JP4006683B2 - プリンタ、印刷クライアント、及び、印刷システム - Google Patents

プリンタ、印刷クライアント、及び、印刷システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、印刷クライアント、及び、印刷システムに関し、特に、プリンタに送信されるデータのセキュリティを確保しつつ、代替印刷を可能にするプリンタ、印刷クライアント、及び、印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、ネットワークを用いてプリンタを共有する印刷システムが、盛んに使用されるようになってきている。すなわち、1つのネットワークに、印刷クライアントとしてコンピュータを複数接続するとともに、例えば1台のプリンタをこのネットワークに接続することにより、複数の印刷クライアントからの印刷データを1台のプリンタが受け付けて、印刷を行うことができるようになってきている。
【0003】
このようなネットワークを用いた印刷システムにおいては、様々なユーザが、各印刷クライアントから印刷データをプリンタに送信し、印刷を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、印刷クライアントから送信された印刷データを、プリンタが無条件に印刷してしまうこととすると、ユーザが意図した場所に設置されていないプリンタであってもそのまま印刷がなされてしまうこととなる。特に、以前使用されていた場所から別な場所に移動されたプリンタの場合、ネットワーク上のアドレスであるIPアドレス等は変更されていないこともあることから、移動後の場所にあるプリンタで、送信した印刷データの印刷が行われてしまうこととなる。このような事態は、印刷データのセキュリティを確保したいユーザにとっては、望ましくない。
【0005】
さらには、印刷クライアントから送信された印刷データを、プリンタが無条件で印刷してしまうこととすると、本来そのプリンタで印刷する権限のない印刷クライアントからの印刷データまで、プリンタが印刷をしてしまうこととなる。この場合、そのプリンタで印刷できる印刷クライアントを制限できないこととなり、やはり好ましくない。特に、不正な意図をもって大量の印刷データを送信するユーザも存在し得ることを考えると、何らかの印刷制限を設ける必要がある。
【0006】
また例えば、会社のある部署で使用していたプリンタを別の部署に移動させて、さらに使用する場合もある。このような場合、これまでそのプリンタで印刷する権限を有していた印刷クライアントであっても、プリンタの移動をした後には、このプリンタで印刷する権限を与えたくないことがある。このような状況において、印刷クライアントからの印刷データを、プリンタ側で印刷しないようにする技術の必要性が認められる。
【0007】
さらに、印刷クライアントから印刷データを受信したプリンタが、何らかの原因により印刷不能である場合もある。例えば、紙詰まりや紙無しエラー等の理由により、印刷を実行できる状況でない場合がある。このような場合には、この印刷データを代わりに印刷できる代替プリンタで印刷を行うようにした方が、ユーザの利便性が向上する。
【0008】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、印刷データのセキュリティを確保しつつ、代替印刷を実現することのできる、プリンタ、印刷クライアント、及び、印刷システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るプリンタは、当該プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を取得する、プリンタ位置情報取得手段と、前記プリンタ位置情報取得手段が取得した前記プリンタ位置情報を、他のプリンタに送信し、前記他のプリンタに、当該プリンタと前記他のプリンタとの間の相対距離を算出させる、プリンタ位置情報送信手段と、前記他のプリンタから前記相対距離を受信する、相対距離受信手段と、前記相対距離受信手段が受信した前記相対距離を格納する、相対距離格納手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
あるいは、本発明に係るプリンタは、当該プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を取得する、プリンタ位置情報取得手段と、他のプリンタから、前記他のプリンタのプリンタ位置情報を受信する、プリンタ位置情報受信手段と、前記プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報と、前記プリンタ位置情報受信手段で受信したプリンタ位置情報とに基づいて、当該プリンタと前記他のプリンタとの間の相対距離を算出する、相対距離算出手段と、前記相対距離算出手段が算出した前記相対距離を格納する、相対距離格納手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
これらの場合、印刷クライアントが送信した印刷送信用データを受信する、印刷送信用データ受信手段と、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記相対距離が最も近い他のプリンタを、代替プリンタに選択して、前記印刷送信用データの代替印刷を要求する、代替印刷要求手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
さらに、前記代替プリンタと当該プリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあるかどうかを判断する、相対距離判断手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0013】
この場合、前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと当該プリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあると判断した場合には、受信した前記印刷送信用データを前記代替プリンタに転送する、転送手段を備えるようにしてもよい。
【0014】
この場合、前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと当該プリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にないと判断した場合には、受信した前記印刷送信用データに基づいて、前記代替プリンタに適合した代替印刷送信用データを生成し、この代替印刷送信用データを前記代替プリンタに送信する、代替送信手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0015】
この場合、前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データを復号することにより印刷データを取得し、この取得した印刷データを前記代替プリンタで復号できるように再び暗号化することにより、前記代替印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0016】
さらに、前記プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報又はその周囲の位置情報を少なくとも含むパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で、前記印刷送信用データが復号できた場合には、前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、復号できなかった場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、選択印刷実行手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0017】
この場合、前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、前記印刷送信用データを復号して取得した印刷データを、前記代替プリンタの公開鍵で暗号化して、前記代替印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0018】
一方、前記印刷送信用データに含まれているプリンタ位置情報と、前記プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲内であるかどうかを判断し、両者の差が前記所定範囲内にある場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、両者の差が前記所定範囲内にない場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、選択印刷実行手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0019】
