JP4012633B2 - 構造部材の健全性モニタリングセンサー - Google Patents

構造部材の健全性モニタリングセンサー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートからなる構造部材に対して適用されて、該構造部材に作用する応力およびひずみを検知することによって、該構造部材の健全性を判定する構造部材の健全性モニタリングセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、橋梁、高架道、トンネル、ビルなどの土木・建築高層物は、供用期間が長いことから、地震、過荷重や疲労などによる損傷、腐食や、過酷な環境などによる劣化の問題にさらされている。このような問題に対しては、構造物あるいは構造部材の要所要所にセンサーを配置して、随時健全性のモニタリングを行い、長期の耐久性を保証するという方法が有効である。ここで、随時とは、常時あるいは定期的に、さらには、地震や過荷重を受けた直後等をさす。
【0003】
このようなモニタリングが特に有効と考えられるところを次に示す。
(a) 目視などによる検査能力が発揮できない場所や位置にある部材・部位の調査
例えば、地下部分、仕上材、天井材、カバー(屋上にある防水層やトンネルの覆工など)がある部材および部位、他の設備や機器配管類により見えない部分、作業のため立ち入りできないほど狭い場所、密閉されている場所など
【0004】
(b) 簡単には人が立ち入ることができない場所、部位や、立ち入りや作業に危険を伴う場所における部材、部位の調査
例えば、高所作業を行い、かつ安全な作業足場を確保しがたい場所、水・海水に接している構造物や、水中・海中構造物、変電所設備などのような(超)高電圧の設備機器がある場所、原子力施設や放射性廃棄物の処分場などのような放射性物質を取り扱う施設、人体に有害な気体あるいは刺激臭のある場所、酸欠状態になりやすい場所、交通車両が多いところ、できれば避けたい汚物、光、騒音、振動、粉塵などのある場所、高温度、高湿度の場所、などである。
【0005】
(c) 新しい構造用の材料や新しい構工法を適用した場合
新しい構造用の材料や新しい構工法の採用は、事前の実験や検討等による多くの実績をもとに慎重に行われるものであり、多くの場合、長期の耐久性についても問題が生じるようなことはない。しかしながら、土木・建築構造物では、供用期間が長いことから、使用条件の変更や環境の変化なども考慮に入れれば、不測の事故の回避や長期の耐久性を保証するために、モニタリングの手段は大いに有効となる場合がある。また、これにより、設計・運用データの少なさからくる過剰設計が不要となると同時に、信頼性も飛躍的に向上するなどの利点が期待できる。
【0006】
なお、建築構造物では、現在の許容応力度設計法による設計体系から、限界状体設計法、さらには基準により構造細部までを規定するのではなく性能自体を規定することにより、設計者自らがその性能を保証するという新しい設計体系への展開も始まろうとしている。このような新しい設計による場合、性能(機能)・安全・コスト(経済性)のバランスをとることが、今以上に重要な技術的な課題となる。このような際に、モニタリングの技術は、新しい設計を支援する、あるいはリスクを担保するための、基本的な技術の一つとなると考えられる。
【0007】
ところで、モニタリングの技術には、日常の目視点検から、供用後、永らく経過した構造物の建物診断や震災後の被災度調査などのように、調査・診断のために、計器を搬入して実験・実測を行うもの等、種々の健全性の調査・診断・評価の方法がある。
【0008】
これらのうち、計器等を利用したモニタリングの技術については、以下の(A)、(B)に大別することができる。すなわち、(A)信号を伝達するケーブルの先端にセンサを配置する、あるいは、センサ機能を付与する方法、および、(B)信号を伝達するケーブルそのものをセンサとして利用する方法、である。
ここに、構造物あるいは構造部材のモニタリングでは、モニタリングの対象が広い、あるいは、多点となるために、上記(A)および(B)を比較した場合、(B)の方が有利であるとされている。
【0009】
(B)に該当する方法としては、例えば、炭素繊維束などの導電性の線材を利用したものが挙げられる。この場合、モニタリングの原理は以下のようになる。すなわち、例えば、炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス(CFGFRP)材料中の炭素繊維糸は、極細の炭素の長繊維が千本単位で束ねられたものであり、導電性材料である。この炭素繊維材料に、引張荷重が作用すると、炭素繊維がその伸びによって徐々に破断を開始し、所定の伸びでは多くの炭素繊維糸はおおむね破断して、炭素繊維糸は電気抵抗値を急激に上昇させる。さらに荷重が大きくなれば、炭素繊維糸は完全に破断し、電気抵抗は極めて大きい値となる(気中であればほぼ無限大になる)。また、荷重が取り除かれれば、部材のたわみは小さくなり、炭素繊維材も元の形状にもどるが、破断した繊維は元の状態にはもどらないので、電気抵抗値は元の状態よりは大きい値を示す。これより、あらかじめ、荷重−部材の伸び−電気抵抗の残留値の関係を調べておけば、電気抵抗の残留値から部材に作用した荷重、あるいは部材の伸びを容易に推定することができ、結果として、部材の損傷の程度(または、健全性)をモニタリングすることができる。
【0010】
さらに、同様の機能をもち、上記のようなモニタリングに適用可能な導電性線材としては、以下の(i)から(v)が挙げられる。また、特に、感度の向上が図られた導電性線材としては、(vi)が挙げられる。
【0011】
(i) 炭素繊維束そのもの、また、絶縁のためにプラスチックスの樹脂等で炭素繊維束をコーティングしたもの。
【0012】
(ii) 絶縁性の高いプラスチックス(誘導体材料)により被覆された、幅が狭く、長手方向に延伸した(帯状の)箔材(導電性を有する金属箔)。
【0013】
(iii) 炭素繊維(CF)の補強剤とエポキシ樹脂とからなる強化プラスチックス(RP)のうち、引き抜き成形方法でロッド状に加工したもの(CFRP)。
【0014】
(iv) 炭素繊維(CF)とガラス繊維(GF)がそれぞれ束ねられてなる繊維束の補強材と、エポキシ、ビニルエステルなどの樹脂とからなる強化プラスチックス(RP)の成形体(CFGFRP)。断面形状として、棒状、矩形、シート状、ネット状のものなど種々のものが考えられる。また、ガラス繊維はセラミックス繊維やアラミド繊維、さらにはセルロース樹脂と置き換えることができる。
【0015】
(v) 導電性粉末を分散、硬化させることにより得られる導電性の高いプラスチックスの成形体。ここで、導電性粉末としては、例えば、炭素(カーボンブラックや黒鉛の)粉末や、炭化チタンや窒化チタン等のセラミックス粉末などをさす。
【0016】
