JP3952155B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3952155B2
JP3952155B2 JP2002060248A JP2002060248A JP3952155B2 JP 3952155 B2 JP3952155 B2 JP 3952155B2 JP 2002060248 A JP2002060248 A JP 2002060248A JP 2002060248 A JP2002060248 A JP 2002060248A JP 3952155 B2 JP3952155 B2 JP 3952155B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
plate
ink supply
pressure chamber
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002060248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003251803A (ja
Inventor
敦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2002060248A priority Critical patent/JP3952155B2/ja
Publication of JP2003251803A publication Critical patent/JP2003251803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3952155B2 publication Critical patent/JP3952155B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式等のインクジェット記録装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術のオンディマンド型の圧電式等のインクジェットプリンタヘッドにおいて、本出願人は先に、特開2002−19102号公報等において、印字方向に対してノズル列を直交方向に配置したインクジェットヘッドユニット(以下単にヘッドユニットという)は、複数個のノズルとのそのノズル毎にそれぞれ形成された圧力室と、その複数の圧力室にインクを供給する共通インク室(マニホールド室)等を備えたキャビティユニットと、該キャビティユニットの背面側に設けて前記圧力室のそれぞれに対応する駆動部を有する圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータに電気的信号を送信するフレキシブルフラットケーブルとから構成されたものを開示した。
【0003】
そして、マニホールドプレートにおける前記マニホールド室は、ノズル列の延びる方向と平行状であって短辺の両側寄り部位に長く形成されており、ベースプレートにおける圧力室は、ベースプレートの短辺と平行状に長く、且つ長辺方向に一定間隔に形成され、前記ノズルへインクを導く各圧力室の一端(インク放出端部)はベースプレートの短辺方向の略中央側に形成され、前記マニホールド室からのインクを各圧力室に供給する他端部(インク供給端部)はベースプレートの短辺方向の両側寄り部位に形成されており、さらに、前記マニホールドプレートとの間に介挿するスペーサプレートには、前記マニホールド室と前記各圧力室におけるインク供給端部とに連通するように、独立状の貫通孔が形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記スペーサプレートにおける各貫通孔が独立状であると、ペースプレートとスペーサプレートとを積層させた場合に、各貫通孔が前記圧力室における他端部(インク供給端部)と平面視で互いに重なるように配置するには、当該貫通孔の直径の寸法精度及び貫通孔の配置間隔の精度が高いものが要求される。特に、ノズルの数ひいては圧力室の数が多い時、例えば、インチ当たり150個の間隔で圧力室を形成する場合には、前記貫通孔の直径も配置間隔も微小にするため、スペーサプレートの製作精度の高いものが要求され、不良品の発生率も高くなり、製作コストが高くつくという問題があった。
【0005】
一方、前記キャビティユニット内に溜まるインク中の気泡は、インク収容容積の大きいマニホールド室の天井側(スペーサプレートの下面に相当する)に集まることが多い。その部分の気泡をノズル側からの吸い出しにより除去するパージ動作を実行する時、前記独立状の各貫通孔を介して各圧力室方向に気泡を吸い出すのであるから、前記隣接する貫通孔の間であってマニホールド室の天井面(スペーサプレートの下面)に溜まった気泡は、一旦この天井面に沿って横移動した後、最も近い位置の貫通孔を介して上方に抜けて圧力室のインク供給端部側に流れ込むという経路を採るから、前記貫通孔が散在的であると共に各貫通孔の断面積も小さいことと相俟って、パージ動作による気泡排出性(効率)が悪く、完全な気泡除去が困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決すべくなされたものであり、キャビティユニットの製造精度を上げることなく、不良品の発生率を低下できる(生産効率の高い)インクジェットプリンタヘッドを提供すること、及びパージ動作による気泡排出性を向上できるようにしたインクジェット記録装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、前面に列状に配置されかつ下向きに開口した複数個のノズルを備えたノズルプレートと該各ノズル毎の圧力室とそれらに連通するインク流