この場合、前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データから印刷データを取得し、この取得した印刷データに前記代替プリンタのプリンタ位置情報を結合することにより、前記代替印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0020】
一方、印刷クライアントが送信した印刷送信用データを受信する、印刷送信用データ受信手段と、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記他のプリンタの前記相対距離をプリンタ毎にリスト化した代替プリンタリストを、前記印刷送信用データを送信した印刷クライアントに送信する、リスト送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0021】
さらに、前記代替プリンタリストを、前記相対距離の近い順にソートする、ソート手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0022】
また、前記代替プリンタリストには、前記他のプリンタを特定するための情報として、前記他のプリンタのネットワークアドレスが含まれているようにしてもよい。
【0023】
本発明に係る印刷クライアントは、印刷データに基づいて印刷送信用データを生成する、印刷送信用データ生成手段と、前記印刷送信用データをプリンタに送信する、第1送信手段と、前記プリンタが印刷を実行できる状態にない場合に、前記プリンタから代替印刷通知を受信する、代替印刷通知受信手段であって、前記代替印刷通知には、代替プリンタの候補をリスト化した代替プリンタリストが少なくとも含まれており、前記代替プリンタリストには、前記プリンタと前記代替プリンタの候補との間の相対距離が少なくとも含まれている、代替印刷通知受信手段と、少なくとも前記代替プリンタリストに基づいて、代替プリンタを選択する、代替プリンタ選択手段と、選択した代替プリンタに、印刷送信用データを送信する、第2送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
また、各プリンタに対応する公開鍵をテーブル化した公開鍵テーブルを、さらに備えており、前記印刷送信用データ生成手段は、印刷データを送信するプリンタに対応する公開鍵を用いて、この印刷データを暗号化することにより、前記印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0025】
この場合、前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記公開鍵テーブルとに基づいて、前記公開鍵テーブルにおいて公開鍵を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択するようにしてもよい。
【0026】
この場合、前記第2送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタの公開鍵を用いて、再び印刷データを暗号化して印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信するようにしてもよい。
【0027】
一方、各プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を、各プリンタに対応させてテーブル化したプリンタ位置情報テーブルを、さらに備えており、前記印刷送信用データ生成手段は、印刷データを送信するプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合することにより、前記印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0028】
また、前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記プリンタ位置情報テーブルとに基づいて、前記プリンタ位置情報テーブルにおいてプリンタ位置情報を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択するようにしてもよい。
【0029】
この場合、前記第2送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合して、印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信するようにしてもよい。
【0030】
本発明に係る印刷システムは、1のプリンタの設置されている場所を特定するための第1プリンタ位置情報を取得する、第1プリンタ位置情報取得手段と、他のプリンタの少なくとも1つについて、その設置されている場所を特定するための第2プリンタ位置情報を取得する、第2プリンタ位置情報取得手段と、前記第1プリンタ位置情報と前記第2プリンタ位置情報とに基づいて、前記1のプリンタと前記他の1のプリンタとの間の相対距離を算出する、相対距離算出手段と、前記相対距離算出手段が算出した前記相対距離を前記1のプリンタに格納する、相対距離格納手段と、を備えることを特徴とする。
【0031】
この場合、前記1のプリンタは、印刷クライアントが送信した印刷送信用データを前記1のプリンタで受信する、印刷送信用データ受信手段と、前記1のプリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記相対距離が最も近い他のプリンタを、代替プリンタに選択して、前記印刷送信用データの代替印刷を要求する、代替印刷要求手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0032】
さらに、前記1のプリンタは、前記代替プリンタと前記1のプリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあるかどうかを判断する、相対距離判断手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0033】
この場合、前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと前記1のプリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあると判断した場合には、受信した前記印刷送信用データを前記代替プリンタに転送する、転送手段を備えるようにしてもよい。
【0034】
さらに、前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと前記1のプリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にないと判断した場合には、受信した前記印刷送信用データに基づいて、前記代替プリンタに適合した代替印刷送信用データを生成し、この代替印刷送信用データを前記代替プリンタに送信する、代替送信手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0035】
この場合、前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データを復号することにより印刷データを取得し、この取得した印刷データを前記代替プリンタで復号できるように再び暗号化することにより、前記代替印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0036】
さらに、前記1のプリンタは、前記第1プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報又はその周囲の位置情報を少なくとも含むパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で、前記印刷送信用データが復号できた場合には、前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、復号できなかった場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第1選択印刷実行手段を、さらに備え、前記代替プリンタは、前記第2プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報又はその周囲の位置情報を少なくとも含むパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で、前記1のプリンタから受信した前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データが復号できた場合には、前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、復号できなかった場合には前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第2選択印刷実行手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0037】
