JP4010806B2 - コンクリート表面の変状調査システム、および、コンクリート表面の変状調査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、トンネル孔壁面、ダム、あるいは、コンクリートが露出する高架橋や建築物等のコンクリート表面における、ひびや亀裂等の変状を調査するための、コンクリート表面の変状調査システム、および、コンクリート表面の変状調査方法、に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル等のコンクリート建造物においては、老朽化に伴いひびや亀裂等の変状が現われてくる。この変状は建造物の寿命と密接な関係をもっており、変状の形状や大きさを見ることにより建造物の安全性や耐用年数等を推定することが可能となる。前記変状の調査は、建造物の壁面をカメラ又はビデオカメラで撮影・記録し、記録された写真又は画像を基に変状展開図を作成して行う。
【0003】
以下に、従来一般の変状展開図の作成方法をトンネルの例で説明する。作業員がトンネル孔内を端から端まで歩行又は車に乗車して移動し、トンネル孔壁面をカメラ又はビデオカメラで撮影する。この場合、カメラやビデオカメラの撮影視野は限られているため、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向において連続させて撮影し、その位置での撮影が完了すると、トンネル孔内を所定距離進み、続くトンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に撮影する。この撮影と移動とを繰り返すことにより全てのトンネル孔壁面について撮影することができる。そして、事務所等において、写真を拡大したりビデオを再生したりして、トンネル孔壁面の変状をスケッチすることにより変状展開図を作成していた。
【0004】
しかしながら、前記した方法は、人員、時間、コスト等の制約がある他、変状の検出精度を高くすることができない。このため、例えば、特許第2963284号公報に示す装置や、特開平9−284749号公報に示す装置が提供されてきた。
【0005】
特許第2963284号公報記載の装置は、ライン状の撮影領域を備えるCCDラインセンサの先に、曲面鏡を配置してその撮影視野をトンネルの天井、側壁方向に向けて扇状に分散させて撮影するものである。
【0006】
また、特開平9−284749号公報に示す装置は、分割して撮影される領域を一定に保つようなズーム機能を備えるカメラによってトンネル孔壁面を撮影するものである。前記公報記載の技術においては、ライン状の撮影領域を備えるCCDラインセンサによる場合と縦横に拡がりのある撮影領域を備えるCCDカメラによる場合とが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許第2963284号公報記載の装置において、ライン状の撮影領域を曲面鏡でトンネル孔壁面に扇状に広げて撮影する場合においては、トンネル孔壁面の形状、あるいは、トンネル孔内における撮影位置によっては、CCDラインセンサのトンネル孔壁面までの距離を全て同一とすることはできない。これにより、撮影画像に歪みが生じるため、撮影画像に対して所定の幾何学的補正を行う必要が生じる。特許第2963284号公報においては、幾何学的補正方法として、予め検査対象となるトンネル孔壁面に等間隔の目盛りを仮設しておき、前記目盛りを含むようにしてトンネル孔壁面の撮影を行い、目盛りの有する位置情報等を利用して、コンピュータ等による画像処理を行う方法を記載している。すなわち、前記目盛りは、画像処理の基データとなるように、3次元座標値等の3次元的な位置情報を備える必要があるが、この目盛りを仮設するとともに目盛りに3次元的な位置情報を与える作業は、特にトンネルが長区間となる場合においては極めて煩雑である。
【0008】
また、特開平9−284749号公報に示す装置において、CCDラインセンサによる場合には、CCDラインセンサを回転させて、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に連続的に撮影するものである。この際、ズーム機能により撮影領域は一定に保たれるが、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、CCDラインセンサの回転速度を一定にすると、トンネル孔壁面におけるライン状の撮影領域の進行速度が変化してライン密度が不均一となる。したがって、ライン密度が均一となるように撮影画像を再構成したり、あるいは、ライン密度が均一となるように、CCDラインセンサの回転速度を制御したりする等の対策が必要となる。そしてこれらの対策には、前記特許第2963284号公報にも記載されているように、被撮影部分の3次元的な位置情報の取得が必要となってくる。
【0009】
また、縦横に拡がりのある撮影領域を備えるCCDカメラによる場合には、CCDカメラにより、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に連続的に撮影するものである。この際、ズーム機能により撮影領域は一定に保たれるが、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面に対するカメラの撮影角度が様々となる。これにより、1枚の撮影画像においても撮影距離が異なることによる歪みが生じ、したがって、より正確な調査を行うためには前記歪みを補正する必要がある。そして、前記歪みの補正には、被撮影部分の3次元的な位置情報の取得が必要となってくる。
【0010】
すなわち、CCDラインセンサによる場合とCCDカメラによる場合との双方において、被撮影部分の3次元的な位置情報の取得が必要となってくるが、特開平9−284749号公報には、被撮影部分の3次元的な位置情報の取得に関しての記載は見られない。
【0011】
いずれにしても、トンネル孔壁面の形状が不規則である場合や、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合等においては、撮影された撮影画像どうしを合成する際に、何らかの幾何学的な補正を行う必要が生じる。そして、前記幾何学的な補正は通常コンピュータによって行われるため、基となる情報として、被撮影部分の3次元的な位置情報、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等を得ることが極めて重要となってくる。特に、トンネルが長区間となる場合においては、被撮影部分の3次元的な位置情報を得る作業を効率的に行う必要がある。
【0012】
本発明の目的は、上記諸問題を解決することが可能となる、コンクリート表面の変状調査システム、および、コンクリート表面の変状調査方法、を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく、請求項1に記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)は、例えば図1〜図4に示すように、コンクリート表面(トンネル孔壁面a)を複数に分割して撮影するカメラ(CCDカメラ3a、3b)と、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)の、設定される基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)に対する3次元的な位置情報を取得する第1位置情報取得手段としてのトータルステーション6と、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)によってコンクリート表面(トンネル孔壁面a)を撮影するに際して、コンクリート表面(トンネル孔壁面a)の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点c1、c2、c3、・・・の、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)に対する3次元的な位置情報を取得する第2位置情報取得手段としてのトータルステーション6と、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)によって取得された、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)の前記基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)に対する位置情報、前記第2位置情報取得手段(トータルステーション6)によって取得された、前記被撮影点c1、c2、c3、・・・の前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)に対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)によって撮影された撮影画像d1、d2、d3、・・・の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行う撮影画像幾何学的補正手段(パーソナルコンピュータ12)と、前記撮影画像幾何学的補正手段(パーソナルコンピュータ12)によって、それぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしを、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する撮影画像合成手段(パーソナルコンピュータ12)と、が備えられていることを特徴としている。
【0014】
請求項1記載の発明によれば、第1位置情報取得手段によって、前記カメラの前記基準点に対する3次元的な位置情報が取得され、前記第2位置情報取得手段によって、前記カメラによってコンクリート表面を撮影するに際して、コンクリート表面の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報が取得される。
【0015】
そして、前記第1位置情報取得手段によって取得された、前記カメラの前記基準点に対する3次元的な位置情報、前記第2位置情報取得手段によって取得された、前記被撮影点の前記カメラに対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的取得手段によって、前記カメラによって撮影された撮影画像の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正が行われる。
【0016】
