JP4018561B2 - 起動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば半導体集積回路におけるアナログ回路に関連し、基準電圧を発生するアナログ回路の起動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】
「H.Banba et al.,“A CMOS Bandgap Reference Circuit with Sub−1−V Operation,”IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.,34,p.670−p.674,1999.」
【非特許文献2】
「A.Boni,“Op−Amps and Startup Circuits for CMOS Bandgap References With Near 1−V Supply,”IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.,37,p.1339−p.1343,2002.」。
【0003】
上記非特許文献1、2に示される従来技術では電源投入に同期して、外部から起動信号(パワーオンリセット)を供給していた。従来の代表的な起動回路について、被起動回路としてCMOS演算増幅器(OPAMP)を用いたバンドギャップリファレンス(BGR)回路を例に挙げ図8〜図10を用いて説明する。図8は典型的なBGR回路である。電源電圧が0Vから所定の動作電圧に昇圧されたとする。正常な動作では、BGR回路はバンドギャップ電圧と回路抵抗R1〜R3で決まる基準電圧を出力する。しかし、基準電圧以外の電圧で、OPAMPが安定動作する点が複数ある場合、求める基準電圧以外の電圧にBGR回路の出力が固定されてしまうことが知られている。図9、図10を用いてこの過渡現象を説明する。
【0004】
図10は、図8に示した帰還ループをX点で切り離し、図9のA点に電圧を印加して行った場合のOPAMP出力B点を観測した図である。A点とB点の電圧が同じ場合に、図8のBGR回路の出力電圧として成立することとなる。図10では、約1.28V以外に、0Vと約0.6VでA点とB点が等しくなり、これらの電圧でBGR回路が安定する可能性があることを示している。すなわち、BGR回路の電源電圧を徐々に昇圧し、所定の電源電圧に達した状態でも、回路出力が0Vで安定してしまう可能性があることを示している。一般的なBGR回路では、要求する出力電圧(基準電圧)は約1.2〜1.3Vであるが、図10のように要求出力以外の出力電圧で安定してしまう現象を「起動不良」と称する。
【0005】
この起動不良を回避するには、BGR回路の電源投入とともに、BGR回路出力電圧を要求する電圧まで昇圧せしめる機構を具備していれば良い。従来技術では、BGR回路が搭載されているLSIの電源投入に同期して、外部回路から起動信号を供給する方式が主流であった。図11は、従来技術の例を示す図である。BGR回路の出力端子BGROUTに、起動用トランジスタMN04が接続されており、この起動用トランジスタMN04のゲートに外部からの起動信号PONRSTを加えることにより起動用トランジスタMN04がオン状態となり、BGR回路にバイアス電流を流すことでBGR回路を起動する。BGR回路の起動後は起動用トランジスタMN04をオフ状態に切り換える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例では図11で示したとおり、外部からの起動信号PONRSTが必要である点と、BGR回路が正常に起動したか否かを判定する機構を具備していない点である。また、BGR回路の起動回路は確実にBGR回路を起動せしめる機能と、可能な限り少ない消費電流を両立することが望ましいが、BGR回路の出力状態を判定しない従来例では、過剰な消費電流を必要とする場合があったり、LSIの電源投入と起動信号の切り換えタイミングにおいて、プロセスばらつきや環境変動を考慮した慎重な設計が必要であるなどの問題点があった。
【0007】
また、BGR回路の要求する出力電圧が1.2V〜1.3Vであることは、BGR回路の起動状態の起動、非起動の判定を困難にしている問題がある。すなわち、BGR回路の出力電圧に対し、起動回路電源電圧が2倍程度以上となると、BGR回路の出力電圧はデジタル論理信号の中間電圧となり、論理信号として扱いにくくなる問題がある。