この場合、前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、前記1のプリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、前記印刷送信用データを復号して取得した印刷データを、前記代替プリンタの公開鍵で暗号化して、前記代替印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0038】
一方、前記1のプリンタは、前記印刷送信用データに含まれているプリンタ位置情報と、前記第1プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲内であるかどうかを判断し、両者の差が前記所定範囲内にある場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、両者の差が前記所定範囲内にない場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第1選択印刷実行手段をさらに備え、前記代替プリンタは、前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに含まれているプリンタ位置情報と、前記第2プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲内であるかどうかを判断し、両者の差が前記所定範囲内にある場合には前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、両者の差が前記所定範囲内にない場合には前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第2選択印刷実行手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0039】
この場合、前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データから印刷データを取得し、この取得した印刷データに前記代替プリンタのプリンタ位置情報を結合することにより、前記代替印刷送信用データを生成するようにしてもよい。
【0040】
一方、前記1のプリンタは、印刷クライアントが送信した印刷送信用データを受信する、印刷送信用データ受信手段と、前記1のプリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記他のプリンタの前記相対距離をプリンタ毎にリスト化した代替プリンタリストを、前記印刷送信用データを送信した印刷クライアントに送信する、リスト送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0041】
この場合、前記1のプリンタは、前記代替プリンタリストを、前記相対距離の近い順にソートする、ソート手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0042】
また、前記代替プリンタリストには、前記他のプリンタを特定するための情報として、前記他のプリンタのネットワークアドレスが含まれているようにしてもよい。
【0043】
また、前記印刷クライアントは、少なくとも前記代替プリンタリストに基づいて、代替プリンタを選択する、代替プリンタ選択手段と、選択した代替プリンタに、印刷送信用データを送信する、再送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0044】
さらに、前記印刷クライアントは、各プリンタに対応する公開鍵をテーブル化した公開鍵テーブルと、印刷データを送信するプリンタに対応する公開鍵を用いて、この印刷データを暗号化することにより、前記印刷送信用データを生成し、前記1のプリンタに送信する、印刷送信用データ送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0045】
この場合、前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記公開鍵テーブルとに基づいて、前記公開鍵テーブルにおいて公開鍵を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択するようにしてもよい。
【0046】
また、前記再送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタの公開鍵を用いて、再び印刷データを暗号化して印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信するようにしてもよい。
【0047】
一方、前記印刷クライアントは、各プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を、各プリンタに対応させてテーブル化したプリンタ位置情報テーブルと、印刷データを送信するプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合することにより、前記印刷送信用データを生成し、前記1のプリンタに送信する、印刷送信用データ送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0048】
この場合、前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記プリンタ位置情報テーブルとに基づいて、前記プリンタ位置情報テーブルにおいてプリンタ位置情報を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択するようにしてもよい。
【0049】
また、前記再送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合して、印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信するようにしてもよい。
【0050】
なお、本発明は、プリンタを制御するための制御方法、印刷クライアントを制御するための制御方法、又は、印刷システムを制御するための制御方法として、実現することもできる。さらには、そのようにプリンタ、印刷クライアント、又は、印刷システムを制御するためのプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体として実現することもできる。
【0051】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る印刷システムは、プリンタが受信した印刷送信用データを復号する際には、プリンタが設置されている位置を表すプリンタ位置情報のみならず、このプリンタ位置情報の周囲の位置情報も含めて複数のパスフレーズを生成し、こられのパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で印刷送信用データD10が復号できた場合には、その印刷を実行する。しかし、例えば紙詰まり等の理由でこのプリンタが印刷を実行できない場合には、このプリンタは、このプリンタからの相対距離に基づいて、受信した印刷データを代わりに印刷する代替プリンタを選定し、この代替プリンタに代替印刷を要求するようにしたものである。より詳しくを、以下に説明する。
【0052】
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る印刷システムの構成を説明する。図1は、本実施形態に係る印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0053】
この図1に示すように、本実施形態に係る印刷システムは、ネットワーク10に接続された印刷クライアント20と、同じくネットワーク10に接続されたプリンタ30、32とを備えている。本実施形態においては、ネットワーク10は、TCP/IP(transmission control protocol/internet protocol)を用いたインターネットにより構成されている。但し、ネットワーク10の態様は、インターネットに限るものではなく、例えば、イーサーネット等のLANや、インターネットとLANの混在により構成されていてもよい。
【0054】
印刷クライアント20は、例えば、ホストコンピュータやパーソナルコンピュータと呼ばれる各種のコンピュータにより構成されている。本実施形態では、特に印刷クライアント20は、印刷データを暗号化した印刷送信用データを生成し、この印刷送信用データをネットワーク10を介してプリンタ30及び/又はプリンタ32に送信する。このネットワーク10に接続される印刷クライアントの台数は任意であり、1台でもよく、複数台でもよい。また、この印刷クライアント20は、コンピュータに限られるものではなく、例えば、撮影した画像を印刷する必要のあるデジタルカメラや、印刷画像データをコンテンツとして蓄積してあるコンテンツサーバ等でもよい。
【0055】
