JP4014191B2 - インクジェット記録装置、記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録装置、記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置において使用するインクジェットヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧室と、この加圧室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備え、圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動することにより加圧室内の圧力/体積を変化させてノズルからインク滴を吐出させる。
【0003】
従来のインクジェットヘッドとしては、圧力発生手段の方式の点から、加圧室の壁面を形成する振動板を圧電素子を用いて変形変位させることで加圧室内インクを加圧するピエゾ型のもの、加圧室内に設けた発熱抵抗体を用いて膜沸騰でバルブを発生させることで加圧室内インクを加圧するバブル型のもの、加圧室の壁面を形成する振動板とこれに対向する電極を用いて、振動板を静電力で変形変位させることで加圧室内インクを加圧する静電型のものに大別される。
【0004】
ところで、インクジェット記録装置は、ドットによって画像を形成するためにドットサイズと解像度が画質に大きく関わってくる。すなわち、解像度に対してドットサイズが小さすぎると、ベタの埋まりの悪い白っぽい画像となってしまい、逆に、解像度に対してドットサイズが大きすぎると、階調の抑制が効かず、粒状性の著しく悪い画像になってしまう。
【0005】
一方、高画質化の要望に応える形でドットサイズの縮小と高解像度化が進んできている。しかし、ドットサイズが小さくなり解像度が上がっていくと、単位面積をドットで埋めるのにより多くの時間がかかるようになってしまい、結果として印字速度が低下してしまうことになる。理論的には、解像度の増加に合わせてより短い周期(高周波数駆動)でインク滴を噴射すれば良いのであるが、実際には駆動周波数を倍にすることは容易でない。
【0006】
そこで、従来、ノズル数を増やして一度に画像を形成する領域を大きくすることで全体的な印字速度の低下を抑制する方法、インク滴量を可変できるヘッドを用いて、記録するモードに応じて解像度とドットサイズを切り替える方法が用いられている。前者の方法は、ノズル数を倍にすれば印字速度も倍にでき、非常に効果的な方法であるが、実装面積やコスト、印字位置の用紙押さえ等の問題から、これにも限界がある。また、インク滴量を可変する方法は、単純に画質を落として印字速度を速くするだけのことで、高解像度モードの印字速度は遅いままである。そのため、これらの方法と駆動周波数の増加が併用されている。
【0007】
そのうち、インク滴量を可変する方法については、例えば特開平11−010842号公報に記載されているように、液室に加える圧力を切り替えることによってインク滴量を制御する方法と、特開平11−020165号公報に記載されているように、ノズル孔の液面(メニスカス)の振動に合わせて駆動タイミングをずらすことによって、擬似的に液室容積を可変し、インク滴量を制御する方法が知られている。いずれも何れも、圧力発生手段によらずに適用することが可能であり、これらの2つの方法では、異なるインク滴量に対応したユニットを別々に持つよりもノズル数を稼ぐことができ、小型化や印字速度の点で有利である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、インク滴の大きさは、加圧が行われる液室の大きさや形状、インクそのものの粘度、ノズルの径やノズル表面の濡れ性、ユニット全体での流体抵抗等の影響を大きく受け、インク滴の大きさによって最適値は異なる。そのため、同一のユニットで大きさの異なるインク滴を吐出する場合、インク滴を吐出するユニットは、大きい方の滴か小さい方の滴の何れか、あるいはどちらにも対応可能なように中間レベルに合わせて最適化をすることになる。
【0009】
そのため、他方の大きさの滴を形成吐出するときには、圧力やタイミングを変えることで他方の大きさの滴を吐出できるための条件を作り出さなければならないことから、様々な制限が発生してしまう。例えば、大きい滴に最適化されたユニットで小さい滴を形成する場合、噴射圧力を弱めたり、メニスカスが液室方向に引き込んだタイミングで噴射を行うためため、インク滴の飛翔速度が遅くなってドット形成位置精度が影響を受けたり、液室内に気泡を引き込み噴射異常を起こしやすくなってしまう。
【0010】
