JP4011372B2 - 数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法およびチェック装置ならびにそれを備えた数値制御工作機械 - Google Patents

数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法およびチェック装置ならびにそれを備えた数値制御工作機械 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、数値制御工作機械で使用する加工プログラムのシミュレーションによるチェック方法およびチェック装置、ならびにそのチェック装置を備えた数値制御工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
数値制御の加工プログラムによって部品加工を行う数値制御工作機械(以下「NC工作機械」という)が各種の部品加工に多用されている。そのNC工作機械で使用する加工プログラムを新たに作成した場合や、その一部のプログラムを変更した場合には、その加工プログラムで実際にNC工作機械を動作させて部品の加工を行う生産運転の前に、その加工プログラムを充分に確認(チェック)する必要がある。
【0003】
その際の加工プログラムのチェックを、従来は次のような方法で行っていた。・NC工作機械をプログラムチェックモードにして、手動でハンドルを操作してパルス発生器によってパルスを発生させ、そのパルスによって加工プログラムを実行させる。
・NC工作機械を、自動運転中の切削送り速度を操作盤からのダイヤル操作で任意に変えられる速度オーバーライド機能により、低速運転にして加工プログラムを実行させる。
・NC工作機械に、その刃物台から工具を取り外し、ワーク(加工材料)を供給せずに空運転で加工プログラムを実行させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような加工プログラムのチェック方法では、確認作業に非常に多くの時間が必要だった。また、実際に使用するNC工作機械(実機)を使用して長時間に亘る確認作業をするため、その確認作業の間はNC工作機械による生産が止ってしまっていた。
また、従来のシミュレーションでの干渉チェックは、干渉した位置で表示画面の描画を停止させるか、干渉部分の表示色を変えるなど、シミュレーションの描画上での干渉エラー表示となっていた。そのため、加工プログラム中の干渉が生じるなどの問題がある部分(ブロック)の手直しを容易且つ迅速に行うことができなかった。
【0005】
この発明は、このような従来のNC工作機械の加工プログラムのチェック(確認)方法における種々の問題を改善するためになされたものである。
すなわち、この発明は、加工プログラムのシミュレーションをNC工作機械(実機)を使用しなくても、パーソナルコンピュータ等の汎用装置を使用しても行えるようにし、しかもそれによる加工プログラムの異常部分の検出とその修正を迅速且つ容易に行えるようにすることを目的とする。また、NC工作機械上でのチェックモードの運転も能率よく、しかも問題がありそうな箇所の確認を確実に行えるようにすることも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次のようなNC工作機械の加工プログラムチェック方法およびチェック装置ならびにそのチェック装置を備えたNC工作機械を提供する。
【0007】
まず、この発明によるNC工作機械の加工プログラムチェック方法は、次の各工程を有することを特徴とする。
(1)加工状態をグラフィック表示しながら加工プログラムのシミュレーションを行い、構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック及び異常に接近するか否かの異常接近チェックを行うチェック工程、
(2)その工程で干渉又は異常接近と判定した際、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶工程、
(3)加工プログラムを修正するための編集画面を表示し、そこに上記記憶した干渉ブロック及び常接近ブロックを他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集工程、
(4)上記チェック工程で干渉又は異常接近と判定した際、および上記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが上記干渉ブロック、上記異常接近ブロック、または上記変更ブロックとして記憶されているブロックと一致した際に、その干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックに関してそれぞれ予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う動作選択工程、
【0008】
さらに、上記チェック工程で、切削速度が予め設定した速度を越えるか否かの切削速度異常チェックも行い、
上記異常ブロック記憶工程で、上記チェック工程で切削速度異常と判定した際、その動作を指示した加工プログラムのブロックを切削速度異常ブロックとして記憶し、
上記編集工程で、上記編集画面にその記憶した切削速度異常ブロックも他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶し
上記動作選択工程で、上記チェック工程切削速度異常と判定した際、および上記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが上記切削速度異常ブロックとして記憶されているブロックと一致した際にも、その切削速度異常に関して予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行うようにするとよい。
【0009】
これらの加工プログラムチェック方法は、NC工作機械自体の制御部によって行えるようにすることができるが、パーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置を使用しても、上述の各工程を実行させるプログラムをインストールすることによって実行可能である。
【0010】
さらに、上記各工程によりシミュレーションおよび修正を行った加工プログラムによって実際にNC工作機械を動作させてチェックを行う工程を有し、
その工程において加工プログラムを表示する際、上記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックおよび変更ブロックをそれぞれ他のブロックとは区別して表示するとともに、その記憶した各ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換えるようにすると、実機による加工プログラムのチェックを効率よく確実に行うことができる。
上記加工プログラムを表示する際、記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックおよび変更ブロックをそれぞれ予め設定された異なる色で他のブロックとは区別して表示すると、一目で判別できる。
この工程は、NC工作機械の制御部によって実行する。
【0011】
この発明によるNC工作機械の加工プログラムチェック装置は、入力部と表示部と制御部とを備え、その制御部が次の各機能を有することを特徴とする。
(1)NC工作機械の加工プログラムを、その加工状態を上記表示部にグラフィック表示しながらシミュレーションするシミュレーション制御手段、
(2)そのシミュレーション中に構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック及び異常に接近するか否かの異常接近チェックを行うチェック手段、
(3)そのチェック手段によって干渉又は異常接近と判定されたとき、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶手段、
(4)上記加工プログラムを修正するための編集画面を上記表示部に表示し、そこに上記異常ブロック記憶手段によって記憶した干渉ブロック及び異常接近ブロックを他のブロックと区別して表示してプログラムの修正を行わせ、修正が済むそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集制御手段、
