JP4013771B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関から排出される排気の浄化を行う排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、特に希薄燃焼を行う内燃機関から排出される排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化すべく吸蔵還元型のNOx触媒が開発されている。この吸蔵還元型のNOx触媒は、触媒周囲の雰囲気が高酸素濃度状態である場合は排気中に含まれるNOxを触媒内へと吸蔵し、触媒周囲の雰囲気が低酸素濃度状態で且つ還元成分が存在する場合、例えば燃料の未燃成分が存在している場合等は、触媒内に吸蔵されているNOxを還元することで、排気の浄化を行う触媒である。ここで、吸蔵還元型のNOx触媒によるNOxの浄化においては、NOx触媒周囲の雰囲気における酸素濃度および燃料濃度、換言すればNOx触媒周囲の空燃比を調整する必要がある。
【0003】
また、吸蔵還元型のNOx触媒においては、NOxと同様に排気中に含まれる硫黄酸化物(SOx)も吸蔵される。このSOxの吸蔵量が増加するに従い、NOx触媒のNOx浄化能力が低減する問題が発生する。そこで、SOxの吸蔵量が増大したNOx触媒の温度を上昇させるとともに該触媒を還元成分が存在する雰囲気に、例えば燃料の未燃成分が存在している雰囲気に曝すことによって、NOx触媒に吸蔵されていたSOxを該触媒から離脱させ、以てNOx触媒のNOx浄化能力を回復させる。
【0004】
ここで、SOxの離脱に際して硫化水素(H2S)が発生し、この硫化水素は、非常に強い臭気を有している。そこで、SOxの離脱に際してNOx触媒周囲に発生させる燃料の未燃成分濃度をリーン雰囲気とリッチ雰囲気とに断続的に切り替えることで、硫化水素の発生速度を抑え、以て臭気の発生を緩和させる(例えば、特許文献1参照)。このような場合においても、先述した場合と同様に、NOx触媒周囲の空燃比を調整する必要がある。
【0005】
NOx触媒周囲の空燃比の制御を行う場合、該NOx触媒に流入する排気の空燃比を、空燃比センサを介して推定し、その推定される空燃比が所定の空燃比となるようにフィードバック制御が行われる。ここで、空燃比センサは、固体電解質内を酸素イオン等が移動することによって、該固体電解質に生じる電位差に基づいて空燃比の検出を行うものである。ただし、空燃比センサによって検出される空燃比は、NOx触媒周囲における燃料の分子量によっては、即ち主に炭化水素の連鎖で構成される燃料の分子の連鎖の程度によっては、本来の空燃比から外れた値となる傾向がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−82137号公報
【特許文献2】
特開平7−217474号公報
【特許文献3】
特開2002−89350号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
排気中に含まれるNOxを吸蔵、還元して浄化するためのNOx浄化触媒を備える内燃機関において、フィードバック制御により該NOx触媒に流入する排気の空燃比を調整する場合、該NOx触媒の下流に備えられている空燃比センサを介して該フィードバック制御が行われていると、該NOx触媒における炭化水素改質能力、即ち排気中の燃料の分子量を小さくする能力によっては、空燃比センサによって検出される空燃比が、本来の空燃比から外れた値となる虞があり、該空燃比のフィードバック制御が精度よく行われるのが困難となる。
特に、該NOx触媒における炭化水素改質能力は、該NOx触媒に吸蔵されているSOx量に大きく依存し、吸蔵されたSOx量が大きくなるに従い炭化水素改質能力は低下する傾向にある。
【0008】
そこで、本発明では、排気中に含まれるNOxを吸蔵、還元して浄化するためのNOx触媒を備える内燃機関において該NOx触媒に流入する排気の空燃比をフィードバック制御する場合に、該NOx触媒に吸蔵されているSOx量に応じて該フィードバック制御を行うことで、該NOx触媒に流入する排気の空燃比を正確に制御し、以て排気の浄化等を確実に行う内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。即ち、排気に含まれるNOxを吸蔵、還元して排気の浄化を行うNOx触媒と、内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定するSOx量推定手段と、前記NOx触媒の下流の排気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記NOx触媒に流入する排気に燃料を供給する燃料供給手段と、少なくとも前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比をパラメータとして、前記燃料供給手段を介して前記NOx触媒に流入する排気の空燃比を所定の空燃比とするようにフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段とを備え、前記空燃比フィードバック制御手段は、前記SOx量推定手段によって推定されたSOx量が多くなるに従い、前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比をリッチ側の値とする補正又は前記所定の空燃比をリーン側の値とする補正の少なくとも何れかの補正を行うことを特徴とする。
【0010】
