限定した場所で短工期で施工処理ができる。
図17は、前記第3実施形態を実施するための第5実施形態の処理装置A2を示している。
処理装置A2は、汚染域のある地盤Gに掘削された孔Hに回転及び上下動が可能に配置された3重管構造のロッドRtと、地面Sに建てられたスラリー貯蔵装置20とで主要構成がなされている。
ロッドRtの中央上部に回転継手22が装着され、先端部Rt1に設けられて水平方向外方に噴射する第1の噴射ノズルNwと、その第1の噴射ノズルNwの半径方向外方に第1の噴射ノズルNwを囲むように設けられて水平方向外方に噴射する第2の噴射ノズルNaとが装着されている。
第1の噴射ノズルNwは、地上の高圧ポンプ28に第1の配管ラインL28によって連通されていて、高圧ポンプ28は酸化鉄材を含んだ混合水の供給源に通じている。
第2の噴射ノズルNaは、地上のエアコンプレッサ26に第2の配管ラインL26によって連通されていて、エアコンプレッサ26は高圧エアの供給源に通じている。
なお、酸化鉄と固化材の混合物を噴射する組合わせがあってもよく、その組み合わせは自在にできる。
第1及び第2の噴射ノズルNw、Naの下部に、図においては噴射方向が反対方向を向いて第3の噴射ノズルNgが設けられ、地上のグラウトポンプ29に第3の配管ラインL29によって連通されている。グラウトポンプ29はグラウト供給源に連通されている。
なお、第1、第2及び第3の噴射ノズルの機能または配置の組合せは、上記以外にも自在に決めることができる。
地面S上にスラリー貯蔵設備20が建てられていて、貯蔵設備20はスラリーポンプ21を介装した配管ラインL20によって、孔Hに通じ、汚染域Dのある地盤Gに通じている。
スラリー貯蔵設備20は、ロッドRtによって切削され、酸化鉄及び固化材を注入、攪拌されたスラリー土壌をスラリーポンプ21で吸い上げ、固化しない処理を施してVOCが分解するまでの期間、たとえば1日間を滞留させる。そしてVOCが分解された段階で無害となったスラリーをスラリーポンプ21で汚染域のあった地盤Gに戻す機能を有して構成されている。
上記の処理装置A2の作用は第3実施形態の作用で説明の通りである。なお、実行にあたっては、汚染域Dに噴射、注入する固化材はpHが中性であることが好ましい。
上記、処理装置A2の構成によって、汚染域で酸化鉄を水と共に攪拌混合させ、そのスラリーをその地面上に建てたスラリー貯蔵設備20でVOCが分解反応する所定期間を待機し、VOCの分解除去を確認して埋め戻すので、汚染土壌の運搬その他の工事がなく限定した場所で短工期で施工処理ができる。
図18は、本発明の第5実施形態である酸化鉄を用いた揮発性有機物の処理装置A5を示している。
処理装置A5は、反応槽4と、分離手段5と、活性炭槽6とで主要構成がなされている。
反応槽4は、VOCで汚染した地下水を注入する注入口1と、第1の弁V1を備えて酸化粉粒体末を注入する注入口2を上部に備え、槽外の駆動装置3aで駆動されて槽液中で攪拌する攪拌翼を有する非磁性材の攪拌機3とを備えて構成されている。
反応槽4に第3のポンプPaを介装した配管ラインLaが装着され、分離手段5に連通されている。
分離手段5はいわゆる膜分離槽で構成され、透過膜5aによって酸化鉄による黒色の濁液を分離させ、また未反応の酸化鉄を回収する機能を有して構成されている。
分離手段5の透過膜5a前の高圧側に第1のポンプPcを介装した第1のラインL1が装着され、反応槽4の上部に連通されている。
第1のラインL1の第1のポンプPcと反応槽4の間に弁V2が介装されていて、弁V2と第1のポンプPcとに間に第3の弁V3を介装した第3のラインL3が分岐されている。
分離手段5の下流側に、活性炭槽6に連通する第2のラインL2が装着されていて、第2のラインL2に第2のポンプPbが介装されている。
第2のポンプPaと、第1のポンプPcは非磁性材で構成されている。
活性炭槽6は、分離手段5で分離されたVOCの大部分が除去された処理水を更に活性炭で吸着除去する機能を有して構成されている。
上記、第5実施形態の処理装置A5の作用を説明する。
注入口1からVOCで汚染した地下水の原水が反応槽4に注入され、弁V1で適宜の量に調整された酸化粉粒体末が反応槽4に注入されて混水液12となり、攪拌機3によって攪拌される。
この反応槽4での酸化粉粒体末とVOCとの攪拌接触による反応によって、大部分のVOCが除去される。
