JP4009229B2 - 立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法及び装置 - Google Patents

立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法及び装置に係り、特に、平坦な先端面を有する立上り部が、外周部乃至は端部に一体的に設けられた板状金属製品を製造する方法と、その方法の実施に際して有利に用いられ得る装置とに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、金属製の円板や円環板の外周部に円筒部やテーパ筒部等が一体的に設けられた金属製品や、矩形形状等の多角形状を呈する金属板の端部に対して、直立若しくは傾斜した壁部等が一体形成された金属製品等、所謂、外周部乃至は端部に立上り部が一体的に設けられた板状金属製品は、一般に、目的とする板状金属製品に対応した円形状、円環形状、或いは多角形状を呈する金属製の板状素材に対して、曲げや絞りを行なうプレス加工が施されて、製造されている。
【0003】
ところで、そのような板状金属製品が、例えば精密部品等に使用される際には、外周部や端部に設けられる立上り部の先端面が平坦面とされて、かかる平坦な先端面の平面度の許容公差が厳しく制限される。このため、そのような高い平面精度を有する立上り部が一体形成された板状金属製品は、通常、金属製の板状素材に対して上述の如きプレス加工を行なって、立上り部を形成した後、かかる立上り部に対して、切削による二次加工が実施されて、製造されている。
【0004】
ところが、そのように、平面精度の高い先端面を有する立上り部が一体形成された板状金属製品を得るべく、金属製の板状素材をプレス加工して得られた、立上り部を有する中間成形品に対して、切削加工を行なう場合には、旋盤やフライス盤、研磨機等のプレス加工機とは全く異なる種類の工作機械が、新たに必要となり、それによって、プレス加工のみによって板状金属製品を製造する場合に比して、製造コストが著しく高騰するといった問題が惹起されていた。しかも、切削加工の後には、カエリやバリを除去するための余分な作業を行なう必要が不可避的に生じるため、目的とする板状金属製品の製造時における作業性が低下するといった不具合も生じていたのである。
【0005】
なお、平面精度の高い先端面を有する立上り部が一体形成された板状金属製品を製造するには、例えば、板状素材を曲げ加工や絞り加工して得られた、立上り部を有する中間成形品を、目的とする金属製品の形状に対応した形状の成形キャビティ内に押し込む圧縮加工を行なう手法を採用することも、考えられる。このような手法によれば、切削加工を何等行なうことなく、プレス加工のみが実施されるのであり、それ故に、切削加工の実施によって生ずる、前記せる如き経済面や作業面での問題が、有利に解消され得ることとなる。
【0006】
しかしながら、上述の如き中間成形品に対する1回の圧縮加工によって、目的とする金属製品を一挙に得ようとすると、通常の曲げ加工や絞り加工よりも極めて大きなプレス加工圧にて、中間成形品を成形キャビティ内に押し込まなければならず、それには、より大型で且つ高価である非汎用的なプレス機が必要となり、結局、コストアップとなってしまうことが避けられないのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その第一の解決課題とするところは、平面精度の高い先端面を有する立上り部が、外周部乃至は端部に一体形成された板状金属製品を、可及的に低いコストで、しかも作業性良く得ることが出来る製造方法を提供することにあり、また、そのような製造方法の実施に際して有利に用いられ得る板状金属製品の製造装置を提供することを、その第二の課題とするものである。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる第一の課題を解決するために、平坦な先端面を有する立上り部が、外周部乃至は端部に一体的に設けられた板状金属製品を製造する方法であって、(a)前記板状金属製品を与える金属製の板状素材を準備する工程と、(b)該準備された板状素材に対して曲げ若しくは絞りを行なう第一のプレス加工を施して、該板状素材の外周部乃至は端部を、前記板状金属製品に設けられる前記立上り部よりも緩やかに傾斜するように屈曲せしめることにより、該立上り部を与える屈曲部が外周部乃至は端部に一体形成されてなる第一中間成形品を成形する工程と、(c)第一の押圧部材を用いて、前記第一中間成形品の前記屈曲部を、その先端側部位の外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように押圧して、前記立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状の内面と該立上り部の体積よりも大なる容積とを有する第一の成形キャビティ内に、該屈曲部を押し込む第二のプレス加工を、該第一中間成形品に対して行なうことにより、該屈曲部から前記先端部位の外側部分の一部が剪断せしめられると共に、該屈曲部の基部側部位の外側部分の表面形状が該立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状に成形されてなる第二中間成形品を成形する工程と、(d)前記立上り部の先端面に対応した平坦な押圧面を有する第二の押圧部材を用いて、前記第二中間成形品の前記屈曲部を、その先端部位の前記外側部分と前記内側部分との間に剪断応力が生ずるように更に押圧して、前記立上り部の形状に対応した形状を有する第二の成形キャビティ内に該屈曲部を押し込む第三のプレス加工を、該第二中間成形品に対して行なうことにより、該屈曲部から該先端部位の外側部分を更に剪断せしめつつ、該屈曲部を該立上り部の形状に対応した形状に成形して、該立上り部を有すると共に、該立上り部に対して、該屈曲部の先端部位の外側部分が薄肉の連結部のみにて連結されてなる第三中間成形品を成形する工程と、(e)第三の押圧部材を用いて、前記第三中間成形品の前記連結部に剪断応力が生ずるように、該立上り部を押圧する第四のプレス加工を、該第三中間成形品に対して行なうことにより、該連結部を剪断せしめて、前記屈曲部の先端部位の外側部分を該立上り部から切り離す工程とを含むことを特徴とする、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法を、その要旨とするものである。
【0009】
すなわち、この本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法にあっては、金属製の板状素材に対して、第一乃至第四のプレス加工を段階的に行なうことによって、平坦な先端面を有する立上り部が一体形成された、目的とする板状金属製品を製造することが出来るのであって、板状素材から板状金属製品を得る間の工程では、切削加工が何等行なわれることがない。また、かかる本発明手法では、第三のプレス加工において、平面精度の高い押圧面を有する押圧部材を用いることによって、立上り部の先端面の平面精度を十分に高めることが出来る。
【0010】
それ故、このような本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法においては、切削加工機等を全く用いずに、プレス加工機のみによって、平面精度の高い平坦な先端面を有する立上り部が一体形成された、目的とする板状金属製品を得ることが出来る。また、切削によって生ずるカエリやバリ等が、板状金属製品を得る途中で成形される中間成形体や板状金属製品に発生するようなことがなく、それによって、そのようなカエリやバリを除去するために行なわれる余分な作業を行なう必要も、有利に解消され得る。
【0011】
しかも、かかる本発明手法における第一乃至第四のプレス加工のうち、第一のプレス加工は、金属素材に対して曲げや絞りを行なって、立上り部を与える屈曲部を形成するもので、そのような曲げ加工や絞り加工では、通常に用いられるプレス機が十分に使用され得るのであり、特別に大きなプレス加工圧は、何等必要とされない。