(vi) ガラス繊維(GF)束などを芯材として、エポキシ等の樹脂を接着媒体として繊維の表面に、導電性の微粉末を付着・固定せしめた導電性の高いプラスティックスの形成体。ここで、導電性粉末としては、例えば、炭素(カーボンブラックや黒鉛の)粉末や、炭化チタンや窒化チタン等のセラミックス粉末などを指す。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような導電性線材を用いたモニタリングにおいては、以下のような問題点が存在していた。
第一に、上述のモニタリングにおいては、コンクリート部材の損傷、例えば、ひび割れ等に対する所定の破断伸びを精度よく検知することができないという問題点があった。
【0018】
その理由としては、まず、適切な破断伸びを持つ炭素繊維束がないことが挙げられる。すなわち、コンクリートのひび割れを良好に検知するためには、コンクリートの引張限界ひずみ0.01%〜0.02%において炭素繊維束の部分的な破断が開始し、部材中の鉄筋が降伏し、コンクリートのひび割れ幅も大きくなる0.2%程度のひずみでは、炭素繊維束が確実に破断するという条件を満たす炭素繊維束が望まれる。すなわち、後者の条件より、炭素繊維束の破断のびは、0.2%というように小さいものが適しているが、現在、市販の炭素繊維束は、0.36%〜0.42%程度の破断のびが最小となっている。
【0019】
また、別の理由としては、コンクリートとセンサとの間の付着が良好でない場合には、コンクリートにひび割れが生じても、導電性線材に局所的な電気抵抗値の変化が生じず、したがって、電気抵抗値の変化からひび割れが発生したか否かを判断することが困難となることが挙げられる。すなわち、コンクリートとセンサとの付着力が小さいと、コンクリートにひび割れが発生した際に、センサとコンクリートとの付着が切れ、剥離や滑りが生じる。この場合には、センサがひび割れ近傍の特定箇所において変形せずに、その長さ方向の全体に渡って変形することとなるため、ひび割れ近傍における電気抵抗値の変化が顕著なものとなることがない。したがって、電気抵抗値の変化のみからコンクリートのひび割れという局部的な変状を検知することが難しくなる。
特に、このようなコンクリートとセンサとの付着の問題は、センサを炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス(CFGFRP)の形成体とするとともに、炭素繊維束をセンサの感知部(導電性材料)とした場合に顕著に発生することとなる。
【0020】
また、第二に、上述のモニタリングに用いられるセンサは、材料の種類によっては、強度や運搬等の制約により、長さを短くして使用しなければならず、大規模な構造部材への適用が困難となるという問題点があった。
【0021】
例えば、センサの一部に炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックスを用いた場合、この材料は、非常に硬いものであることから、運搬等を考慮すると、その長さを高々3〜5m程度に抑えなければならなかった。また、これをそのまま構造部材へ適用しようとすると、センサの端部同士を電気ケーブルによって接続しなければならず、コストおよび設置の手間がかかることとなっていた。
【0022】
本発明は、これらの問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、導電性線材、特に炭素繊維束を用いて、従来に比較して、より高精度に構造部材のひび割れをモニタリングすることのできる構造部材の健全性モニタリングセンサーを提供することにある。
また、別の目的は、強度的な問題がなく、運搬・設置等が容易で汎用性の高い構造部材の健全性モニタリングセンサーを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
請求項1記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーは、コンクリートからなる構造部材に対して適用されて、該構造部材に作用する応力およびひずみを検知することによって、該構造部材の健全性を判定する構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、前記構造部材の内部または表面に配設されて該構造部材に伸びが生じた際には一体に伸びるとともに、該構造部材に所定幅のひび割れが発生した際に破断伸びに達して破断する導電性線材と、該導電性線材に対してその延在方向の少なくとも二箇所に設けられた端子と、これら端子間の電気抵抗値を測定する抵抗測定手段とを備えてなり、前記導電性線材には予め緊張力が付与されて該緊張力により該導電性線材には予め所定の伸びが与えられており、前記緊張力は、前記導電性線材が該緊張力によって所定の伸びが与えられている状態から、前記構造部材に前記所定幅のひび割れが発生して前記導電性線材がさらに伸びた際に前記破断伸びに達するように設定されてなることを特徴としている。
【0024】
この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材に設けられた抵抗測定手段によって、導電性線材の抵抗値を測定することによって、構造部材の変状に起因する導電性線材の伸びまたは破断等を検知することができる。また、この際、導電性線材にあらかじめ、緊張力が付与されているために、導電性線材の破断に至るまでの伸びの量をあらかじめ適切に調整しておくことが可能となる。
【0025】
請求項2記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーは、請求項1記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、導電性線材は、該導電性線材に沿って配列されるとともに前記構造部材に対して固定された複数の固定部材によって把持され、かつ該導電性線材には、該導電性線材を把持する前記固定部材を介して、前記構造部材側から緊張力が付与され、該導電性線材のうち、前記固定部材によって把持された部分以外の部分は、その周囲に前記構造部材を構成するコンクリートと前記導電性線材との間の付着を防止するためのケーシングが設けられた構成とされていることを特徴としている。
【0026】
この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材を固定部材によって把持したため、固定部材同士の間隔を短くすれば、これら固定部材間にひび割れが発生した際に、導電性線材に比較的大きなひずみを発生させることができ、これにより、導電性線材の電気抵抗値を顕著に変化させることができる。
また、この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材にあらかじめ、緊張力が付与されているために、導電性線材の破断に至るまでの伸びの量をあらかじめ適切に調整しておくことが可能となるばかりでなく、緊張力の付与にあたっては、固定部材を介して構造部材から反力をとることができる。
【0027】
