JP2004098630A - インクジェットヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクは、共通インク室12a,12bの長手方向に沿って流れ複数のインク供給孔から各圧力室に分配される。共通インク室12a,12bのインク供給方向末端12c,12dと、同方向の最終端に位置するインク供給孔18a,18bとの距離P1,P2は、インク供給孔の整列間隔P以上の大きさで、パージ動作で除去しきれなかった気泡は、この末端12c,12dと最終端のインク供給孔18a,18bとの間に溜められ、インク供給孔18a,18bを直ちには閉塞しない。また、共通インク室12a,12bは末端12c,12dの上流側が先細り形状12e,12fなので、気泡が多くなったり成長したときパージ動作で除去しやすい。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドに関し、特に気泡による不吐出を少なくした共通インク室の形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット方式のプリンタ等の画像形成装置は、キャリッジ上に搭載されたヘッドユニットの有するインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して、被記録媒体上に画像を形成するものであり、インクの吐出は、インクジェットヘッドに配設された圧電アクチュエータ等を駆動して圧力波を発生させることにより行われる。インクは、ヘッドユニットに着脱可能に搭載されるインクカートリッジから共通インク室(マニホールド)に供給され、複数の圧力室(チャンネル)に分配されてノズルから吐出される。
【0003】
ところで、例えばインクカートリッジの交換時などにおいて、インクに気泡が混入したり、インクカートリッジあるいは供給経路の壁面等から侵入した空気が気泡に成長し、その気泡が前記圧力室やノズルに侵入すると、インクの不吐出をおこす。このため、ポンプ等によりノズル側からインクジェットヘッド内のインクを吸引して気泡を除去すること(いわゆる吸引パージ)が行われている。インクカートリッジ等から供給されたインクは、共通インク室の延設方向に沿って流れ、各インク供給孔をとおって圧力室に分配されるが、このとき気泡は、そのインクの流れにのって共通インク室の下流側末端に集まりやすく、その末端に近いノズルほど不吐出を生じやすい。特許文献1には、共通インク室の幅を末端部において先細形にすることによって、この先細形部分に来た気泡を圧力室を通してポンプ等により吸引しやすくすることが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−272770号公報(第0032段落−第0033段落、第8図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の吸引パージによっても、共通インク室内の気泡は完全に除去できるわけではなく、ある程度は残留してしまう。この残留した気泡が、短期間のうちに、インクの流れによって共通インク室の末端に集まってきたり、またそこで成長したりするため、再びその気泡が、インクの吐出動作時に、共通インク室末端付近の圧力室に連通するインク供給孔に引き込まれ、ノズルを不吐出にしてしまう。この結果、不吐出となったノズルの回復のためにパージ動作が繰り返され、大量のインクが消費されるという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、共通インク室のインク供給方向末端とインク供給孔との相対的な位置関係を工夫することで、気泡による不吐出を少なくし、回復のためのパージ動作を少なくできるインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のインクジェットヘッドは、外部に開口する複数のノズルと、当該複数のノズルのそれぞれにインクをそれぞれ供給するための複数の圧力室と、当該複数の圧力室にそれぞれ整列状態で開口されたインク供給孔を介し、インク供給源から前記インクを前記複数の圧力室に分配するため、前記インク供給孔の整列方向に延設された共通インク室と、前記圧力室のそれぞれに前記インクを吐出させるための圧力をそれぞれ与える複数の圧力発生部を備えたアクチュエータとを有するインクジェットヘッドであって、前記インク供給孔の整列方向の一端から他端に向かって前記インク供給源からインクが供給される前記共通インク室のそのインク供給方向末端において、当該末端に一番近い前記インク供給孔と前記末端との距離は、少なくとも前記インク供給孔の整列間隔の1ピッチ分以上離れていることを特徴とする。
