JP3331146B2 - Bga型半導体装置の製造方法 - Google Patents

Bga型半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、BGA型半導体装置の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体装置は実装基板
上の回路パターンに半田等を用いて接続されているが、
近年、エレクトロニクス機器の高性能化、多機能化に伴
う半導体素子の微細化と半導体装置の小型化に対応する
ため、半田ボールを用いて高密度表面実装を行うボール
グリッドアレイ(BGA)と指称される半導体装置が提
案されている。
【0003】この一例として、図2に示すように、両面
に回路パターンが形成されたTABテープ51上にフェ
イスダウンで半導体チップ52を接続し、この周囲に金
属からなる支持基板53を接着剤を介して固着するとと
もに、このTABテープ51に形成されたスルーホール
Hを介して裏面に半田ボール54を配設し、表面側を封
止樹脂55によって封止した所謂TBGA(Tape
Ball GridAray)方式がある。
【0004】このTBGA方式の半導体装置には、第一
の例として図2に示すような、半導体チップ52を搭載
する基板にチップ搭載領域となる凹部が一体的に形成さ
れた金属支持基板53のほか、第二の例として図3に示
すような、平板状の金属基板57と、窓抜きされたプリ
ント基板又は金属基板58とを接着剤59を介して固着
して凹部を形成した支持基板60を使用したものが知ら
れている。
【0005】
【この発明が解決しようとする課題】しかしながら、前
記第一の例のように金属基板に一体的に凹部を形成する
ためには、エッチング又は研削加工等を施さなければな
らないため、余分な製造工数、時間ならびにコストを要
してしまう。また、前記第二の例のように平板状の金属
基板と、窓抜きされた基板とを固着して凹部を形成した
支持基板では、両基板の固着に接着剤を使用するため、
半田ボール搭載工程におけるリフロー時の高温により前
記接着剤の接着強度が低下し、平板状の金属基板が剥離
してしまう。また、両基板の材質が異なる場合も、熱膨
張係数の差異により両基板間に剥離が生じ、このような
基板の剥離が結果として半導体装置の信頼性を低下させ
ている。そして、また、窓抜きされた基板が金属の場合
には接着剤の存在が熱伝導の妨げとなり、放熱性を低下
させる要因となっている。
【0006】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、平板状基板と窓抜きされた基板とが強固な固着状態
を得るとともに、放熱性が良好で且つ信頼性の高いBG
A型半導体装置の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の要旨は、平板状からなる銅材基板と、窓抜きされた
銅材基板とを超音波接合により一体化して形成した支持
基板の凹部に半導体チップを固着した後、片面に導体パ
ターンを形成したTAB基板を、導体パターン形成面側
が外側となるように支持基板の平坦面上に固着し、この
後、支持基板の凹部内に半導体チップを覆うように樹脂
を充填し、さらに前記TAB基板の導体パターン側を孔
を有する絶縁膜で被覆し、この孔を介して表面側の前記
導体パターンに接続するよう半田ボールを配設するよう
にしたことにある。すなわち、半導体チップ搭載領域と
なる凹部が形成された熱伝導性の支持基板を用意する基
板形成工程と、前記支持基板の前記凹部に接着剤を介し
て半導体チップ固着する半導体チップ搭載工程と、絶縁
性テープ上に導体パターンを形成してなるTAB基板を
用意するTAB基板形成工程と、前記TAB基板を前記
支持基板に固着し、前記半導体チップとの電気的接続を
達成するTAB基板搭載工程と、前記支持基板の前記凹
部内に半導体チップを覆うように樹脂を充填する半導体
チップ樹脂封止工程と、さらに前記TAB基板の上層
に、表面に複数の孔が穿設された絶縁膜を形成する絶縁
膜形成工程と、前記絶縁膜上に半田ボールを載せ、加熱
により前記孔内の導体パターンと前記半田ボールとを固
溶し、前記半田ボールを固着させるボール固着工程とを
含むことを特徴とするBGA型半導体装置の製造方法に
ある。
【0008】
【作用】本発明によれば、支持基板が平板状の銅材基板
と、窓抜きされた銅材基板とが超音波接合による金属間
結合によって固着一体化して形成されているため、両基
板の固着状態が強固であり、また、接着剤を使用してい
ないことから、リフロー時の高温状態においても両基板
の密着強度が低下することがなく、半導体装置の信頼性
が高められる。
【0009】また、支持基板が形状の異なった同一材料
からなる二つの基板を接着剤を使用することなく固着し
て形成しているため、熱伝導も良好で放熱性に優れ、熱
膨張係数も同一であることから、両基板間に剥離が生ず
ることがない。
【0010】また、支持基板に凹部を形成するためのエ
ッチング加工、ならびに研削加工等の工程を必要としな
いことから、余分な製造工数を必要としない。
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しつつ詳細に説明する。