さらに、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、それぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像どうしが、撮影画像合成手段によって、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成される。
【0017】
すなわち、以上により、コンクリート表面の変状展開図を作成するに際して、図4(a)に示すように、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となるが、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって、前記被撮影点に、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点における3次元的な位置情報を利用することによって、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、撮影画像の幾何学的な補正が正確に行われ、さらに前記撮影画像合成手段によって撮影画像の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、コンクリート表面の変状展開図を作成することが可能となる。
【0018】
前記コンクリート表面は、トンネル孔壁面等、比較的長区間にわたって構築されるコンクリート構造物の表面である。
【0019】
前記カメラとしては、ライン状の撮影視野を備えるCCDラインセンサや、縦横に拡がりのある撮影視野を備えるCCDカメラがある。
【0020】
前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段としては、トータルステーションが挙げられる。トータルステーションとは、光波測距儀とトランシットとが一体化した装置である。光波測距儀は、この光波測距儀から対象物までの光波が往復する時間を取得して距離を求めるものであり、トランシットはトランシットに対する対象物の水平角度及び鉛直角度を求めるものである。すなわち、これらを一体化したトータルステーションは、このトータルステーションに対する対象物の距離、水平角度、鉛直角度等を単体で取得することが可能である。特に、最近においては、自動視準機能、自動追尾機能等を備えるものも開発されてきている。
【0021】
前記被撮影点の3次元的な位置情報とは、前記したように、被撮影点の3次元座標値やカメラに対する角度等である。すなわち、前記被撮影点を含むように、前記カメラによって撮影された撮影画像は、3次元的な位置情報が与えられることになる。
【0022】
前記被撮影点の3次元座標値を取得する方法としては、前記基準点に予め3次元座標値を与えておき、前記第1位置情報取得手段によって、前記基準点と前記カメラとの間の距離および角度等を取得し、さらに前記第2位置情報取得手段によって、前記カメラと前記被撮影点との間の距離および角度等を取得し、これらの情報を基に幾何学モデルから算出すればよい。
【0023】
前記同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正、とは、すなわち、図4(a)に示すように、コンクリート表面を分割して撮影する場合に、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となり、撮影画像ごとの倍率が異なったり、撮影画像に歪みが生じたりするため、これらを補正することである。前記補正の方法としては、いわゆる倍率補正やあおり補正があり、前記第1位置情報取得手段や前記第2位置情報取得手段によって取得される情報等を利用してコンピュータ処理により行われる。
【0024】
請求項2記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、請求項1記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記コンクリート表面はトンネル孔壁面aであり、
少なくとも、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)、前記第2位置情報取得手段(トータルステーション6)、を搭載してトンネル孔軸方向に搬送する搬送手段(搬送台車2)が備えられており、
前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)を、このカメラ(CCDカメラ3a、3b)を含み前記搬送手段(搬送台車2)の前後方向に直交する面である回動面内、において回動させながらコンクリート表面(トンネル孔壁面a)の被撮影部分を視準させるとともに、該回動面内の任意の位置で保持可能とするカメラ回動・保持手段(カメラ回動・保持装置4a、4b)が備えられていることを特徴としている。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、前記コンクリート表面はトンネル孔壁面であるとともに、前記搬送手段によって、少なくとも、前記カメラ、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段、が搭載されてトンネル孔軸方向に搬送される。加えて、前記カメラ回動・保持手段によって、前記カメラが、このカメラを含み前記搬送手段の前後方向に直交する面である回動面内、において回動しながらトンネル孔壁面の被撮影部分を視準するとともに、この回動面内の任意の位置で保持される。
【0026】
すなわち、トンネル孔壁面におけるトンネル孔軸方向と直交方向の帯状部分を撮影すること、および、撮影後には前記搬送手段によって前記カメラをトンネル孔軸方向に所定距離搬送すること、を繰り返すことにより、トンネル孔壁面全体を効率良く撮影し、撮影された撮影画像どうしを合成することで、トンネル孔壁面全体にわたる変状展開図を効率良く作成することが可能となる。
【0027】
前記搬送手段としては、例えば、鋼材等によって組み立てられた台車がある。
【0028】
なお、前記搬送手段の搬送方向をトンネル孔軸方向とすることで、前記カメラが回動する回動面は、トンネル孔軸方向と直交する面に一致する。
【0029】
請求項3記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記搬送手段(搬送台車2)の前後となる位置少なくとも2ヶ所には、それぞれ、該搬送手段(搬送台車2)とコンクリート表面(トンネル孔壁面a)との間の距離を、該搬送手段(搬送台車2)の前後方向に直交し、かつ、互いに同一の方向、で取得する距離取得手段(レーザ距離計8a、8b)が備えられていることを特徴としている。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、前記搬送手段の前後となる位置少なくとも2ヶ所に備えられている前記距離取得手段それぞれによって、該搬送手段とトンネル孔壁面との間の距離が、該搬送台車の前後方向に直交し、かつ、互いに同一の方向、で取得される。これにより、前記距離取得手段それぞれによって取得される、前記トンネル孔壁面と前記搬送台車との間の少なくとも2つの距離を互いに同一とすることで、該搬送手段の進行方向がトンネル孔軸方向となる。したがって、前記搬送手段を確実に前記トンネル孔軸方向となるように進行させて、作業性を向上させることができる。
【0031】
なお、前記距離取得手段としては、例えば、レーザ距離計がある。
【0032】
なお、本発明においては、前記搬送手段の進行方向は、ほぼトンネル孔軸線方向となればよく、すなわち、完全にトンネル孔軸方向とならなくても、前記第1位置情報取得手段や前記第2位置情報取得手段から得られる位置情報を利用することによって、撮影画像の幾何学的補正を正確に行って、撮影画像を合成することができる。すなわち、前記距離取得手段は付随的に備えられており、これを利用することによって搬送手段の進行方向がトンネル孔軸方向から大きくずれることが防止され、作業性を向上させることができる。
【0033】
請求項4記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2または3記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記搬送手段(搬送台車2)の前後となる位置少なくとも2ヶ所には、それぞれ、該搬送手段(搬送台車2)の搬送面に対して照射されることで該搬送面における照射位置を確認可能な光、を照射する光照射手段(レーザポインタ9a、9b)が備えられていることを特徴としている。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、前記搬送手段の前後となる位置少なくとも2ヶ所に備えられている前記光照射手段によって、該搬送手段の搬送面に対して光を照射することで、この搬送面における照射位置が確認可能である。これにより、前記搬送面に予め、トンネル孔軸方向となるような測定ポイントを設けておき、この測定ポイントが前記光照射手段の光によって照射されるようにすることで、該搬送手段の進行方向がトンネル孔軸方向に一致する。したがって、前記搬送手段を確実に前記トンネル孔軸方向となるように進行させて、作業性を向上させることができる。
【0035】
なお、前記搬送手段のコンクリート表面における搬送面に対して照射されることでこの搬送面における照射位置を確認可能な光、としては、例えばレーザ光がある。前記光照射手段としては、例えばレーザポインタがある。
【0036】
前記光照射手段を利用することによっては、前記搬送手段の進行方向は、ほぼトンネル孔軸方向となればよく、すなわち、完全にトンネル孔軸方向とならなくてもよいことは、前記距離取得手段における場合と同様である。
【0037】
請求項5記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2〜4のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記搬送手段(搬送台車2)には、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)および前記第2位置情報取得手段(トータルステーション6)による位置情報の取得の際に用いられるプリズム(前方プリズム10a、後方プリズム10b)が備えられていることを特徴としている。
【0038】