【0008】
この構成のインクジェットヘッドでは、インク供給方向の最後尾のインク供給孔が、共通インク室の末端から少なくとも1ピッチ以上離れているので、回復パージ時に除去しきれなかった気泡を、末端から最後尾のインク供給孔までの間の部分に溜めることができる。
【0009】
また、請求項2に係る発明のインクジェットヘッドは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記インク供給孔の整列方向に延設された前記共通インク室の断面積は、前記インク供給方向の終端部において、前記末端に向かうに従い、より狭くなっていることを特徴とする。
【0010】
この構成のインクジェットヘッドでは、請求項1に係る発明の作用に加え、共通インク室の幅がインク供給方向において先細り形状となっているので、インクの流れが共通インク室の末端において速くなり、パージ動作時に気泡が除かれやすい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したインクジェットヘッドの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態のインクジェットヘッド6を搭載したインクジェット記録装置の一例であるインクジェットプリンタ100の全体の構成について説明する。図1は、インクジェットプリンタ100の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されるインクカートリッジ61と、図中矢印A方向に搬送される用紙62に印刷するための圧電式のインクジェットヘッド6を備えたヘッドユニット63と、インクカートリッジ61およびヘッドユニット63が搭載されるキャリッジ64と、このキャリッジ64を用紙62の搬送方向と直交する方向に往復移動させる駆動ユニット65と、キャリッジ64の往復移動方向に延び、インクジェットヘッド6と対向配置されるプラテンローラ66と、パージ装置67とを備えている。
【0013】
駆動ユニット65は、キャリッジ64の下端部に配置されたプラテンローラ66と平行に延びるキャリッジ軸71と、キャリッジ64の上端部に配置されキャリッジ軸71と平行に延びるガイド板72と、そのキャリッジ軸71とガイド板72との間であって、キャリッジ軸71の両端部に配置される2つのプーリ73,74と、これらプーリ73,74の間に掛け渡されるエンドレスベルト75とを備えている。一方のプーリ73が、モータ76の駆動により正逆回転されると、そのプーリ73の正逆回転に伴って、エンドレスベルト75に接合されているキャリッジ64が、キャリッジ軸71およびガイド板72に沿って、直線方向に往復移動されるようになっている。
【0014】
印刷の際には、インクジェットプリンタ100の側方に設けられた給紙カセット(図示外)から給紙された用紙62は、インクジェットヘッド6と、プラテンローラ66との間に導入されてインクジェットヘッド6から吐出されるインクにより所定の印刷が行われた後、排紙される。尚、図1において、用紙62の給紙機構および排紙機構の図示を省略している。
【0015】
パージ装置67は、プラテンローラ66の側方に設けられ、ヘッドユニット63がリセット位置にあるときに、インクジェットヘッド6と対向するように配置されている。このパージ装置67は、インクジェットヘッド6の後述する複数のノズル15を覆うように、その開口面に対し当接するキャップ81と、ポンプ82と、カム83と、インク貯留部84とを備えている。そして、ヘッドユニット63がリセット位置にあるときに、インクジェットヘッド6のノズル15をキャップ81で覆い、インクジェットヘッド6の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを、カム83の駆動によってポンプ82が吸引動作をすることで、インクジェットヘッド6の回復を図るようになっている。吸引された不良インクは、インク貯留部84に貯められる。
【0016】
次に、図2〜図4を参照して、ヘッドユニット63の構造について説明する。図2は、ヘッドユニット63を上方から見た斜視図である。図3は、ヘッドユニット63を倒立させて見た斜視図である。図4は、倒立させて見たヘッドユニット63の分解斜視図である。
【0017】