また、その逆では、圧力過剰により噴射された滴が曳糸状に長く尾を引き、サテライトを多発させてドット形状を劣化させたり、噴射したインク滴量と同じだけの量を直ぐに液室内に供給できずに、インク滴量を一定値に保てなくなる恐れがある。そのため、インク滴量可変機能を持っていても、その可変幅をあまり大きくできないという課題がある。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、サテライトドットが認識し難い画像を記録できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、肉眼で識別可能なインク滴が分割されて、肉眼で認識できない大きさのメインドットとサテライトドットとを形成するとともに、サテライトドットの中心位置が、メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成される構成としたものである。
【0013】
ここで、メインドットと他のメインドットに対するサテライトドットとが同じ着弾位置になるときには当該メインドットを形成するインク滴を吐出させない構成とすることができる。また、メインドットとサテライトドットとを形成するインク滴を吐出させる駆動制御手段を備えることができる。この場合、駆動制御手段は、肉眼で認識できない大きさのドットを形成するときにはサテライトドットが形成されるインク滴を吐出させるとともに、肉眼で認識できない大きさのドット以外のドットを形成するときにはサテライトドットが発生しないか、サテライトドットがメインドット内に吸収されるインク滴を吐出させる構成とすることができる。また、サテライトドットの面積がメインドットの面積よりも小さくなるインク滴を吐出させることが好ましい。
【0014】
また、記録画像が文字又は線画像であるときはサテライトドットが形成されないインク滴を吐出させることが好ましい
【0015】
また、淡い色のインクを用いるときにのみサテライトドットが形成されるインク滴を吐出させることが好ましい。さらに、画像のハイライト部でのみサテライトドットが形成され、シャドウ部ではサテライトドットが形成されないインク滴を吐出させることが好ましい。
本発明に係る記録方法は、肉眼で識別可能な前記インク滴が分割されて、肉眼で認識できない大きさのメインドットとサテライトドットとを形成するとともに、サテライトドットの中心位置が、メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成される構成とした
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の概略構成図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1,2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジ5を主走査方向に摺動自在に支持している。
【0017】
キャリッジ5には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド6y,6m,6c,6kを、その吐出面(ノズル面)を下方に向けて搭載し、またキャリッジ5にはヘッド6(符号「6」は、「6y,6m,6c,6k」のいずれか又は総称である。)の上側に4個のヘッド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ7(符号「7」は、「7y,7m,7c,7k」のいずれか又は総称)を交換可能に搭載している。
【0018】
そして、キャリッジ5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
【0019】
また、側板1,2をつなぐ底板12上にサブフレーム13,14を立設し、このサブフレーム13,14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19とを備えている。
【0020】
さらに、側板1とサブフレーム12との間には、ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」という。)21を配置している。サブシステム21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持して、キャリッジ5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25にキャリッジ5が当接することで、キャリッジ5の移動に従ってホルダ23がリフトアップしてキャップ手段22でヘッド6の吐出面をキャッピングし、キャリッジ5が印写領域側へ移動することで、キャリッジ5の移動に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段22がヘッド6の吐出面から離れるようにしている。
【0021】
なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ27は吸引した廃液(廃インク)をドレインチューブ等を介して廃液貯留槽に排出する。
