JP4007709B2 - レンズ鏡胴の手動及び電動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ鏡胴の手動及び電動装置、特にレンズ部のズームやフォーカス駆動動作において手動と電動の両操作が切替え操作なしに実行できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カメラ、テレビカメラ等に使用されるレンズ鏡胴では、ピント合わせのためのフォーカスレンズや変倍のためのズームレンズが設けられており、これらのレンズは、手動と電動(自動)の切替えが可能となっている(例えば特許第2773230号公報)。
【0003】
図5には、従来のレンズ鏡胴におけるズーム駆動に関する一構成例が示されている。図5(B)の鏡胴1は左側が前側で、本体リング2に対し回動自在となるズーム操作リング3を配置しており、このズーム操作リング3は、その内部機構によりズームレンズを光軸方向へ移動できるように構成される。また、このズーム操作リング3の外周に外歯4が形成され、上記本体リング2には軸受け部材5を介して切替え用歯車6及び軸6Aが取り付けられ、この軸6Aは切替え用歯車6とは別体となり、この歯車6を軸方向に移動可能かつ回転可能に軸支する。
【0004】
上記の切替え用歯車6は、図のようにズームモータ7の軸歯車8に噛合する第1歯車6Bと、前側に移動して上記ズーム操作リング3の外歯4に歯合する第2歯車6Cを有する。また、手動と電動の切替えを回動操作により行う切替え操作ツマミ10が設けられ、この操作ツマミ10の下側円板に取り付けられて回転する駆動ピン11が上記の第1歯車6Bと第2歯車6Cとの間の凹部に配置される。
【0005】
上記の構成によれば、切替え操作ツマミ10が図5(A)の位置に操作されたとき、手動(マニュアル)に設定されることになり、切替え用歯車6が後側へ移動してズーム操作リング3の外歯4から外れた状態となる。従って、この状態ではズーム操作リング3が手で回動でき、この回動操作によってズームレンズを所望の倍率まで駆動することになる。
【0006】
一方、上記切替え操作ツマミ10を図の状態から時計方向へ回転させると、電動(オート)に切り替えられる。この切替え操作ツマミ10は、その駆動ピン11の図の鎖線の位置までの回転により、切替え用歯車6を前側へ移動させ、第2歯車6Cを上記外歯4に噛み合わせることになる。このとき、他方の第1歯車6Bはズームモータ7の歯車8から外れることはない。従って、電動の場合は、不図示のズームスイッチを押すことにより上記ズームモータ7が回転し、切替え用歯車6を介してズーム操作リング3が回動することになり、この結果、ズームレンズを所定方向へ駆動することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の手動と自動の切替えが可能なレンズ鏡胴部では、上述したように切替え操作ツマミ10を回動させる切替え操作が必要であり、この操作が煩雑となる。また、このような切替え操作があるために、例えば被写体に対するピント合わせが迅速に行われず、撮影チャンスを逃がしてしまうという不都合等も生じる。
【0008】
また、上記のズーム操作リング3等の操作時の重さ(操作トルク)はレンズの種類やその他の条件によって変化する場合があるという問題もある。即ち、この種の装置では、異なる種類のレンズ鏡胴に交換することができ、また異なるレンズを組み込んだ各種のレンズ鏡胴を制作する場合、同一のレンズ鏡胴で製造のバラツキが生じる場合もあり、このような場合では、レンズの駆動トルクが相違する。更には、環境温度やグリスの付加状態等の各種条件によってもトルクが微妙に変動することになる。そして、この駆動トルクの変動は電動駆動時においてはそれほど問題とならないが、手動操作時では実際の操作トルクの変化として現れる。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、手動と自動の切替え操作が不要で、被写体に対する条件合せ等も迅速に行うことができ、かつ操作トルクがレンズの種類やその他の条件によって変化することのないレンズ鏡胴の手動及び電動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、鏡胴に配置されたレンズを自動的に移動させるための電動モータと、上記鏡胴の外周部に回動自在に配置され、手動により上記レンズを移動操作するレンズ操作リング(手動操作リング)と、歯車機能を有し軸方向で移動する歯車可動板、この歯車可動板の側面が接触可能に構成され、歯車機能を有し軸方向で固定となる歯車固定板を備え、これら歯車可動板及び歯車固定板の歯車の一方を上記電動モータ側に接続し、他方をレンズ操作リングの外歯に接続するように構成し、上記レンズ操作リングの外歯と上記電動モータとの接続を連結