通路とを有した複数枚のプレートを積層してなるキャビティユニットと、前記圧力室毎に選択的に駆動可能な活性部を有してインクを吐出させるアクチュエータとを積層させてなるインクジェットプリンタヘッドと、前記ノズルを下方から覆い、そのノズルを通して前記インクジェットプリンタヘッド内のインクを吸引するパージキャップとを備えるインクジェット記録装置において、前記キャビティユニットを、前記圧力室が列状に形成されたベースプレートと、その下に位置し前記各圧力室にインクを供給するインクサプライ通路を備えたスペーサプレートと、そのスペーサプレートの下に位置し前記インクサプライ通路を介して前記圧力室にインクを供給するマニホールドを備えたマニホールドプレートと、そのマニホールドプレートの下に位置し前記ノズルを備えたノズルプレートとを上下方向に積層して構成し、前記マニホールドプレートの前記マニホールドおよび前記スペーサプレートの前記インクサプライ通路を、前記圧力室の列方向に沿って長く延設し、前記各圧力室の前記インクサプライ通路に対応する一端部は、前記インクサプライ通路の天井面に重なった状態でそれぞれ独立して開口し、その開口から前記各圧力室に向かう方向と直交する方向における断面積前記各圧力室の断面積よりも小さい絞り部を備え、前記スペーサプレートとマニホールドプレートとには、前記各圧力室の他端を前記各ノズルに連通させる複数の貫通路を形成したことを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1は本発明のインクジェット記録装置としての実施形態の1つであるカラーインクジェットプリンタをを示す斜視図、図2〜図4は、本発明の実施の形態による圧電式のインクジェットプリンタヘッドの斜視図を示し、図5はヘッドユニットの要素の分解斜視図、図6はキャビティユニットの要素の分解斜視図、図7はキャビティユニットの要部を示す拡大斜視図、図8はヘッドユニットの拡大断面図、図9(a)は圧力室とインクサプライ通路との位置関係を示す平面図、図9(b)は図9(a)のIXb −IXb 線矢視断面図、図10は絞り部の変形例を示す断面図、図11(a)は第2実施形態の圧力室とインクサプライ通路との位置関係を示す平面図、図11(b)は図11(a)のXIb −XIb 線矢視断面図である。
【0011】
図1に示すように、本発明に係るカラーインクジェットプリンタ100は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されたインクカートリッジ61と、用紙(被記録媒体)62に印字するためのインクジェットヘッドユニット(以下単にヘッドユニットという)6を備えたインクジェットプリンタヘッド63と、前記インクカートリッジ61とインクジェットプリンタヘッド63が搭載されるキャリッジ64と、このキャリッジ64を前記用紙62の搬送方向と直交する方向に往復移動させる駆動ユニット65、キャリッジ64の往復移動方向に延び、前記ヘッドユニット6と対向配置されたプラテンローラ66と、パージ装置67とを備えている。
【0012】
駆動ユニット65は、キャリッジ64の下端部に配置され、プラテンローラ66と平行に延びるキャリッジ軸71と、キャリッジ64の上端部に配置されてキャリッジ軸71と平行に延びるガイド板72と、キャリッジ軸71とガイド板72との間にあって、キャリッジ軸71の両端部に配置される2つのプーリ73、74とこの両プーリ73、74に巻き掛けしたタイミングベルト75とからなる。
【0013】
モータ76の駆動に従って回転する一方のプーリ73からの駆動力によりタイミングベルト75に接合されているキャリッジ64が前記キャリッジ軸71とガイド板72に支持されて直線往復移動できる。
【0014】
図示しない給紙部から矢印方向に搬送される用紙62は前記プラテンローラ66とヘッドユニット6との間に導入されて、後述するようにヘッドユニット6から吐出されるインクにより所定の印字がなされ、その後排紙される。
【0015】
パージ装置67はプラテンローラ66の側方に設けられ、プリンタヘッド63がリセット位置にある時に、ヘッドユニット6に対向するように配置されている。このパージ装置67は、ヘッドユニット6の後述する複数のノズル11aを覆うように当該ノズルの開口面に対して当接するパージキャップ81と、ポンプ82及びカム83と、インク貯留部84とを備えている。プリンタヘッド63がリセット位置にあるときに、ヘッドユニット6の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを、カム83の駆動によりポンプ82によって吸引することにより、ヘッドユニット6の回復を図るようにしている。なお、吸引された不良インクはインク貯留部84に貯められる。
【0016】
パージ装置67におけるプラテンローラ66側の位置には、パージ装置67に隣接してワイパ部材86が配置されている。このワイパ部材86はへら状に形成されており、キャリッジ64の移動に伴って、ヘッドユニット6のノズル開口面を拭くものである。ノズル開口面を拭く場合に、ワイパ部材86は上方に突出され、ノズル開口面を拭かない場合には下方に後退している。
【0017】
キャップ85は、インクの乾燥を防止するため、印字が終了するとリセット位置に戻されるキャリッジ64に搭載されたヘッドユニット6の複数のノズル11aを覆うものである。
【0018】
インクジェットプリンタヘッド63は、図 2及び図 3に示すように、ヘッドホルダ1と、その底板5の下面側に並設した2つのヘッドユニット6、6と、その各ヘッドユニット6の表面のノズル列が露出するようにした開口窓44a、44aが下板44bに設けられて、ヘッドユニット6、6の表面及び前記ヘッドホルダ1に固定した箱状の保護カバー44とにより構成されている。
