JP4007728B2 - アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法 - Google Patents

アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法及び酸化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の室内や自動車の車内などにおけるタバコ臭の除去を目的として、各種の吸着材を使用した空気清浄機や脱臭剤などが使用されている。これらは、タバコ臭の主成分であるアセトアルデヒド、あるいは、シックハウスの原因物質であるホルムアルデヒド等を吸着除去等するものである。活性炭は各種有機物質を吸着する材料として古くより知られているが、低分子で高極性の有機物(例えばアセトアルデヒド等)は十分吸着することができず、活性炭にアミン類やアスコルビン酸等を担持させて吸着能を高めたものが、種々の有機物を吸着可能な吸着材として用いられている。
【0003】
一方、アルデヒドを酸化させて脱臭する方法として、酸化マンガン(Mn23)と銀とを併用するものが、N.Watanabe et al.、Applied Catalysis B、Environmental 8(1996)405−415に開示されている。
【0004】
他方、例えば米国特許第5523509号明細書等には、分子篩構造を有するマンガン酸カリウム等のマンガン酸塩をアルコール類のカルボン酸類への部分酸化に使用する発明が開示されており酸化用触媒として注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸着剤を用いる技術については、その吸着容量に限界があり、吸着材の交換等が必要になるという欠点もあって、改良が望まれているという現実がある。また、酸化マンガンによる酸化脱臭触媒能には限界があり、例えば、十分な脱臭触媒能を発揮させるには、前記酸化マンガンを、100℃以上の高温に維持しなければならないなどの制約を受けざるを得なかった。
【0006】
そこで、前記マンガン酸塩が注目されているわけであるが、前記したマンガン酸塩は、乾燥状態では高い触媒能を有するものの、高湿度状態では、触媒能が大きく低下するという問題点を有していた。また、このような問題点を解消するためには、そのマンガン酸塩への水分の吸着を防止するため、高温動作させなければならないという問題点があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、高湿度条件下でも高い触媒能を発揮するマンガン酸塩を得て、アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを酸化除去することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この目的を達成するため、マンガン酸塩の組成について鋭意研究したところ、触媒として、分子篩構造を有するマンガン酸塩がインジウム(In)、コバルト(Co)、クロム(Cr)又はニッケル(Ni)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含有している場合に、高湿度条件下でも高い触媒能を発揮しうるという新知見を見出し、更に研究を進めて本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明に係るアセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法の特徴手段は、二価のマンガン塩と過マンガン酸塩とを酸性水溶液中で、インジウム、コバルト、クロム及びニッケルからなる群から選択される少なくとも1種以上の金属のイオン存在下に、同時結晶法にて混合・反応させ、沈殿物として得られ、前記金属が含有されてなるマンガン酸塩に、アセトアルデヒド若しくはホルムアルデヒドを含むガスを接触させて、前記アセトアルデヒド若しくは前記ホルムアルデヒドを酸化除去する点にある。
加えて、相対湿度が50%の条件下において、アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを酸化除去することができ、温度が25℃の条件下において、アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを酸化除去することができる。