及び切断するためのクラッチ機構と、このクラッチ機構の連結及び切断動作をするためのクラッチ作動モータと、上記電動モータの駆動時に上記レンズの駆動トルクを検出するトルク検出回路と、上記歯車可動板を上記歯車固定板へ付勢する付勢部材を有し、上記クラッチ作動モータの駆動により上記付勢部材を介して上記歯車可動板を移動させるように構成し、この歯車可動板を上記歯車固定板に接触させることによりクラッチ機構の連結を行うと共に、クラッチ機構の切断動作時に、上記クラッチ作動モータを用いて上記歯車可動板と歯車固定板との接触面に摩擦力を発生させることにより上記レンズ操作リングの手動操作トルクを付与し、上記トルク検出回路の出力に基づき、上記摩擦力を調整して上記手動操作トルクを所定値に維持・設定する操作トルク設定手段と、を含んでなることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記レンズを電動駆動させる操作をするための電動操作スイッチを設け、この電動操作スイッチによりクラッチ作動モータを駆動して、上記クラッチ機構の連結及び切断を実行することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、上記クラッチ作動モータ側の歯車に接続され、当該クラッチ作動モータの駆動により軸方向へ移動する移動歯車と、この移動歯車と上記付勢部材との間に配置され、上記歯車可動板及び付勢部材を移動歯車とは別個に回転させるスラストベアリングと、を設けたことを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、例えばズームやフォーカスの電動操作スイッチを押すと、クラッチ作動モータによってクラッチ機構が連結されるので、電動モータによる回転が歯車列を介してレンズ操作リングに与えられ、これによって所定のレンズを駆動することになる。その後、上記電動操作スイッチを離すと、上記クラッチ機構の連結が切断され、手動操作の待機状態となるが、このとき、上記操作トルク設定手段は上記クラッチ機構の摩擦力を利用して、手動時の操作トルクを所定値に設定している。
【0012】
そうして、上記トルク検出回路は例えば上記電動モータの駆動電流からレンズの駆動トルクを検出しており、上記操作トルク設定手段ではこの駆動トルク値を参照してクラッチ機構の摩擦力、即ちクラッチ機構でのスリップトルクが制御される。例えば、レンズ交換等により駆動トルクが重くなったとき、スリップトルクを軽くし、駆動トルクが軽くなったときスリップトルクを重くすることにより、操作トルクが一定に維持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4には、実施形態例に係るレンズ鏡胴の手動及び電動装置の構造が示されており、まず図2及び図3によりレンズ鏡胴の全体構成を説明する。図2に示される鏡胴14では、その先端にフード15が取り付けられ、後端の連結部16にてカメラ本体へ接続できるようになる。また、この鏡胴14の外周に、手動で回動自在となるようにフォーカスリング17、ズーム操作リング(レンズ操作リング)18が取り付けられ、このズーム操作リング18の外周には、電動駆動のための外歯19が形成される。
【0014】
更に、上記鏡胴14の外周に配置される把持部(不図示)等に、ズーム操作のためのズームスイッチ20が取り付けられる。このズームスイッチ20は、テレ(拡大)方向とワイド(縮小)方向に設定された両端が上下してシーソー動作をするシーソースイッチからなり、例えば押した深さに応じて変化速度が高くなるように設定される。そして、この鏡胴14の本体リング22に、図3にも示されるように、支持部材23を介してクラッチ機構と切断時回転機構が取り付けられる。
【0015】
図3において、上記支持部材23の上部に主軸25が固定され、この主軸25の外周を回転自在となるように、円板状の可動板(歯車可動板)26と固定板(歯車固定板)27が取り付けられる。この可動板26及び固定板27の外周には、外歯26G,27Gが形成されており、クラッチ板の機能と歯車としての機能の両方を持つことになる。この可動板26の外歯26Gには、上記ズーム操作リング18の外歯19が噛合する。クラッチ板として機能する上記可動板26と固定板27は、図示されるように、可動板26にテーパ面の側面を有する円形溝(摩擦面)Hが形成され、この円形溝Hに嵌合し、同様にテーパ面を有する嵌合突部(摩擦面)Iが固定板27に形成される。この可動板26には、コイルバネ28を介して第1スラストベアリング30が設けられており、このコイルバネ28によって可動板26は固定板27側へ付勢される。従って、上記円形溝Hと嵌合突部Iの接触(摩擦)とコイルバネ28の付勢押圧により、クラッチ連結が達成される。
【0016】
