JP4009690B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圃場内を移動しながら収穫するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
収穫した穀粒を収容するタンクから排出する手段として、パイプに内装した長い縦螺旋及び上下・左右に旋回する横螺旋を利用するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、収穫物には、表皮が柔らかい穀粒、特に、大豆のようなものでは傷がつき、商品価値の低下を生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような課題を解決するコンバインを提供するものであって、つぎのような技術的手段を講じた。すなわち、走行装置(9)を備えた車台(10)の前部に刈取部(11)を設け、該刈取部(11)の後方における車台(10)の左側部に脱穀部(12)を設け、該脱穀部(12)の右側部にタンク(1)を設け、該タンク(1)と刈取部(11)との間の空間部に運転部(13)を設けたコンバインにおいて、前記タンクの下端筒体(21)を設け、該筒体(21)の底面を開口させてタンク排出口を形成し、タンク穀粒案内管(29)に設けた連通口(30)を該タンク排出口)に連通させ回転ファン(27)を内装する送風装置(24)のケース(25)の吐出側端部を第1導風管(28)を介してタンク穀粒案内管(29)の一端部に接続し、該タンク穀粒案内管(29)の他端部に下部穀粒案内管(31)を接続し、該下部穀粒案内管(31)に穀粒排出口(6)を備えた移動穀粒案内管(32)を接続し、横軸芯を有する回転軸)から板状の羽根)を直径方向に突出させて回転羽根構成し羽根(4)の先端を筒体(21)の内壁とタンク穀粒案内管(29)の底壁の近傍に位置させ、前記回転軸(3)の回転時に羽根(4)がタンク排出口(2)内に入る構成とし、前記送風装置(24)からの圧及びタンク(1)内の穀粒による下方への押圧力によって回転羽根(5)の羽根(4)が回転して、タンク(1)内の穀粒を筒体(21)とタンク排 出口(2)及び連通口(30)を介してタンク穀粒案内管(29)に供給する構成としたことを特徴とするコンバインとする。
【0005】
羽根4は圧風及び穀粒の下方への押圧力によって回転し、穀粒をタンク1の筒体21、タンク排出口2及び連通口30を介してタンク穀粒案内管29に供給する。したがって、穀粒は圧風によって風の移動方向と同方向に移動し、その後、穀粒排出口6から機外に排出されてトラック等の収容部に回収される。
【0006】
【効果】
タンク内の穀粒の排出を長い搬送螺旋でするのではなく、また、高速回転する板で跳ねあげるのではなく、風を利用して排出すので、表皮の柔らかい穀粒においても損傷の発生を減少でき、商品価値を高め得る。
また、この穀粒の排出の際に、送風装置24からの圧風及びタンク1内の穀粒による下方への押圧力によって回転羽根5の羽根4を回転させて、タンク1内の穀粒をタンク穀粒案内管29に供給することができる。
また、羽根4の先端を筒体21の内壁とタンク穀粒案内管29の底壁の近くに設けているので、穀粒の掻き出しもよく残粒を少なくできる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、その構成について説明すると、コンバイン8は、普通型のコンバインでって、機体の前進方向に向かって、左右方向に所定の間隔を置いて配置した走行装置9を具備する車台10の前部に油圧式の昇降手段によって昇降自在に刈取部11を設け、該刈取部11の後方で車台10の左側部に脱穀部12を設け、該脱穀部12の右側部にタンク1を設け、該タンク1と刈取部11との間の空間部に運転部13を設けている。
【0008】
刈取部11は分草装置14と、回転式の掻き込みリ−ル15と、刈取装置16と、刈取った穀稈を後方上方に搬送するエレベ−タ型の穀稈搬送装置17とを一体に構成し、昇降シリンダ18により昇降自在に構成している。
脱穀部12は穀稈搬送装置17が搬送してきた穀稈の全部を受け入れて、回転するシリンダ−でもって脱穀処理し、網から漏下した処理物を唐箕、揺動選別棚等の選別装置で選別する形態であって全稈投入型の構成とした周知のものと同形態である。そして、選別した穀粒は選別室の一側部に搬送し、上下方向に回転する無端ベルトに所定間隔置きに穀粒を汲み上げて収容する設けたバケット型の昇降機20でもって上方に搬送する。
【0009】