(5)上記チェック手段によって干渉又は異常接近と判定された際、および上記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが上記干渉ブロック、上記異常接近ブロック、または上記変更ブロックとして記憶されているブロックと一致した際に、その干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックに関してそれぞれ予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う動作選択手段、
【0012】
さらに、上記チェック手段が、切削速度が予め設定した速度を越えるか否かの切削速度異常チェックを行う手段も有し、
上記異常ブロック記憶手段が、上記チェック手段によって切削速度異常と判定された際、その動作を指示した加工プログラムのブロックを切削速度異常ブロックとして記憶する手段も有し、
上記編集制御手段が、上記編集画面にその記憶した切削速度異常ブロック他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶する手段も有し、
上記動作選択手段が、上記チェック手段によって上記切削速度異常と判定された際、および上記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが上記切削速度異常ブロックとして記憶されているブロックと一致した際にも、その切削速度異常に関して予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う手段も有するとよい。
【0013】
これらの加工プログラムチェック装置は、入力部と表示部と制御部を備えたNC工作機械自体が兼ねることができる。しかし、NC工作機械とは別のパーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置に、上述の手段の機能を実行させるプログラムをインストールすることによっても実現可能である。
【0014】
また、この発明によるNC工作機械は次の各手段を有することを特徴とする。
(1)上記NC工作機械の加工プログラムチェック装置によってシミュレーションおよび修正を行った加工プログラムおよびそのシミュレーション結果によって実際に加工を行うための各部を動作させてチェックを行うチェックモード運転手段、
(2)その手段による動作中に上記加工プログラムを、上記シミュレーション結果として記憶された干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックおよび変更ブロックを他のブロックと区別して表示する加工プログラム表示手段、
(3)上記干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックおよび変更ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換える運転切換手段、
このNC工作機械自体に、上記NC工作機械の加工プログラムチェック装置を備えることもできる。
【0015】
【作用】
この発明によるNC工作機械のプログラムチェック方法およびチェック装置によれば、加工プログラムのシミュレーションを実行して次の情報をメモリに記憶(記録)する。
・干渉したプログラムブロック(干渉ブロック)
・あるいは、干渉していないがぎりぎりですれ違う異常接近(ニアミス)のプログラムブロック(異常接近ブロック)
・予め工具毎および切削する材質毎の切削条件を、径方向と長手方向のそれぞれに設定し、その速度以上で切削加工するプログラムブロック(切削速度異常ブロック)
・編集画面での編集によって変更したプログラムブロック ( 変更ブロック )
【0016】
2回目以降のシミュレーション時には、前回のシミュレーション時に記憶された情報を使用し、干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックの手前で自動的に低速運転に切換えたり、一時停止して状況の確認を容易にする。
また、変更したブロックの先頭でも自動的に低速運転に切換えたり、一時停止して、状況の確認を容易にすることができる
【0017】
そのため、1回目は高速でシミュレーションを行い、2回目も、1回目で記憶した情報から確認する必要があるプログラムブロックまでは高速でシミュレーションができるため、確認に要する時間を短縮することができる。
編集画面に加工プログラムを表示する際、シミュレーション結果の情報を取り込み、干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックは色分けやマーキング表示、網掛け表示などによって他のブロックと一目で区別できるように、且つ異常ブロック相互の区別もできるように表示することができる。それによって、プログラマがこれらのブロックのプログラムを容易に修正することができる。
【0018】
NC工作機械のプログラムチェックモードで、加工プログラムと一緒にシミュレーション結果の情報を取り込み、干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックの手前で、自動的に低速運転に切換えたり、ハンドルモード(手動パルス発生器によるパルスでの運転)に切換えたり、一時停止して警告表示をし、スタートキーの操作を待ったりすることができる。
また、変更ブロックの先頭でも、自動的に低速運転に切換えたり、ハンドルモードに切換えたり、一時停止して状況の確認を容易にすることができる。
また、運転中のプログラム表示画面を編集画面と同様に、色分けやマーキング表示、網掛け表示などによって、注意が必要なブロックが一目で判るようにすることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図3はこの発明を実施するNC工作機械の一例を示す正面図である。このNC工作機械1は、少なくとも1つの主軸と少なくとも1つの刃物台を有する機械本体11と、入力部13と表示部14を有する操作盤12とからなり、例えば主軸移動型のNC旋盤である。
そして、このNC工作機械1はNC加工プログラムに従って動作し、これに接続される図示しない棒材供給装置から材料(素材)として棒材が供給され、主軸内のチャックでその棒材を保持して回転させ、その主軸と刃物台とを相対移動させて、刃物台に取り付けた工具(バイトやドリル等)によってその棒材に切削加工や孔明け加工を施す。
【0020】
次に、この工作機械の制御に係わるハード構成を図4のブロック図によって説明する。
この図4に示すNC工作機械1は、入力部13、表示部14、外部記憶装置15、制御部16、外部インタフェース(I/F)28、モータ制御部30と、これらを結ぶバス29と、主軸駆動機構33および刃物台駆動機構34等から構成されている。
制御部16は、CPU17とROM18およびRAM19とバス29からなり、マイクロコンピュータを構成している。
【0021】
CPU17は各種の演算・処理機能を有する中央処理装置であり、ROM18に格納されている動作プログラムによって動作してこの制御部16およびNC工作機械1の全体を統括制御し、外部記憶装置15またはRAM19に格納されたNCプログラムにしたがってモータ制御部30の各部を制御する。このCPUはまた、この発明による後述するシミュレーション動作およびプログラムチェックモードでの運転動作における各種の判断や処理なども実行する。
ROM18はリードオンリ・メモリであり、CPU17の動作プログラムおよび、加工条件毎の各モータの調整値を示すデータのファイル等を予め格納している。
【0022】
RAM19は、ランダムアクセス・メモリであり、実行する加工プログラム(NCプログラム)や、入力部13あるいは外部I/F28から入力される各種データ等を一時的に記憶するとともに、CPU17のワーキングメモリとしても使用される。入力されるデータとしては、後述する機械形状データ、素材形状データ、材質データ、ホルダ(刃物台)形状データ、工具形状データ、切削条件データなどが含まれる。また、シミュレーションの結果として判定される干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックなども一時的に記憶する。
入力部13と表示部14は、このNC工作機械1の図3に示した操作盤12に設けられている。その入力部13は、このNC工作機械1の各種の機能を選択したり運転に必要な情報を入力したりするためのスイッチやボタン、制御部16が加工プログラムのシミュレーションを実行するために必要な上述した各データも、この入力部13によって入力する。
【0023】
表示部14は、CRTや液晶ディスプレイなどのグラフィック表示が可能な表示装置であり、このNC工作機械1の操作に必要な各種の情報や入力情報および実際の加工状況などの情報を表示する。