請求項5記載の発明によれば、前記搬送手段に備えられているプリズムが、前記第1位置情報取得手段および前記第2位置情報取得手段による位置情報の取得の際に用いられる。例えば、前記搬送手段に搭載された前記第1位置情報取得手段および前記第2位置情報取得手段の3次元的な位置情報、例えば、3次元座標値を取得するとともに、前記プリズムの3次元的な位置情報、例えば、3次元座標値を取得することによって、前記搬送手段のトンネル孔軸方向に対するずれが正確に取得される。この際、前記搬送手段の前後となる位置少なくとも2箇所にプリズムを備えておき、これらのプリズムの3次元的な位置情報、例えば、3次元座標値を取得しても、同様に、前記搬送手段のトンネル孔軸方向に対するずれが正確に取得される。これにより、前記第2位置情報取得手段によって行われる、前記被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報の取得のうち、特に水平角度の取得をより正確に行うことができるとともに、前記搬送手段を確実に前記トンネル孔軸方向となるように進行させるための指標を得ることができる。
【0039】
請求項6記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2〜5のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記搬送手段(搬送台車2)には、前記カメラ回動・保持手段(カメラ回動・保持装置4a、4b)、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段を、前記搬送手段(搬送台車2)上において水平に保持する水平保持手段(自動精密整準台7a、7b)が備えられていることを特徴としている。
【0040】
請求項6記載の発明によれば、前記水平保持手段により、前記カメラ回動・保持手段、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段が前記搬送手段上において水平に保持される。したがって、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって取得される位置情報の信頼性が向上する。
【0041】
請求項7記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜6のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)には、このカメラ(CCDカメラ3a、3b)が視準するコンクリート表面(トンネル孔壁面a)に対して照射されることで該コンクリート表面(トンネル孔壁面a)における照射位置を確認可能な光、を照射する光照射手段(レーザポインタ9c、9d)が備えられていることを特徴としている。
【0042】
請求項7記載の発明によれば、前記カメラに備えられている前記光照射手段によって、コンクリート表面に対して光を照射することで、このコンクリート表面における照射位置、すなわち、カメラの視準方向を確認可能である。すなわち、カメラの視準方向を常に認識して、作業性を向上させることができる。
【0043】
なお、コンクリート表面に対して照射されることで該コンクリート表面における照射位置を確認可能な光、としては、例えばレーザ光がある。前記光照射手段としては、例えばレーザポインタがある。
【0044】
請求項8記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2〜7のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)において、
前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)は、前記搬送手段(搬送台車2)の前後となる位置に少なくとも2台備えられており、
それぞれのカメラ(CCDカメラ3a、3b)を、該カメラ(CCDカメラ3a、3b)を含み前記搬送手段(搬送台車2)の前後方向に直交する面である回動面内、において回動させながらコンクリート表面(トンネル孔壁面a)の被撮影部分を視準させるとともに、この回動面内の任意の位置で保持可能とするカメラ回動・保持手段(カメラ回動・保持装置4a、4b)が備えられており、
該カメラ回動・保持手段(カメラ回動・保持装置4a、4b)は、前記少なくとも2台のカメラ(CCDカメラ3a、3b)による、それぞれのコンクリート表面(トンネル孔壁面a)における被撮影部分を互いにトンネル孔軸方向に連続して視準するべく構成されていることを特徴としている。
【0045】
請求項8記載の発明によれば、前記カメラは、前記搬送手段の前後となる位置に少なくとも2台備えられているとともに、それぞれのカメラは、前記カメラ回動保持手段によって、該カメラを含み前記搬送手段の前後方向に直交する面である回動面内、において回動しながらコンクリート表面の被撮影部分を視準するとともに、この回動面内の任意の位置で保持される。さらに、カメラ回動・保持手段によって、前記少なくとも2台のカメラは、それぞれのコンクリート表面における被撮影部分を互いにトンネル孔軸方向に連続するように視準する。したがって、少なくとも2台のカメラによって、トンネル孔壁面におけるトンネル軸方向と直交する方向の帯状部分の撮影面積を広げて撮影効率を向上させることができる。
【0046】
請求項9記載の発明は、例えば図1(b)、図4に示すように、請求項1記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)を用いてコンクリート表面(トンネル孔壁面a)の変状調査を行うコンクリート表面の変状調査方法であって、先ず、基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)を設定し、次に、所定位置に前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)を設置してコンクリート表面(トンネル孔壁面a)の所定の被撮影部分を視準させるとともに、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)によって、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)の前記基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)に対する3次元的な位置情報を取得するカメラ視準・第1位置情報取得工程と、このカメラ視準・第1位置情報取得工程の後に、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)によってコンクリート表面(トンネル孔壁面a)を撮影するとともに、コンクリート表面(トンネル孔壁面a)の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点c1、c2、c3、・・・の、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)に対する3次元的な位置情報を前記第2位置情報取得手段によって取得する撮影・第2位置情報取得工程と、を所定回数繰り返すとともに、前記撮影・第2位置情報取得工程において撮影された撮影画像d1、d2、d3、・・・それぞれに対して、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)によって取得された、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)の前記基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)に対する位置情報、前記第2位置情報取得手段(トータルステーション6)によって取得された、前記被撮影点c1、c2、c3、・・・の前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)に対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的補正手段(パーソナルコンピュータ12)によって、前記撮影画像d1、d2、d3、・・・の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行い、次に、前記撮影画像幾何学的補正手段(パーソナルコンピュータ12)によってそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしを、前記撮影画像合成手段(パーソナルコンピュータ12)によって、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する、ことを特徴としている。
【0047】
請求項9記載の発明によれば、基準点が設定された後、前記カメラ視準・第1位置情報取得工程と前記撮影・第2位置情報取得工程とが所定回数繰り返される。
【0048】
ここで、前記カメラ視準・第1位置情報取得工程においては、所定位置に前記カメラが設置されてコンクリート表面の所定の被撮影部分を視準するとともに、前記第1位置情報取得手段によって、前記カメラの前記基準点に対する3次元的な位置情報が取得される。
【0049】
また、撮影・第2位置情報取得工程においては、前記カメラによってコンクリート表面が撮影されるとともに、コンクリート表面の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報が取得される。
【0050】
前記カメラ視準・第1位置情報取得工程と前記撮影・第2位置情報取得工程との所定回数の繰り返しとともに、前記撮影・第2位置情報取得工程において撮影された撮影画像それぞれに対して、前記第1位置情報取得手段によって取得された、前記カメラの前記基準点に対する位置情報、前記第2位置情報取得手段によって取得された、前記被撮影点の前記カメラに対する位置情報、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、前記撮影画像の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正が行われる。
【0051】
さらに、前記撮影画像幾何学的補正手段によってそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像どうしが、前記撮影画像合成手段によって、被撮影部分における共通位置どうしが重ね合わさるようにして合成される。
【0052】
すなわち、以上により、コンクリート表面の変状展開図を作成するに際して、撮影位置を自由に設定する場合においては、コンクリート表面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となるが、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって、前記被撮影点に、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点における3次元的な位置情報を利用することによって、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、撮影画像の幾何学的な補正が正確に行われ、さらに前記撮影画像合成手段によって撮影画像の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、コンクリート表面の変状展開図を作成することが可能となる。
