JP4011960B2 - ポリウレア樹脂組成物、ポリウレア被膜の製造方法、ポリウレア樹脂用硬化剤及びポリウレア樹脂形成用の組成物セット - Google Patents
ポリウレア樹脂組成物、ポリウレア被膜の製造方法、ポリウレア樹脂用硬化剤及びポリウレア樹脂形成用の組成物セット Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリウレア樹脂組成物、該組成物を用いたポリウレア被膜の製造方法及びポリウレア樹脂用硬化剤に関する。より詳しくは、特定のビス(N−アルキルアミノシクロヘキシル)メタン類及びアミノシクロヘキシル(N−アルキルアミノシクロヘキシル)メタン類とを用いたポリウレア樹脂組成物、該組成物を用いたポリウレア被膜の製造方法及びポリウレア樹脂用硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性水素とイソシアネートの反応性は大であるため、多官能性活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物の反応で容易に高分子材料が得られる。様々な構造を有する多官能性活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物との組み合わせにより、様々な特性を有する高分子材料の合成が可能であり塗料、接着剤、エラストマー、成形材料などに広く使用されている。
【0003】
これらのポリイソシアネートを使用する工業的分野では、その殆どが相手の多官能性活性水素含有化合物はヒドロキシル基を持つポリオール化合物が中心になっており、いわゆるポリウレタンの製造を目的としている。このイソシアネート基とヒドロキシル基との反応は比較的緩和に進行するため、反応性を上げるためには第3級アミンや有機金属系のような各種触媒が使用される。またポリオール化合物は殆どが固体状物質、あるいは高粘度状物質であるためポリイソシアネート化合物との反応時には各種溶剤に溶解させた状態で使用されることが多い。
【0004】
これらの触媒、溶剤などは調整時やその後の被膜形成時に大気中に揮散されるケースもあり、環境、安全面からも問題となっている。
【0005】
また、ポリウレタンは設計の仕方によってもかなり異なったものが得られるが、各種素材に対する接着性が良好で、被膜硬度が高く、弾性があり、耐摩耗性、耐薬品性等に優れた物性を示す高分子材料である。しかし、現在使用されている多くのポリウレタンは光暴露による黄変の問題を抱えている。
【0006】
一方、多官能性活性水素含有化合物として、アミノ基を持つポリアミンとの反応も古くから知られており、例えば芳香族ポリアミンがポリウレタンの鎖延長剤や硬化剤として、また脂肪族や脂環式ジアミンも各種ウレタンウレア製品に使用されているが、主にイソシアネートとの反応性を早めるためや生成するウレア結合の水素結合性を利用して、物性を制御するのに用いられている。
【0007】
近年、ポリウレタン、ポリウレアの鎖延長剤としてジアミン化合物であるビス(N−アルキルアミノシクロヘキシル)メタン類を用い、種々の特性を向上させる技術が提案されている(特許第2759053号公報)。これらのジアミン化合物は光に対して安定性を有する、すなわち光暴露により黄変の少ないポリウレタン、ポリウレアを提供する硬化剤や鎖延長剤として使用されることが記載されている。
【0008】
しかし、上記ビス(N−アルキルアミノシクロヘキシル)メタン類をポリウレタン、ポリウレアを得るための硬化剤や鎖延長剤として用いた場合、光に対して安定性は改善されるものの、太陽光にさらされる用途などではより一層の改善が求められている。またこれらの反応系では実質的に硬化反応触媒を使用したり有機溶媒を併用する必要があり環境、安全面からもより一層の改善が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題を解決し、硬化時間が極めて短く、硬化反応触媒が不要で、更には、溶剤を不要とすることが可能であり、光に対する優れた安定性を有し、硬度が高く良好な物性を示す硬化被膜が得られるポリウレア樹脂組成物、該組成物を用いたポリウレア被膜の製造方法及びポリウレア樹脂用硬化剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究検討した結果、特定のビス(N−アルキルアミノシクロヘキシル)メタン類に、特定のアミノシクロヘキシル(N−アルキルアミノシクロヘキシル)メタン類を組み合わせたものを、主にポリイソシアネートモノマーと反応しポリウレアを形成する骨格活性水素成分(ポリウレタンの場合のポリオールに相当)として用いることにより、得られるポリウレアが、光に対してより安定性を有すると共に硬度が高く良好な物性を示すこと、ウレア化反応速度が向上し実質的に硬化反応触媒が不要になること、さらには特定のポリイソシアネート成分を用いた場合に、揮発性成分を殆ど含まない組成物でありながら、均質で平滑な硬化被膜が得られ、その上、極めて硬度が高く良好な物性を示すと同時に、光に対する安定性が極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明にかかるポリウレア樹脂組成物の一実施態様は、下記一般式(1)で表される化合物と、該一般式(1)で表される化合物100重量部に対し5〜30重量部の下記一般式(2)で表される化合物とを含有するポリアミン成分と、ポリイソシアネート成分とからなることを特徴とする。
【0012】
【化9】
【0013】
(式中、R1、R2は、それぞれ1〜10の炭素原子を有するアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。R3〜R6は、それぞれ水素原子または1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
【0014】
【化10】
【0015】