図2に示すように、用紙62に沿って走行するキャリッジ64(図1参照)に搭載されるヘッドユニット63は、上面開放の略箱状に形成されており、その上方からインク供給源である4色のインクカートリッジ61を着脱自在に装着できるカートリッジ搭載部3を有している。このカートリッジ搭載部3の底壁3aには、前壁3bに近い側に各インクカートリッジ61のインク放出部(図示外)と接続可能なインク供給路4a,4b,4c,4dが設けられ、底壁3aの下面側まで連通している。尚、このカートリッジ搭載部3の底壁3aの上面(カートリッジ搭載部3の内側の壁面)には、各インクカートリッジ61のインク放出部(図示外)と密接できるようにしたゴム製等のパッキン(図示外)が配置されている。
【0018】
図3に示すように、カートリッジ搭載部3の下面側の底壁3aにはヘッド保持部5(図4参照)が形成され、保持部5上の4つの支持部8に各インクカートリッジ61に対応した4つのインクジェットヘッド6が固定されている。さらに、ヘッド保持部5ごとインクジェットヘッド6を覆うヘッドカバー44が、その開口部44aからそれぞれのインクジェットヘッド6が有する複数のノズル15を露出させた状態で、被せつけられている。そして、カートリッジ搭載部3の背壁3cの外側の壁面(図1においてキャリッジ64に対向する側の壁面)には、インクジェットヘッド6からインクを吐出させるためのインクジェットプリンタ1の制御部(図示外)との中継基板である回路基板45が、その板面が背壁3cに対して略平行に、配設されている。各インクジェットヘッド6は、それぞれフレキシブルフラットケーブル40を介して、略長方形の回路基板45の長手側の一方の縁部に接続されている。
【0019】
各支持部8の一端には、インク供給路4a〜4d(図2参照)を介してインクカートリッジ61とそれぞれ連通する連通部46a,46b,46c,46dが設けられており、この連通部46a〜46dの外周には、平面視、8の字状の嵌合溝48が凹設されている。この嵌合溝48には、リング状のゴム製等のパッキン47が挿入され、インクジェットヘッド6が支持部8に接着固定されたとき、このパッキン47の先端が、後述するインクジェットヘッド6のインク供給口19a(図5参照)の外周へ押圧され、このインク供給口19aとの当接箇所が密閉される。尚、インク供給口19aにはフィルタ(図示外)が設けられており、インクカートリッジ61の脱着の際に異物等がインクに混入しても、その異物等が、後述する共通インク室12a,12b(図8参照)内に侵入しないように保護している。
【0020】
次に、図5〜図11参照して、インクジェットヘッド6の構造について説明する。図5は、インクジェットヘッド6の分解斜視図である。図6は、図5に示す1点鎖線B−B’における矢視方向から見たインクジェットヘッド6の側方断面図である。図7は、図5に示す圧電アクチュエータ20のC部近傍を拡大した分解斜視図である。図8は、キャビティプレート10の分解斜視図である。図9は、図5に示す1点鎖線B−B’におけるキャビティプレート10の要部を拡大した分解斜視図である。図10は、マニホールドプレート12の平面図である。図11は、マニホールドプレート12の要部を拡大した平面図である。
【0021】
図5,図6に示すように、インクジェットヘッド6は、複数枚の積層型のキャビティプレート10と、キャビティプレート10に対して接着剤または接着シートを介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面にフレキシブルフラットケーブル40とが接着剤にて重ね接合されて構成されており、最下層のキャビティプレート10の下面側に開口されたノズル15から下向きにインクが吐出するようになっている。
【0022】
図7に示すように、圧電アクチュエータ20は、二枚の圧電シート21,22と、一枚の絶縁シート23とを積層した構造である。最下段の圧電シート21の上面には、キャビティプレート10における各圧力室16(図5参照)毎に対応した細幅の複数の駆動電極24が、千鳥状配列で設けられている。また、各駆動電極24の一端部24aは、圧電アクチュエータ20の表裏面20a,20bと直交する左右側面20cに露出するように形成されている。
【0023】
次段の圧電シート22の上面には、複数の圧力室16に対して共通のコモン電極25が設けられている。コモン電極25の一端部25aも、各駆動電極24の一端部24aと同様、左右側面20cに露出するように形成されている。各駆動電極24とコモン電極25とに挟まれる圧電シート22におけるそれぞれの領域は、各圧力室16毎に対応した圧力発生部となる。最上段の絶縁シート23の上面には、各駆動電極24の各々に対する表面電極26と、コモン電極25に対する表面電極27とが、左右側面20cに沿って並ぶように設けられている。