【0022】
さらに、ホルダ23の側方には、ヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード30をブレードアーム31に取付け、このブレードアーム31は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
【0023】
このように構成したこの記録装置では、ヘッド6(キャリッジ5)を主走査方向に移動走査させながら、用紙16を副走査方向に搬送して、各ヘッドのノズルから所要の色のインク滴を吐出させることによって、用紙16上に所要のカラー画像(モノクロ画像を含む。)を記録する。
【0024】
次に、このインクジェット記録装置におけるヘッド6を構成するインクジェットヘッドの一例について図2乃至図4を参照して説明する。なお、図2はインクジェットヘッドの液室構成の一例を示す平面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB部をノズル側から透過的に表現した拡大説明図である。
【0025】
このインクジェットヘッドの液室構成は、複数のノズル41と、各ノズル41が連通する加圧室42と、各加圧室42にインクを供給する共通液室43と、各加圧室42と共通液室43とを連通する流体抵抗部44と、共通液室43にインクカートリッジ7からインクを供給する供給口45とを有している。
【0026】
ここで、複数のノズル41はノズルプレート50に形成し、このノズルプレート50と、圧力発生手段である圧電素子51で変位される振動板52と、これらのノズルプレート50と振動板52の間に設けた複層構造のインキ液室形成部材53とによって、上記の加圧室42、共通液室43及び流体抵抗部44を形成し、また振動板52に供給口45を形成している。ここで、圧力発生手段である圧電素子51は加圧室42の外部に設けている。
【0027】
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。
この制御部は、この記録装置全体の制御を司る駆動制御手段を兼ねたマイクロコンピュータ(以下、「CPU」と称する。)60と、所要の固定情報を格納したROM61と、ワーキングメモリ等として使用するRAM62と、ホスト側から転送される画像データを処理したデータを格納する画像メモリ63と、パラレル入出力(PIO)ポート64と、入力バッファ65と、パラレル入出力(PIO)ポート66と、波形生成回路67と、ヘッド駆動回路68及びドライバ69等を備えている。
【0028】
ここで、PIOポート64にはホスト側から画像データなどの各種情報、図示しない操作パネルからの信頼性回復指示情報等の各種指示情報、用紙の始端、終端を検知する紙有無センサからの検知信号、キャリッジ5のホームポジション(基準位置)を検知するホームポジションセンサ等の各種センサからの信号等が入力され、またこのPIOポート64を介してホスト側や操作パネル側に対して所要の情報が送出される。
【0029】
また、波形生成回路67は、インクジェットヘッドの圧電素子51に印加する駆動波形を生成して出力する。この波形生成回路67にはD/A変換器を用いてCPU60から与えられる電圧データをD/A変換することにより、大ドットを形成するための第1駆動波形、小ドットを形成するための第2駆動波形、微小ドットを形成するための第3駆動波形を生成出力するようにしている。
【0030】
ヘッド駆動回路68は、PIOポート66を介して与えられる各種データ及び信号に基づいて、ヘッド6の各ノズル41に対応する圧電素子51に対して波形生成回路67から出力された駆動波形を印加する。さらに、ドライバ69は、PIOポート66を介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ8及び副走査モータ17を各々駆動制御することで、キャリッジ5を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ15を回転させて用紙16を所定量搬送させる。
【0031】
次に、このように構成したインクジェット記録装置の作用について本発明に係る記録方法、本発明に係る記録物を含めて図6以降をも参照して説明する。
先ず、図6及び図7を参照して本発明による微小ドットの形成について説明する。この記録装置においては、図6に示すように、大ドット及び小ドットの外に、微小ドットを形成することができる。この微小ドットはメイン滴が着弾して形成されるメインドットDmとサテライト滴が着弾して形成されるサテライトドットDsに分割したものであり、インク滴量としては小ドットと微小ドットは同じである。
【0032】
この場合、図7に示すように大ドット及び小ドットは肉眼に認識することができるが、小ドットを分割した微小ドットは肉眼で認識できない大きさを有している。このように肉眼で認識できないドットではサテライトが発生したとしても画像品質的には問題がないことになる。
