JPH0658585U - 差し込みプラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気機器の移動に応じて多様な角度で回動
し、コードを傷めることのない差し込みプラグを提供す
る。 【構成】 円柱形の固定部６ａおよび回転部６ｂの中心
に軸穴６ｃ，６ｄを設ける。固定部６ａの前面から二枚
のプラグ刃４を貫通させ、背面の第１リング７ａ、第２
リング７ｂに接続する。回転部６ｂの前面に、第１接触
端子８、第２接触端子９を、第１リング７ａ、第２リン
グ７ｂに対応させて設けその端部を、回転部６ｂ背面に
貫通させ軸受け部８ａ，９ａとする。軸受け部８ａ，９
ａに接続プレート１０ａを回動可能に接続し、接続プレ
ート１０ａに電源コード３を接続する。固定部６ａの背
面と回転部６ｂの前面とを重ねて軸穴６ｃ，６ｄをねじ
止めする。固定部６ａおよび回転部６ｂは軸穴６ｃ，６
ｄを中心に回動可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コードの電気的接続のために用いられるプラグに係り、たとえば、 電源コンセントに差し込んで電機器具のコードを電源に接続する差し込みプラグ に関する。

【０００２】

【従来の技術】

家庭用電気機器の大半は、家屋の壁面に取り付けられたコンセントから電気の 供給を受けて作動する。コンセントからの電気は電源コードを介して電気機器に 伝えられるが、電源コードをコンセントに接続するために、電源コードの先端に 設けられたものが差し込みプラグである。この差し込みプラグは、二枚の金属製 のプラグ刃を有し、このプラグ刃は電気機器から引き出された電源コードの先端 に接続されている。プラグ刃と電源コードとの接続部分は、樹脂等のケースに収 納され、プラグ刃の先端は外部に露出している。したがって、このプラグ刃の先 端をコンセントに差し込むことによって電気機器が電源に接続される。

【０００３】 このような、差し込みプラグは以下のような要件を満たす必要がある。すなわ ち、コンセントからの電気の電圧は１００Ｖであり、このコンセントへの差し込 みプラグの抜き差しは素手でおこなう場合が多いので、コンセントに差し込まれ るプラグ刃の先端は別にして、その他の部分の表面は触っても感電する危険がな いように確実に絶縁されていなければならない。また、抜き差しを頻繁におこな う場合や、電源コードが引っ張られる場合が多いので、プラグ刃と電源コードが 断線しないようその接続部分は耐久性のある構造にしなければならない。

【０００４】 以上のような要件を考慮して、従来から様々な差し込みプラグが開発されてい るが、プラグ刃と電源コードとの接続部分の耐久性を増すために、差し込みプラ グ本体を回動可能に構成したものの一例として、実用新案登録出願平成２−９９ ５８０に示すようなものが提案されている。この差し込みプラグによれば、電源 コードの引っ張り方向に対応して、差し込みプラグ本体の容器が一定限度の範囲 内において回動するので、電源コードが曲がった状態で引っ張られることが少な い。以下この差し込みプラグを図面にしたがって説明する。すなわち、図８に示 すように、樹脂製の容器１の中に、二枚の金属製のプレート２が互いに平行に配 設されている。このプレート２のそれぞれの端部には、電源コード３の芯線がね じ止めされ、互いに電気的に接続している。また、二枚のプレート２の反対側端 部には、プラグ刃４が回動可能に設けられている。この二枚のプラグ刃４はプレ ート２および容器１に対して垂直方向に立ち上げられていて、互いに平行になっ ている。また、二枚のプラグ刃４の回動の中心は同一軸線上に位置していて、こ の軸線はプラグ刃４の立ち上げ方向と平行になっている。つまり、一方のプレー ト２の先端は屈曲されていて、他方のプレート２の先端の上方に隙間を設けて重 なっている。そして、二つのスリットが設けられたカップ状のキャップ５が、そ のスリットにプラグ刃４を挿通することによって、プラグ刃４と一体に回動可能 となるように設けられている。さらに、このように複数の部材が配設された容器 １には上蓋１ａが被せられ、ねじ止めされている。

