JP4010615B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置のパッケージ構造に関し、特に基板にテープ基板を使用したTape Ball Grid Array( 以下TBGAと呼ぶ) 型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体パッケージは、小型軽量化、高速化、高機能化という電子機器の要求に対応するため、新しい形態が次々と開発されて種類が増大している。これに伴い、多ピン構造でかつ高周波数領域で動作する半導体装置が必要とされている。このような高性能型の半導体装置の一つとしてTBGA構造の半導体装置が挙げられる。TBGA構造とは、樹脂テープ上に半導体チップを搭載し、半田を介して信号の送受信を行う半導体装置であり、厚さが薄く且つ面全体からピンを取り出して更なる多ピン化を実現できる表面実装タイプの半導体装置である。また基板にエポキシ樹脂を用いたBGA型半導体装置に比べて、大量生産が容易という利点を有するため、必要不可欠な半導体装置となっている。
【0003】
以下に従来のTBGA型半導体装置を図面を参照して以下に説明する。
図4は従来のTBGA型半導体装置の断面図であり、第1表面及び第2表面を有するテープ基板と、このテープ基板上の第1表面上に搭載された半導体チップと、テープ基板の第2表面に形成され且つ前記半導体チップと電気的に接続されたボール端子と、テープ基板上の第1表面上に形成され、半導体チップ及びテープ基板をする支持基板と、半田ボールと接続した実装基板を有することを特徴とする。
【0004】
まず、ポリイミドテープ基板101上の第1表面上に半導体チップ103が搭載され、ポリイミドテープ基板101の第2の表面上に外部素子と信号の送受信を行う半田のボール端子109が形成されている。ボール端子109を介して実装基板114に形成されたPAD115に接続される。半導体チップ103の電極とボール端子109は、ポリイミドテープ基板101の第1の表面上に形成された銅配線107により導通されている。またポリイミドテープ基板101の第1の表面上に、銅配線107を保護するためのレジスト膜111が形成されている。また半導体チップ103を保護し、テープ基板101を支持するために、半導体チップ103上にスティフナ105が搭載されている。スティフナ105は1枚の例えば銅とアロイの金属板を打ち抜き加工することにより形成される。スティフナ105はレジスト膜111を介して、テープ基板1の第1の表面上に接着されている。
【0005】
図5( a) 〜( e) は従来のTBGA型半導体装置の実装工程を順に追って示す断面図である。まず図5( a) に示すように、実装基板114にマスク層121を形成した後に、PAD部115を形成する。次に図5( b) に示すように、半田ペースト110をPAD部115上に形成する。次に図5( c) に示すように、半田ボール109と半田ペースト110を接着させる。次に図5( d) に示すように、リフローを行い、半導体装置を実装基板114に接着させる。
図6( a) 〜( e) はスティフナの製造工程を示す上面から見た平面図である。まず図6( a) に示すように例えば銅とアロイの合金板を図6( b) に示すように打ち抜き加工する。次に図6( c) に示すように金属板上に接着材を貼り付けて、図6( d) に示すように不必要な領域の接着材を除去して、図6( e) に示すようにスティフナ本体105の打ち抜きを行う。このスティフナ105は吊りピン部が切断された構造になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先に説明したように、従来のTBGA型半導体装置では、実装基板と半導体装置の膨張率に差異があるため、実装基板への装着後の温度変化により半田ボール接合部にストレスがかかり、特にパッケージのコーナー部に圧力がかかり、実装基板からの剥離等の問題が生じてしまう。
また、図4に示したように半導体装置の重量が重い場合は、リフロー時に半導体装置の自重により半田ボールが潰れてしまい、半田ボール同士がショートを起こしてしまう可能性が生じてしまう。更に、実装基板に半導体装置を搭載からリフローするまでの工程では、半導体装置と実装基板の固定は半田ペーストのみであるため、固定が不安定となってしまい、半導体装置と実装基板の位置ずれ等の可能性が生じる。
また、半田ボールとプリント基板の接着では、半導体装置の洗浄等の応力がかかった場合に半導体装置が実装基板から外れてしまう可能性が生じてしまう。
【0007】
これらの問題を解決するためには、スティフナにピンをつけて、実装時の支えとすることが考えられるが、新たにスティフナにピンを取りつける工程が増加してしまい、コストが増加するという問題も生じてしまう。
