JP4016234B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー入力画像またはその部分領域をカラープリンタやカラーディスプレイなどのカラー画像出力装置の色域に合わせて色域圧縮または色域伸長する画像処理方法および画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラープリンタやカラーディスプレイなどのカラー画像出力装置は、人が知覚できる全ての色を再現できるわけではなく、色域(色再現範囲、ガミュート)と呼ばれる限られた範囲の色しか再現できない。これに対して、カラー入力画像には画像データによって表現可能な範囲に制限がないので、入力画像として出力装置の色域外の色が入力される可能性があり、この場合には、入力画像を出力装置の色域内に変換する処理、すなわち入力画像の色域(色表現範囲)を出力装置の色域内に圧縮する処理が必要となる。
【0003】
これとは逆に、入力画像が出力装置の色域内に含まれる場合には、例えば彩度をより高くするなど、出力装置の色域を有効に利用して、入力画像をより高品質の画像に変換する色域伸長と呼ばれる処理を行うことも可能となる。
【0004】
色域圧縮に関する従来技術としては、International Color Consosium の提唱するInternational Color Consosium Formatの中に記述されている3つの方法、Perceptual,Saturation,Colorimetricが良く知られている。
【0005】
Perceptualは、出力装置の色域外の色だけでなく、色域内の色も、色相を保存したまま、ある割合で変化させ、出力装置の色域内のグレー軸上の定点に向かって色域を圧縮する方法である。
【0006】
Saturationは、出力装置の色域外の色についてのみ、色相を保存したまま、出力装置の色域内のグレー軸上の定点に向かって出力装置の色域外郭に貼り付ける方法であり、Colorimetricは、出力装置の色域外の色についてのみ、明度と色相を保存したまま、出力装置の色域内のグレー軸に向かって出力装置の色域外郭に貼り付ける方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Perceptualは、入力画像の色相および明度の如何にかかわらず、入力画像を一定の割合で圧縮するので、圧縮が不要な色相または明度の領域まで圧縮されてしまう問題がある。
【0008】
また、SaturationおよびColorimetricも、入力画像の色相および明度の如何にかかわらず、出力装置の色域外の色を出力装置の色域外郭に貼り付け圧縮するので、出力装置の色域外の色を出力装置の色域外郭に変換した後の色に類似した色が、出力装置の色域内において原画像の入力画像に存在しているときには、両者の色の間の識別性が劣化し、また出力装置の色域外にグラデーションがある場合には、これらの処理によってグラデーションが消失してしまう可能性がある、という問題がある。
【0009】
さらに、これらSaturationまたはColorimetricを、入力画像データの上位ビットをアドレスとして多次元DLUT(ダイレクトルックアップテーブル)を索引し、その読み出された格子点データを入力画像データの下位ビットを用いて補間演算することによって出力画像データを得る、多次元DLUT補間演算型の色変換器によって実現する場合には、出力装置の色域外の格子点データを出力装置の色域外郭に貼り付けるという格子点データの決め方をすると、出力装置の色域外郭に近い色域内の色も不必要に圧縮されてしまうという問題がある。
【0010】
これらの問題に対して、(1)写真やビジネスなどで用いられるグラフなどの原稿の種別によって、上記3種類の方式から最も好ましいと考えられる変換方式を選択する方法、(2)特開平6−162181号公報に示されているような、入力画像における出力装置の色域内と色域外の画素数を計数し、その比率の大小に応じて変換方式を選択する方法、(3)特開平8−274997号公報に示されているような、入力画像における出力装置の色域内と色域外の画素数を計数し、その比率の大小に応じて圧縮量を連続的に変える方法、が提案されている。
【0011】
しかしながら、これらの方法も、本質的には上記のPerceptual、SaturationまたはColorimetricを用いるので、上述した問題を根本的に解決することはできない。
【0012】
さらに、特開平7−203234号公報には、均等色空間を単位領域に分割して、各単位領域ごとに入力画像に含まれる画素数を求め、出力装置の色域(色再現範囲)外の単位領域については、その画素数に応じて明度が同じ他の単位領域に写像する方法が示されている。
【0013】
しかしながら、この方法は、出力装置の色域外の単位領域についてのみ、色マッピングを行うため、例えば、出力装置の色域内から色域外に連続したグラデーションについては、出力装置の色域外の領域の色の変換によって色の連続性が損なわれ、所望のグラデーションを表現できない場合を生じるという問題がある。
【0014】
以上の問題に加えて、カラーフォーラムJapan'95論文集4-1(p.45-48)などで報告されている、色空間の色相線の視覚的な曲がりに対応した色域圧縮方法として、特開平7−203234号公報には、色域を小ブロックに分割して処理を行うことが示されている。
【0015】
しかしながら、この方法は、小ブロック内での色相線の視覚的な曲がりには対処できないとともに、ブロック間の連続性を確保できないという問題がある。
【0016】
以上の点から、この発明の目的は、以下の点を実現できるようにすることにある。(1)入力画像の分布に依存して、色域圧縮の必要な領域のみを色域圧縮することができる。(2)色域圧縮の方向を、各領域ごとに連続的に調整することができる。(3)色域圧縮の量を、張り付けも含めて連続的に調整することができる。(4)多次元DLUT補間演算型の色変換器によって色域圧縮する場合に、特に張り付け時の過度に不必要な色域圧縮を避けることができる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の画像処理方法は、
カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理方法において、
変換対象点から一意に決定する前記カラー画像出力装置の色域内の定点と前記変換対象点とを結ぶ直線であるベースラインと、前記カラー画像出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面との、交点である出力外郭点を求める出力外郭点算出工程と、
前記ベースラインと、前記カラー入力画像または前記部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面との、交点である入力最外郭点を求める入力最外郭点算出工程と、
前記出力外郭点および前記入力最外郭点から、第1重み係数および第2重み係数を決定する重み係数決定工程と、
前記定点、前記出力外郭点および前記第1重み係数を用いて、前記変換対象点を前記ベースライン上の点に圧縮または伸張して、第1変換点を算出する第1変換点算出工程と、
前記変換対象点を、その変換対象点に対応する補正データにより補正して、補正点を算出する補正点算出工程と、
前記第1重み係数を用いて、前記補正点を、その補正点と前記定点とを結ぶ直線である補正ライン上の点に圧縮または伸張して、第2変換点を算出する第2変換点算出工程と、
前記第1変換点、前記第2変換点および前記第2重み係数を用いて、前記第1変換点と前記第2変換点とを結ぶ線分上の点を、前記変換対象点についての最終変換点として算出する最終変換点算出工程とを備え、
前記第1重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記出力外郭点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合には、その比R2が入力R1のときの第1重み係数である第1パラメータと、前記定点から前記出力外郭点までの距離の何割までを前記変換対象点と前記第1変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、前記比R2が1より大きい場合には、入力R1が1であるときの第1重み係数である第3パラメータと、前記第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、
前記第2重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第2重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記入力最外郭点までの距離の何割までを前記第1変換点と前記最終変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第4パラメータと、前記定点から前記入力最外郭点までの距離の何割以上を前記第2変換点と前記最終変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第5パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定する、
ことを特徴とする。
【0019】
第2の発明の画像処理方法は、
カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理方法において、
変換対象点を、その変換対象点に対応する補正データにより補正して、補正点を算出する補正点算出工程と、
前記変換対象点から一意に決定する前記カラー画像出力装置の色域内の定点と前記補正点とを結ぶ直線である補正ベースラインと、前記カラー画像出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面との、交点である出力外郭点を求める出力外郭点算出工程と、
前記補正ベースラインと、前記カラー入力画像または前記部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面との、交点である入力最外郭点を求める入力最外郭点算出工程と、
前記出力外郭点および前記入力最外郭点から、前記補正点を圧縮または伸張する割合である第1重み係数を決定する重み係数決定工程と、
前記定点、前記出力外郭点および前記第1重み係数を用いて、前記補正点を前記補正ベースライン上の点に圧縮または伸張して、第1変換点を算出する第1変換点算出工程と、
前記第1変換点を、その第1変換点に対応する逆補正データにより補正して、前記変換対象点についての最終変換点を算出する最終変換点算出工程とを備え、
前記第1重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記出力外郭点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合には、その比R2が入力R1のときの第1重み係数である第1パラメータと、前記定点から前記出力外郭点までの距離の何割までを前記変換対象点と前記第1変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、前記比R2が1より大きい場合には、入力R1が1であるときの第1重み係数である第3パラメータと、前記第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定する、
