JP4017746B2

JP4017746B2 - 回転ダンパ

Info

Publication number: JP4017746B2
Application number: JP15118698A
Authority: JP
Inventors: 秀則菅野; 良太志村; 隆行住吉
Original assignee: Fuji Latex Co Ltd; Somic Ishikawa KK
Current assignee: Fuji Latex Co Ltd; Somic Ishikawa KK
Priority date: 1998-06-01
Filing date: 1998-06-01
Publication date: 2007-12-05
Anticipated expiration: 2018-06-01
Also published as: JPH11344065A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転ダンパに関し、より詳しくは電気粘性流体を利用した回転ダンパに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の回転ダンパとしては、例えば、図３に示された構造のものが知られている。すなわち、内部に電気粘性流体が充填される液体室１００ａを有する本体ケース１００、本体ケース１００の軸心に沿って配設された回転軸１０１、該回転軸１０１の周囲に嵌合された絶縁材料からなる円筒状のロータ保持部材１０２、該ロータ保持部材１０２の周囲に嵌合され、液体室１００ａ内で回転自由に配設される円盤状のロータ１０３、液体室１００ａ内で該ロータ１０３の一面に対向配置された固定電極板１０４を有して構成されている。そして、ロータ１０３が回転電極として機能している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電気粘性流体の粘性を変化させるためには、電極間１ｍｍ当たり数千ボルトの高電圧を印可する必要がある。従って、ロータ１０３及び固定電極板１０４に対して高電圧を印可するために、高電圧発生装置を配設する必要があった。しかしながら、かかる高電圧発生装置は、回転ダンパとは独立しているため、使用者あるいは作業者が高電圧発生装置に触れて感電するおそれがあった。
また、高電圧発生装置を動作させるための電源としては、通常、家庭用電源を使用している。従って、従来の電気粘性流体を使用した回転ダンパは、屋外等での使用が困難で、使用場所が制限されるという問題があった。
【０００４】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、電気粘性流体を用いた回転ダンパにおいて、感電防止を図った回転ダンパを提供することを課題とする。また、本発明は、使用場所の制限を受けずに、屋外等での使用も可能とする電気粘性流体を用いた回転ダンパを提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項１記載の回転ダンパは、内部に液体室を有する本体ケースと、該本体ケースの液体室内に配設されて回転軸と共に回転するロータと、該液体室に充填される電気粘性流体とを有し、電圧を印可することにより該電気粘性流体の粘性を変化させることができる回転ダンパにおいて、
前記本体ケースの液体室に対して隔壁を隔てて基板室を形成すると共に、該基板室内に高電圧発生基板を配設して、該高電圧発生基板を本体ケース及びロータに設けられる電極部に接続し、該本体ケースの外部に、該高電圧発生基板を動作させる低電圧入力電源への接続配線を引き出したことを特徴とする。
請求項２記載の回転ダンパは、請求項１記載の回転ダンパであって、前記低電圧入力電源が乾電池であることを特徴とする。
請求項３記載の回転ダンパは、請求項１記載の回転ダンパであって、前記低電圧入力電源が太陽電池であることを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図１及び図２は本発明の一の実施の形態を示し、１は本実施の形態にかかる回転ダンパであり、本体ケース２、ロータ３、回転軸４等を有して構成される。
【０００７】
本体ケース２は、略円筒状に形成されていると共に、軸方向の中途に隔壁２１が設けられている。そして、この隔壁２１を隔てた一方の中空部が、内部に電気粘性流体が充填される液体室２２として用いられ、他方の中空部が基板室２３として用いられる。液体室２２の開口部には、後述の回転軸３を挿通するための挿通孔２４ａが形成された第１の蓋部材２４が配設され、基板室２３の開口部には第２の蓋部材２５が配設される。なお、第１の蓋部材２４は、液体室２２内に充填される電気粘性流体の液漏れ防止のためのＯリング２４ｂ，２４ｃが、液体室２２の開口部を形成する周壁部２６との間、及び回転軸４との間にそれぞれ配設されている。
【０００８】
なお、本体ケース２を構成する隔壁２１及び蓋部材２４，２５は全て合成樹脂材料から形成される。
【０００９】
ロータ３は、略円柱状に加工されていると共に、その大きさは、直径及び軸方向に沿った長さが、液体室２２の内径及び軸方向に沿った長さよりも小さく、液体室２２内に位置させたときに、該ロータ３の外周面と液体室２２の内周面との間に隙間２２ａが生じるように形成されている。
【００１０】
ロータ３には、また、軸心に沿って、一方の端面から刻設された嵌合溝３１が形成されている。この嵌合溝３１には、後述の回転軸４の一端部４１が嵌合される。また、ロータ３の他方の端面には、軸心に沿って凸部３２が設けられており、該凸部３２が本体ケース２の隔壁２１に形成したボス部２１ａの孔部２１ｂに回転自由に支持される。なお、このロータ３は、本実施の形態では金属から構成しており、該ロータ３自体が電気粘性流体の粘性を変化させる電圧を印可する一方の電極部として機能する。