【0019】
ヘッドホルダ1は、図2〜図4に示すように、ポリプロエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材の射出形成品で、上面開放状(図 3参照)の略箱状に形成されている。この開放部には、その上方からインク供給源としての4つのインクカートリッジ61を着脱自在に装着できる搭載部3を有し、該搭載部3の一側部位には、前記各インクカートリッジ61のインク放出部(図示せず)に接続できるインク供給通路4a,4b,4c,4dがヘッドホルダ1の底板5の下面まで連通するように穿設されている(図3参照)。なお、各インク供給通路4a,4b,4c,4dの外周には、各インクカートリッジ61をインク放出部と密接できるようにしたゴム製のパッキン(図示せず)が配置されている。
【0020】
前記底板5はヘッドユニット6を配設するためのものであり、ヘッドホルダ1の下面(図4にて上面側)から1段突出するようにして水平状に形成されている。この底板5の下面側には、後に詳述するヘッドユニット6を2つ並列させて支持するための2つの支持部8、8が形成されている。該各支持部8には、ヘッドユニット6をUV接着剤7にて固定するための複数の接着剤流し込み孔9a,9bが搭載部3側へ貫通するように形成されている。この複数の接着剤流し込み孔9a,9bは1つのヘッドユニット6に対してその長辺部を適宜間隔にて固定する箇所に形成されている。実施形態では、2つの支持部8、8の一辺(長辺)が隣接する箇所の接着剤流し込み孔9aは、並設する2つのヘッドユニット6、6の裏面に跨がるように形成されている。
【0021】
前記各支持部8の一側部位には、図4に示すように、前記各インク供給通路4a,4b,4c,4dに連通する開口部50が設けられている。その各開口部50毎の外周を囲繞するように略環状の嵌合溝46が凹み形成されている。そして、前記各嵌合溝46に、軟質のゴム製等のシール性の良好なリング状のパッキン47が嵌合されている。
【0022】
各ヘッドユニット6が前記底板5の下面に対して後述するようにUV接着剤7にて固定された場合に、前記パッキン47の先端がヘッドユニット6おけるインク供給口19a(図6参照)の外周に押圧され、インク供給口19aとの当接箇所が密閉されてインク漏れを防止できるものである。
【0023】
ヘッドユニット6及びその各構成部品の詳細について説明する。ヘッドユニット6は、図5〜図8に示すように、複数枚の金属板製の積層型のキャビティユニット10と、該キャビティユニット10に対してインク非浸透性の接着剤または接着シート41(図8参照)を介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に外部機器との電気的接続のために重ね接合されたフレキシブルフラットケーブル40とにより構成されている。
【0024】
また、ヘッドユニット6の裏面側であって、最上層のベースプレート14の一端部に穿設されたインク供給口19aの上面には、その上方のインクカートリッジ61から供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が予め接着剤にて固定されている(図6参照)。キャビティユニット10をヘッドホルダ1に組み付けたとき、インク供給口19aはその周囲を前記パッキン47に押圧する。
【0025】
前記キャビティユニット10は、図6及び図7に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート11、二枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の5枚の薄い金属板をそれぞれ接着剤にて重ね接合した構造であり、実施形態では、ノズルプレート11を除く各プレートは、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。
【0026】
前記下側のマニホールドプレート12にはノズルプレート11が接着され、ノズル11aに連通する多数の貫通路17が、上下両マニホールドプレート12、12及びスペーサプレート13の各々の第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に一定ピッチで設けられている。そして、前記二枚のマニホールドプレート12には、マニホールド12a、12bが、前記貫通孔17の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、下側のマニホールドプレート12におけるマニホールド12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図7参照)。このマニホールド12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0027】
また、前記ベースプレート14には、その長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端であるインク放出部16aは前記右側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16のインク放出部16aは左側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16のインク放出部16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。この各圧力室16のインク放出部16aは、ノズルプレート11に前記第1の方向に千鳥状配列にて穿設されているノズル11aに、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート12に同じく千鳥状配列にて穿設されている貫通路17、17、17を介して連通している。さらに、各圧力室16の長手方向の後端には、断面積の小さいインク供給部16bが形成されている。