【０００５】 以上のような構成を有する従来例の作用は以下の通りである。すなわち、キャ ップ５のスリットから突出した二つのプラグ刃４を、コンセントに差し込むこと によって電気機器が電源に接続され作動可能となる。そして、プラグ刃４は、容 器１内のプレート３に回動可能に接続されているので、電源コードの引っ張り角 度に応じて、容器１が回動する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような差し込みプラグには以下のような欠点があった。 すなわち、たとえば掃除機のように、差し込みプラグをコンセントに差し込んだ まま頻繁に位置を変える必要のある電気機器の場合には、電源コード３の引っ張 り方向も頻繁に変り、その角度はあらゆる方向に及ぶので、上記のように容器１ が回動するのみでは対応しきれない。

【０００７】 つまり、容器１の回動は、プラグ刃４の立ち上げ方向つまりプラグ刃４の差し 込み方向と平行な軸線を中心とする回動に限られているので、プラグ刃４と垂直 な方向からの引っ張りには対応しやすいが、プラグ刃４と平行な方向からの引っ 張りには対応できない。

【０００８】 また、二枚のプラグ刃４の回動の中心はプレート３の端部に設けられているが 、一方のプレート３の端部は他方のプレート３の端部の上に重なるように設けら れているので、回動を進めると、容器１に対して垂直方向に立ち上げられたプラ グ刃４が他方のプレート３にぶつかる。したがって、プラグの回転は１８０度程 度に限定されてしまう。このように、回動角度が限定されてしまうと、電源コー ドの引っ張り角度の変化への対応が不十分となる。

【０００９】 本考案は、この様な課題を解決するために提案されたものであり、その目的は 、電気機器の移動に応じて多様な角度で回動し、コードを傷めることのない差し 込みプラグを提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、請求項１記載の本考案の差し込みプラグは、軸 を中心として回転可能に取り付けられた絶縁物製の固定部及び回転部と、前記回 転部に対して前記軸と直交する支軸を中心として回動可能に取り付けられたコー ド取付け部と、前記固定部に設けられた複数のプラグ刃と、これらプラグ刃と前 記コードとを電気的に接続するために固定部と回転部及び回転部とコード取付け 部の接触部分に設けられた摺動接点とを備えたことを特徴とする。

【００１１】 また、請求項２記載の本考案の差し込みプラグは、コンセント差し込み用の複 数のプラグ刃と、これら一対のプラグ刃の先端が前面から突出するように固定す る絶縁物製の固定部と、この固定部の背面に同心円状に配設され、対応するプラ グ刃の基部に電気的に接続された複数のリング状導体と、前記固定部に対してリ ング状導体の中心部を軸として３６０度回転可能に取り付けられた絶縁物製の回 転部と、この回転部に設けられ前記各リング状導体に対応して摺動接触可能に設 けられた複数の接触端子と、前記回転部の背面において回転部の回転軸と直交す る方向に設けられた支軸とその軸受け部と、前記支軸によって回転部に対して回 動可能に取り付けられたコード取付け部と、このコード取り付け部に支持された コードと、このコードと前記回転部の接触端子とを電気的に接続する摺動接触子 を備えていることを特徴とする。

【００１２】

【作用】

以上のような構成を有する本考案の作用は以下の通りである。すなわち、請求 項１記載の本考案においては、プラグ刃をコンセントに差し込むと、固定部と回 転部及び回転部とコード取付け部の接触部分に設けられた摺動接点を介して、コ ードに電気が伝わる。コードの角度を変えると、回転部およびコード取付け部が 回動する。