【0053】
請求項10記載の発明は、例えば図1(b)、図4(a)、図4(b)に示すように、請求項2記載のコンクリート表面の変状調査システム(トンネル孔壁面の変状調査システム1)を用いてトンネル孔壁面aの変状調査を行うコンクリート表面の変状調査方法であって、先ず、トンネル孔内に基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)を設定し、次に、トンネル孔内の所定位置に前記搬送手段(搬送台車2)を設置して、この搬送手段(搬送台車2)に搭載された前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)を前記カメラ回動・保持手段(カメラ回動・保持装置4a、4b)によって回動させてトンネル孔壁面aの所定の被撮影部分に視準させるとともに、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)によって、前記カメラ(CCDカメラ3)の前記トンネル孔内基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)に対する3次元的な位置情報を取得するカメラ視準・第1位置情報取得工程と、このカメラ視準・第1位置情報取得工程の後に、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)によってトンネル孔壁面aを撮影するとともに、トンネル孔壁面aの被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点c1、c2、c3、・・・の、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)に対する3次元的な位置情報を前記第2位置情報取得手段によって取得する撮影・第2位置情報取得工程と、この撮影・第2位置情報取得工程の後に、前記カメラ回動・保持手段(カメラ回動・保持装置4a、4b)によって、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)を前記回動面内において所定角度θ回動させるカメラ回動工程と、を所定回数繰り返すトンネル孔軸直交方向調査工程と、前記搬送手段(搬送台車2)によって、少なくとも、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)、前記第2位置情報取得手段(トータルステーション6)、をトンネル孔軸方向に所定距離搬送する搬送工程と、を所定回数繰り返すとともに、前記撮影・第2位置情報取得工程において撮影される撮影画像d1、d2、d3、・・・それぞれに対して、前記第1位置情報取得手段(トータルステーション6)によって取得された、前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)の前記基準点(前方基準点b1、後方基準点b2)に対する位置情報、前記被撮影点c1、c2、c3、・・・の前記カメラ(CCDカメラ3a、3b)に対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的補正手段(パーソナルコンピュータ12)によって、前記撮影画像d1、d2、d3、・・・の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行い、次に、前記撮影画像幾何学的補正手段(パーソナルコンピュータ12)によってそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしを、前記撮影画像合成手段(パーソナルコンピュータ12)によって、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する、ことを特徴としている。
【0054】
請求項10記載の発明によれば、トンネル孔内に基準点が設定された後、以下のようにしてトンネル孔壁面の変状調査が行われる。
すなわち、前記カメラ視準・第1位置情報取得工程、撮影・第2位置情報取得工程、カメラ回動工程、を所定回数繰り返すトンネル孔軸直交方向調査工程と、搬送工程と、が所定回数繰り返される。
【0055】
ここで、前記カメラ視準・第1位置情報取得工程においては、トンネル孔内の所定位置に前記搬送手段が設置されて、この搬送手段に搭載された前記カメラが前記カメラ回動・保持手段によって回動してトンネル孔壁面の所定の被撮影部分を視準するとともに、前記第1位置情報取得手段によって、前記カメラの前記基準点に対する3次元的な位置情報が取得される。
【0056】
また、撮影・第2位置情報取得工程においては、前記カメラによってトンネル孔壁面が撮影されるとともに、トンネル孔壁面の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報が取得される。
【0057】
また、前記カメラ回動工程においては、前記カメラ回動・保持手段によって、前記カメラが前記回動面内において所定角度回動する。
【0058】
さらに、前記搬送工程においては、前記搬送手段によって、少なくとも、前記カメラ、前記第1位置情報取得手段、第2位置情報取得手段、がトンネル孔軸方向に所定距離搬送される。
【0059】
そして、前記トンネル孔軸直交方向調査工程と前記搬送工程との所定回数の繰り返しとともに、前記撮影・第2位置情報取得工程において撮影された撮影画像それぞれに対して、前記第1位置情報取得手段によって取得された、前記カメラの前記基準点に対する位置情報、前記第2位置情報取得手段によって取得された、前記被撮影点の前記カメラに対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、前記撮影画像の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正が行われる。
【0060】
さらに、前記撮影画像幾何学的補正手段によってそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像どうしが、前記撮影画像合成手段によって、被撮影部分における共通位置どうしが重ね合わさるようにして合成される。
【0061】
すなわち、以上により、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に連続して撮影するとともに、撮影された撮影画像どうしを合成することで、トンネル孔壁面全体にわたる変状展開図を効率良く作成することが可能となる。
この際、図4(a)に示すように、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となるが、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって、前記被撮影点に、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点における3次元的な位置情報を利用することによって、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、撮影画像の幾何学的な補正が正確に行われ、さらに前記撮影画像合成手段によって撮影画像の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、トンネル孔壁面の変状展開図を作成することが可能となる。
【0062】
【発明の実施の形態】
図1において、符号1は、本発明に係るトンネル孔壁面の変状調査システムを示す。トンネル孔壁面の変状調査システム1は、自動車や列車等のトンネルのトンネル孔壁面aの変状調査に際して、トンネル孔壁面aを分割して写真撮影し、撮影画像d1、d2、d3、・・・を合成して変状展開図を作成する。
以下に、本発明に係るトンネル孔壁面の変状調査システム1の構成を示す。トンネル孔壁面の変状調査システム1は、図1に示すように、トンネル孔軸方向に進行する搬送台車2、この搬送台車2に搭載される、CCDカメラ3a、3b、カメラ回動・保持装置4a、4b、カメラ搭載ステージ5、トータルステーション6、自動精密整準台7a、7b、レーザ距離計8a、8b、レーザポインタ9a、9b、9c、9d、プリズム10a、10b、モニタ11、パーソナルコンピュータ12、バッテリ13、電力変換・供給装置14等によって概略構成されている。
【0063】
搬送台車2は、4隅に車輪2aを備えるとともに、複数のジャッキ2bを備えている。
【0064】
CCDカメラ3a、3bは、縦横に拡がりのある撮影視野を有し、トンネル孔壁面aを複数に分割して撮影する。CCDカメラ3a、3bは搬送台車2の前後となる位置2箇所に、以下のようにして設けられている。すなわち、搬送台車2の上部に、自動精密整準台7aを挟んだ状態でカメラ搭載ステージ5が取り付けられており、このカメラ搭載ステージ5にカメラ回動・保持装置4a、4bが設置され、さらにこのカメラ回動保持装置4a、4bにCCDカメラ3a、3bが回動可能に取り付けられている。CCDカメラ3a、3bの側部には、レーザポインタ9c、9dが取り付けられており、これらレーザポインタ9c、9dは回動するCCDカメラ3a、3bが視準しているトンネル孔壁面aにおける被撮影部分の任意の位置を追従するように構成されている。すなわち、作業者は、CCDカメラ3a、3bが視準しているトンネル孔壁面aにおける被撮影部分を確認しながら作業を行うことができる。
【0065】
カメラ回動・保持装置4a、4bは、自動精密整準台7aを挟んで、トンネル孔軸方向にほぼ対称となる位置に2台設けられている。それぞれのカメラ回動・保持装置4a、4bは、搬送台車2の前後方向に直交する面である回動面内でCCDカメラ3a、3bを回動させるとともに、この回動面内の任意の位置でCCDカメラ3a、3bを保持可能である。すなわち、搬送台車2をトンネル孔軸方向となるように進行させることにより、前記回動面はトンネル孔軸方向と直交する面となる。さらに、2台のCCDカメラ3a、3bによる、それぞれのトンネル孔壁面aにおける被撮影部分が互いにトンネル孔軸方向に連続するように、2台のカメラ回動保持装置4a、4bは互いに連動して駆動するように構成されている。カメラ回動保持装置4a、4bは、パーソナルコンピュータ12によって制御されてCCDカメラ3a、3bを回動、保持するべく動作する。
【0066】