ことを特徴とする。
【0021】
【作用】
上記の第1の発明の画像処理方法では、変換対象点をベースライン(定点と変換対象点とを結ぶ直線)上で圧縮または伸長して第1変換点を求め、変換対象点から補正データにより算出された補正点を補正ライン(定点と補正点とを結ぶ直線)上で圧縮または伸張して第2変換点を求め、その第1変換点と第2変換点を結ぶ線分上の点として最終変換点を求めるので、上記(1)〜(4)に示したような色域変換を実現することができる
【0022】
上記の第2の発明の画像処理方法では、変換対象点から補正データにより算出された補正点を、補正ベースライン(定点と補正点とを結ぶ直線)上で圧縮または伸張して、第1変換点を算出し、その第1変換点を、その第1変換点に対応する逆補正データにより補正して、最終変換点を算出するので、変換対象点と定点とを通る理想的な変換曲線上に最終変換点を得ることができ、第1の発明の画像処理方法と同様に上記(1)〜(4)に示したような色域変換を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
CIELAB(L*a*b*)色空間上で、カラー入力画像(以下、単に入力画像と称する)またはその部分領域を色域圧縮または色域伸長する場合を例として、この発明の実施形態を示す。ただし、この発明は、CIELUV(L*u*v*),YIQ,YCbCr、XYZ,RGBなどの他の色空間でも適用することができる。
【0026】
〔発明の方法の概要〕
図1または図2を用いて、第1の発明の方法の概要を示す。図1および図2は、CIELAB色空間を便宜上、明度軸であるL*軸と彩度軸であるC*軸とによって2次元的に示したものである。
【0027】
図1および図2において、点P0は、カラー画像出力装置(以下、単に出力装置と称する)の色域内の定点で、グレー軸上、すなわちCIELAB色空間ではL*軸上に、後述するよう設定する。以後、定点とは、この出力装置の色域内の定点P0のことである。
【0028】
点P1は、入力画像またはその部分領域の、ある色座標値で表される変換対象点である。線L1は、定点P0から変換対象点P1に向かう線で、ベースラインと定義する。
【0029】
曲面C2は、出力装置の色域の最外郭曲面、または後述するように設定する出力装置の色域内の閉曲面で、出力外郭曲面と定義する。曲面C3は、入力画像またはその部分領域の色域の最外郭曲面で、入力最外郭曲面と定義する。図1および図2は、入力最外郭曲面C3が出力外郭曲面C2の外側にあって、変換対象点P1を圧縮変換する場合であるが、逆に出力外郭曲面C2が入力最外郭曲面C3の外側にあって、変換対象点P1を伸長変換する場合にも、この発明の方法を用いることができる。
【0030】
点P2は、ベースラインL1と出力外郭曲面C2との交点で、出力外郭点と定義する。点P3は、ベースラインL1と入力最外郭曲面C3との交点で、入力最外郭点と定義する。
【0031】
点P4は、第1変換点で、定点P0と出力外郭点P2とを第1重み係数を用いて重み付け平均することによって求める。したがって、第1変換点P4はベースラインL1上の点である。点P5は、第2変換点で、圧縮方向または伸長方向を補正するための補正データと第1重み係数とを用いて求める。線L5は、定点P0から第2変換点P5に向かう線で、補正ラインと定義する。
【0032】
図1および図2では、補正ラインL5がベースラインL1と異なるが、補正データがゼロであれば、補正ラインL5はベースラインL1と一致する。その補正データは、例えば、図1および図2で補正データD1として示すように、色空間において離散的なデータとして設定し、用意しておく。
【0033】
点P6は、変換対象点P1についての最終変換点で、第1変換点P4と第2変換点P5とを第2重み係数を用いて重み付け平均することによって求める。したがって、最終変換点P6は、第1変換点P4と第2変換点P5とを結ぶ線分上の点である。
【0034】
図18および図19を用いて、第2の発明の方法の概要を示す。図18は、CIELAB色空間を明度軸であるL*軸と彩度軸であるC*軸とによって2次元的に示したものであり、図19は、CIELAB色空間をa*軸とb*軸とによって2次元的に示したものである。
【0035】
すでに第1の発明で説明したように、図18および図19においても、点P0、点P1、曲面C2および曲面C3は、それぞれ、定点、変換対象点、出力外郭曲面および入力最外郭曲面である。
【0036】
点P21は、変換対象点P1に対して変換対象点P1に対応する補正データを適用して算出した点であり、補正点と定義する。補正データは、色空間において離散的なベクトルデータとして用意しておき、補間などにより必要な点に対応する補正データを算出することができる。
【0037】
直線L2は、補正点P21と定点P0とを結ぶ直線であり、補正ベースラインと定義する。
【0038】
曲線L3は、変換対象点P1と定点P0を通る曲線であり、仮想変換ラインと定義する。前記補正データは、この仮想変換ラインL3を基に算出する。この仮想変換ラインL3は目的に応じて決定するものであり、例えば、色相線の曲がりを補正することを目的とした場合には、変換対象点P1と定点P0を通る等色相線が仮想変換ラインとなる。
【0039】
点P22は、補正ベースラインL2と入力最外郭曲面C3との交点で、入力最外郭点と定義する。点P23は、補正ベースラインL2と出力外郭曲面C2との交点で、出力外郭点と定義する。
【0040】
点P24は、補正点P21に対して出力装置の色域に合わせた圧縮もしくは伸張を補正ベースラインL2に沿って行った点であり、変換点と定義する。この出力装置の色域に合わせた圧縮もしくは伸張処理は、定点P0、入力最外郭点P22、出力外郭点P23および補正点P21から決定される第1重み係数を用いて行ってもよいし、既存の方法によって行ってもよい。
【0041】
点P25は、変換対象点P1についての最終変換点で、変換点P24に対して変換点P24に対応する逆補正データを適用することで算出する。この逆補正データは、補正データのベクトルの始点と終点とを入れ替えたものである。
【0042】
図1、図2、図18および図19に示すその他の点、曲面および曲線については、後述する。
【0043】
〔定点の設定〕
定点P0は、出力装置の色域内において、グレー軸上の固定された一点として、または変換対象点P1の明度や彩度などの関数として連続的に変化する点、もしくは変換対象点P1の明度や彩度などに応じて離散的に異なる点として、設定する。
【0044】
図3に、定点P0が変換対象点P1の明度や彩度などの関数として連続的に変化する例を示す。これは、変換対象点P1から定点P0へのベクトルがa*b*平面に対して形成する角度をΦとして、角度Φと定点P0のL*値との関係を示したもので、このように定点P0を定義した場合には、定点P0と変換対象点P1との関係は、例えば図4のようになる。
【0045】
このように定点P0を変換対象点P1の明度や彩度などの関数として連続的に変化する点、または変換対象点P1の明度や彩度などに応じて離散的に異なる点とする場合には、定点P0から変換対象点P1に向かうベースラインL1が、図4のように色空間内の全領域において交差しないようにする必要があり、この条件を満たさない場合には、圧縮または伸長したときに階調の逆転を生じる可能性がある。
【0046】
定点P0を変換対象点P1の明度だけの関数にした場合、角度Φが0度であれば、階調の逆転を生じないが、角度Φが0度以外のときには、階調の逆転を生じる可能性が高く、変換対象点P1の明度が出力装置の色域外であるときには、出力装置の色域内に定点P0を設定することが困難となる。定点P0は、これらの点を考慮して設定する。
【0047】
〔出力外郭曲面〕
出力外郭曲面C2は、通常は、出力装置の色域の最外郭曲面とすればよい。しかし、出力装置がディスプレイなどで、入力画像の白色点と出力装置の白色点とが異なるような場合には、出力装置の色域内の閉曲面を出力外郭曲面C2とした方が望ましい場合もある。
【0048】
図5に、入力画像またはその部分領域の色域と出力装置の色域との関係の例を模式的に示し、曲面C20は出力装置の色域の最外郭曲面、曲面C3は入力最外郭曲面、すなわち入力画像またはその部分領域の色域の最外郭曲面である。
【0049】
この例で、入力画像またはその部分領域の白色点P1wを、出力装置の色域内におけるグレー軸上の圧縮先P6wに変換すると、出力装置の色域内には、その白色点圧縮先P6wより高い明度の領域があるので、圧縮方法によっては、入力画像またはその部分領域の他の色が白色点圧縮先P6wより高い明度の色P6oに変換されてしまい、不自然な印象を与えることがある。
【0050】
このような場合には、出力装置の色域内の閉曲面として、白色点圧縮先P6wより低い明度の領域のみを含むような曲面を設定して、これを出力外郭曲面C2とすればよい。例えば、図5において、白色点圧縮先P6wを起点に明度が白色点圧縮先P6wと同じになるように水平に伸びた閉曲面C21、または白色点圧縮先P6wを起点に彩度が高くなるにつれて徐々に明度が減少するような閉曲面C22を、出力装置の色域内の閉曲面として設定し、出力外郭曲面C2とする。
【0051】
彩度が高くなると視覚的には同じ明度のグレーより明るく感じられるが、後者の閉曲面C22を出力外郭曲面C2とすれば、そのような視覚的な現象によって不自然な印象を与えることを防止することができる。
【0052】
このような視覚的な不具合への対処として、入力画像またはその部分領域の全ての色について最初に明度のみを一様に変換した後、色域変換を行うことも考えられる。しかし、色域圧縮だけでなく色域伸長も行う場合には、伸長時に同様の不具合を生じるので、前もって明度を変換する場合でも、上記の閉曲面C22のような閉曲面を出力外郭曲面C2として設定することが望ましい。
【0053】
〔画像処理方法としての第1の実施形態〕
図6は、入力画像またはその部分領域の、ある一点、すなわちある一画素の色座標値を変換対象点P1として、これを出力装置の色域に適合した色座標値の最終変換点P6に変換する第1の発明の一実施形態を示す。
【0054】
図6の方法は、処理プログラムによってコンピュータ上で実現することができるが、一部の工程をハードウエアによって行うこともできる。この方法は、全体として、出力外郭点算出工程10、入力最外郭点算出工程20、第1重み係数決定工程30、第2重み係数決定工程40、第1変換点算出工程50、第2変換点算出工程60、および最終変換点算出工程70からなる。最初に、出力外郭点算出工程10または入力最外郭点算出工程20、例えば、出力外郭点算出工程10を行う。
【0055】
(出力外郭点算出工程)
出力外郭点算出工程10では、変換対象点P1の情報(色座標値)S1、定点P0の情報(色座標値)S0、出力外郭曲面C2の情報SC2、および出力外郭点算出用パラメータPP2から、定点P0から変換対象点P1に向かう線であるベースラインL1と出力外郭曲面C2との交点である出力外郭点P2の情報S2を算出する。
【0056】
図7は、出力外郭点算出工程10の具体例を示し、この例では、まず、出力外郭代表点準備工程11で、出力外郭曲面情報SC2をもとに、図1および図2に示すような複数の出力外郭代表点P12の情報(色座標値)S12を算出する。