上記の内燃機関の排気浄化装置においては、NOx触媒に流入する排気の空燃比が、空燃比検出手段によって推定された空燃比をパラメータとして空燃比フィードバック制御手段によってNOx触媒に流入する排気の空燃比が所定の空燃比となるべく制御される。ここで、空燃比検出手段としては、空燃比センサが挙げられる。この空燃比センサは、センサ部分が主にジルコニア等の固体電解質で構成され、該固体電解質の内部を酸素イオンが移動することによって該固体電解質に発生する電位差を、該固体電解質表面に設けられた電極によって感知することで検出される酸素濃度を基に空燃比を検出するセンサである。具体的には、ジルコニア型酸素センサ等が挙げられる。しかし、該空燃比センサは該固体電解質表面上を多孔質部材からなる拡散抵抗層で覆われていること等に依り、空燃比センサがセンシングする雰囲気中の炭化水素の分子量が大きくなると、該空燃比センサによって検出される空燃比の値が本来の空燃比の値からリーン側に外れる傾向がある。従って、排気中に含まれる燃料の量が同一であっても、そこに含まれる燃料の分子構成、即ち燃料の一分子の分子量が大きくなると、検出される空燃比が本来の空燃比よりもリーン側の空燃比となり得る。
【0011】
ここで、前記NOx触媒はNOxの吸蔵と同様にSOxも吸蔵する。SOxの吸蔵量が増大するにつれてNOx触媒の炭化水素改質能力が低減し、その結果NOx触媒を経由して下流へ流れる排気中の燃料においては、重質の燃料が多く含まれる状態、即ち分子量の大きい燃料が多く含まれる状態となる。従って、NOx触媒の下流に空燃比検出手段を主に構成する空燃比センサが設けられている場合、NOx触媒に吸蔵されているSOxによっては、空燃比検出手段によって推定される排気の空燃比が本来の空燃比より外れた値となり、正確な空燃比フィードバック制御が困難となる。
【0012】
そこで、先述の本発明において採用した手段において、SOx量推定手段によってNOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定し、その推定されたSOx量に基づいて、NOx触媒に流入する排気の空燃比のフィードバック制御を行うことで、正確な空燃比制御が可能となる。即ち、NOx触媒にSOxが吸蔵されることで、NOx触媒の炭化水素改質能力が低下し、その結果空燃比検出手段によって推定される空燃比が、本来の空燃比よりリーン側の値にずれる場合、NOx触媒に流入する排気の空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段において、補正を加える。その補正について具体的に述べると、空燃比のフィードバック制御において重要な点はNOx触媒に流入する排気の本来の空燃比が所定の空燃比となることであるから、(1)空燃比検出手段によって検出される空燃比に関する補正、および(2)フィードバック制御上の目的値である所定の空燃比に関する補正が行われることになる。ここで、SOx量推定手段によるSOx量の推定は、内燃機関の運転状態に基づいて行われ、例えば、内燃機関が駆動した時間もしくは内燃機関の総機関回転角(距離)に比例させてNOx触媒にSOxが吸蔵されていると推定する。
【0013】
上記(1)の補正については、先述したように本来の空燃比よりリーン側にずれている空燃比検出手段によって推定された空燃比の値を、本来の空燃比に近づけるべくリッチ側の値とする補正である。補正をするにあたっては予めNOx触媒におけるSOxの吸蔵量と、本来の空燃比と空燃比検出手段によって推定される空燃比との相対関係をマップ等に記憶させておき、該マップにアクセスすることで補正を行えばよい。
【0014】
また上記(2)の補正については、排気の空燃比のフィードバック制御において目的となる所定の空燃比をリーン側の値とすることで、フィードバック制御における偏差をほぼ同一とすることになるため、空燃比検出手段によって推定される空燃比がリーン側へずれていてもフィードバック制御によってそのリーン側に補正された所定の空燃比に最終的に到達することで、NOx触媒に流入する排気の空燃比を本来的に必要とする空燃比とすることが可能となる。ここで、リーン側へ補正される所定の空燃比は、NOx触媒におけるSOxの吸蔵量に依存するため、予めNOx触媒におけるSOxの吸蔵量と所定の空燃比との相対関係をマップ等に記憶させておき、補正をするにあたっては、該マップにアクセスすればよい。
【0015】
これにより、NOx触媒に吸蔵されたSOxの影響を受けずに、NOx触媒に流入する排気の空燃比を正確にフィードバック制御し、排気の浄化を確実に行うことが可能となる。
【0016】
尚、先述のフィードバック制御における所定の空燃比とは、NOx触媒が行う触媒作用等に必要とされるNOx触媒に流入する排気の空燃比をいい、具体的には、NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元するに必要なNOx触媒周囲の空燃比や、NOx触媒に吸蔵されているSOxをNOx触媒から離脱させるいわゆるSOx被毒再生に必要なNOx触媒周囲の空燃比等をいう。
【0017】
また、先述の空燃比フィードバック制御手段によるNOx触媒に流入する排気の空燃比のフィードバック制御は、前記NOx触媒に吸蔵されたSOxの離脱を行うSOx被毒再生が行われるときに実行されることによっても、NOx触媒に流入する排気の空燃比を正確にフィードバック制御し、排気の浄化を確実に行うことが可能となる。
【0018】
更にSOx被毒再生が行われているときにおいて、以下の制御を更に行うことでより正確な空燃比フィードバック制御が可能となる。即ち、前記SOx量推定手段は、更に前記SOx被毒再生によって前記NOx触媒から離脱したSOx量に応じて前記NOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定し、前記空燃比フィードバック制御手段は、更に前記SOx量推定手段によって推定されたSOx量が少なくなるに従い、前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比をリーン側の値とする補正又は前記所定の空燃比をリッチ側の値とする補正の少なくとも何れかの補正を行うことでより正確な空燃比フィードバック制御が可能となる。
【0019】