請求項3記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーは、請求項2記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
前記固定部材は、互いに平行な複数の列をなすように配置されるとともに、これら各列ごとに別々の前記導電性線材を把持する構成とされ、なおかつ、これら各列のうちの少なくとも一列の前記固定部材の前記導電性線材の延在方向の位置が、他の列の前記固定部材と異なる位置とされていることを特徴としている。
【0028】
この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、ある一列において、固定部材の配置個所と同一の位置にひび割れが発生したとしても、他の一列においては、ひび割れが導電性線材上に位置することとなり、したがって、ある一列においてひび割れの検知が不可能であっても、他の一列でそのひび割れを検知することができる。
【0029】
請求項4記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーは、請求項3記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
前記固定部材は、互いに平行な第一の列と第二の列とをなすように配置されるとともに、前記第一の列における前記固定部材と、前記第二の列における前記固定部材とが、前記導電性線材の延在方向に向けて交互に位置するように設けられていることを特徴としている。
【0030】
この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、一対の導電性線材を組み合わせて、ひび割れの検知の不可能な個所を生じさせないように使用することができる。
【0031】
請求項5記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーは、請求項2記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
互いに平行に配置された第一および第二の導電性線材と、これら第一および第二の導電性線材に沿って配列された第一の固定部材および第二の固定部材を有する構成とされ、
前記第一および第二の固定部材は、前記第一および第二の導電性線材の延在方向に向けて交互に配置され、
前記第一の固定部材は、前記第一の導電性線材を、その延在方向の変位を許容するように保持するとともに、前記第二の導電性線材を、その延在方向の変位を規制するように把持する構成とされ、
前記第二の固定部材は、前記第一の導電性線材を、その延在方向の変位を規制するように把持するとともに、前記第二の導電性線材を、その延在方向の変位を許容するように保持する構成とされていることを特徴としている。
【0032】
この構造部材の健全性モニタリングセンサーによれば、構造部材中において、第一および第二の導電性線材を、スペースをとることなく、なおかつ、安定的に配置することができる。
【0035】
請求項6記載の構造部材のモニタリングセンサーは、請求項2から5のいずれかに記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、前記固定部材および前記ケーシングは、前記導電性線材の延在方向に見た場合の断面積が互いに異なる構成とされていることを特徴としている。
【0036】
この構造部材の健全性モニタリングセンサーは、導電性線材の延在方向に見た際に幾何学的な凹凸を有することとなるために、コンクリートに対して良好に付着可能である。
【0039】
請求項7記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーは、請求項1から6のいずれかに記載の構造部材のモニタリングセンサーであって、前記導電性線材は、炭素繊維束により形成されていることを特徴とする。
この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、構造部材におけるひずみや応力状態あるいは応力履歴等を容易に観測することができる。
【0040】
請求項8記載の構造部材のモニタリングセンサーは、請求項7記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、炭素繊維束とガラス繊維束とを強化プラスチックスにより一体に成形してなる炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス複合材を素材として用いて、該複合材における炭素繊維束に予め緊張力を付与してこれを導電性線材として機能せしめるとともに、該複合材におけるガラス繊維束および強化プラスチックスにより構成されるガラス繊維強化プラスチックスを、前記炭素繊維束に導入した緊張力の反力をとるための補強材として機能せしめてなることを特徴とする。
この構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材としての炭素繊維束が、補強材としてのガラス繊維強化プラスチックスに付着した構成とされているので、そのガラス繊維強化プラスチックスにより反力をとって導電性線材に予め緊張力を付与することができる。すなわち、導電性線材に付与される緊張力の反力をとるための補強材をセンサの一部として形成することができ、予め導電性線材に緊張力が付与されたセンサーを作成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一から第四の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第一の実施の形態]
図1に示すものは、本発明の第一の実施の形態である健全性モニタリングセンサーM1を構造部材2に適用した際の状況を示す図である。
図中に示すように、健全性モニタリングセンサーM1は、構造部材2を構成するコンクリートC中に埋設された炭素繊維からなる導電性線材4と、コンクリートCに埋設されて導電性線材4の両端4a,4aを把持するとともに、強力に固定する固定部材5,5と、これら両端4a,4aに対して設けられた端子6,6と、端子6,6に接続されてこれら端子6,6間の抵抗を測定する抵抗計7とにより概略構成されている。
【0042】
固定部材5,5としては、ガラス繊維で補強された強化プラスチックス(GFRP)により形成された図示しない一対の板体を、エポキシ、ビニルエステルなどの樹脂を接着剤として張り合わせたものが用いられる。また、導電性線材4は、これら板体間において上記の樹脂を用いた接着剤により固定された構成とされる。
【0043】
また、図中に示すように、導電性線材4のうち、固定部材5,5によって把持された部分以外の部分には、導電性線材4を囲むようにケーシング8が設けられ、これにより、導電性線材4とコンクリートCとの付着が防止されている。この場合、ケーシング8としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂などの、導電性線材4の伸びを阻害しない柔らかな材料を用いることとする。