タンク1は傾斜面により下部を細くし、この下端部に筒体21を形成した中空形状の箱体であって、上端部を前記昇降機20の上部に設けた昇降機排出口22に連通し、後側部に設けた上下に配置した回動軸芯を中心にして横外方に向けて開放できる構成としている。そして、該筒体21は底面を開口してタンク排出口2を形成すると共に、端部を軸受体23により回転可能に設けた横軸芯を有する回転軸3と、回転軸3の外面から直径方向に突出して外周を略4等分する位置に固定した板状の羽根4を備えた回転羽根5を設けている。なお、該羽根4は正面視半円形状に形成し且つ回転軸3の回転時に筒状内に位置すると共に先端を筒体内壁及び後述するタンク穀粒案内管29の底壁近くに位置する構成としている。
【0010】
送風装置24はケ−ス25とケ−ス25に内装し且つモ−タ26を駆動源とし回転数を調節可能に設けた回転ファン27により構成している。そして、このケ−ス25の吐出側端部は導風管(第1導風管)28を介して穀粒案内管7を構成する後述のタンク穀粒案内管29の一端部に着脱自在に接続している。
穀粒案内管7は中間部にタンク排出口2と連通する連通口30を設けて固定している前記タンク案内管29と、一端部を導風管28との接続側とは反対側部のタンク穀粒案内管29に着脱自在に取付けると共に他端部を上方に向けてL状に屈曲した下部穀粒案内管31と、基部を下部穀粒案内管31に対して縦軸回りに回動可能に取付けた縦部と先端部に穀粒排出口6を形成した横部とからなるL状に形成した可撓性を有する移動穀粒案内管32とを備えている。
【0011】
そして、該移動穀粒案内管32の縦部の基部は正逆転モ−タ33を駆動源として作動するギヤ等により構成された伝動機構34によって下部穀粒案内管31に対して正・逆回動し得る構成である。また、移動穀粒案内管32の横部の基部は油圧により伸縮するピストンやシリンダ等からなる昇降装置35によって昇降可能に設けた機枠37に着脱自在に取り付けている。なお、ピストンの伸縮は油圧バルブ36の切替により行なう構成であって、一般の手段と同形態である。
【0012】
キャビン38に内装している運転部13は背もたれを有する座席39と、機体の前進方向に向かって座席の左横側部と前方にかけて左側操作壁40と前側操作壁41は逆L字型に配置し、そして、該左側操作壁40と前側操作壁41により形成したコ−ナ−部における左側操作パネルの前端部に、内側を低く外側(コ−ナ−側)を高くして座席に対向するように斜めに設けていると共に回転表示具、タンク1に収容している籾量を表示する籾量表示具、燃料表示具等を有する計器パネルを設けている。
【0013】
また、左側操作パネル40には車速を変速する変速レバ−(HSTレバ−)を、車速を副変速する副変速レバ−を、脱穀部への動力を入り切りする脱穀レバ−を、刈取部への動力を入り切りする刈取レバ−を夫れ夫れ前後方向に回動自在に設けている。さらに、左側操作壁の右側(内側)に形成した斜面部の前部にエンジンの回転数を調節するスロットルレバ−を回動自在に設けている。なお、前記計器パネルは変速レバ−を最前(最高速)側に回動したときにおいても、座席39に座った運転者が計器パネルの各表示具を目視し得る位置に設け、機体各部の異常有無などの運転状況を容易に把握できるように設けている。そして、計器パネルのカバ−は透明で且つ紫外線、熱戦等を減少又はカットする素材で上部を高く形成し、表示具の劣化を防止している。
【0014】
前側操作パネル41の上部に、ブザ−停止スイッチ、表示切り替えスイッチ、作業灯スイッチ、ウインカ及びホ−ンスイッチ、キ−スイッチ等を設け、右側端部に操作レバ−を設けている。操作レバ−42は前後に傾倒すると刈取部を昇降し、左右に傾倒すると機体の進行方向を変更する構成であり、昇降や進行方向の変更の切り替えを検出するスイッチ43,44,45,46を入り切りし且つ上端が座席側(運転者側)に位置するように斜めに突出するレバ−、レバ−の上端部に設けた握り具、レバ−の中間部から下部を覆う可撓性のカバ−等を設けている。
【0015】
そして、該操作レバ-42の傾倒により入り切りするスイッチ43,44,45,46は、リミットスイチのような接触式、光電スイッチのような非接触式式、ポテンショメ−タや差動トランスでもよく、例えば、入りになると、マイクロコンピュ−タのCPU47からの指令信号によりアクチュエ−タを作動して、油圧シリンダ等の伸縮により刈取部の昇降、操向クラッチやブレ−キの入切により機体の進行方向を変更する構成である。
【0016】