【0057】
ここでの出力外郭曲面情報SC2は、出力装置に依存した入力信号と出力される色との関係の離散的なデータ対、および、出力外郭曲面C2が出力装置の色域内の閉曲面である場合には、その形状に関する情報である。
【0058】
離散的なデータ対としては、例えば、出力装置がプリンタの場合には、色々なYMC(K)%の組み合わせのデータと、その組み合わせでプリントしたときの色のLABデータ、出力装置がディスプレイの場合には、色々なRGBの組み合わせのデータと、その組み合わせで表示したときの色のLABデータまたはXYZデータなどを揃えればよい。
【0059】
これらのデータをもとに、被予測値を出力装置の色域の最外郭曲面上の点に設定して、予測値である色を予測する。
【0060】
被予測値を出力装置の色域の最外郭曲面上の点に設定することは、例えば、出力装置が3色プリンタの場合には、Y%をゼロにしたときのM%とC%の組み合わせ、M%をゼロにしたときのC%とY%の組み合わせ、C%をゼロにしたときのY%とM%の組み合わせのデータを準備することに相当する。
【0061】
さらに、出力外郭曲面C2が出力装置の色域内の閉曲面である場合には、その形状に関する情報を用いて、出力装置の色域の最外郭曲面上の色データに修正を加えて、出力外郭代表点情報S12とする。
【0062】
ここでの予測方法としては、出力装置に依存した入力信号と出力される色との関係の離散的なデータ対をもとに、任意の出力装置に依存した入力信号から出力される色を予測する方法を用いることができ、公知の方法を利用することができる。さらに、特願平9−4949号(平成9年1月14日出願)で提案された方法を用いれば、精度よく予測することができる。
【0063】
この特願平9−4949号(以下、先願という)の方法は、入力信号と出力信号の関係を定数項を含む線形の行列式で結び付け、複数の入力信号実データから、この行列式を用いて求めた出力予測値と、それに対応する複数の出力信号実データとの重み付けされたユークリッド距離の2乗和が最小となるように、重み付けの係数と行列式の係数と予測値とを逐次、近似法で決定するものである。
【0064】
図7の出力外郭点算出工程10では、次に、極座標変換工程12で、定点情報S0をもとに、変換対象点情報S1および出力外郭代表点情報S12を、それぞれ定点P0を中心とした極座標に変換して、変換対象点極座標情報S1rおよび出力外郭代表点極座標情報S12rを得る。
【0065】
次に、出力外郭点算出最終工程13で、変換対象点極座標情報S1r、出力外郭代表点極座標情報S12r、および出力外郭点算出用パラメータPP2をもとに、出力外郭点P2の情報(色座標値)S2を算出する。
【0066】
ここで、変換対象点極座標をO(ro,θo,φo)とし、出力外郭代表点極座標をGOUTi(ri,θi,φi),i=1,Noutとすると、ベースラインL1と出力外郭曲面C2との交点を算出することは、N個の(θi,φi)とriのデータ対をもとに、被予測値を(θo,φo)として予測値(ro)を予測する問題に帰結する。したがって、公知の方法または上記先願の方法を用いて算出することができる。
【0067】
この場合、極座標であるので、例えばθの0°と360°が連続していることなど、θ,φについての連続性に注意して、出力外郭代表点P12の数に応じて出力外郭点算出用パラメータPP2を決めればよい。
【0068】
(入力最外郭点算出工程)
図6に示す全体の工程では、次に、入力最外郭点算出工程20で、変換対象点情報S1、定点情報S0、入力画像またはその部分領域の画素値情報S20、入力最外郭点算出用パラメータPP3をもとに、ベースラインL1と入力最外郭曲面C3との交点である入力最外郭点P3の情報S3を算出する。
【0069】
入力画像またはその部分領域の画素値情報S20としては、入力画像またはその部分領域の個々の画素値そのものを用いてもよいが、予め入力画像またはその部分領域の色域を、例えば、NTSCRGB色域、SRGB色域、またはYMCBRGWKの色度点で代表される色域などと想定した場合には、その想定した色域の最外郭部分に位置する離散的な色度情報を用いてもよい。
【0070】
この予め想定した色域の最外郭部分に位置する離散的な色度情報を用いる場合には、以下に示す入力最外郭代表点候補選出工程および入力最外郭代表点選出工程を省略することができる。
【0071】
図8および図9は、それぞれ入力最外郭点算出工程20の具体例を示し、図8の例は、入力画像またはその部分領域の全ての画素値から入力最外郭代表点を選出する場合であり、図9の例は、入力画像またはその部分領域の画素を間引くなどによって入力最外郭代表点候補を求め、その入力最外郭代表点候補から入力最外郭代表点を選出する場合である。
【0072】
図8の例では、まず、極座標変換工程22で、定点情報S0をもとに、入力画像またはその部分領域の画素値情報S20を、定点P0を中心とした極座標に変換して、画素値極座標情報S20rを得る。このとき、同様に、定点情報S0をもとに、変換対象点情報S1を、定点P0を中心とした極座標に変換して、変換対象点極座標情報S1rを得るが、図7の出力外郭点算出工程10における極座標変換工程12で、すでに算出しているので、これを流用してもよい。
【0073】
次に、入力最外郭代表点選出工程23で、画素値極座標情報S20rから、図1および図2に示すような入力最外郭曲面C3上の離散的な点である入力最外郭代表点P13の情報S13を選出する。
【0074】
具体的には、入力画像またはその部分領域の画素値極座標をINi(ri,θi,φi),i=1,Ninとすると、(θ,φ)平面をメッシュに区切ってINi(ri,θi,φi)を振り分け、各メッシュの中で最大の(r)を持つデータを探し出し、入力最外郭代表点GINi(ri,θi,φi),i=1,Ninとすればよい。
【0075】
次に、入力最外郭点算出最終工程24で、変換対象点極座標情報S1r、入力最外郭代表点情報S13、および入力最外郭点算出用パラメータPP3をもとに、ベースラインL1と入力最外郭曲面C3との交点である入力最外郭点P3の情報(色座標値)S3を算出する。
【0076】
ここで、変換対象点極座標はO(ro,θo,φo)、入力最外郭代表点P13はGINi(ri,θi,φi),i=1,Ninであるので、ベースラインL1と入力最外郭曲面C3との交点を算出することは、N個の(θi,φi)とriのデータ対をもとに、被予測値を(θo,φo)として予測値(ro)を予測する問題に帰結する。したがって、公知の方法または上記先願の方法を用いて算出することができる。
【0077】
この場合、極座標であるので、θ,φについては0°と360°が連続していることに注意して、入力最外郭代表点P13の数に応じて入力最外郭点算出用パラメータPP3を決めればよい。ただし、出力外郭点情報S2を算出する場合に比べて、入力画像またはその部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面C3は凹凸が激しいことがあるので、その場合には、スムージング効果を強くするように入力最外郭点算出用パラメータPP3を設定することがポイントとなる。
【0078】
図9の例では、まず、入力最外郭代表点候補選出工程21で、入力画像またはその部分領域の画素値情報S20から、入力最外郭代表点候補の情報S21を得る。
【0079】
図8の例のように入力画像またはその部分領域の画素値情報S20そのものから入力最外郭代表点を選出する場合には、極座標変換工程22および入力最外郭代表点選出工程23での処理に時間がかかるが、図9の例のように予め入力最外郭代表点候補選出工程21で入力最外郭代表点候補を選出することによって、以後の極座標変換工程22および入力最外郭代表点選出工程23での処理時間を短縮することができる。この入力最外郭代表点候補の選出は、単に入力画像またはその部分領域の画素を間引き、または、いくつかの画素の平均値を求めて、その平均値を入力最外郭代表点候補情報S21とするなどの方法を用いることができる。
【0080】
その後、図8の例と同様に、極座標変換工程22、入力最外郭代表点選出工程23、および入力最外郭点算出最終工程24を経て、ベースラインL1と入力最外郭曲面C3との交点である入力最外郭点P3の情報S3を得る。
【0081】
(第1重み係数決定工程)
図6に示す全体の工程では、次に、第1重み係数決定工程30で、変換対象点情報S1、定点情報S0、出力外郭点情報S2、入力最外郭点情報S3、および第1重み係数決定用パラメータPW1をもとに、後の第1変換点算出工程50および第2変換点算出工程60で用いる第1重み係数の情報SW1を算出する。
【0082】
この第1重み係数決定工程30では、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって、第1重み係数を決定する。その1変数関数の形状につき、図10および図11を用いて説明する。
【0083】
図10は、定点から出力外郭点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合、すなわち図1および図2に示したように圧縮を行う場合の1変数関数の形状を示しており、その形状は、定点から出力外郭点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R2が、入力(定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比を)R1であるときの第1重み係数W1である第1パラメータと、定点から出力外郭点までの距離の何割までを、変換対象点と第1変換点との座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定される。
【0084】
図10の点PaのY座標値が第1パラメータに相当し、点Paが線形圧縮/線形伸長の関数形状限界L11上に位置するとき、すなわち点Pbと一致するときには、線形圧縮が行われ、点Paが忠実再現/貼り付けの関数形状限界L12上に位置するとき、すなわち点Pcと一致するときには、出力外郭曲面C2内では変換対象点と第1変換点が同一点となり、出力外郭曲面C2外では貼り付けとなり、Paがそれらの間に位置するときには、それらの中間の変換が行われる。
【0085】
図10の点PdのY座標値が第2パラメータに相当し、原点、点Pd、点Pa、点(1.0,1.0)を結ぶ折れ線の第1重み関数形状L13が形成される。
【0086】
なお、これら2つのパラメータのほかに別の形状パラメータを設定して、折れ線の第1重み関数形状を、形状L13より詳細に形成してもよい。
【0087】
次に、この折れ線の第1重み関数形状L13にスムージングを施して、曲線の第1重み関数形状L14を求め、最後に、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R1の実際値R1iを入力して、曲線の第1重み関数形状L14上の交点PeのY座標値W1oを、最終出力の第1重み係数W1として出力する。
【0088】
実際の処理としては、第1パラメータおよび第2パラメータを入力して折れ線の第1重み関数形状L13上に離散的な複数の点を設定し、それらの点のX座標値とY座標値とのデータ対をもとに、スムージングのパラメータを用いて、上記先願の発明の方法などによって、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R1が入力されたときの出力値を予測することができるので、曲線の第1重み関数形状L14を求めることは必要でなく、折れ線の第1重み関数形状L13上の離散的な複数の点から直接、第1重み係数W1を求めることができる。