(式中、R7は、1〜10の炭素原子を有するアルキル基である。R8〜R11は、それぞれ水素原子または1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
【0016】
また、本発明にかかるポリウレア被膜の製造方法の一実施態様は、下記ポリウレア樹脂用硬化剤とポリイソシアネート成分を反応させることを特徴とする。
【0017】
更に、本発明にかかるポリウレア樹脂用硬化剤の一実施態様は、上記一般式(1)で表される化合物と、該一般式(1)で表される化合物100重量部に対し5〜30重量部の上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする。
【0018】
更にまた、本発明にかかるポリウレア樹脂形成用の組成物セットの一実施態様は、
i)ポリイソシアネート成分と
ii)ポリアミン成分と、
を独立して有しているポリウレア樹脂形成用の組成物のセットであり、
前記ポリアミン成分が、上記一般式(1)で示される化合物と該一般式(1)で表される化合物100重量部に対し5〜30重量部の上記一般式(2)で示される化合物とを含んでいることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
ポリアミン成分(硬化剤)は、上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(2)で表される化合物とを含有する。
【0021】
一般式(1)、(2)において、R1、R2、R7は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基であって直鎖であっても分岐していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種異性体ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられ、好ましくは、炭素数3〜10のアルキル基、更に好ましくはn−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、最も好ましくはsec−ブチル基である。R1とR2は同一であっても異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
【0022】
R3〜R6、R8〜R11は、それぞれ水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、炭素数1〜5のアルキル基は直鎖であっても分岐していてもよい。R3、R4、R8、R9は水素原子またはメチル基、R5、R6、R10、R11は水素原子であることが好ましい。R3とR4、R5とR6、R8とR9、R10とR11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
【0023】
また、R2とR7、R3とR8、R4とR9、R5とR10、R6とR11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
【0024】
一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物の混合割合は、一般式(1)で表される化合物100重量部に対し、一般式(2)で表される化合物を5〜30重量部が好ましく、8〜20重量部がより好ましい。
【0025】
ポリイソシアネート成分としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートがあげられる。
【0026】
また、これらのポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビウレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、などを1以上含有する変性ポリイソシネートも使用できる。さらに、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどのポリイソシアネートも使用できる。また、単量体ポリイソシアネート1当量に対し最大0.5当量のポリオールおよび/またはポリアミンとの反応生成物である末端イソシアネートプレポリマーも使用できる。
【0027】
これらのポリイソシアネートは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0028】
これらのうちでも、揮発性成分を殆ど含まない組成物が得られ、より優れた耐候性を発現できるため、下記一般式(a)で表される化合物と、下記一般式(b)〜(c)で表される化合物より選ばれる少なくとも一種との混合物が好ましく、より好ましくは、一般式(a)で表される化合物50〜80モル%と、一般式(b)で表される化合物及び/又は一般式(c)で表される化合物50〜20モル%よりなる混合物である。これらは、上記芳香族ジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどのポリイソシアネート等と併用してもよい。
【0029】
【化11】
【0030】
(式中、R21〜R23は、それぞれ4〜10の炭素原子を有するアルキレン基、シクロアルキレン基、好ましくはn−ヘキシレン基を表し、R24は1〜10の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはn−ブチル基を表す。)
【0031】
また、同様の理由により、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)誘導体も好適に使用でき、例えばイソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、アロファネート結合、ビウレット結合により得られるオリゴマー体等が挙げられ、イソシアヌレート結合が50〜80モル%、ウレトジオン結合及び/又はアロファネート結合が50〜20モル%の範囲のものが更に好ましい。この場合、上記一般式(a)〜(c)で表される化合物を混合してもよいし、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、アロファネート結合の2種以上が1つの分子中で結合されているものを用いてもよい。これらは、上記芳香族ジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどのポリイソシアネート等と併用してもよい。