つまり、SOx被毒再生が行われることによって、NOx触媒に吸蔵されているSOxがNOx触媒から離脱する。従って、NOx触媒に吸蔵されているSOx量が減少することになり、それに伴いNOx触媒の炭化水素改質能力が向上する。そこで、空燃比検出手段によって推定された空燃比が本来の空燃比よりリーン側にずれる傾向があったものが、逆にリッチ側に移行する、即ち本来の空燃比の値に近づく結果となるため、前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比のリーン側の値への補正又は前記所定の空燃比のリッチ側の値への補正の少なくとも何れかの補正を行うものである。即ち、NOx触媒におけるSOxの吸蔵量の増減に応じて、空燃比フィードバック制御における制御パラメータを補正するものである。これにより、NOx触媒に吸蔵されたSOxの影響を受けずに、NOx触媒に流入する排気の空燃比をより正確にフィードバック制御し、排気の浄化を確実に行うことが可能となる。
【0020】
また、前記SOx被毒再生時において、前記SOx量推定手段によるNOx触媒におけるSOxの吸蔵量を推定するにあたり、更に前記SOx被毒再生時に前記NOx触媒に吸蔵されたSOx量に応じて前記NOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定することで、より正確な空燃比フィードバックが可能となる。
【0021】
即ち、SOx被毒再生においては、一般にNOx触媒の床温を上昇させ且つそこに流入する排気の空燃比をリッチ雰囲気とリーン雰囲気とに交互に切り替えることで、主にNOx触媒の周囲がリッチ雰囲気となるときに吸蔵されているSOxがNOx触媒から離脱する。この際、NOx触媒に流入する排気の雰囲気がリーン雰囲気となる場合には、若干量ながらもNOx触媒へSOxが吸蔵されることが考えられる。そこで、SOx被毒再生時におけるSOxの吸蔵を考慮して、先述した空燃比フィードバック制御を行うことで制御の正確性が向上し、排気の浄化を確実に行うことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
<第1の実施例>
ここで、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置における実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される内燃機関およびその排気浄化装置の概略構成およびその制御系統の概略構成を示す図である。
【0023】
内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧に蓄圧する蓄圧室4と接続されている。前記蓄圧室4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。この燃料ポンプ6は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として作動するポンプであり、該燃料ポンプ6の入力軸に取り付けられたポンププーリ6aが内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)に取り付けられたクランクプーリ1aとベルト7を介して連結されている。このように構成された燃料噴射系では、クランクシャフトの回転トルクが燃料ポンプ6の入力軸へ伝達されると、燃料ポンプ6は、クランクシャフトから該燃料ポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクに応じた圧力で燃料を吐出する。
【0024】
前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介して蓄圧室4へ供給され、蓄圧室4にて所定圧に蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。
【0025】
次に、内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各枝管は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート(図示省略)を介して連通している。前記吸気枝管8は吸気管9に接続されている。吸気管9には、該吸気管9内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ11が取り付けられている。前記吸気管9における吸気枝管8の直上流に位置する部位には、該吸気管9内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁13が設けられている。この吸気絞り弁13には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁13を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ14が取り付けられている。
【0026】
ここで、エアフローメータ11と吸気絞り弁13との間に位置する吸気管9には、排気のエネルギーを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージャ)24のコンプレッサハウジング24aが設けられ、コンプレッサハウジング24aより下流の吸気管9には、前記コンプレッサハウジング24a内で圧縮されて高温となった吸気を冷却するためのインタークーラ25が設けられている。このように構成された吸気系では、吸気は、吸気管9を介してコンプレッサハウジング24aに流入する。
【0027】
コンプレッサハウジング24aに流入した吸気は、該コンプレッサハウジング24aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記コンプレッサハウジング24a内で圧縮されて高温となった吸気は、インタークーラ25にて冷却された後、必要に応じて吸気絞り弁13によって流量を調節されて吸気枝管8に流入する。吸気枝管8に流入した吸気は、各枝管を介して各気筒2の燃焼室へ分配され、各気筒2の燃料噴射弁3から噴射された燃料を着火源として燃焼される。
【0028】
一方、内燃機関1には、排気枝管17が接続され、排気枝管17の各枝管が排気ポート(図示省略)を介して各気筒2の燃焼室と連通している。前記排気枝管17は、前記遠心過給機24の排気タービンハウジング24bと接続されている。前記排気タービンハウジング24bは、排気管18と接続され、この排気管18は、下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。