【0089】
図11は、定点から出力外郭点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R2が1より大きい場合、すなわち伸長を行う場合の1変数関数の形状を示しており、その形状は、入力R1が1であるときの第1重み係数W1である第3パラメータと、定点から出力外郭点までの距離の何割までを、変換対象点と第1変換点との座標が同一となるように設定するかを決める上記の第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定される。
【0090】
図11の点PaのY座標値が第3パラメータに相当し、点Paが線形圧縮/線形伸長の関数形状限界L11上に位置するとき、すなわち点Pbと一致するときには、線形伸長が行われ、点Paが忠実再現/貼り付けの関数形状限界L12上に位置するとき、すなわち点Pcと一致するときには、変換対象点と第1変換点が同一点となり、Paがそれらの間に位置するときには、それらの中間の変換が行われる。
【0091】
図11の点PdのY座標値が第2パラメータに相当し、原点、点Pd、点Paを結ぶ折れ線の第1重み関数形状L13が形成される。
【0092】
なお、これら2つのパラメータのほかに別の形状パラメータを設定して、折れ線の第1重み関数形状を、形状L13より詳細に形成してもよい。
【0093】
次に、この折れ線の第1重み関数形状L13にスムージングを施して、曲線の第1重み関数形状L14を求め、最後に、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R1の実際値R1iを入力して、曲線の第1重み関数形状L14上の交点PeのY座標値W1oを、最終出力の第1重み係数W1として出力する。
【0094】
実際の処理としては、第2パラメータおよび第3パラメータを入力して折れ線の第1重み関数形状L13上に離散的な複数の点を設定し、それらの点のX座標値とY座標値とのデータ対をもとに、スムージングのパラメータを用いて、上記先願の発明の方法などによって、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R1が入力されたときの出力値を予測することができるので、曲線の第1重み関数形状L14を求めることは必要でなく、折れ線の第1重み関数形状L13上の離散的な複数の点から直接、第1重み係数W1を求めることができる。
【0095】
このように図10と図11の方法は圧縮と伸長に類似した手法を用いるので、その第2パラメータを同一のものとするなどの制限を設ければ、色空間領域のある部分が圧縮され、ある部分が伸長されても、その間の連続性を損うことなく圧縮および伸長をすることができる利点がある。
【0096】
(第2重み係数決定工程)
図6に示す全体の工程では、次に、第2重み係数決定工程40で、変換対象点情報S1、定点情報S0、入力最外郭点情報S3、および第2重み係数決定用パラメータPW2をもとに、後の最終変換点算出工程70で用いる第2重み係数の情報SW2を算出する。
【0097】
この第2重み係数決定工程40では、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比を入力とし、第2重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって、第2重み係数を決定する。その1変数関数の形状につき、図12を用いて説明する。
【0098】
図12は、第2重み係数W2の1変数関数の形状を示しており、その形状は、定点から入力最外郭点までの距離の何割までを、第1変換点と最終変換点との座標が同一となるように設定するかを決める第4パラメータと、定点から入力最外郭点までの距離の何割以上を、第2変換点と最終変換点との座標が同一となるように設定するを決める第5パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定される。
【0099】
図12の点PfのX座標値が第4パラメータに相当し、点PgのX座標値が第5パラメータに相当しており、原点、点Pf、点Pg、点(1.0,1.0)を結ぶ折れ線の第2重み関数形状L15が形成される。
【0100】
なお、これら2つのパラメータのほかに別の形状パラメータを設定して、折れ線の第2重み関数形状を、形状L15より詳細に形成してもよい。
【0101】
次に、この折れ線の第2重み関数形状L15にスムージングを施して、曲線の第2重み関数形状L16を求め、最後に、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R1の実際値R1iを入力して、曲線の第2重み関数形状L16上の交点PhのY座標値W2oを、最終出力の第2重み係数W2として出力する。
【0102】
実際の処理としては、第4パラメータおよび第5パラメータを入力して折れ線の第2重み関数形状L15上に離散的な複数の点を設定し、それらの点のX座標値とY座標値とのデータ対をもとに、スムージングのパラメータを用いて、上記先願の発明の方法などによって、定点から変換対象点までの距離と定点から入力最外郭点までの距離との比R1が入力されたときの出力値を予測することができるので、曲線の第2重み関数形状L16を求めることは必要でなく、折れ線の第2重み関数形状L15上の離散的な複数の点から直接、第2重み係数W2を求めることができる。
【0103】
(第1変換点算出工程)
図6に示す全体の工程では、次に、第1変換点算出工程50で、定点情報S0、出力外郭点情報S2、および第1重み係数情報SW1をもとに、定点P0と出力外郭点P2とを第1重み係数を用いて重み付け平均することによって、第1変換点P4の情報S4を算出する。
【0104】
ここで、第1重み係数はW1であり、定点P0を中心として出力外郭点情報S2を極座標で表したものがGOUTo(ro,θo,φo)であるので、第1変換点情報S4の算出は、GOUTo(ro×W1,θo,φo)を求めることに相当し、これを定点P0の座標値を用いて直交座標に戻せば、第1変換点情報S4が得られる。
【0105】
(第2変換点算出工程)
図6に示す全体の工程では、次に、第2変換点算出工程60で、変換対象点情報S1、定点情報S0、出力外郭曲面情報SC2、補正データD1、第1重み係数情報SW1、および出力外郭点算出用パラメータPP2をもとに、第2変換点P5の情報S5を算出する。
【0106】
この第2変換点算出工程60での第2変換点P5の算出は、色域圧縮または色域伸長の方向を各領域ごとに連続的に調整できるようにするとともに、色空間の色相線の視覚的な曲がりを補正し、出力装置の色域の形状に関する問題、例えば、プリンタの場合に同じ色相で圧縮すると黄色の彩度が極端に低下してしまう問題に対処するものである。
【0107】
図13は、この第2変換点算出工程60の具体例を示し、第2変換点P5を、図1に示すように出力外郭曲面C2を縮小した出力仮想外郭曲面C1上の、または図1とは逆に出力外郭曲面C2を拡大した出力仮想外郭曲面上の、点として求める場合である。
【0108】
後述するように、この発明の画像処理方法によって得られた複数の変換対象点についての最終変換点の色座標値を色域変換用の格子点データとして多次元変換テーブルに格納するような場合には、実際の出力装置の色域の最外郭曲面を拡大した曲面を仮想の出力装置の色域の最外郭曲面と想定することによって、実際の出力装置の色域全体を効果的に利用することができるとともに、過度に不必要な色域圧縮を回避することができる。
【0109】
図13の例では、まず、補正データ準備工程61で、出力外郭曲面情報SC2および入力色空間視覚等色相情報S60をもとに、補正データD1を準備する。
【0110】
この場合の補正データD1は、第2変換点P5を算出するためのものであるとともに、図1に示すように、入力色空間全体にわたる離散的色度点に対する補正ベクトルデータであり、出力外郭曲面情報SC2から求めた補正ベクトルデータと、入力色空間視覚等色相情報S60から求めた補正ベクトルデータとを加算することによって、求めることができる。
【0111】
入力色空間視覚等色相情報S60から補正ベクトルデータを求めるには、例えば、ベースラインL1上の離散的色度点に対して彩度を複数設定して、色相だけをどの程度移動させれば同じ色相に見えるかを、視覚的な等色実験で求めておき、定点P0から変換対象点P1までの距離と定点P0から出力外郭曲面C2の等色点までの距離との比率を用いて、定点P0から等色点に向かう線上の仮想補正点を求めて、変換対象点P1から仮想補正点へのベクトルを補正ベクトルとし、定点P0から等色点に向かう線上の設定した彩度点が、定点P0から出力外郭曲面C2までの何割に相当するかという情報とともに、保存するという方法を用いればよい。
【0112】
出力外郭曲面情報SC2から補正ベクトルデータを求めるには、例えば、入力色空間視覚等色相情報S60から決めた補正ベクトルデータを用いた後、圧縮前後の色相差、明度差、彩度差に重み付けして加算した値が最小になるという条件で各種圧縮サンプルを作成し、官能検査によって各領域ごとに、その重みの比率の最適値を求め、その最適値の比率から逆算して、ベースラインL1上の色の補正ベクトルデータを求める方法を用いることができる。伸長の場合も同様である。
【0113】
また、両方の補正ベクトルデータを一挙に求める方法として、入力色空間全域にわたる離散的色度点に対して、出力仮想外郭曲面C1上の最適変換先を官能検査によって求め、その色度から補正ベクトルデータを逆算することもできる。
【0114】
補正データD1として、変換対象点P1から出力仮想外郭曲面C1上の第2変換点P5へのベクトルを直接用いる方法も考えられる。しかし、次の補正値算出工程62での予測精度の点から、第2変換点P5が必ず出力仮想外郭曲面C1上になるような計算が困難であるため、この例のように出力外郭曲面C2の形に影響されにくい補正データであることが望ましい。
【0115】
図13の例では、次に、補正値算出工程62で、この補正データD1および変換対象点情報S1をもとに、変換対象点P1に対する補正値の情報S61を算出する。
【0116】
ここで、第1重み係数をpとし、変換対象点P1をGINo(Lo,ao,bo,p)、第2変換点P5の算出用の原点および補正データD1をGCoe(Loi,aoi,boi,pe)、GCce(Lci,aci,bci,pe),i=1,Ncとすると、補正値情報S61の算出は、N個のGCoe(Loi,aoi,boi,pe)とGCce(Lci,aci,bci,pe)のデータ対をもとに、被予測値をGINo(Lo,ao,bo,p)として予測値GCoc(Loc,aoc,boc)を予測する問題に帰結する。したがって、公知の方法または上記先願の方法を用いて算出することができる。
【0117】
次に、補正点算出工程63で、この補正値情報S61および変換対象点S1をもとに、変換対象点についての補正後の点である、図1に示すような変換対象補正点P7の情報S7を算出する。具体的には、変換対象点GINo(Lo,ao,bo)に補正値GCoc(Loc,aoc,boc)を単純に加算すれば、変換対象補正点GCc(Lc,ac,bc)を求めることができる。