大部分のVOCを除去された処理水は、分離手段5で未反応の酸化鉄と処理水に分離され、VOCを除去され汚濁を分離された処理水は活性炭槽6に向かう。
活性炭槽6では、処理水中の残余のVOCを活性炭に吸着させ浄化して、処理水として外部に送る。
一方、分離手段5で分離された未反応の酸化鉄と処理水は、第2の弁V2で調節されて第1のラインL1によって反応槽4に再注入され、酸化鉄としての効果を発揮する。このとき、第3のラインL3は、反応槽4に再注入される液量の調整機能を果たす。
上記の作用によって、VOCで汚染した地下水の原水はライン2からの酸化鉄によって反応槽4で大部分のVOCが除去される。大部分のVOCが除去された処理水中の酸化鉄は分離手段5で分離されて再利用され、酸化鉄が分離されたVOC少量を含む処理水は活性炭槽6でVOCが除去される。
これによって、酸化鉄が回収され再利用されると共に、高価な活性炭の使用が限定されてVOC処理全体のコストが低減される。
図19は、本発明の第6実施形態である酸化鉄を用いた揮発性有機物の処理装置A6を示している。
処理装置A6は、2つの曝気槽11、21と、2つの活性炭槽15、35と、2つのブロワ10、14とで主要構成がなされている。
第1の曝気槽11は、槽内に酸化鉄の混合した混水液12が充填されており、汚染物質から発生したVOCガスを吸気ライン25から第1のブロワ10で吸引して第1の曝気槽11に導く第1のガスラインL3と、第1の曝気槽11の上部から第2のブロワ14に通じる第2のガスラインL14とが装着されて構成されている。
第1のガスラインL3は、槽内の混水液12の低位部分に位置する部位に複数の開口13が設けられ液中に曝気するように構成されている。
第2のブロワ14は第2のガスラインL14に介装され、第2のガスライン14の端部は第1の活性炭槽15に連通されている。
第1の活性炭槽15は、第1のブロワ14から導かれるVOCの大部分を除去されたガスを更に活性炭で吸着除去する機能を有し、浄化したガスを放出ラインL15から大気に放出するように構成されている。
第2の曝気槽21は、第1の曝気槽11と同様に、槽内に酸化鉄の混合した混水液12が充填されており、VOCで汚染した地下水の原水を注入する注入口1と、槽内にエアを導くエアラインL6とが装着され、エアラインL6は槽内の水22の低位部分に位置する部位に複数の開口23が設けられ液中に曝気するように構成されている。
第2の曝気槽21の上部から第1のブロワ10に通じる第3のガスライン27が装着され、第2の曝気槽21の底部から第2の活性炭槽35に非磁性材で構成されたポンプPdを介装した水ラインL21が連通されている。
第2の活性炭槽28は、第2の曝気槽21から導かれたVOCの大部分が除去された処理水を更に活性炭で吸着除去する機能を有して構成されている。
上記、第6実施形態の処理装置A6の作用を説明する。
たとえば低温揮発処理法で汚染物質から発生したVOCガスを吸気ライン25から第1のブロワ10で吸引して第1の曝気槽11に導くと共に、第2の曝気槽21で発生したVOCガスを第1の曝気槽11に導く。
第1のブロワ10によって第1のガスラインL3から第1の曝気槽11に導かれたVOCガスは、複数の開口13から微細な泡状となって酸化鉄混水液12に注入曝気する。
曝気したVOCガスは、酸化鉄混水液12の酸化鉄によって大部分のVOCを分解され、ほぼ浄化ガスとして第2のブロワ14で吸引され第1の活性炭槽15に送られる。
第1の活性炭槽15では、ほぼ浄化ガスとなったガスの保有するVOCガスをさらに活性炭で吸着して完全に浄化したガスとして大気に放出する。
一方、注入口1からのVOC汚染原水は第2の曝気槽21に導かれる。
また、エアラインL6から曝気用のエアが第2の曝気槽21に注入される。
曝気槽21に導かれたVOC汚染原水は、複数の開口23から放出されるエアの曝気によって攪拌され、酸化鉄混水液12の酸化鉄に接触して大部分のVOCが分解される。
大部分のVOCが分解された汚染原水は第2の活性炭槽35に送られ、残余のVOCが吸着され完全に浄化された処理水として外部に送られる。
VOC汚染原水の分解されないVOCはVOCガスとなって第3のガスライン27及び第1のブロワ10を経て第1の曝気槽11に導かれ、吸気ライン25からのVOCガスと共に処理される。