【0032】
ポリアミン成分とポリイソシアネート成分を配合する比率は、ポリアミン成分中の活性水素1当量に対し、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート当量比が0.9〜1.25であることが好ましい。この当量比とすることによって硬化反応が十分になり、十分な塗膜物性を発現させることが可能となる。更には過剰のイソシアネートが被膜中に残存することを有効に抑えられるため、水分との分解反応によると思われる被膜物性の変化を解消、もしくは緩和することができる。
【0033】
本発明においては、必要に応じて着色剤、安定剤、分散剤、加水分解防止剤、充填剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加剤を用途、目的に応じて適宜添加することができる。
【0034】
本発明のポリウレア樹脂組成物はポリアミン成分とポリイソシアネート成分との2液型塗料として好適に使用でき、二成分型高圧スプレー、定量混合ディスペンサー、スタティックミキサーなどによる公知の塗装方法で、塗布することができる。しかし、本発明においては、ポリアミン成分とポリイソシアネート成分との混合直後から反応が開始し、それにつれて液粘度も上昇する。また、ポリアミン成分と有機ポリイソシアネート成分の反応速度は、本質的に早いということと同時に、特定のポリイソシアネートを用いた場合には、反応液中に溶媒が共存しないことも相俟って、混合から塗布、塗膜形成までの時間が短時間であるため、二成分型高圧スプレーを用いる塗装方法が好ましい。
【0035】
本発明による組成物は各種プラスチック類、ゴム、木材、紙などの有機基材、各種金属類、コンクリート、セラミックスなどの無機基材などあらゆる基材への適用が可能である。特に、硬化速度が非常に速いため、壁などの垂直面、天井等の塗装に好適に使用できる。
【0036】
また本発明にかかるポリウレア樹脂組成物の販売、流通形態としては、たとえばポリイソシアネート成分と、ポリアミン成分とが各々独立の容器に入れられた、組成物セットの形態等が考えられる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0038】
<合成例1>下記式(1−b)で表される化合物の合成
オートクレーブ中にアルミナ担持白金触媒とビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン10gとメチルエチルケトン27.4gを入れ,水素存在下かつ8MPaの加圧下で、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応終了後、過剰のメチルエチルケトンと生成する水を反応合成物より分離して精製し、ほぼ無色透明な粘稠性液体を得た。得られた化合物の元素分析値を計算値と併せて以下に示す。
[元素分析値]C:78.11%、H:13.20%、N:8.69%
[計算値]C:78.19%、H:13.12%、N:8.68%
【0039】
<合成例2>
原料アミンとしてビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンに代えてビス(4−アミノ−3メチルシクロヘキシル)メタンを用いた以外は合成例1と同様にして、下記式(1−d)で表される化合物を得た。
【0040】
また、同様の方法で、下記式(1−a)で表される化合物及び下記式(1−c)で表される化合物を得た。
【0041】
【化12】
【0042】
<合成例3>下記式(2−b)で表される化合物の合成
コンデンサー、滴下ロート、温度計及び攪拌機を備えた三ツ口フラスコにビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン10gを入れ、メチルエチルケトン10.74g滴下後、6時間還流し、淡褐色液体8.9gを得た。次いでカラムクロマト法にて精製し、N−{4−[(4−アミノシクロへキシル)メチル]シクロヘキシル}−N−(1−メチルプロピリデン)アミン2.7gを得た。乾燥メタノール40mlに溶解後、5〜10℃に冷却しNaBH40.19gを加え、24時間で35℃まで昇温した。更に10℃以下になるまで冷却し、過剰の希塩酸を入れ、溶解後、15%アンモニア水を反応液が白濁するまで滴下した。酢酸エチルにて抽出、水洗した後、汎用乾燥剤にて乾燥後、溶媒を留去し淡黄色粘稠性液体1.0gを得た。得られた化合物の元素分析値を計算値と併せて以下に示す。
[元素分析値]C:76.57%、H:12.89%、N:10.54%
[計算値]C:76.63%、H:12.86%、N:10.51%
【0043】
<合成例4>
原料ケトン類としてメチルエチルケトンに代えてアセトンを用いた以外は合成例3と同様にして、下記式(2−a)で表される化合物を得た。
【0044】
また、同様の方法で、下記式(2−c)で表される化合物及び下記式(2−d)で表される化合物を得た。
【0045】
【化13】
【0046】
<実施例1>
以下に示す組成で、A−1液とB−1液を23℃でスタティックミキサーを用いて混合し、ポリウレア樹脂組成物を調製した。
【0047】
A−1液(ポリアミン成分)
式(1−b)で表される化合物 100重量部
式(2−b)で表される化合物 12.5重量部
B−1液(ポリイソシアネート成分)
一般式(a)で表される化合物(R21はn−ヘキシレン基)65モル%、一般式(b)で表される化合物(R22はn−ヘキシレン基)15モル%、一般式(c)で表される化合物(R23はn−ヘキシレン基、R24はn−ブチル基)20モル%の混合物 100重量部