【0029】
前記排気管18の途中には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒という。)20が設けられている。NOx触媒20の直上流に位置する排気管18には、NOx触媒20に流入する排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ23aが、NOx触媒20の直下流に位置する排気管18にはNOx触媒20から排出される排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ23bが、取り付けられている。また、排気温度センサ23bの近傍であって、NOx触媒20の直下流に位置する排気管18には、該部位を流れる排気の空燃比を検出する排気空燃比センサ22が取り付けられている。尚、NOx触媒20は、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタであってもよい。
【0030】
更に、前記したNOx触媒20の下流に位置する排気管18には、該排気管18内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁15が設けられている。この排気絞り弁15には、ステップモータ等で構成されて該排気絞り弁15を開閉駆動する排気絞り用アクチュエータ16が取り付けられている。
【0031】
更に、遠心過給機24の排気タービン出口の下流に位置する排気管18上であって且つNOx触媒20の上流に、主に排気の昇温を図るために前段触媒19が設けられている。前段触媒19には、酸化機能を有するNOx触媒や酸化触媒等が用いられる。またNOx触媒20の下流に位置する排気管18上であって且つ排気温度センサ23bおよび排気空燃比センサ22の下流に、後段触媒21が設けられている。後段触媒21には、酸化機能を有する酸化触媒が用いられる。
【0032】
また、排気枝管17には、燃料添加弁12が設けられており、燃料添加弁12は図示されない燃料供給管等を介して、内燃機関1に用いられる燃料の貯蔵庫(図示省略)に連通している。そこで燃料添加弁12の開弁によって、排気枝管17を流れる排気に燃料が添加される。
【0033】
このように構成された排気系では、内燃機関1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポートを介して排気枝管17へ排気として排出され、次いで排気枝管17から遠心過給機24の排気タービンハウジング24bへ流入する。排気タービンハウジング24bに流入した排気は、排気が持つエネルギーを利用して排気タービンハウジング24b内に回転自在に支持されたタービンホイールを回転させる。その際、タービンホイールの回転トルクは、前述したコンプレッサハウジング24aのコンプレッサホイールへ伝達される。
【0034】
更に、タービンハウジング24bから排出された排気は、前段触媒19に流入する。前段触媒19においては、排気中に含まれる未燃成分の一部や燃料添加弁12によって排気に供給された燃料の一部を酸化することによって、排気の昇温が図られる。前段触媒19によって昇温された排気はNOx触媒20に流入することで、NOx触媒20の床温が上昇し、活性温度となり、排気の浄化が行われる。尚、NOx触媒20は、排気の空燃比がリーン状態である場合は、排気中に含まれるNOxを吸蔵し、排気の空燃比がリッチ状態であり且つNOx触媒20の床温が一定の温度以上であれば、吸蔵したNOxを還元して排気の浄化を行う。また、NOx触媒20の下流に設けられた後段触媒21によって、まだ排気中に残留している未燃成分を酸化させることで、燃料の未燃成分の大気中への放出が抑制される。後段触媒21を経過した排気は、必要に応じて排気絞り弁15によって流量を調節された後にマフラーを介して大気中に放出される。
【0035】
次に、内燃機関1の制御系等の説明を行う。ECU34は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バス30を介して相互に接続されたCPU(マイクロプロセッサ)31、ROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、入力ポート28および出力ポート29を備えている。更に、ECU34の外部から入力されるアナログ信号をデジタル変換して入力ポート28へ入力するA/D変換器27が入力ポート28に接続されている。
【0036】
このECU34に対して、アクセルペダルの踏み込み量に比例した電圧を出力するアクセル開度センサ26が、AD変換器27を介して入力ポート28に入力している。クランクポジションセンサ10は、例えばクランクシャフトが30°回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート28に入力される。CPU31ではクランクポジションセンサ10の出力パルス等を基に、内燃機関1の機関回転数Neや、その機関回転数を積算することにより総機関回転角(距離)が算出される。
【0037】
更に、排気温度センサ23aおよび23bが、該センサが配置されている部位を流れる排気管18中の排気の温度に応じた出力電圧を入力ポート28に入力している。これらの信号を基に、CPU31がNOx触媒20の床温を推定し、更にNOx触媒20においてNOxの浄化が可能か否か等の判断等が行われる。また、排気空燃比センサ22が、その配置されている部位を流れる排気管18中の排気の空燃比に応じた出力電圧を入力ポート28に入力している。この信号を基に、NOx触媒20に流入する排気の空燃比のフィードバック制御が行われる。このフィードバック制御については、後に詳細に説明をする。なお、これ以外に入力ポート28には、各種の信号が入力されているが、本実施の形態では説明上重要ではないので図示を省略している。
【0038】