【0008】
そこで本願発明では、上記間題点を解決すべく従来製造工程を最大限に利用しつつ且つ実装基板と強固な接着がなされている半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上に示したような課題を解決するために本発明の一態様の半導体装置は、第1表面及び第2表面を有するテープ基板と、前記テープ基板の第1表面上に搭載された半導体チップと、前記テープ基板の第2表面に形成され且つ前記半導体チップと電気的に接続されたボール端子と、前記テープ基板の第1表面上に設置された、凸部構造を有する支持基板と、前記半田ボールと電気的に接続された、凹部構造を有する実装基板を有し、前記支持基板の凸部構造が前記実装基板の凹部構造に挿入されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴によれば、実装基板への実装時に半導体装置の自重による半田ボールの潰れを防ぐことが出来る。
また本発明の更なる特徴は、凸部構造は支持基板の吊りピン部を折り曲げた構造であるため、凸部を従来の製造工程を用いることにより形成することが出来る。また本発明の更なる特徴は、実装基板に凹部を有し、この凹部と支持基板の凸部がかみ合った構造を有することである。
この構造によれば、半導体装置と実装基板の搭載時に凸部を位置決めピンとして使用することが出来、また凹部と凸部が強固に接続されているため、半導体装置が実装基板から剥離しにくいという効果を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に示す実施の形態を図面を参酌して以下に示す。半導体パッケージは、小型軽量化、高速化、高機能化という電子機器の要求に対応するため、新しい形態が次々と開発されて種類が増大している。これに伴い、多ピン構造でかつ高周波数領域で動作する半導体装置が必要とされている。このような高性能型の半導体装置の一つとしてTBGA構造の半導体装置が挙げられる。TBGA構造とは、樹脂テープ上に半導体チップを搭載し、半田を介して信号の送受信を行う半導体装置であり、厚さが薄く且つ面全体からピンを取り出して更なる多ピン化を実現できる表面実装タイプの半導体装置である。また基板にエポキシ樹脂を用いたBGA型半導体装置に比べて、大量生産が容易という利点を有するため、
必要不可欠な半導体装置となっている。
【0012】
図1は本発明に示すTBGA型半導体装置の実施の形態の概略を示す断面図である。このTBGA型半導体装置の特徴は、第1表面及び第2表面を有するテープ基板と、このテープ基板上の第1表面上に搭載された半導体チップと、テープ基板の第2表面に形成され且つ前記半導体チップと電気的に接続されたボール端子と、テープ基板上の第1表面上に形成され、半導体チップ及びテープ基板を支持する支持支持基板と、半田ボールと接続した実装基板を有し、支持基板と実装基板は接していることを特徴とする。更に支持基板は 凸部構造を有する。また、凸部は支持基板の吊りピン部を折り曲げた構造であるため、凸部を従来の製造工程を用いることにより形成することが出来る。更に本発明では実装基板に凹部を有し、この凹部と支持基板の凸部がかみ合った構造を有する。
まず、ポリイミドテープ基板1上の第1表面上に半導体チップ3が搭載され、ポリイミドテープ基板1の第2の表面上に外部素子と信号の送受信を行う半田のボール端子9が形成されている。ボール端子9を介して実装基板14に形成されたPAD15に電気的に接続される。半導体チップ3の電極とボール端子9は、ポリイミドテープ基板1の第1の表面上に形成された銅配線7により導通されている。またポリイミドテープ基板1の第1の表面上に、銅配線7を保護するためのレジスト膜11が形成されている。また半導体チップ3を保護し、及びテープ基板1を支持するために、半導体チップ3上にスティフナ5が搭載されている。スティフナ5は、例えば1枚の銅とアロイの金属板を打ち抜き加工することにより形成され、周辺部の吊りピン部を折り曲げた構造の凸部17を有する。スティフナ5はレジスト膜11を介して、テープ基板1の第1の表面上に接着されている。
また、本発明に示す実装基板14は表面上に凹部19を有し、凸部17が挿入され、半田ペーストにより接続されている。凹部19の深さは、実装時の半田ボールの潰れ量( 潰れる距離) とすることが望ましい。また凸部17の長さもこの半田ボールの潰れ量を元に算出する。
【0013】
図2( a) 〜( e) は本発明に示すTBGA型半導体装置の実装工程を順に追って示す断面図である。図2を参照して、本発明に示す半導体装置の効果を以下に説明する。
【0014】
まず図2( a) に示すように、実装基板14にマスク層21を形成した後に、PAD部15及び凹部19を形成する。