外部記憶装置15は、ハードディスク装置やFDドライブ装置あるいはMOドライブ装置等の大容量の記憶媒体を用いる不揮発性の記憶装置であり、このNC工作機械1で使用するNC加工プログラム、加工する各種部品のデータ、シミュレーショに必要な上述の各種データ等を予め格納しておくことができる。また、RAM19に一時記憶された各種入力データやシミュレーション結果の情報なども、この外部記憶装置15によってハードディスクやフロッピディスク、光磁気ディスクなどの記憶媒体に記憶保持させることができる。
【0024】
外部I/F28は、図示しない自動プログラミング装置やパーソナルコンピュータからNCプログラムを入力するためのインタフェース、図示しない棒材供給装置の制御部と接続して信号の送受を行うためのインタフェース、この発明によるシミュレーションをパーソナルコンピュータで行う場合に、そのパーソナルコンピュータと接続してシミュレーションに必要な各種のデータの送信とシミュレーション結果のデータの受信など行うためのインタフェースなどに使用され、インタフェース回路およびコネクタからなる。
後述する機械形状データ、ホルダ形状データ、工具形状データ等をパーソナルコンピュータ等の外部機器で作成し、この外部I/F28から入力することもできる。
これらを接続するバス29は、データバスとコントロールバスとアドレスバスとによって構成されている。
【0025】
モータ制御部30は、主軸制御部31と刃物台制御部32とからなり、それぞれ主軸駆動機構(スピンドル回転用モータと主軸移動用モータを含む)33および刃物台駆動機構(刃物台割出回転用モータと刃物台移動用モータを含む)34の駆動を制御する。このモータ制御部30も、バス29によって制御部16に接続されている。
このNC工作機械1が、主軸のほかに移動可能な背面主軸も有するなど複数の主軸を有する場合には複数の主軸駆動機構33を備え、それを複数の主軸制御部31によって制御する。また、複数の刃物台を有する場合には複数の刃物台駆動機構34を備え、それを複数の刃物台制御部32によって制御することになる。
【0026】
次に、このNC工作機械における加工作業を行う各部の配置関係と移動ストロークの例を図5によって説明する。
このNC工作機械は、可動型の主軸として主軸3と背面主軸4をガイドブッシュ5を挟んで対向するように、同一軸線L上に設置可能に配置している。そして、ガイドブッシュ5は前端面の中心が定点Cの位置になるように固定され、素材(棒材)を回転自在に保持する。主軸3は内蔵のチャックで素材を把持して回転させながら定点Aの位置から軸線Lに沿ってストロークZ1の範囲で移動し、素材をガイドブッシュ5の前端面から突出させる。そして、ガイドブッシュ5の前端面の定点Cから距離D1だけ手前の位置を主軸3の前端の先進限位置とする。
背面主軸4も素材の先端部を把持して回転させることができ、定点Bの位置から軸線Lに平行にストロークZ2の範囲で移動可能であり、その前端がガイドブッシュ5の前端面の定点Cから距離D2だけ手前の位置を先進限位置とする。さらに、軸線Lに直交する方向にストロークX2の範囲で移動可能である。
【0027】
また、ガイドブッシュ5の上方には複数の工具(バイト)21を選択可能に保持する第1刃物台6が、下方には複数の工具(ドリル)22を選択可能に保持する第2刃物台7が、背面主軸4上には複数の工具(ドリル)23を選択可能に保持する第3刃物台8が、それぞれ設けられている。
第1刃物台6は、工具21の先端を定点DからストロークX1の範囲で上下(軸線Lに直交する方向)に移動させることができる。
第2刃物台7は、工具22の先端が軸線Lに平行な方向で、背面主軸4の前端面の定点Bの位置から距離D3だけ離れた位置で、図示しない本体ベットに固定されている。
第3刃物台8は、背面主軸4に固着されていて共に移動し、工具23の先端が背面主軸4の前端面の定点Bの位置から距離D4だけ突出している。
【0028】
これらの各定点A〜Dの位置及び各移動ストロークZ1,Z2,X1,X2は、各種加工パターンに応じて設定される。
部品加工中にこれらの各移動部材が加工プログラムによって制御されて相対移動し、素材を供給して加工するが、その際に相互に干渉(接触)したり、異常接近したり、切削速度が設定速度を越えたりしないようにしなければならない。
そのために、作成した加工プログラムを実際に加工作業を行う前に、シミュレーションを行ってチェックする必要がある。その加工プログラムのシミュレーションを短時間で確実に行えるようにし、その結果を判り易く表示して、チェックやプログラムの修正を容易に行えるようにするのがこの発明の目的である。
【0029】
図1は、図4に示したNC工作機械1の主として制御部16によって加工プログラムのシミュレーションを実行する場合の機能構成を示すブロック図である。このシミュレーションを実行するときには、図4に示したモータ制御部30は動作させず、したがって主軸台駆動機構33および刃物台駆動機構34も動作せず、実際の加工作業は行わない。
図1において、40〜50と61,62は、図4に示した制御部16の主としてCPU17がシミュレーション用プログラムを実行することによって実現する各機能であり、そのシミュレーション用プログラムは、ROM18に格納されているかあるいは外部記憶装置15からRAM19に格納される。51〜60はRAM19あるいは外部記憶装置15に記憶されたプログラムや各種のデータである。しかし、これらの機能およびデータの記憶を汎用のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置のCPUおよびメモリによって実現することもできる。
【0030】
図1における機能部としては、加工プログラム解析部40、実行中プログラム表示処理部41、異常ブロック判定部42、変更ブロック判定部43、座標変換部45、表示データ作成部46、干渉判定部47、異常接近判定部48、切削速度判定部49、および構造物描画処理部50がある。
加工プログラム解析部40は、図4に示した外部記憶装置15に格納されている加工プログラムファイル51から加工プログラムを読み出してRAM19に記憶させ、その加工プログラムを1ブロックずつ順次解析し、それを異常ブロック判定部42および変更ブロック判定部43および座標変換部45へ順次送る。また、その解析したブロックを実行中プログラム表示処理部41へ送る。
【0031】
実行中プログラム表示処理部41は、実行中の加工プログラムの中に干渉ブロック56、異常接近ブロック57、切削速度異常ブロック58、または変更ブロック59に記憶されているブロック番号のブロックがあれば、そのブロックを他のブロックと区別して図4の表示部14に表示させる。また、加工プログラム解析部40から解析したブロックが送られて来ると、そのブロックが表示されるように加工プログラムをスクロールし、同じく表示部14に表示させる。
異常ブロック判定部42は、RAM19に記憶されている前回のシミュレーション実行によって記憶された干渉ブロック56、異常接近ブロック57、および切削速度異常ブロック58があれば、それらのブロック番号と現在の実行ブロックのブロック番号とを比較して異常ブロックを判定し、異常ブロックと判定した場合、設定されている条件に応じて、続行、スタート待ち、低速への切換えを行う。
【0032】
変更ブロック判定部43は、現在の実行ブロックのブロック番号と、RAM19に記憶されている変更ブロック(編集画面で変更したブロック)59があればそのブロック番号とを比較して、変更ブロックを判定し、変更ブロックと判定した場合、設定されている条件に応じて、続行、スタート待ち、低速への切換えを行う。
一方、予め図4の入力部13又は外部I/Fに接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器から入力されて、外部記憶装置15またはRAM19に記憶されている機械形状データ52、素材形状データ53、ホルダ形状データ54、および工具形状データ55を参照して、工作機械構造物データ作成部44が、図5に示したような工作機械構造物の形状を示すデータを作成する。
【0033】
座標変換部45は、加工プログラム解析部40の解析結果から各部の表示位置を示す座標データに変換する。その座標データと工作機械構造物データ作成部44で作成したデータとから、表示データ作成部46が表示部14に表示させるための表示データを作成する。
その表示データから、干渉判定部47は部材間の干渉を判定して、干渉があれば干渉ブロック56としてRAM19にそのブロック番号を記憶させる。同様に異常接近判定部48は、部材間の接近距離を接近許容距離データ60と比較して異常接近を判定して、異常接近があれば異常接近ブロック57としてそのブロック番号を記憶させる。さらに、切削速度判定部49は切削速度を判定し、それが異常(設定されている上限速度を越えている等)であれば、切削速度異常ブロック58としてブロック番号を記憶させる。