また、上記の第1スラストベアリング30のコイルバネ接触側(後側)の円板30Aは、主軸25の外周を回転自在となるが、もう一方の前側円板30Bは移動歯車31に固定され、この円板30B及び歯車31は、主軸25の前側に形成されたネジ部25Aに螺合結合する。従って、上記円板30A、コイルバネ28及び可動板26は、移動歯車31側とは別個に回転し、マニュアル(手動)操作時において可動板26を固定板27と切り離して回転させる切断時回転機構として機能する。
【0017】
一方、上記固定板27側にも、第2スラストベアリング33が配置され、このベアリング33では、後側円板33Aが主軸25へ固定され、前側円板33Bが固定板27と共に回転する。そして、この固定板27の外歯27Gに、ズームモータ35の軸歯車36が噛み合う。従って、上記の可動板26が固定板27に連結した状態で、ズームモータ35の回転駆動力は、軸歯車36、固定板外歯27G、可動板外歯26G、外歯19を介してズーム操作リング18に与えられる。
【0018】
更に、上記クラッチ機構を動作させるクラッチ作動モータ37が設けられ、このモータ37の軸歯車38は上記第1スラストベアリング30側の移動歯車31に噛合連結される。従って、このクラッチ作動モータ37を所定の方向に回転させることにより、上記移動歯車31を回動かつ後側へ進行させ、可動板26を固定板27に圧接することができ、一方モータ37を逆方向に回転させれば、可動板26を固定板27から切り離すことができる。また、このクラッチ作動モータ37の軸歯車38には、歯車40を介してポテンショメータ41が接続されており、このポテンショメータ41は上記第1スラストベアリング30側の移動歯車31の回転状態、即ち可動板26の押圧状態を検出することになる。
【0019】
そして、当該例では、上記のクラッチ作動モータ37を用いて移動歯車31の回転位置を変化させ、コイルバネ28を介した可動板26の固定板27への押圧力(摩擦力)を調整することにより、ズーム操作リング18の手動操作トルクを変えることができる。
【0020】
図1には、当該装置の電気的構成が示されており、図左側のズームスイッチ20はシーソー動作の中間位置を0として基準電圧V1 とV2 の間の電圧Vaを発生させる。このズームスイッチ20には、プリアンプ45を介してズームモータ35のパワーアンプ46が接続され、このズームモータ35は上述したように固定板27及び可動板26を介してズーム操作リング18を駆動する。
【0021】
また、上記ズームスイッチ20の出力を入力してこの出力電圧Vaの変化があるか否かを検出し、例えば変化がある場合はHigh信号、変化がない場合はLow信号を出力するコンパレータ47が設けられ、このコンパレータ47には、マニュアルとオート(電動)を切り替える切替え器48が接続される。この切替え器48は、上記コンパレータ47がLow信号を出力しているとき、端子aに接続して後述する手動操作トルク設定のための位置制御電圧Vcを出力し、High信号を出力しているとき端子bに切り換えてクラッチ連結のための位置制御電圧V4 を設定する。
【0022】
この切替え器48の後段には、当該切替え器48の出力電圧と図下側に記載したポテンショメータ41の出力電圧Vbとの差を演算する演算器49が設けられ、この演算器49にクラッチ作動モータ37のパワーアンプ50が接続されており、当該回路は位置サーボ制御を行うことになる。
【0023】
また、上記ズームモータ35には、ズームトルク検出回路52が設けられ、このズームトルク検出回路52にズームメモリ53が接続される。上記ズームトルク検出回路52は、モータ35の駆動電流を検出してこれを電圧に変換し、この電圧値をズーム操作リング(ズームレンズ)18の駆動トルクとして出力し、この電圧値データを上記ズームメモリ53にて記憶する。
【0024】
更に、上記クラッチ機構でのスリップトルクを設定するスリップトルク設定回路(手動操作トルク設定回路)54と、この回路54の出力と上記ズームメモリ53の出力とを比較する比較回路55が設けられる。この比較回路55では、上記スリップトルク設定回路54から出力されたトルク設定電圧とズームメモリ53から出力されたトルク検出電圧を比較し、比較出力を制御電圧Vcとして上記切替え器48を介してクラッチ作動モータ37へ与えることにより、設定された手動操作トルクを一定に維持する。即ち、上記駆動トルクが重くなったときはスリップトルク(摩擦力)を軽くし、駆動トルクが軽くなったときはスリップトルクを重くすることにより、最終的な手動操作トルクを所定値に維持する。
【0025】