【0024】
また、左右側面20cには、各駆動電極24の一端部24aに第1の凹み溝30が、コモン電極25の一端部25aに第2の凹み溝31が、それぞれ積層方向に延びるように設けられている。各第1の凹み溝30内には、図6に示すように、各駆動電極24と各表面電極26とを電気的に接続する側面電極32が、また、第2の凹み溝31内には、コモン電極25と表面電極27とを電気的に接続する側面電極33が、それぞれ形成されている。尚、電極28,29は、捨てパターンの電極である。
【0025】
次に、図8に示すように、キャビティプレート10は、ノズルプレート11と、二枚のマニホールドプレート12と、スペーサプレート13と、ベースプレート14との五枚の薄い金属板をそれぞれ接着剤にて重ね積層した構造となっている。本実施の形態では、これらの各プレート11〜14は、42%ニッケル合金鋼板(42合金)製で、50μm〜150μm程度の厚さを有している。
【0026】
図9に示すように、ベースプレート14には、長手方向の中心線14a,14bに対して直交する方向に延びる細幅の複数の圧力室16が2列の千鳥状配列で穿設されている。また、各圧力室16に対応して、それぞれの圧力室16よりもベースプレート14の短手方向の両端側の位置にインク供給孔16bがそれぞれ穿設されており、その間に凹設された絞り部16dによって、各圧力室16と各インク供給孔16bとがそれぞれ接続されている。各インク供給孔16bは、スペーサプレート13の短手方向における左右両側部位に穿設された各インク供給孔18を介して、マニホールドプレート12の共通インク室12a,12bに連通している。ここで、各絞り部16dにおけるインクが流れる方向と直交する方向の断面積は、各圧力室16における同方向の断面積より小さい構造となっている。これは、絞り部16dの断面積を小さくすることにより、流路抵抗を増すためである。また、各圧力室16の一端部16aは、ノズルプレート11における千鳥状配列のノズル15に、スペーサプレート13および二枚のマニホールドプレート12に、同じく千鳥状配列で穿設されている微小径の貫通孔17を介して連通している。
【0027】
図8に示すように、ノズルプレート11には、微小径(本実施例では、25μm程度)の複数のインク吐出用のノズル15が、ノズルプレート11における長手方向の中心線11a,11bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列で穿設されている。そして、それぞれのノズル15は、マニホールドプレート12の貫通孔17のそれぞれに対応している。
【0028】
そして、ベースプレート14およびスペーサプレート13には、インクカートリッジ61からインクをマニホールドプレート12における共通インク室12a,12bに供給するためのインク供給口19a,19bが、それぞれ穿設されている。
【0029】
図8,図10に示すように、二枚のマニホールドプレート12には、ノズルプレート11における複数のノズル15に連通する貫通孔17のなす列を挟んでその列とほぼ平行に、共通インク室12a,12bが2つ設けられている。共通インク室12a,12bは各マニホールドプレート12をそれぞれ貫通して形成されており、一方の共通インク室12aは、2列の圧力室16のうち1列の圧力室16にスペーサプレート13のインク供給孔18を介して連通し、他方の共通インク室12bは、同様に、他方の列の圧力室16にインク供給孔18を介して連通している。この共通インク室12a,12bは、ベースプレート14における複数の圧力室16がなす面と平行な面内に位置し、かつ、この複数の圧力室16よりも、ノズルプレート11側に位置している。
【0030】
共通インク室12a,12bは、インク供給口19a,19bから離れた端部において、インク供給口19a,19bから離れる方向に、その断面積が一定割合で減少する形状、すなわち先細り形状12e,12fとなっている。また、スペーサプレート13のインク供給孔18は、貫通孔17のなす列と平行に整列して、共通インク室12a,12bに対してそれぞれ開口されている。それぞれのインク供給孔18は、圧力室16を介して各ノズル15と対応するように列設されており、すなわち、その列設間隔がノズル15のピッチPと同一となっている。
【0031】