本発明に係るアセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを酸化除去する酸化用触媒の特徴手段は、二価のマンガン塩と過マンガン酸塩とを酸性水溶液中で、インジウムイオン存在下に、同時結晶法にて混合・反応させ、沈殿物として得られ、インジウムが含有されてなるマンガン酸塩を主成分とし、当該インジウムが含有されてなるマンガン酸塩にアセトアルデヒド若しくはホルムアルデヒドを含むガスを接触させる点にある。
また、前記インジウムが含有されてなるマンガン酸塩のBET比表面積が、150m 2 /g以上600m 2 /g以下である酸化用触媒とすることができる。
そして、これらの作用効果は、以下の通りである。
【0010】
従来品のマンガン酸塩の触媒能が、高湿度状態で大きく低下する原因は、雰囲気中あるいは種々の化合物を酸化分解した際に生じる生成水が、マンガン酸塩の触媒活性を有する活性点を覆い触媒活性を低下させてしまうという現象によるものであると推定されている。ここで、本発明に用いられるインジウム、コバルト、クロム又はニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含有する4種のマンガン酸塩にあっては、この生成水あるいは、雰囲気中の湿度を除去し、高温に加熱することなく湿度の影響を受けにくい状況を現出させられるものと考えられる。
つまり、分子篩構造を有するマンガン酸塩がインジウム、コバルト、クロム又はニッケルを含有している場合、前記マンガン酸塩の分子篩構造とインジウム、コバルト、クロム又はニッケルとの組み合わせにより複合効果を生じ、単にマンガン酸塩が発揮する酸化触媒能が大幅に改善され、生成水あるいは湿度による触媒能の低下が抑制されたものと考えられる。
【0011】
本発明に用いられるマンガン酸塩の結晶構造を、X線回折(XRD)によって解析したところ、インジウム、コバルト、クロム又はニッケルは、マンガン酸塩の格子内に置換して存在しているものと推定され、本発明に用いられるマンガン酸塩にあっては、前記インジウム、コバルト、クロム又はニッケルは、前記分子篩構造のマンガン酸塩構造の表面に担持されるのではなく、結晶構造内に均一に分散されていたり、あるいは、分子篩構造を構成し結晶の格子点に位置するマンガンの一部が、インジウム、コバルト、クロム又はニッケルと置換された構造欠陥や表面欠陥を有するマンガン酸塩の形態をとっているものと考えられる(図1参照)。そして、本発明に用いられるマンガン酸塩は、この構造の差違によって、従来のマンガン酸塩触媒と比較して結晶性が著しく低下し、この結果、触媒活性点が増加しているものと考えられる。又、インジウム、コバルト、クロム又はニッケルの添加によってマンガン酸塩の粒子成長が抑制され、比表面積が増大すると共に、粒子間細孔径が小さくなるために、酸化触媒活性に対する水蒸気の影響が低減されたものと考えられる。
【0012】
前述した特徴を有する本発明に用いられるマンガン酸塩は、二価のマンガン塩溶液と過マンガン酸塩とを、可溶性のインジウム、コバルト、クロム又はニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含む塩の存在下に混合・反応させることにより、沈殿として得られる。
【0013】
本発明に用いられるインジウム、コバルト、クロム又はニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含有するマンガン酸塩によると、酸化速度が速く、被処理ガス中の有機化合物の除去効果が高い酸化反応を行うことができ、脱臭等に用いる場合に、従来の技術に示した、活性炭にアミン類やアスコルビン酸等を加えて吸着能を高めるような場合と比較しても、担持物質の離脱や使用期間の制限などの問題が少なく、また、例えば室温程度の低温条件下においても触媒作用を発揮させることができるものとなり、かつ、生成水あるいは湿度依存性の少ない、極めて取り扱い容易なものとなるのである。このようなインジウム、コバルト、クロム又はニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含有するマンガン酸塩は、後に図5を参照にして説明するように、高湿度条件下でも高い酸化能を維持することができるので、酸化触媒として有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
構成要素にインジウム、コバルト、クロム又はニッケルを含有するマンガン酸塩を製造する場合は、二価のマンガン塩溶液と過マンガン酸塩とを、夫々インジウム、コバルト、クロム又はニッケルのイオン存在下に混合・反応させればよい。尚、分子篩構造のマンガン酸塩を調製するときに用いられる各組成物質の出発原料は、酸性水溶液に溶解するものなら特に制限はない。