出力ポート29は、各気筒2の燃料噴射弁3に電気的に接続され、ECU34は内燃機関1の運転状態に応じて各燃料噴射弁3の開弁制御を行い、燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御を実行している。更に、出力ポート29は、燃料添加弁12に電気的に接続されており、NOx触媒20において排気の浄化を行う際に排気をリッチ状態とする必要があるとき等に、ECU34は燃料添加弁12の開弁制御を行い、排気への燃料の添加を行っている。なお、これ以外に出力ポート29には、各種の信号が入力されているが、本実施の形態では説明上重要ではないので図示を省略している。
【0039】
ここで、排気空燃比センサ22における排気の空燃比の検出特性について、図2に基づいて説明をする。図2は排気空燃比センサ22による空燃比の検出特性を示す図である。図2において、横軸は排気空燃比センサ22から直接ECU34に入力される電圧値より換算される空燃比の値、即ち排気空燃比センサ22の空燃比の検出値であり、縦軸は排気空燃比センサ22が実際に曝されている雰囲気の本来の空燃比の値である。従って、本来的には、排気空燃比センサ22によって検出される値と本来の空燃比の値とは同一であるべきであって、その検出特性は図2中直線LS(以下、基準線LSという)で表される特性を示すべきである。
【0040】
しかし、排気空燃比センサ22は、自己が曝されている雰囲気に含まれる燃料の分子量によって、ECU34に出力する電圧値、換言すれば検出される排気の空燃比が変動する特性を有する。これは、排気空燃比センサ22において、電圧が発生する固体電解質の表面上部に形成される多孔質状の拡散抵抗層において、排気中の分子が該拡散抵抗層を移動するのに要する時間が、その分子の分子量に依存する等に依る。即ち、分子量が大きくなるに従い、拡散抵抗層を移動する時間が大きくなるため、分子量の小さい酸素分子は比較的短時間で拡散抵抗層を移動できるが、分子量の大きい燃料はその移動に比較的長い時間を要する。そこで、排気空燃比センサ22の固体電解質表面において、最終的に多くの酸素分子が存在することになる。そのため排気空燃比センサ22によって検出される空燃比の特性が、先述のLSで示される特性からリーン側へ乖離した特性となる。
【0041】
図2において、排気空燃比センサ22によって検出される空燃比特性が、排気空燃比センサ22が曝される雰囲気に含まれる燃料の分子量によって、基準線LSから乖離していく様子を、曲線L1からL4で表している。ここで、本実施例においては、空燃比センサ22が曝される雰囲気に含まれる燃料の分子量を決定する要素として、NOx触媒20に吸蔵されているSOxの量を用いる。これは、NOx触媒20に吸蔵されるSOx量が増加することによって、NOx触媒20による炭化水素改質能力が低下するため、NOx触媒20に吸蔵されるSOx量が増加するに従いNOx触媒20の下流に設けられた排気空燃比センサ22が曝される排気に含まれる燃料の分子量が大きくなることに依る。
【0042】
曲線L1、L2、L3およびL4は、NOx触媒20に吸蔵されているSOx量(S)がそれぞれ0.5、2、4および8の場合である。尚、このSの値については相対値である。従って、曲線L1と曲線L2で表されるNOx触媒20の状態では、その吸蔵されているSOx量は2倍の関係にあることを意味する。このように、NOx触媒20に吸蔵されるSOx量が多くなるに従い、排気空燃比センサ22によって検出される空燃比の値が、本来検出すべき値(基準線LSに従う値)よりリーン側の値へと乖離していく。その結果、排気空燃比センサ22によって検出される空燃比の値をパラメータとして、NOx触媒20に流入する排気の空燃比のフィードバック制御を行う場合、その流入する排気の空燃比を正確に制御することが困難となり、NOx触媒20における排気の浄化を確実に実行することができなくなる。
【0043】
そこで、上述の排気空燃比センサ22の検出特性を踏まえた上で、正確な排気の空燃比のフィードバック制御を行うための制御手段について、図3に基づいて説明する。図3は、SOx被毒再生を行う際に行うNOx触媒20に流入する排気の空燃比のフィードバック制御であるSOx被毒再生時空燃比制御のフローチャートを示す。SOx被毒再生時空燃比制御は、ECU34によって実行される制御であり、ECU34によって本制御が実行されることは本発明における空燃比フィードバック制御手段に相当する。
【0044】
S101においては、NOx触媒20に吸蔵されたSOxの量、即ちSOx被毒量が算出される。例えば、ポジションセンサ10によって検出される内燃機関1の総機関回転角の積算値と対応させた値をECU34が算出する。この際、燃料噴射弁3によって、各気筒2内に噴射された燃料の量を考慮してもよい。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
【0045】
S102では、SOx被毒再生を行うべきか否かの判断が行われる。例えば、S101において算出されたNOx触媒20に吸蔵されたSOx量が所定の値を越えるか否かに従い、SOx被毒再生が必要か否かを判断する。ここで、吸蔵されたSOx量の所定の値とは、NOx触媒20の排気浄化特性を回復すべきとする判断値であり、この値はNOx触媒20の大きさ等により、予め実験などによって決定される。S102でSOx被毒再生の必要がないと判断された場合は、S110へ進み、本制御を終了する。また、S102でSOx被毒再生の必要があると判断された場合は、S103へ進み、以降、SOx被毒再生の処理を行う。
【0046】
S103では、SOx被毒再生が開始され、NOx触媒20に吸蔵されたSOxの放出が開始される。具体的には、NOx触媒20の床温を上昇させ且つNOx触媒20に還元剤としての燃料を供給すべく、燃料添加弁12から排気へ燃料の添加が行われ、NOx触媒20に必要な空燃比を有する排気が流入することとなる。ここで、燃料の添加を連続して行うと、NOx触媒20の床温が過度に上昇してしまい焼損する虞があるため、燃料の添加は断続的に行われ、且つSOx被毒再生が効率良く行われるためにNOx触媒20に流入する排気の空燃比を制御すべく、フィードバック制御が行われることになる。
【0047】