構造物描画処理部50は、主軸や刃物台等の構造物のシミュレーション画面の描画処理を行う。
【0034】
加工プログラム編集部61は、NC工作機械1の入力部13からの入力で編集モードになり、編集中プログラム表示処理部62は、シミュレーション中の加工プログラムの内容を図19のように編集画面表示する。このとき編集中プログラム表示処理部62は、干渉ブロック56、異常接近ブロック57、切削速度異常ブロック58に記憶されているブロック番号があればそれを読みとり、それぞれ予め設定された色等があればその色設定に従ってそのブロックを表示する。また、加工プログラム編集部61は、入力部13からの入力により変更されたブロックがあればそのブロック番号を変更ブロック59に書き込んで記憶させる。
これらが、この発明による加工プログラムチェック装置のシミュレーション制御手段とチェック手段と異常ブロック記憶手段に相当する。
【0035】
次に、このシミュレーションの結果のデータを用いて加工プログラムをチェックするプログラムチェックモードの処理を実行する場合の機能構成を図2によって説明する。
このときは、図1に示したシミュレーション実行時の各機能部のうち、加工プログラム解析部40、実行中プログラム表示処理部41、異常ブロック判定部42、変更ブロック判定部43、加工プログラム編集部61、および編集中プログラム表示処理部62だけを使用し、1ブロック実行処理部60が追加される。
【0036】
加工プログラム解析部40は、加工プログラムファイル51から加工プログラムを1ブロックずつ読み出して順次解析し、それを異常ブロック判定部42および変更ブロック判定部43へ順次送る。また、その解析を実行中のプログラムを、実行中プログラム表示処理部41によって表示データを作成して図4の表示部14に表示させる。
このとき実行中プログラム表示処理部41は、干渉ブロック56,異常接近ブロック57,切削速度異常ブロック58,変更ブロック59に記憶されているブロック番号を読み取り、そのブロック番号のブロックのプログラムをそれぞれ予め設定された色等があればその色設定に従ってそのブロックを表示する。
【0037】
異常ブロック判定部42は、現在の実行ブロックのブロック番号とシミュレーション実行結果のブロックである干渉ブロック56、異常接近ブロック57、および切削速度異常ブロック58に記憶されているブロック番号とを比較して異常ブロックを判定し、異常ブロックであると判定した場合には、設定されている条件に応じて、スタートキー待ち、低速への切換え、ハンドルモードに切換えのいずれかを行う。
【0038】
変更ブロック判定部43は、現在の実行ブロックのブロック番号と、変更ブロック(編集画面で変更したブロック)59に記憶されているブロック番号とを比較して、変更ブロックであると判定した場合には、設定されている条件に応じて、スタートキー待ち、低速への切換え、ハンドルモードに切換えのいずれかを行う。
そして、この異常ブロック判定部42と変更ブロック判定部43の判定結果に応じて、1ブロック実行処理部60が加工プログラムを1ブロック実行する。
加工プログラム編集部61、および編集中プログラム表示処理部62による処理は、図1によって説明したとおりである。
上記の処理の処理を加工プログラムの最後まで実行する。
【0039】
次に、上述したNC工作機械によるシミュレーションの準備段階から生産運転までの処理の流れを、図6から図9のフローチャートと図10以降の形状データや表示画面の図を参照して説明する。
図6は、上述したNC工作機械によるシミュレーションの準備段階から生産運転までの処理の流れを示すメインルーチンのフローチャートである。
この図6に示す処理を開始すると、まずステップS1〜S4で図4に示した入力部又は外部I/Fに接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器から入力される機械形状データ、素材形状データと材質データ、ホルダ形状データ、および工具形状データと切削条件データを順次入力して、図4に示したRAM19又は外部記憶装置15(以下単に「メモリ」と称す)に記憶する。
【0040】
ここで、機械形状データとは、例えば図11に示すようなこのNC工作機械を構成する部分(主軸を含む)の形状を示すデータである。
工具形状データとは、例えば図12に示すような加工に使用する工具(バイトやドリル)の形状を示すデータである。
ホルダ形状データとは、工具を保持する刃物台の形状を示すデータであり、例えば図13に示すような形状のデータである。
図14は、工具とホルダを組みあわせた状態、すなわち工具をホルダに取付けた状態の一例を示す形状データである。
【0041】
素材形状データは、丸材の場合は直径、パイプ材の場合は直径(外径)と穴径(内径)、六角材のような異形材の場合は直径と角数のデータである。
材質データは、アルミニウムやステンレス鋼などの素材(ワーク)の材質のデータである。
切削条件データは、素材(ワーク)の材質と工具の種類によって決まり、それぞれの工具に対して、ワークの材質毎に設定される切削速度の範囲や送り速度の範囲などの切削条件のデータである。
【0042】
次に、ステップS5でNC加工プログラムを入力する。このNC加工プログラムは、図4に示した入力部13から入力するか、図示しない自動プログラミング装置やパーソナルコンピュータで作成され、その加工プログラムファイルが図4に示した外部I/F28から入力されて外部記憶装置15および/またはRAM19(メモリ)に記憶されるか、フロッピディスクや光磁気ディスク等の記憶媒体に格納されて外部記憶装置15に装填され、そこから読み込まれる。
その後ステップS6で、異常接近を判断するための接近許容距離のデータを図4に示した入力部13から入力する。
【0043】
次いで、ステップ7で、図4に示した表示部に図15に示すような設定条件入力用画面を表示して、変更ブロック、干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックのそれぞれに対して運転の条件、すなわち、「続行」、「一時停止」、「低速」のいずれかの選択(後出の「設定条件」)と、画面上の表示色(緑、赤、黄、青など)の設定を行わせる。図15に示す例では黒丸で示されている条件が設定され、色設定の枠内に表示されている色が設定されている。これらの設定データもメモリに記憶する。
【0044】
そして、ステップS8でシミュレーションを実行する。このシミュレーション実行のサブルーチンの詳細を、図7および図8に示すフローチャートによって説明する。
まず、図7のステップS20で、加工プログラムを設定条件に従って色分けやマーキング等を行って表示する。
そして、ステップS21でその加工プログラムを最初から1ブロックずつ解析し、座標軸動作データをメモリに記憶する。
【0045】
次いで、ステップS22で加工プログラムの実行ブロックを表示し、ステップS23で現在の実行ブロックのブロック番号と前回のシミュレーション実行結果の干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックの各ブロック番号とを比較する。
そして、ステップS24でそのいずれかのブロックと一致するか否かを判別し、一致すればステップS25でその異常ブロックに対する図15に示したような設定条件を判別する。
【0046】
その設定条件が「続行」であればシミュレーション動作をそのまま続行し、「低速」であればステップS26でシミュレーション動作を低速に切換え、「一時停止」であればステップS27でシミュレーション動作を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、いずれの場合もステップS29へ進む。ステップ25の判断でどの異常ブロックとも一致しなかった場合も、そのままステップS28へ進む。
ステップS28では、現在の実行ブロックのブロック番号と編集画面で変更した変更ブロックのブロック番号とを比較し、ステップS29でブロックが一致するか否かを判別する。一致すればステップS30で変更ブロックに対する設定条件を判別する。
【0047】
その設定条件が「続行」であればシミュレーション動作をそのまま続行し、「低速」であればステップS31でシミュレーション動作を低速に切換え、「一時停止」であればステップS32でシミュレーション動作を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、いずれの場合もステップS33へ進む。ステップS29の判断で変更ブロックと一致しなかった場合も、そのままステップS33へ進む。そして、ステップS33では先にメモリに記憶した座標軸動作データを参照して、工作機械構造物データの表示のための座標変換を行う。