【0008】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、電源の投入に伴い、起動回路によりアナログ回路を確実に起動させ、アナログ回路が起動したことを論理信号で判断し、起動回路自身が非動作となる起動回路を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る起動回路は電源投入により、基準電圧を発生するアナログ回路を起動せしめる起動回路において、前記アナログ回路の基準電圧出力にNOT論理回路の入力を直接接続し、前記NOT論理回路の出力がNチャネルMOSFETからなる電流源回路に接続され、前記アナログ回路の基準電圧出力が所定の値に達していない場合は、前記NOT論理回路の出力が前記電流源回路を動作させ前記アナログ回路を起動せしめ、前記アナログ回路の基準電圧出力が前記所定の値を超えた場合は、前記NOT論理回路の出力が前記電流源回路を非動作とする構成を備え、前記NOT論理回路が前記アナログ回路の基準電圧出力の前記所定の値をデジタル論理信号として認識するように、前記アナログ回路の電源電圧を降圧した電圧を前記NOT論理回路の電源電圧とする。
【0014】
請求項2に係る起動回路は前記電流源回路をNチャネルMOSFETの2段直列接続構造とし、前記電流源回路の電源を前記アナログ回路の電源と同一としたうえで、前記電源に近い側のNチャネルMOSFETのゲートに素子耐圧以下の電圧を与える。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1、図2および図3を用いて本発明の参考例を説明する。まず、本発明の参考例の接続について説明する。参考例の起動回路は、起動電流源回路にNチャネルMOSFET(nMOS)を用い、バンドギャップリファレンス(BGR)回路出力を入力とする1つのインバータ回路(NOT論理回路)の出力によって起動電流源回路のオン、オフ状態を制御することを特徴としており、図1(a)に示すように、BGR出力端子BGROUTは起動回路内のインバータ回路INV01の入力に接続される。インバータ回路INV01の出力は、起動電流源回路を構成する起動電流源トランジスタ(NチャネルMOSFET)MN01のゲートに接続され、起動電流源トランジスタMN01のオンおよびオフ状態を制御する。一方、起動電流源トランジスタMN01のソースはBGR出力端子BGROUTに接続され、起動電流源トランジスタMN01がオン状態で、BGR回路へ起動電流を供給する。
【0017】
次に本発明の参考例の動作について説明する。BGR回路電源電圧が0VよりVDDまで所定の時間内に昇圧された場合、インバータ回路INV01の出力はBGR回路電源電圧とBGR回路出力電圧の差がインバータ回路INV01の論理閾値を超えた後、BGR回路電源電圧の増加に応じて上昇する。BGR回路電源電圧の増加に伴ってBGR回路出力が上昇しなければ、インバータ回路INV01の出力は起動電流源トランジスタMN01をオン状態にせしめ、BGR回路出力端子BGROUTに起動電流I_startを供給する。これによってBGR回路が起動し、BGR回路出力端子BGROUTの電圧VOUTが所定の値を超えると、インバータ回路INV01の出力が反転して接地レベルとなる。この動作によって、起動電流源トランジスタMN01はオフ状態となり、起動電流I_startを遮断する。インバータ回路INV01の論理閾値(所定の値)を起動電流I_startがBGR回路を起動せしめるのに十分な値に設計することで、いかなる長さの電源電圧上昇時間においても確実に起動することが可能である。なお、インバータ回路INV01は図1(b)に示すようにpMOSとnMOSの2個のトランジスタで構成できる。
【0018】
この起動回路は、BGR回路出力がインバータ回路INV01の論理閾値に達するまで動作し、BGR回路出力がインバータ回路INV01の論理閾値を超えBGR回路起動後はインバータ回路INV01の出力が接地レベルとなり、起動電流源トランジスタMN01のゲートに接地レベルの電圧を印加する事で起動電流源トランジスタMN01に流れる電流を断じることができ、自動的に起動回路はオフ状態(非動作)となる。すなわち、BGR回路の出力状態を自動的に感知する。また、BGR回路起動後の定常状態においては、起動電流源トランジスタMN01のソース電圧はBGR回路の出力電圧と等しくなるから、起動電流源トランジスタMN01のゲートの接地レベル固定は極めて強固なオフ状態を維持することになる。この特徴によって、参考例の起動回路は電源電圧の変動によって起動回路の状態が影響されない利点を具備する。また、起動電流源トランジスタをnMOSとすることで、起動状態を論理処理するインバータは1つあればよく、初期状態を設定するための素子や回路なども不要であり、本起動回路に必要な素子はMOSFETが3個のみで、極めて小型に実現できる。