また本実施形態においては、プリンタ30、32はいわゆるネットワークプリンタである。本実施形態においては、特にプリンタ30、32は、印刷送信用データを印刷クライアント20から受信したときには、この印刷送信用データを復号できた場合にのみ、復号されることにより取得された印刷データに基づく印刷を行う。また、本実施形態においては、プリンタ30、32は、紙詰まり等の理由により印刷を実行できない場合には、復号された印刷データを代わりに印刷する代替プリンタを選定する。この選定した代替プリンタが所定範囲内に位置している場合には、受信した印刷送信用データをそのまま代替プリンタにネットワーク10を介して転送する。一方、この選定した代替プリンタが所定範囲内に位置していない場合には、この代替プリンタの公開鍵を用いて印刷データを再び暗号化した印刷送信用データを生成する。そして、この代替プリンタにネットワーク10を介して、生成した印刷送信用データを送信する。この印刷送信用データを受信した代替プリンタは、この印刷送信用データを復号し、復号できた場合には印刷を実行する。
【0056】
本実施形態においては、プリンタ30、32は、ネットワーク10に直接接続されており、各プリンタ30、32は固有のネットワークアドレスを有している。したがって、印刷クライアント20は、このネットワークアドレスを指定することにより、印刷送信用データをプリンタ30又はプリンタ32に送信することができる。
【0057】
但し、この図1においては、プリンタ30、32をネットワーク10に直接接続しているが、プリンタサーバを介して接続するようにしてもよい。また、このネットワーク10に接続されるプリンタの台数は任意であり、1台でもよく、複数台でもよい。
【0058】
図2は、プリンタ30の内部構成を説明するためのブロック図である。なお、プリンタ32の内部構成もプリンタ30と同様である。すなわち、プリンタ30とプリンタ32は同じプリンタ機種である。
【0059】
この図2に示すように、プリンタ30は、CPU(Central Processing Unit)40と、RAM(Random Access Memory)42と、ROM(Read Only Memory)44とを備えており、これらは互いに内部バス46を介して接続されている。また、この内部バス46には、通信用のインターフェース48が接続されており、この通信用のインターフェース48を介して、上述したネットワーク10にプリンタ30が接続されている。さらに、内部バス46には、インターフェース50が接続されており、このインターフェース50には印刷エンジン52が接続されている。
【0060】
また、内部バス46には、位置検出部54が接続されている。この位置検出部54は、プリンタ30が設置されている位置を特定する機能を有する。本実施形態においては、例えば、GPS(global positioning system)により構成されており、このプリンタ30が設置されている位置の緯度、経度、高度が特定できるようになっている。現時点におけるGPSの精度は、緯度、経度、高度(X軸、Y軸、Z軸)において、それぞれ±10m程度であると言われている。
【0061】
但し、この位置検出部54は、GPSを用いた構成に限らず、例えば、無線LANによりこのプリンタ30がネットワーク10に接続されている場合には、このプリンタ30が収容されている無線基地局に基づいて、プリンタ30の位置を特定するようにしてもよい。或いは、PHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信技術を利用して、プリンタ30の位置を特定するようにしてもよい。
【0062】
さらに、本実施形態に係るプリンタ30の内部バス46には、インターフェース56が接続されており、このインターフェース56を介して、書き換え可能な不揮発性記憶装置として、ハードディスク58が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク58は、例えば、書き換え可能な不揮発性記憶装置であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)に置き換えることも可能である。
【0063】
図3は、印刷クライアント20の内部構成を説明するためのブロック図である。この図3に示すように、本実施形態に係る印刷クライアント20は、コンピュータ本体60とディスプレイ62とを備えて構成されている。
【0064】
コンピュータ本体60は、CPU64と、RAM66と、ROM68とを備えており、これらは互いに内部バス70を介して接続されている。また、この内部バス70には、通信用のインターフェース72が接続されており、この通信用のインターフェース72を介して、上述したネットワーク10に印刷クライアント20が接続されている。
【0065】
さらに、内部バス70には、インターフェース74が接続されており、このインターフェース74には大容量記憶装置であるハードディスク76が接続されている。また、内部バス70には、インターフェース78が接続されており、このインターフェース78から延びるケーブル80を介して、上述したディスプレイ62が接続されている。
【0066】
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る印刷システムにおいて、例えば、印刷クライアント20がプリンタ30に印刷を要求した場合の処理を、概略的に説明する。図4は、印刷送信用データを受信したプリンタ30がプリンタ32に代替印刷を行う場合に、このプリンタ32がプリンタ30から所定範囲内に位置している場合の処理内容を説明するブロック図であり、図5は、同様の場合に、プリンタ32がプリンタ30から所定範囲内に位置していない場合の処理内容を説明するブロック図である。
【0067】
まず、印刷クライアント20は、予め、例えばプリンタ30からこのプリンタ30の公開鍵PKEY0を取得しておく。本実施形態においては、この公開鍵PKEY0の取得は、ネットワーク10を介して行われる。すなわち、プリンタ30は、公開鍵PKEY0を要求してきた印刷クライアントが正当な権限を有しているかどうかを確認し、正当な権限を有する場合にのみ、公開鍵PKEY0を通知する。但し、プリンタ30の公開鍵PKEY0は、必ずしもネットワーク10を介して印刷クライアント20に通知する必要はない。例えば、印刷クライアント20のユーザが、正当な権限を有する者であれば、プリンタ30の設置場所に出向いて、プリンタ30を操作することができるのであるから、ユーザがプリンタ30のコントロールパネルを操作して、プリンタ30の公開鍵PKEY0を取得するようにしてもよい。この場合、ユーザは、例えば、プリンタ30の公開鍵PKEY0をフレキシブルディスク等の記録媒体に記録し、これを印刷クライアント20に読み込ませればよい。
【0068】
次に、印刷クライアント20のユーザは、印刷するべきデータを作成し、印刷クライアント20に対してプリンタ30を指定して印刷を指示する。図6は、印刷データD05の暗号化及び復号の流れを説明する図である。
【0069】
この図6に示すように、印刷クライアント20は、取得した公開鍵PKEY0を用いて印刷データD05を暗号化し、印刷送信用データD10を生成する。ここで、印刷データD05は、プリンタ30で印刷エンジン52を駆動した印刷を行うのに必要となる本来の印刷データを示している。なお、印刷送信用データD10は、この図6に示した印刷データD05以外のデータを含んでいてもよい。
【0070】
図4及び図5に示すように、続いて、印刷クライアント20は、この生成した印刷送信用データD10を、ネットワーク10を介して、プリンタ30に送信する。この印刷送信用データD10を受信したプリンタ30は、図2に示すように、この受信した印刷送信用データD10をRAM42に一旦格納する。そして、プリンタ30は、この暗号化された印刷送信用データD10を、複数の所定の秘密鍵を用いて復号し、印刷送信用データD10に含まれている印刷データD05を取得しようとする(図6参照)。いずれかの秘密鍵でこの復号ができた場合には、印刷送信用データD10に含まれている印刷データD05を、印刷エンジン52に送信して印刷を行い、いずれの秘密鍵でも復号できなかった場合には、印刷は行わない。
【0071】
なお、本実施形態においては、公開鍵及び秘密鍵の生成は、プリンタ30、32の設けられている位置を示すプリンタ位置情報に依存して形成されるものであるが、詳しくは後述するものとする。また、復号のためのアルゴリズムの詳細についても後述するが、本実施形態においては、プリンタ30、32において、プリンタ位置情報が多少変動しても、正常に復号ができるアルゴリズムが用いられている。
【0072】
ここで、プリンタ30は、何らかの理由で印刷を行うことができなかったとする。すると、プリンタ30は、代替プリンタリストテーブルを検索し、この印刷データD05の印刷を代替させるプリンタを選択する。この際には、最もプリンタ30からの相対距離が近いプリンタが、代替プリンタとして選択される。ここでは、代替プリンタとしてプリンタ32が選択されたとする。
【0073】
次に、プリンタ30は、このプリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が、所定範囲内にあるかどうかを判断する。プリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が所定範囲内にある場合には、図4に示すように、本実施形態においては、受信した印刷送信用データD10をそのまま転送しても代替プリンタ32で復号されることが期待できるので、そのまま印刷送信用データD10を代替プリンタ32に転送する。代替プリンタ32では、受信した印刷送信用データD10を複数の所定の秘密鍵を用いて、復号しようとする。そして、いずれかの秘密鍵を用いることにより、この印刷送信用データD10の復号ができた場合には印刷を行い、いずれの秘密鍵を用いても印刷送信用データD10の復号ができなかった場合には、印刷を行わない。
