JP4013627B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、特にインクジェットヘッドのノズルを保護するキャップの形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して記録媒体上に印刷を行うものであるが、不使用時にノズル内のインクが乾燥しないようにノズルをキャップで覆ったり、あるいはノズル内の不良インクを排出するためにノズルをキャップで覆って吸引することが行われている。
【0003】
インクジェットヘッドは、後述する本発明の実施の形態において説明するように、複数のノズルに連通する各圧力室にインクを分配供給するための共通インク室が圧力室よりもノズル側に位置している。このため、キャップがノズルを覆ったとき、共通インク室を形成する壁面に当接すると、その壁面がキャッピング圧力に耐えられず、共通インク室側に凹んでしまう。
【0004】
これを解消するために、従来では、例えば図13に示すように、複数のノズル115よりも外で共通インク室112よりも内側の位置にキャップ181が当接するようにして、キャッピング圧力に共通インク室112が影響を受けないようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、キャップ181が当接する位置は、組み立てずれ等により、ある程度ずれるため、キャップ181の内側寸法をノズルぎりぎりにはできないし、またそのキャップ181の内側寸法を余裕を持って設計すると、わずか位置がずれても共通インク室112の壁面を押圧してしまう。従って、これを解消するには、共通インク室112とノズル115との間隔を広くする必要があるが、そうすると、インクジェットヘッドの外形寸法が大きくなってしまう。また、インクジェットヘッドの外形寸法を小型化しようとすると、共通インク室112の容積を確保することが出来ないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、共通インク室の容積を確保したまま、インクジェットヘッドの小型化を図ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のインクジェット記録装置は、外部に開口する複数のノズルと、当該複数のノズルのそれぞれにインクをそれぞれ供給するための複数の圧力室と、当該複数の圧力室にそれぞれ開口されたインク供給孔を介し、インク供給源から前記インクを前記複数の圧力室に分配する共通インク室と、前記圧力室のそれぞれに前記インクを吐出させるための圧力をそれぞれ与える複数の圧力発生部を備えたアクチュエータとを有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドの前記ノズルの開口するノズル開口面に対し、前記複数のノズルを覆うように当接するキャップとを備えたインクジェット記録装置であって、前記ノズル開口面は、前記共通インク室を形成する壁の壁面を含んで1つの面をなすように形成されており、前記インクジェットヘッドの前記共通インク室は、前記複数の圧力室よりも前記ノズル開口面側に配置され、かつ前記複数のノズルの列設方向と略平行な方向に延設され、前記キャップは、前記ノズル開口面に当接して前記複数のノズルを覆う環状の周壁を有するとともに、前記周壁が前記ノズル開口面に対して当接する際に、その一部分が前記壁面に対して当接するように構成されており、前記周壁の前記壁面に当接する部分の形状は、前記ノズル開口面と平行な面内で前記共通インク室の延設方向と略直交する方向において前記周壁自身の幅より大きい所定幅をもつ波状に形成されていることを特徴とする構成となっている。
【0008】
この構成のインクジェット記録装置では、共通インク室の対向部分のノズル開口面に対して当接するキャップの部分の形状を、ノズル開口面と平行な面内で共通インク室の延設方向と略直交する方向においてノズル開口面に当接して複数のノズルを覆う環状の周壁自身の幅より大きい所定幅をもつ波状に形成することで、インクジェットヘッドにキャップをする場合に、キャップからその当接部分を介して共通インク室にかかる圧力を分散することができる。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したインクジェット記録装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、インクジェット記録装置の一例であるインクジェットプリンタ100の全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態のインクジェットプリンタ100の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、このインクジェットプリンタ100は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されるインクカートリッジ61と、図中矢印B方向に搬送される用紙62に印刷するための圧電式インクジェットヘッド6を備えたヘッドユニット63と、インクカートリッジ61およびヘッドユニット63が搭載されるキャリッジ64と、このキャリッジ64を用紙62の搬送方向と直交する方向に往復移動させる駆動ユニット65と、キャリッジ64の往復移動方向に延び、圧電式インクジェットヘッド6と対向配置されるプラテンローラ66と、パージ装置67とを備えている。