【0028】
第1実施形態では、図7、図8及び図9(b)に示すように、前記各圧力室16のインク供給部16bは、その断面積が各圧力室16の断面積よりも小さくなるように形成するため、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成され、また、インク供給部16bの幅寸法も小さく形成されているものである。このように、インク供給部16bの断面積を小さく形成するのは、圧電アクチュエータ20の作動により、圧力室16に圧力が作用したとき、圧力室16内のインクがノズル11a側には流れ易いが、マニホールド12a,12b側には流路抵抗により流れ難くするためである。
【0029】
前記スペーサプレート13には、その左右両側部位に、前記圧力室16の列に沿って長いインクサプライ通路18、18が穿設されている。この各インクサプライ通路18はマニホールドプレート12におけるマニホールド12aの長手方向と平行状に長く、且つ平面視で重なる位置に形成されている。また、前記各インクサプライ通路18は、前記各インク供給部16bと平面視で交差するように形成されている。
【0030】
したがって、この、各インクサプライ通路18の上面は前記各圧力室16の一端(後端)であるインク供給部16bに連通し、各インクサプライ通路18の下面は前記前記上側のマニホールドプレート12におけるマニホールド12aに連通している(図8、図9(a)及び図9(b)参照)。
【0031】
これにより、前記前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設のインク供給口19a,19bから前記マニホールド12a、12b内に流入したインクは、このマニホールド12aから前記各インクサプライ通路18を介して前記各圧力室16のインク供給部16bを通って各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16のインク放出部16aを介して前記貫通路17、17、17を通って、当該圧力室16に対応するノズル11aに至るという構成になっている(図7図8、図9(a)及び図9(b)参照)。
【0032】
上記のように構成すると、キャビティユニット10を構成するために、ベースプレート14とスペーサプレート13と2枚のマニホールドプレート12、12とを積層固定する場合、インクサプライ通路18は、インク供給部16bの列と平面視で交差するように長く形成されており、且つマニホールド12a、12bの長い空間内に位置するように形成されているので、実質上、各圧力室16におけるインク放出部16aと、スペーサプレート13及び2枚のマニホールドプレート12、12における上下方向の3つの貫通路17との位置合わせが正確であれば、インク流の上流側であるマニホールド12a、12bとインクサプライ通路18と各インク供給部16bとの連通関係は保証される。従って、インクサプライ通路18を独立孔状に形成した場合に比べて、前記各インク供給部16bとの連通状態を保証するための、製作精度や組み立て精度(位置合わせの精度)を厳密にする必要がなく、製造コストも大幅に低減できるのである。
【0033】
なお、図7〜図9に示すように、各圧力室16の長手方向の中途部には、隣接する圧力室16間の幅寸法w1の狭い桁56を補強するための薄肉状のブリッジ57を連結する。その場合、前記ブリッジ57は圧力室16の幅方向の一対の壁面側(インク流の流速が遅い部位)にてはインク流の上流側に位置し、幅方向の中央側(インク流の流速が速い部位)でインク流の下流側に位置するように平面視V字状もしくはU字状に形成することで、各圧力室16のインク供給部16b側から流れるインク流中の気泡がブリッジ57の箇所で滞留せずにインク放出部16aの方向に流すことができる。
【0034】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、特開2001−246744号公報に記載したものと同様の構成であって、複数枚の圧電シート21を積層した構造で、前記各圧電シート21のうち最下段の圧電シート21とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21の上面(広幅面)には、前記キャビティユニット10における各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極(図示せず)が印刷形成されている。下から偶数段目の圧電シート21の上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極(図示せず)が同じく印刷形成されている。その場合、前記各個別電極及びコモン電極の端面が各圧電シート21の長辺側の側縁に露出されている。
【0035】
他方、前記最上段のトップシート23の上面には、図5に示すように、その長辺の端縁部に沿って、前記各個別電極の各々に対して電気的に接続するための表面電極30と、前記コモン電極に対して電気的に接続するための表面電極31とがそれぞれ印刷形成されている。
【0036】
そして、この圧電アクチュエータ20における前記上下段の圧電シート21の上下方向に同じ位置の個別電極の露出部同士を、トップシート23における表面電極30に電気的に接続するように接続用の側面電極を塗布する。同様にして、前記上下段の圧電シート21の上下方向に同じ位置のコモン電極の露出部同士を、トップシート23における表面電極31に電気的に接続するように接続用の側面電極を塗布するのである。