この排気の空燃比のフィードバック制御は、排気空燃比センサ22によって検出された空燃比を基に、NOx触媒20に流入する排気の空燃比を推定し、その推定される空燃比が所定の空燃比、即ちNOx触媒20に供給すべき排気の空燃比となるように制御するものである。NOx触媒20における排気の空燃比と、排気空燃比センサ22によって検出される空燃比との関係は、予め実験等で求めておきマップとしてROM32に格納しておけばよい。また、NOx触媒20に流入する排気の空燃比は、燃料添加弁12を開弁を制御することによって、排気中に添加される燃料の量を制御する。S103の処理が終了すると、S104へ進む。
【0048】
S104では、SOx被毒再生を行うに当たり、NOx触媒20に流入する排気の空燃比のフィードバック制御において、その制御のパラメータである排気空燃比センサ22の検出値を補正する。これは、排気空燃比センサ22には図2に示すような検出特性があり、SOx被毒再生を行う場合はNOx触媒20の炭化水素改質能力が低下し、排気空燃比センサ22の検出値は本来的に検出すべき空燃比の値(図2において基準線LSに準ずる値)から乖離しており、正確な排気の空燃比のフィードバック制御が困難であると考えられることに依る。
【0049】
ここで、図4に基づいて、排気空燃比センサ22の検出値の補正の一例を示す。図4は、排気空燃比センサ22の検出値の補正値を格納するマップであり、ROM32に格納されており、S104において該マップにアクセスすることで、排気空燃比センサ22の検出値の補正が行われる。該マップの第一行に示される数値がNOx触媒20に吸蔵されているSOx量であり、該マップの第一列に示される数値が排気空燃比センサ22によって直接検出された空燃比である。排気空燃比センサ22の検出値の補正にあたっては、S101や後述するS106等において算出されたSOx被毒量と直接的な排気空燃比センサ22による検出値の値から、補正後の空燃比の値を読みとる。例えば、NOx触媒20に吸蔵されたSOx量が8であって、排気空燃比センサ22によって直接検出された空燃比の値が13.5である場合は、その空燃比の値を12.4と補正したうえで、SOx被毒再生のための排気の空燃比のフィードバック制御が行われることになる。
【0050】
排気空燃比センサ22の検出特性は、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が大きくなるに従い、排気空燃比センサ22によって直接に検出される値はリーン側へと乖離する特性があるため、図4に示すマップの補正値は、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が大きくなるに従い、空燃比がリッチ側へと補正される値となっている。S104の処理が終了すると、S105へ進む。
【0051】
尚、図4に示すマップの補正値は、図2に示す排気空燃比センサ22の検出特性と対応するものであり、排気空燃比センサ22による空燃比の検出値を本来的に検出される値に訂正された値が示されている。ここで、図4の値は、補正値の一例であって、NOx触媒20の炭化水素改質能力や排気空燃比センサ22の検出特性に応じて、好適に変更され得る値である。
【0052】
S105では、S104において補正された排気空燃比センサ22による空燃比の値を用いて、NOx触媒20に流入する排気の空燃比を推定し、その推定された空燃比がNOx触媒20のSOx被毒再生を行うのに必要な空燃比となるべくフィードバック制御が行われる。フィードバック制御においては、先述したように、NOx触媒20にリッチ状態の排気とリーン状態の排気を断続的に供給する必要がある。これは、ECU34の指令によって、燃料添加弁12の開弁動作を行うことで、排気に含まれる燃料の量を制御することによって実行される。即ち、燃料添加弁12の開弁時間を制御することで、排気中に含まれる燃料の濃度、還元すれば空燃比を制御する。S105の処理が終了すると、S106へ進む。
【0053】
S106では、S105において行われたフィードバック制御によるSOx被毒再生によってNOx触媒20から放出されたSOx量が算出され、更にこの放出されたSOx量を加味したNOx触媒20のSOxの被毒量が算出される。排気空燃比センサ22の検出特性はNOx触媒20に吸蔵されているSOx量に依存するため、SOx被毒再生によって放出されたSOx量を考慮することでSOx被毒再生中においても、排気空燃比センサ22の検出値を適正に補正することが可能となる。つまり、排気空燃比センサ22の検出特性は、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が大きくなるに従い、排気空燃比センサ22によって直接に検出される値はリーン側へと乖離する特性があるため、逆にSOx被毒再生によってSOx被毒量が減少するときは排気空燃比センサ22による検出値の補正の程度を変更するのが好ましい。尚、S106において新たに検出されたSOxの被毒量に応じた補正は、後述するS108からS104へと戻ることで行われる。その補正方法については、図4に示す補正量を用いればよく、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が少なくなるに従い排気空燃比センサ22による検出値をリーン側の値とする補正となる。
【0054】
尚、放出されたSOx量の算出方法については、S105における排気の空燃比のフィードバック制御において、NOx触媒20にリッチ状態の排気が供給された時間の総計に応じた値とする方法が一例として挙げられる。この供給時間とSOxの放出量との関係は、予め実験等で測定しておけばよい。
【0055】
S107では、S105において行われたフィードバック制御中によるSOx被毒再生中においてもNOx触媒20に吸蔵されたSOx量が算出され、更にこの吸蔵されたSOx量を加味したNOx触媒20のSOxの被毒量が算出される。これにより、より正確なフィードバック制御が期待される。尚、吸蔵されたSOx量の算出方法については、S105における排気の空燃比のフィードバック制御において、NOx触媒20にリーン状態の排気が供給された時間の総計に応じた値とする方法が一例として挙げられる。この供給時間とSOxの吸蔵量との関係は、予め実験等で測定しておけばよい。S107の処理が終了すると、S108へ進む。