【0013】
駆動ユニット65は、キャリッジ64の下端部に配置されたプラテンローラ66と平行に延びるキャリッジ軸71と、キャリッジ64の上端部に配置されキャリッジ軸71と平行に延びるガイド板72と、そのキャリッジ軸71とガイド板72との間であって、キャリッジ軸71の両端部に配置される2つのプーリ73,74と、これらプーリ73,74の間に掛け渡されるエンドレスベルト75とを備えている。一方のプーリ73が、モータ76の駆動により正逆回転されると、そのプーリ73の正逆回転に伴って、エンドレスベルト75に接合されているキャリッジ64が、キャリッジ軸71およびガイド板72に沿って、直線方向に往復移動されるようになっている。
【0014】
用紙62は、インクジェットプリンタ100の側方に設けられた給紙カセット(図示外)から給紙され、圧電式インクジェットヘッド6と、プラテンローラ66との間に導入されて、圧電式インクジェットヘッド6から吐出されるインクにより所定の印刷がなされ、その後、排紙される。尚、図1において、用紙62の給紙機構および排紙機構の図示を省略している。
【0015】
パージ装置67は、プラテンローラ66の側方に設けられ、ヘッドユニット63がリセット位置にあるときに、圧電式インクジェットヘッド6と対向するように配置されている。このパージ装置67は、圧電式インクジェットヘッド6の後述する複数のノズル15を覆うように、その開口面に対し当接するキャップ81と、ポンプ82と、カム83と、インク貯留部84とを備えている。そして、ヘッドユニット63がリセット位置にあるときに、圧電式インクジェットヘッド6のノズル15をキャップ81で覆い、圧電式インクジェットヘッド6の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを、カム83の駆動によってポンプ82が吸引動作をすることで、圧電式インクジェットヘッド6の回復を図るようになっている。吸引された不良インクは、インク貯留部84に貯められる。
【0016】
次に、図2〜図5を参照して、ヘッドユニット63の構造について説明する。図2は、ヘッドユニット63を倒立させて見た斜視図である。図3は、図2のヘッドユニット63の分解斜視図である。図4は、上方から見たヘッドユニット63の分解斜視図である。図5は、ヘッドユニット63の底面図である。
【0017】
図2〜図5に示すように、用紙62に沿って走行するキャリッジ64に搭載されるヘッドユニット63は、上面開放の略箱状に形成されており、その上方から4つのインクカートリッジ61を着脱自在に装着できるカートリッジ搭載部3を有し、このカートリッジ搭載部3の一側部位3aには、各インクカートリッジ61のインク放出部(図示外)に接続可能なインク供給路4a,4b,4c,4dがヘッドユニット63の底板5の下面まで連通している。尚、このカートリッジ搭載部3の一側部位3aの上面には、各インクカートリッジ61のインク放出部(図示外)と密接できるようにしたゴム製等のパッキン(図示外)が配置されている。
【0018】
底板5は、カートリッジ搭載部3から一段下に突出するようにして水平状に形成され、図3,図5に示すように、底板5の下面側には、圧電式インクジェットヘッド6を2つ並列させて配置するための2つの支持部8が段付き状に形成されている。各支持部8には、UV接着剤にて固定するための複数の空所9a,9bが上下に貫通するように形成されている。
【0019】
各支持部8の一端には、インク供給路4a〜4dを介してインクカートリッジ61と連通する連通部46a,46b,46c,46dが設けられており、この連通部46a〜46dの外周には、平面視、8の字状等の嵌合溝48が凹設されている。この嵌合溝48には、リング状のゴム製等のパッキン47が挿入されており、圧電式インクジェットヘッド6が支持部8に接着固定されたとき、このパッキン47の先端が後述する圧電式インクジェットヘッド6のインク供給口19a(図8参照)の外周へ押圧され、このインク供給口19aとの当接箇所が密閉されるのである。
【0020】
そして、接着固定された圧電式インクジェットヘッド6を保護するための保護カバー44が、圧電式インクジェットヘッド6の固定された底板5を覆うように取り付けられる。この保護カバー44には、圧電式インクジェットヘッド6のノズル15が露出されるように、保護カバー44の長手方向に沿って2つの楕円形状の開口が設けられている。さらに、長手方向の両端部は略コの字状に折り曲げられており、保護カバー44が固定されたとき、この折り目に沿うように、圧電式インクジェットヘッド6のフレキシブルフラットケーブル40がヘッドユニット63の上方に折り曲げられて固定されるようになっている。