【0044】
さらに、固定部材5,5は、図中、符号Fとして示すような方向に力が作用した状態で、コンクリートCに埋設されており、これにより、導電性線材4に対しては、固定部材5,5を介して力Fと同一の大きさの緊張力Tが作用する構成となっている。
【0045】
この場合、緊張力Tは、構造部材2が、コンクリートCのひび割れ等により、導電性線材4の延在方向(図1中A方向)に所定の伸びを示した際に、導電性線材4が確実に破断するように設定される。すなわち、図2に示すように、緊張力Tによる導電性線材4の伸びをΔL1、導電性線材4の破断伸びをΔL2とした場合、導電性線材4の破断までの伸びはΔL2−ΔL1となるが、ここでは、構造部材2において発生が想定されるひび割れ幅:δが、導電性線材4の破断までの伸び:ΔL2−ΔL1を上回るように、緊張力Tを設定しておくこととする。
【0046】
具体的には、導電性線材4に対して、破断伸び0.7%の炭素繊維束を使用した場合、構造部材2において発生が予想されるひび割れ幅が、導電性線材4の長さの0.4%以上であるとすると、緊張力Tは、導電性線材4に対して少なくとも0.3%の伸びを実現するような大きさに設定される。これによれば、構造部材2が、導電性線材4の0.4%伸びた状態で、導電性線材4 0.7 %の伸びが生じることになり、その時点で破断伸びに至って破断が生じることとなる。
【0047】
また、導電性線材4に緊張力Tを与えるには、構造部材2を構成する鉄筋等から反力をとることにより、ワイヤー等を用いて固定部材5,5を図1に示したような方向に力Fで引っ張ることとする。
【0048】
上述の健全性モニタリングセンサーM1においては、構造部材2を構成するコンクリートCにひび割れが生じた場合に、このひび割れに起因して、導電性線材4に引張荷重が作用することとなるが、これにより、導電性線材4を構成する炭素繊維が伸びて徐々に破断を開始し、所定の伸びでは多くの炭素繊維糸はおおむね破断して、炭素繊維糸の電気抵抗値が急激に上昇することになる。また、さらに荷重が大きくなれば、炭素繊維糸は完全に破断し、電気抵抗は極めて大きい値となる。荷重が取り除かれれば、部材のたわみは小さくなり、炭素繊維材も元の形状にもどるが、破断した繊維は元の状態にはもどらないので、電気抵抗値は元の状態より大きい値を示す。したがって、抵抗計7により端子6,6間の抵抗値を測定するとともに、この観測された測定値を、あらかじめ調べておいた荷重−部材の伸び−電気抵抗の残留値の関係と参照することにより、構造部材2に作用した荷重、あるいは部材の伸びを容易に推定することができ、結果として、部材の損傷の程度(または、健全性)をモニタリングすることが可能となる。
【0049】
この際、上述のように、導電性線材4に、緊張力Tが付与されているために、この緊張力Tを、導電性線材4が破断に至る範囲内で適切に調整することによって、検知する可能な伸びの範囲を色々に変化させることができ、これにより、汎用性の高いセンサーを実現することができる。
【0050】
さらに、このように緊張力Tを自在に調整できることとしたために、破断伸びの比較的大きい炭素繊維を導電性線材4として使用することが可能となり、炭素繊維束の選択の自由度を増やして、健全性モニタリングセンサーM1を容易に形成可能とすることができる。
【0051】
さらに、上述の健全性モニタリングセンサーM1においては、導電性線材4の周囲にケーシング8を設け、コンクリートCと導電性線材4との間の付着を絶つとともに、導電性線材4の両端4a,4aに固定部材5,5を設けることにより、固定部材5,5間に伸びが生じた際には、これら固定部材5,5を介して導電性線材4に伸びや引張力が作用するようになっている。したがって、従来と異なり、導電性線材4とコンクリートCとの間の付着力の関係に測定結果が左右されることがなく、精度の高いモニタリングが可能となる。また、このケーシング8は、構造部材2の施工時の養生や、供用時における導電性線材4の保護材とすることができる。
【0052】
さらに、ケーシング8が上述のように柔らかい材料によって構成されているために、ケーシング8を含めたセンサ部分が折り曲げ可能となり(導電性線材4を構成する炭素繊維束は、容易に折れ曲がることができる)、したがって、従来の、炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス(CFGFRP)の形成体を用いたセンサとは異なり、運搬に便利でかつ長大なセンサの製作が可能となる。
【0053】
以上において、本発明の第一の実施の形態の一例を示したが、本発明は、これに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成の採用を可能とするものである。
【0054】
例えば、固定部材5,5に力Fを付与する際には、ケーシング8や、構造部材2に埋設された他の強度部材等から反力をとるようにしてもよい。
【0055】
また、上記の実施の形態において、導電性線材4を構成する炭素繊維束には、引張力に対して若干のクリープがあるために、緊張力Tを決定する際には、クリープによる伸びの低減量を考慮するようにしてもよい。
【0056】
さらに、設計により構造部材2自体にプレストレスを導入する場合には、この伸び量を含めて、導電性線材4に作用させる緊張力Tおよび伸びを決定するようにする。
【0057】
また、それとは別に、導電性線材4の材料としては、炭素繊維束に限らず、先に述べた従来の技術において示した(i)から(vi)までの種々の材料のいずれかを採用するようにしてもよい。この際、(iv)の炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス(CFFRP)複合材によりセンサーを形成することにより、ガラス繊維強化プラスティックス自体を補強材として機能させて炭素繊維束に導入される緊張力の反力をとることができる。
【0058】
さらに、図3,4に示すように、導電性線材4の両端4a,4aを含めて複数の箇所を引っ張ることにより、センサが検知する位置や方向を変えることも可能である。この場合には、導電性線材4,…の一部において緊張力Tを弱めることによって、導電性線材4自体を信号ケーブルとして利用することができる。
【0059】
また、上記実施の形態においては、導電性線材4は、コンクリートC中に埋設された構成となっていたが、その代わりに、これを構造部材2の表面に配置するようにしてもよい。この場合には、導電性線材4を保護するケーシング8を、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂などの強度を持った硬質のものを用いて形成するとするとともに、固定部材5を含めたセンサ部分の全体を覆うような形状とするのが好適である。
【0060】
この場合、ケーシング8に硬い材料を使用すると、ケーシング8を含めた健全性モニタリングセンサーM1のセンサ部分が湾曲性を失い、したがって、センサ部分の輸送、製作等が困難となる問題が生じるが、現場取り付け時に、ケーシング8を導電性線材4と別個に取り付けることによれば、この問題を回避することができる。