【0019】
従来、BGR回路電源から起動電流を供給する起動電流源トランジスタはPチャネルMOSFET(pMOS)が多く用いられているが、参考例ではNチャネルMOSFET(nMOS)を用いて、回路構成を簡単にしている。起動電流源トランジスタがpMOSの場合は、BGR回路が起動後に起動電流源トランジスタのソースと同じレベルのゲート電圧によって起動電流源トランジスタを遮断する必要があるため、起動電流源トランジスタのソースをBGR回路電源に接続した場合、起動回路電源はBGR回路電源と同一にする必要があり、論理設計を困難にする。またpMOSを電流源トランジスタとする場合は、制御回路としてのインバータ回路は2つ必要である。nMOS電流源とインバータ回路による参考例の構成では、このような制約がない。
【0020】
本参考例において、BGR回路電源電圧VDDが0Vから2.5Vまで、5mV/msの速度で昇圧された場合における、周囲温度は25℃での起動過程のシミュレーション例を図2に示す。図2に示すように、参考例の起動回路を取り除いた場合、BGR回路はBGR回路電源電圧VDDが規定の電圧に達しても出力VOUTは0Vである。一方、参考例の起動回路を付加した場合は、出力VOUTはBGR回路に要求する出力電圧(基準電圧)である約1.28Vに達し、正常に起動していることがわかる。
【0021】
図3は、参考例において、起動時の温度を−40℃から120℃まで変化させた場合の起動過程におけるBGR回路出力電圧変化である。この温度範囲は、半導体集積回路の起動時において一般的に考えられる周囲温度範囲である。BGR回路電源電圧の昇圧速度は図2と同一である。参考例の起動回路を用いることにより、−40℃から120℃の温度範囲において確実にBGR回路が起動している。
【0022】
次に図4および図5を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。図4は、起動回路の素子耐圧がBGR回路電源電圧に比べて低い場合における起動回路構成例である。本発明の第1の実施の形態における起動回路はBGR回路出力端子BGROUTとインバータ回路INV01の入力端子を接続し、BGR回路出力端子BGROUTとBGR回路電源との間に直列接続(カスコード接続)された2つのnMOS起動電流源トランジスタ(NチャネルMOSFETの2段直列接続構造)MN01およびMN02を接続し、起動電流源トランジスタMN01とMN02の接続ノードnn1にクランプ効果を安定させるためのnMOSトランジスタMN03のドレインを接続し、nMOSトランジスタMN03のゲートとソースは接地している。BGR回路電源と接地の間に抵抗RaとRbを接続し、抵抗RaとRbの接続ノードをインバータ回路INV01の電源端子および起動電流源トランジスタMN02のゲートに接続している。このBGR回路電源電圧VDDを抵抗RaとRbによって分圧された電圧VDDSをインバータ回路INV01の電源電圧とし、また、このインバータ回路INV01の電源電圧VDDSを接続ノードnn1の電位を安定するためのクランプ電圧として用いている。
【0023】
本第1の実施の形態の起動回路では、起動完了後に起動電流源トランジスタMN01のゲート−ソース間の電圧Vgsが負となる。このため、nMOSトランジスタMN03を接続しないと接続ノードnn1の電圧は電源電圧VDDSより大きくなってしまう。ゲートとソースを接地したnMOSトランジスタを接続ノードnn1に接続することにより、BGR回路の起動完了後の接続ノードnn1の電圧を電源電圧VDDS以下に固定する。
【0024】