【0118】
次に、第2変換点算出最終工程65で、その変換対象補正点情報S7、定点情報S0、図7の極座標変換工程12で得られた出力外郭代表点極座標情報S12r、第1重み係数情報SW1、および出力外郭点算出用パラメータPP2をもとに、図1に示すように、定点P0から変換対象補正点P7に向かう線である補正ラインL5と出力仮想外郭曲面C1との交点である第2変換点P5の情報S5を算出する。
【0119】
ここで、変換対象補正点GCc(Lc,ac,bc)を定点P0を中心とした極座標に変換したものをGCc(rc,θc,φc)とすると、出力外郭代表点極座標はGOUTi(ri,θi,φi),i=1,Noutであるので、補正ラインL5と出力仮想外郭曲面C1との交点である第2変換点P5を算出することは、N個の(θi,φi)とp×riのデータ対をもとに、被予測値を(θc,φc)として予測値(rc)を予測する問題に帰結する。したがって、公知の方法または上記先願の方法を用いて算出することができる。
【0120】
以上の図13の例の第2変換点算出工程によれば、色空間の色相線の視覚的な曲がりを正確に補正し、出力装置の色域の形状に関する問題にも対処できるが、図14に示す例によれば、さらに簡便な方法によって第2変換点P5を算出することができる。
【0121】
図14の例では、まず補正データ準備工程61で、出力外郭曲面情報SC2および入力色空間視覚等色相情報S60をもとに、補正データD1を準備する。
【0122】
この場合の補正データD1は、図2に示すような入力最外郭補正点P8、さらには入力最外郭最適変換点P9を算出するためのものであるとともに、入力色空間全体にわたる離散的色度点に対する補正ベクトルデータであり、出力外郭曲面情報SC2から求めた補正ベクトルデータと、入力色空間視覚等色相情報S60から求めた補正ベクトルデータとを加算することによって、求めることができる。
【0123】
入力色空間視覚等色相情報S60から補正ベクトルデータを求めるには、例えば、ベースラインL1上の色に対して、色相だけをどの程度移動させれば出力外郭点P2と同じ色相に見えるかを、視覚的な等色実験で求めて、その反対のベクトルを設定するという方法を用いればよい。
【0124】
出力外郭曲面情報SC2から補正ベクトルデータを求めるには、例えば、入力色空間視覚等色相情報S60から決めた補正ベクトルデータを用いた後、圧縮前後の色相差、明度差、彩度差に重み付けして加算した値が最小になるという条件で各種圧縮サンプルを作成し、官能検査によって各領域ごとに、その重みの比率の最適値を求め、その最適値の比率から逆算して、ベースラインL1上の色の補正ベクトルデータを求める方法を用いることができる。伸長の場合も同様である。
【0125】
また、両方の補正ベクトルデータを一挙に求める方法として、入力色空間の離散的色度点に対して、出力外郭曲面C2上の最適変換先を官能検査によって求め、その色度から補正ベクトルデータを逆算することもできる。
【0126】
次に、補正値算出工程62で、この補正データD1および入力最外郭点情報S3をもとに、入力最外郭点P3に対する補正値の情報S62を算出する。
【0127】
ここで、入力最外郭点P3をGINo(Lo,ao,bo)、入力最外郭最適変換点P9の算出用の原点および補正データD1をGCoe(Loi,aoi,boi)、GCce(Lci,aci,bci),i=1,Ncとすると、補正値情報S62の算出は、N個のGCoe(Loi,aoi,boi)とGCce(Lci,aci,bci)のデータ対をもとに、被予測値をGINo(Lo,ao,bo)として予測値GCoc(Loc,aoc,boc)を予測する問題に帰結する。したがって、公知の方法または上記先願の方法を用いて算出することができる。
【0128】
次に、補正点算出工程63で、この補正値情報S62および入力最外郭点情報S3をもとに、入力最外郭点P3についての補正後の点である、図2に示すような入力最外郭補正点P8の情報S8を算出する。具体的には、入力最外郭点GINo(Lo,ao,bo)に補正値GCoc(Loc,aoc,boc)を単純に加算すれば、入力最外郭補正点GCc(Lc,ac,bc)を求めることができる。
【0129】
次に、入力最外郭最適変換点算出工程64で、その入力最外郭補正点情報S8、定点情報S0、図7の極座標変換工程12で得られた出力外郭代表点極座標情報S12r、および出力外郭点算出用パラメータPP2から、図2に示すように、定点P0から入力最外郭補正点P8に向かう線である補正ラインL5と出力外郭曲面C2との交点である入力最外郭最適変換点P9、すなわち入力最外郭点P3の最適変換先の情報S9を算出する。
【0130】
ここで、入力最外郭補正点GCc(Lc,ac,bc)を定点P0を中心とした極座標に変換したものをGCc(rc,θc,φc)とすると、出力外郭代表点極座標はGOUTi(ri,θi,φi),i=1,Noutであるので、補正ラインL5と出力外郭曲面C2との交点である入力最外郭最適変換点P9を算出することは、N個の(θi,φi)とriのデータ対をもとに、被予測値を(θc,φc)として予測値(rc)を予測する問題に帰結する。したがって、公知の方法または上記先願の方法を用いて算出することができる。
【0131】
次に、第2変換点算出最終工程65で、その入力最外郭最適変換点情報S9、定点情報S0、および第1重み係数情報SW1をもとに、定点P0と入力最外郭最適変換点P9とを第1重み係数を用いて重み付け平均することによって、図2に示すように、補正ラインL5上の第2変換点P5の情報S5を算出する。
【0132】
ここで、第1重み係数はW1であり、定点P0を中心として入力最外郭最適変換点P9を極座標で表したものがGCc(rc,θc,φc)であるので、この第2変換点情報S5の計算は、GCc(rc×W1,θc,φc)を求めることに相当し、これを定点P0の座標値を用いて直交座標に戻せば、第2変換点情報S5が得られる。
【0133】
(最終変換点算出工程)
図6に示す全体の工程では、最後に、最終変換点算出工程70で、第1変換点情報S4、第2変換点情報S5、および第2重み係数情報SW2をもとに、第1変換点P4と第2変換点P5とを第2重み係数を用いて重み付け平均することによって、変換対象点P1についての最終変換点P6の情報S6を算出する。
【0134】
ここで、第2重み係数はW2であり、第1変換点P4をOUT1(L1,a1,b1),第2変換点P5をOUT2(L2,a2,b2)とすると、最終変換点P6の計算は、OUT0(L1×(1−W2)+L2×W2,a1×(1−W2)+a2×W2,b1×(1−W2)+b2×W2)を求めることに相当する。
【0135】
最終変換点P6は第1変換点P4と第2変換点P5とを結ぶ線分上の点として求められる。図1および図2で、最終変換点曲線C6は、変換対象点P1を出力外郭点P2の方向に徐々に移動させていったときの、定点P0から最終変換点P6の描く軌跡であり、最初は変換対象点P1から出力外郭点P2への線分に沿っているが、徐々に変換対象補正点P7または入力最外郭補正点P8ないし入力最外郭最適変換点P9の方向に方向を変えていく。
【0136】
別の画像処理方法
図15は、別の画像処理方法を示す。この方法では、色域変換処理部81に対して記憶手段82を設け、その記憶手段82には予め、色空間の各領域ごとに、この例ではCIELAB色空間の各領域ごとに、色相線の視覚的な曲がりを補正するための補正ベクトルを格納しておく。
【0137】
さらに、記憶手段82には、出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面を示す情報、および入力画像またはその部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面を示す情報を格納しておく。
【0138】
そして、色域変換処理部81は、記憶手段82に記憶されている出力外郭曲面情報および入力最外郭曲面情報によって出力装置の色域と入力画像の色域とに応じて、入力画像データLi,ai,biを、記憶手段82に記憶されている補正ベクトルを用いて色域変換し、変換後の画像データLo,ao,boを出力する。
【0139】
これによれば、出力装置の色域と入力画像の色域とに応じた最適な色域変換を行うことができるとともに、特に色空間の各領域ごとに色相線の視覚的な曲がりを確実に補正することができる。
【0140】
〔画像処理方法としての第2の実施形態〕
図20は、入力画像またはその部分領域の、ある一点、すなわちある一画素の色座標値を変換対象点P1として、これを仮想変換ラインL3上にあり、かつ、出力装置の色域に適合した色座標値の最終変換点P25に変換する第2の発明の一実施形態を示す。
【0141】
この方法は、補正点算出工程110、変換点算出工程120、および逆補正点算出工程130からなる。
【0142】
ここでは、CIELAB色空間の歪みを考慮して出力装置の色域に合わせた圧縮を行うことを目的とした例を取り上げて説明する。したがって、この例における仮想変換ラインL3は、等色相線となる。
【0143】
(補正点算出工程)
補正点算出工程110は、変換対象点P1と補正データD2を用いて、補正点P21を算出する。
【0144】
この例における補正データD2は、CIELAB色空間に分散する複数の点からL*方向、a*方向、および、b*方向への補正量を持つ3次元ベクトル群とする。
【0145】
図21は、CIELAB色空間の歪みを補正するための補正データD2を構成するある一つの補正ベクトルVを説明する図である。この図は、CIELAB色空間のa*軸とb*軸とによって2次元的に示したものである。
【0146】
この補正ベクトルVの始点Vsが、この補正ベクトルVが対応する変換対象点となる。この補正ベクトルVの終点Veは、色空間の歪みを各軸方向ごとに補正する補正量により決定する。
【0147】
具体的には、始点Vsとこの始点Vsによって一意に決定できる定点P0とを通る等色相で、かつ明度と彩度が一様に変化するような仮想変換ラインL3が存在する場合、この仮想変換ラインL3と基準面C4と呼ぶ閉曲面との交点を基準点P26と定義する。この基準面C4は、任意の点に対応する定点P0からその任意の点に向かう半直線が一度だけ交差するような閉曲面であれば、どんなものでも良い。この例ではこの閉曲面C4として出力外郭曲面C2を用いている。
【0148】
この基準点P26は、色空間の歪みを考慮して始点Vsを基準面上の点に変換する場合に変換される点となる。そこで、この基準点P26と定点P0を通る直線L4上で、かつ始点Vsの彩度と等しい値を持つ点を終点Veとする。このようにして、仮想変換ラインL3から基準面C4を基準とした補正データD2を作成することができる。
【0149】
以上説明したようにして作成した補正データD2の3次元ベクトル群を補間することにより変換対象点P1に対応する、すなわち、変換対象点P1を始点とする補正ベクトルを決定し、変換対象点P1にこの補正ベクトルを加えることにより補正点P21を算出する。
【0150】
(変換点算出工程)
変換点算出工程120は、出力装置の色域に合わせて、補正点算出工程110で算出した補正点P21を定点P0から補正点P21に伸びる半直線上の点に変換する。
【0151】