【0061】
ただし、健全性モニタリングセンサーM1の動作は電気抵抗値の計測によるので、ケーシング8自体の材料を非導電性のものとするか、あるいは、導電性を有する金属管等を用いる場合には、内側に電気的な絶縁加工を施すようにすることが必要である。これにより、導電性線材4が破断し、ケーシング8と接触した場合に、導電性線材4が導通状態となるのを防ぐことができる。なお、これについては、上記実施の形態においても同様である。
【0062】
また、その他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内であれば、他のいかなる構成を採用するようにしてもよく、さらに、上記のような変形例を適宜選択的に組み合わせて採用してもよいのはいうまでもない。
【0063】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態の一例を説明する。
なお、この実施の形態において、上記第一の実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
図5は、本発明の第二の実施の形態の一例である健全性モニタリングセンサーM2の概略構成を示した図である。
この健全性モニタリングセンサーM2においては、導電性線材4の延在方向(A方向)に等間隔で配列された複数の固定部材5,…が設けられ、なおかつ、導電性線材4が、これら固定部材5,…により把持され、強固に固定された構成となっている。ここに、固定部材5としては、上記第一の実施の形態におけるものと同様のものが用いられる。
【0065】
また、導電性線材4の両端4a,4aには、端子6,6が設けられ、これら端子6,6は、図示しない抵抗計に接続されている。さらに、導電性線材4のうち、固定部材5,…によって把持された部分以外の部分には、導電性線材4とコンクリートCとの付着を防止するためのケーシング8,…が設けられている。ケーシング8には、上記第一の実施の形態において使用されたものと同様の材料によるものが用いられている。
【0066】
この健全性モニタリングセンサーM2においては、上記の第一の実施の形態における健全性モニタリングセンサーM1と同様の原理により、導電性線材4に設けられた端子6,6間の電気抵抗値を測定することによって、構造部材2に何らかの変状が発生したか否かを検知することが可能である。
【0067】
また、この場合、導電性線材4が等間隔に配列された複数の固定部材5,…により把持されているために、これら固定部材5,…間の間隔を短くすることによって、コンクリートC中のひび割れの検知を容易に行うことが可能となる。すなわち、図6(a)に示すように、固定部材5,5間の距離寸法をLとし、この固定部材5,5間に幅寸法δのひび割れが発生したとすると、ひび割れ発生後の固定部材5,5間における導電性線材4の長さは、当初の長さLにひび割れ幅δを加えたものとなる。このとき、導電性線材4の伸びが、導電性線材4を構成する炭素繊維束を破断させるのに十分な伸びに達すれば、つまり、以下の式(1)を満たすこととなれば、導電性線材4は、図6(b)に示すように確実に破断する。
【0068】
(導電性線材4の伸び)=(δ/L)×100≧(導電性線材4の破断伸び)…(1)
単位は(%)
【0069】
例えば、長さLを200mmとし、ひび割れ幅δを1mmとすれば、伸びは0.5%となるから、導電性線材4に緊張力を付与しない場合においては、破断伸びが0.5%程度の炭素繊維束を導電性線材4として利用することにより、この程度の大きさのひび割れを容易に検知することが可能となる。
【0070】
このように上述の健全性モニタリングセンサーM2においては、導電性線材4を、所定の間隔で配置された固定部材5,…によって把持した構成としたために、固定部材5,…同士の間隔を短くとることによって、構造部材2に何らかの変状が発生した場合の導電性線材4の電気抵抗値の変化の度合いを大きくすることができ、したがって、従来に比較して、ひび割れ等の検知の精度を向上させることができる。
【0071】
さらに、この場合、導電性線材4の周囲に、ケーシング8が設けられ、コンクリートCと導電性線材4との間の付着が絶たれているために、従来と異なり、導電性線材4とコンクリートCとの間の付着力の関係に測定結果が左右されることがなく、より一層、精度の高いモニタリングが可能となる。また、このケーシング8は、構造部材2の施工時の養生や、供用時における導電性線材4の保護材とすることができる。さらに、ケーシング8が柔らかい材料によって構成されているために、ケーシング8を含めたセンサ部分が折り曲げ可能となり、運搬に便利でかつ長大なセンサの製作が可能となる。
【0072】
また、この健全性モニタリングセンサーM2においては、A方向にみた場合に、その断面積が、ケーシング8が設けられている部分と、固定部材5,…が設けられている部分とで変化しており、これにより、A方向に幾何学的な凹凸を有する構成となっているために、この方向のコンクリートCに対する付着力が、単に導電性線材4のみを一方向に配置した場合に比較して増大することとなる。したがって、この健全性モニタリングセンサーM2においては、センサ自体がコンクリートCから剥離してモニタリングの精度が低下することを防ぐことができる。
【0073】
なお、この第二の実施の形態においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成を採用することが可能である。
【0074】
また、この第二の実施の形態においても、導電性線材4に対して緊張力を導入することにより、上記第一の実施の形態における効果と同様の効果を得ることができ、モニタリングの精度をより一層向上させることが可能となっている。なお、この場合には、上記の式(1)は、「(導電性線材4の破断伸び)」の部分の表現が、「(導電性線材4の破断までの伸び)」と変更されることとなる(図2参照)。
【0075】
また、この他にも、上記第一の実施の形態において示した導電性線材4の材料、配置、あるいは、構造的な設置形態等の変形例を、この第二の実施の形態において採用するようにしても構わない。
【0076】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態においても、上記第一および第二の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0077】
図7は、本発明の第三の実施の形態の一例である健全性モニタリングセンサーM3の概略構成を示した図である。
この健全性モニタリングセンサーM3は、構造部材2を構成するコンクリートC中に互いに平行に埋設された一対の導電性線材4,4を備えた構成とされる。この導電性線材4,4のそれぞれは、上記第二の実施の形態における導電性線材4と同様に、導電性線材4の延在方向(A方向)に配列された複数の固定部材5,…によって把持された構成となっている。ここでは、これら固定部材5,…が、導電性線材4,4のそれぞれに沿って、第一の列10と第二の列11とをなすように配列されている。