【００１３】 また、請求項２記載の本考案においては、上述のようにプラグ刃をコンセント に差し込むとコードに電気が伝わる。コードの角度を変えると、回転部が回動す る。このとき、プラグ刃に接続されたリング状導体の中心を軸として、回転部が 回動するが、回転部に設けられた接触端子はリング状導体上を接触しながら回転 するので、断線することなく電気がコードに伝わる。さらに、コードの引っ張り 角度に応じて、回転部の軸と垂直な方向の支軸を軸とするコード取付け部が、プ ラグとの電気的接続が保たれたまま回動する。

【００１４】

【実施例】

本考案による差し込みプラグの実施例を、図面にしたがって以下に説明する。 なお、請求項１および請求項２のコードは電源コードとし、リング状導体は第１ リングおよび第２リング、接触端子は第１接触端子および第２接触端子、摺動接 触子は接続プレート、支軸はリベットとする。また、従来例と同一の部材は同一 の符号を付して説明は省略する。

【００１５】 （１）実施例の構成 本実施例の構成を以下に説明する。すなわち、図１に示すように、絶縁体から なる円柱形のユニット６の底面に電源コード３が設けられ、ユニット６の上面か らプラグ刃４が突出している。このユニット６は二枚の円盤型の絶縁体が、回動 可能に重ねられて構成されており、プラグ側が固定部６ａ、電源コード３側が回 転部６ｂとなっている。なお、固定部６ａのプラグ側を前面、反対側を背面とし 、回転部６ｂの電源コード３側を背面、反対側を前面とする。

【００１６】 このような実施例の各部材を詳説する。すなわち、図２に示すように、固定部 ６ａの中心には、軸穴６ｃが設けられている。そして、固定部６ａ背面にはドー ナツ状の溝が設けられているので、固定部６背面の円周は隆起し、軸穴６ｃの周 囲は筒状体となっている。また、固定部６ａの前面には二枚のプラグ刃４が互い に平行となるように差し込まれていて、それぞれ固定部６ａを貫通し、固定部６ ａ背面の第１リング７ａ、第２リング７ｂに接続している。第１リング７ａは、 環状の金属板で、固定部６ａ背面の軸穴６ｃ周囲の筒状体の周りに設けられてい る。また、第２リング７ｂも環状の金属板で、固定部６ａ背面円周の隆起部分の 内周に設けられている。

【００１７】 一方、図３に示すように、回転部６ｂの中心軸には軸穴６ｄが設けられている 。そして、回転部６ｂの前面には、軸穴６ｄの円周上にリング状の第１接触端子 ８が設けられている。回転部６ｂの前面の円周付近には、Ｔ字形の第２接触端子 ９が設けられている。この第１接触端子８および第２接触端子９は、それぞれ固 定部６ａに儲けられた第１リング７ａおよび第２リング７ｂに対応している。ま た、図４に示すように、第１接触端子８および第２接触端子９の端部は、回転部 ６ｂを貫通し、回転部６ｂ背面の円周付近に突出し、軸受け部８ａ，９ａとなっ ている。回転部６ｂ背面の軸穴６ｄにはナット６ｅが埋め込まれている。

【００１８】 さらに、軸受け部８ａ，９ａには、接続プレート１０ａを介して電源コード３ が接続されている。すなわち、電源コード３の先端は金属製の接続プレート１０ ａに接続され、その接続部分は絶縁体の樹脂でモールドされることによりコード 取付け部１０が形成されている。接続プレート１０ａの先端はモールド部分から 露出していて、軸受け部８ａ，９ａにリベット１１を用いたカシメによって回動 可能に接続されている。このリベット１１はプラグ刃４に直交する方向に設けら れている。したがって、接続プレート１０ａはプラグ差し込み方向に垂直な方向 を軸として回動可能となり、接続プレート１０ａと軸受け部８ａ，９ａとの接触 部分は電気的に接続した摺動接点となっている。そして、軸受け部８ａ，９ａの 外側には、回転部６ｂ背面から突出した絶縁体である保護部１２が設けられ、接 続プレート１０ａの先端は絶縁材から成るカバー１３で覆われている。