トータルステーション6は、搬送台車2の前部に設置されており、このトータルステーション6に対する対象物の距離、水平角度、鉛直角度等を単体で取得することが可能である。さらに、このトータルステーション6は、対象物を認知するセンサを備えているとともに、対象物に対して自動的に追尾して視準する機能を備えている。トータルステーション6は、対象物のうち、前方基準点b1や後方基準点b2に設置されているプリズム、後述する、搬送台車2の前後に設けられているプリズム10a、10bに対しては自動的に追尾して視準する。これに対して、トンネル孔壁面aにおける被撮影部分に対しては自動的に追尾して視準しないため、トータルステーション6を被撮影部分に向けて所定角度回転させる必要がある。
【0067】
自動精密整準台7aは、カメラ搭載ステージ5の下部に設けられており、図示しない水平センサを備えることによって水平度を認知し、カメラ回動・保持装置4a、4bを常に水平に保つように駆動する。
同様に、自動精密整準台7bは、トータルステーション6の下部に設けられており、図示しない水平センサを備えることによって水平度を認知し、トータルステーション6を常に水平に保つように駆動する。
【0068】
レーザ距離計8a、8bは、搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に設けられており、それぞれのレーザ距離計8a、8bは、搬送台車2の前後方向に対して直交する方向において、搬送台車2とトンネル孔壁面aとの距離を測定可能である。これにより、前記位置2ヶ所において取得される搬送台車2とトンネル孔壁面aとの間の距離を互いに一致させるようにすることで、搬送台車2の進行方向をトンネル孔軸方向とすることができるようになっている。
【0069】
レーザポインタ9a、9bは、搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に設けられており、それぞれのレーザポインタ9a、9bからは、搬送台車2の接地面に対してレーザ光が照射されて、これにより、この接地面におけるレーザ光の照射位置が確認可能である。
【0070】
レーザポインタ9c、9dは、CCDカメラ3a、3bの側部に設けられており、このCCDカメラ3a、3bが視準するトンネル孔壁面aに対してレーザ光を照射することでトンネル孔壁面aにおける照射位置を確認可能である。
【0071】
プリズム10a、10bは全方向性であり、搬送台車2の前後方向となるように、搬送台車2に対して前後に突出する位置2ヶ所に設けられている。トータルステーション6によってプリズム10a、10bの3次元座標値を取得することにより、搬送台車2のトンネル孔軸方向に対するずれが取得される。
【0072】
モニタ11は、搬送台車2の後部に設置されており、CCDカメラ3a、3bによって視準されているトンネル孔壁面aの被撮影部分がリアルタイムで映し出されるようになっている。
【0073】
パーソナルコンピュータ12は、トータルステーション6によって取得された、被撮影点c1、c2、c3、・・・の3次元的な位置情報、すなわち、図4(a)に示す、3次元座標値(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、・・・やCCDカメラ3a、3bに対する水平角度および鉛直角度θ1、θ2、θ3、・・・等の様々な位置情報が入力されて蓄積されるとともに、これらの位置情報を基に演算が行われる。さらに、CCDカメラ3a、3bによって撮影されたトンネル孔壁面aの撮影画像がデジタルデータとして取り込まれるとともに、前記位置情報や前記演算値を基に、撮影画像d1、d2、d3、・・・の全範囲に対して同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正、すなわち、倍率補正やあおり補正が行われる。さらに、幾何学的な補正が行われたそれぞれの撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしが、それらの共通位置が重ね合わさるようにして合成される。
その他、パーソナルコンピュータ12は、カメラ回動・保持装置4a、4bの動作制御を行うとともに、トータルステーション6の動作制御も行う。
【0074】
バッテリ13は、搬送台車2の下部に搭載されており、搬送台車2や、この搬送台車2に搭載されている、トータルステーション6、カメラ回動・保持装置4a、4b、自動精密整準台7a、7b、レーザ距離計8a、8b、レーザポインタ9a、9b、パーソナルコンピュータ12等を駆動させるための電力が蓄えられる。
【0075】
電力変換・供給装置14は、バッテリ13の電力をAC電源に変換する装置が備えられている。
【0076】
以下に、前記したトンネル孔壁面の変状調査システム1を用いてトンネル孔壁面aの変状調査を行うトンネル孔壁面の変状調査方法について工程順に説明する。
【0077】
<基準点設置工程>
先ず、トンネル孔内において、搬送台車2の前方および後方に、前方基準点b1、および、後方基準点b1を設定する。前方基準点b1、および、後方基準点b2には、それぞれ、全方向性のプリズムを設置するとともに、3次元座標値を予め与えておく。加えて、搬送台車の搬送面に、トンネル孔軸方向となり、かつ、搬送台車2におけるレーザポインタ9a、9bの間隔に一致するようにして測定ポイントe、e、・・・を予め設けておく。
【0078】
トンネル孔壁面全体の撮影は、以下に示す<トンネル孔軸直交方向調査工程>と<搬送工程>とを所定回数繰り返すことにより完了する。
【0079】
<トンネル孔軸直交方向調査工程>
<トンネル孔軸直交方向調査工程>においては、図4(a)に示すように、[カメラ視準・第1位置情報取得工程]、[撮影・第2位置情報取得工程]、[カメラ回動工程]が所定回数繰り返される。以下に、順に説明する。
【0080】
[カメラ視準・第1位置情報取得工程]
トンネル孔内の所定位置に搬送台車2を設置する。
この際、搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に設けられている、レーザ距離計8a、8bによって取得される、搬送台車2とトンネル孔壁面aとの間の距離を互いに一致させて、搬送台車2の進行方向をトンネル孔軸方向とする。
加えて、搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に設けられている、レーザポインタ9a、9bから、搬送面に対して照射されるレーザ光と測定ポイントe、e、・・・とを一致させて、搬送台車2の進行方向をトンネル孔軸方向とする。
さらに、トータルステーション6によって搬送台車2の前後に設けられている前方プリズム10aおよび後方プリズム10bの3次元座標値を取得することにより、搬送台車2のトンネル孔軸方向に対するずれを予め取得しておく。
その後、搬送台車2に設けられているジャッキ2b、および、自動精密整準台7a、7bを用いて、トータルステーション6、カメラ回動・保持装置4a、4bをほぼ水平とする。
【0081】
そして、搬送台車2に搭載されたCCDカメラ3a、3bをカメラ回動・保持装置4a、4bによって回動させてトンネル孔壁面aの所定の被撮影部分を視準させる。なお、CCDカメラ3a、3bの側部に設けられているレーザポインタ9c、9dから、トンネル孔壁面aに対して照射されるレーザ光によって、トンネル孔壁面aにおける被撮影部分の任意の位置を確認可能である。また、搬送台車2の後部に設置されているモニタ11によって、CCDカメラ3a、3bによって視準されているトンネル孔壁面aの被撮影部分がリアルタイムで映し出されるようになっている。
【0082】
そして、トータルステーション6によって、CCDカメラ3a、3bの前方基準点b1、後方基準点b2に対する3次元的な位置情報を取得する。
【0083】
具体的には、先ず、トータルステーション6の、前方基準点b1、後方基準点b2に対する3次元的な位置情報、すなわち、距離、水平角度、鉛直角度を取得する。なお、この作業は、トータルステーション6に備えられている自動視準機能、自動追尾機能によって迅速に行われる。そして、CCDカメラ3a、3bのトータルステーション6に対する位置情報から、CCDカメラ3a、3bの前方基準点b1、後方基準点b2に対する3次元的な位置情報、すなわち、撮影距離、水平角度、鉛直角度を取得する。ここで前方基準点b1、後方基準点b2には3次元座標値が与えられているため、これらから、CCDカメラ3a、3bの3次元座標値を求める。こららの計算は、パーソナルコンピュータ12において行われ、さらに、トータルステーション6によって取得された情報とともに計算結果が保存される。
【0084】
[撮影・第2位置情報取得工程]
CCDカメラ3a、3bによってトンネル孔壁面aを撮影するとともに、トンネル孔壁面aの被撮影部分の中央点である被撮影点c1、c2、c3、・・・の、CCDカメラ3a、3bに対する3次元的な位置情報を取得する。
【0085】
具体的には、先ず、トータルステーション6の、被撮影点c1、c2、c3、・・・に対する3次元的な位置情報、すなわち、距離、水平角度、鉛直角度を取得する。この際、搬送台車2の前後に突出するようにして設けられているプリズム10a、10bの3次元座標値を求めることにより、搬送台車2のトンネル孔軸方向に対するずれが精度良く測定され、したがって、前記水平角度も精度良く取得される。なお、この作業は、トータルステーション6に備えられている自動視準機能、自動追尾機能によって迅速に行われる。そして、CCDカメラ3a、3bのトータルステーション6に対する位置情報から、被撮影点c1、c2、c3、・・・のCCDカメラ3a、3bに対する3次元的な位置情報、すなわち、撮影距離l1、l2、l3、・・・、水平角度、鉛直角度θ1、θ2、θ3、・・・を求める。ここで、前記したように、CCDカメラ3a、3bの3次元座標値を求めることができるため、被撮影点c1、c2、c3、・・・の3次元座標値(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、・・・も求められる。こららの計算は、パーソナルコンピュータ12において行われ、計算結果が、トータルステーション6によって取得された情報、撮影画像のデジタル情報とともに保存される。
【0086】
[カメラ回動工程]
カメラ回動・保持装置4a、4bによって、CCDカメラ3a、3bを、搬送台車2の前後方向に直交する面である回動面内において、所定角度θ回動させる。なお、所定角度θは、隣り合う撮影画像が所定範囲オーバーラップ可能な角度とする。
【0087】
以上のように、<トンネル孔軸直交方向調査工程>においては、図4(a)に示すように、[カメラ視準・第1位置情報取得工程]、[撮影・第2位置情報取得工程]、[カメラ回動工程]が所定回数繰り返され、これにより、トンネル孔壁面aのトンネル孔軸方向に直交する帯状部分の撮影が行われる。
【0088】
<搬送工程>
搬送台車2を進行させて、CCDカメラ3a、3b、トータルステーション6等をトンネル孔軸方向に所定距離搬送する。