この例では、第1の実施形態で詳細に説明した入力最外郭点算出工程、出力外郭点算出工程、第1重み係数決定工程により算出した補正点P21に対する第1重み係数W1と出力外郭点P23と定点P0から変換点P24を算出する。ただし、各工程において変換対象点P1を補正点P21で、第1変換点P4を変換点P24で、ベースラインL1を補正ベースラインで、読み替える必要がある。具体的には、P24=P0+W1×(P23−P0)という式で変換点P24を算出する。
【0152】
この例では、原稿に適応的な変換点の算出方法を使用したが、この第2の実施形態においては、補正ベースライン上に変換点が算出されさえすれば、出力装置の色域に合わせた圧縮もしくは伸張の方法はどんな方法を用いても良い。したがって、変換点P24を常に出力外郭点P23にしても良いし、既存の方法を用いても良い。
【0153】
また、出力装置の色域内における補正ベースラインL2と仮想変換ラインL3との差が十分小さい場合には、ここで算出した変換点を最終変換点としてもよい。この場合には、次の逆補正点算出工程を省略することができる。
【0154】
(逆補正点算出工程)
逆補正点算出工程130は、変換点算出工程120で算出した変換点P24に対して、この変換点P24に対応した逆補正データD3を適用することで最終変換点を算出する。
【0155】
この例における逆補正データD3は、CIELAB色空間に分散する複数の点からL*方向、a*方向、および、b*方向への補正量を持つ3次元ベクトル群とする。
【0156】
この逆補正データD3を構成する逆補正ベクトルは、補正データD2に含まれている補正ベクトルの始点と終点とを入れ替えたものと等しい。つまり、補正データD2に含まれる変換対象点Vsに対応する補正ベクトルVがあった場合、逆補正データD3として、変換点Veに対応する逆補正ベクトルV’=−Vを加えることができる。したがって、この例のように異なるデータとしてD2とD3を保持することもできるし、補正データD2により逆補正データD3を代用することもできる。
【0157】
このようにして、補正データD2もしくは逆補正データD3から補間もしくは予測処理により、変換点P24に対応する逆補正ベクトルV’を算出する。そして、変換点P24に逆補正ベクトルV’を加えることで、最終変換点P25を算出する。
【0158】
この例では、この最終変換点P25が変換対象点P1の適切な変換点であるとしているが、この最終変換点P25を第1の実施形態で説明した第2変換点として、この第2変換点と対応する第1変換点とから最終変換点を算出するように構成することもできる。
【0159】
以上、説明した方法によれば、仮想変換ラインL3上の変換対象点P1を、やはり仮想変換ラインL3上の最終変換点P25に正確に変換することができる。この例において、仮想変換ラインは等色相線であるとしているので、変換対象点P1の色相を保存したまま、最終変換点P25を算出することができる。
【0160】
この例では、仮想変換ラインは等色相線であると仮定して説明したが、この発明はこれに限定する物ではなく、例えば、記憶色などのより好ましい色に近づけるための仮想変換ラインやこれらの合成による仮想変換ラインを用いることもできる。
【0161】
〔係数の生成と画像処理装置としての実施形態〕
図1〜図14、図18〜図21に示して上述した画像処理方法では、入力画像またはその部分領域の個々の画素値を変換対象点として最終変換点の画素値を一つずつ求め、入力画像またはその部分領域の全体を色域変換することも可能であるが、処理に時間がかかり、実用的でない。
【0162】
そこで、この発明では、さらに、上述した画像処理方法を用いて色域変換のための係数を生成し、その生成した係数を画像処理装置に搭載して、入力画像またはその部分領域を高速かつ簡便に色域変換できるようにする。
【0163】
(第1の例)
図16は、この発明の画像処理装置の一例を示す。この例は、3次元テーブルと補間演算部からなる3次元テーブル補間演算部91と4個の1次元テーブル92y,92m,92c,92kとによって、入力画像を色域変換してカラープリンタ93に出力する場合である。
【0164】
3次元テーブルに格納する全ての格子点データは、それぞれの格子点に対応する入力値を上記の変換対象点とすることによって、上記の最終変換点として生成し、さらに出力装置に依存の、この例ではカラープリンタ93に依存の色空間に変換する。
【0165】
出力装置に依存の色空間に変換するには、この例では入力の3次元空間から出力の4次元空間に変換するので、墨版生成の方法を決めるなど、自由度を一つ落とす必要がある。
【0166】
また、格子点には入力画像の色域の最外郭の外側に位置する点が含まれ、最終変換点として得られたデータが全て出力装置の色域内となるわけではないので、外挿能力の高い方法を用いる必要があるが、これについては、例えば、上記先願の方法を用いることができる。
【0167】
得られた最終変換点データが全て出力装置の色域に収まるわけではないという点は、入力画像の色域外の変換対象点に対しても外挿できるという、この発明の大きな特長であり、これによって、過度に不必要な色域圧縮を回避することができる。
【0168】
特に、パラメータの選択によって張り付けを行う場合でも、この外挿の利点を生かして、出力装置の色域外郭の少し外側の曲面、例えば、YMCK%が−10%から110%に相当する色域範囲を、仮想出力装置の色域外郭と想定して、この発明の方法を格子点データ生成に用いることによって、実際の出力装置の色域内は忠実に再現されるので、過度に不必要な色域圧縮を回避することができる。
【0169】
このように上述した方法によって最終変換点として得られたデータを、格子点データとして3次元テーブル補間演算部91の3次元テーブルに格納したら、次のステップとして、1次元テーブル92y,92m,92c,92kの入出力関係を設定する。
【0170】
この際に必要なことは、最終変換点が全て出力装置の色域に収まるわけではないので、すなわち、これら1次元テーブルの入力値は必ずしも0%から100%の間ではないので、入力のレンジを出力のレンジより広めにとっておくことと、出力のレンジは出力装置の色域内に必ず収まるようにすることである。
【0171】
入力レンジをどの程度広めにとればよいかは、計算誤差の程度、入力色域のスムージングの程度によって変わるが、例えば、入力レンジを−10%から110%とし、0%以下の入力値に対する出力値は0%に、100%以上の入力値に対する出力値は100%に、その間は入力値と出力値を同じにするような設定にすればよい。なお、実際のカラープリンタには経時変化があるので、この1次元テーブルの設定により経時変化を吸収するようにすることも可能である。
【0172】
以後は、画像処理装置として動作させればよい。この場合、入力画像またはその部分領域のデータ、この例ではL*’a*’b*’データの上位ビットによって3次元テーブル補間演算部91の3次元テーブルが索引されて、3次元テーブルから格子点データが読み出され、その読み出された格子点データが補間演算部において入力L*’a*’b*’データの下位ビットによって補間演算されて、3次元テーブル補間演算部91から、出力装置の色域にほぼ適合した、出力装置に依存の色空間データ、この例ではY’M’C’K’%が出力される。
【0173】
補間方法としては、単位立方体を6つの3角錐に分割して補間演算する方法、単位立方体を2つの3角柱に分割して補間演算する方法、単位立方体にそのまま補間を行う方法などが知られているが、いずれを用いてもよい。
【0174】
3次元テーブル補間演算部91からの、この例ではY’M’C’K’%は、1次元テーブル92y,92m,92c,92kによって、最終的に出力装置の色域内に収まる、出力装置に依存の色空間データ、この例ではYMCK%に変換される。
【0175】
そして、このYMCK%がカラープリンタ93に出力され、結果としてのプリント画像の色、この例ではL*’a*’b*’が出力される。
【0176】
入力画像が領域分割された部分領域であって、部分領域ごとに色処理内容を変える場合には、処理後の部分領域データをカラープリンタ93が有するページメモリに書き込み、さらに次の部分領域につき、3次元テーブル補間演算部91の格子点データを変えた上で処理をし、全ての部分領域につき処理を終了したら最終的にプリント出力する。
【0177】
入力色空間はCIELABに限らず、RGB,XYZ,YIQなどの他の色空間でも、適用することができる。また、カラープリンタに限らず、カラーディスプレイでも、1次元テーブルが3つでよい点、および上述した出力装置の色域の設定の注意点を除けば、カラープリンタの場合と同様に適用することができる。
【0178】
(第2の例)
図17は、この発明の画像処理装置の他の例を示す。この例は、マトリックスマスキング部95と1次元テーブル96r,96g,96bとによって、入力画像を色域変換してカラーディスプレイ97に出力する場合で、マトリックスマスキング部95には演算処理の係数を設定する。
【0179】
そのため、最初に、入力画像またはその部分領域の色域内の全ての格子点を入力の格子点として想定し、それに対応する入力値を変換対象点として、上述した方法によって最終変換点を算出し、その結果を出力装置に依存の色空間に変換したものを出力の格子点データとして、入力の格子点データと出力の格子点データから、最小2乗法を用いて係数を設定する。
【0180】
出力装置に依存の色空間に変換するには、計算誤差や、上述した入力色域のスムージングのために、最終変換点として得られたデータが全て出力装置の色域内に収まるわけではないので、外挿能力の高い方法を用いる必要があり、例えば、上記先願の方法を用いることができる。
【0181】
次に、1次元テーブル96r,96g,96bの入出力関係を設定する。この際に必要なことは、最終変換点が全て出力装置の色域に収まるわけではないので、すなわち、これら1次元テーブルの入力値は必ずしも0から255の間ではないので、入力のレンジを出力のレンジより広めにとっておくことと、出力のレンジは出力装置の色域内に必ず収まるようにすることである。
【0182】
入力レンジをどの程度広めにとればよいかは、計算誤差の程度、入力色域のスムージングの程度によって変わるが、例えば、入力レンジを−25から280とし、0以下の入力値に対する出力値は0に、255以上の入力値に対する出力値は255に、その間は入力値と出力値を同じにするような設定にすればよい。なお、実際のカラーディスプレイには経時変化があるので、この1次元テーブルの設定により経時変化を吸収するようにすることも可能である。
【0183】
以後は、画像処理装置として動作させればよい。この場合、入力画像またはその部分領域のデータ、この例ではX’Y’Z’データがマトリックスマスキング部95でマトリックス演算処理されて、マトリックスマスキング部95から出力装置の色域にほぼ適合した、出力装置に依存の色空間データ、この例ではR’G’B’が出力される。
【0184】
ここでの演算方法としては、3x3マトリックスのような低い次数の基本的な演算から、高次項やクロスターム項を追加した高い次数の演算まで、さまざまあるが、必要とされる演算精度と演算コストとのバランスを考慮して選択すればよい。
【0185】
マトリックスマスキング部95からの、この例ではR’G’B’データは、1次元テーブル96r,96g,96bによって、最終的に出力装置の色域内に収まる、出力装置に依存の色空間データ、この例ではRGBデータに変換される。
【0186】