【0037】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20は、前記キャビティユニット10に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個別電極が前記キャビティユニット10における各圧力室16の各々に対応するように積層固定される。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される(図7参照)。
【0038】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極のうち任意の個別電極と、コモン電極との間に電圧を印加することにより、圧電シート21のうち前記電圧を印加した個別電極に対応した部分に圧電による積層方向の歪みが発生するという圧電素子の活性部となる。この活性部歪みにて前記各個別電極に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、インク放出部16a、貫通路17を介してノズル11aから液滴状に噴出して、所定の印字が行われる。この場合、絞り部であるインク供給部16b側の断面積が小さいので、マニホールド12a(12b)側に逆流するインクは少ない。
【0039】
また、大きい容積のマニホールド12a,12b内に蓄積されたインク中の気泡は、浮力によりそのマニホールド12aの天井面より上側に位置する長いスリット状のインクサプライ通路18の天井面(インク供給部16bが穿設されていない箇所のベースプレート14の下面)に集まり易いから、ヘッドユニット6内に溜まった気泡をパージ装置67によりノズル11a開口面側から吸引して除去するとき、前記インクサプライ通路18の天井面の箇所に溜まった気泡は直近のインク供給部16bから圧力室16内に導かれる。また、インク供給部16bを、断面積を小さくした絞り部に形成することより、当該絞り部でのインク流の流速を速くできるから、その速い流速に乗って気泡が圧力室16方向に流れるようにすることができる。これにより、気泡排出性が向上して、短時間のパージ動作にて気泡交じりの不良インクの除去が確実に行えるという効果を奏する。
【0040】
図10は、前記圧力室16におけるインク供給部16bの第2実施形態を示し、ペースプレート14の板厚のうちスペーサプレート13との対面側に薄肉を残すようにし、その薄肉部にはインクサプライ通路18に連通する独立状の孔58を穿設するものであり、インク供給部16bは図9(a)と同様の平面視形状に形成したものである。断面積の小さい、すなわち絞り部は、前記インク供給部16b及び孔58の両方であっても良いし、そのいずれか一方で構成しても良い。
【0041】
図11(a)及び図11(b)に示す第3実施形態では、圧力室16におけるインク供給部16bはベースプレート14の厚さ方向全体に形成され、その代わりに幅寸法w2を狭くした形態にして絞り部となすように構成されているものである。その作用・効果は第1実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0042】
前記の並列すべきヘッドユニット6の個数は2〜4と任意に構成することができ、ヘッドユニット6におけるキャビティユニット10は金属材料の他、セラミックス材であっても良い。さらに、本発明のインクジェットプリンタの駆動手段は、上記のプレート状の圧電アクチュエータ20に代えて他の形式であっても良いし、静電気により、圧力室の背面を覆う振動板を振動させてインクをノズル11aから吐出させる構成であっても良い。
【0043】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明は、前記技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、前面に列状に配置されかつ下向きに開口した複数個のノズルを備えたノズルプレートと該各ノズル毎の圧力室とそれらに連通するインク流通路とを有した複数枚のプレートを積層してなるキャビティユニットと、前記圧力室毎に選択的に駆動可能な活性部を有してインクを吐出させるアクチュエータとを積層させてなるインクジェットプリンタヘッドと、前記ノズルを下方から覆い、そのノズルを通して前記インクジェットプリンタヘッド内のインクを吸引するパージキャップとを備えるインクジェット記録装置において、前記キャビティユニットを、前記圧力室が列状に形成されたベースプレートと、その下に位置し前記各圧力室にインクを供給するインクサプライ通路を備えたスペーサプレートと、そのスペーサプレートの下に位置し前記インクサプライ通路を介して前記圧力室にインクを供給するマニホールドを備えたマニホールドプレートと、そのマニホールドプレートの下に位置し前記ノズルを備えたノズルプレートとを上下方向に積層して構成し、前記マニホールドプレートの前記マニホールドおよび前記スペーサプレートの前記インクサプライ通路を、前記圧力室の列方向に沿って長く延設し、前記各圧力室の前記インクサプライ通路に対応する一端部は、前記インクサプライ通路の天井面に重なった状態でそれぞれ独立して開口し、その開口から前記各圧力室に向かう方向と直交する方向における断面積を前記各圧力室の断面積よりも小さくした絞り部を備え、前記スペーサプレートとマニホールドプレートとには、前記各圧力室の他端を前記各ノズルに連通させる複数の貫通路を形成したことを特徴とするものである。
【0044】