この際、搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に設けられている、レーザ距離計8a、8bによって取得される、搬送台車2とトンネル孔壁面aとの間の距離を互いに一致させて、搬送台車2の進行方向をトンネル孔軸方向とする。
加えて、搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に設けられている、レーザポインタ9a、9bから、搬送面に対して照射されるレーザ光と測定ポイントe、e、・・・とを一致させて、搬送台車2の進行方向をトンネル孔軸方向とする。
【0089】
以上のように、<トンネル孔軸直交方向調査工程>と<搬送工程>とを所定回数繰り返すことにより、トンネル孔壁面全体の撮影が完了する。
【0090】
以上のような、<トンネル孔軸直交方向調査工程>、<搬送工程>の繰り返しとともに、以下に示す、<撮影画像幾何学的補正工程>と<撮影画像合成工程>とが行われる。
【0091】
<撮影画像幾何学的補正工程>
[撮影・第2位置情報取得工程]において撮影された撮影画像d1、d2、d3、・・・それぞれに対して、トータルステーション6によって取得された、CCDカメラ3a、3bの前方基準点b1、後方基準点b2に対する位置情報、トータルステーション6によって取得された、被撮影点c1、c2、c3、・・・のCCDカメラ3a、3bに対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、パーソナルコンピュータ12によって、撮影画像d1、d2、d3、・・・の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行う。
【0092】
具体的には、CCDカメラ3a、3bの前方基準点b1、後方基準点b2に対する3次元的な位置情報、すなわち、距離、水平角度、鉛直角度、CCDカメラ3a、3bの3次元座標値、被撮影点c1、c2、c3、・・・のCCDカメラ3a、3bに対する3次元的な位置情報、すなわち、図4(a)に示す、撮影距離l1、l2、l3、・・・、水平角度、鉛直角度θ1、θ2、θ3、・・・、被撮影点c1、c2、c3、・・・の3次元座標値(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、・・・等を用いて、倍率補正やあおり補正を行う。倍率補正やあおり補正は、パーソナルコンピュータ12に取りこまれた撮影画像のデジタル情報を変換することにより行われ、さらに、変換結果が保存される。
【0093】
<撮影画像合成工程>
<撮影画像幾何学的補正工程>においてそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしを、図4(b)に示すように、パーソナルコンピュータ12によって、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する。
【0094】
以上により、トンネル孔壁面aをトンネル孔軸方向と直交方向に連続して撮影するとともに、撮影された撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしを合成することで、トンネル孔壁面全体にわたる変状展開図を効率良く作成することが可能となる。
この際、図4(a)に示すように、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面aに対するCCDカメラ3a、3bの撮影距離、撮影角度が様々となるが、トータルステーション6によって、前記被撮影点c1、c2、c3、・・・に、例えば、3次元座標値やCCDカメラ3a、3bに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点c1、c2、c3、・・・における3次元的な位置情報を利用することによって、パーソナルコンピュータ12によって、撮影画像d1、d2、d3、・・・の幾何学的な補正が正確に行われ、さらにパーソナルコンピュータ12によって撮影画像d1、d2、d3、・・・の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、トンネル孔壁面aの変状展開図を作成することが可能となる。
【0095】
以上、本実施の形態におけるトンネル孔壁面の変状調査システム1、および、トンネル孔壁面の変状調査方法によれば、以下のような効果を取得することができる。
【0096】
▲1▼<基準点設置工程>において前方基準点b1、後方基準点b2が設定された後、以下のようにしてトンネル孔壁面aの変状調査が行われる。すなわち、[カメラ視準・第1位置情報取得工程]、[撮影・第2位置情報取得工程]、[カメラ回動工程]、を所定回数繰り返す<トンネル孔軸直交方向調査工程>と、<搬送工程>と、が所定回数繰り返される。
【0097】
ここで、[カメラ視準・第1位置情報取得工程]においては、トンネル孔内の所定位置に搬送台車2が設置されて、この搬送台車2に搭載されたCCDカメラ3a、3bがカメラ回動・保持手段4a、4bによって回動してトンネル孔壁面aの所定の被撮影部分を視準するとともに、トータルステーション6によって、CCDカメラ3a、3bの前方基準点b1、後方基準点b2に対する3次元的な位置情報が取得される。
【0098】
また、[撮影・第2位置情報取得工程]においては、CCDカメラ3a、3bによってトンネル孔壁面aが撮影されるとともに、トータルステーション6によって、トンネル孔壁面aの被撮影部分の中央点である被撮影点c1、c2、c3、・・・の、CCDカメラ3a、3bに対する3次元的な位置情報が取得される。
【0099】
また、[カメラ回動工程]においては、カメラ回動・保持装置4a、4bによって、CCDカメラ3a、3bが前記回動面内において所定角度θ回動する。
【0100】
さらに、<搬送工程>においては、搬送台車2によって、CCDカメラ3a、3b、トータルステーション6がトンネル孔軸方向に所定距離搬送される。
【0101】
そして、<トンネル孔軸直交方向調査工程>と<搬送工程>との所定回数の繰り返しとともに、<撮影画像幾何学的補正工程>においては、[撮影・第2位置情報取得工程]において撮影された撮影画像d1、d2、d3、・・・それぞれに対して、トータルステーション6によって取得された、CCDカメラ3の、前方基準点b1、後方基準点b2に対する位置情報、トータルステーション6によって取得された、CCDカメラ3a、3bと被撮影点c1、c2、c3、・・・との間の距離情報、トータルステーション6によって取得された、被撮影点c1、c2、c3、・・・のCCDカメラ3a、3bに対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、パーソナルコンピュータ12によって、撮影画像d1、d2、d3、・・・の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正が行われる。
【0102】
さらに、<撮影画像合成工程>においては、<撮影画像幾何学的補正工程>においてそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしが、さらにパーソナルコンピュータ12によって、被撮影部分における共通位置どうしが重ね合わさるようにして合成される。
【0103】
すなわち、以上により、トンネル孔壁面aをトンネル孔軸方向と直交方向に連続して撮影するとともに、撮影された撮影画像d1、d2、d3、・・・どうしを合成することで、トンネル孔壁面全体にわたる変状展開図を効率良く作成することが可能となる。
この際、図4(a)に示すように、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面aに対するCCDカメラ3a、3bの撮影距離、撮影角度が様々となるが、トータルステーション6によって、被撮影点c1、c2、c3、・・・に、例えば、3次元座標値やCCDカメラ3a、3bに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点c1、c2、c3、・・・における3次元的な位置情報を利用することによって、パーソナルコンピュータ12による撮影画像d1、d2、d3、・・・の幾何学的な補正が正確に行われ、さらにパーソナルコンピュータ12による撮影画像d1、d2、d3、・・・の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、トンネル孔壁面aの変状展開図を作成することが可能となる。
【0104】
▲2▼搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に備えられているレーザ距離計8a、8bそれぞれによって、搬送台車2とトンネル孔壁面aとの間の距離が、搬送台車2の前後方向に直交し、かつ、互いに同一の方向、で取得される。これにより、レーザ距離計8a、8bそれぞれによって取得される、トンネル孔壁面aと搬送台車2との間の2つの距離を互いに同一とすることで、搬送台車2の進行方向がトンネル孔軸方向となる。したがって、搬送台車2を確実にトンネル孔軸方向となるように進行させて、作業性を向上させることができる。
【0105】
▲3▼搬送台車2の前後となる位置2ヶ所に備えられているレーザポインタ9a、9bによって、搬送台車2の搬送面に対してレーザ光を照射することで、この搬送面における照射位置が確認可能である。これにより、前記搬送面に予め、トンネル孔軸方向となるような測定ポイントe、e、・・・を設けておき、この測定ポイントe、e、・・・が、レーザポインタ9a、9bのレーザ光によって照射されるようにすることで、搬送台車2の進行方向がトンネル孔軸方向となる。したがって、搬送台車2をトンネル孔軸方向となるように進行させて、作業性を向上させることができる。
【0106】
▲4▼搬送台車2の前後に突出する位置2ヶ所に備えられている前方プリズム10aおよび後方プリズム10bの3次元的な位置情報、例えば、3次元座標値を取得することによって、搬送台車2のトンネル孔軸方向に対するずれが正確に取得される。これにより、トータルステーション6によって行われる、被撮影点c1、c2、c3、・・・の、CCDカメラ3a、3bに対する3次元的な位置情報の取得のうち、特に水平角度の取得をより正確に行うことができるとともに、搬送台車2を確実にトンネル孔軸方向となるように進行させるための指標を得ることができる。
【0107】
▲5▼自動精密背整準台7a、7bにより、カメラ回動・保持装置4a、4b、トータルステーション6が搬送台車2上において水平に保持される。したがって、トータルステーション6によって取得される位置情報の信頼性が向上する。
【0108】