【0048】
得られたポリウレア樹脂組成物を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】
(ゲルタイムの測定)
ポリウレア樹脂組成物をガラス板上に吐出後、直ちにスパチュラーで攪拌しつつ上方に引っ張り、組成物が糸を引かなくなるまでの時間を測定しゲルタイムとした。
【0050】
(硬度の測定)
ポリウレア樹脂組成物を調整後、直ちに150mm×150mm×3mmのテフロン(登録商標)型に注入し、23℃で24時間放置後、ショア硬度計により常温硬度を測定した。
【0051】
(耐候性)
ポリウレア樹脂組成物を調整後、直ちに150mm×10mm×3mmのテフロン(登録商標)型に注入し、24時間放置硬化後に離型させて短冊状の試験片を作製した。この試験片を下記条件で暴露試験を行ない黄変の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
【0052】
暴露条件:キセノンアークランプ、照射照度;340W/mm2、暴露時間;1000時間、1サイクル;120分、散水;18分、温度;63℃
◎:優(変化無し)
○:良好(わずかに濁るが、実用上全く問題はない)
△:やや不良(わずかに黄変)
×:不良(黄変)
【0053】
<実施例2>
A−1液に代えて、以下に示すA−2液を用いた以外は実施例1と同様にしてポリウレア樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0054】
A−2液(ポリアミン成分)
式(1−d)で表される化合物 100重量部
式(2−d)で表される化合物 18重量部
【0055】
<実施例3>
以下に示す組成で、A−3液とB−2液を60℃でスタティックミキサーを用いて混合し、ポリウレア樹脂組成物を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0056】
A−3液(ポリアミン成分)
式(1−a)で表される化合物 100重量部
式(2−a)で表される化合物 8重量部
B−2液(ポリイソシアネート成分)
一般式(a)で表される化合物(R21はn−ヘキシレン基)70モル%、一般式(b)で表される化合物(R22はn−ヘキシレン基)30モル%の混合物
100重量部
【0057】
<実施例4>
B−2液に代えて、以下に示すB−3液を用いた以外は実施例3と同様にしてポリウレア樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0058】
B−3液(ポリイソシアネート成分)
一般式(a)で表される化合物(R21はn−ヘキシレン基)75モル%、一般式(c)で表される化合物(R23はn−ヘキシレン基、R24はn−ブチル基)25モル%の混合物 100重量部
【0059】
<比較例1>
ポリアミン成分として式(1−b)で表される化合物のみを用いた以外は実施例1と同様にしてポリウレア樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明の組成物は、室温硬化が可能であり、しかも硬化時間が極めて短いため硬化反応触媒が不要で、更には、特定のポリイソシアネートを用いた場合には実質的に揮発有機成分を含有しない。しかも、本発明により得られた硬化被膜は、耐候性に優れ、硬度その他の諸物性が良好であり、塗料用組成物として好適に使用できる。
Claims (13)
- 下記一般式(1)で表される化合物と、該一般式(1)で表される化合物100重量部に対し5〜30重量部の下記一般式(2)で表される化合物とを含有するポリアミン成分と、ポリイソシアネート成分とからなることを特徴とするポリウレア樹脂組成物。
- R2とR7、R3とR8、R4とR9、R5とR10、R6とR11がそれぞれ同一であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレア樹脂組成物。
- R1、R2及びR7が、3〜10の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレア樹脂組成物。
- R1,R2がブチル基、R3,R4が水素原子又はメチル基、及びR5,R6が水素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレア樹脂組成物。
- R7がブチル基、R8,R9が水素原子又はメチル基、及びR10,R11が水素原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレア樹脂組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物100重量部に対し、前記一般式(2)で表される化合物を8〜20重量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレア樹脂組成物。
- 前記ポリアミン成分中の活性水素1当量に対するポリイソシアネート成分中のイソシアネート当量比が0.9〜1.25であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリウレア樹脂組成物。
- 前記ポリイソシアネート成分が、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリウレア樹脂組成物。
- 請求項10に記載のポリウレア樹脂用硬化剤とポリイソシアネート成分を反応させることを特徴とするポリウレア被膜の製造方法。
- i)ポリイソシアネート成分と
ii)ポリアミン成分と、
を独立して有しているポリウレア樹脂形成用の組成物のセットであり、
前記ポリアミン成分が、下記一般式(1)で示される化合物と該一般式(1)で表される化合物100重量部に対し5〜30重量部の下記一般式(2)で示される化合物とを含んでいることを特徴とするポリウレア樹脂形成用の組成物セット。
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