上記の作用によって、VOCガスは第1の曝気槽11で酸化鉄の混水液12によって大部分のVOCが分解され、残余のVOCは第1の活性炭槽15で完全に除去される。また、VOCで汚染した地下水の原水は第2の曝気槽12で酸化鉄の混水液12へのエア曝気によって大部分のVOCが分解され、残余のVOCは第2の活性炭槽35で完全に除去される。
このようにして、大部分のVOCはコストの低い曝気槽処理で分解除去され、残余のVOCが活性炭槽で吸着除去されるので、高価な活性炭の使用が限定されて低コストになる。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
本発明の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第1実施形態における現地の状態を示す図。 第1実施形態における注水井戸、揚水井戸の設置を示す図。 第1実施形態における流路形成のための注水、揚水の状態を示す図。 第1実施形態における酸化鉄注入と揚水の状態を示す図。 第1実施形態におけるVOC汚染土壌の浄化の結果を示す図。 本発明の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第2実施形態における地中へのボーリング孔の削孔の状態を示す図。 第2実施形態における処理装置を示す図。 第2実施形態における施工の状態を示す図。 第2実施形態における貯蔵設備でVOCが分解される期間待ちの状態を示す図。 第2実施形態におけるVOC分解後のスラリーを地中に再充填する状態を示す図。 本発明の酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法の第3実施形態における地中へのボーリング孔の削孔の状態を示す図。 第3実施形態における処理設置を示す図。 第3実施形態における施工の状態を示す図。 第3実施形態における貯蔵設備でVOCが分解される期間待ちの状態を示す図。 第3実施形態におけるVOC分解後のスラリーを地中に再充填する状態を示す図。 本発明の第4実施形態であって、第2実施形態の処理方法を実施するための装置の構成図。 本発明の第5実施形態であって、第3実施形態の処理方法を実施するための装置の構成図。 本発明の第6実施形態であって、VOC地下水の処理のための酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理装置の構成図。 本発明の第7実施形態であって、VOCガスの処理のための酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理装置の構成図。
符号の説明
D・・・汚染域
L・・・地下水
P・・・周辺
F・・・流路
S・・・地面
Wa・・・注入井戸
Wb・・・揚水井戸
H・・・孔
Rd、Rt・・・ロッド
C・・・固化材の層
B・・・ブリージング層
1・・・地下水の注入口
2・・・酸化鉄の注入口
3・・・攪拌機
4・・・反応槽
5・・・分離手段
6・・・活性炭槽
L1・・第1のライン
L2・・第2のライン
10・・第1のブロワ
11、21・・第1、第2の曝気槽
L3・・ガスライン
12・・混水液
13、23・・開口
14・・第2のブロワ
15、35・・第1、第2の活性炭槽
20・・(スラリー)貯蔵設備
21・・スラリーポンプ
28・・高圧ポンプ
29・・グラウトポンプ
30・・(酸化粉粒体末の)貯蔵体

Claims (1)

  1. 酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法において、汚染域に向けて孔を削孔し、その孔に固化材と高圧水と空気と酸化粉粒体末とを水平方向外方に噴射するロッドを挿入し、そのロッドを上方に引上げながらロッドを回転させて固化材と高圧水と空気と酸化粉粒体末とを噴射して、汚染域攪拌し、その間スラリーを前記孔から吸引し、攪拌した汚染域の下部に固化材の層を形成し、そして上部にブリージングによるブリージング層が形成され、吸引したスラリーを酸化鉄により処理し、処理したスラリーを前記ブリージング層に再充填することを特徴とする酸化鉄を用いた揮発性有機化合物の処理方法。
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