▲6▼CCDカメラ3a、3bに備えられているレーザポインタ9c、9dによって、トンネル孔壁面aに対してレーザ光を照射することで、このトンネル孔壁面aにおける照射位置、すなわち、CCDカメラ3a、3bの視準方向を確認可能である。すなわち、CCDカメラ3a、3bの視準方向を常に認識して、作業性を向上させることができる。
【0109】
▲7▼CCDカメラ3a、3bは、搬送台車2の前後となる位置に2台備えられているとともに、それぞれのCCDカメラ3a、3bは、カメラ回動保持装置4a、4bによって、CCDカメラ3a、3bを含み搬送台車2の前後方向に直交する面である回動面内、において回動しながらトンネル孔壁面aの被撮影部分を視準するとともに、この回動面内の任意の位置で保持される。さらに、カメラ回動・保持装置4a、4bによって、2台のCCDカメラ3a、3bは、それぞれのトンネル孔壁面における被撮影部分を互いにトンネル孔軸方向に連続するように視準する。したがって、2台のCCDカメラ3a、3bによって、トンネル孔壁面aにおけるトンネル孔軸方向と直交する方向の帯状部分の撮影面積を広げて撮影効率を向上させることができる。
【0110】
なお、本発明のトンネル孔壁面の変状調査システムおよびトンネル孔壁面の変状調査方法は、本実施の形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0111】
また、本実施の形態においては、コンクリート表面としてトンネル孔壁面aを例に挙げたが、その他、例えばダムやコンクリートが露出する高架橋や建築物の表面に対しても適用できることは勿論である。
【0112】
次に、本実施の形態においては、搬送台車2の前後に突出する位置2箇所に前方プリズム10a、後方プリズム10bを備えておき、これらの前方プリズム10a、後方プリズム10bの3次元座標値を取得することによって、搬送台車2のトンネル孔軸方向に対するずれを正確に取得している。しかしながら、搬送台車2に備えられているプリズムは1つでもよく、この場合においては、トータルステーション6の3次元座標値を取得するとともに、前記プリズムの3次元座標値を取得することによって、搬送台車2のトンネル孔軸方向に対するずれが正確に取得される。
【0113】
次に、本実施の形態においては、搬送台車2をトンネル孔軸方向に設置するために、前記したように搬送台車2の前後となる位置にそれぞれ設けられるレーザポインタ9a、9bおよびレーザ距離計8a、8bを用いている。しかしながら、本発明の目的を達するためには、CCDカメラ3a、3bとトータルステーション6とを結ぶ線が、トンネル孔軸方向となればよい。したがって、例えば以下のように発明を構成することも可能である。すなわち、例えば、自動精密整準台7aを備えるCCDカメラ3a、3bと自動精密整準台7bとを備えるトータルステーション6とを、同一かつ水平方向に回動可能なステージに搭載する。そして、トータルステーション6によって、3次元的な位置情報を取得するとともにトンネル孔軸方向を取得する。さらに、CCDカメラ3a、3bとトータルステーション6とを結ぶ線がトンネル孔軸方向となるようにステージを回動させる。以上により、CCDカメラ3a、3bとトータルステーション6を結ぶ線が、トンネル孔軸方向となり、本実施の形態における効果と同様の効果を得ることが可能である。なお、前記した方法は、全て自動で行われてもよいことは勿論である。
【0114】
次に、本実施の形態においては、トンネル孔壁面を撮影するために、縦横に拡がりのある撮影視野を備えるCCDカメラ3a、3bを用いているが、特に限定されるものではなく、例えば、ライン状の撮影視野を備えるCCDラインセンサでもよい。この場合においては、CCDラインセンサを回転させて、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に連続的に撮影することになり、CCDラインセンサの回転速度を一定にすると、トンネル孔壁面におけるライン状の撮影領域の進行速度が変化してライン密度が不均一となる。したがって、ライン密度が均一となるように撮影画像を再構成したり、あるいは、ライン密度が均一となるように、CCDラインセンサの回転速度を制御したりする等の対策が必要となるが、本発明によれば、被撮影部分の3次元的な位置情報が取得されるので、これらの位置情報を基に容易かつ正確に行うことができる。
【0115】
さらに、本実施の形態においては、CCDカメラ3a、3bをトンネル孔軸方向に2台配設しているが、1台あるいは3台以上でもよいことは勿論である。
【0116】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、コンクリート表面の変状展開図を作成するに際して、図4(a)に示すように、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となるが、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって、前記被撮影点に、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点における3次元的な位置情報を利用することによって、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、撮影画像の幾何学的な補正が正確に行われ、さらに前記撮影画像合成手段によって撮影画像の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、コンクリート表面の変状展開図を作成することが可能となる。
【0117】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を取得することができることは勿論のこと、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に連続して撮影するとともに、撮影された撮影画像どうしを合成することで、トンネル孔壁面全体にわたる変状展開図を効率良く作成することが可能となる。
【0118】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を取得することができることは勿論のこと、前記距離取得手段それぞれによって取得される、前記トンネル孔壁面と前記搬送台車との間の少なくとも2つの距離を互いに同一とすることで、該搬送手段の進行方向がトンネル孔軸方向となる。したがって、前記搬送手段を前記トンネル孔軸方向となるように進行させて、作業性を向上させることができる。
【0119】
請求項4記載の発明によれば、請求項2または3記載の発明と同様の効果を取得することができることは勿論のこと、前記搬送面に予め、トンネル孔軸方向となるような測定ポイントを設けておき、この測定ポイントが前記光照射手段の光によって照射されるようにすることで、該搬送手段の進行方向がトンネル孔軸方向となる。したがって、前記搬送手段を前記トンネル孔軸方向となるように進行させて、作業性を向上させることができる。
【0120】
請求項5記載の発明によれば、請求項2〜4のいずれかに記載の発明と同様の効果を得ることができることは勿論のこと、前記搬送手段のトンネル孔軸方向に対するずれが正確に取得される。これにより、前記第2位置情報取得手段によって行われる、前記被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報の取得のうち、特に水平角度の取得をより正確に行うことができるとともに、前記搬送手段を確実に前記トンネル孔軸方向となるように進行させるための指標を得ることができる。
【0121】
請求項6記載の発明によれば、請求項2〜5のいずれかに記載の発明と同様の効果を取得することができることは勿論のこと、前記水平保持手段により、前記カメラ回動・保持手段、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段が前記搬送手段上において水平に保持され、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって取得される位置情報の信頼性が向上する。
【0122】
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれかに記載の発明と同様の効果を取得することができることは勿論のこと、前記カメラに備えられている前記光照射手段によって、コンクリート表面に対して光を照射することで、このコンクリート表面における照射位置、すなわち、カメラの視準方向を確認可能である。すなわち、カメラの視準方向を常に認識して、作業性を向上させることができる。
【0123】
請求項8記載の発明によれば、請求項2〜7のいずれかに記載の発明と同様の効果を取得することができることは勿論のこと、少なくとも2台のカメラによって、トンネル孔壁面におけるトンネル軸方向と直交する方向の帯状部分の撮影面積を広げて撮影効率を向上させることができる。
【0124】
請求項9記載の発明によれば、コンクリート表面の変状展開図を作成するに際して、撮影位置を自由に設定する場合においては、コンクリート表面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となるが、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって、前記被撮影点に、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点における3次元的な位置情報を利用することによって、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、撮影画像の幾何学的な補正が正確に行われ、さらに前記撮影画像合成手段によって撮影画像の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、コンクリート表面の変状展開図を作成することが可能となる。
【0125】
請求項10記載の発明によれば、トンネル孔壁面をトンネル孔軸方向と直交方向に連続して撮影するとともに、撮影された撮影画像どうしを合成することで、トンネル孔壁面全体にわたる変状展開図を効率良く作成することが可能となる。この際、図4(a)に示すように、トンネル孔内における撮影位置を自由に設定する場合においては、トンネル孔壁面に対するカメラの撮影距離、撮影角度が様々となるが、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段によって、前記被撮影点に、例えば、3次元座標値やカメラに対する角度等の3次元的な位置情報が与えられる。そして、被撮影点における3次元的な位置情報を利用することによって、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、撮影画像の幾何学的な補正が正確に行われ、さらに前記撮影画像合成手段によって撮影画像の合成が行われる。したがって、従来に比して容易かつ精度良く、トンネル孔壁面の変状展開図を作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るトンネル孔壁面の変状調査システムの概略構成を示す図、(b)はこのトンネル孔壁面の変状調査システムによってトンネル孔壁面の変状調査を行っている状況を示す図である。