このように構成すれば、ペースプレートとスペーサプレートとを積層するとき、圧力室の一端部の断面積が小さくても、平面視において前記インクサプライ通路と各圧力室の一端部とが重なり合うように配置するだけで、インクサプライ通路と各圧力室の一端部との連通関係は確実に保証できることになる。従来のように、インクサプライ通路を独立孔状に形成した場合に比べて、前記各インク供給部との連通状態を保証するための、製作精度や組み立て精度(位置合わせの精度)を厳密にする必要がなく、製造コストも大幅に低減できるという効果を奏する。
【0045】
また、前記各圧力室の前記インクサプライ通路に対応する一端部は、前記インクサプライ通路の天井面に重なった状態でそれぞれ独立して開口し、その開口から前記各圧力室に向かう方向と直交する方向における断面積を前記各圧力室の断面積よりも小さくした絞り部を備えているから、大きい容積のマニホールド内に蓄積されたインク中の気泡は、その浮力により、インクサプライ通路天井面に溜まり、ノズル側からインクを吸引するとき、インクサプライ通路から近接する各圧力室の一端部まての経路が短くなり、迅速且つ確実に気泡の除去を行うことができる。また、絞り部でインク流の流速を速くし、気泡が圧力室方向に速やかに流れるようにすることができ、気泡排出性が一層向上するという効果も奏する。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
さらに、本発明は、前記キャビティユニットを、前記圧力室が列状に形成されたベースプレートと、その下に位置し前記各圧力室にインクを供給するインクサプライ通路を備えたスペーサプレートと、そのスペーサプレートの下に位置し前記インクサプライ通路を介して前記圧力室にインクを供給するマニホールドを備えたマニホールドプレートと、そのマニホールドプレートの下に位置し前記ノズルを備えたノズルプレートとを上下方向に積層して構成したものである。
【0050】
このように各プレートを積層するという構成であるので、各プレートを積層した平坦で厚さの薄いキャビティユニットを提供することができるとともに、圧力室からノズルプレートのノズルへのインク流路の連通関係だけを確保すれば、マニホールドと圧力室の一端部との間のインクサプライ通路の製作精度を厳密にする必要がなく、インクジェットプリンタヘッドの製造コストを大幅に低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用するインクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】 インクジェットプリンタヘッドのノズル側を上にした斜視図である。
【図3】 インクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図4】 ヘッドホルダの上方から見たインクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図5】 ヘッドユニットの部品の分解斜視図である。
【図6】 キャビティユニットの各部品の斜視図である。
【図7】 キャビティユニットの部分拡大斜視図である。
【図8】 ヘッドユニットの拡大側断面図である。
【図9】 (a)は第1実施形態の圧力室のインク供給部とインクサプライ通路との配置関係を示す平面図、(b)は図9(a)のIXb −IXb 線矢視断面図である。
【図10】 第2実施形態の断面図である。
【図11】 (a)は第3実施形態の圧力室のインク供給部とインクサプライ通路との配置関係を示す平面図、(b)は図11(a)のXIb −XIb 線矢視断面図である。
【符号の説明】
6 ヘッドユニット
10 キャビティユニット
11 ノズルプレート
11a ノズル
12 マニホールドプレート
12a,12b マニホールド
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
16 圧力室
16a インク放出部
16b インク供給部
17 貫通路
18 インクサプライ通路
20 圧電アクチュエータ
40 フレキシブルケーブル
41 接着シート
57 ブリッジ

Claims (1)

  1. 前面に列状に配置されかつ下向きに開口した複数個のノズルを備えたノズルプレートと該各ノズル毎の圧力室とそれらに連通するインク流通路とを有した複数枚のプレートを積層してなるキャビティユニットと、前記圧力室毎に選択的に駆動可能な活性部を有してインクを吐出させるアクチュエータとを積層させてなるインクジェットプリンタヘッドと、
    前記ノズルを下方から覆い、そのノズルを通して前記インクジェットプリンタヘッド内のインクを吸引するパージキャップとを備えるインクジェット記録装置において、
    前記キャビティユニットを、前記圧力室が列状に形成されたベースプレートと、その下に位置し前記各圧力室にインクを供給するインクサプライ通路を備えたスペーサプレートと、そのスペーサプレートの下に位置し前記インクサプライ通路を介して前記圧力室にインクを供給するマニホールドを備えたマニホールドプレートと、そのマニホールドプレートの下に位置し前記ノズルを備えたノズルプレートとを上下方向に積層して構成し、
    前記マニホールドプレートの前記マニホールドおよび前記スペーサプレートの前記インクサプライ通路を、前記圧力室の列方向に沿って長く延設し、
    前記各圧力室の前記インクサプライ通路に対応する一端部は、前記インクサプライ通路の天井面に重なった状態でそれぞれ独立して開口し、その開口から前記各圧力室に向かう方向と直交する方向における断面積前記各圧力室の断面積よりも小さい絞り部を備え、
    前記スペーサプレートとマニホールドプレートとには、前記各圧力室の他端を前記各ノズルに連通させる複数の貫通路を形成したことを特徴とするインクジェット記録装置。