【0016】
つまり、インジウム、コバルト、クロム又はニッケルを含有するマンガン酸塩の調製方法としては、50〜150℃で二価のマンガン塩とそれぞれインジウム、コバルト、クロム又はニッケルのイオンを生成しうる化合物の酸性水溶液(pH=3以下)に攪拌しながら過マンガン酸塩、例えばK2MnO4の粉末あるいは水溶液を入れて、沈殿を生成させる。この沈殿を濾過、洗浄して100℃或いは100以上にて乾燥させると、それぞれ、分子篩構造を有するインジウム、コバルト、クロム又はニッケルを含有した4種のマンガン酸塩を得ることができる。尚、前記4種の金属を含有するマンガン酸塩中のインジウム、コバルト、クロム又はニッケルの含有量は、金属酸化物として0.5〜40%程度含まれるように調整することが好ましい。
【0017】
例えば、過マンガン酸塩としては、LiMnO4、NaMnO4、KMnO4、CsMnO4、Mg(MnO4)2、Ca(MnO4)2、Ba(MnO4)2などが挙げられる。
また、二価のマンガン塩としては、例えばMn(NO3)2、MnSO4、MnCl2、Mn(CH3COO)2などが挙げられる。
また、インジウム化合物としては、In(NO33、InCl3、In2(SO43、In(CH3COO)3、In2(CO33等が挙げられる。
コバルト化合物としては、Co(NO32、CoCl2、CoSO4、Co(CH3COO)2、CoCO3等が挙げられる。
クロム化合物としては、Cr(NO32、CrCl2、Cr2(SO43、Cr(CH3COO)2、CrCO3等が挙げられる。
ニッケル化合物としては、Ni(NO32、NiCl2、Ni2SO4、Ni(CH3COO)2、NiCO3等が挙げられる。
【0018】
孔の大きさは、トンネルを形成する鎖状物の数によって決定され、鎖が二本の2×2トンネルタイプ(OMS−2)がよく知られており、孔の大きさは約4.6Åである。但し、その他のタイプもいくつか知られており、本発明に用いることができる。
【0019】
本発明に用いられる新規インジウム、コバルト、クロム又はニッケル含有マンガン酸塩触媒は、BET比表面積が150〜600m2/gであることが好ましい。更に好ましい範囲としては、BET比表面積が180〜600m2/gの範囲である。
ここで、BET比表面積が150m2/gより低いと酸化触媒能が低くなりがちであり、600m2/gより大きいものは得難い。
【0020】
又、本発明に用いられる新規インジウム、コバルト、クロム又はニッケル含有マンガン酸塩触媒(以下、本発明品と呼ぶ場合もある)は、他の触媒を一部混合したり、成形品とするためにバインダー成分を配合したりしてもよい。
【0021】
尚、従来から知られているマンガン酸塩の調製法や分子篩構造などの詳細については、Y.F.Shen et al., Science,vol.260(1993) 511−515等に記載されており、上述の方法は、これらに準ずるものである。
【0022】
本発明に用いられる酸化用触媒により有機化合物を酸化させる場合には、有機化合物のガスを前述の触媒に接触させて酸化させるものである。具体的な反応法は、通常の触媒接触酸化反応に従って、各種の装置を用いて行うことができる。例えば、アルデヒドを含有する気体を、触媒を充填したカラムや、ハニカム状に成形した触媒に流通させたり、流動を積極的に生じさせずに気体と触媒の接触を行う方法など、いずれの方式も採用することができる。特にタバコ臭を除去するためには、空気清浄機にハニカム状に成形して、あるいは、織布・不織布・紙等に含浸させてして組み込むのが好ましい。
【0023】
例えば、反応条件としては、室温でも十分な触媒活性を示すが、高温でも尚、高い触媒活性を発揮する。
【0024】
なお、触媒の使用量や接触時間などは、原料気体の流量やアルデヒド濃度などに応じて、適宜決定される。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の具体的な構成と効果を示す実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
本発明に用いられるインジウム、コバルト、クロム又はニッケル含有マンガン酸塩は、同時結晶法によって得られるものである。以下、同時結晶法について詳述する。