【図2】本発明に係るトンネル孔壁面の変状調査システムの上面図である。
【図3】本発明に係るトンネル孔壁面の変状調査システムを側面図である。
【図4】(a)はトンネル孔軸方向に直交する方向において、トンネル孔壁面を複数に分割して撮影している状況を示す図であり、(b)は(a)において撮影された撮影画像それぞれを合成している状況を示す図である。
【符号の説明】
1 トンネル孔壁面の変状調査システム(コンクリート表面の変状調査システム)
2 搬送台車(搬送手段)
3a、3b CCDカメラ(カメラ)
4a、4b カメラ回動・保持装置(カメラ回動・保持手段)
5 カメラ搭載ステージ
6 トータルステーション(第1位置情報取得手段、第2位置情報取得手段)
7a、7b 自動精密整準台(水平保持手段)
8a、8b レーザ距離計(距離取得手段)
9a、9b レーザポインタ(光照射手段)
9c、9d レーザポインタ(光照射手段)
10a、10b プリズム
11 モニタ
12 パーソナルコンピュータ(撮影画像幾何学的補正手段、撮影画像合成手段)
13 バッテリ
14 電力変換・供給装置
a トンネル孔壁面(コンクリート表面)
b1 前方基準点(基準点)
b2 後方基準点(基準点)
c1、・・・ 被撮影点
d1、・・・ 撮影画像
e、・・・ 測定ポイント
(X1、Y1、Z1)、・・・ 3次元座標値(3次元的な位置情報)
l1、・・・ 距離(3次元的な位置情報)
θ1、・・・ 鉛直角度(3次元的な位置情報)
Claims (10)
- コンクリート表面を複数に分割して撮影するカメラと、前記カメラの、設定される基準点に対する3次元的な位置情報を取得する第1位置情報取得手段としてのトータルステーションと、
前記カメラによってコンクリート表面を撮影するに際して、コンクリート表面の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報を取得する第2位置情報取得手段としての前記トータルステーションと、
前記第1位置情報取得手段によって取得された、前記カメラの前記基準点に対する位置情報、前記第2位置情報取得手段によって取得された、前記被撮影点の前記カメラに対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記カメラによって撮影された撮影画像の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行う撮影画像幾何学的補正手段と、
前記撮影画像幾何学的補正手段によって、それぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像どうしを、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する撮影画像合成手段と、が備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項1記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記コンクリート表面はトンネル孔壁面であり、
少なくとも、前記カメラ、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段、を搭載してトンネル孔軸方向に搬送する搬送手段が備えられており、
前記カメラを、このカメラを含み前記搬送手段の前後方向に直交する面である回動面内、において回動させながらコンクリート表面の被撮影部分を視準させるとともに、該回動面内の任意の位置で保持可能とするカメラ回動・保持手段が備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項2記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記搬送手段の前後となる位置少なくとも2ヶ所には、それぞれ、該搬送手段とコンクリート表面との間の距離を、該搬送手段の前後方向に直交し、かつ、互いに同一の方向、で取得する距離取得手段が備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項2または3記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記搬送手段の前後となる位置少なくとも2ヶ所には、それぞれ、該搬送手段のトンネル孔における搬送面に対して照射されることで該搬送面における照射位置を確認可能な光、を照射する光照射手段が備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項2〜4のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記搬送手段には、前記第1位置情報取得手段および前記第2位置情報取得手段による位置情報の取得の際に用いられるプリズムが備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項2〜5のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記搬送手段には、前記カメラ回動・保持手段、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段を、前記搬送手段上において水平に保持する水平保持手段が備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記カメラには、このカメラが視準するコンクリート表面に対して照射されることで該コンクリート表面における照射位置を確認可能な光、を照射する光照射手段が備えられていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項2〜7のいずれかに記載のコンクリート表面の変状調査システムにおいて、
前記カメラは、前記搬送手段の前後となる位置に少なくとも2台備えられており、
それぞれのカメラを、該カメラを含み前記搬送手段の前後方向に直交する面である回動面内、において回動させながらコンクリート表面の被撮影部分を視準させるとともに、この回動面内の任意の位置で保持可能とするカメラ回動・保持手段が備えられており、
該カメラ回動・保持手段は、前記少なくとも2台のカメラによる、それぞれのコンクリート表面における被撮影部分を互いにトンネル孔軸方向に連続して視準するべく構成されていることを特徴とするコンクリート表面の変状調査システム。 - 請求項1記載のコンクリート表面の変状調査システムを用いてコンクリート表面の変状調査を行うコンクリート表面の変状調査方法であって、
先ず、基準点を設定し、
次に、所定位置に前記カメラを設置してコンクリート表面の所定の被撮影部分を視準させるとともに、前記第1位置情報取得手段によって、前記カメラの前記基準点に対する3次元的な位置情報を取得するカメラ視準・第1位置情報取得工程と、
このカメラ視準・第1位置情報取得工程の後に、前記カメラによってコンクリート表面を撮影するとともに、コンクリート表面の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報を前記第2位置情報取得手段によって取得する撮影・第2位置情報取得工程と、を所定回数繰り返すとともに、
前記撮影・第2位置情報取得工程において撮影された撮影画像それぞれに対して、前記第1位置情報取得手段によって取得された、前記カメラの前記基準点に対する位置情報、前記第2位置情報取得手段によって取得された、前記被撮影点の前記カメラに対する位置情報、および、これらを適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、前記撮影画像の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行い、
次に、前記撮影画像幾何学的補正手段によってそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像どうしを、前記撮影画像合成手段によって、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する、ことを特徴とするコンクリート表面の変状調査方法。 - 請求項2記載のコンクリート表面の変状調査システムを用いてトンネル孔壁面の変状調査を行うコンクリート表面の変状調査方法であって、
先ず、トンネル孔内に基準点を設定し、
次に、トンネル孔内の所定位置に前記搬送手段を設置して、この搬送手段に搭載された前記カメラを前記カメラ回動・保持手段によって回動させてトンネル孔壁面の所定の被撮影部分を視準させるとともに、前記第1位置情報取得手段によって、前記カメラの前記トンネル孔内基準点に対する3次元的な位置情報を取得するカメラ視準・第1位置情報取得工程と、
このカメラ視準・第1位置情報取得工程の後に、前記カメラによってトンネル孔壁面を撮影するとともに、トンネル孔壁面の被撮影部分に含まれる少なくとも1点、である被撮影点の、前記カメラに対する3次元的な位置情報を前記第2位置情報取得手段によって取得する撮影・第2位置情報取得工程と、
この撮影・第2位置情報取得工程の後に、前記カメラ回動・保持手段によって、前記カメラを前記回動面内において所定角度回動させるカメラ回動工程と、を所定回数繰り返すトンネル孔軸直交方向調査工程と、
前記搬送手段によって、少なくとも、前記カメラ、前記第1位置情報取得手段、前記第2位置情報取得手段、をトンネル孔軸方向に所定距離搬送する搬送工程と、を所定回数繰り返すとともに、
前記撮影・第2位置情報取得工程において撮影される撮影画像それぞれに対して、前記第1位置情報取得手段によって取得された、前記カメラの前記基準点に対する位置情報、前記被撮影点の前記カメラに対する位置情報、および、これらの位置情報を適宜組み合わせて得られる位置情報、を用いて、前記撮影画像幾何学的補正手段によって、前記撮影画像の全範囲に対して、同一縮尺で同一スケールとする幾何学的な補正を行い、
次に、前記撮影画像幾何学的補正手段によってそれぞれ幾何学的な補正が行われた複数の撮影画像どうしを、前記撮影画像合成手段によって、被撮影部分における共通位置どうしを重ね合わせるようにして合成する、ことを特徴とするコンクリート表面の変状調査方法。
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