この第1の実施の形態における1つの特徴は、BGR回路の出力電圧が1.2V〜1.3Vであることが、BGR回路の出力電圧に対し、インバータ回路INV01の電源電圧が2倍程度以上となると、BGR回路の出力電圧がインバータ回路INV01のデジタル論理信号の中間電圧となり、論理信号として扱いにくくなる問題を解決していることである。すなわち、図4に示すように、BGR回路電源電圧VDDを抵抗Ra、Rbでの分割により降圧した電源電圧VDDSを、インバータ回路INV01の電源電圧として用いることにより、インバータ回路INV01の論理閾値電圧設計を容易にしていることであり、かつ、インバータ回路INV01が駆動する起動電流源トランジスタMN01がオン状態となるためには、起動電流源トランジスタMN01のゲート−ソース間の電圧Vgsは起動電流源トランジスタMN01の閾値電圧以上あればよく、本第1の実施の形態の構成によれば、電源電圧VDDSをBGR出力電圧と等しく設定しても、電圧Vgsは最大1.2V〜1.3Vが得られ、一般的なnMOSの閾値電圧0.2V〜0.6Vに比して充分大きい。すなわち、BGR回路出力電圧をそのままインバータ回路INV01の制御論理信号として用いることが可能であり、BGR回路起動後におけるインバータ回路INV01のリーク電流を抑制しつつ、BGR回路出力レベルに応じた起動回路のオン、オフ状態を実現できる。
【0025】
もう1つの特徴は起動電流源トランジスタを2段(MN01、MN02)の直列接続構成とし、BGR回路電源側の起動電流源トランジスタMN02のゲートに電源電圧VDDSを与え、BGR回路出力端子BGROUT側の起動電流源トランジスタMN01のゲートにインバータ回路INV01の出力を与える構成により、起動電流源トランジスタNM02のクランプ効果により、起動電流源トランジスタMN01とMN02の接続ノードnn1の電圧は、起動電流源トランジスタMN02のゲート電圧以上に上昇しない。すなわち、BGR回路電源電圧VDDと電源電圧VDDSの電位差、および、接続ノードnn1における電圧が素子耐圧以下となるように電源電圧VDDSを決定すればよい。このたため、BGR回路の回路電源電圧VDDを起動電流源トランジスタの電源電圧としても起動電流源トランジスタに加える電圧を素子耐圧以下に設定でき、低い耐圧の素子でも充分な駆動力を具備した起動回路を構成できる。ただし、BGR回路の回路電源電圧は素子耐圧の2倍以下に限定される。この第1の実施の形態は電源電圧VDDSをBGR回路出力レベルに応じてインバータ回路INV01の論理識別に適した電圧に設定し、その電源電圧VDDSをクランプ電圧に使用し、低い素子耐圧の素子でも起動回路が構成できる2つの特徴を同時に達成している。これら2つの特長を別々に達成することも可能なことは明らかである。この第1の実施の形態の駆動回路の回路構成はSOI(Silicon on Insulater)素子のように、同じウエハ上に異なる素子耐圧をもつMOSFETの構成が困難な場合に有効である。また、一般的なバルク素子においても、起動回路設計時に使用素子耐圧の制限を克服できるため、適切な回路設計に貢献できる。また、インバータ回路の論理閾値電圧設計を容易にしている。
【0026】
図5を用いて、本第1の実施の形態における起動過程を説明する。図5はBGR回路電源電圧VDD=2.5V、BGR出力電圧VOUT=約1.28V、素子耐圧を1.5Vとし、本参考例における図2と同様の条件による起動時出力の過渡変化をシミュレーションした結果を示している。図5で示したBGR回路電源電圧VDD、電源電圧VDDS、インバータ回路INV01の出力startの電圧、接続ノードnn1の電圧、出力端子BGROUTの電圧変化から、起動過程と起動後において、図4の起動回路に使用されている各トランジスタのゲート−ドレイン間、ゲート−ソース間、ドレイン−ソース間の各電位差が、素子耐圧である1.5Vを超えていないことがわかる。なお、図5において電源電圧VDDSの電圧変化の途中からは接続ノードnn1の電圧変化と重なり表示されていない。
【0027】
本第1の実施の形態では、電源電圧VDDSを、抵抗体R1およびR2の比によって発生しているが、図6に示すようにトランジスタを多段接続したバイアス発生回路やトランジスタと抵抗素子を組み合わせた回路も利用可能である。もちろん、別電源として、既に降圧された電圧を回路外部から導入しても良い。
【0028】
また、本第1の実施の形態では、充分な起動電流を得るために、直列接続した2つのnMOSをBGR回路電源電圧VDDに接続したが、起動電流が数μA〜数十μA程度で良い場合は、抵抗RaとRbがそれぞれ数kΩであっても、電源電圧VDDSを起動電流源として用いることが可能である。このような場合の第2の実施の形態を図7に示す。図7に示した起動回路では、電源電圧VDDSをインバータ回路INV01と起動電流源トランジスタMN01の電源として用いる。電源電圧VDDSをトランジスタの耐圧以下に設定すれば、第1の実施の形態で示した素子耐圧の問題も解決できる。また、素子耐圧に制約がないのであれば起動電流源トランジスタMN01のドレインをBGR回路電源に接続してもさしつかえない。このような構成においても、起動後は電流源nMOSが強固なオフ状態を維持できる。
