JP4009774B2 - 架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
さらに詳しくは、シール材、ガスケット、エアコン内の断熱材、自動車のドアミラー内の吸音材、バクテリアの担体、塗布材等の各種用途に使用可能な連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
連続気泡構造を有する架橋ポリオレフィン系発泡体は、通気性、吸水性、耐候性、断熱性、吸音性、焼却時の耐環境性等に優れているために、シール材、ガスケット、エアコン内の断熱材、自動車のドアミラー内の吸音材、バクテリアの担体、塗布材等の各種用途に広く利用されている。
【0004】
このような連続気泡構造を有する架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法としては、独立気泡を有する発泡体を形成した後、ロール延伸法やピンによる機械的作用により気泡膜を破壊して、連続気泡とする方法が提案されており、例えば特公昭59−23545号公報には、密閉金型中で発泡・架橋性組成物中の発泡剤と架橋剤を部分的に分解し、常圧下で残存する発泡剤と架橋剤を分解させて独立気泡を有する発泡体を得、次いで得られた独立気泡を有する発泡体を圧縮して独立気泡を破壊する方法が提案されている。また、特公平1−44499号公報には、発泡・架橋性組成物を所望の形状に加熱成形した後、常圧下にて加熱して架橋剤と発泡剤を同時進行的に分解させて気泡体を生成させ、次いで機械的変形を加えて気泡を連通化させる方法が提案されている。
【0005】
また、発泡時に気泡膜を破り、連続気泡を形成する方法として、特公昭60−49657号公報には、エチレン系樹脂100重量部に対して、発泡剤1〜20重量部、架橋剤0.3〜10重量部からなる架橋・発泡性組成物に、三官能モノマー0.1〜10重量部、シリコーン油0.1〜5重量部を添加すること、および有機過酸化物の10分間半減期温度(Tp)が100〜170℃であり、発泡剤の発泡温度(Tf)が90〜160℃であって、かつ−10℃≦Tp−Tf≦50℃を満足することからなるポリオレフィン系の連続気泡を有する発泡体の製造方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特公昭59−23545号公報、特公平1−44499号公報に提案された方法は、一般に架橋発泡体の製造に使用されている二段発泡成形法と比較すると生産効率が悪く、成形時間も長くなることから改良が求められていた。また、従来のポリエチレンを使用した場合、発泡体中に存在する気泡の径や気泡膜の厚みにバラツキが生じているために、機械的な変形を加えても連通化する部分としない部分が存在するために、独立気泡が均一に連通化しにくく、連続気泡率の低い発泡体しか得られなかった。
【0007】
また、特公昭60−49657号公報に提案された方法においても、発泡倍率が30倍を越えるような高発泡倍率の発泡体を得ることは困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の課題すなわち、連続気泡率の低い気泡体しか得られないことや、発泡倍率が30倍を越える高発泡倍率の発泡体が得られないという課題を解決するものであり、気泡が均一で高発泡倍率であり、かつ連続気泡率の高い架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びそれを容易に得る製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエチレン系樹脂に特定量のポリプロピレン粒子を含有させることにより、連続気泡構造を有する高発泡倍率の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部を含有し、連続気泡構造を有することを特徴とする架橋ポリエチレン系樹脂発泡体、及び、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部、発泡剤及び架橋剤を配合した架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を下記の(a)〜(c)の工程を経て加熱架橋発泡し、連続気泡構造とすることを特徴とする架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
(a)加圧下で加熱架橋を行う工程。
(b)(a)の工程の後、再度常圧下で加熱し発泡成形を行なう工程。
(c)(b)の工程の後、得られた架橋ポリエチレン系発泡体に機械的変形を加えて気泡を連通化させる工程。
【0011】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0012】
本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部を含有し、連続気泡構造を有するものである。
【0013】
ここで、連続気泡構造とは、ASTM D 1940−62Tを準拠し測定した連続気泡率が80%以上であることをいい、特に連続気泡率が100%又は100%に近いものが好ましい。また、本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、その発泡倍率が30倍以上のものであることが好ましい。
【0014】
本発明におけるポリエチレン系樹脂とは、ポリエチレン系樹脂の範疇に属するものであればよく、例えば高圧法低密度ポリエチレン、低圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン又はこれらの混合物を挙げることができ、特に架橋発泡体とした際の架橋特性、発泡特性、気泡の均一性、柔軟性、強靭性が優れることから、エチレン−α−オレフィン共重合体であるLLDPEであることが好ましい。
【0015】