【００１９】 以上のような固定部６ａ、回転部６ｂは次のように接続されている。すなわち 、図５に示すように、固定部６ａの背面と回転部６ｂの前面とが重ねられ、固定 部６ａの軸穴６ｃから回転部６ｂの軸穴６ｄに長ねじ１５が挿入され、軸穴６ｄ に埋め込まれたナット６ｅによってねじ止めされている。固定部６ａの第１リン グ７ａおよび回転部６ｂの第１接触端子８は、それぞれがユニットの軸穴付近に 設けられているので、互いに当接し電気的に接続した摺動接点となっている。ま た、固定部６ａの第２リング７ｂおよび回転部６ｂの第２接触端子９は、それぞ れがユニットの円周付近に設けられているので、互いに当接し電気的に接続した 摺動接点となっている。

【００２０】 （２）実施例の作用 以上のような構成を有する本実施例の作用は以下の通りである。すなわち、ユ ニット６から突出したプラグ刃４は、第１リング７ａ、第２リング７ｂおよび第 １接触端子８、第２接触端子９を介して接続プレート１０ａ、さらに電源コード ３に電気的に接続されている。よって、コンセントにプラグ刃４を差し込むこと により、電気機器に電気が供給される。電気機器を移動させて電源コード３の引 っ張り方向がかわると、固定部６ａは、プラグ刃４がコンセントに支持されてい るので回動しないが、他の部材は以下のように回動する。すなわち、回転部６ｂ は、その軸穴６ｃに挿通された長ねじ１５を軸として回動可能となっているので 、プラグ刃４の差し込み方向と平行な方向を軸として回動する。固定部６ａおよ び回転部６ｂの接合部分では、第１リング７ａおよび第１接触端子８、第２リン グ７ｂおよび第２接触端子９が当接しているが、回転部６ｂが回動すると第１端 子８は第１リング７ａ上を滑りながら回動し、第２接触端子９は第２リング７ｂ 上を環状に滑りながら回動する。このとき、各部材は互いに回動を規制されるこ とがないので、回転部は３６０度回動可能となる。

【００２１】 さらに、電源コード３先端のコード取付け部１０は、その接続プレート１０ａ が軸受け部８ａ，９ａに回動可能に接続されているので、プラグ刃の差し込み方 向に垂直な方向を軸として回動する。つまり、前記回転部６ｂの回動軸と直行す る方向を軸として回動する。このとき、壁面によって回動量が規制されるので、 コード取付け部１０は１８０度程度回動可能となる。

【００２２】 したがって、たとえば、図６に示すように、電源コード３の引っ張り方向が壁 面に沿った状態の場合に、電子機器を上げ下げすると、コード取付け部１０が壁 面１４と平行な方向に保持されたまま、回転部６ｂが回動して電源コード３が上 下する。

【００２３】 また、図７に示すように、電源コード３の引っ張り方向が壁面１４に垂直な方 向にある場合に、電子機器を上げ下げすると、コード取付け部１０が回動して、 電源コード３が上下する。

【００２４】 （３）実施例の効果 以上のような本実施例の効果は以下の通りである。すなわち、プラグ刃４の差 し込み方向を軸として、回転部６ｂを回動させることができ、さらに、プラグ刃 ４の差し込み方向に垂直な方向を軸として、コード取付け部１０を回動させるこ とができるので、電源コード３のあらゆる引っ張り方向に対応させることが可能 となる。

【００２５】 さらに、電源コード３の引っ張り方向を壁面１４に垂直な方向にすると、電源 コード３は回転部６ｂの回動の中心軸線上にあり、回転部６ｂは３６０度回動可 能なので、電源コード３の捩れを防止できる。