そして、図11に示すように、先細り形状12e,12fの、共通インク室12a,12bのそれぞれの先端部分、すなわち、インク供給口19a,19bから共通インク室12a,12b内に供給されるインクの供給方向の末端部分にあたる末端12c,12dは、インク供給孔18の列において、その末端と最も近い位置にあるインク供給孔18a,18bまでの平面距離P1,P2が、少なくとも前記1ピッチ(P)以上の大きさとなっている。
【0032】
このように構成された共通インク室12a,12bは、図8に示すように、二枚のマニホールドプレート12に対するノズルプレート11およびスペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。そして、インクは、インクカートリッジ61からベースプレート14およびスペーサプレート13の一端部に穿設されたインク供給口19a,19bを介し、共通インク室12a,12b内に流入し、共通インク室12aから各インク供給孔18、各インク供給孔16b、絞り部16dを通って各圧力室16に分配される。
【0033】
そして、インクジェットヘッド6における圧電アクチュエータ20の各駆動電極24のうち任意の駆動電極24と、コモン電極25との間に電圧が印加され、圧電シート22のうち電圧が印加された駆動電極24の部分、すなわち、前述した圧力発生部に、圧電による積層方向の歪が発生する。この歪による圧力によって、各駆動電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に吐出して、用紙62への所定の印刷が行われる。
【0034】
インクカートリッジ61を交換したとき、新しいインクカートリッジからインクをインクジェットヘッド6に導入するために公知のようにパージ装置67により吸引動作が行われる。インクカートリッジ61をインク供給路4a〜4dに接続したときにその接続部分に挟み込んだエアがインクに混入し、インク供給口19a,19bのフィルタ(図示外)を通り抜けて細かい気泡となって共通インク室12a,12bに侵入する。この気泡の大部分は、吸引動作によってインク供給口18、圧力室16をとおってノズル15から排出される。しかし、完全には排出されず、一部は共通インク室12a,12bに残留する。
【0035】
また、通常の使用状態においても、時間の経過につれて、インクカートリッジあるいは供給経路の壁面等から侵入した空気が気泡に成長することが避けられず、上記導入時に残留した気泡とともに、インクの流れ(パージ動作時および吐出動作時の流れ)にのって共通インク室12a,12bの末端12c,12c付近に集積される。この末端とインク供給孔18のインク供給方向最後尾(インク供給孔18a,18b)との間の距離P1,P2がインク供給孔18の配列ピッチPよりも十分おおきくなっており、集積された気泡は、直ちに最後尾のインク供給孔18a,18bを閉塞してしまうことはない。
【0036】
したがって、共通インク室の末端12c,12c付近の気泡の量が多くなり、またそこで気泡どうしが合一して成長することで、最後尾のインク供給孔18a,18bの位置にかかるまでには、時間がかかるようになり、その結果、パージ動作の間隔を長くしても最後尾のインク供給孔18a,18bが気泡で閉塞されることが少なくなる。
【0037】
ある程度成長した気泡塊は、その大きさが故、球形状としての安定を保とうとする気泡塊の界面張力が小さくなっており、パージ等の動作が行われた場合に、インク供給孔18a,18bからのインクの吸引力に抗しきれず気泡塊の界面の安定性が崩れ、この気泡塊がインク供給孔18a,18bから簡単に排出されやすくなる。
【0038】
さらに、共通インク室12a,12bは、その末端12c,12cの上流側で先細り形状12e,12fとなっているので、その部分でパージ動作によるインクの流れが速くなり、気泡を最後尾のインク供給孔18a,18bに導きやすい。つまり、排出しやすい。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態のインクジェットヘッド6では、共通インク室12a,12bに供給されるインクの供給方向末端部分にあたる末端12c,12dから、その共通インク室12a,12bの延設方向と略平行な方向に列設されたインク供給孔18の最後尾のインク供給孔18a,18bまでのそれぞれの平面距離P1,P2は、少なくとも各インク供給孔18のピッチPの大きさ以上、すなわち1ピッチ以上となっている。このため、パージ動作によって除去しきれなかった気泡、あるいはその後侵入した気泡を、共通インク室の末端12c,12c付近に溜めることができ、パージ動作直後の不吐出を少なくすることができるとともに、周期的に行うパージ動作の間隔を長くすることができるようになり、パージ動作によって排出するインクの量を少なくすることができる。また、共通インク室12a,12bは、それぞれ、前記末端12c,12dの近傍において、末端12c,12dの方向に向かってその幅が徐々に減少する先細り形状12e,12fとなっており、この部分におけるパージ動作時のインクの流れが速くなり、気泡をそこから排出しやすくすることができる。