このような構成によれば、ズームスイッチ20が操作されたとき、コンパレータ47は電圧Vaの変化を検出してHigh信号を出力し、切替え器48はその端子bへの切替えにより電圧V4 を出力するので、演算器49ではV4 −Vbが演算される。この演算電圧は、パワーアンプ50に出力され、これによってクラッチ作動モータ37が動作し、上記可動板26がその切断状態から連結位置まで駆動される。そして、この可動板26が連結位置に到達すると、ポテンショメータ41からはVb=V4 が出力され、これにより上記の演算器49の出力は0となってモータ37が停止する。この状態で、上記ズームスイッチ20の出力電圧Vaに基づき、上記パワーアンプ46はズームモータ35を駆動させる。
【0026】
一方、ズームスイッチ20の押下が解除されたときは、上記電圧Vaが0となるので、Low信号により切替え器48は端子aへ切り換えられて制御電圧Vcを出力するので、演算器49ではVc−V4 が演算され、この差電圧を入力したパワーアンプ50によりクラッチ作動モータ37が反転動作する。そして、上記ポテンショメータ41の出力VbとVcが一致した時点でモータ37は停止し、可動板26は切断位置に到達する。
【0027】
このときの上記位置制御電圧Vcは、上記スリップトルク設定回路54及び比較回路55で設定されており、クラッチ機構を完全に切断するのではなく、上記可動板26を固定板27に接触させ所定の摩擦力が発生する状態とする。これによって、ズーム手動操作時における所定の手動操作トルクが設定される。そして、当該例では、オート動作時の駆動トルクがズームトルク検出回路52で検出され、ズームメモリ53に記憶されており、比較回路55では、このメモリ53の検出電圧とストリップトルク設定回路54で設定される設定電圧を比較した電圧が出力される。
【0028】
例えば、図1に示されるように、検出されるズーム(駆動)トルクがVt、設定されるスリップトルクがVsであるとすると、Vs−Vtが制御電圧Vcとして出力される。そして、上記検出ズームトルクがVt+1に重くなった場合は、Vs−Vt+1=Vs-1のスリップトルク電圧(電圧Vsよりも軽い)が電圧Vcとして出力され、これによって手動操作トルクが一定に維持される。
【0029】
この実施例は以上の構成からなり、次に全体的な作用を説明する。上記図3は、クラッチ機構が連結されているときの状態、図4は逆にクラッチ機構が切断されているときの状態(完全に切断した状態で示す)であるが、この図4の状態から、ズームスイッチ20が押されると、図1のコンパレータ47の検出により切替え器48が電動制御電圧V4 を設定するのでクラッチ作動モータ37が回転し、主軸25に螺合結合する上記移動歯車31の後側への移動により、図3に示されるように、コイルバネ28を介して可動板26が固定板27に圧接される。このクラッチ機構の連結により、ズームモータ35の回転が歯車36、固定板外歯27G、可動板外歯26Gを介してズーム操作リング18に伝達される。
【0030】
これによって、ズームスイッチ20の操作方向、押し量に応じてズームモータ35が回転し、ズームレンズが自動的に駆動される。そして、このズームモータ35の駆動時には、駆動トルクがズームトルク検出回路52で検出され、この検出電圧がズームメモリ53に記憶される。
【0031】
一方、上記ズームスイッチ20の押下が解除されると、図1の切替え器48がa側に切り替えられ、マニュアル制御電圧Vc(Vs−Vt)が出力されることになり、クラッチ機構の可動板26が固定板27から切り離される。即ち、図4に示されるように、クラッチ作動モータ37が回転し、軸歯車38を介して螺合結合の移動歯車31を回転させることにより、この移動歯車31から可動板26までの部材を前側(図の左側)へ移動させる。
【0032】
この結果、可動板26が固定板27から切り離され、図4で示されるように切断状態となり、マニュアル(手動)で操作できる状態となる。ここで、図4では切断状態を明確な隙間で表わしてあるが、実際には可動板26と固定板27は所定の摩擦力を発生するように接触している。この摩擦力で生じるスリップトルクは、上記の制御電圧Vc=Vs−Vtで制御されることになり、これによりズーム操作リング18の操作トルクが所定値に設定される。
【0033】
そして、レンズ鏡胴14が交換された場合、環境温度やグリスの付加状態等が変化した場合等に、ズームトルクの変化が生じることがあるが、この場合でも、上記手動操作トルクは一定に維持される。即ち、上述のように、ズームトルクが例えばVt+1と重くなった場合でも、直前の電圧Vsよりも軽いスリップトルク電圧Vs-1が電圧Vcとして出力されることにより、手動操作トルクが一定に制御される。
【0034】
上記実施形態例では、上記スリップトルク設定回路54の値を固定値として説明したが、この値を例えばリニアに変えることにより、上記ズーム操作リング18の操作トルクを使用者が自由に設定することも可能である。即ち、使用者によって手の操作力或いは好みが異なるため、上記スリップトルク設定回路54を、外部から設定できる調整ネジのようなものでリニアに可変できる構成とすれば、使用者が任意に手動操作トルクを設定することが可能なる。