【0033】
一方、この記録装置のように圧電素子51をアクチュエータ部に用いたヘッドにおいては、圧電素子51に印加する駆動波形の波高値(電圧値)Vp、立ち上がり時定数tr、立下り時定数tfを変化させることによってノズル41から吐出されるインク滴の滴体積Mjや滴速度Vjを変化させることができる。
【0034】
そこで、制御部の波形生成回路67からは、通常の大ドットを形成するための第1駆動波形、小ドットを形成するための第2駆動波形及び微小ドットを形成するための第3駆動波形を生成し、印字するドットに応じて応じて駆動波形を選択して生成出力し、又は生成された3種類の駆動波形からヘッド駆動回路68が印字するドットに応じた駆動波形を選択して圧電素子51に印加するようにしている。
【0035】
ここで、微小ドットを形成するための第3駆動波形P3としては、図8(a)に示すような駆動波形P31、或いは同図(b)に示すような駆動波形P32、若しくは同図(c)に示すような駆動波形P33を生成して出力し、この駆動波形をヘッド駆動回路68からヘッドの圧電素子51に印加する。
【0036】
このような駆動波形をヘッドに与えた場合、図9(a)に示すようにヘッドからメイン滴Imとサテライト滴Isとが分離した状態で吐出され、同図(b)に示すようにそのままメイン滴Imとサテライト滴Isとが分離したまま飛翔して、同図(c)に示すように用紙上で一定位置ずれた位置にメイン滴Imとサテライト滴Isが着弾する。
【0037】
これに対して、通常の大ドットを形成するための第1駆動波形や小ドットを形成するための第2駆動波形を与えた場合には、図10(a)に示すようにヘッドからメイン滴Imとサテライト滴Isとが分離した状態で吐出されるが、同図(b)に示すようにサテライト滴Isが飛翔中にメイン滴Imに融合し、同図(c)に示すように一塊となって用紙上にメイン滴Imとして着弾する。あるいは、そもそもサテライトドットが発生しない状態でインク滴吐出が行われる駆動波形を印加することもできる。
【0038】
このように、微小ドット以外のドットを形成するときにはサテライトドットが発生しないかサテライトドットがメインドット内に吸収されるインク滴を吐出させ、微小ドットを形成するときにはサテライトドットが形成されるインク滴を吐出させる駆動制御手段を備えることにより、微小ドットを形成することができて画像の粒状性を向上することができる。
【0039】
次に、微小ドットを形成するときのサテライトドットの着弾位置について図11を参照して説明する。
図11(a)に示すように、小ドットを分割したサテライト滴Isがメイン滴Imに非常に近い位置に着弾すると、サテライトドットDsとメインドットDmが融合したドットDとなり、場合によっては元々の小ドットよりも大きいドットして認識されてしまうことがある。また、仮に、サテライトドットとメインドットが融合しなかった場合でも、複数のサテライトドットが融合してメインドットよりも大きくなってしまった場合は、サテライトドットの方がメイン滴としての価値を持ってしまうので、ドットの座標データが乱れることになる。
【0040】
そこで、微小ドットを発生させるために分割したサテライトインク滴Isはメイン滴Imから離れた位置に着弾するようにインク滴を吐出させる駆動波形を印加する。記録装置では、ベタ印字の際に隙間が発生しないよう、隣り合ったドットが部分的に重なり合うようにドットサイズとドットピッチが設定されているため、着弾したサテライトインク滴がメイン滴に融合しないようにするには、メイン滴Imの着弾位置から少なくとも1ドットピッチ以上離れた位置にサテライト滴Isを着弾させる。つまり、サテライトドットの中心位置が、メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成されるようにサテライト滴Isを着弾させる。
【0041】
これによって、同図(b)に示すように、メインドットDmとサテライトドットDsを認識できない又は認識し辛いままにすることができる。また、サテライトドットDsのドットサイズが、少なくともメインドットDmと同程度以下に収まるように、サテライトドットの数を1つに抑えるか、サテライトインク滴同士の着弾位置精度を高める必要がある。
【0042】
次に、メイ滴ドットとサテライトドットの間隔と出力するデータとの関係について図12を参照して説明する。
同図(a)に示すように2値化後の画像データの出力ドットG1、G2(黒の塗り潰しドット)において、出力ドットG2の座標が、同図(b)に示すように主力ドットG1を微小ドット(メインドットDm1)で印字したときに発生するサテライトドットDs1の座標と一致する場合、出力ドットG2に対応するメインドットDmを打ちこむと、サテライトドットDs1上に出力ドットG2のメインドットDmが重ね打ちされることになる。
【0043】