図6のブロック図を説明すると、47は必要なデ−タや制御プログラム等を内蔵するメモリを有するマイクロコンピュ−タの演算制御部(以下CPUと呼ぶ)であって、算術・論理及び比較演算等の作業を行なう。
そして、該CPU47に入力インタ−フェイス48を介して入力する主な情報として、操作レバ-42の傾倒により入り切りするスイッチ43,44,45,46からの刈取部昇降情報及び機体の左・右旋回情報、穀粒排出スイッチ50からの穀粒排出情報、移動穀粒案内管旋回スイッチ51からの移動穀粒案内管旋回情報、移動穀粒案内管昇降スイッチ52からの移動穀粒案内管昇降情報等があり、また、CPU47から出力インタ−フェイス49を介して出力される信号としてモ−タ26への駆動指令信号、正逆転モ−タ33への駆動指令信号、移動穀粒案内管32の昇降用の油圧バルブ36への切替信号、刈取部昇降用の油圧バルブ53への切替信号、機体旋回用の旋回用バルブ54への切替信号等がある。
【0017】
つぎに、その作用について説明する。
まず、運転者はキャビン38のドアを開閉して座席39に座り、駐車ブレ−キペダルを踏み込んでキ−をキ−スイッチに入れエンジンを起動すると、エンジンから出力された動力は伝動機構を介して機体の回転各部に伝動される。
そして、スロットルレバ−を回動してエンジンを所定回転数に選択すると共に、副変速レバ−を前側に回動して、例えば標準を選択し、さらに脱穀レバ−及び刈取レバ−を操作して脱穀部12、刈取部11を駆動すると、機械条件等が計器パネルの各表示具に表示される。
【0018】
収穫作業の準備を終えると、駐車ブレ−キペダルの踏み込みを解除し、つづいて変速レバ−を前側に回動して機体を前進させると共に操作レバ−42を前又は後方向に傾倒してスイッチ43又は44を入りにする。すると、入力インタ−フェイス48を介して刈取部昇降情報を取り込んだCPU47は、出力インタ−フェイス49を介して刈取部昇降用の油圧バルブ53へ切替信号を出力して昇降シリンダ18を伸縮して刈取部11を所望の位置まで昇降する。
【0019】
操作レバ−42を左右に傾倒してスイッチ45又は46を入りにすると、入力インタ−フェイス48を介して機体旋回(左側又は右側への機体の進行方向の修正)情報を取り込んだCPU47は、出力インタ−フェイス49を介して機体旋回用の油圧バルブ54へ切替信号を出力して左旋回シリンダ又は右旋回シリンダ(図示せず)を作動して機体の進行方向を所望の位置まで旋回する。
【0020】
このように、刈取部11の対地高さ、機体の進行方向を変更しながら分草装置14を所定の条間に合わせる。すると、回転する掻き込みリ−ル15って後方に掻き込まれた穀稈の株元部は、刈取装置16によって切断された後穀稈搬送装置17に受け継がれ後方上方に搬送される。
そして、搬送終端部に到達した穀稈は脱穀部12の扱室内に送り込まれて処理される。これにより生じた処理物は風選されて穀粒とわら屑に分離された穀粒は上下方向に移動する昇降機20のバケットに汲み上げられて揚穀され、この揚穀終端部からタンク1に送り込まれて収容される。
【0021】
その後、タンク内の穀粒が満杯になると、運転者は収穫作業を中断して移動穀粒案内管昇降スイッチ52を入りにすると、移動穀粒案内管昇降情報を入力したCPU47は、出力インタ−フェイス49を介して油圧バルブ36へ切替信号を出力するので、昇降装置35の昇降シリンダは伸びて機枠37を介して移動穀粒案内管32を上昇する。
【0022】
つぎに、移動穀粒案内管旋回スイッチ51を入りにすると、移動穀粒案内管旋回情報を入力したCPU47は、出力インタ−フェイス49を介して正逆転モ−タ33に正転の起動信号を出力する。すると、移動穀粒案内管32は伝動機構34を介して左回りに旋回するが、その後、作業者が所望する位置に到達したと判断して移動穀粒案内管旋回スイッチ51を切りにすると、正逆転モ−タ33はCPU47の指令により停止する。
【0023】
そして、運転者は収穫作業を中断して移動穀粒案内管昇降スイッチ52を入りにすると、移動穀粒案内管昇降情報を入力したCPU47は、出力インタ−フェイス49を介して油圧バルブ36へ切替信号を出力し、これに関連して、昇降装置35の昇降シリンダは短くなって機枠37を介して移動穀粒案内管32を下降するので、所定位置に到達したときに移動穀粒案内管昇降スイッチ52を切りにする。すると、CPU47から出力していた油圧バルブ36への信号の出力を停止するので、移動穀粒案内管32の下降も停止する。
【0024】