【0012】
また、第二のプレス加工と第三のプレス加工は、第一のプレス工程で形成された屈曲部のうち、立上り部の形成には必要のない余分な部分である先端部位の外側部分を屈曲部から剪断しつつ、残りの部分を、先ず、立上り部の体積よりも大なる容積を有することにより材料の逃げ部が確保された第一の成形キャビティ内に押し込む圧縮加工を行なうことによって、屈曲部の基部側部位の外側部分の表面形状のみを立上り部の表面形状に対応した形状に成形し、次いで、立上り部の全体形状に対応した形状を有する第二の成形キャビティ内に押し込む圧縮加工を行なうことによって、立上り部を形成するものである。即ち、この第二及び第三のプレス加工では、各成形キャビティ内に押し込まれる屈曲部の体積が制限されつつ、かかる屈曲部に対する圧縮加工が、段階的に実施される。それ故、例えば、第一のプレス工程で形成された屈曲部の全体を、立上り部に対応した形状を有する成形キャビティ内に押し込んで、立上り部を一挙に成形する圧縮加工を行なう場合よりも、第二のプレス加工と第三のプレス加工のそれぞれが、十分に小さなプレス加工圧で、有利に実施され得る。
【0013】
さらに、第四のプレス加工は、第二及び第三のプレス加工により屈曲部から部分的に剪断された屈曲部の先端部位の外側部分と屈曲部の一部から成形された立上り部とを連結する薄肉の連結部を剪断する剪断加工を行なうだけであるため、この加工においても、通常に用いられるプレス機が十分に使用され得るのであり、特別に大きなプレス加工圧が、何等必要とされない。
【0014】
かくして、本発明手法においては、第一乃至第四のプレス加工をそれぞれ実施する際に必要とされるプレス加工圧が、例えば、立上り部を与える板状素材部分に対して1回の圧縮加工を行なって、目的とする立上り部を備えた板状金属製品を一挙に得る場合に必要とされるプレス加工圧に比して、極めて有利に小さく為され得るのであり、それ故に、大型で且つ高価なプレス機を何等用いることなく、通常に使用される汎用的なプレス機が、十分に使用可能となっている。
【0015】
従って、かくの如き本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法によれば、平面精度の高い先端面を有する立上り部が外周部乃至は端部に一体形成された板状金属製品を、可及的に低いコストで、しかも優れた作業性をもって製造することが出来るのである。
【0016】
なお、このような本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記第二中間成形品を成形する前記第二のプレス加工において、前記屈曲部の先端部位における内側角部の頂点を少なくとも含む前記外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように、該屈曲部が、前記第一の押圧部材にて押圧されるように構成される。
【0017】
このような構成を採用すれば、第二のプレス加工において、第一の押圧部材と第二の押圧部材の押圧面が、屈曲部の内面(内側部分の表面)に接触して、実質的には、屈曲部の内側角部よりも内側部分、つまり、断面形状が三角形形状を呈する部分が、第一の押圧部材にて押圧されて、圧縮せしめられることとなるため、例えば、断面形状が矩形形状を呈する部分を押圧して圧縮する場合に比して、圧縮に要される加工圧が有利に小さく為され得る。
【0018】
従って、かくの如き本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法にあっては、目的とする板状金属製品が、加工圧の小さな、より小型のプレス機を用いて製造され得るのであり、それが、製造コストの低減に、大きく寄与し得ることとなる。
【0019】
そして、本発明にあっては、前述せる如き第二の技術的課題の解決のために、平坦な先端面を有する立上り部が、外周部乃至は端部に一体的に設けられた板状金属製品を製造する装置であって、(a)第一のダイスと第一のパンチとを含み、前記板状金属製品を与える金属製の板状素材を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第一のパンチを、その他方側に配置された第一のダイスに接近移動せしめて、該板状素材に対して曲げ加工若しくは絞り加工を行なうことにより、該板状素材の端部を、前記板状金属製品に設けられる立上り部よりも緩やかに傾斜するように屈曲せしめて、該立上り部を与える屈曲部が外周部乃至は端部に一体形成されてなる第一中間成形品を成形する第一のプレス手段と、(b)第二のダイスと、前記第一中間成形品における前記屈曲部の先端部位の外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように、該屈曲部を押圧する第一の押圧部を備えた第二のパンチとを含むと共に、該第二のダイスに対する該第二のパンチの接近移動によって、それら第二のダイスと第二のパンチとの間に、前記立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状の内面と該立上り部の体積よりも大なる容積とを有する第一の成形キャビティを形成するように構成されたプレス手段であって、前記第一中間成形品を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第二のパンチを、その他方側に配置された第二のダイスに接近移動せしめることにより、前記屈曲部を該第二のパンチの前記第一の押圧部にて押圧して、前記第一の成形キャビティ内に押し込むことによって、該屈曲部から前記先端部位の外側部分の一部が剪断せしめられると共に、該屈曲部の基部側部位の外側部分の表面形状が該立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状に成形されてなる第二中間成形品を成形する第二のプレス手段と、(c)第三のダイスと、前記第二中間成形品における前記屈曲部の先端部位の外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように、該屈曲部を押圧する、前記立上り部の先端面に対応した平坦な押圧面を備えた第二の押圧部を有する第三のパンチとを含むと共に、該第三のダイスに対する該第三のパンチの接近移動によって、それら第三のダイスと第三のパンチとの間に、前記立上り部の形状に対応した形状を有する第二の成形キャビティを形成するように構成されたプレス手段であって、前記第二中間成形品を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第三のパンチを、その他方側に配置された第四のダイスに接近移動せしめることにより、前記屈曲部を該第三のパンチの前記第二の押圧部にて押圧して、前記第二の成形キャビティ内に押し込むことによって、該屈曲部から前記先端部位の外側部分を更に剪断せしめつつ、該屈曲部を該立上り部の形状に対応した形状に成形して、該立上り部を有すると共に、該立上り部に対して、前記屈曲部の先端部位の外側部分が薄肉の連結部のみにて連結されてなる第三中間成形品を成形する第三のプレス手段と、(d)第四のダイスと、前記第三中間成形品の連結部に剪断応力が生ずるように、該第三中間成形品の前記立上り部を押圧する第三の押圧部を有する第四のパンチとを含み、該第三中間成形品を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第四のパンチを、その他方側に配置された第四のダイスに接近移動せしめて、該立上り部を該第三の押圧部にて押圧することにより、前記連結部を剪断せしめて、前記屈曲部の先端部位の外側部分を該立上り部から切り離す第四のプレス成形手段とを含んで構成したことを特徴とする、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造装置をも、また、その要旨とするものである。
【0020】