この場合、ドットサイズそのものが2倍になることはないが、ドットの濃度が高くなり、特にフォトインク(淡い色のインク)を使用している時などはその特性を損なってしまうおそれがある。そこで、出力する座標とサテライトドットの座標が重複する場合には、サテライトドットをメインドットと同格に扱ってその座標に再度メインドットの打ち込みを行わないようにする。この場合、一回分のインク滴で2ドット分の印字を行うことになるので、僅かながらインク消費量の節約にもなる。
【0044】
次に、出力する画像データとの関係について図13及び図14をも参照して説明する。
画像データが文字や線画の場合には、孤立したドットが意味を持たず、ドットを集中させてパターンを形成するので、サテライトドット同士も集中して結合してしまうことになる。そのため、微細なドットであっても、それが隣接して繋がっていくとパターンとして認識しやすくなってしまう。例えば、図13或いは図14に示すように、メインドットによるパターンMdに近接してサテライトドット同士が繋がった余剰パターンSdが形成されて、あたかも滲みや二重線のように見えてしまうことになる。
【0045】
そこで、出力すべき画像データが文字や線画であるかどうかを判断し、文字や線画のときにはサテライトドットが形成されないインク滴を吐出させるように処理を切り替えることで対応することができる。また、より簡易には粒状性そのものが問題となるハイライト部のみでサテライトドットが形成され、シャドウ部ではサテライトドットが形成されないインク滴を吐出させるようにすることもできる。さらに、フォトインクを採用している場合には、ハイライト部は殆どフォトインクで処理されるので、フォトインク使用時のみサテライトドットを形成しないインク滴を吐出させるようにする。
【0046】
なお、上記実施形態においては、本発明をピエゾ型インクジェットヘッドを備えた記録装置について説明した、この他、加圧室の壁面を形成する振動板とこれに対向する電極を備えて、振動板を静電力で変形変位させてノズルから液滴を吐出させる静電型インクジェットヘッド、加圧室内で発熱抵抗体による膜沸騰を利用するバルブ型インクジェットヘッドなどを備えたインクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るインクジェット記録装置によれば、肉眼で識別可能なインク滴が分割されて、肉眼で認識できない大きさのメインドットとサテライトドットとを形成するとともに、サテライトドットの中心位置が、メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成される構成としたので、着弾したサテライト滴がメイン滴に融合しないようになり、メインドットとサテライトドットを認識できない又は認識し辛いままにすることができる。
【0048】
ここで、メインドットと他のメインドットに対するサテライトドットとが同じ着弾位置になるときには当該メインドットを形成するインク滴を吐出させない構成とすることで、インク消費量の節約を図れる。また、メインドットとサテライトドットとを形成するインク滴を吐出させる駆動制御手段を備えることで、着弾したサテライト滴がメイン滴に融合しないようにすることができる。この場合、駆動制御手段は、肉眼で認識できない大きさのドットを形成するときにはサテライトドットが形成されるインク滴を吐出させるとともに、肉眼で認識できない大きさのドット以外のドットを形成するときにはサテライトドットが発生しないか、サテライトドットがメインドット内に吸収されるインク滴を吐出させる構成とすることで、着弾したサテライト滴がメイン滴に融合しないようになり、メインドットとサテライトドットを認識できない又は認識し辛いままにすることができる。また、サテライトドットの面積がメインドットの面積よりも小さくなるインク滴を吐出させることで、サテライトドットの融合による画像劣化を防止できる。
【0049】
さらに、記録画像が文字又は線画像であるときはサテライトドットが形成されないインク滴を吐出させることで、サテライトドットの結合による画像劣化を防止できる。さらにまた、メインドットと他のメインドットに対するサテライトドットとが同じ着弾位置になるときには当該メインドットを形成するインク滴を吐出させないことで、ドットの濃度ムラの発生を防止できる。
【0050】
また、淡い色のインクを用いるときにのみサテライトドットが形成されるインク滴を吐出させることで、サテライトドットの結合による画像劣化を防止できる。さらに、画像のハイライト部でのみサテライトドットが形成され、シャドウ部ではサテライトドットが形成されないインク滴を吐出させることでもサテライトドットの結合による画像劣化を防止できる。