【0021】
次に、図6〜図10を参照して、圧電式インクジェットヘッド6の構造について説明する。図6は、圧電式インクジェットヘッド6の分解斜視図である。図7は、圧電式インクジェットヘッド6の側方断面図である。図8は、キャビティプレート10の分解斜視図である。図9は、キャビティプレート10の要部を拡大した分解斜視図である。図10は、圧電アクチュエータ20の要部を拡大した分解斜視図である。
【0022】
図6,図7に示すように、圧電式インクジェットヘッド6は、複数枚の積層型のキャビティプレート10と、キャビティプレート10に対して接着剤または接着シートを介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に、外部機器との電気的接続を行うためのフレキシブルフラットケーブル40とが接着剤にて重ね接合されて構成されており、最下層のキャビティプレート10の下面側に開口されたノズル15から下向きにインクが吐出するようになっている。
【0023】
次に、図8に示すように、キャビティプレート10は、ノズルプレート11と、二枚のマニホールドプレート12と、スペーサプレート13と、ベースプレート14との五枚の薄い金属板をそれぞれ接着剤にて重ね積層した構造となっている。本実施の形態では、これらの各プレート11〜14は、42%ニッケル合金鋼板(42合金)製で、50μm〜
150μm程度の厚さを有している。
【0024】
また、図9に示すように、ベースプレート14には、長手方向の中心線14a,14bに対して直交する方向に延びる細幅の複数の圧力室16が2列の千鳥状配列で穿設されている。また、各圧力室16に対応して、それぞれの圧力室16よりもベースプレート14の短手方向の両端側の位置にインク供給孔16bがそれぞれ穿設されており、その間に凹設された絞り部16dによって、各圧力室16と各インク供給孔16bとがそれぞれ接続されている。各インク供給孔16bは、スペーサプレート13の短手方向における左右両側部位に穿設された各インク供給孔18を介して、マニホールドプレート12における共通インク室12a,12bに連通している。ここで、各絞り部16dにおけるインクが流れる方向と直交する方向の断面積は、各圧力室16における同方向の断面積より小さい構造となっている。これは、絞り部16dの断面積を小さくすることにより、流路抵抗を増すためである。また、各圧力室16の一端部16aは、ノズルプレート11における千鳥状配列のノズル15に、スペーサプレート13および二枚のマニホールドプレート12に、同じく千鳥状配列で穿設されている微小径の貫通孔17を介して連通している。
【0025】
そして、図8に示すように、ベースプレート14およびスペーサプレート13には、インクカートリッジ61からインクをマニホールドプレート12における共通インク室12a,12bに供給するためのインク供給口19a,19bが、それぞれ穿設されている。二枚のマニホールドプレート12には、ノズルプレート11における複数のノズル15のなす列を挟んでその列とほぼ平行に共通インク室12a,12bが2つ設けられている。共通インク室12a,12bは各マニホールドプレート12をそれぞれ貫通して形成されており、一方の共通インク室12aは2列の圧力室16のうち1列の圧力室16に連通し、他方の共通インク室12bは他方の列の圧力室16に連通している。この共通インク室12a,12bは、ベースプレート14における複数の圧力室16がなす面と平行な面内に位置し、かつ、この複数の圧力室16よりも、ノズルプレート11側に位置している。
【0026】
また、共通インク室12a,12bは、インク供給口19a,19bから離れた端部(C部)において、インク供給口19a,19bから離れる方向に、その断面積が一定割合で減少する形状となっている。これは、共通インク室12a,12bの端部(C部)に溜まりやすい残留気泡を排出しやすいようにするためである。この共通インク室12a,12bは、二枚のマニホールドプレート12に対するノズルプレート11およびスペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0027】
ノズルプレート11には、微小径(本実施例では、25μm程度)の複数のインク吐出用のノズル15が、ノズルプレート11における長手方向の中心線11a,11bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列で穿設されている。そして、それぞれのノズル15は、マニホールドプレート12の貫通孔17のそれぞれに対応している。
【0028】
図10に示すように、圧電アクチュエータ20は、二枚の圧電シート21,22と、一枚の絶縁シート23とを積層した構造である。最下段の圧電シート21の上面には、キャビティプレート10における各圧力室16毎に対応した細幅の複数の駆動電極24が、千鳥状配列で設けられている。また、各駆動電極24の一端部24aは、圧電アクチュエータ20の表裏面20a,20bと直交する左右側面20cに露出するように形成されている。