このようなLLDPEは、高圧法、溶液法、気相法等の各種製造方法により製造されたものでも良く、該LLDPEを製造する際には、一般的にマグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分および有機アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒;シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および/または有機金属化合物からなるメタロセン触媒;バナジウム系触媒等の触媒を用いて製造することができ、該触媒によりエチレンとα−オレフィンを共重合することにより製造することが可能となる。そして、その際のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1等を挙げることができ、そのなかでも特に気泡の均一性、柔軟性、強靭性に優れる架橋発泡体が得られることから、炭素数3〜12のα−オレフィンからなるLLDPEが好ましい。
【0016】
本発明でいうポリプロピレン粒子とは、例えば特開平05−043625号公報に提案されているような特殊な触媒を使用して特殊な条件下でプロピレンを重合させることで製造されるポリプロピレン微粒子;通常の重合方法により得られるポリプロピレンを分級することにより得られるポリプロピレン粒子;ポリプロピレンを冷凍粉砕することにより微粉化したポリプロピレン粒子;ポリプロピレンを溶解させた後析出する方法で製造されるポリプロピレン粒子等を挙げることができ、例えば商品名「LANCO WAX PP−1362D」(伊藤製油社製)等が市販されている。また、ポリプロピレン粒子としては、連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体とした際に、特に架橋特性、発泡特性、気泡の均一性、柔軟性、強靭性が優れたものとなることから、嵩密度0.25〜0.5g/ml、平均粒径0.1〜100μmのポリプロピレン粒子であることが好ましい。
【0017】
本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部を含有するものである。ここで、ポリプロピレン粒子が1重量部未満の場合、得られる架橋ポリエチレン系発泡体は連続気泡構造となる割合が低く、連続気泡発泡体の特性である吸水性や吸音性が低くなる。また、ポリプロピレン粒子が30重量部を超える場合、樹脂の伸びに劣り、気泡体に割れが生じたり、気泡が粗大化したりし、所望の架橋ポリエチレン系発泡体とはならない。
【0018】
本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体には、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸金属塩;難燃剤;カーボンブラックなどの導電性フィラーあるいは木粉、パルプ等の繊維物質;各種染料、顔料並びに蛍光物質;エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、エチレン・ブテン共重合体ゴムなどのエチレン系共重合体ゴム;スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物など常用のゴムを必要に応じて配合していてもよい。
【0019】
以下、本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法の一例について、その好適な方法を具体的に例示するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0020】
本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部、発泡剤及び架橋剤を配合した架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を、(a)加圧下で加熱架橋を行う工程、(b)再度常圧下で加熱し発泡成形を行なう工程、次ぎに(c)得られた架橋ポリエチレン系発泡体に機械的変形を加えて気泡を連通化させる工程、を経て加熱架橋発泡し、連続気泡構造とする製造方法により製造することが好ましい。
【0021】
ここで、架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物は、上記ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、上記ポリプロピレン粒子1〜30重量部、発泡剤及び架橋剤、さらに必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料等を添加し、これを好ましくはポリエチレン系樹脂の融解温度以上ポリプロピレン粒子の融解温度以下の温度に加熱した例えばミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機等の混練機によって混練することにより調整することが可能である。
【0022】
ここでいう架橋剤とは、ポリエチレン系樹脂中において少なくともポリエチレン系樹脂の流動開始温度以上の分解温度を有するものであって、分解により遊離ラジカルを発生しポリエチレン系樹脂の分子間又は分子内に架橋結合を生じせしめるラジカル発生剤であり、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジターシャリーブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、ターシャリーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0023】
また、発泡剤としては、ポリエチレン系樹脂の溶融温度以上の分解温度を有する化学発泡剤であり、例えばアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トリニトロトリメチルトリアミン等のニトロソ系化合物;p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン系化合物等が挙げられる。さらに、必要に応じて発泡助剤を用いることも可能であり、発泡助剤としては、例えば尿素を主成分とした化合物;酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物;サリチル酸、ステアリン酸等を主成分とする高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸の金属化合物等を挙げることができる。
【0024】