本発明に係る記録方法によれば、肉眼で識別可能な前記インク滴が分割されて、肉眼で認識できない大きさのメインドットとサテライトドットとを形成するとともに、サテライトドットの中心位置が、メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成される構成としたので、着弾したサテライト滴がメイン滴に融合しないようになり、メインドットとサテライトドットを認識できない又は認識し辛いままにすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図
【図2】インクジェットヘッドの液室構成の一例を示す平面図
【図3】図2のA−A線に沿う断面図
【図4】図2のB部をノズル側から透過的に表現した拡大説明図
【図5】同記録装置の制御部の概要を説明するブロック図
【図6】同記録装置におけるドット形成の説明に供する説明図
【図7】同記録装置におけるドットの視認可能性についての説明図
【図8】同記録装置における微小ドット形成のための駆動波形の異なる例を示す説明図
【図9】図8の駆動波形を印加した時の液滴吐出から着弾までの工程を説明する説明図
【図10】微小ドット以外のドットを形成するための駆動波形を印加した時の液滴吐出から着弾までの工程を説明する説明図
【図11】サテライト滴とメイン滴との着弾位置の説明に供する説明図
【図12】画像データと印字ドットとの関係の説明に供する説明図
【図13】サテライトドットの結合による余剰画像形成例を説明する説明図
【図14】サテライトドットの結合による余剰画像形成の他の例を説明する説明図
【符号の説明】
5…キャリッジ、6…ヘッド、41…ノズル、42…加圧室、51…圧電素子、67…波形生成回路、68…ヘッド駆動回路。

Claims (9)

  1. インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧室と、この加圧室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを有するヘッドを備えたインクジェット記録装置において、
    肉眼で識別可能な前記インク滴が分割されて、肉眼で認識できない大きさのメインドットとサテライトドットとを形成するとともに、
    前記サテライトドットの中心位置が、前記メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成される
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記メインドットと他のメインドットに対するサテライトドットとが同じ着弾位置になるときには当該メインドットを形成するインク滴を吐出させない
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記メインドットとサテライトドットとを形成するインク滴を吐出させる駆動制御手段を備えている
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
    前記駆動制御手段は、肉眼で認識できない大きさのドットを形成するときには前記サテライトドットが形成されるインク滴を吐出させるとともに、前記肉眼で認識できない大きさのドット以外のドットを形成するときには前記サテライトドットが発生しないか、前記サテライトドットが前記メインドット内に吸収されるインク滴を吐出させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
    前記サテライトドットの面積がメインドットの面積よりも小さくなるインク滴を吐出させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
    記録画像が文字又は線画像であるときは前記サテライトドットが形成されないインク滴を吐出させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
    淡い色のインクを用いるときにのみ前記サテライトドットが形成されるインク滴を吐出させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
    画像のハイライト部でのみ前記サテライトドットが形成され、シャドウ部では前記サテライトドットが形成されないインク滴を吐出させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧室と、この加圧室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを有するヘッドを備えたインクジェット記録装置における記録方法において、
    肉眼で識別可能な前記インク滴が分割されて、肉眼で認識できない大きさのメインドットとサテライトドットとを形成するとともに、
    前記サテライトドットの中心位置が、前記メインドットの着弾中心位置から2ドット以上離れた位置に形成される
    ことを特徴とする記録方法。
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