【0029】
次段の圧電シート22の上面には、複数の圧力室16に対して共通のコモン電極25が設けられている。コモン電極25の一端部25aも、各駆動電極24の一端部24aと同様、左右側面20cに露出するように形成されている。各駆動電極24とコモン電極25とに挟まれる圧電シート22におけるそれぞれの領域は、各圧力室16毎に対応した圧力発生部となる。最上段の絶縁シート23の上面には、各駆動電極24の各々に対する表面電極26と、コモン電極25に対する表面電極27とが、左右側面20cに沿って並ぶように設けられている。
【0030】
また、左右側面20cには、各駆動電極24の一端部24aに第1の凹み溝30が、コモン電極25の一端部25aに第2の凹み溝31が、それぞれ積層方向に延びるように設けられている。各第1の凹み溝30内には、図7に示すように、各駆動電極24と各表面電極26とを電気的に接続する側面電極32が、また、第2の凹み溝31内には、コモン電極25と表面電極27とを電気的に接続する側面電極33が、それぞれ形成されている。尚、電極28,29は、捨てパターンの電極である。
【0031】
次に、図11を参照して、ヘッドユニット63に当接するキャップ81について説明する。図11は、マニホールドプレート12とキャップ81との位置関係を示す図である。図11に示すように、ヘッドユニット63がリセット位置にある場合、すなわち、キャップ81は、ノズル15に向かって開口した箱状に形成され、ノズルプレート11における複数のノズル15を覆うように、ノズル15の開口面に対し当接するとき、キャップ81周壁の当接面の形状は、共通インク室12a,12bに対向する部位において、ノズル開口面と平行な面内でノズル15の列設方向と略直交する方向に所定幅をもつ波打つ形状を有している。その所定幅は、共通インク室12a,12bの幅と略同一程度であり、キャップ81が圧電式インクジェットヘッド6のキャッピング動作を行った場合に、共通インク室12a,12bに対向する部分のノズルプレート11に伝わるキャッピング圧力を分散できるように、キャップ81の当接面のうち共通インク室12a,12bに対向する部分の当接面積が広くなるよう構成されている。従って、共通インク室12a,12bは、ノズル15と十分に近い位置に存在している。
【0032】
インクは、インクカートリッジ61からベースプレート14およびスペーサプレート13の一端部に穿設されたインク供給口19a,19bを介し、共通インク室12a,12b内に流入し、共通インク室12aから各インク供給孔18、各インク供給孔16b、絞り部16dを通って各圧力室16に分配される。そして、圧電式インクジェットヘッド6における圧電アクチュエータ20の各駆動電極24のうち任意の駆動電極24と、コモン電極25との間に電圧が印加され、圧電シート22のうち電圧が印加された駆動電極24の部分、すなわち、前述した圧力発生部に、圧電による積層方向の歪が発生する。この歪による圧力によって、各駆動電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に吐出して、用紙62への所定の印刷が行われる。
【0033】
用紙62への印刷が終了すると、キャリッジ64に搭載されたヘッドユニット63がリセット位置に戻り、圧電式インクジェットヘッド6の複数のノズル15がキャップ81で覆われることとなる。
【0034】
そして、図11に示すように、キャップ81が共通インク室12a,12bに対向する位置にてノズル開口面に当接するが、前述したように共通インク室12a,12bに対応する部分は波打つ形状を有しているために、キャッピング圧力が分散される。従って、圧電式インクジェットヘッド6の小型化を図る場合においてもキャッピングに耐えうる構造とすることができ、かつ、共通インク室12a,12bの容積を十分に確保することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態にかかるインクジェットプリンタ100では、キャップ81が、ノズルプレート11における複数のノズル15を覆うようにノズル15の開口面に対し当接する場合、キャップ81の当接面の形状は、共通インク室12a,12bに対向する部位において、ノズル15の列設方向と略直交する方向に所定幅をもつ波打つ形状を有するように構成したので、共通インク室12a,12bがノズル15に近い位置にあってキャップ81と対向するようであっても、圧電式インクジェットヘッド6をキャッピング圧力に耐えうる構造とすることができる。従って、圧電式インクジェットヘッド6の小型化を図ることができる。
【0036】