上記のように得られた発泡・架橋性ポリエチレン系樹脂組成物を、まず(a)加圧下で加熱架橋を行う工程にかけることにより、発泡を抑制しながらゲル化を進行させ架橋反応を進行させ架橋発泡性ポリエチレン系樹脂組成物とする。ここで、加圧下とするためには、例えば成形用等の金型等を利用し、金型をプレスにて加圧することにより加圧下を達成するればよい。また、その際の加工温度としては、本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を得ることが可能であれば制限はなく、その中でも115〜185℃が好ましく、特に150〜170℃において加熱成形することが好ましい。
【0025】
このようにして成形された架橋発泡性ポリエチレン系樹脂組成物は、次いで、(b)常圧下にて加熱し発泡成形を行う工程にかけることにより、常圧下で発泡剤が分解するため該組成物の発泡が行われる。該工程は、例えば(a)の工程を経て得られた架橋発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を所望の断面形状、寸法を有する気密でない、即ち密閉されていない金型中に入れ、該金型の金属板を外部から加熱することによって行うことが可能である。この際の加熱する方法としては、例えば金属板外表面にヒーターを密着させて加熱する方法、金属板に熱媒の流路を設け、ジャケット方式で蒸気、加熱オイル等によって加熱する方法、等の間接加熱する方法;オイルバス中、硝酸ナトリウム,硝酸カリウム,亜硝酸カリウム等の1種又は2種以上の溶融塩を用いる塩浴中、又は窒素気流中で直接加熱する方法等を挙げることができる。そして、所定時間加熱した後、冷却して架橋ポリエチレン系発泡体を得ることができる。その際の加熱温度としては、本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を得ることが可能であれば制限はなく、その中でも140〜210℃が好ましく、特に160〜190℃の範囲に設定することが好ましい。また、加熱時間としては、好ましくは30〜200分、さらに好ましくは50〜180分である。
【0026】
得られた架橋ポリエチレン系発泡体を(c)機械的変形を加えて気泡を連通化する工程にかけることにより、該発泡体の気泡(いわゆる独立気泡)間の気泡膜は容易に破壊され、気泡が連通化されて連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体が得られる。このような機械的変形を加え、連続気泡構造とする装置としては、気泡膜を破壊することが可能であれば制限はなく、例えばロール成形機等の圧縮変形を加える成形機を挙げることができ、その中でもより効率的に気泡膜を破壊することが可能となることから、ロール表面に無数の小さい針を設置したロール成形機が好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例により何等限定されるものではない。
【0028】
〜発泡倍率の測定〜
得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体から立方体を切り出し、その寸法と体積から該発泡体の密度(g/ml)を計算した。発泡成形前の架橋・発泡性樹脂組成物の密度を該発泡体の密度で割ることで発泡倍率を求めた。
【0029】
〜連続気泡率の測定〜
ASTM D 1940−62Tを準拠し、連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の独立気泡率を測定し、100%からその値を減じたものを連続気泡率とした。なお、計算値が100%を越える場合は連続気泡率100%と判断した。
【0030】
〜平均粒径の測定〜
平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA−920)を用いて行った。
【0031】
〜嵩密度の測定〜
JIS K 6721を準拠し測定した。
【0032】
実施例1
高圧法直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、商品名ニポロン−Z ZF230;MFR2.0g/10min.、密度0.920g/cm3)100重量部に対し、ホモポリプロピレン(チッソ株式会社製、商品名チッソポリプロ HT1050;MFR0.5g/10min.、密度0.900g/cm3)を冷凍粉砕して得られたポリプロピレン粒子(嵩密度0.4g/ml,平均粒径40μm)20重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド17重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.7重量部及び発泡助剤として活性亜鉛華0.03重量部を配合し、120℃に設定したミキシングロール(関西ロール製8インチテストロール)にて混練し、架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を調整した。
【0033】
160℃に加熱した金型(100×100×30mm)を有するプレス成形機(三重工業製発泡用プレス機)の金型内に得られた架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を充填し、200kg/cm2の圧力下で50分間保持した後圧力を開放して、発泡倍率が10倍である架橋発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を得た。
【0034】
次いで、得られた該組成物を165℃に加熱した気密でない開閉式の金型(300×300×100mm)に入れ、常圧下で50分間保持した後、冷却し、架橋ポリエチレン系発泡体を得た。そして、ロール間隔20mmに設定した等速二本ロールを有するロール成形機(田辺プラスチック製シート引き取り装置)を用い、得られた架橋ポリエチレン系発泡体を該ロール成形機に5回かけることにより、気泡膜を破壊し、連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を得た。
【0035】
得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、発泡倍率が32倍であり、連続気泡率100%、気泡径約3.0mmであった。また、得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、柔軟性に優れており、強靭なものであった。