【００１１】
ここで、上記した本体ケース２の液体室２２の内周面、すなわち、本実施の形態では、液体室２２を取り囲んでいる本体ケース２の周壁部２６の内面には、無電解めっきにより他方の電極部５が形成される。なお、電極部５は、必ずしもめっきにより形成する必要はなく、予め円筒状に加工した金属板を配設するようにしてもよい。
【００１２】
回転軸４は、上記したように一端部４１がロータ３に形成した嵌合溝３１に嵌合連結され、他端部４２が第１の蓋部材２４の挿通孔２４ａから突出するように配設される。回転軸４は、本実施の形態のように、ロータ３自体が一方の電極部を構成するように金属から形成され、かつロータ３に直接連結される場合には、該回転軸４が接続される部位との絶縁を図るため、絶縁材料から形成されるが、ロータ３と回転軸４とを絶縁部材（図示せず）を介して連結した場合には、金属から構成してもよい。
【００１３】
高電圧発生基板７は、本体ケース２内に形成された基板室２３内に配設され、高電圧発生基板７とロータ３及び電極部５とは、次のようにして導通を確保している。すなわち、本実施の形態では、液体室２２の内周面に設けられる電極部５からは、隔壁２１を貫通させて導線部５１を設け、この導線部５１を高電圧発生基板７に接続している。一方、ロータ３は、本体ケース２に対して相対的に回転するため、このような配線はできない。そこで、本実施の形態では、隔壁２１に形成した孔部２１ｂに鋼球２７を配設すると共に、該鋼球２７を高電圧発生基板７との間に配設したスプリング２８により支持し、これにより、ロータ３と高電圧発生基板７との導通を確保している。
【００１４】
高電圧発生基板７は、第２の蓋部材２５により、本体ケース２の基板室２３内に配設されており、その外部には、該高電圧発生基板７を動作させる低電圧電源と接続される接続配線９が引き出されている。従って、使用者や作業者が高電圧発生基板７に接触して感電することがない。
【００１５】
低電圧電源としては、家庭用電源を用いることも可能であるが、本実施の形態のように、電池１０を用いると、屋外等での使用も容易に行うことができる。電池１０としては、乾電池であってもよいし、太陽電池であってもよい。また、太陽電池を用いる場合には、該太陽電池を直接駆動電源としてもよいし、Ｎｉ−Ｃｄ電池や鉛電池等の二次電池を間に配設して、太陽電池を該二次電池の充電用電源として用いてもよい。
【００１６】
ここで、符号８は、本体ケース２の液体室２２の内周面に設けた電極部５に接続した接地線である。これにより、ノイズをシールドすることができるため、本実施の形態にかかる回転ダンパ１を、例えば、ノート型パソコン等の電子装置の回転部等に使用した場合に、該電子装置の誤動作発生原因となることを回避できる。
【００１７】
本実施の形態にかかる回転ダンパ１は、ノート型パソコン、洋式トイレの便座や便蓋等の回転体の回転基部に配設されて使用されるが、回転体の開閉速度を変化させたい場合には、低電圧電源である乾電池又は太陽電池を駆動させて高電圧発生基板７を作動させ、電極部５及びロータ３へ数千ボルト単位の高電圧を印可して、電気粘性流体の粘度特性を変化させればよい。
【００１８】
【発明の効果】
請求項１記載の本発明の回転ダンパによれば、本体ケースの液体室に対して隔壁を隔てて基板室を形成すると共に、該基板室内に高電圧発生基板を配設して、該高電圧発生基板を本体ケース及びロータに設けられる電極部に接続し、該本体ケースの外部に、該高電圧発生基板を動作させる低電圧入力電源への接続配線を引き出したため、高電圧を使用するにも拘わらず、使用者や作業者の感電防止を有効に図ることができる。
請求項２記載の本発明の回転ダンパによれば、前記低電圧入力電源が乾電池であるため、屋外等での使用に適する。従って、例えば、ノート型パソコン等、外部に持ち運びされる機会の多い製品の回転体の制御用に適する。
請求項３記載の本発明の回転ダンパによれば、前記低電圧入力電源が太陽電池であるため、屋外等での使用に適することはもちろんのこと、乾電池のように電池寿命を考慮する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転ダンパの一の実施の形態を示す断面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。
【図３】従来の電気粘性流体を利用した回転ダンパの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
１回転ダンパ
２本体ケース
２１隔壁
２２液体室
２３基板室
３ロータ
４回転軸
５電極部
７高電圧発生基板
８接地線
９接続配線

Claims

内部に液体室を有する本体ケースと、該本体ケースの液体室内に配設されて回転軸と共に回転するロータと、該液体室に充填される電気粘性流体とを有し、電圧を印可することにより該電気粘性流体の粘性を変化させることができる回転ダンパにおいて、
前記本体ケースの液体室に対して隔壁を隔てて基板室を形成すると共に、該基板室内に高電圧発生基板を配設して、該高電圧発生基板を本体ケース及びロータに設けられる電極部に接続し、該本体ケースの外部に、該高電圧発生基板を動作させる低電圧入力電源への接続配線を引き出したことを特徴とする回転ダンパ。
請求項１記載の回転ダンパであって、前記低電圧入力電源が乾電池であることを特徴とする回転ダンパ。
請求項１記載の回転ダンパであって、前記低電圧入力電源が太陽電池であることを特徴とする回転ダンパ。