先ず、イオン交換水250mlを収容したフラスコに、二価のマンガン化合物であるMnSO4・4H2O 0.1mol、及び、前記インジウム、コバルト、クロム又はニッケル化合物 0.1molを加えて、4種の溶液を得た。そして、これらの溶液を攪拌しながら97%硫酸を15g添加して、85℃に昇温した。更に、これらの溶液を85℃に保温しつつ、過マンガン酸塩として過マンガン酸カリウム(KMnO4)を0.2mol添加し、2時間反応させて沈殿を生じさせた。この沈殿を濾過して、イオン交換水で洗浄し、120℃にて15時間程乾燥させて、分子篩構造を有するインジウム、コバルト、クロム又はニッケルを含有する4種のマンガン酸塩 (本発明品)を得た。
【0027】
尚、比較例として用いた従来のマンガン酸塩の製造方法は以下の通りである。先ず、イオン交換水250mlを収容したフラスコに、二価のマンガン化合物であるMnSO4・4H2Oを0.2mol加えて溶液を得て、これを攪拌しながら97%硫酸を5g添加して、85℃に昇温した。又、別途、イオン交換水250mlを収容したフラスコに、過マンガン酸塩として過マンガン酸カリウム(KMnO4)を0.2mol添加し、これを50℃に昇温して攪拌して過マンガン酸カリウム溶液を得た。そして、前記硫酸マンガン溶液を85℃に保温して攪拌しつつ前記過マンガン酸カリウム溶液を添加して2時間反応させて、沈殿を生じさせた。この沈殿を濾過して、イオン交換水で洗浄し、120℃にて15時間程乾燥して、分子篩構造を有するマンガン酸塩を得た。
【0028】
このようにして得た本発明に用いられる4種の金属含有マンガン酸塩及び従来品のマンガン酸塩の結晶構造を、X線回折(XRD)により解析した。その結果を、図1に示す。
図1に示すように、従来のマンガン酸塩は、シャープなピークを有する回折像が得られ、結晶構造を有することが示唆される。一方、本発明に用いられる4種の金属含有マンガン酸塩では、ブロードな回折像しか得られず、結晶性が著しく低下していることが示唆される。
【0029】
又、前記本発明に用いられる4種の金属含有マンガン酸塩及び従来のマンガン酸塩の比表面積を、表1に示す。尚、前記比表面積は、液体窒素温度でのN2吸着BET法により測定した。
【0030】
【表1】
Figure 0004007728
【0031】
BJH法により測定した本発明に用いられるインジウム含有マンガン酸塩の細孔分布図を図2に示し、クロム含有マンガン酸塩の細孔分布図を図3に示す。又、図6に従来のマンガン酸塩の細孔分布図を示す。これらの図に示すように、従来のマンガン酸塩の細孔径と比較して、本発明に用いられる2種の金属含有マンガン酸塩の細孔径は、小さいことが明らかとなった。
【0032】
前記インジウム、コバルト、クロム又はニッケルを含有するマンガン酸塩及び従来品のマンガン酸塩を、図4に示す試験装置に組み込み、相対湿度(以下、単に湿度という)50%で、アセトアルデヒドの破過実験を行い、破過曲線からアセトアルデヒド除去量を算出した。
即ち、用いた試験装置は、ボンベ3には1000ppmのアセトアルデヒドを含む窒素ガスが、ボンベ4には空気が入っておりマスフロー5,6、及びバルブV1〜V7を経由して、反応系に適当な濃度のガスを流通させることができるようになっている。また、バルブV1,2を経由する空気は、途中、マスフロー9及び加湿部A、及びバルブV8,9を経由する加湿路にバイパスされ、所定温度での飽和水蒸気圧に湿度調整された空気をつくってボンベ4からの空気と再混合することによって任意の湿度を調整可能に構成してある。また、反応管1は温度調整が可能で、内部に触媒2が充填され、反応ガスまたはバイパスガスは、オートサンプラー7より、ガスクロマトグラフ装置8内に導入され、ガス濃度が測定される。
【0033】
測定条件として、前記マンガン酸塩を成形して1〜2mmにしたもの0.35gだけ反応管1に充填し、アセトアルデヒド濃度が100ppm、湿度が50%、ガス流量が10L/h、空間速度(GLSV) 10000/hになるように、バイパスを利用して各パルブV1〜V9の開度を調整した。
反応は、25℃で10時間アセトアルデヒドの出口濃度の破過時間に対する経時変化を調べた。この結果、図5のようになった。
【0034】
図5の結果は、下記の知見を示すものである。
反応当初にアセトアルデヒドの出口濃度が0に近いのは、アセトアルデヒドが主に吸着によりほとんど捕捉されているためであり、反応時間の経過とともに吸着飽和によって徐々に破過し、出口のアセトアルデヒド濃度が上昇する。この上昇は、反応時間が経過するにつれ、一旦大きく上昇し、さらに、一定値に近づく曲線をたどる。これは、定常状態での出口濃度を示し、反応速度の指標となるものである。