次に図2( b) に示すように、半田ペースト10をPAD部15及び凹部19上に形成する。半田ペーストは半導体装置の半田ボール9とPAD部15を接着する役割を有する。
次に図2( c) に示すように、凸部17が凹部19に挿入されるように、半田ボール9と半田ペースト10を接着させる。ここで、実装基板14に凹部19が形成されているため、半導体装置と実装基板の位置合わせを容易に行うことが出来る。
【0015】
次に図2( d) に示すように、リフローを行い、半導体装置を実装基板14に接着させる。ここで、凹部が適当な大きさに形成されているために、半導体装置の自重により半田ボールが潰れることによる隣接する半田ボール同士のショートを防ぐことが出来る。また、凸部17と凹部19が強固に接続されているため、半導体装置を搭載する際に、搭載からリフローまでの一環した工程での位置ずれを防ぐことが出来る。
【0016】
図3( a) 〜( e) はスティフナの製造工程を示す上面から見た平面図である。
まず図3( a) に示すような例えば銅とアロイの合金板を図3( b) に示すように打ち抜き加工する。次に図3( c) に示すように金属板上に接着材を貼り付けて、図3( d) に示すように不必要な領域の接着材を除去して、図3( e) に示すようにスティフナ本体5の打ち抜きを行う。本発明では吊りピンの切断は行わないため、図3( e) に示すようにスティフナ5の周辺領域に凸部形状の吊りピン部17が存在する。この凸部17を折り曲げることにより、実装時の位置決めピンとして使用することが出来る。
【0017】
また、本発明では吊りピン部を折り曲げているため、特別に位置決めピンを形成する必要がなく、コストの削減を達成することが出来る。
また、スティフナ5と実装基板14は凸部17と凹部19により強固に接続されているため、半導体装置を水で洗浄する際に半導体半導体装置が実装基板から離れてしまうことを防ぐことが出来る。
更に本発明では、スティフナ5が凸部17を介して実装基板14に接続しているため、半導体チップ3の放熱経路を増大させることが出来る。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではスティフナに吊りピン部を切断せづに残して、凸部を形成した。そして凸部を実装基板に形成された凹部に挿入した構造を有するため、半導体装置を実装基板に搭載する際に、搭載からリフローまでの一環した工程での位置ずれを防ぐことが出来る。
【0019】
また、リフロー工程で半導体装置を実装基板に接着させる際に、凹部が適当な大きさに形成されているために、半導体装置の自重により半田ボールが潰れることによる隣接する半田ボール同士のショートを防ぐことが出来る。
更に、ティフナが凸部を介して実装基板に接続しているため、半導体チップの放熱経路を増大させることが出来る。
これにより、従来の製造工程を最大限に利用しつつ、実装基板と強固な接着がなされている半導体装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態を示すを半導体装置の概要を示す断面図である。
【図2】図2は本発明に示すTBGA型半導体装置の実装工程を順に追って示す断面図である。
【図3】図3はスティフナの製造工程を示す上面から見た平面図である。
【図4】図4は従来の半導体装置の概要を示す断面図である。
【図5】図5は従来のTBGA型半導体装置の実装工程を順に追って示 す断面図である。
【図6】図6はスティフナの製造工程を示す上面から見た平面図である。
【符号の説明】
1 テープ基板
3 半導体チップ
5 スティフナ
7 配線
9 半田ボール
10 半田ペースト
11 レジスト膜
13 樹脂封子層
14 実装基板
15 PAD
17 凸部
19 凹部
Claims (3)
- 第1表面及び第2表面を有するテープ基板と、
前記テープ基板の第1表面上に搭載された半導体チップと、
前記テープ基板の第2表面に形成され且つ前記半導体チップと電気的に接続されたボール端子と、
前記テープ基板の第1表面上に設置された、凸部構造を有する支持基板と、
前記半田ボールと電気的に接続された、凹部構造を有する実装基板と、
を有し、
前記支持基板の凸部構造が前記実装基板の凹部構造に挿入されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記凸部構造は、前記支持基板の周辺領域に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記凸部構造は、半田ペーストにより前記実装基板表面上の凹部構造に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
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