【0074】
一方、プリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が所定範囲内にない場合には、図5に示すように、受信した印刷送信用データD10をそのまま転送すると、代替プリンタ32で復号されないと考えられる。このため、プリンタ30は、図5に示すように、代替プリンタ32の公開鍵PKEY1で印刷データD05を暗号化して、印刷送信用データD15を生成する。そして、この印刷送信用データD15を、代替プリンタ32に送信する。この印刷送信用データD15を受信した代替プリンタ32では、複数の所定の秘密鍵を用いて、印刷送信用データD15を復号しようとする。そして、いずれかの秘密鍵を用いることにより、印刷送信用データD15の復号ができた場合には印刷を行い、いずれの秘密鍵を用いても、印刷送信用データD15の復号ができなかった場合には、印刷を行わない。
【0075】
このようにすることにより、ユーザは、プリンタ30が設置された後に一度だけ、公開鍵PKEY0を取得し、この公開鍵PKEY0を用いて試し印刷した後、印刷クライアント20に保持しておくと、公開鍵PKEY0はこれ以降更新されないので、後述するように、後にプリンタ30が移動された場合に、このプリンタ30で印刷ができないようになる。そして、印刷ができないことがユーザに伝わることにより、プリンタ30が所定の場所にないことが発覚し、プリンタ30による印刷を未然に防げるのである。
【0076】
次に、印刷クライアント20、プリンタ30、32が行う処理について詳細に説明する。まず、公開鍵を印刷クライアント20が取得する場合における、印刷クライアント20及びプリンタ30、32の処理について、詳しく説明する。
【0077】
図7は、印刷クライアント20で実行される公開鍵要求処理を説明するフローチャートである。この公開鍵要求処理は、印刷クライアントのROM68又はハードディスク76に格納されている公開鍵要求プログラムをCPU64が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、この公開鍵要求処理は、プリンタ30、32が設置された後、ユーザが印刷クライアント20に初期設定として1回だけ実行させる処理である。ここでは、印刷クライアント20からプリンタ30に公開鍵を要求する場合を想定して説明する。
【0078】
図7に示すように、この公開鍵要求処理においては、まず印刷クライアント20は、プリンタ30に接続する(ステップS100)。本実施形態においては、印刷クライアント20は、プリンタ30のネットワークアドレスを指定することにより、印刷クライアント20とプリンタ30との間の接続を確立する。
【0079】
次に、印刷クライアント20は、プリンタ30へ認証情報を送信する(ステップS102)。本実施形態においては、この認証情報として、印刷クライアントを特定するためのクライアントIDと、パスワードとの組み合わせを用いている。したがって、印刷クライアント20は、クライアントIDとパスワードとを、プリンタ30へ送信する。
【0080】
これに続いて、印刷クライアント20は、プリンタ30から認証が受け入れられたか否かを示す認証結果を受信するので、この認証結果に基づいて、プリンタ30で認証が認められたかどうかを判断する(ステップS104)。認証が認められなかった場合(ステップS104:No)には、上述したステップS102からを繰り返す。
【0081】
一方、認証が認められた場合(ステップS104:Yes)には、印刷クライアント20は、公開鍵取得要求をプリンタ30へ送信する(ステップS106)。そして、プリンタ30から公開鍵PKEY0を受信したかどうかを判断する(ステップS108)。プリンタ30から公開鍵PKEY0を受信していない場合(ステップS108:No)には、このステップS108を繰り返して待機する。
【0082】
一方、プリンタ30から公開鍵PKEY0を受信した場合(ステップS108:Yes)には、この公開鍵PKEY0を格納する(ステップS110)。本実施形態においては、印刷クライアント20は、ハードディスク76に公開鍵テーブルTB20を設けており、取得したプリンタ位置情報は、この公開鍵テーブルTB20に格納され保持される。
【0083】
図8は、この公開鍵テーブルTB20の構成の一例を示す図である。この図8に示すように、公開鍵テーブルTB20は、プリンタを特定するための情報を格納する項目D20と、取得した公開鍵をプリンタに対応させて格納する項目D21とを備えている。このように、公開鍵テーブルTB20は、複数のプリンタに関する公開鍵を、各プリンタ毎にテーブル化して保持することができるようになっている。また、このようにハードディスク78の公開鍵テーブルTB20に公開鍵を格納することにより、印刷クライアント20の電源がオフされて再び電源が投入された場合でも、それ以前に取得した公開鍵をそのままハードディスク78から読み出して使用することができるようになっている。
【0084】
この公開鍵テーブルTB20に、取得した公開鍵テーブルTB20を格納することにより、図7に示した公開鍵要求処理は終了する。
【0085】
次に、図9に基づいて、印刷クライアント20の公開鍵要求処理に対応して、プリンタ30、32で実行される公開鍵送信処理について説明する。この図9は、プリンタ30、32で実行される公開鍵送信処理を説明するフローチャートである。この公開鍵送信処理は、プリンタ30、32のROM44又はハードディスク58に格納されている公開鍵送信プログラムをCPU40が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでも上述と同様に、印刷クライアント20からプリンタ30に公開鍵が要求された場合を想定して説明する。
【0086】
図9に示すように、まず、プリンタ30は、印刷クライアント20と接続を確立する(ステップS170)。これは上述した印刷クライアント20側のステップS100に対応している。続いて、プリンタ30は、印刷クライアント20から認証情報を受信したかどうかを判断する(ステップS172)。認証情報を受信していない場合(ステップS172:No)には、このステップS172の処理を繰り返して待機する。
【0087】
一方、認証情報を印刷クライアント20から受信した場合(ステップS172:Yes)には、その認証情報がこのプリンタ30に予め登録してある認証情報と一致するかどうかを判断する(ステップS174)。具体的には、上述したように、印刷クライアント20からクライアントIDとパスワードが認証情報として送信されてくるので、このクライアントIDとパスワードが、このプリンタ30に予め登録されているクライアントIDとパスワードと一致するかどうかを判断する。
【0088】
認証情報が一致しなかった場合(ステップS174:No)には、プリンタ30は印刷クライアント20に、認証が受け入れられなかった旨の認証結果を送信し(ステップS176)、ステップS172の処理に戻る。一方、認証が一致した場合(ステップS174:Yes)には、プリンタ30は印刷クライアント20に、認証が受け入れられた旨の認証結果を送信する(ステップS178)。
【0089】
なお、これらステップS172からステップS178の認証処理は、省くことも可能である。その場合、図7の公開鍵要求処理におけるステップS102及びステップS104も省くことができる。
【0090】
次に、プリンタ30は、印刷クライアント20から公開鍵取得要求を受信したかどうかを判断する(ステップS180)。この公開鍵取得要求を受信していない場合(ステップS180:No)には、このステップS180の処理を繰り返して待機する。
【0091】
一方、印刷クライアント20から公開鍵取得要求を受信した場合(ステップS180:Yes)には、プリンタ30は、このプリンタ30の機器固有情報を取得する(ステップS182)。ここで、機器固有情報とは、このプリンタ30に関して、固有に割り当てられている識別情報であり、例えば、プリンタ30の製造シリアルナンバー、MACアドレス等がある。但し、本実施形態においては、この機器固有情報は、プリンタ30とプリンタ32とで同じものが使われているとする。
【0092】
次に、プリンタ30は、位置検出部54から、その時点におけるプリンタ30の位置を表すプリンタ位置情報を取得する(ステップS184)。続いて、プリンタ30は、機器固有情報と統計プリンタ位置情報とを用いてパスフレーズを作成する(ステップS186)。このパスフレーズの作成手法は種々のものが考えられるが、本実施形態においては、単純に機器固有情報の後ろに統計プリンタ位置情報をつなげることにより、パスフレーズを作成する。なお、パスフレーズは、これら機器固有情報及び統計プリンタ位置情報以外のデータを含んでいてもよい。
【0093】
次に、プリンタ30は、作成したパスフレーズを用いて、公開鍵暗号法により、公開鍵と秘密鍵とを生成する(ステップS188)。公開鍵暗号法では、使用するパスフレーズが同じであれば、再び、公開鍵と秘密鍵とを生成しても、同じものが生成されるという性質を有している。続いて、プリンタ30は、この生成した公開鍵と秘密鍵のうち、公開鍵のみを印刷クライアント20に送信する(ステップS190)。なお、秘密鍵は保存されることなく破棄される。これにより、本実施形態に係る位置情報送信処理が終了する。