【0040】
尚、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、本実施例では共通インク室12a,12bの末端12c,12dから、その共通インク室12a,12bへ投影されたインク供給孔18a,18bまでの平面距離P1,P2を、少なくとも1ピッチ以上としたが、2ピッチ、3ピッチ、4ピッチ、5ピッチ、あるいは1.3ピッチ、1.5ピッチなど、複数ピッチであってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のインクジェットヘッドでは、インク供給方向の最後尾のインク供給孔が、共通インク室の末端から少なくとも1ピッチ以上離れているので、パージ動作時に除去しきれなかった気泡を、その末端から最後尾のインク供給孔までの間の部分に溜めることができる。従って、パージ直後に除去しきれなかった気泡が最後尾付近のインク供給孔を塞ぐことによるインクの不吐出を防止することができる。また、それによりパージ動作の間隔を長くでき、パージ動作によって排出するインクの量を少なくできる。
【0042】
また、請求項2に係る発明のインクジェットヘッドでは、請求項1に係る発明の効果に加え、共通インク室の幅がインク供給方向において末端に向かうに従いより狭くなっているので、その部分におけるパージ動作時のインクの流れを速くすることができ、気泡の除去が行われやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、インクジェットプリンタ100の斜視図である。
【図2】図2は、ヘッドユニット63を上方から見た斜視図である。
【図3】図3は、ヘッドユニット63を倒立させて見た斜視図である。
【図4】図4は、倒立させて見たヘッドユニット63の分解斜視図である。
【図5】図5は、インクジェットヘッド6の分解斜視図である。
【図6】図6は、図5に示す1点鎖線B−B’における矢視方向から見たインクジェットヘッド6の側方断面図である。
【図7】図7は、図5に示す圧電アクチュエータ20のC部近傍を拡大した分解斜視図である。
【図8】図8は、キャビティプレート10の分解斜視図である。
【図9】図9は、図5に示す1点鎖線B−B’におけるキャビティプレート10の要部を拡大した分解斜視図である。
【図10】図10は、マニホールドプレート12の平面図である。
【図11】図11は、マニホールドプレート12の要部を拡大した平面図である。
【符号の説明】
6 インクジェットヘッド
8 支持部
12a,12b 共通インク室
12c,12d 末端
15 ノズル
16 圧力室
16b,18 インク供給孔
20 圧電アクチュエータ
61 インクカートリッジ
Claims (2)
- 外部に開口する複数のノズルと、当該複数のノズルのそれぞれにインクをそれぞれ供給するための複数の圧力室と、当該複数の圧力室にそれぞれ整列状態で開口されたインク供給孔を介し、インク供給源から前記インクを前記複数の圧力室に分配するため、前記インク供給孔の整列方向に延設された共通インク室と、前記圧力室のそれぞれに前記インクを吐出させるための圧力をそれぞれ与える複数の圧力発生部を備えたアクチュエータとを有するインクジェットヘッドであって、
前記インク供給孔の整列方向の一端から他端に向かって前記インク供給源からインクが供給される前記共通インク室のそのインク供給方向末端において、当該末端に一番近い前記インク供給孔と前記末端との距離は、少なくとも前記インク供給孔の整列間隔の1ピッチ分以上離れていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記インク供給孔の整列方向に延設された前記共通インク室の断面積は、前記インク供給方向の終端部において、前記末端に向かうに従い、より狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
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