なお、移動穀粒案内管32が所望する位置以上に移動したとき、あるいはもとの位置に復帰させる場合には、移動穀粒案内管旋回スイッチ51を入りにして、CPU47から出力インタ−フェイス49を介して正逆転モ−タ33に逆転の起動信号を出力すればよい。
つぎに、穀粒排出スイッチ50を入りにすると、穀粒排出情報を入力したCPU47は、出力インタ−フェイス49を介してモ−タ26に起動信号を出力するので、これに関連して回転ファン27は回転する。すると、回転ファン27による圧風は導風管28、タンク穀粒案内管29、下部穀粒案内管31、移動穀粒案内管32の縦部及び横部を通って先端部に形成した穀粒排出口6から機外に排出する。
【0025】
このとき、回転羽根5の回転軸3は軸受体23によって回転自在に設けているので、羽根4は圧風及び穀粒の下方への押圧力によって矢印に示す方向に回転し、穀粒をタンク1の筒体21、タンク排出口2及び連通口30を介してタンク穀粒案内管29に供給する。したがって、穀粒は圧風によって風の移動方向と同方向に移動し、その後、穀粒排出口6から機外に排出されてトラックや運搬者等の収容部に回収される。そして、穀粒の排出作業を終えると、穀粒排出スイッチ50を切りにして回転ファン27を停止する。
【0026】
タンク1に貯留した穀粒は圧風により機外に排出するので、穀粒表面の損傷を減少でき、商品価値を向上することができる。そして、風は羽根によって、タンク内側への侵入を少なくできるので、タンク1からの穀粒排出を円滑にする。また、羽根4の先端は筒体21、タンク穀粒案内管29の内壁近くに設けているので、穀粒の掻きだしもよく残粒を防止できる。
【0027】
【別実施例】
タンク1の筒体21の下部に回転可能に設けた横軸螺旋55を有する横搬送装置56を連通し、この横搬送装置56の搬送終端部に下方に下り傾斜させて形成した排出路57の下端部を導風管28と連通した下部穀粒案内管31に連通している。筒体21から落下した穀粒は横搬送装置56の横軸螺旋55によって、排出方向側に搬送され、その後、排出路57を通って下部穀粒案内管31に入り、回転ファン27の圧風によって前記実施例と同様に穀粒排出口6から機外に排出される。
【0028】
圧風はタンク側に入ることによる穀粒排出への支障や、タンク1から圧風の通る通路まで穀粒を確実に搬送できるので、穀粒排出作業能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの右側面図。
【図2】 コンバインの左側面図。
【図3】 一部切除したタンク下部の側面図。
【図4】 一部切除したタンク下部の正面図。
【図5】 別実施例の一部切除したタンク下部の側面図。
【図6】 ブロック回路。
【符号の説明】
1 タンク
2 タンク排出口
3 回転軸
4 羽根
5 回転羽
6 穀粒排出口
7 穀粒案内管
走行装置
10 車台
11 刈取部
12 脱穀部
13 運転部
21 筒体
24 送風装置
25 ケース
27 回転ファン
28 導風管(第1導風管)
29 タンク穀粒案内管
30 連通口
31 下部穀粒案内管
32 移動穀粒案内管

Claims (1)

  1. 走行装置(9)を備えた車台(10)の前部に刈取部(11)を設け、該刈取部(11)の後方における車台(10)の左側部に脱穀部(12)を設け、該脱穀部(12)の右側部にタンク(1)を設け、該タンク(1)と刈取部(11)との間の空間部に運転部(13)を設けたコンバインにおいて、前記タンクの下端筒体(21)を設け、該筒体(21)の底面を開口させてタンク排出口を形成し、タンク穀粒案内管(29)に設けた連通口(30)を該タンク排出口)に連通させ回転ファン(27)を内装する送風装置(24)のケース(25)の吐出側端部を第1導風管(28)を介してタンク穀粒案内管(29)の一端部に接続し、該タンク穀粒案内管(29)の他端部に下部穀粒案内管(31)を接続し、該下部穀粒案内管(31)に穀粒排出口(6)を備えた移動穀粒案内管(32)を接続し、横軸芯を有する回転軸)から板状の羽根)を直径方向に突出させて回転羽根構成し羽根(4)の先端を筒体(21)の内壁とタンク穀粒案内管(29)の底壁の近傍に位置させ、前記回転軸(3)の回転時に羽根(4)がタンク排出口(2)内に入る構成とし、前記送風装置(24)からの圧及びタンク(1)内の穀粒による下方への押圧力によって回転羽根(5)の羽根(4)が回転して、タンク(1)内の穀粒を筒体(21)とタンク排出口(2)及び連通口(30)を介してタンク穀粒案内管(29)に供給する構成としたことを特徴とするコンバイン
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