尚、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、本実施の形態におけるキャップ81の形状は、図11に示すものに限定されるものではなく、図12に示すように、キャップ81の当接面の形状を、共通インク室12a,12bに対向する部位において、その延設方向と略直交する方向のキャップ81の当接部位の幅よりも広くなるように構成してもよい。このように構成されたキャップ81では、共通インク室12a,12bに対向する部分におけるノズル15の開口面への当接面積が広くなり、本実施の形態と同様にノズルプレート11に伝わるキャッピング圧力を分散することができる。
【0037】
また、共通インク室12a,12bに対向する部位のキャップ81の当接面の形状は波状や肉厚状に限定されず、例えばノズル15を保護するように囲う部分から放射状に広がる形状の当接面を有するように構成してもよく、すなわち、共通インク室12a,12bに対向する部分のノズル15の開口面への当接面積が広くなり、ノズルプレート11を介して共通インク室12a,12bに伝わるキャッピング圧力を分散することができるような構成であればよい。また、圧電アクチュエータ20における圧力発生部には圧電式のものを利用したが、これに限定されず、静電式の圧力発生部などを利用するように構成してもよい。また、各プレート11〜14は、金属に限らず、例えば、樹脂等で形成してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のインクジェット記録装置では、共通インク室の対向部分のノズル開口面に対して当接するキャップの部分の形状を、ノズル開口面と平行な面内で共通インク室の延設方向と略直交する方向においてノズル開口面に当接して複数のノズルを覆う環状の周壁自身の幅より大きい所定幅をもつ波状に形成することで、インクジェットヘッドにキャップをする場合に、キャップからその当接部分を介して共通インク室にかかる圧力を分散することができる。従って、キャップの当接部分にも共通インク室を配置することができ、インクジェットヘッドの小型化を図ることができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施の形態のインクジェットプリンタ100の斜視図である。
【図2】図2は、ヘッドユニット63を倒立させて見た斜視図である。
【図3】図3は、図2のヘッドユニット63の分解斜視図である。
【図4】図4は、上方から見たヘッドユニット63の分解斜視図である。
【図5】図5は、ヘッドユニット63の底面図である。
【図6】図6は、圧電式インクジェットヘッド6の分解斜視図である。
【図7】図7は、圧電式インクジェットヘッド6の側方断面図である。
【図8】図8は、キャビティプレート10の分解斜視図である。
【図9】図9は、キャビティプレート10の要部を拡大した分解斜視図である。
【図10】図10は、圧電アクチュエータ20の要部を拡大した分解斜視図である。
【図11】図11は、マニホールドプレート12とキャップ81との位置関係を示す図である。
【図12】図12は、マニホールドプレート12とキャップ81との位置関係を示す図である。
【図13】図13は、従来のマニホールドプレートとキャップ181との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
6 圧電式インクジェットヘッド
12a,12b 共通インク室
15 ノズル
16 圧力室
16b,18 インク供給孔
20 圧電アクチュエータ
81 キャップ
100 インクジェットプリンタ

Claims (1)

  1. 外部に開口する複数のノズルと、当該複数のノズルのそれぞれにインクをそれぞれ供給するための複数の圧力室と、当該複数の圧力室にそれぞれ開口されたインク供給孔を介し、インク供給源から前記インクを前記複数の圧力室に分配する共通インク室と、前記圧力室のそれぞれに前記インクを吐出させるための圧力をそれぞれ与える複数の圧力発生部を備えたアクチュエータとを有するインクジェットヘッドと、
    当該インクジェットヘッドの前記ノズルの開口するノズル開口面に対し、前記複数のノズルを覆うように当接するキャップとを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記ノズル開口面は、前記共通インク室を形成する壁の壁面を含んで1つの面をなすように形成されており、
    前記インクジェットヘッドの前記共通インク室は、前記複数の圧力室よりも前記ノズル開口面側に配置され、かつ前記複数のノズルの列設方向と略平行な方向に延設され、
    前記キャップは、前記ノズル開口面に当接して前記複数のノズルを覆う環状の周壁を有るとともに、前記周壁が前記ノズル開口面に対して当接する際に、その一部分が前記壁面に対して当接するように構成されており、
    前記周壁の前記壁面に当接する部分の形状は、前記ノズル開口面と平行な面内で前記共通インク室の延設方向と略直交する方向において前記周壁自身の幅より大きい所定幅をもつ波状に形成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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