【0056】
S108では、NOx触媒20に吸蔵されているSOx量が所定の値より低くなったか否かが判断される。ここでいう所定の量とは、NOx触媒20においてSOxの吸蔵による触媒作用の劣化が解消するに十分なSOxの吸蔵量(被毒量)を意味する。即ち、S105における排気の空燃比フィードバック制御によるSOx被毒再生で、NOx触媒20が十分にその触媒作用を再生できているか否かが判断される。S108において、SOx被毒再生がまだ終了しないと判断されると、S104へ戻り、S104以降の処理が再度行われる。この際、S106およびS107において、新たに算出されたNOx触媒20のSOxの吸蔵量を基にS104における補正およびS105における排気の空燃比フィードバック制御によるSOx被毒再生が行われることになる。S108において、SOx被毒再生を終了すると判断されると、S109へ進む。
【0057】
S109では、SOx被毒再生を終了させる。S109の処理が終了すると、S110へ進み、本制御を終了する。
【0058】
本実施例においては、SOx被毒再生時において、排気空燃比センサ22の検出値を、NOx触媒20に吸蔵されているSOx量に応じて補正した上で、NOx触媒20に流入する排気の空燃比をフィードバック制御する。これにより、排気空燃比センサ22の検出特性に影響されずに、正確なフィードバック制御が可能となり、効率的な排気の浄化およびNOx触媒20の再生が可能となる。
【0059】
尚、本実施例に示す排気空燃比のフィードバック制御は、NOx触媒20のSOx被毒再生時に行われるものであるが、NOx触媒20にフィードバック制御によって調整された空燃比の排気を供給する場合であれば、NOx触媒20のSOx被毒再生時以外であっても好適に適用できる。
【0060】
また、本実施例においては、NOx触媒20に流入する排気の空燃比を調整する手段として燃料添加弁12を使用したが、各気筒2内における燃料の燃焼において、排気中に含まれることになる燃料の未燃成分の量を調整しても良い。例えば、燃料噴射弁3による燃料の噴射時期や噴射回数を制御することによって、排気中に含まれる燃料の未燃成分の量、即ち排気の空燃比を制御することが可能である。
【0061】
<第2の実施例>
ここで、上述したSOx被毒再生時に行われるNOx触媒20に流入する排気の空燃比のフィードバック制御であるSOx被毒再生時空燃比制御の第2の実施例を以下に示す。図5は、SOx被毒再生時空燃比制御のフローチャートを示すものであり、該SOx被毒再生時空燃比制御は、ECU34によって実行される制御であり、ECU34によって本制御が実行されることは本発明における空燃比フィードバック制御手段に相当する。
【0062】
以下に本実施例におけるSOx被毒再生時空燃比制御の説明を行う。尚、図5に示すSOx被毒再生時空燃比制御のフローにおいて、図3に示すSOx被毒再生時空燃比制御のフローと同一の処理については、図3と同一の参照番号を付することにより、その説明を省略する。
【0063】
S103の処理が終了すると、S201へと進む。S201では、SOx被毒再生を行うに当たり、フィードバック制御上におけるNOx触媒20に流入する排気の最終的な空燃比の値、即ちNOx触媒20に流入する排気の空燃比をフィードバック制御において必要なフィードバック制御の目的値を補正する。これは、排気空燃比センサ22には図2に示すような検出特性があり、SOx被毒再生を行う場合はNOx触媒20の炭化水素改質能力が低下し、排気空燃比センサ22の検出値は本来的に検出すべき空燃比の値(図2において基準線L2に準ずる値)から乖離しているため、空燃比のフィードバック制御によって制御上最終的に到達すべき空燃比を排気空燃比センサ22と同様に本来予定する最終的な空燃比から乖離させることで、フィードバック制御上の偏差を概ね同一に保つことによって正確な排気の空燃比のフィードバック制御を行うものである。
【0064】
ここで、図6に基づいて、排気の空燃比のフィードバック制御の目的値の補正の一例を示す。図6は、NOx触媒20においてSOx被毒再生が行われる際のフィードバック制御の目的値の補正値を格納するマップであり、ROM32に格納されており、S201において該マップにアクセスすることで、フィードバック制御の目的値の補正が行われる。該マップ第一行に示される数値がNOx触媒20に吸蔵されているSOx量であり、該マップの第一列に示される数値がフィードバック制御において本来設定される目的値である。つまり、SOx被毒再生においては、リッチ状態の排気とリーン状態の空燃比を交互にNOx触媒20に供給するため、本フィードバック制御において設定される目的値(排気の最終的な空燃比)は、リッチ状態の排気を供給するための14.2とリーン状態の排気を供給するための25が設定される。ここで、S101やS106等において算出されたSOx被毒量と直接的な排気空燃比センサ22による検出値の値から、補正後の空燃比の値を読みとる。例えば、NOx触媒20に吸蔵されたSOx量が8であって、本来空燃比14.2のリッチ状態の排気をNOx触媒20に供給する場合は、フィードバック制御上の目的値を14.2ではなく14.6と補正した上で、SOx被毒再生のための排気の空燃比のフィードバック制御が行われることになる。
【0065】
排気空燃比センサ22の検出特性は、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が大きくなるに従い、排気空燃比センサ22によって直接に検出される値はリーン側へと乖離する特性があるため、図6に示す補正値は、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が大きくなるに従い、空燃比がリーン側へと補正される値となっている。
【0066】
また、本実施例においても、S106においてSOx被毒再生によって放出されたSOx量を考慮した新たなSOx被毒量に応じたフィードバック制御の目的値の補正が、S108からS201へと戻ることで行われる。その補正方法については、図6に示す補正量を用いればよく、NOx触媒20のSOxの吸蔵量が少なくなるに従いフィードバック制御の目的値をリッチ側の値とする補正となる。