次いで、ステップS34でシミュレーション画面を描画し、表示部14の表示画面に、図16に示すように実行中の加工プログラムを表示したり、図17又は図18に示すように加工状態をグラフィック表示することができる。
【0048】
その後、図8のステップS35へ進んで干渉判断の計算をする。そして、ステップS36で干渉の有無を判断する。形状データでオーバラップをチェックし、「工具同士の接触(オーバラップ)」や「工具の刃先以外の部分とワークとの接触」などを干渉として判断する。そして、干渉があればステップS37で干渉ブロックのブロック番号をメモリに記憶する。
次いで、ステップS38で干渉ブロックの設定条件を判断し、その設定条件が「続行」であればシミュレーション動作をそのまま続行し、「低速」であればステップS39でシミュレーション動作を低速に切換え、「一時停止」であればステップS40でシミュレーション動作を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、いずれの場合もステップS53へ進む。
【0049】
ステップ36の判断で干渉がなければステップS41へ進み、異常接近か否かを判断する。すなわち、工具同士の距離や、工具の刃先以外の部分とワークとの距離が異常に小さくなった場合、あるいは工具形状に接近許容距離分だけ外形をふくらませたバリヤを作り、それとの接触をチェックすることによって異常接近を判断する。そして、異常接近であれば、ステップS42で異常接近ブロックのブロック番号をメモリに記憶する。
【0050】
次いで、ステップS43で異常接近ブロックの設定条件を判断し、その設定条件が「続行」であればシミュレーション動作をそのまま続行し、「低速」であればステップS44でシミュレーション動作を低速に切換え、「一時停止」であればステップS45でシミュレーション動作を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、いずれの場合もステップS46へ進む。
ステップS46では材料を切削しているか否かを判断し、切削していればステップS47で切削速度判断の計算をする。そして、ステップS48で切削速度異常か否かを判断する。すなわち、素材(ワーク)の材質と工具の種類に応じた切削条件に対して、切削速度や送り速度がその上限を超えた場合に切削速度異常と判断する。そして、切削速度異常であればステップS49で切削速度異常ブロックのブロック番号をメモリに記憶する。
【0051】
次いで、ステップS50で切削速度異常ブロックの設定条件を判断し、その設定条件が「続行」であればシミュレーション動作をそのまま続行し、「低速」であればステップS51でシミュレーション動作を低速に切換え、「一時停止」であればステップS52でシミュレーション動作を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、いずれの場合もステップS53へ進む。
ステップS48で切削速度異常でなかった場合もステップS53へ進んで、加工プログラムの最後まで実行したか否かを判断する。
その結果、最後まで実行していなければ図7のステップS21へ戻って、加工プログラムの次のブロックについて以後の処理を繰り返す。
【0052】
加工プログラムの最後まで実行すると、図6のメインルーチンへリターンする。そして、次にステップS9で加工プログラムの修正が必要か否かを判断し(図3,図4に示した入力部13からの修正指示の有無により判断する)、修正の必要がなければそのままステップS14へ進み、修正が必要であればステップS10へ進んで編集画面を起動する。
そして、ステップS11でその編集画面に図19に示すように加工プログラムを表示し、シミュレーション結果の情報を取り込んで、異常ブロックについては色分け表示やマーキング表示を行って、そのブロックが一目で判るようにする。図15では色わけの表示はされていないが、図14に示した色設定がなされていれば、干渉ブロックは赤色、異常接近ブロックは黄色、切削速度異常ブロックは青色で表示する。
【0053】
それによって、ステップS12でプログラマに加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとステップS13でその修正した変更ブロックのブロック番号をメモリに記憶する。その後、加工プログラムを表示する場合には変更ブロックは緑色で表示する。
そして、ステップS8に戻り、再び前述したシミュレーションを実行する。
ステップS9で加工プログラムの修正が必要でないと判断すると、ステップS14へ進み、工作機械をプログラムチェックモードで運転する。その際、異常接近ブロックや切削速度異常ブロックの直前で警告メッセージを表示する。
【0054】
このプログラムチェックモードの運転のサブルーチンについて、図9のフローチャートによって詳述する。
まず、ステップ60で加工プログラムを設定条件に従って、色分けやマーキング等を行って表示する。次いでステップS61で、加工プログラムを最初から1ブロックずつ解析する。そして、ステップS62で加工プログラムの実行ブロックを表示する。
次に、ステップS63で現在の実行ブロックのブロック番号とシミュレーション実行結果の干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックの各ブロック番号とを比較する。そして、ステップS64でそのいずれかのブロックと一致するか否かを判別し、一致すればステップS65でその異常ブロックに対する設定条件を判別する。
【0055】
その設定条件が「一時停止」であればステップS66で運転を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、「低速」であればステップS66で運転を低速に切換え、「ハンドル」であればステップS68で運転をハンドルモードに切換え、いずれの場合もステップS69へ進む。ステップS64の判断でどの異常ブロックとも一致しなかった場合も、そのままステップS69へ進む。
ステップS69では、現在の実行ブロックのブロック番号と編集画面で変更したブロックのブロック番号とを比較し、ステップS70でブロックが一致するか否かを判別する。一致すればステップS71で変更ブロックに対する設定条件を判別する。
【0056】
その設定条件が「一時停止」であればステップS72で運転を一旦停止してスタートキーが押されるのを待ち、「低速」であればステップS73で運転を低速に切換え、「ハンドル」であればステップS74で運転をハンドルモードに切換え、いずれの場合もステップS75へ進む。ステップ70の判断で変更ブロックと一致しなかった場合も、そのままステップS75へ進む。
そのステップS75で加工プログラムを1ブロック実行する。その後、ステップS76で加工プログラムの最後まで実行したか否かを判断し、最後まで実行していなければステップS61へ戻って、加工プログラムの次のブロックについて上述の処理を繰り返す。ステップS76で最後まで実行したと判断すると、図6のメインルーチンへリターンする。
【0057】
次に、図6のステップS15で異常無しか否かを判断し、異常無しであればステップS17の工作機械の生産運転(実際に部品加工を行う運転)へ進むが、異常無しでなければ、ステップS16で再シミュレーションが必要か否かを判断し(図3,図4に示した入力部13からの再シミュレーション指示の有無により判断する)、再シミュレーションが必要であればステップS8へ戻って、シミュレーションを再度実行する。再シミュレーションが必要でなければ、ステップS10へ戻って編集画面を起動し、加工プログラムの修正作業を再び行う。
ステップS17では、チェック済みの加工プログラムによって工作機械の生産運転を行い、その生産運転が終了すればこの加工プログラムの処理を終了する。
【0058】
なお、図6における編集処理のステップS11〜S13をより詳細に示すと、図10に示すようになる。
すなわち、編集画面が起動すると、まずステップS101で、加工プログラムを設定条件に従って、干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックに対して色分けやマーキング等を行って表示する。
そして、ステップS102で入力部13からプログラム修正のための入力があると、ステップS103で加工プログラムを変更し、ステップ104でその変更プロックのブロック番号をメモリに記憶させる。