【0078】
また、図7中に示すように、第一の列10における固定部材5,…と、第二の列11における固定部材5,…とは、A方向に向けて交互に位置するように配置されている。すなわち、第一の列10における固定部材5,…の位置と、第二の列11における固定部材5,…とが、A方向にその位置がずらされた状態で配置されている。正確には、隣接する固定部材5,5同士の間の距離寸法をLとした場合に、第一の列10における固定部材5,…と、第二の列11における固定部材5,…とが、L/2だけその位置をずらされた状態となっている。(ただし、この距離寸法Lは、固定部材5のA方向の寸法L’よりも大きいことが前提である。)。
したがって、この配置によれば、第一の列10における固定部材5のA方向の位置と、第二の列11における固定部材5のA方向の位置とが重なることがない。
【0079】
さらに、健全性モニタリングセンサーM3においては、上記第一および第二の実施の形態と同様に、導電性線材4,4のそれぞれの両端に図示しない端子が設けられており、これら端子は、図示しない抵抗計と接続された構成となっている。これにより、抵抗計を用いて導電性線材4,4の抵抗値を測定することが可能な構成となっている。
【0080】
上述の健全性モニタリングセンサーM3においては、上記の第二の実施の形態における健全性モニタリングセンサーM2と同様に、導電性線材4,4に設けられた端子6,6間の電気抵抗値を測定することによって、構造部材2に何らかの変状が発生したか否かを検知することが可能である。また、導電性線材4が等間隔に配列された複数の固定部材5,…により把持されるために、これら固定部材5,…間の間隔を短くすることによって、コンクリートC中のひび割れを高精度に検知することが可能である。また、センサー部分がA方向に幾何学的な凹凸を有する構成となっているために、センサー部分がコンクリートCから剥離してモニタリングの精度が低下するおそれがない。
【0081】
さらに、この健全性モニタリングセンサーM3においては、図7中に示すように、ひび割れ13が第一の列10において固定部材5上に位置するように発生し、これにより第一の列10上の導電性線材4によるひび割れの検知が不可能となっても、このひび割れ13を第二の列11上に配置された導電性線材4により検知することができる。したがって、この健全性モニタリングセンサーM3においては、A方向にひび割れ検知が不可能な部分がなくなり、精度の高いモニタリングが可能となる。
【0082】
なお、この第三の実施の形態においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成を採用することが可能である。
【0083】
また、この第三の実施の形態においても、導電性線材4に対して緊張力を導入することにより、上記第一の実施の形態における効果と同様の効果を得ることが可能となっており、モニタリング精度をより一層向上させることが可能となっている
【0084】
また、この他にも、上記第一の実施の形態において示した導電性線材4の材料、配置、あるいは、構造的な設置形態等の変形例を、この第三の実施の形態において採用するようにしても構わない。
【0085】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態においても、上記第一から第三の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0086】
図8は、本発明の第四の実施の形態の一例である健全性モニタリングセンサーM4の概略構成を示す図であり、(a)は、健全性モニタリングセンサーM4の断面図、(b)は、(a)におけるI−I断面を示す図、(c)は、(a)におけるII−II断面を示す図である。
【0087】
これらの図において示すように、健全性モニタリングセンサーM4は、一方向に延在するように配置されたプラスチックス製の絶縁板15と、絶縁板15の上面15aおよび下面15bに配置された炭素繊維束からなる第一および第二の導電性線材16および17と、絶縁板15と一体化されて第一および第二の導電性線材16,17を把持する第一および第二の固定部材19,20とを備えた構成とされている。
【0088】
第一の固定部材19と、第二の固定部材20とは、第一および第二の導電性線材16,17の延在方向(B方向)に交互に位置するように、なおかつこの方向に等間隔に配列されている。第一の固定部材19は、図中(a)に示すように、絶縁板15の上下面15a,15bに対して接着材22、22によりそれぞれ固定された上側補強材24および下側補強材25を備えた構成となっている。これら上側補強材24および下側補強材25は、ガラス繊維補強プラスチックス板により形成されている。
【0089】
この第一の固定部材19において、第二の導電性線材17は、絶縁板15と下側補強材25との間に位置する接着材22によって固定され、その延在方向(B方向)の変位が規制された構成となっている。一方、この第一の固定部材19において、第一の導電性線材16は、上側補強材24に設けられた挿通孔26に挿通された構成となっており、これにより、その延在方向の変位が許容された構成となっている。
【0090】
また、第二の固定部材20は、図中(a)に示した第一の固定部材19と絶縁板15に関して上下に対称の構成となっており、第一の導電性線材16を、その延在方向(B方向)の変位を規制するように把持するとともに、第二の導電性線材17を、その延在方向に変位可能に保持する構成となっている。
【0091】
また、この健全性モニタリングセンサーM4においては、第一および第二の導電性線材16,17のうち、第一および第二の固定部材19,20によって把持された部分以外の部分にケーシング8が設けられ、これにより、第一および第二の導電性線材16,17とコンクリートCとの付着が防止されている。
【0092】
さらに、この健全性モニタリングセンサーM4においては、第一および第二の導電性線材16,17の図示しない両端に端子が設けられ、これら端子間の電気抵抗値を図示しない抵抗計により測定可能な構成となっている。
【0093】
上述の健全性モニタリングセンサーM4においては、上記の第三の実施の形態における健全性モニタリングセンサーM3と同様に、第一および第二の導電性線材16,17に設けられた端子間の電気抵抗値を測定することによって、構造部材2に何らかの変状が発生したか否かを検知することが可能である。また、これら第一および第二の導電性線材16,17が第一および第二の固定部材19,20により把持されるために、第一の固定部材19,…間および第二の固定部材20,…間の間隔を短くすることによって、コンクリートC中のひび割れを高精度に検知することが可能である。
【0094】