すなわち、この本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造装置にあっては、第一乃至第四のプレス手段によって、前述せる、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法における第一乃至第四のプレス加工が、確実に実施され得る。
【0021】
従って、このような本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造装置を用いれば、前述せる如き特徴的な板状金属製品の製造方法を確実に且つ有利に行なうことが出来、それによって、平面精度の高い先端面を有する立上り部が外周部乃至は端部に一体形成された板状金属製品が、優れた経済性と作業性とをもって、極めて有利に製造され得ることとなるのである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る板状金属製品の製造方法と装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0023】
先ず、図1には、本発明手法に従って、本発明に従う製造装置を用いて製造された板状金属製品の一例が、その縦断面形態において、概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、この板状金属製品10は、全体として、中心部に円形の中心孔12が設けられた円環板形状を有している。そして、その外周部には、立上り部14が、一体形成されている。
【0024】
また、この立上り部14は、板状金属製品10の外周部に対して、その板厚方向に所定高さ突出し、且つ周方向に連続して延びる略円筒形状を呈しており、その外側面16が、凸状湾曲面形状とされている一方、内側面18が、凹状湾曲面形状とされている。そして、かかる立上り部14の先端面20が、板状金属製品10の内周部の板厚方向の両面に対して平行に延びる、平面精度の高い平坦面とされている。
【0025】
なお、ここでは、板状金属製品10の板厚:tが3.2mm、外径:d1 が103mm、内径:d2 が96.6mm、立上り部14の高さ:h1 が5mm、立上り部14の内側段差寸法:nが1.8mm、立上り部14の外側面16の曲率半径:R1 が5mmとされている。そして、このような板状金属製品10の設計寸法に対する立上り部14の高さの許容公差が0.5mm以内で、且つ立上り部14の先端面20の全面における平面度の許容公差が0.2mm以内とされている。
【0026】
而して、このような立上り部14を有する板状金属製品10は、例えば、図2乃至図10にそれぞれ示される如き第一乃至第五プレス加工装置22,24,26,28,30を備えた製造装置を用いて、製造されることとなる。
【0027】
より具体的には、この製造装置を構成する第一プレス加工装置22は、図2から明らかなように、位置固定のダイスホルダ32と、その上方に所定距離を隔てて対向配置されて、公知の油圧機構等(図示せず)によって、上下方向に移動せしめられるパンチホルダ34とを有している。そして、かかるダイスホルダ32のパンチホルダ34との対向面上には、略厚肉円筒状の打抜きダイス36が固定されている。一方、パンチホルダ34のダイスホルダ32との対向面上には、打抜きダイス36の内径よりも僅かに小さな外径を有する円柱状の内側打抜きパンチ38と、打抜きダイス36の外径よりも僅かに大きな内径を有する厚肉円筒状の外側打抜きパンチ40とが、径方向に所定距離を隔てつつ、同軸的に配置された状態で、固定されている。
【0028】
これによって、第一プレス装置22においては、パンチホルダ34の図示しない油圧機構等による下方や上方への移動に伴って、内側打抜きパンチ38と外側打抜きパンチ40とが、打抜きダイス36に対して接近/離隔移動せしめられるようになっている。そして、目的とする板状金属製品10を与える、金属製の円板状素材21が、打抜きダイス36上にセットされた状態下で、各パンチ38,40が下方に移動して、打抜きダイス36に接近せしめられることにより、それら各パンチ38,40に対して、円板状素材21が接触せしめられ、また、各パンチ38,40の更なる下方への移動によって、円板状素材21のうち、内側打抜きパンチ38に接触せしめられる中心部と外側打抜きパンチ40に接触せしめられる外周部とが剪断せしめられるようになっており、以て、打抜きダイス36に接触せしめられる円板状素材21の内周部の円環状部分を円板状素材21から打ち抜いて、円環板状素材23を形成する打抜き加工が行なわれるように構成されている。
【0029】
なお、図2中、42,44は、目的とする板状金属製品10を与える、金属製の円板状素材21が、打抜きダイス36上にセットされた状態下で、内側打抜きパンチ38と外側打抜きパンチ40とが下方に移動せしめられて、打抜きダイス36に接近せしめられた際に、それら各パンチ38,40と打抜きダイス36との間で、円板状素材21を部分的に挟圧保持する押えパッドである。また、ここでは、内側打抜きパンチ38の外径が、目的とする板状金属製品10の中心孔12の径と同一寸法とされており、更に、外側打抜きパンチ40の内径:d3 が、板状金属製品10の外径:d1 よりも十分に大きな110mmとされている。
【0030】
また、図3に示される如く、第一のプレス手段としての第二プレス加工装置24も、位置固定のダイスホルダ46と、その上方に所定距離を隔てて対向配置されて、公知の油圧機構等(図示せず)によって、上下方向に移動せしめられるパンチホルダ48とを有している。そして、このダイスホルダ46のパンチホルダ48との対向面上には、厚肉円筒状の、第一のダイスとしての絞りダイス50が固定されている。また、かかる絞りダイス50の上端部の内側角部には、内面が凹状湾曲面とされた第一切欠凹所52が、周方向に連続して延びる略円環溝形態をもって、形成されている。
【0031】
一方、パンチホルダ48のダイスホルダ46との対向面上には、絞りダイス50よりも一周り小さな略厚肉円筒形状を呈する、第一のパンチとしての絞りパンチ54が、固定されている。また、この絞りパンチ54の下端面には、その内周部が所定寸法突出せしめられてなる第一押圧突部56が一体的に形成されており、更に、かかる第一押圧突部56の外周面は、上方に向かって次第に大径化するテーパ面とされている。また、このような第一押圧突部56の周囲を取り囲むように位置せしめられた絞りパンチ54の下端面の外周部は、平坦な押圧面58とされている。
【0032】
これによって、第二プレス装置24においては、図3及び図4から明らかなように、パンチホルダ48の図示しない油圧機構等による下方や上方への移動に伴って、絞りパンチ54が、絞りダイス50に対して接近/離隔移動せしめられるようになっている。また、第一プレス装置22にて、板状素材21から加工された円環板状素材23が、絞りダイス50の内側に配置されたブランクホルダ60の位置決め突起62に外嵌されて、支持された状態下で、絞りパンチ54が下方に移動して、絞りダイス50に接近せしめられることにより、円環板状素材23の内周部が、絞りパンチ54の第一押圧突部56とブランクホルダ60との間で挟圧保持される。そして、絞りパンチ54の更なる下方への移動によって、円環板状素材23が、絞りパンチ54と絞りダイス50との間で、絞り加工されて、かかる円環板状素材23の外周部が、上方に向かって次第に大径化するテーパ筒状に屈曲変形せしめられ、以て、外周部に、上方に向かって拡径するテーパ筒状の屈曲部25が一体形成された第一中間成形体27が、円環板状素材23から加工されるようになっているのである。
【0033】
なお、ここでは、絞りダイス50における第一切欠凹所52の深さ:m1 が、立上り部14の高さ:h1 よりも小さい4.5mmとされている。また、かかる第一切欠凹所52の外径:d4 が、板状金属製品10の外径:d1 よりも僅かに大きな104mmとされている一方、絞りパンチ54における押圧突部60の先端面の外径:d5 が板状金属製品10の内径:d2 よりも僅かに大きな98.8mmとされており、それら第一切欠凹所52の外径:d4 と押圧突部60の先端面の外径:d5 との差が、板状金属製品10の板厚:tよりも十分に大きくされている。更に、第一押圧突部56の中心軸に平行な直線に対する第一押圧突部56の外周面の傾斜角度:θが10°とされている。