【００２６】 したがって、たとえば掃除機のように、差し込みプラグをコンセントに差し込 んだまま頻繁に位置を変える必要のある電気機器に本実施例を適用すれば、電源 コード３の引っ張り方向がも頻繁に変わっても、その角度に応じて容易に回転部 ６ｂおよびコード取付け部１０が回動するので電源コード３が傷みにくく、捩れ も生じにくい。

【００２７】 また、コード取付け部１０の接続プレート１０ａと軸受け部８ａ，９ａとの摺 動接点部分の表面は保護部１２およびカバー１３により絶縁してあるので、感電 の危険性が少ない。

【００２８】 （４）その他の実施例 本考案は以上のような実施例に限定されるものではなく、各部材の形状、寸法 等は適宜変更可能である。たとえば、本考案を電話のカールコードの接続用に用 いれば、受話器の上げ下げによって必ず発生する捩れを防止でき、また、捩れが 生じても簡単に直すことができる。すなわち、カールコードに捩れが生じた場合 に、回転部６ｂを捩れ方向とは逆に回動させれば、受話器をとって回す必要なし に、元にもどすことができる。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、差し込みプラグのユニットを回動可能に設け、かつ差し込み プラグと接続コードとの接続部分を回動可能に設けるという簡単な構成によって 、電気機器の移動に応じて多様な角度で回動し、コードを傷めることのない優れ た差し込みプラグを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の差し込みプラグにおける実施例を示す
側面斜視図

【図２】図１の実施例における固定部を示す背面斜視図

【図３】図１の実施例における回転部を示す前面斜視図

【図４】図１の実施例における回転部を示す側面斜視図

【図５】図１の実施例を示す前面斜視図

【図６】図１の実施例における回転部の回動を示す背面
図

【図７】図１の実施例におけるコード取付け部の回動を
示す側面図

【図８】従来の差し込みプラグの一例を示す分解斜視図

【符号の説明】

１…容器 １ａ…上蓋 ２…プレート ３…電源コード ４…プラグ刃 ５…キャップ ６…ユニット ６ａ…固定部 ６ｂ…回転部 ６ｃ，６ｄ…軸穴 ６ｅ…ナット ７ａ…第１リング ７ｂ…第２リング ８…第１接触端子 ９…第２接触端子 ８ａ，９ａ…軸受け部 １０…コード取付け部 １０ａ…接続プレート １１…リベット １２…保護部 １３…カバー １４…壁面 １５…長ねじ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸を中心として回転可能に取り付けられ
   た絶縁物製の固定部及び回転部と、 前記回転部に対して前記軸と直交する支軸を中心として
   回動可能に取り付けられたコード取付け部と、 前記固定部に設けられた複数のプラグ刃と、 これらプラグ刃と前記コードとを電気的に接続するため
   に固定部と回転部及び回転部とコード取付け部の接触部
   分に設けられた摺動接点とを備えていることを特徴とす
   る差し込みプラグ。
2. 【請求項２】 コンセント差し込み用の複数のプラグ刃
   と、 これら一対のプラグ刃の先端が前面から突出するように
   固定する絶縁物製の固定部と、 この固定部の背面に同心円状に配設され、対応するプラ
   グ刃の基部に電気的に接続された複数のリング状導体
   と、 前記固定部に対してリング状導体の中心部を軸として３
   ６０度回転可能に取り付けられた絶縁物製の回転部と、 この回転部に設けられ前記各リング状導体に対応して摺
   動接触可能に設けられた複数の接触端子と、 前記回転部の背面において回転部の回転軸と直交する方
   向に設けられた支軸とその軸受け部と、 前記支軸によって回転部に対して回動可能に取り付けら
   れたコード取付け部と、 このコード取り付け部に支持されたコードと、 このコードと前記回転部の接触端子とを電気的に接続す
   る摺動接触子を備えていることを特徴とする差し込みプ
   ラグ。