さらに、コンクリートC中のひび割れが第一の固定部材19上に位置するように発生し、これにより、第一の固定部材19によって固定された第一の導電性線材16によるひび割れの検知が不可能な場合においても、このひび割れを第一の固定部材19によって固定されない第二の導電性線材17によって検知することが可能である。また、逆に、コンクリートC中のひび割れが第二の固定部材20上に位置するように発生した場合には、これを、第一の導電性線材16によって検知することが可能である。
【0095】
さらに、この健全性モニタリングセンサーM4においては、図8(c)に示すように、センサー部分がB方向に幾何学的な凹凸を有する構成となっているために、センサー部分がコンクリートCから剥離してモニタリングの精度が低下するおそれがない。
【0096】
さらに、それに加えて、この健全性モニタリングセンサーM4においては、第一および第二の導電性線材16,17を一体化して配置することができるために、構造部材2の表面や内部に、これら第一および第二の導電性線材16,17を配置するスペースが十分ない場合においても、適用が可能である。
また、このように第一および第二の導電性線材16,17を一体化してコンパクトなものとすることができるために、センサ配置に伴う構造部材2中の断面欠損の面積を最小限とすることができ、これにより、構造部材2の安全性を保つことが可能である。
【0097】
なお、この第四の実施の形態においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成を採用することが可能である。
【0098】
また、この第四の実施の形態においても、第一および第二の導電性線材16,17に対して緊張力を導入することにより、上記第一の実施の形態における効果と同様の効果を得ることが可能となっており、モニタリング精度をより一層向上させることが可能となっている。
【0099】
また、この他にも、上記第一の実施の形態において示した導電性線材4の材料、配置、あるいは、構造的な設置形態等の変形例を、この第四の実施の形態における第一および第二の導電性線材16,17において採用するようにしても構わない。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材に予め緊張力を付与するとともに、構造部材にひび割れが発生した際に導電性線材が破断伸びに達するように緊張力を設定しておくので、その緊張力を導電性線材が破断に至る範囲内で適切に調整することによって、検知可能な伸びの範囲を色々に変化させることができ、これにより、汎用性の高いセンサーを実現することができる。さらに、この緊張力の大きさを調整することにより、破断伸びの比較的大きい炭素繊維を導電性線材として使用することが可能となり、炭素繊維束の選択の自由度を増やすことができる。
【0101】
請求項2に係る構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、上記効果に加え、導電性線材が、所定の間隔で配置された固定部材によって把持された構成となっているため、固定部材同士の間隔を短くとるようにすれば、構造部材に何らかの変状が発生した場合に、導電性線材の電気抵抗値の変化の度合いを大きくすることができ、従来に比較して、ひび割れ等の検知の精度を向上させることができる。また、この場合、導電性線材の周囲に、ケーシングを設け、コンクリートと導電性線材との間の付着を絶つようにしたため、従来と異なり、導電性線材とコンクリートとの間の付着力の関係に測定結果が左右されず、より一層、精度の高いモニタリングが可能となり、また、このケーシングを、構造部材の施工時における導電性線材の養生や、供用時における導電性線材の保護に用いることができる。さらに、固定部材を介して導電性線材に緊張力を付与するので、この緊張力の付与にあたっては、固定部材を介して構造部材から反力をとることができる。
【0102】
請求項3,4に係る構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材の延在方向にひび割れが検知不能な部分を無くすことができ、モニタリングの精度の向上を図ることができる。
【0103】
また、この場合、請求項5のように、第一および第二の導電性線材を一体化して配置するようにすれば、構造部材の表面や内部に、センサを設置するスペースが十分ない場合においても、適用が可能である。さらに、この場合には、センサ配置に伴う構造部材中の断面欠損の面積を最小限とすることができ、これにより、構造部材の安全性を保つことが可能となる。
【0105】
さらに、請求項6のように、センサ部分の断面積を、ケーシングが設けられている部分と、固定部材の部分とで変化させるようにすれば、センサ部分を幾何学的な凹凸を有する構成とすることができ、この部分のコンクリートに対する付着力を増大させて、センサ自体がコンクリートから剥離することを防ぎ、モニタリングの精度を確保することができる。
【0107】
請求項7に係る構造部材の健全性モニタリングセンサーにおいては、導電性線材が炭素繊維束により形成されるために、構造部材におけるひずみや応力状態あるいは応力履歴等を容易に観測することができる。また、このような構成としたために、この健全性モニタリングセンサーにおいては、(ケーシングを用いる場合にはケーシングを柔らかい材料にするか、あるいは、導電性線材の設置後に取り付けるようにすることにより、)導電性線材の部分を容易に折れ曲げることが可能であり、従来の炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス(CFGFRP)の形成体を用いたセンサとは異なり、運搬に便利でかつ長大なセンサの製作が可能となる。
請求項8に係る構造部材の健全性モニタリングセンサーは、炭素繊維束とガラス繊維束とを強化プラスチックスにより一体に成形してなる炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス複合材を素材として用いて、該複合材における炭素繊維束に予め緊張力を付与してこれを導電性線材として機能せしめるとともに、該複合材におけるガラス繊維束および強化プラスチックスにより構成されるガラス繊維強化プラスチックスを、前記炭素繊維束に導入した緊張力の反力をとるための補強材として機能せしめることにより、該補強材から反力をとることによって、該複合材を構成している炭素繊維束に予め緊張力を付与することができる。
すなわち、導電性線材として機能する炭素繊維束に緊張力を付与した状態で、それを補強材として機能するガラス繊維補強プラスチックスに付着させた構成とすることにより、補強材をセンサの一部として形成することができ、あらかじめ導電性線材に緊張力が付与されたセンサを作成することができ、これによりセンサの運搬設置等を容易化を図ることができる。また、この場合、ガラス繊維強化プラスティックスを補強材として、炭素繊維に導入される引張力の反力をとることにより、炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックスからなるセンサーを良好に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態を模式的に示す図であって、構造部材、およびそれに適用された健全性モニタリングセンサーを示す断面図である。