そして、このRGBデータがカラーディスプレイ97に出力され、結果としてのディスプレイ表示色、この例ではL*’a*’b*’が出力される。
【0187】
入力画像が領域分割された部分領域であって、部分領域ごとに色処理内容を変える場合には、処理後の部分領域データをカラーディスプレイ97が有するページメモリに書き込み、さらに次の部分領域につき、マトリックスマスキング部95の係数を変えた上で処理をし、全ての部分領域につき処理を終了したら最終的にディスプレイ表示する。
【0188】
入力色空間はXYZに限らず、RGB,CIELAB,YIQなどの他の色空間でも、適用することができる。また、カラーディスプレイに限らず、カラープリンタでも、マトリックスマスキング部95に墨版生成の機能が追加される点、1次元テーブルが4つになる点、および上述した出力装置の色域の設定の注意点の差を除けば、カラーディスプレイの場合と同様に適用することができる。
【0189】
【発明の効果】
この発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0190】
(1)入力画像の分布に依存して、色域圧縮の必要な領域のみを色域圧縮することができる。したがって、最小限の彩度低下で済み、原稿との色差が小さくなる。
【0191】
(2)色域圧縮の方向を、各領域ごとに連続的に調整することができる。したがって、入力色空間の色相線の曲がりや出力装置の色域の形状に対応した最適な圧縮方向を選択することができる。
【0192】
(3)色域圧縮の量を、張り付けも含めて連続的に調整することができる。したがって、ユーザーの好みによってパラメータを変えるだけで、さまざまな圧縮または伸長を選択することができる。
【0193】
(4)多次元DLUT補間演算型の色変換器によって色域圧縮する場合に、特に張り付け時の過度に不必要な色域圧縮を避けることができる。したがって、出力装置の色域内での色差や疑似輪郭の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の画像処理方法の説明に供する図である。
【図2】第1の発明の画像処理方法の説明に供する図である。
【図3】定点の設定例を示す図である。
【図4】定点の設定例を示す図である。
【図5】出力外郭曲面の設定例を示す図である。
【図6】この発明の画像処理方法の第1の実施形態を示す図である。
【図7】出力外郭点算出工程の例を示す図である。
【図8】入力最外郭点算出工程の例を示す図である。
【図9】入力最外郭点算出工程の例を示す図である。
【図10】第1重み係数の決定に用いる関数形状の例を示す図である。
【図11】第1重み係数の決定に用いる関数形状の例を示す図である。
【図12】第2重み係数の決定に用いる関数形状の例を示す図である。
【図13】第2変換点算出工程の例を示す図である。
【図14】第2変換点算出工程の例を示す図である。
【図15】 別の画像処理方法を示す図である。
【図16】この発明の画像処理装置の第1の実施形態を示す図である。
【図17】この発明の画像処理装置の第2の実施形態を示す図である。
【図18】 第2の発明の画像処理方法の説明に供する図である。
【図19】 第2の発明の画像処理方法の説明に供する図である。
【図20】 この発明の画像処理方法の第2の実施形態を示す図である。
【図21】 第2の発明の画像処理方法における補正データを説明する図である。
【符号の説明】
P0 定点
P1 変換対象点
P2 出力外郭点
P3 入力最外郭点
P4 第1変換点
P5 第2変換点
P6 最終変換点
P21 補正点
P22 入力最外郭点
P23 出力外郭点
P24 変換点
P25 最終変換点
P26 補正点
C2 出力外郭曲面
C3 入力最外郭曲面
C4 基準面
L1 ベースライン
L2 補正ベースライン
L3 仮想変換ライン
L4 変換ライン
L5 補正ライン
D1 補正データ
D2 補正データ
D3 逆補正データ

Claims (17)

  1. カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理方法において、
    変換対象点から一意に決定する前記カラー画像出力装置の色域内の定点と前記変換対象点とを結ぶ直線であるベースラインと、前記カラー画像出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面との、交点である出力外郭点を求める出力外郭点算出工程と
    前記ベースラインと、前記カラー入力画像または前記部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面との、交点である入力最外郭点を求める入力最外郭点算出工程と
    前記出力外郭点および前記入力最外郭点から、第1重み係数および第2重み係数を決定する重み係数決定工程と
    前記定点、前記出力外郭点および前記第1重み係数を用いて、前記変換対象点を前記ベースライン上の点に圧縮または伸張して、第1変換点を算出する第1変換点算出工程と、
    前記変換対象点を、その変換対象点に対応する補正データにより補正して、補正点を算出する補正点算出工程と
    前記第1重み係数を用いて、前記補正点を、その補正点と前記定点とを結ぶ直線である補正ライン上の点に圧縮または伸張して、第2変換点を算出する第2変換点算出工程と、
    前記第1変換点、前記第2変換点および前記第2重み係数を用いて、前記第1変換点と前記第2変換点とを結ぶ線分上の点を、前記変換対象点についての最終変換点として算出する最終変換点算出工程とを備え、
    前記第1重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記出力外郭点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合には、その比R2が入力R1のときの第1重み係数である第1パラメータと、前記定点から前記出力外郭点までの距離の何割までを前記変換対象点と前記第1変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、前記比R2が1より大きい場合には、入力R1が1であるときの第1重み係数である第3パラメータと、前記第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、
    前記第2重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第2重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記入力最外郭点までの距離の何割までを前記第1変換点と前記最終変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第4パラメータと、前記定点から前記入力最外郭点までの距離の何割以上を前記第2変換点と前記最終変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第5パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 請求項1の画像処理方法において、前記第2変換点算出工程は、
    入力色空間の等色相情報と前記出力外郭曲面の情報をもとに、前記補正データとして離散的なデータを予め算出しておく補正データ準備工程と、
    その算出された補正データを用いて、前記変換対象点に対応する補正値を算出する補正値算出工程と、
    その算出された補正値を前記変換対象点データに加算することによって、変換対象補正点を求める補正点算出工程と、
    前記出力外郭曲面上の複数の代表点を予め算出しておく出力外郭代表点準備工程と、
    その算出された複数の出力外郭代表点の座標を、前記定点を中心とした極座標に変換する極座標変換工程と、
    その変換された複数の出力外郭代表点の極座標をもとに、前記第2変換点を、前記定点から前記変換対象補正点に向かう線と、前記出力外郭曲面を前記第1重み係数で縮小または拡大した出力仮想外郭曲面との、交点として求める第2変換点算出最終工程と、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  3. 請求項1の画像処理方法において、前記第2変換点算出工程は、
    入力色空間の等色相情報と前記出力外郭曲面の情報をもとに、前記補正データとして離散的なデータを予め算出しておく補正データ準備工程と、
    その算出された補正データを用いて、前記入力最外郭点に対応する補正値を算出する補正値算出工程と、
    その算出された補正値を前記入力最外郭点データに加算することによって、入力最外郭補正点を求める補正点算出工程と、
    前記出力外郭曲面上の複数の代表点を予め算出しておく出力外郭代表点準備工程と、
    その算出された複数の出力外郭代表点をもとに、前記定点から前記入力最外郭補正点に向かう線と前記出力外郭曲面との交点である入力最外郭最適変換点を求める入力最外郭最適変換点算出工程と、
    その算出された入力最外郭最適変換点と前記定点とを前記第1重み係数を用いて重み付け平均することによって、前記第2変換点を求める第2変換点算出最終工程と、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  4. カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理方法において、
    変換対象点を、その変換対象点に対応する補正データにより補正して、補正点を算出する補正点算出工程と、
    前記変換対象点から一意に決定する前記カラー画像出力装置の色域内の定点と前記補正点とを結ぶ直線である補正ベースラインと、前記カラー画像出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面との、交点である出力外郭点を求める出力外郭点算出工程と
    前記補正ベースラインと、前記カラー入力画像または前記部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面との、交点である入力最外郭点を求める入力最外郭点算出工程と
    前記出力外郭点および前記入力最外郭点から、前記補正点を圧縮または伸張する割合である第1重み係数を決定する重み係数決定工程と
    前記定点、前記出力外郭点および前記第1重み係数を用いて、前記補正点を前記補正ベースライン上の点に圧縮または伸張して、第1変換点を算出する第1変換点算出工程と、
    前記第1変換点を、その第1変換点に対応する逆補正データにより補正して、前記変換対象点についての最終変換点を算出する最終変換点算出工程とを備え、
    前記第1重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記出力外郭点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合には、その比R2が入力R1のときの第1重み係数である第1パラメータと、前記定点から前記出力外郭点までの距離の何割までを前記変換対象点と前記第1変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、前記比R2が1より大きい場合には、入力R1が1であるときの第1重み係数である第3パラメータと、前記第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  5. 請求項1または4の画像処理方法において、前記出力外郭点算出工程は、