尚、S201の処理が終了すると、S105以降の処理が行われる。
【0067】
本実施例においては、SOx被毒再生時において、フィードバック制御の目的値をNOx触媒20に吸蔵されているSOx量に応じて補正した上でフィードバック制御する。これにより、排気空燃比センサ22の検出特性に影響されずに、正確なフィードバック制御が可能となり、効率的な排気の浄化およびNOx触媒20の再生が可能となる。
【0068】
尚、図6に示される補正値は、図2に示す排気空燃比センサ22の検出特性と対応するものである。ここで、図6の値は、補正値の一例であって、NOx触媒20の炭化水素改質能力や排気空燃比センサ22の検出特性に応じて、好適に変更され得る値である。また、NOx触媒20のSOx被毒再生以外で、NOx触媒20に供給する排気の空燃比をフィードバック制御する必要がある場合は、その必要な排気の空燃比に対応するフィードバック制御の目的値の補正値を含むマップを作成する。
【0069】
尚、第1の実施例における排気の空燃比のフィードバック制御および第2の実施例における排気の空燃比のフィードバック制御において行われる、排気空燃比センサ22の検出値の補正とフィードバック制御の目的値の補正とを同時に行っても良い。ただし、このような場合、互いの補正による互いへの影響を十分に考慮する。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は排気中に含まれるNOxを吸蔵、還元して浄化するためのNOx触媒を備え、該NOx触媒に流入する排気の空燃比をフィードバック制御する場合に、該NOx触媒に吸蔵されているSOx量に応じて該フィードバック制御を行うことで、該NOx触媒に流入する排気の空燃比を正確に制御し、以て排気の浄化等を確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置を有する内燃機関およびその制御系統の概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置において、NOx触媒の下流を流れる排気の空燃比を検出する排気空燃比センサの検出特性を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置において、NOx触媒のSOx被毒再生時における排気の空燃比のフィードバック制御を示すフロー図である。
【図4】図3で示されたフィードバック制御上のパラメータの補正を示す図表である。
【図5】本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置において、NOx触媒のSOx被毒再生時における排気の空燃比のフィードバック制御を示す第2のフロー図である。
【図6】図5で示されたフィードバック制御上のパラメータの補正を示す第2の図表である。
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
3・・・・燃料噴射弁
12・・・・燃料添加弁
17・・・・排気枝管
18・・・・排気管
20・・・・NOx触媒
22・・・・排気空燃比センサ

Claims (4)

  1. 排気に含まれるNOxを吸蔵、還元して排気の浄化を行うNOx触媒と、
    内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定するSOx量推定手段と、
    前記NOx触媒の下流の排気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記NOx触媒に流入する排気に燃料を供給する燃料供給手段と、
    少なくとも前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比をパラメータとして、前記燃料供給手段を介して前記NOx触媒に流入する排気の空燃比を所定の空燃比とするようにフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、を備え、
    前記空燃比フィードバック制御手段は、前記SOx量推定手段によって推定されたSOx量が多くなるに従い、前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比をリッチ側の値とする補正又は前記所定の空燃比をリーン側の値とする補正の少なくとも何れかの補正を行うことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記空燃比フィードバック制御手段による前記NOx触媒に流入する排気の空燃比のフィードバック制御は、少なくとも前記NOx触媒に吸蔵されたSOxの離脱を行うSOx被毒再生が行われるときに実行されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記SOx被毒再生が行われているときにおいて、
    前記SOx量推定手段は、更に前記SOx被毒再生によって前記NOx触媒から離脱したSOx量に応じて前記NOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定し、
    前記空燃比フィードバック制御手段は、更に前記SOx量推定手段によって推定されたSOx量が少なくなるに従い、前記空燃比検出手段によって検出された排気の空燃比をリーン側の値とする補正又は前記所定の空燃比をリッチ側の値とする補正の少なくとも何れかの補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記SOx被毒再生が行われているときにおいて、
    前記SOx量推定手段は、更に前記SOx被毒再生時に前記NOx触媒に吸蔵されたSOx量に応じて前記NOx触媒に吸蔵されているSOx量を推定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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