【図2】 図1に示した健全性モニタリングセンサーにおいて導電性線材に作用させるべき緊張力を示すための図であって、導電性線材ののび−緊張力の関係を示すグラフである。
【図3】 図1に示した健全性モニタリングセンサーにおける導電性線材および固定部材の他の配置例を示した断面図である。
【図4】 同、導電性線材および固定部材のさらに別の配置例を示す断面図である。
【図5】 本発明の第二の実施の形態を模式的に示す健全性モニタリングセンサーの要部拡大断面図である。
【図6】 図5に示した健全性モニタリングセンサーの作用を示すための図であって、(a)は、固定部材間に配置された導電性線材を拡大して示す断面図、(b)は、(a)に示した導電性線材がひび割れにより破断した際の状況を示す断面図である。
【図7】 本発明の第三の実施の形態を模式的に示す健全性モニタリングセンサーの要部拡大断面図である。
【図8】 本発明の第四の実施の形態を模式的に示す図であって、(a)は、健全性モニタリングセンサーを導電性線材の延在方向から見た際の断面図、(b)は、(a)におけるI−I矢視断面図、(c)は、(a)におけるII−II矢視断面図である。
【符号の説明】
1,M2,M3,M4 健全性モニタリングセンサー
2 構造部材
4 導電性線材
4a 両端
5 固定部材
6 端子
7 抵抗計
8 ケーシング
10 第一の列
11 第二の列
13 ひび割れ
16 第一の導電性線材
17 第二の導電性線材
19 第一の固定部材
20 第二の固定部材

Claims (8)

  1. コンクリートからなる構造部材に対して適用されて、該構造部材に作用する応力およびひずみを検知することによって、該構造部材の健全性を判定する構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    前記構造部材の内部または表面に配設されて該構造部材に伸びが生じた際には一体に伸びるとともに、該構造部材に所定幅のひび割れが発生した際に破断伸びに達して破断する導電性線材と、該導電性線材に対してその延在方向の少なくとも二箇所に設けられた端子と、これら端子間の電気抵抗値を測定する抵抗測定手段とを備えてなり、
    前記導電性線材には予め緊張力が付与されて該緊張力により該導電性線材には予め所定の伸びが与えられており、
    前記緊張力は、前記導電性線材が該緊張力によって所定の伸びが与えられている状態から、前記構造部材に前記所定幅のひび割れが発生して前記導電性線材がさらに伸びた際に前記破断伸びに達するように設定されてなることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  2. 請求項1記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    導電性線材は、該導電性線材に沿って配列されるとともに前記構造部材に対して固定された複数の固定部材によって把持され、かつ該導電性線材には、該導電性線材を把持する前記固定部材を介して、前記構造部材側から緊張力が付与され、
    該導電性線材のうち、前記固定部材によって把持された部分以外の部分は、その周囲に前記構造部材を構成するコンクリートと前記導電性線材との間の付着を防止するためのケーシングが設けられた構成とされていることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  3. 請求項2記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    前記固定部材は、互いに平行な複数の列をなすように配置されるとともに、これら各列ごとに別々の前記導電性線材を把持する構成とされ、なおかつ、これら各列のうちの少なくとも一列の前記固定部材の前記導電性線材の延在方向の位置が、他の列の前記固定部材と異なる位置とされていることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  4. 請求項3記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    前記固定部材は、互いに平行な第一の列と第二の列とをなすように配置されるとともに、前記第一の列における前記固定部材と、前記第二の列における前記固定部材とが、前記導電性線材の延在方向に向けて交互に位置するように設けられていることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  5. 請求項2記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    互いに平行に配置された第一および第二の導電性線材と、これら第一および第二の導電性線材に沿って配列された第一の固定部材および第二の固定部材を有する構成とされ、
    前記第一および第二の固定部材は、前記第一および第二の導電性線材の延在方向に向けて交互に配置され、
    前記第一の固定部材は、前記第一の導電性線材を、その延在方向の変位を許容するように保持するとともに、前記第二の導電性線材を、その延在方向の変位を規制するように把持する構成とされ、
    前記第二の固定部材は、前記第一の導電性線材を、その延在方向の変位を規制するように把持するとともに、前記第二の導電性線材を、その延在方向の変位を許容するように保持する構成とされていることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  6. 請求項2から5のいずれかに記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    前記固定部材および前記ケーシングは、前記導電性線材の延在方向に見た場合の断面積が互いに異なる構成とされていることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    前記導電性線材は、炭素繊維束により形成されていることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
  8. 請求項7記載の構造部材の健全性モニタリングセンサーであって、
    炭素繊維束とガラス繊維束とを強化プラスチックスにより一体に成形してなる炭素繊維ガラス繊維強化プラスチックス複合材を素材として用いて、該複合材における炭素繊維束に予め緊張力を付与してこれを導電性線材として機能せしめるとともに、
    該複合材におけるガラス繊維束および強化プラスチックスにより構成されるガラス繊維強化プラスチックスを、前記炭素繊維束に導入した緊張力の反力をとるための補強材として機能せしめてなることを特徴とする構造部材の健全性モニタリングセンサー。
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