ステップS105で編集終了(入力部13からの編集終了の指示がある)と判断するまで、ステップS102〜S105の処理を繰り返しでプログラムの編集をする。そして、ステップS105で編集終了と判断すると、ステップS106へ進んで、編集済みの加工プログラムをメモリに記憶して、図6のメインルーチンへリターンする。
【0059】
ここまでは単系統(すなわち1本の加工プログラムの指令をシリアルに実行する。)の加工プログラムで数値制御工作機械を制御する例で、シミュレーションを1ブロックずつ実行する場合について説明してきた。
しかしながら、図5に示すような複数の主軸と複数の刃物台を持つ工作機械では、通常図16の下側に示した加工プログラム例のように複数の系統の加工プログラムにより、それぞれの系統の加工プログラムを並行して同時に実行し、複数の制御軸を互いに関連させて制御することが多い。図16の例では現在実行中のブロックでは左側の系統ではX2,Z1,C1の各軸を、中央の系統ではX1,Y1の各軸を、右側の系統ではX3,Z3,C2の各軸をそれぞれ必要に応じて補間を取りながら制御している。この場合、各系統で同時に動作を指令する複数のブロックは同時にシミュレーションを行い、各系統で指令されて同時に動作する刃物台等が干渉や異常接近しないかのチェックを行う。
【0060】
図16〜図20は、図4に示した表示部14によって表示される画面の例を示す図であり、図16はシミュレーション実行中のプログラム表示画面の例、図17はシミュレーション実行中の工作機械構造物の状況を示す表示画面の例、図18はシミュレーション実行中のプログラム表示画面上に工作機械構造物の状況を示す表示画面が重なって表示された例をそれぞれ示す。この構造物(各主軸及び素材と各刃物台とそれに取付けられている工具など)の各部の相対的な動きによって、実際に加工作業を行わなくても、実際の動きに近い情況を見ながらシミュレーションすることができる。また、干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックなどの異常ブロックの手前で、自動的に低速運転に切換えたり、一時停止したりすることにより、表示画面の動きも低速になったり一時停止するので、その状況の確認を容易に行うことができる。
【0061】
図16に示すシミュレーション実行中のプログラム表示では色分け表示がなされていないが、図15に示した色設定がなされていれば、干渉ブロックは赤色、異常接近ブロックは黄色、切削速度異常ブロックは青色で表示する。また、編集画面でプログラムが変更されたブロック(変更ブロック)があればそれを緑色で表示する。
図19は、図6のステップS10で表示する加工プログラム編集画面の例を示す図である。ここでは、干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロックが、前述のように予め設定された異なる色で表示され、それらの異常ブロックが一目で判るように表示される。したがって、加工プログラム中の異常ブロックの確認および修正を容易に行うことができる。
【0062】
シミュレーション実行中のプログラム表示および編集画面での加工プログラムの表示において、異常ブロックや変更ブロックを他のブロックと区別して表示する方法としては、上述した色分け表示のほかに、マーキング表示や網掛け表示(異常の種類によってマークや網目の種類や粗さを変える)、字体の変更などを行う方法もある。
図20は、工作機械のプログラムチェックモード実行中のプログラム表示画面の例を示す。この場合も干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、およびプログラムの修正がなされた変更ブロックは、予め設定された異なる色で表示されるか異なるマーキングあるいは網掛けなどによって他のブロックと区別して表示され、注意が必要なブロックが一目で判るように表示される。
【0063】
上述した実施形態では、図6〜図10のフローチャートによって説明したこの発明によるシミュレーションの実行および工作機械のプログラムチェックモードでの運転を、全て図3及び図4に示したNC工作機械1(主として制御部16)によって行う例を中心に説明したが、NC工作機械にパーソナルコンピュータを併設してそれを用いたり、別のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いても、上述したシミュレーションを実行することができる。そのためには、使用するパーソナルコンピュータにこの発明によるNC加工プログラムのシミュレーション用プログラムをインストールして、図1に示した各機能を持つようにすればよい。
【0064】
その場合には、図6に示したフローチャートの処理のうち、ステップS1からステップS13まではパーソナルコンピュータで行い、シミュレーションの終了後、その結果のデータを加工プログラムと共にインタフェースを通して直接NC工作機械側へ転送するか、あるいはフロッピディスクや光磁気ディスクなどの情報記録媒体に書き込んで、その情報をNC工作機械側に外部記憶装置で読み出して使用する。
【0065】
それによって、NC工作機械側で、図9のフローチャートによって説明した図6のステップS14の工作機械のプログラムチェックモードでの運転を実行することができる。その結果異常があった場合には、そのNC加工プログラムを再びパーソナルコンピュータ側へ転送するかあるいは情報記録媒体を介して伝達し、その加工プログラムについて再度シミュレーションを実行したり、異常ブロックのプログラムの修正を行ったりすることができる。このような作業を繰り返すことによって、より完全なNC加工プログラムを完成させることができる。
図6におけるステップS17の「工作機械で生産運転」は、当然ながらNC工作機械で実行する。
【0066】
ここでは、外部のパーソナルコンピュータとNC制御装置が分かれている場合の例について述べたが、最近ではパソコンNCと呼ばれるNC制御装置内にパーソナルコンピュータ部を持つ制御装置が多くなってきている。この場合には、ここまで述べてきた外部のパーソナルコンピュータで行っていたことを、内部のパーソナルコンピュータ部に置き換えて行うことが出来る。
【0067】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、加工プログラムのシミュレーションをNC工作機械自体によっても、あるいはパーソナルコンピュータ等の汎用装置を使用しても行うことができ、実機での加工プログラムのチェック時間を短縮することができる。しかも、加工プログラムの異常部分の検出とその修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、NC工作機械上でのチェックモードの運転も能率よく、しかも問題がありそうな箇所の確認を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるNC工作機械の制御部によって加工プログラムのシミュレーションを実行する場合の機能構成を示すブロック図である。
【図2】この発明によるNC工作機械の制御部によってプログラムチェックモードの処理を実行する場合の機能構成を示すブロック図である。
【図3】この発明を実施するNC工作機械の一例を示す正面図である。
【図4】同じくそのNC工作機械の制御に係わるハード構成を示すブロック図である。
【図5】同じくそのNC工作機械における加工作業を行う各部の配置関係と移動ストロークの例を説明するための図である。
【図6】この発明によるNC工作機械によるシミュレーションの準備段階から生産運転開始までの処理の流れを示すメインルーチンのフロー図である。
【図7】図6におけるシミュレーション実行のサブルーチンのフロー図である。
【図8】同じくその続きのフロー図である。
【図9】図6における工作機械のプログラムチェックモードで運転のサブルーチンのフロー図である。
【図10】図6におけるステップS11〜S13に相当する編集処理の詳細例を示すフロー図である。
【図11】機械形状データの一例を示す斜視図である。
【図12】工具形状データの一例を示す斜視図である。
【図13】ホルダ形状データの一例を示す斜視図である。
【図14】工具とホルダを組み合わせた状態の形状データの一例を示す斜視図である。
【図15】各種の異常ブロックに対する設定条件入力用画面の一例を示す図である。
【図16】シミュレーション実行中のプログラム表示画面の例を示す図である。
【図17】シミュレーション実行中の工作機械構造物の表示画面の例を示す図である。
【図18】シミュレーション実行中のプログラム表示画面上に工作機械構造物の表示画面が重なって表示される例を示す図である。