【0011】図1の(a)乃至(c)はこの半導体装置
の製造工程図である。
【0012】まず、図1(a)に示すように、表面に例
えばニッケルメッキ層等の保護膜を形成してなる平板状
の厚さ0.2mmからなる銅材基板1と、窓抜きされた
厚さ0.3mmからなる銅材基板2とを超音波接合によ
る金属間結合にて両基板を固着してチップ搭載領域とな
る凹部を有する支持基板3を形成する。次に膜厚50μ
mのポリイミド樹脂からなる絶縁性テープ4のチップ搭
載領域に開口Oを形成するとともに、厚さ18μmの銅
箔を貼着し、この銅箔をフォトリゾグラフティによりパ
ターニングした後、膜厚0.5μmの金メッキ層を形成
し導体パターン5を有するTAB基板を構成する。そし
て、このTAB基板を前記支持基板の平坦部に絶縁性接
着剤6を介して固着する。さらにこの支持基板の前記凹
部に導電性接着剤としてシルバーペースト7を介して半
導体チップ8を固着し、この後、前記導体パターン5か
ら凹部方向に伸長する導体パターン5の先端に位置する
バンプ9を介して半導体チップ8のボンディングパッド
と、導体パターンとをダイレクトボンディングにて接続
し、半導体チップ8と導体パターン5との電気的接続を
行う。
【0013】そして図2(b)に示すように、前記支持
基板3の前記凹部内に前記半導体チップ8を覆うように
ポッティングにより樹脂10を充填して樹脂封止を行っ
た後、前記TAB基板上のみを覆うようにポリイミド樹
脂膜11を塗布し、フォトリゾグラフティにより面全体
に格子状をなすように例えばピッチ1.27mm、孔径
0.65mmの孔Hを形成する。
【0014】この後、図2(c)に示すように、この孔
H内にPb10%、Sn90%からなる直径0.7mm
の半田ボール12を供給し、320℃で10秒間(ピー
ク温度維持時間)の過熱工程を経て、表面を導体パター
ン5に固着する。
【0015】なお、この実施例では絶縁膜としてポリイ
ミド樹脂11を塗布した後に孔を形成したが、予め孔を
形成した樹脂膜を貼着したり、或いはパターン印刷によ
り絶縁膜を形成するようにしてもよい。
【0016】また、孔ピッチや孔径は前記実施例に限定
されることはなく、例えば格子ピッチが1mmであれ
ば、孔径は0.55mm、格子ピッチが1.5mmであ
れば、孔径は0.75mmというように適宜変更可能で
ある。
【0017】さらに半田ボールの組成についても、例え
ばPb37%、Sn63%の共晶半田を用いた場合には
固着工程での加熱温度は230℃程度でよい。
【0018】また、この実施例では、支持基板に半導体
チップを固着搭載した後、ダイレクトボンディングによ
って半導体チップのボンディングパッドと導体パターン
とを接続しているが、先に半導体チップを導体パターン
に搭載した後、支持基板に固着搭載するよにしてもよ
い。
【0019】さらにまた、ダイレクトボンディングに代
えてワイヤーボンディングを用いて半導体チップと導体
パターンとの電気的接続を行うようにしてもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は前述のことからも明らかなとお
り、放熱性が良好で且つ信頼性が高い半導体装置を得る
ことができるとともに、製造コストの低減を図ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造工程を示す図
【図2】従来技術によるTBGA型半導体装置を示す図
【図3】従来技術によるTBGA型半導体装置を示す図
【符号の説明】
1、平板状銅材基板 2、窓抜き銅材基板 3、支持基板 4、絶縁性テープ 5、導体パターン 6、絶縁性接着剤 7、シルバーペースト 8、半導体チップ 9、バンプ 10、封止樹脂 11、ポリイミド樹脂膜 12、半田ボール 51、TABテープ 52、半導体チップ 53、支持基板 54、半田ボール 55、封止樹脂 56、金属支持基板 57、平板状金属基板 58、窓抜き基板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の銅材基板と、窓抜きされた銅材
    基板とを超音波接合により一体化して凹部を形成した支
    持基板を用意する基板形成工程と、前記支持基板の前記
    凹部に接着剤を介して半導体チップを固着する半導体チ
    ップ搭載工程と、絶縁性テープ上に導体パターンを形成
    してなるTAB基板を用意するTAB基板形成工程と、
    前記TAB基板を前記支持基板に固着し、前記半導体チ
    ップとの電気的接続を達成するTAB基板搭載工程と、
    前記支持基板の前記凹部内に前記半導体チップを覆うよ
    うに樹脂を充填する半導体チップ樹脂封止工程と前記T
    AB基板の上層に、表面に複数の孔が穿設された絶縁膜
    を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜上に半田ボー
    ルを載せ、加熱により前記孔内の導体パターンと前記半
    田ボールとを固溶し、前記半田ボールを固着させるボー
    ル固着工程とを含むことを特徴とするBGA型半導体装
    置の製造方法。
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