    前記カラー入力画像または前記部分領域の色域が既知の、または定義されている場合に、予め記憶されている前記入力最外郭曲面上の複数の代表点の情報と、前記変換対象点の情報とに基いて、前記入力最外郭点を求めることを特徴とする画像処理方法。
  6. 請求項1または4の画像処理方法において、前記入力最外郭点算出工程は、
    前記カラー入力画像または前記部分領域の画素値を前記定点を中心とした極座標に変換する極座標変換工程と、
    その変換後の極座標の局所見込み角ごとに最大絶対値を有する画素を、前記入力最外郭曲面上の複数の代表点として求める入力最外郭代表点選出工程と、
    その得られた代表点情報と、前記変換対象点の情報とに基いて、前記入力最外郭点を求める入力最外郭点算出最終工程と、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  7. 請求項1または4の画像処理方法において、前記入力最外郭点算出工程は、
    前記カラー入力画像または前記部分領域の画素値から複数の入力最外郭代表点候補を選出する入力最外郭代表点候補選出工程と、
    その得られた入力最外郭代表点候補の画素値を前記定点を中心とした極座標に変換する極座標変換工程と、
    その変換後の極座標の局所見込み角ごとに最大絶対値を有する画素を、前記入力最外郭曲面上の複数の代表点として求める入力最外郭代表点選出工程と、
    その得られた代表点情報と、前記変換対象点の情報とに基いて、前記入力最外郭点を求める入力最外郭点算出最終工程と、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項1または4の画像処理方法において、前記入力最外郭点算出工程は、
    前記カラー入力画像または前記部分領域の色域が既知の、または定義されている場合に、予め記憶されている前記入力最外郭曲面上の複数の代表点の情報と、前記変換対象点の情報とに基いて、前記入力最外郭点を求めることを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項1または4の画像処理方法において、
    前記補正データは、色空間における複数の対象点に対応する補正ベクトルから構成され、それぞれの補正ベクトルは、前記対象点と前記対象点により一意に決定される定点とを通る理想的な変換曲線と、前記定点を内部に持つ基準閉曲面との交点を基準点とし、前記対象点を前記定点から前記基準点に向かう半直線上の点に写像するベクトルであることを特徴とする画像処理方法。
  10. カラー入力画像またはその部分領域の色域内の複数の代表点を変換対象点として、請求項1または4の画像処理方法によって最終変換点を求め、その得られた複数の最終変換点の色座標値、またはこれをカラー画像出力装置に依存の色空間に変換した後の色座標値を、カラー入力画像またはその部分領域を色域変換するために用いられる多次元変換テーブルに格納される格子点データとする格子点データ生成方法。
  11. カラー入力画像またはその部分領域の色域内の複数の代表点を変換対象点として、請求項1または4の画像処理方法によって最終変換点を求め、その得られた変換対象点と最終変換点との対応関係から、カラー入力画像またはその部分領域を色域変換するための係数を生成する変換係数生成方法。
  12. カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理装置において、
    変換対象点から一意に決定する前記カラー画像出力装置の色域内の定点と前記変換対象点とを結ぶ直線であるベースラインと、前記カラー画像出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面との、交点である出力外郭点を求める出力外郭点算出手段と
    前記ベースラインと、前記カラー入力画像または前記部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面との、交点である入力最外郭点を求める入力最外郭点算出手段と
    前記出力外郭点および前記入力最外郭点から、第1重み係数および第2重み係数を決定する重み係数決定手段と
    前記定点、前記出力外郭点および前記第1重み係数を用いて、前記変換対象点を前記ベースライン上の点に圧縮または伸張して、第1変換点を算出する第1変換点算出手段と、
    前記変換対象点を、その変換対象点に対応する補正データにより補正して、補正点を算出する補正点算出手段と
    前記第1重み係数を用いて、前記補正点を、その補正点と前記定点とを結ぶ直線である補正ライン上の点に圧縮または伸張して、第2変換点を算出する第2変換点算出手段と、
    前記第1変換点、前記第2変換点および前記第2重み係数を用いて、前記第1変換点と前記第2変換点とを結ぶ線分上の点を、前記変換対象点についての最終変換点として算出する最終変換点算出手段とを備え、
    前記第1重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記出力外郭点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合には、その比R2が入力R1のときの第1重み係数である第1パラメータと、前記定点から前記出力外郭点までの距離の何割までを前記変換対象点と前記第1変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、前記比R2が1より大きい場合には、入力R1が1であるときの第1重み係数である第3パラメータと、前記第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、
    前記第2重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第2重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記入力最外郭点までの距離の何割までを前記第1変換点と前記最終変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第4パラメータと、前記定点から前記入力最外郭点までの距離の何割以上を前記第2変換点と前記最終変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第5パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  13. カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理装置において、
    変換対象点を、その変換対象点に対応する補正データにより補正して、補正点を算出する補正点算出手段と、
    前記変換対象点から一意に決定する前記カラー画像出力装置の色域内の定点と前記補正点とを結ぶ直線である補正ベースラインと、前記カラー画像出力装置の色域の最外郭曲面または色域内の閉曲面である出力外郭曲面との、交点である出力外郭点を求める出力外郭点算出手段と
    前記補正ベースラインと、前記カラー入力画像または前記部分領域の色域の最外郭曲面である入力最外郭曲面との、交点である入力最外郭点を求める入力最外郭点算出手段と
    前記出力外郭点および前記入力最外郭点から、前記補正点を圧縮または伸張する割合である第1重み係数を決定する重み係数決定手段と
    前記定点、前記出力外郭点および前記第1重み係数を用いて、前記補正点を前記補正ベースライン上の点に圧縮または伸張して、第1変換点を算出する第1変換点算出手段と、
    前記第1変換点を、その第1変換点に対応する逆補正データにより補正して、前記変換対象点についての最終変換点を算出する最終変換点算出手段とを備え、
    前記第1重み係数は、前記定点から前記変換対象点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R1を入力とし、第1重み係数を出力とする1変数関数計算を行うことによって決定し、その1変数関数の形状は、前記定点から前記出力外郭点までの距離と前記定点から前記入力最外郭点までの距離との比R2が1以下の場合には、その比R2が入力R1のときの第1重み係数である第1パラメータと、前記定点から前記出力外郭点までの距離の何割までを前記変換対象点と前記第1変換点の座標が同一となるように設定するかを決める第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定し、前記比R2が1より大きい場合には、入力R1が1であるときの第1重み係数である第3パラメータと、前記第2パラメータとの、少なくとも2つのパラメータから決定する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  14. カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理装置において、
    請求項10の格子点データ生成方法によって生成された格子点データが格納された多次元変換テーブルを有し、前記カラー入力画像または前記部分領域の画素値をアドレスとして、この多次元変換テーブルを索引し、その読み出された格子点データを前記カラー入力画像または前記部分領域の画素値を用いて補間演算することによって、前記カラー画像出力装置の色域にほぼ適合した、出力装置に依存の色空間の画素値を得る前段変換処理部と、
    この前段変換処理部から得られた画素値を最終的に前記カラー画像出力装置の色域内に収まる画素値に変換する、複数の1次元変換テーブルからなる後段変換処理部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  15. カラー入力画像またはその部分領域をカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する画像処理装置において、
    請求項11の変換係数生成方法によって生成された係数を用いて、前記カラー入力画像または前記部分領域の画素値をマトリックス演算することによって、前記カラー画像出力装置の色域にほぼ適合した、出力装置に依存の色空間の画素値を得る前段変換処理部と、
    この前段変換処理部から得られた画素値を最終的に前記カラー画像出力装置の色域内に収まる画素値に変換する、複数の1次元変換テーブルからなる後段変換処理部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  16. 請求項12〜15のいずれかの画像処理装置を備え、前記カラー画像出力装置としてのプリンタまたはディスプレイにカラー画像を出力させる、コンピュータ上で実行可能なシステム装置。
  17. 請求項1または4の画像処理方法を行う処理プログラムが、読み出し可能な状態で書き込まれた、コンピュータの記憶装置として用いられる記録媒体。
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