【0094】
次に、プリンタが他のプリンタから相対距離を含むプリンタ情報を取得して、代替プリンタリストテーブルを生成する処理を説明する。
【0095】
図10は、プリンタ30、32で実行される代替プリンタリスト生成処理を説明するフローチャートである。この代替プリンタリスト生成処理は、プリンタ32のROM44又はハードディスク58に格納されている代替プリンタリスト生成プログラムをCPU40が読み込んで実行することにより実現される処理である。この代替プリンタリスト生成処理は、所定の時間間隔で実行される処理であり、例えば、1日1回の割合で実行される処理である。
【0096】
また、この代替プリンタリスト生成処理は、この処理を実行するプリンタから所定の範囲内にあるプリンタに対して行われる処理である。例えば、プリンタ30がこの代替プリンタリスト生成処理を実行する場合、プリンタ30は、このプリンタ30と同じネットワークアドレスグループにあるすべてのプリンタに対して、この代替プリンタリスト生成処理を実行することになる。また、別な例としては、このプリンタ30が無線通信を行うプリンタである場合には、プリンタ30は、このプリンタ30の無線が届く範囲内にあるすべてのプリンタに対して、この代替プリンタリスト生成処理を実行することとなる。
【0097】
この図10に示すように、プリンタ30は、プリンタ情報を取得しようとしているプリンタ32と接続を確立する(ステップS200)。本実施形態においては、プリンタ30は、プリンタ32のネットワークアドレスを指定することにより、印刷クライアント20とプリンタ30との間の接続を確立する。また、本実施形態においては、プリンタ30とプリンタ32との間の通信は、SSL(secure socket layer)通信などにより、セキュリティが確保されているものとする。
【0098】
次に、プリンタ30は、位置検出部54から、その時点における自らのプリンタ位置情報を取得する(ステップS202)。続いて、プリンタ30は、このプリンタ位置情報を、プリンタ32に送信する(ステップS204)。
【0099】
次に、プリンタ30は、プリンタ32からプリンタ情報を受信したかどうかを判断する(ステップS206)。このプリンタ情報を受信していない場合(ステップS206:No)には、このステップS206の処理を繰り返して待機する。
【0100】
一方、プリンタ32からプリンタ情報を受信した場合(ステップS206:Yes)には、このプリンタ情報を、代替プリンタリストテーブルに格納する(ステップS208)。図11は、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB40の構成の一例を示す図である。本実施形態においては、この代替プリンタリストテーブルTB40は、ハードディスク58に形成される。この図11に示すように、本実施形態における代替プリンタリストテーブルTB40は、項目として、ネットワークアドレスD40と、プリンタ機種情報D41と、相対距離D42と、公開鍵D43とを備えている。
【0101】
ネットワークアドレスD40には、プリンタを特定するための情報として、ネットワークアドレスが格納される。プリンタ機種情報D41には、プリンタの機種に関する情報が格納される。相対距離D42には、このプリンタ30と代替プリンタとの間の相対的な距離が格納される。公開鍵D43には、代替プリンタの公開鍵が格納される。本実施形態においては、これらネットワークアドレスD40、プリンタ機種情報D41、相対距離D42、公開鍵D43に格納する情報は、ステップS206で受信したプリンタ情報に含まれている。このように、代替プリンタリストテーブルTB40では、代替プリンタの候補が、相対距離を含めて、プリンタ毎にリスト化されている。
【0102】
次に、図10に示すように、プリンタ30は、この代替プリンタリストテーブルTB40のソートを行う(ステップS210)。本実施形態においては、このプリンタ30と代替プリンタとの間の距離が近い順にソートされる。具体的には、相対距離には、X軸、Y軸、Z軸、それぞれについて、このプリンタ30と代替プリンタとの間の距離が、ΔX、ΔY、ΔZとして格納されているので、これらΔX、ΔY、ΔZに基づいて、プリンタ30から近い順にソートする。例えば、次の式(1)によりプリンタ30と代替プリンタとの間の直線的な距離Lを算出し、この直線的な距離Lの値の小さい順にソートすればよい。
【0103】
L=√{(ΔX)+(ΔY)+(ΔZ)} …(1)
この代替プリンタリストテーブルTB40のソートをすることにより、本実施形態に係る代替プリンタリスト生成処理は終了する。
【0104】
次に、この代替プリンタリスト生成処理に対応して、他のプリンタで実行されるプリンタ情報送信処理について説明する。図12は、プリンタ30、32で実行されるプリンタ情報送信処理を説明するフローチャートである。このプリンタ情報送信処理は、プリンタ32のROM44又はハードディスク58に格納されているプリンタ情報送信プログラムをCPU40が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでは、上述同様に、プリンタ30からプリンタ32にプリンタ情報の送信が要求される場合を想定して説明する。
【0105】
図12に示すように、プリンタ32は、プリンタ30との接続を確立する(ステップS220)。これは、上述したステップS200に対応する処理である。したがって、本実施形態においては、プリンタ30とプリンタ32との間の通信は、SSL(secure socket layer)通信などにより、セキュリティが確保される。
【0106】
次に、プリンタ32は、相手のプリンタであるプリンタ30から、プリンタ位置情報を受信したかどうかを判断する(ステップS222)。このプリンタ位置情報を受信していない場合(ステップS222:No)には、このステップS222の処理を繰り返して待機する。
【0107】
一方、プリンタ位置情報を受信した場合(ステップS222:Yes)には、プリンタ32は、位置検出部54から自らのその時点におけるプリンタ位置情報を取得する(ステップS224)。続いて、プリンタ32は、プリンタ30のプリンタ位置情報と、プリンタ32のプリンタ位置情報とに基づいて、お互いの相対距離を算出する(ステップS226)。本実施形態においては、この相対距離の算出は、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれについて差分を求めることにより、算出する。すなわち、プリンタ30の緯度、経度、高度をそれぞれX1、Y1、Z1とし、プリンタ32のプリンタ位置情報の緯度、経度、高度をそれぞれX2、Y2、Z2とした場合、ΔX=|X1−X2|、ΔY=|Y1−Y2|、ΔZ=|Z1−Z2|により、算出する。
【0108】
次に、プリンタ32は、自らの機器固有情報と自らのプリンタ位置情報とに基づいてパスフレーズを作成し(ステップS228)、公開鍵暗号法により公開鍵と秘密鍵を生成する(ステップS230)。これらステップS228、S230の処理は、上述したステップS186、S188の処理と同様である。また、上述したように、パスフレーズを生成する際に使用するプリンタ32の機器固有情報は、プリンタ30の機器固有情報と同じである。
【0109】
次に、プリンタ32は、プリンタ情報を生成する(ステップS232)。本実施形態においては、ステップS226で算出した相対距離と、プリンタ32のプリンタ機種情報と、ステップS230で生成したプリンタ32の公開鍵とを少なくとも含むプリンタ情報を生成する。続いて、プリンタ32は、このプリンタ情報をプリンタ30に送信する(ステップS234)。これにより、本実施形態に係るプリンタ情報送信処理が終了する。
【0110】
次に、印刷クライアント20が印刷を行いたいときに、その印刷要求をプリンタ30、32に送信する場合の印刷クライアント20及びプリンタ30、32の処理について、詳しく説明する。
【0111】
図13は、印刷クライアント20で実行される印刷要求処理を説明するフローチャートである。この印刷要求処理は、印刷クライアントのROM68又はハードディスク76に格納されている印刷要求プログラムをCPU64が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでは、印刷クライアント20からプリンタ30に印刷を要求する場合を想定して説明する。
【0112】
この図10に示すように、印刷クライアント20は、ユーザの印刷要求に基づいて、印刷データD05を作成する(ステップS240)。この印刷データD05は、プリンタ30が通常のプリンタである場合に、印刷を実際に行うのに必要となるデータである。
【0113】
次に、印刷クライアント20は、ハードディスク76の公開鍵テーブルTB20から、プリンタ30の公開鍵PKEY0を読み出す(ステップS242)。続いて、印刷クライアント20は、プリンタ30の公開鍵PKEY0を用いて、印刷データD05を暗号化して、印刷送信用データD10を生成する(ステップS244)。なお、印刷送信用データD10は、印刷データD05以外のデータを含んでいてもよい。