【0029】
このように、本発明は、BGR回路の出力状態を自動的に認識して自己制御する起動回路を極めて少ない素子数と面積によって実現し、起動回路の低消費電力化に貢献できる。また、BGR回路起動後の定常状態において、起動回路が強固なオフ状態を保つため、起動回路付加による電源雑音除去比(PSRR=Power Supply noise Rejection Ratio)への影響を最小限に抑制することが可能である。また、BGR回路の特性に合わせて起動回路の制御性を調整できるため、柔軟で確実な起動回路設計が可能である。さらに、SOI素子など、素子耐圧に制約のあるデバイスにおいても容易に起動回路を構成可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、アナログ回路出力電圧が所定の値か否かを判断し、所定の値で無い場合は起動回路が自動的に動作しアナログ回路を起動し、所定の値になれば自動的に起動回路を非動作とする。また、アナログ回路の出力電圧を起動回路のNOT論理回路のデジタル論理信号として用いているので、起動回路の動作、非動作を制御でき、アナログ回路を確実に起動せしめる。更に、電流源回路がNチャネルMOSFETからなるので、アナログ回路へ起動電流を与える電流源回路が少ない素子数で構成できる。また、NOT論理回路がアナログ回路の出力電圧の所定の値をデジタル論理信号として認識するように、アナログ回路の電源電圧を降圧した電圧をNOT論理回路の電源電圧としているので、アナログ回路の出力電圧に対し、NOT論理回路の電源電圧が2倍程度以上となると、アナログ回路の出力電圧がデジタル論理信号の中間電圧となり、論理信号として扱いにくくなる問題を解決できる。更に、アナログ回路の出力の所定の値を論理回路として判断できる回路が簡単に構成できる。
【0034】
本発明の請求項2によれば、アナログ回路電源電圧より低い素子耐圧の素子を用いても、アナログ回路電源を用いて起動回路の構成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例を示す起動回路の基本構成。
【図2】本発明の参考例における起動過程シミュレーション(1)。
【図3】本発明の参考例における起動過程シミュレーション(2)。
【図4】本発明の第1の実施の形態の素子耐圧が低い場合における起動回路。
【図5】本発明の第1の実施の形態における起動過渡特性。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるバイアス発生回路。
【図7】本発明の第2の実施の形態の電源を降圧した起動回
【図8】バンドギャップリファレンス(BGR)回路例。
【図9】BGR回路におけるオープンループ回路例。
【図10】BGR回路におけるオープンループ特性。
【図11】従来の起動回路
【符号の説明】
INV01…インバータ回路
MN01、MN02…起動電流源トランジスタ
Claims (2)
- 電源投入により、基準電圧を発生するアナログ回路を起動せしめる起動回路において、
前記アナログ回路の基準電圧出力にNOT論理回路の入力を直接接続し、前記NOT論理回路の出力がNチャネルMOSFETからなる電流源回路に接続され、前記アナログ回路の基準電圧出力が所定の値に達していない場合は、前記NOT論理回路の出力が前記電流源回路を動作させ前記アナログ回路を起動せしめ、前記アナログ回路の基準電圧出力が前記所定の値を超えた場合は、前記NOT論理回路の出力が前記電流源回路を非動作とする構成を備え、
前記NOT論理回路が前記アナログ回路の基準電圧出力の前記所定の値をデジタル論理信号として認識するように、前記アナログ回路の電源電圧を降圧した電圧を前記NOT論理回路の電源電圧としたことを特徴とする起動回路。 - 前記電流源回路をNチャネルMOSFETの2段直列接続構造とし、前記電流源回路の電源を前記アナログ回路の電源と同一としたうえで、前記電源に近い側のNチャネルMOSFETのゲートに素子耐圧以下の電圧を与えることを特徴とする請求項1記載の起動回路。
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