【図19】加工プログラム編集画面の例を示す図である。
【図20】工作機械のプログラムチェックモード実行中のプログラム表示画面の例を示す図である。
【符号の説明】
1:数値制御工作機械 3:主軸
4:背面主軸 5:ガイドブッシュ
6:第1刃物台 7:第2刃物台
8:第3刃物台 11:機械本体
12:操作盤 13:入力部
14:表示部 15:外部記憶装置
16:制御部 21:工具(バイト)
22,23工具(ドリル)
28:外部インタフェース 29:バス
30:モータ制御部 31:主軸制御部
32:刃物台制御部 33:主軸駆動機構
34:刃物台駆動機構

Claims (14)

  1. 数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法であって、
    加工状態をグラフィック表示しながら加工プログラムのシミュレーションを行い、構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック及び異常に接近するか否かの異常接近チェックを行うチェック工程と、
    該工程で前記干渉又は異常接近と判定した際、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶工程と、
    前記加工プログラムを修正するための編集画面を表示し、そこに前記記憶した干渉ブロック及び異常接近ブロックを他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集工程と、
    前記チェック工程で前記干渉又は異常接近と判定した際、および前記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが前記干渉ブロック、前記異常接近ブロック、または前記変更ブロックとして記憶されているブロックと一致した際に、その干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックに関してそれぞれ予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う動作選択工程と
    を有することを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法。
  2. 数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法であって、
    加工状態をグラフィック表示しながら加工プログラムのシミュレーションを行い、構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック、異常に接近するか否かの異常接近チェック、および切削速度が予め設定した速度を越えるか否かの切削速度異常チェックを行うチェック工程と、
    該工程で前記干渉又は異常接近又は切削速度異常と判定した際、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロック又は切削速度異常ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶工程と、
    前記加工プログラムを修正するための編集画面を表示し、そこに前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックを他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集工程と、
    前記チェック工程で前記干渉、異常接近、または切削速度異常と判定した際、および前記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが前記干渉ブロック、前記異常接近ブロック、前記切削速度異常ブロック、または前記変更ブロックとして記憶されているブロックと一致した際に、その干渉ブロック、異常接ブロック、切削速度異常ブロック、および前記変更ブロックに関してそれぞれ予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う動作選択工程と
    を有することを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法。
  3. 請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法において、
    前記各工程によりシミュレーションおよび修正を行った加工プログラムによって実際に数値制御工作機械を動作させてチェックを行う工程を有し、
    該工程において前記加工プログラムを表示する際、前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックをそれぞれ他のブロックとは区別して表示するとともに、その記憶した各ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換えることを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法。
  4. 前記実際に数値制御工作機械を動作させてチェックを行う工程で前記加工プログラムを表示する際、前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックをそれぞれ予め設定された異なる色で他のブロックとは区別して表示することを特徴とする請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法。
  5. 数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法であって、
    加工状態をグラフィック表示しながら加工プログラムのシミュレーションを行い、構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック、異常に接近するか否かの異常接近チェック、および切削速度が予め設定した速度を越えるか否かの切削速度異常チェックを行うチェック工程と、
    該工程で前記干渉又は異常接近又は切削速度異常と判定した際、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロック又は切削速度異常ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶工程と、
    前記加工プログラムを修正するための編集画面を表示し、そこに前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックを他のブロックと区別して表示してプログラムの修正を行わせ、プログラムが修正されるとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集工程と、
    前記各工程によりシミュレーションおよび修正を行った加工プログラムによって実際に数値制御工作機械を動作させてチェックを行う工程とを有し、
    該工程において前記加工プログラムを表示する際、前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックを他のブロックとは区別して表示するとともに、その記憶した各ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換えることを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法。
  6. 請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法において、
    前記各工程によりシミュレーションおよび修正を行った加工プログラムによって実際に数値制御工作機械を動作させてチェックを行う工程を有し、
    該工程において前記加工プログラムを表示する際、前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックを他のブロックとは区別して表示するとともに、その記憶した各ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換えることを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック方法。