【0034】
さらに、図5に示されるように、第二のプレス手段としての第三プレス装置26も、第一及び第二プレス装置22,24と同様な構造により相対的に接近/離隔移動可能に対向配置されたダイスホルダ64とパンチホルダ66とを有している。そして、このダイスホルダ64のパンチホルダ66との対向面上には、厚肉円筒状の、第二のダイスとしての押込みダイス68が固定されている。また、かかる押込みダイス68の上端部の内側角部には、内面が、板状金属製品10の外側面16に対応した凹状湾曲面形状とされた第二切欠凹所70が、前記第二プレス装置24の絞りダイス50に設けられた第一切欠凹所52と同様に、周方向に連続して延びる略円環溝形態をもって、形成されている。
【0035】
一方、パンチホルダ66のダイスホルダ64との対向面上には、押込みダイス68よりも一周り小さな略厚肉円筒形状を呈する、第二のパンチとしての押込みパンチ72が、固定されている。また、かかる押込みパンチ72の下端面には、その内周部が所定寸法突出せしめられてなる第二押圧突部74が、一体的に形成されている。更に、この第二押圧突部74は、その基部側部位が先端側部位よりも大径化された段付の円柱形状を呈しており、大径の基部側部分が、角張った直角コーナー部76を有する、高さの低い基部側段部78とされている一方、小径の先端側部分が、凸状湾曲面形状を呈する湾曲コーナー部80を有する先端側段部82とされている。
【0036】
そして、このような押込みパンチ72にあっては、第二押圧突部74の先端側段部82が、湾曲コーナー部80において、押込みダイス68における第二切欠凹所70の内面の内側部分に対向位置せしめられている。また、第二押圧突部74の基部側段部78が、その平坦な先端面の内側部分において、押込みダイス68における第二切欠凹所70の内面の外側部分に対向位置せしめられていると共に、かかる基部側段部78の直角コーナー部76が、押込みダイス68における第二切欠凹所70の開口周縁部位に対して、対向位置せしめられている。
【0037】
これによって、第三プレス装置26では、パンチホルダ66の下方や上方への移動に伴って、押込みパンチ72が、押込みダイス68に対して接近/離隔移動せしめられるようになっており、また、図6から明らかなように、押込みパンチ72が下方に移動せしめられて、押込みダイス68に対して接近せしめられた際に、押込みダイス68の第二切欠凹所70の内面と、押込みパンチ72の第二押圧突部74における先端側段部82の外周面と、湾曲コーナー部80の外面と、基部側段部78の先端面の内側部分との間で、第一の成形キャビティ84が、形成されるようになっている。
【0038】
なお、ここで形成される第一の成形キャビティ84は、押込みダイス68の第二切欠凹所70の内面にて与えられるキャビティ面が、目的とする板状金属製品10の立上り部14における外側面16に対応した形状とされているものの、第二押圧突部74の基部側段部82の高さが低くされていることにより、基部側段部78の先端面が、押込みダイス68の先端面における第二切欠凹所70の開口周縁部から、所定の距離だけ離隔せしめられている。このため、第一の成形キャビティ84の全体の容積が、基部側段部78の先端面が第二切欠凹所70の開口周縁部から離隔されている分だけ、立上り部14全体の体積よりも大きくされている。
【0039】
かくして、第三プレス装置26においては、図5及び図6に示されるように、屈曲部25が一体形成された第一中間成形体27が、押込みダイス68の内側に配置されたブランクホルダ86の位置決め突起88に外嵌されて、支持された状態下で、押込みパンチ72が下方に移動せしめられて、押込みダイス68に接近せしめられることにより、第一中間成形体27の内周部が、押込みパンチ72の第二押圧突部74の先端側段部82とブランクホルダ86との間で挟圧保持されると共に、第一中間成形体27に設けられたテーパ筒状を呈する屈曲部25の内側面に対して、第二押圧突部74の基部側段部78の直角コーナー部76が接触せしめられるようになっている。
【0040】
そして、その状態から、押込みパンチ72が更に下方に移動せしめられることによって、屈曲部25が、押込みパンチ72における第二押圧突部74の基部側段部78にて押圧されて、屈曲部25の先端部位における外側部分29の一部が、屈曲部25から剪断せしめられると共に、そのような屈曲部25の先端部位における外側部分29を除いた部分が、第一の成形キャビティ84内に押し込められて、圧縮加工(押込み成形)され、以て、屈曲部25が、立上り部14の外側面16に対応した形状の外側面を有する略円筒形状に圧縮加工されてなる第二中間成形体31が、成形されるようになっているのである。
【0041】
なお、このことから明らかなように、ここでは、第二押圧突部74の基部側段部78にて、第一の押圧部(第一の押圧部材)が構成されている。また、押込みダイス68における第二切欠凹所70の内面の曲率半径:R3 が、目的とする板状金属製品10の立上り部14における外側面16の曲率半径:R1 と同じ5mmとされており、また、かかる第二切欠凹所70の深さ:m2 が、立上り部14の高さ:h1 よりも極僅かに小さな4.8mmとされている。更に、第二切欠凹所70の外径:d6 が、板状金属製品10の外径:d1 と同じ103mmとされている。また、第二押圧突部74の先端側段部82の外径:d7 が、板状金属製品10の内径:d2 と同じ96.6mmとされている一方、基部側段部78の外径:d8 は、板状金属製品10の外径:d1 よりも僅かに大きな103.3mとされている。更に、押込みパンチ72の下端面から基部側段部78の先端面までの高さ:h2 が1.8mmとされている一方、基部側段部78の先端面から先端側段部82の先端面までの高さ:h3 が、板状金属製品10における立上り部14の内側段差寸法:nよりも十分に大きな3mmとされている。
【0042】
また、図7から明らかな如く、第三のプレス手段としての第四プレス装置28も、第一乃至第三プレス装置22,24,26と同様な構造により相対的に接近/離隔移動可能に対向配置されたダイスホルダ90とパンチホルダ92とを有している。そして、ダイスホルダ90のパンチホルダ92との対向面上には、厚肉円筒状の、第三のダイスとしての潰しダイス94が固定されている。また、この潰しダイス94は、前記第三プレス装置26に設けられる押込みダイス68と同一の構造を有しており、上端部の内側角部に、内面が、板状金属製品10の外側面16に対応した凹状湾曲面形状とされた第三切欠凹所96が、周方向に連続して延びる略円環溝形態をもって、形成されている。
【0043】
一方、パンチホルダ92のダイスホルダ90との対向面上には、第三のパンチとしての潰しパンチ98が、固定されている。この潰しパンチ98も、前記第三プレス装置26の押込みパンチ72と同様に、直角コーナー部100を有する基部側段部102と、湾曲コーナー部104を有する先端側段部106とからなる第三押圧突部108が、一体的に形成されてなる、全体として、厚肉の略段付円筒形状を呈している。
【0044】
そして、そのような潰しパンチ98に設けられた第三押圧突部108は、図7及び図8に示されるように、基部側段部102の先端面が、目的とする板状金属製品10の立上り部14の先端面20に対応した、平面度の許容公差が0.2mm以内に設計された平面精度の高い平坦面とされている。また、かかる基部側段部102の先端面から先端側段部106の先端面までの高さ:h4 が、板状金属製品10における立上り部14の内側段差寸法:nと同じ大きさとされていると共に、そのような高さ:h4 の許容公差が、板状金属製品10の設計寸法に対する立上り部14の高さの許容公差と同じ0.5mm以内に設計されている。更に、先端側段部106の外周面と湾曲コーナー部104の外面とが、立上り部14の内側面18の形状に対応した形状とされている。
【0045】
これによって、第四プレス装置28では、パンチホルダ92の下方や上方への移動に伴って、潰しパンチ98が、潰しダイス94に対して接近/離隔移動せしめられるようになっており、また、潰しパンチ98が下方に移動せしめられて、潰しダイス94に対して接近せしめられた際に、潰しダイス94の第三切欠凹所96の内面と、潰しパンチ98の第三押圧突部108における先端側段部106の外周面と、湾曲コーナー部104の外面と、基部側段部102の先端面の内側部分との間で、第二の成形キャビティ110が、形成されるようになっている。
【0046】
なお、ここでは、前述せる如く、潰しダイス94の第三切欠凹所96の内面と、潰しパンチ98の第三押圧突部108における先端側段部106の外周面と、湾曲コーナー部104の外面と、基部側段部102の先端面とが、それぞれ、目的とする板状金属製品10の立上り部14における外側面16と内側面18と先端面20に、各々対応した形状とされているため、それらの面にてキャビティ面が形成される第二の成形キャビティ110の全体形状が、立上り部14に対応した形状とされている。
【0047】
かくして、第四プレス装置28においては、屈曲部25が圧縮加工されてなる第二中間成形体31が、潰しダイス68の内側に配置されたブランクホルダ112の位置決め突起114に外嵌されて、支持された状態下で、潰しパンチ98が下方に移動せしめられて、潰しダイス94に接近せしめられることにより、第二中間成形体31の内周部が、潰しパンチ98の第三押圧突部108の先端側段部106とブランクホルダ112との間で挟圧保持されると共に、第二中間成形体31における屈曲部25の内側部分に対して、第三押圧突部108の基部側段部102の直角コーナー部100を含む先端部分が接触せしめられるようになっている。
【0048】
そして、その状態から、潰しパンチ98が更に下方に移動せしめられることによって、屈曲部25が、潰しパンチ98における第三押圧突部108の基部側段部102にて押圧されて、屈曲部25の先端部位における外側部分29が、屈曲部25から更に剪断せしめられると共に、そのような屈曲部25の先端部位における外側部分29を除いた部分が、第二の成形キャビティ110内に押し込められて、潰されるように圧縮加工(潰し加工)され、以て、屈曲部25の先端部位における外側部分29を除いた部分にて、平面精度の高い平坦な先端面20を有する立上り部14が成形されると共に、この立上り部14に対して、屈曲部25の先端部位における外側部分29が薄肉の連結部33のみにて連結されてなる第三中間成形体35が、成形されるようになっているのである。
【0049】
なお、このことから明らかなように、ここでは、第三押圧突部108の基部側段部102にて、第二の押圧部(第二の押圧部材)が構成されている。また、潰しダイス94における第三切欠凹所96の各部位の寸法は、潰しダイス94の先端面側の開口周縁部における角部の曲率半径:R4 が0.02〜0.05mmとされている以外、押込みダイス68における第二切欠凹所70の対応する部位と同一の大きさとされている。一方、潰しパンチ98における第三押圧突部108の各部位の寸法は、上述せるように、基部側段部102の先端面から先端側段部106の先端面までの高さ:h4 が、板状金属製品10における立上り部14の内側段差寸法:nと同じ1.8mmとされると共に、潰しパンチ98の下端面から基部側段部102の先端面までの高さ:h5 が3mmとされ、更に、基部側段部102の直角コーナー部100の曲率半径:R5 が0.02〜0.05mmとされている以外、押込みパンチ72における第二押圧突部74の対応する部位と同一の大きさとされている。
【0050】
また、図9から明らかな如く、第四のプレス手段としての第五プレス装置30も、第一乃至第四プレス装置22,24,26,28と同様な構造により相対的に接近/離隔移動可能に対向配置されたダイスホルダ116とパンチホルダ118とを有している。そして、ダイスホルダ116のパンチホルダ118との対向面上には、厚肉円筒状の、第四のダイスとしての切離しダイス120が固定されている。この切離しダイス120は、全体として、大径の内孔を有する略厚肉円筒形状を呈し、その上端部に、径方向内方に所定寸法突出せしめられて、上側開口部を、その内径:d9 が板状金属製品の外径:d1 よりも極僅かに大きな寸法となるように狭窄化する狭窄部121が設けられている。
【0051】
一方、パンチホルダ118のダイスホルダ116との対向面上には、第四のパンチとしての切離しパンチ122が、固定されている。この切離しパンチ122は、押込みパンチ72や潰しパンチ98と同様に、直角コーナー部124を有する基部側段部126と、湾曲コーナー部128を有する先端側段部130とからなる第四押圧突部132が、一体的に形成されてなる、全体として、厚肉の略段付円筒形状を呈している。
【0052】
そして、そのような切離しパンチ122に設けられた第四押圧突部132にあっては、図9及び図10に示されるように、先端側段部130の外周面と湾曲コーナー部128の外面が、板状金属製品10の立上り部14の内側面18に対応した形状とされている。また、基部側段部126は、立上り部14の先端面20に対応した平坦な先端面を有している。そして、その外径:d10が、切離しダイス120の狭窄部121内に突入可能な大きさとされていると共に、切離しパンチ122の下端面から基部側段部126の先端面までの高さ:h6 が、切離しダイス120における狭窄部121の形成部分の高さ:h7 よりも十分に高くされている。
【0053】
これによって、第五プレス装置30では、パンチホルダ118の下方や上方への移動に伴って、切離しパンチ122が、切離しダイス120に対して接近/離隔移動せしめられるようになっている。また、屈曲部25の先端部位における外側部分29が薄肉の連結部33のみにて連結されてなる第三中間成形体35が、切離しダイス120に対して、屈曲部25の外側部分29を狭窄部121上に載置せしめつつ、支持された状態下で、切離しパンチ122が下方に移動して、切離しダイス120に接近せしめられることにより、第三中間成形体35の上面に、切離しパンチ122の第四押圧突部132における先端側段部130の全面と基部側段部126の先端面が接触せしめられる。そして、切離しパンチ122の更なる下方への移動によって、第三中間成形体35の連結部33が、基部側段部126にて剪断せしめられる剪断加工が行なわれて、第三中間成形体35から、屈曲部25の先端部位における外側部分29が切り離されるようになっているのである。
【0054】
なお、このことから明らかなように、ここでは、第四押圧突部132の基部側段部126にて、第三の押圧部(第三の押圧部材)が構成されている。また、切離しダイス120における狭窄部121の内径:d9 が、上述せる如く、板状金属製品の外径:d1 よりも極僅かに大きな103.1mmとされている一方、切離しパンチ122における基部側段部126の外径:d10が、板状金属製品の外径:d1 と同じ103mmとされている。
【0055】
次に、かくの如き構成とされた第一乃至第五プレス装置を有する製造装置を用いて、目的とする板状金属製品10を製造する手順の一例について、詳述することとする。
【0056】
すなわち、先ず、図2に示されるように、目的とする板状金属製品10よりも大径の円板状素材21が、第一プレス加工装置22の内側及び外側打抜きパンチ38,40と打抜きダイス36との間にセットされた後、各打抜きパンチ38,40が下方に移動せしめられて、円板状素材21に対して打抜き加工が施される。これによって、板状金属製品10の中心孔12に対応した円形孔が中心部に設けられてなる、板状金属製品10を与える円環板状素材23が成形されて、準備される。
【0057】
次いで、図3に示される如く、第二プレス加工装置24が用いられて、円環板状素材23が、ブランクホルダ60にて支持された状態で、絞りダイス50と絞りパンチ54と間に配置されるようにして、第二プレス加工装置24にセットされる。その後、絞りパンチ54が下方に移動せしめられて、絞りダイス50と絞りパンチ54との間で、円環板状素材23に対する絞り加工が行なわれ、それによって、外周部が屈曲変形せしめられて、外周部に、上方に向かって拡径するテーパ筒状の屈曲部25が一体形成されてなる第一中間成形品27が、成形される。
【0058】
なお、本工程で用いられる第二プレス装置24は、前述せる如く、絞りダイス50に設けられた、円環溝形態を呈する第一切欠凹所52の外径:d4 と、絞りパンチ54に設けられた第一押圧突部56の先端面の外径:d5 との差が、目的とする板状金属製品10の立上り部14の厚さよりも十分に大きくされており、また、第一押圧突部56の中心軸に平行な直線に対する第一押圧突部56の外周面の傾斜角度:θが10°とされている。そして、図4から明らかなように、絞りパンチ54の下方への移動に伴って、円環板状素材23(第一中間成形品27)における屈曲部25の内側角部が37が、絞りパンチ54の押圧面58にて下方に押圧されるようになっている。それ故、本工程では、屈曲部25が、板状金属製品10の立上り部14よりも径方向外側に緩やかに傾斜する傾斜角度をもって、円環板状素材23(第一中間成形品27)の外周部に設けられることとなる。
【0059】
また、このような本工程においては、屈曲部25が、板状金属製品10の立上り部14よりも、径方向外側に緩やかに傾斜せしめられるように形成されることに加えて、円環板状素材23が、板状金属製品10の外径よりも大なる外径を有する第一切欠凹所52よりも、更に大なる外径を有するように絞り加工されるため、屈曲部25における先端部位の内側角部37の頂点が、立上り部14における先端部位の外側角部の頂点よりも外側に位置するように、第一中間成形体27が成形される。
【0060】
引き続いて、図5及び図6に示されるように、第三プレス加工装置26が用いられて、第一中間成形体27が、ブランクホルダ86にて支持された状態で、押込みダイス68と押込みパンチ72と間に配置されるようにして、第三プレス加工装置26にセットされる。その後、押込みパンチ72が下方に移動せしめられることにより、屈曲部25が、押込みパンチ72における第二押圧突部74の基部側段部78にて押圧されて、屈曲部25の先端部位における外側部分29の一部が、屈曲部25から剪断せしめられる。また、それと共に、そのような屈曲部25の先端部位における外側部分29を除いた部分が、押込みパンチ72の第二押圧突部74と押込みダイス68の第二切欠凹所70との間に形成される第一の成形キャビティ84内に押し込められる圧縮加工が行なわれて、屈曲部25における基部側部位の外側部分の表面形状が、第二切欠凹所70の内面形状、換言すれば、目的とする板状金属製品10の立上り部14の外側面16に対応した形状に成形される。即ち、本工程において、屈曲部25における基部側部位の外側部分の表面形状が立上り部14の外側面16に対応した形状に成形されてなる第二中間成形体31が成形されるのである。
【0061】
なお、このとき、第三プレス加工装置26にセットされる第一中間成形体27は、前述せるように、本工程の直前の工程で、屈曲部25における先端部位の内側角部37の頂点が、立上り部14における先端部位の外側角部の頂点よりも外側に位置せしめられるような傾斜形態において成形されている。また、かかる第一中間成形体27の屈曲部25を押圧する、押込みパンチ72における第二押圧突部74の基部側段部78の外径:d8 が、板状金属製品10の外径:d1 よりも0.3mmだけ、僅かに大きくされている。
【0062】
それ故、本工程では、図6に示されるように、実質的には、第一中間成形体27の屈曲部25における先端部位の内側角部37の頂点アを含む外側部分29を除く内側部分、つまり、かかる屈曲部25の断面において頂点ア、イ、ウにて囲まれる断面形状が三角形形状を呈する部分が、第二押圧突部74の基部側段部78にて押圧され、第一の成形キャビティ84内に押し込まれて、圧縮加工されることとなる。このため、本工程の圧縮加工において必要とされるプレス加工圧が、例えば、断面形状が矩形形状を呈する部分を押圧して圧縮する場合に比して、有利に小さく為され得るようになっている。
【0063】
また、本工程においては、そのような屈曲部25における先端部位の内側部分に対して圧縮加工を行なう際に、屈曲部25における先端部位の外側部分29が、第二押圧突部74の基部側段部78の直角コーナー部76にて剪断されて、そのような外側部分29に対しては、圧縮加工のためのプレス加工圧が加えられることがないため、圧縮加工されるべき部位の体積が制限されている。しかも、前述せる如く、第三プレス加工装置26においては、第一の成形キャビティ84の全体の容積が、目的とする板状金属製品10の立上り部14の体積よりも、所定の量だけ大きくされている。そして、本工程では、そのような第一の成形キャビティ84内に、外側部分29が剪断されて、体積が制限された屈曲部25の内側部分が押し込まれるようになっており、これによっても、圧縮加工に必要とされるプレス加工圧が、効果的に低く抑えられているのである。
【0064】
次に、図7及び図8に示されるように、第四プレス加工装置28が用いられて、第二中間成形体31が、ブランクホルダ112にて支持された状態で、潰しダイス94と潰しパンチ98と間に配置されるようにして、第四プレス加工装置28にセットされる。その後、潰しパンチ98が下方に移動せしめられることによって、屈曲部25の前記内側部分が、潰しパンチ98における第三押圧突部108の基部側段部102にて押圧されて、屈曲部25の先端部位における外側部分29が、屈曲部25から更に剪断せしめられる。また、それと共に、そのような屈曲部25の先端部位における外側部分29を除いた内側部分が、潰しパンチ98の第三押圧突部108先端側段部106と平面精度の高い先端面を有する基部側段部102と潰しダイス94の第三切欠凹所96との間に形成される、立上り部14に対応した形状を備えた第二の成形キャビティ110内に、潰されるように押し込められる圧縮加工が行なわれて、屈曲部25が、立上り部14の形状に対応した形状に成形される。これにより、本工程において、平面精度の高い平坦な先端面20を有する立上り部14が一体的に設けられると共に、この立上り部14に対して、屈曲部25の先端部位における外側部分29が薄肉の連結部33のみにて連結されてなる第三中間成形体35が成形されるのである。
【0065】
なお、図8から明らかなように、本工程では、その直前の工程において、既に、一部分が立上り部14に対応した形状とされた屈曲部25の内側部分が、前の工程に引き続いて、潰しパンチ98における第三押圧突部108の基部側段部102にて押圧され、第二の成形キャビティ110内に押し込まれて、圧縮加工されるようになっており、また、そのような圧縮加工時に、屈曲部25の先端部位における外側部分29が剪断されて、かかる外側部分29に対しては圧縮加工が施されないようになっているため、本工程の圧縮加工においても、例えば、屈曲部25の全体を、第二の成形キャビティ110内に押し込んで、立上り部14を一挙に成形する如き圧縮加工を行なう場合に比べて、必要とされるプレス加工圧が、有利に小さくされ得ている。
【0066】
また、前述せる如く、本工程で用いられる第四プレス加工装置28においては、潰しパンチ98の第三押圧突部108における基部側段部102の外径が、潰しダイス94の第三切欠凹所96の外径よりも0.3mmだけ、極僅かに大きくされており、また、そのような潰しパンチ98の第三押圧突部108における基部側段部102の直角コーナー部100の曲率半径:R5 と、それに対応位置する潰しダイス94の第三切欠凹所96における開口周縁部の角部の曲率半径:R4 とが、それぞれ、0.02〜0.05mmの範囲内の値とされている。それ故、本工程では、立上り部14と屈曲部25の先端部位における外側部分29とを連結する薄肉の連結部33が、0.05〜0.11mm程度の極めて短い幅をもって形成される。
【0067】
次に、図9に示されるように、第五プレス加工装置30が用いられて、第三中間成形体35が、前記連結部33において、切離しダイス120の狭窄部121上に支持された状態で、この切離しダイス120と切離しパンチ122との間に配置されるようにして、第五プレス加工装置30にセットされる。その後、切離しダイス120が下方に移動せしめられることによって、第三中間成形体35の連結部33が、切離しパンチ122における第四押圧突部132の基部側段部126と切離しダイス120の狭窄部121との間で剪断せしめられる剪断加工が行なわれる。そして、このような剪断加工により、第三中間成形体35から、屈曲部25の先端部位における外側部分29が切り離され、以て、平面精度の高い平坦な先端面20を有する立上り部14が、外周部に一体的に設けられてなる、目的とする板状金属製品10が、得られることとなるのである。
【0068】
なお、このとき、本工程で剪断せしめられる連結部33の幅が0.05〜0.11mm程度の範囲内の値とされていると共に、また、そのような連結部33を剪断する切離しパンチ122における第四押圧突部132の基部側段部126の外径:d10と切離しダイス120の狭窄部121の内径:d9 との差が0.1mmとされているため、最終的に得られる板状金属製品10の立上り部14における先端面20の平面度が、抜きバリを含めた上で、0.052mm程度以内とされて、極めて高い平面精度が確保されることとなる。
【0069】
このように、本実施形態においては、切削加工を全く行なうことなく、単に、金属製の円板状素材21に対して、第一乃至第五プレス加工装置22,24,26,28,30を用いた、互いに種類の異なるプレス加工を段階的に行なうだけで、平面精度の高い平坦な先端面20を有する立上り部14が外周部に一体形成された、目的とする板状金属製品10が、確実に製造され得る。
【0070】
しかも、かかる板状金属製品10の製造に用いられる第一乃至第五プレス加工装置22,24,26,28,30のうち、第一、第二、及び第五プレス加工装置22,24,30は、打抜き加工や絞り加工や剪断加工を専用的に行なうものであるため、特別に大きなプレス加工圧を要することのない汎用的なプレス加工装置が、十分に使用され得るのであり、また、第三及び第四プレス加工装置26,28にあっても、圧縮加工を行なうものではあるものの、例えば、立上り部14に対応した形状を有する、所定の成形キャビティ内に、過剰な材料を押し込んで立上り部14を成形する如き圧縮加工を行なう場合に比して、プレス加工圧が有利に低く抑えられ得る構造を有するものである。
【0071】
それ故、このような本実施形態においては、目的とする板状金属製品10の製造に際して、プレス加工装置と切削加工装置といった全く異なる二種類の加工装置を用いたり、或いは特別に大きなプレス加工圧を必要とする非汎用的なプレス加工装置等を使用したりすることによって、設備コスト、ひいては板状金属製品10の製造コストが著しく高騰するようなことが、効果的に防止され得るのであり、また、切削加工後において不可避的に実施されるカエリやバリを除去するための作業からも、有利に開放され得るのである。
【0072】
従って、かくの如き本実施形態によれば、平面精度の高い先端面20を有する立上り部14が外周部に一体形成された板状金属製品10を、可及的に低いコストで、しかも優れた作業性をもって、極めて有利に製造することが可能となるのである。
【0073】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0074】
例えば、前記実施形態では、目的とする板状金属製品10を与える金属製の板状素材として、円板状素材21や円環板状素材23が用いられていたが、かかる板状素材は、目的とする板状金属製品10の形状等によって、適宜に変更され得るものであることは、言うまでもないところである。
【0075】
また、板状素材として、円環板状素材23を準備する場合にあっても、かかる円環板状素材23として、既製のものを用いたり、或いは円板状素材21に対する打抜き加工以外の加工方法にて、円環板状金属素材23を成形して、準備するようにしても、何等差し支えない。
【0076】
さらに、第一乃至第四のプレス手段としての第二乃至第五プレス加工装置24,26,28,30の構造も、前記実施形態に示されるものに、決して限定されるものではなく、第一乃至第三中間成形体27,31,35を成形するプレス加工や、第三中間成形体35の屈曲部25から立上り部14を成形するプレス加工、更には、屈曲部25の外側部分29を剪断により切離すプレス加工が行なわれ得るものであれば、如何なる構造のものも、適宜に採用され得るのである。
【0077】
更にまた、第一乃至第五プレス加工装置22,24,26,28,30の各部位の形状や寸法等も、前記実施形態に示されるものに、何等限定されるものではなく、目的とする板状金属製品10の全体や、それに一体形成される立上り部14の形状及び寸法等に応じて、種々変更され得ることは、言うまでもないところである。
【0078】
また、前記実施形態では、第一のプレス手段たる第二プレス加工装置24として、絞り加工装置が用いられていたが、立上り部14の形状によっては、かかる第二プレス加工装置24として、曲げ加工装置を使用することも出来る。
【0079】
加えて、前記実施形態では、平面精度の高い先端面を有する円筒状の立上り部が外周部に一体形成された、円環板状を呈する板状金属製品の製造方法とその製造装置とに対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、円環板状以外の全体形状を有して、円筒状やそれ以外の形状の立上り部が外周部に一体形成された板状金属製品や、直立若しくは傾斜した壁部等からなる立上り部が端部に一体形成された板状金属製品の製造方法とその製造装置に対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0080】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法によれば、平面精度の高い先端面を有する立上り部が外周部乃至は端部に一体形成された板状金属製品を、可及的に低いコストで、しかも優れた作業性をもって製造することが出来るのである。
【0082】
また、発明に従う、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造装置を用いれば、平面精度の高い先端面を有する立上り部が外周部乃至は端部に一体形成された板状金属製品が、優れた経済性と作業性とをもって、極めて有利に製造され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手法に従って製造された板状金属製品の一例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示された板状金属製品を製造する装置を構成する第一プレス加工装置の一例の使用状態を示す縦断面説明図であって、左半分は、かかる第一プレス加工装置に円板状素材をセットした状態を示し、また、右半分は、円板状素材に対する打抜き加工を行なって、円環板状素材を成形した状態を示している。
【図3】図1に示された板状金属製品を製造する装置を構成する第二プレス加工装置の一例の使用状態を示す縦断面説明図であって、左半分は、かかる第二プレス加工装置に円環板状素材をセットした状態を示し、また、右半分は、円環板状素材に対する絞り加工を行なって、第一中間成形体を成形した状態を示している。
【図4】図3における要部拡大説明図である。
【図5】図1に示された板状金属製品を製造する装置を構成する第三プレス加工装置の一例の使用状態を示す縦断面説明図であって、左半分は、かかる第三プレス加工装置に第一中間成形体をセットした状態を示し、また、右半分は、第一中間成形体に対する圧縮加工を行なって、第二中間成形体を成形した状態を示している。
【図6】図5における要部拡大説明図である。
【図7】図1に示された板状金属製品を製造する装置を構成する第四プレス加工装置の一例の使用状態を示す縦断面説明図であって、左半分は、かかる第四プレス加工装置に第二中間成形体をセットした状態を示し、また、右半分は、第二中間成形体に対する圧縮加工を更に行なって、第三中間成形体を成形した状態を示している。
【図8】図7における要部拡大説明図である。
【図9】図1に示された板状金属製品を製造する装置を構成する第五プレス加工装置の一例の使用状態を示す縦断面説明図であって、左半分は、かかる第五プレス加工装置に第三中間成形体をセットした状態を示し、また、右半分は、第三中間成形体に対する剪断加工を行なって、目的とする板状金属製品を成形した状態を示している。
【図10】図9における要部拡大説明図である。
【符号の説明】
10 板状金属製品 14 立上り部
20 先端面 21 円板状素材
22 第一プレス加工装置 23 円環板状素材
24 第二プレス加工装置 25 屈曲部
26 第三プレス加工装置 27 第一中間成形体
28 第四プレス加工装置 29 外側部分
30 第五プレス加工装置 31 第二中間成形体
33 連結部 35 第三中間成形体
36 打抜きダイス 38 内側打抜きパンチ
40 外側打抜きパンチ 50 絞りダイス
54 絞りパンチ 68 押込みダイス
72 押込みパンチ 74 第二押圧突部
84 第一の成形キャビティ 94 潰しダイス
98 潰しパンチ 108 第三押圧突部
110 第二の成形キャビティ 120 切離しダイス
122 切離しパンチ 132 第四押圧突部

Claims (3)

  1. 平坦な先端面を有する立上り部が、外周部乃至は端部に一体的に設けられた板状金属製品を製造する方法であって、
    前記板状金属製品を与える金属製の板状素材を準備する工程と、
    該準備された板状素材に対して曲げ若しくは絞りを行なう第一のプレス加工を施して、該板状素材の外周部乃至は端部を、前記板状金属製品に設けられる前記立上り部よりも緩やかに傾斜するように屈曲せしめることにより、該立上り部を与える屈曲部が外周部乃至は端部に一体形成されてなる第一中間成形品を成形する工程と、
    第一の押圧部材を用いて、前記第一中間成形品の前記屈曲部を、その先端側部位の外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように押圧して、前記立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状の内面と該立上り部の体積よりも大なる容積とを有する第一の成形キャビティ内に、該屈曲部を押し込む第二のプレス加工を、該第一中間成形品に対して行なうことにより、該屈曲部から前記先端部位の外側部分の一部が剪断せしめられると共に、該屈曲部の基部側部位の外側部分の表面形状が該立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状に成形されてなる第二中間成形品を成形する工程と、
    前記立上り部の先端面に対応した平坦な押圧面を有する第二の押圧部材を用いて、前記第二中間成形品の前記屈曲部を、その先端部位の前記外側部分と前記内側部分との間に剪断応力が生ずるように更に押圧して、前記立上り部の形状に対応した形状を有する第二の成形キャビティ内に該屈曲部を押し込む第三のプレス加工を、該第二中間成形品に対して行なうことにより、該屈曲部から該先端部位の外側部分を更に剪断せしめつつ、該屈曲部を該立上り部の形状に対応した形状に成形して、該立上り部を有すると共に、該立上り部に対して、該屈曲部の先端部位の外側部分が薄肉の連結部のみにて連結されてなる第三中間成形品を成形する工程と、
    第三の押圧部材を用いて、前記第三中間成形品の前記連結部に剪断応力が生ずるように、該立上り部を押圧する第四のプレス加工を、該第三中間成形品に対して行なうことにより、該連結部を剪断せしめて、前記屈曲部の先端部位の外側部分を該立上り部から切り離す工程と、
    を含むことを特徴とする、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法。
  2. 前記第二中間成形品を成形する前記第二のプレス加工において、前記屈曲部の先端部位における内側角部の頂点を少なくとも含む前記外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように、該屈曲部が、前記第一の押圧部材にて押圧されるようになっている請求項1に記載の、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造方法。
  3. 平坦な先端面を有する立上り部が、外周部乃至は端部に一体的に設けられた板状金属製品を製造する装置であって、
    第一のダイスと第一のパンチとを含み、前記板状金属製品を与える金属製の板状素材を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第一のパンチを、その他方側に配置された第一のダイスに接近移動せしめて、該板状素材に対して曲げ加工若しくは絞り加工を行なうことにより、該板状素材の端部を、前記板状金属製品に設けられる立上り部よりも緩やかに傾斜するように屈曲せしめて、該立上り部を与える屈曲部が外周部乃至は端部に一体形成されてなる第一中間成形品を成形する第一のプレス手段と、
    第二のダイスと、前記第一中間成形品における前記屈曲部の先端部位の外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように、該屈曲部を押圧する第一の押圧部を備えた第二のパンチとを含むと共に、該第二のダイスに対する該第二のパンチの接近移動によって、それら第二のダイスと第二のパンチとの間に、前記立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状の内面と該立上り部の体積よりも大なる容積とを有する第一の成形キャビティを形成するように構成されたプレス手段であって、前記第一中間成形品を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第二のパンチを、その他方側に配置された第二のダイスに接近移動せしめることにより、前記屈曲部を該第二のパンチの前記第一の押圧部にて押圧して、前記第一の成形キャビティ内に押し込むことによって、該屈曲部から前記先端部位の外側部分の一部が剪断せしめられると共に、該屈曲部の基部側部位の外側部分の表面形状が該立上り部の外側部分の表面形状に対応した形状に成形されてなる第二中間成形品を成形する第二のプレス手段と、
    第三のダイスと、前記第二中間成形品における前記屈曲部の先端部位の外側部分とその内側部分との間に剪断応力が生ずるように、該屈曲部を押圧する、前記立上り部の先端面に対応した平坦な押圧面を備えた第二の押圧部を有する第三のパンチとを含むと共に、該第三のダイスに対する該第三のパンチの接近移動によって、それら第三のダイスと第三のパンチとの間に、前記立上り部の形状に対応した形状を有する第二の成形キャビティを形成するように構成されたプレス手段であって、前記第二中間成形品を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第三のパンチを、その他方側に配置された第四のダイスに接近移動せしめることにより、前記屈曲部を該第三のパンチの前記第二の押圧部にて押圧して、前記第二の成形キャビティ内に押し込むことによって、該屈曲部から前記先端部位の外側部分を更に剪断せしめつつ、該屈曲部を該立上り部の形状に対応した形状に成形して、該立上り部を有すると共に、該立上り部に対して、前記屈曲部の先端部位の外側部分が薄肉の連結部のみにて連結されてなる第三中間成形品を成形する第三のプレス手段と、
    第四のダイスと、前記第三中間成形品の連結部に剪断応力が生ずるように、該第三中間成形品の前記立上り部を押圧する第三の押圧部を有する第四のパンチとを含み、該第三中間成形品を間に挟んで、その板厚方向の一方側に配置された第四のパンチを、その他方側に配置された第四のダイスに接近移動せしめて、該立上り部を該第三の押圧部にて押圧することにより、前記連結部を剪断せしめて、前記屈曲部の先端部位の外側部分を該立上り部から切り離す第四のプレス成形手段と、
    を含んで構成したことを特徴とする、立上り部が一体形成されてなる板状金属製品の製造装置。
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