【0035】
また、上記実施形態例では、ズーム操作リング18に用いた場合を説明したが、上記の構成は、フォーカス操作リングに同様に適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レンズ操作リングに対し電動モータの回転を連結し及びこの連結を切断するために、軸方向で移動する歯車可動板及びこの歯車可動板の側面が接触可能とされ軸方向で固定となる歯車固定板を備え、これら歯車可動板及び歯車固定板の歯車の一方を上記電動モータ側に接続し、他方をレンズ操作リングの外歯に接続するように構成したクラッチ機構と、このクラッチ機構を動作させるクラッチ作動モータを設け、上記クラッチ機構の切断動作時に、クラッチ作動モータと付勢部材を用いた操作トルク設定手段により、歯車可動板と歯車固定板との接触面に摩擦力を発生させることにより上記レンズ操作リングの手動操作トルクを付与すると共に、上記電動モータ駆動時のレンズ駆動トルクを検出し、この検出トルクに基づき、上記手動操作トルクを所定値に維持するようにしたので、手動と自動の切替え操作が不要で、被写体に対する条件合せ等も迅速に行うことができるレンズ鏡胴が得られると共に、レンズ鏡胴を交換する場合、各種のレンズ鏡胴を制作する場合、製造時のバラツキが生じる場合、環境温度やグリスの付加状態等の各種条件が変化する場合でも、操作トルクを所望の値に維持することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係るレンズ鏡胴の手動及び電動装置の電気的構成を示す回路図である。
【図2】実施形態例の装置の全体構成を示す図である。
【図3】実施形態例の装置の機械的構成を示し、クラッチ機構が連結状態にある図である。
【図4】図1の手動及び電動装置においてクラッチ機構の切断状態を示す図である。
【図5】従来における手動、電動の切替えが可能なレンズ鏡胴の構造を示す図である。
【符号の説明】
1,14 … 鏡胴、
3,18 … ズーム操作リング、
4,19,26G,27G … 外歯、
7,35 … ズームモータ、 20 … ズームスイッチ、
26 … 可動板(歯車可動板)、
27 … 固定板(歯車固定板)、
31 … 移動歯車、 37 … クラッチ作動モータ、
41 … ポテンショメータ、 47 … コンパレータ、
48 … 切替え器、 49 … 演算器、
52 … ズームトルク検出回路、
53 … ズームメモリ、
54 … スリップトルク設定回路、
55 … 比較回路。
Claims (3)
- 鏡胴に配置されたレンズを自動的に移動させるための電動モータと、
上記鏡胴の外周部に回動自在に配置され、手動により上記レンズを移動操作するレンズ操作リングと、
歯車機能を有し軸方向で移動する歯車可動板、この歯車可動板の側面が接触可能に構成され、歯車機能を有し軸方向で固定となる歯車固定板を備え、これら歯車可動板及び歯車固定板の歯車の一方を上記電動モータ側に接続し、他方をレンズ操作リングの外歯に接続するように構成し、上記レンズ操作リングの外歯と上記電動モータとの接続を連結及び切断するためのクラッチ機構と、
このクラッチ機構の連結及び切断動作をするためのクラッチ作動モータと、
上記電動モータの駆動時に上記レンズの駆動トルクを検出するトルク検出回路と、
上記歯車可動板を上記歯車固定板へ付勢する付勢部材を有し、上記クラッチ作動モータの駆動により上記付勢部材を介して上記歯車可動板を移動させるように構成し、この歯車可動板を上記歯車固定板に接触させることによりクラッチ機構の連結を行うと共に、クラッチ機構の切断動作時に、上記クラッチ作動モータを用いて上記歯車可動板と歯車固定板との接触面に摩擦力を発生させることにより上記レンズ操作リングの手動操作トルクを付与し、上記トルク検出回路の出力に基づき、上記摩擦力を調整して上記手動操作トルクを所定値に維持・設定する操作トルク設定手段と、を含んでなるレンズ鏡胴の手動及び電動装置。 - 上記レンズを電動駆動させる操作をするための電動操作スイッチを設け、この電動操作スイッチによりクラッチ作動モータを駆動して、上記クラッチ機構の連結及び切断を実行することを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡胴の手動及び電動装置。
- 上記クラッチ作動モータ側の歯車に接続され、当該クラッチ作動モータの駆動により軸方向へ移動する移動歯車と、この移動歯車と上記付勢部材との間に配置され、上記歯車可動板及び付勢部材を移動歯車とは別個に回転させるスラストベアリングと、を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ鏡胴の手動及び電動装置。
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