  7. 前記実際に数値制御工作機械を動作させてチェックを行う工程で前記加工プログラムを表示する際、前記記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックをそれぞれ予め設定された異なる色で他のブロックとは区別して表示することを特徴とする請求項又は記載の数値制御工作機械の加工プログラムのチェック方法。
  8. 入力部と表示部と制御部とを備え、その制御部が
    数値制御工作機械の加工プログラムを、その加工状態を前記表示部にグラフィック表示しながらシミュレーションするシミュレーション制御手段と、
    そのシミュレーション中に構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック及び異常に接近するか否かの異常接近チェックを行うチェック手段と、
    該チェック手段によって前記干渉又は異常接近と判定されたとき、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶手段と、
    前記加工プログラムを修正するための編集画面を前記表示部に表示し、そこに前記異常ブロック記憶手段によって記憶した干渉ブロック及び異常接近ブロックを他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集制御手段と、
    前記チェック手段によって前記干渉又は異常接近と判定された際、およびシミュレーション制御手段による前記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プ ログラムの実行ブロックが前記干渉ブロック、前記異常接近ブロック、または前記変更ブロックとして記憶されているブロックと一致した際に、その干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックに関してそれぞれ予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う動作選択手段
    の各機能を有することを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置。
  9. 入力部と表示部と制御部とを備え、その制御部が
    数値制御工作機械の加工プログラムを、その加工状態を前記表示部にグラフィック表示しながらシミュレーションするシミュレーション制御手段と、
    そのシミュレーション中に構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック、異常に接近するか否かの異常接近チェック、および切削速度が予め設定した速度を越えるか否かの切削速度異常チェックを行うチェック手段と、
    該チェック手段によって前記干渉又は異常接近又は切削速度異常と判定されたとき、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロック又は切削速度異常ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶手段と、
    前記加工プログラムを修正するための編集画面を前記表示部に表示し、そこに前記異常ブロック記憶手段によって記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックを他のブロックと区別して表示して加工プログラムの修正を行わせ、修正が済むとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集制御手段と、
    前記チェック手段によって前記干渉、異常接近、または切削速度異常と判定された際、および前記加工プログラムの2回目以降のシミュレーション時にその加工プログラムの実行ブロックが前記干渉ブロック、前記異常接近ブロック、前記切削速度異常ブロック、または前記変更ブロックとして記憶されているブロックと一致した際に、その干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックに関してそれぞれ予め設定された条件に応じて、シミュレーション動作をそのまま続行するか、低速に切換えるか、一時停止するかを選択的に行う動作選択手段
    の各機能を有することを特徴とする数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置。
  10. 請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置によって前記シミュレーションおよび修正を行った加工プログラムおよび前記シミュレーション結果によって実際に加工を行うための各部を動作させてチェックを行うチェックモード運転手段と、
    該手段による動作中に前記加工プログラムを、前記シミュレーション結果として記憶された干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックを他のブロックと区別して表示する加工プログラム表示手段と、
    前記干渉ブロック、異常接近ブロック、および変更ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換える運転切換手段と
    を設けたことを特徴とする数値制御工作機械。
  11. 前記請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置を備えていることを特徴とする請求項記載の数値制御工作機械。
  12. 入力部と表示部と制御部とを備え、その制御部が
    数値制御工作機械の加工プログラムを、その加工状態を前記表示部にグラフィック表示しながらシミュレーションするシミュレーション制御手段と、
    そのシミュレーション中に構造物が互いに干渉するか否かの干渉チェック、異常に接近するか否かの異常接近チェック、および切削速度が予め設定した速度を越えるか否かの切削速度異常チェックを行うチェック手段と、
    該チェック手段によって前記干渉又は異常接近又は切削速度異常と判定されたとき、その動作を指示した加工プログラムのブロックをそれぞれ干渉ブロック又は異常接近ブロック又は切削速度異常ブロックとして個別に記憶する異常ブロック記憶手段と、
    前記加工プログラムを修正するための編集画面を前記表示部に表示し、そこに前記異常ブロック記憶手段によって記憶した干渉ブロック、異常接近ブロック、および切削速度異常ブロックを他のブロックと区別して表示し、前記入力部からの情報によってプログラムが修正されるとそのブロックを変更ブロックとして記憶する編集制御手段
    の各機能を有する数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置によって前記シミュレーションおよび修正を行った加工プログラムおよび前記シミュレーション結果によって実際に加工を行うための各部を動作させてチェックを行うチェックモード運転手段と、
    該手段による動作中に前記加工プログラムを、前記シミュレーション結果として記憶された干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックを他のブロックと区別して表示する加工プログラム表示手段と、
    前記干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換える運転切換手段と
    を設けたことを特徴とする数値制御工作機械。
  13. 請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置によって前記シミュレーションおよび修正を行った加工プログラムおよび前記シミュレーション結果によって実際に加工を行うための各部を動作させてチェックを行うチェックモード運転手段と、
    該手段による動作中に前記加工プログラムを、前記シミュレーション結果として記憶された干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックを他のブロックと区別して表示する加工プログラム表示手段と、
    前記干渉ブロック、異常接近ブロック、切削速度異常ブロック、および変更ブロックによる動作を実行する前に、予め設定された条件に応じて、低速運転、一時停止、あるいは手動パルス発生器によるパルスでの運転のいずれかに自動的に切り換える運転切換手段と
    を設けたことを特徴とする数値制御工作機械。
  14. 前記請求項記載の数値制御工作機械の加工プログラムチェック装置を備えていることを特徴とする請求項13記載の数値制御工作機械。
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