【0114】
次に、印刷クライアント20は、この暗号化した印刷送信用データを、プリンタ30に送信する(ステップS246)。具体的には、プリンタ30のネットワークアドレスを指定して、ネットワーク10に印刷送信用データD10を送出する。
【0115】
次に、印刷クライアント20は、プリンタ30から印刷結果情報を受信したかどうかを判断する(ステップS248)。印刷結果情報を受信していない場合(ステップS248:No)には、このステップS248の処理を繰り返して待機する。一方、印刷結果情報を受信した場合(ステップS248:Yes)には、その印刷結果情報が印刷完了通知であるかどうかを判断する(ステップS250)。
【0116】
この印刷結果情報が印刷完了通知である場合(ステップS250:Yes)には、プリンタ30で印刷が正常に終了したことを意味しているので、ユーザにプリンタ30で印刷が完了した旨を通知する(ステップS252)。一方、受信した印刷結果情報が印刷完了通知でない場合(ステップS250:No)には、その印刷結果情報が解読不能通知であるかどうかを判断する(ステップS254)。
【0117】
印刷結果情報が解読不能通知である場合(ステップS254:Yes)には、ユーザに、プリンタ30で印刷送信用データD10の復号ができなかったため、印刷が行われなかった旨を通知する(ステップS256)。一方、印刷結果情報が解読不能通知でない場合(ステップS254:No)には、その印刷結果情報が代替印刷通知であるかどうかを判断する(ステップS258)。
【0118】
印刷結果情報が代替印刷通知である場合(ステップS258:Yes)には、代替印刷であることをユーザに通知するとともに、代替印刷通知に含まれている代替プリンタを特定する情報もユーザに通知する(ステップS260)。一方、印刷結果情報が代替印刷通知でない場合(ステップS258:No)には、その他の何らかのエラーであると考えられるので、ユーザに、そのエラーの種類に応じた通知を行う(ステップS262)。
【0119】
これらステップS252、ステップS256、ステップS260及びステップS262の通知により、この印刷クライアント20における印刷要求処理は終了する。
【0120】
図14及び図15は、印刷クライアント20の印刷要求処理に対応して、プリンタ30、32で実行される印刷実行処理を説明するフローチャートである。この印刷実行処理は、プリンタ30、32のROM44又はハードディスク58に格納されている印刷実行プログラムをCPU40が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでも上述と同様に、印刷クライアント20からプリンタ30に印刷が要求された場合を想定して説明する。
【0121】
図14に示すように、プリンタ30は、印刷送信用データD10をネットワーク10から受信したかどうかを判断する(ステップS270)。何ら印刷送信用データD10を受信していない場合(ステップS270:No)には、このステップS270の処理を繰り返して待機する。
【0122】
一方、印刷送信用データD10を受信した場合(ステップS270:Yes)には、プリンタ30は自らの機器固有情報を取得する(ステップS272)。続いて、プリンタ30は、位置検出部54から、その時点におけるプリンタ30のプリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを取得する(ステップS274)。このようにプリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを、その都度、位置検出部54から取得することとしているのは、プリンタ30が別の場所に移動された場合には、このプリンタ30がユーザの意図しない場所に設置されている可能性があり、このような場合にはプリンタ30で印刷が行われないようにするためである。
【0123】
次に、プリンタ30は、27個のパスフレーズを生成する(ステップS276)。本実施形態においては、パスフレーズは、機器固有情報の後ろにプリンタ位置情報を結合することにより作成されるが、この結合するプリンタ位置情報を、ステップS274で取得したプリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowの他に、その周辺26カ所の位置情報についてもパスフレーズを作成しておくのである。
【0124】
図16は、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowと、その周辺26カ所の位置情報の関係を説明する概念図である。この図16に示すように、ステップS274で位置検出部54から取得したプリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを中心位置に据える。この場合、位置検出部54の最小測定単位1つ分だけ正負の方向にずらした位置情報が、その周囲に26カ所存在することとなる。そこで、本実施形態においては、位置検出部54のプリンタ位置情報が公開鍵を送信したときと比べてずれた場合でも、この公開鍵に基づいて暗号化された印刷送信用データD10が復号できる秘密鍵を見つけ出すべく、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowの周囲についても、これらを位置情報として用いたパスフレーズを生成しておくこととしたのである。
【0125】
この図16の例では、位置検出部54の最小測定単位が10m単位であるとしている。したがって、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowに加えて、次の26カ所のプリンタ位置情報が追加で定められる。
【0126】
(1)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow、Znow
(2)プリンタ位置情報Xnow、Ynow+10、Znow
(3)プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znow+10
(4)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow、Znow
(5)プリンタ位置情報Xnow、Ynow−10、Znow
(6)プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znow−10
(7)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow+10、Znow
(8)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow、Znow+10
(9)プリンタ位置情報Xnow、Ynow+10、Znow+10
(10)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow−10、Znow
(11)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow、Znow−10
(12)プリンタ位置情報Xnow、Ynow−10、Znow−10
(13)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow−10、Znow
(14)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow、Znow−10
(15)プリンタ位置情報Xnow、Ynow+10、Znow−10
(16)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow+10、Znow
(17)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow、Znow+10
(18)プリンタ位置情報Xnow、Ynow−10、Znow+10
(19)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow+10、Znow+10
(20)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow+10、Znow−10
(21)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow−10、Znow+10
(22)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow+10、Znow+10
(23)プリンタ位置情報Xnow+10、Ynow−10、Znow−10
(24)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow−10、Znow+10
(25)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow+10、Znow−10
(26)プリンタ位置情報Xnow−10、Ynow−10、Znow−10
次に、図14に示すように、プリンタ30は、ステップS276で生成した27個のパスフレーズを用いて、公開鍵暗号法により公開鍵と秘密鍵とを生成する(ステップS278)。したがって、本実施形態においては、27個の公開鍵と27個の秘密鍵とが生成されることとなる。続いて、プリンタ30はカウンタMを1に設定する(ステップS280)。