JP2002060248A 2002-03-06 2002-03-06 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP3952155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002060248A JP3952155B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002060248A JP3952155B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 インクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003251803A JP2003251803A (ja) 2003-09-09
JP3952155B2 true JP3952155B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=28669676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002060248A Expired - Fee Related JP3952155B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3952155B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4998664B2 (ja) * 2005-10-21 2012-08-15 ブラザー工業株式会社 インクジェットヘッド
JP5790453B2 (ja) * 2011-12-05 2015-10-07 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP6616146B2 (ja) * 2015-09-29 2019-12-04 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド用の流路部材、ならびにそれを用いた、液体吐出ヘッドおよびに記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003251803A (ja) 2003-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3809787B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP3918928B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
US7401905B2 (en) Ink-jet head with ink blockage prevention device
US8205978B2 (en) Liquid ejecting head for effectively discharging air bubbles
JP2013203062A (ja) 液滴吐出ヘッド
US6846069B2 (en) Ink-jet head
JP4983001B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4345259B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2005246903A (ja) インクジェット記録装置
JP3952155B2 (ja) インクジェット記録装置
US9022526B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US7753498B2 (en) Image recording apparatus
US10259221B2 (en) Element substrate, liquid ejection head, and liquid ejection apparatus
JP3852674B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4296751B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4257489B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
US7306328B2 (en) Ink jet printer head
JP2002240272A (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP4656278B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2003251811A (ja) インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法
JP4131317B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法
JP3997829B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4013627B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3714150B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4713069B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3952155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees