JP4008532B2 - 経皮吸収貼付製剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貼付剤における支持体として、適度な強度をもったポリエステル製フィルムとビニロン製不織布とを張り合せたラミネート(積層物)を使用した経皮吸収貼付製剤に関し、さらには当該支持体のビニロン製不織布側に、薬物を含有する粘着剤膏体を積層した経皮吸収貼付製剤に関する。
更に詳細には、ポリエステル製フィルムの、ビニロン製不織布を張り合せた面の反対側にエンボス加工を施し、更にJIS−K6732の試験法による伸び率が5%以上で、引張切断荷重が0.5kg/10mm以上の支持体を使用することにより、柔軟で取扱性が良く、長期にわたり安定的に薬物を放出させることができる、経皮吸収貼付製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用されている薄いタイプの経皮吸収性貼付製剤の支持体としては、一般的にポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレン、ポリプレン等のオレフィン系フィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエステル−ポリエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)積層フィルム、EVA−レーヨン不織布積層フィルム、ポリエステル不織布−ポリエステルフィルム積層フィルム等が使用されている。
【0003】
これらのうち、ポリエステル−EVA積層フィルム以外の支持体を用いて、全身性作用を期待する主薬成分として硝酸イソソルビド、亜硝酸アルミ等の昇華性や揮散性を有する薬剤を配合した粘着剤膏体を積層して貼付剤とした場合には、膏体中に含有される薬物が支持体に吸着してしまったり、揮散する場合が散見されている。したがって、このような薬剤を含有する貼付剤製剤は、密封状態で保存する必要があるが、この場合でも揮散した薬物が容器に吸着してしまい、保存期間中の製剤中の薬物含有量の低下をきたし、必然的に安定した薬物放出性が確保できないといった問題がある。
【0004】
一方、ポリエステル−EVA積層フィルムを支持体として使用した貼付剤の場合には、薬物の吸着・揮散は防止できるものの、皮膚に対しての追随性が求められるため、貼付剤自体を薄い積層構成(好ましくは、15〜40μm程度の厚さ)とする必要がある。このため、皮膚に適用する場合には静電気や内部応力によるカールが発生する等、取扱いの面で困難性がある。
【0005】
これらの欠点を解消するため、ポリエステル製フィルムとポリエステル不織布を張り合せた支持体が提案されているが(特開平5−309128)、この支持体を使用した場合には、例えば粘着剤膏体層に吸収促進剤として配合した油性成分(例えば、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、クロタミトン等)がポリエステル不織布に吸着されてしまい、薬物の放出性が経時的に低下するという欠点がある。また支持体のポリエステルフィルムが薄く(1.5μm未満)、ポリエステル不織布の単位重量が6g/m2 未満の場合には剥離時に貼付製剤が破れる場合がある等、いまだ要望を十分満足する支持体は得られていないのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ビニロン製不織布にポリエステル製フィルムを張り合せた支持体(ラミネート構成の支持体)を使用した経皮吸収貼付剤が、柔軟性に富み取扱性が良好である上、長期にわたり粘着剤膏体より安定的に薬物を放出させることができ得る点を新規に見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのための本発明は、ポリエステル製フィルムにビニロン製不織布を張り合せた支持体(ラミネート構成の支持体)のうち、特にある適当な強度を有する支持体を使用した経皮吸収貼付製剤を提供する。
すなわち本発明は、JIS−K6732の試験法により測定する時、伸び率が5%以上、引張切断荷重が0.5kg/10mm以上である、ポリエステル製フィルム/ビニロン製不織布のラミネートを支持体として使用したことを特徴とする経皮吸収貼付製剤を提供する。
かかる強度を有するポリエステル製フィルム/ビニロン製不織布の支持体を用いて、薬物含有粘着剤膏体を積層した場合には、薬物のバリアー性、皮膚に対する追随性ならびに密封療法(ODT)効果および取扱い性に優れるとともに、このような特異的物性が長期間に渡り安定化されており、薬物を良好に経皮吸収させる経皮吸収貼付製剤となるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の貼付剤における特異的支持体を構成する各種フィルムならびに不織布を説明することにより、本発明を更に詳細に説明していく。
本発明の貼付剤において、支持体に用いられるビニロン製不織布は、ポリビニルアルコールを原料とする耐油性、耐有機溶媒性、耐ガスバリアー性に優れた繊維からなるものであり、非帯電性である。この繊維を使用して得た不織布をポリエステル製フィルムと張り合せた積層フィルム(ラミネートフィルム)は、経皮吸収貼付製剤の支持体として特に適切なものであることが判明した。
【0009】
ところで一般的にみて、全身作用を期待する薬物を配合した経皮吸収貼付剤の場合には、その適切な貼付部位としては胸部、下腹部、背部、下腿部等がある。これらの貼付部位における皮膚は、比較的伸縮性が小さいため、貼付される製剤にはそれほど高い伸縮性は必要ないものの、柔軟性は不可欠であるとされる。そのため、製剤からの薬物の揮散を抑えるべくポリエステルフィルムを使用する場合には、極く薄いフィルムを使用することが好ましい。しかしながら、取扱い性を考慮して本発明の貼付剤における支持体としてポリエステルフィルムにビニロン製不織布を張り合せる構成とする場合には、フィルム自体並びに不織布自体にはある程度の厚さを有することが必要となってくる。すなわち両者があまりにも薄過ぎると、使用後の製剤を剥離する時に製剤が破れることがあり好ましいものではない。
したがって本発明においては、ポリエステル製フィルム/ビニロン製不織布のラミネート(積層体)は、JIS−K6732の試験法による伸び率が5%以上で、引張切断荷重が0.5kg/10mm以上の値を示すものが支持体として適切なものであることが判明した。伸び率が5%未満では、高い伸縮性が求められない場合でも使用感が悪く、皮膚への貼付時に違和感が生じるため好ましいものではない。また、引張切断荷重が0.5kg/10mm未満では製剤の破れが生じ易くなり好ましいものではない。
【0010】
本発明の支持体に用いられるポリエステル製フィルムは、薬物の揮散を抑え、ODT効果をもたせ、かつ貼付剤の柔軟性を保つために、厚さが1.5〜6.0μm、より好ましくは2.0〜3.5μmの飽和エステルが用いられる。このようなポリエステル製フィルムとしては、生体に対する安全性あるいは実用性並びに汎用性等の面からみて、ポリエチレンテレフタレートを主にしたフィルムが使用される。
また本発明の支持体に用いられるビニロン製不織布としては3〜12g/m2 、より好ましくは6〜8g/m2 のものが使用される。このビニロン製不織布は、ビニロン繊維をバインダーにより接着して不織布とするか、あるいは機械に絡ませて不織布とすることができる。接着剤を使用しないで不織布とすることも可能であるが、でき上がった不織布の機械的強度が不足し易く、本発明の支持体として使用する薄い不織布の場合にはある程度の機械的な強度を必要とするため、バインダーを使用するのが好ましい。
【0011】
したがって、本発明のより好ましい具体的態様としては、JIS−K6732の試験法により測定する時、伸び率が5%以上、引張切断荷重が0.5kg/10mm以上である、ポリエステル製フィルム/ビニロン製不織布のラミネートを支持体として使用する経皮吸収貼付製剤にあって、当該ラミネートの支持体を構成するポリエステル製のフィルムの厚さが1.5〜6.0μmであり、ビニロン製不織布の単位重量が3〜12g/m2 である経皮吸収貼付剤製剤である。
【0012】
本発明の経皮吸収貼付製剤に使用する支持体としてのラミネートは、ポリエステル製フィルムとビニロン製不織布とを、従来公知の接着剤、例えばポリエステル系、あるいはアクリル系の接着剤を、乾燥重量後の塗布量が1〜5g/m2 となるような量を用いて張り合わすことにより製造することができる。
【0013】
通常ポリエステルフィルムにあっては、その表面が鏡面仕上げとされているために、皮膚に貼付した場合には外部の光を反射して光沢感があり、高級感が損なわれる。そのため、ポリエステル表面に皮目、ダイヤ柄、絹目等のエンボス処理を施し、光沢を消した艶消しタイプにしたほうが、手触り感あるいは見た目に高級感がでる。ただし、エンボス加工により支持体のラミネートに厚薄が生じるため、貼付製剤の剥離時に該支持体が破れない程度のエンボスの深さとすることが必要である。
【0014】
本発明が提案する経皮吸収貼付製剤は、かくして得れたラミネートの支持体のビニロン製不織布側に、薬物を含有する粘着剤膏体を積層することにより調製される。
この場合の本発明の経皮吸収貼付製剤に使用される薬物は、局所あるいは全身作用が期待される経皮吸収可能な薬物であれば特に限定されるものではなく、例えば、降圧剤、利尿剤、抗喘息剤、男性および/または女性ホルモン剤、精神安定剤、催眠鎮静剤、麻酔剤、抗菌剤、冠血管拡張剤、制吐剤等のいずれも使用することができる。なお、これらの薬物は必要に応じて2種以上を併用して含有させることも可能である。
【0015】
また、本発明の貼付剤において使用される粘着剤は、生物学的に許容されるアクリル酸系、合成ゴム系、天然ゴム系、シリコン系等のいずれの接着剤も使用することが可能である。このようなアクリル酸系接着剤としては、アクリル酸−2−エチルヘキシルモノマーを主成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸、酢酸ビニル、N−メチル−2−ピロリドン等から選択されたモノマーを、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤でポリマー化した粘着剤や、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の架橋剤で架橋した粘着剤が挙げられる。
【0016】
更に、天然または合成ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ポリイソブチレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体等のエラストマーを使用して、これに粘着付与樹脂としてロジン系、エステルガム系、石油系樹脂等を加え、更に酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスチリル−テトラキス[3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート等並びに軟化剤としてポリブテン、ポリイソプレン等の液状ゴムや流動パラフィン、ワセリン等の油脂類を適宜使用し、所望する粘着物性を得るべくこれらの配合量を適宜調整して得た粘着付与樹脂が挙げられる。
また、シリコン系粘着剤としては、シリコンゴムおよびシリコンレジンを、過酸化物を使用して結合させるか、あるいは付加反応により結合させた、メチル系およびメチルフェニル系の粘着付与樹脂が挙げられる。
【0017】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における%での表示は、重量%を示す。
【0018】
実施例1:
27.5%のスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(クラプレンTR−1107/JSRシェルエラストマー)、41%の水素添加ロジン樹脂(KE−311/荒川化学工業)、10%の液状ゴム(LIR−50/クラレ)、0.5%のジブチルヒドロキシトルエン(BHT「タケダ」/武田薬品工業)および1%のオレイン酸(粧原基オレイン酸/日本油脂)を粧原基トルエン(ナカライテクス)に溶解させた後、20%硝酸イソソルビド溶液(硝酸イソソルビド20%「中化」/中国化薬)を添加・混合して調製した粘着剤膏体溶液を、両面をシリコン加工したポリエステル製ライナーの片面に、乾燥後の重量が50g/m2 となるように塗工し、次いで約80℃で10分間乾燥し、厚さ3.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと8g/m2 のビニロン製不織布を張り合せた支持体とラミネートとした後、所望の大きさに裁断して本発明の貼付製剤を作成した。
この実施例で使用したポリエチレンテレフタレート−ビニロン製不織布のラミネート支持体の引張切断荷重はタテが1.7kg/10mm、ヨコが1.2kg/10mmであり、伸び率はタテが13%で、ヨコが20%であった。
【0019】
実施例2:
85%のアクリル酸−2−エチルヘキシルおよび15%のN−メチル−2−ピロリドンからなるアクリル酸系粘着剤の40%酢酸エチル溶液(222.5g)中に、6gの17β−エストラジオールをN,N’−ジメチルアセトアミド(12g)に溶解させた溶液を混合撹拌し、この溶液に更に5gのオレイン酸および5gのクロタミトンを加え、混合撹拌して粘着剤膏体溶液を調製した。このようにして調製された粘着剤膏体を、75μmのシリコン処理したポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが50μmとなるようにドクターブレードで塗工した後、約80℃で10分間乾燥して溶媒を揮散させ、厚さ3.5μmのポリエステルフィルムと8g/m2 のビニロン製不織布を張り合せた支持体とラミネートした後、所望の大きさに裁断して本発明のエストラジオール含有の貼付製剤を作成した。
この実施例で使用したポリエステル−ビニロン製不織布のラミネート支持体の引張切断荷重はタテが1.5kg/10mm、ヨコが1.0kg/10mmであり、伸び率はタテが5.5%で、ヨコが10%であった。
【0020】
実施例3:
20%のスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、50%の超淡色ロジン系樹脂、18%のポリブテン、2%の流動パラフィンおよび1%のジブチルヒドロキシトルエンを約150℃に過熱したニーダー中で加熱溶融・練合し、約120℃に冷却した。一方、別途に5%のクラタミトン、1%のジフェンヒドラミン、2%のリドカインおよび1%のイソプロピルメチルフェノールを約60℃で溶解し、この溶解物を先のニーダーの混合物中に加え、更に練合して粘着剤膏体を調製した。このようにして調製された粘着剤膏体を、温時75μmのシリコン処理したポリエステルフィルム上に、厚さ100μmで塗工し、冷却後厚さ3.5μmのポリエステルフィルムと12g/m2 のビニロン製不織布を張り合せた支持体とラミネートした後、所望の大きさに裁断して本発明の鎮痒用の貼付製剤を作成した。
この実施例で使用したポリエステル−ビニロン製不織布のラミネート支持体の引張切断荷重はタテが0.8kg/10mm、ヨコが0.5kg/10mmであり、伸び率はタテが16%で、ヨコが24%であった。
【0021】
比較例1:
実施例1において貼付剤作成に使用した支持体のビニロン製不織布をポリエステル製不織布に変更した以外は全く同様に処理を行い、比較例1の貼付製剤を作成した。
【0022】
[試験例]
以下に本発明の経皮吸収貼付製剤の有用性を、比較例の貼付製剤との対比において、保存安定性試験ならびにラットの皮膚を用いたインビトロ皮膚透過性試験を検討することにより立証する。
試験1:保存安定性試験:
実施例1および比較例1で作成された貼付製剤を、それぞれアルミニウム−ポリエチレン構成の袋に入れ、25℃および40℃の雰囲気下に規定期間保存した後取り出し、第12改正日本薬局方の一般試験法に規定する「溶出試験法」第2法(パドル法)に準拠し、貼付製剤からの薬物(硝酸イソソルビド)の放出試験を実施した。
【0023】
溶媒中に放出された薬物(硝酸イソソルビド)を経時的にHPLCで測定し、その結果を図1として示す。
図中には、実施例1の貼付製剤ならびに比較例1の貼付製剤の作成初期時のサンプルからの薬物の放出率、および40℃の雰囲気下に6か月間保存したサンプルからの薬物の放出率を、経時的な変動としてグラフ表示した。
図中の結果からも明らかなように、本発明の貼付製剤は、長期保存条件下に放置した場合であっても粘着剤膏体からの薬物の放出性は、作成初期の貼付製剤となんら変化はないものの、比較例の貼付製剤にあっては、長期保存条件下のサンプルは作成初期のサンプルと比較して薬物の放出性が低下している。
この点から判断すると、本発明の経皮吸収貼付製剤は、長期間安定なものであることが理解される。
【0024】
試験2:ラットにおけるインビトロ皮膚透過性試験:
Wistar系雄性ラット(6〜7週齢)の腹部を、バリカンとシェーバーを用いて徐毛した後、皮膚を摘出し、フランツ型拡散セルにセットした。直径25mm(硝酸イソソルビドとして4.91mg)に打ち抜いた実施例1および比較例1の各製剤をラットの皮膚上に貼付し、セルのレセプター側には生理食塩水を満たし、セルのジャケットには約37℃の温水を循環させた。
試験開始後、経時的にセルのサンプリング口より液をサンプリングし、ラットの皮膚を透過して溶出してくる溶液中の薬物(硝酸イソソルビド)の濃度を、HPLCにて定量した。
なお、本試験に供した実施例1および比較例1の貼付製剤は、初期作成時のサンプル、ならびに上記試験1の保存安定性試験で40℃/6か月間放置したサンプルの両者を用いた。
【0025】
その結果を図2として示す。
図中の結果からも明らかなように、本発明の貼付製剤は、作成初期時のサンプルならびに長期保存条件下に放置したサンプルの両者間には、粘着剤膏体からラットの皮膚面を透過して放出される薬物濃度になんらの変化はないものの、比較例の貼付製剤にあっては、長期保存条件下のサンプルは作成初期のサンプルと比較して薬物の放出性が低下している。
この点から判断すると、本発明の経皮吸収貼付製剤は、長期にわたり安定的に薬物を放出させると共に、皮膚に対する追随性が優れたものであることがが理解される。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明はポリエステル製フィルムにビニロン製不織布を張り合せた支持体(ラミネート)を使用した経皮吸収貼付剤であるが、かかる支持体を有する貼付剤は柔軟性に富み、取扱い性が良く、しかも長期にわたり安定的に薬物を放出させることが可能となる。特に薬物のバリアー性、皮膚に対する追随性ならびに密封療法効果および取扱性に優れるものであるうえ、それらの物性は長期間安定化されている特徴を有するものである。
したがって、本発明が提案する経皮吸収貼付剤は、長時間の貼付に耐え得る優れたものであり、医療上の効果は特に優れたものであるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験1の保存安定性試験の結果を示す図である。
【図2】試験2のラット皮膚を用いた、インビトロ皮膚透過性試験の結果を示す図である。
Claims (4)
- JIS−K6732の試験法により測定する時、伸び率が5%以上、引張切断荷重が0.5kg/10mm以上である、ポリエステル製フィルム/ビニロン製不織布のラミネート(積層物)を支持体として使用したことを特徴とする経皮吸収貼付製剤。
- 前記支持体において、ポリエステル製のフィルムの厚さが1.5〜6.0μmであり、ビニロン製不織布の単位重量が3〜12g/m2 である請求項1記載の経皮吸収貼付剤製剤。
- 前記支持体のポリエステル製フィルムにおいて、ビニロン製不織布を張り合せた面の反対側にエンボス加工を施工した請求項1または2記載の経皮吸収貼付製剤。
- 前記支持体のビニロン製不織布側に、薬物を含有する粘着剤膏体を積層した請求項1ないし3のいずれかに記載の経皮吸収貼付製剤。
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