【0036】
実施例2
ポリプロピレン粒子(嵩密度0.4g/ml,平均粒径40μm)20重量部の代わりに、ポリプロピレン粒子(嵩密度0.3g/ml,平均粒径25μm)20重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を調整し、連続気泡構造を有する架橋発泡性ポリエチレン系樹脂発泡体を得た。
【0037】
得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、発泡倍率が32倍であり、連続気泡率100%、気泡径約2mmであった。また、得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、柔軟性に優れており、強靭なものであった。
【0038】
実施例3
直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル製、商品名アフィニティーFW1650;MFR3.4g/10min.、密度0.905g/cm3)100重量部に対し、ポリプロピレン(チッソ株式会社製、商品名チッソポリプロXF1800;MFR1.8g/10min.、密度0.900g/cm3)を冷凍粉砕して得られたポリプロピレン粒子(嵩密度0.5g/ml,平均粒径80μm)20重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド17重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.7重量部及び発泡助剤として活性亜鉛華0.03重量部を配合し、115℃に設定したミキシングロール(関西ロール製8インチテストロール)にて混練し、架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を調整した。
【0039】
160℃に加熱した金型(100×100×30mm)を有するプレス成形機(三重工業製発泡用プレス機)の金型内に得られた架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を充填し、200kg/cm2の圧力下で50分間保持した後圧力を開放して、発泡倍率が10倍である架橋発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を得た。
【0040】
次いで、得られた該組成物を165℃に加熱した気密でない開閉式の金型(300×300×100mm)に入れ、常圧下で50分間保持した後、冷却し、架橋ポリエチレン系発泡体を得た。そして、ロール間隔20mmに設定した等速二本ロールを有するロール成形機(田辺プラスチック製シート引き取り装置)を用い、得られた架橋ポリエチレン系発泡体を該ロール成形機に5回かけることにより、気泡膜を破壊し、連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を得た。
【0041】
得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、発泡倍率が33倍であり、連続気泡率100%、気泡径約2mmであった。また、得られた連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、柔軟性に優れており、強靭なものであった。
【0042】
比較例1
ポリプロピレン粒子を添加しないこと以外は、実施例1と同じ方法により架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を調整し、架橋ポリエチレン系発泡体を得た。
【0043】
得られた架橋ポリエチレン系発泡体は、発泡倍率が30倍で柔軟性、強靭性を有するものであったが、連続気泡率10%以下と低くく、連続気泡構造を有する発泡体とは言えないものであった。
【0044】
比較例2
ポリプロピレン粒子20重量部の代わりに、ポリプロピレン粒子40重量部を配合した以外は、実施例1と同様の方法により、架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物の調整及び架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造を試みたが、ガスが散逸してしまい発泡体とすることができなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、特定量のポリプロピレン粒子を含むことから、容易に連続気泡構造を有する発泡体とすることが可能であり、連続気泡率が高く、柔軟性、強靭性に優れ、気泡径の均一なことから極めて工業的価値の高いものである。

Claims (3)

  1. ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部、発泡剤及び架橋剤を配合した架橋・発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を下記の(a)〜(c)の工程を経て加熱架橋発泡し、連続気泡構造とすることを特徴とする、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン粒子1〜30重量部を含有し、連続気泡構造を有する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法。
    (a)加圧下で150〜170℃で加熱架橋を行う工程。
    (b)(a)の工程の後、再度常圧下で加熱し発泡成形を行なう工程。
    (c)(b)の工程の後、得られた架橋ポリエチレン系発泡体に機械的変形を加えて気泡を連通化させる工程。
  2. ポリプロピレン粒子が、嵩密度0.25〜0.5g/ml、平均粒径0.1〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項に記載の架橋エチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 発泡倍率が30倍以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法
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