この曲線を本発明品と比較品とで比較すれば、本発明品においては、アセトアルデヒドの出口濃度の上昇が遅く、又、定常状態における出口濃度が低いことから、触媒反応速度が改善されていることがよみとれる。従って、本発明品が、高湿時において比較品よりも優れた触媒活性を有し、室温での耐湿性が大きく向上していることがわかる。
【0035】
更に、本発明品及び従来品のマンガン酸塩触媒におけるアセトアルデヒド処理量(連続10時間)を測定したところ、表2のようになった。
【0036】
【表2】
Figure 0004007728
【0037】
本発明品のマンガン酸塩は、従来品と比較して、単位重量当たりのアセトアルデヒド除去量が2倍となっており、低温(室温)、高湿度条件下において優れた酸化触媒能を有することが明らかである。
【0038】
又、本発明品のマンガン酸塩触媒におけるホルムアルデヒド処理量(連続10時間)を測定したところ、表3のようになった。
尚、ホルムアルデヒドの除去性能評価の試験装置は、アセトアルデヒド除去性能評価の試験装置と同じである。又、その試験方法も、以下に示す条件を除いて同様である。
実験条件:ボンベ3の充填物 40ppmホルムアルデヒド含有窒素ガス
触媒使用量 0.1g
空間速度 35000/h
ホルムアルデヒド濃度 20ppm
【0039】
【表3】
Figure 0004007728
【0040】
本発明品のマンガン酸塩は、ホルムアルデヒドを除去対象とした場合であっても、従来品と比較して単位重量当たりのホルムアルデヒド除去量が1.8倍となっており、高湿度条件下において優れた酸化触媒能を有することが明らかとなった。
【0041】
この結果、本発明品のマンガン酸塩を含む酸化触媒は、従来から用いられているマンガン酸塩に比べて極めて高い酸化処理能力を有し、かつ加湿時でも高いアセトアルデヒド及びホルムアルデヒド除去能力を発揮していることがわかる。
従って、本発明に用いられるインジウム、コバルト、クロム又はニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含有するマンガン酸塩が、有機化合物(アセトアルデヒド及びホルムアルデヒド)の酸化触媒として極めて有用であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明品及び従来品のX線回折パターンを示すチャート
【図2】 インジウム含有マンガン酸塩の細孔分布図
【図3】 クロム含有マンガン酸塩の細孔分布図
【図4】 実施例で用いた試験装置の概略構成図
【図5】 本発明品と比較品によるアセトアルデヒド除去率の経時変化を示す図
【図6】 従来のマンガン酸塩の細孔分布図
【符号の説明】
1 反応管
2 触媒
8 ガスクロマトグラフ装置

Claims (5)

  1. 二価のマンガン塩と過マンガン酸塩とを酸性水溶液中で、インジウム、コバルト、クロム及びニッケルからなる群から選択される少なくとも1種以上の金属のイオン存在下に、同時結晶法にて混合・反応させ、沈殿物として得られ、前記金属が含有されてなるマンガン酸塩に、アセトアルデヒド若しくはホルムアルデヒドを含むガスを接触させて、前記アセトアルデヒド若しくは前記ホルムアルデヒドを酸化除去するアセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法。
  2. 相対湿度が50%の条件下において、前記アセトアルデヒド若しくは前記ホルムアルデヒドを酸化除去する請求項1に記載のアセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法。
  3. 温度が25℃の条件下において、前記アセトアルデヒド若しくは前記ホルムアルデヒドを酸化除去する請求項1又は2に記載のアセトアルデヒド及びホルムアルデヒドの酸化除去方法。
  4. 二価のマンガン塩と過マンガン酸塩とを酸性水溶液中で、インジウムイオン存在下に、同時結晶法にて混合・反応させ、沈殿物として得られ、インジウムが含有されてなるマンガン酸塩を主成分とし、当該インジウムが含有されてなるマンガン酸塩にアセトアルデヒド若しくはホルムアルデヒドを含むガスを接触させ、アセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを酸化除去する酸化用触媒。
  5. 前記インジウムが含有されてなるマンガン酸塩のBET比表面積が、150m 2 /g以上600m 2 /g以下である請求項4に記載のアセトアルデヒド及びホルムアルデヒドを酸化除去する酸化用触媒。
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