【0127】
次に、プリンタ30は、M番目の秘密鍵を用いて、印刷送信用データD10を復号する(ステップS282)。どのような順番で秘密鍵を使用するかは任意であるが、本実施形態においては、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを用いて生成した秘密鍵を一番始めに使用することとしている。なぜなら、位置検出部54の再現性にもよるが、通常であれば、その時点で取得したプリンタ位置情報を用いて生成した秘密鍵で印刷送信用データD10が復号できる可能性が最も高いと考えられるからである。
【0128】
次に、プリンタ30は、秘密鍵を用いて印刷送信用データD10の復号ができたかどうかを判断する(ステップS284)。復号ができた場合(ステップS284:Yes)には、このプリンタ30自体が印刷実行可能な状態にあるかどうかを判断する(ステップS286)。例えば、プリンタ30で紙詰まりが発生していたり、紙無しエラーが発生していたりした場合には、プリンタ30は印刷実行可能な状態にないと判断する。
【0129】
プリンタ30が印刷可能な状態である場合(ステップS286:Yes)には、得られた印刷データD05に基づいて、印刷エンジン52を駆動した印刷を実行する(ステップS288)。具体的には、印刷データD05の言語解釈を行い、印刷エンジン52に適合した印刷要求データを生成する。そして、この印刷要求データを印刷エンジン52に送信することにより、印刷エンジン52で印刷用紙等に印刷が行われる。
【0130】
このことから分かるように、本実施形態においては、ステップS276で27カ所のプリンタ位置情報を少なくとも含むパスフレーズを生成し、これらのパスフレーズを用いてステップS278で27個の秘密鍵を生成し、これら27個の秘密鍵のいずれかで印刷送信用データD10が復号できた場合には、印刷送信用データD10がプリンタ位置情報と合致したと判断することとなる。
【0131】
この印刷が正常に完了した時点で、プリンタ30は、印刷が正常に終了した旨の印刷完了通知を、印刷結果情報として、印刷クライアント20に送信する(ステップS290)。そして、上述したステップS270の処理に戻る。
【0132】
これに対して、ステップS284において、印刷送信用データD10の復号ができなかったと判断した場合(ステップS284:No)には、カウンタMが27であるかどうかを判断する(ステップS292)。カウンタMが27でない場合(ステップS292:No)、つまり、まだ生成した秘密鍵が残っている場合には、カウンタMに1を加えて(ステップS294)、上述したステップS282からを繰り返す。
【0133】
一方、カウンタMが27である場合(ステップS292:Yes)、つまり、生成した秘密鍵が残っていない場合には、解読不能通知を印刷結果情報として、印刷クライアント20に送信する(ステップS296)。すなわち、生成した27個の秘密鍵のいずれでも、受信した印刷送信用データD10の復号ができなかったことになるので、プリンタ30は、印刷送信用データD10がプリンタ位置情報と合致しなかった判断する。そして、上述したステップS270の処理に戻る。
【0134】
これに対して、上述したステップS286で、プリンタ30が印刷実行可能な状態にないと判断した場合(ステップS286:No)には、図15に示すように、プリンタ30は、代替印刷を行わせる代替プリンタを選択する(ステップS310)。具体的には、プリンタ30は、代替プリンタリストテーブルTB40を検索し、相対距離D42が最も近いプリンタを選択する。ここでは、プリンタ32が代替プリンタとして選択されたとする。
【0135】
次に、プリンタ30は、代替プリンタとして選択したプリンタとの距離が、所定範囲内であるかどうかを判断する(ステップS312)。本実施形態においては、図16に示したように最小測定単位である10mを基準に、27個のプリンタ位置を設定しているので、これに対応して、所定範囲は緯度、経度、高度のそれぞれについて±10mに設定されている。なぜなら、相対距離D42のΔX、ΔY、ΔZのそれぞれが±10mの範囲内であれば、印刷クライアント20から受信した印刷送信用データD10をそのままプリンタ32に転送しても、プリンタ32で生成した秘密鍵を用いて復号できると考えられるからである。すなわち、上述したように、プリンタ30の機器固有情報と、その周辺にあるプリンタの機器固有情報とは、同一に設定されている。このため、プリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が所定範囲内にあれば、生成される公開鍵と秘密鍵は同じになり、そのまま印刷送信用データD10を転送しても代替プリンタ32で復号できると考えられる。
【0136】
したがって、代替プリンタとして選択したプリンタとの距離が所定範囲内である場合(ステップS312:Yes)には、プリンタ30から受信した印刷送信用データD10をそのまま別のプリンタ32に送信する(ステップS314)。
【0137】
一方、代替プリンタとして選択したプリンタとの距離が所定範囲内でない場合(ステップS312:No)には、代替プリンタの公開鍵を取得する(ステップS316)。具体的には、代替プリンタリストテーブルTB40を検索して、プリンタ32の公開鍵PKEY1を取得する。
【0138】
次に、プリンタ30は、この公開鍵PKEY1を用いて、印刷データD05を暗号化して、印刷送信用データD15を生成する(ステップS318)。続いて、プリンタ30は、この生成した印刷送信用データD15を、ネットワーク10を介して、代替プリンタであるプリンタ32に送信する(ステップS320)。
【0139】
これらステップS314及びステップS320の後、プリンタ30は、印刷結果情報として代替印刷通知を印刷クライアント20に送信する(ステップS322)。本実施形態においては、この代替印刷通知には、代替印刷を行うプリンタを特定する情報が含まれている。そして、プリンタ30は、上述した図14のステップS270に戻る。
【0140】
なお、プリンタ30から印刷送信用データD10又は印刷送信用データD15を受信したプリンタ32でも、この印刷実行処理が行われる。このため、プリンタ32で印刷送信用データD10、D15の復号ができた場合には、プリンタ32で印刷が行われ、復号ができなかった場合には、プリンタ32で印刷が行われないこととなる。
【0141】
以上のように、本実施形態に係る印刷システムによれば、印刷クライアント20は、暗号化して送信した印刷送信用データD10の印刷をできるプリンタを、プリンタ位置情報に基づいて限定することができるので、印刷クライアント20のユーザが意図していない位置にあるプリンタで印刷が行われしまうのを回避することができる。例えば、プリンタ30が別の場所に移動されたが、ネットワーク10内におけるプリンタ30のネットワークアドレスは変更されていない場合に、印刷クライアント20から誤って印刷送信用データD10をこのプリンタ30に送信してしまっても、プリンタ30ではプリンタ位置情報が変更されているため、ステップS276で作成されるパスフレーズが移動前と異なったものになる。このため、このパスフレーズを用いて生成された秘密鍵を用いても、印刷送信用データD10の復号はできず、プリンタ30では印刷が行われない。このため、印刷データD05のセキュリティを高めることができる。
【0142】
一方、プリンタ30、32側においても、本来であればこのプリンタ30、32で印刷する権限のない者が、印刷データをこれらプリンタ30、32に送信して、大量の印刷をプリンタ30、32に実行させてしまうのを回避することができる。
【0143】
また、本実施形態においては、パスフレーズに機器固有情報も含めることとしたので、何らかの理由により第三者が、プリンタ30の位置を知得したとしても、プリンタ30の機器固有情報が分からなければ、プリンタ30で使用されているパスフレーズを特定することができない。このため、正当な権限なき第三者がプリンタ30で印刷を実行する可能性を、極めて低いものとすることができる。
【0144】
さらに、本実施形態に係るプリンタ30、32によれば、位置検出部54で取得したプリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowと、このプリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowの周囲の位置情報とを用いて、パスフレーズを生成し、この生成したパスフレーズにより複数の秘密鍵を生成するとともに、この生成した秘密鍵のいずれかで印刷送信用データD10が復号できるかどうかを試みることとした。このため、位置検出部54の検出精度の関係から、公開鍵送信処理において公開鍵を生成する際に使用したプリンタ位置情報と、印刷実行処理において秘密鍵を生成する際に使用するプリンタ位置情報との間にずれが生じていても、このずれを吸収して、印刷送信用データD10を復号できる秘密鍵を生成することができる。このため、印刷送信用データD10を円滑に復号できるようになる。
【0145】
さらに、本実施形態に係るプリンタ30、32によれば、印刷送信用データD10の復号ができたとしても、プリンタが印刷実行可能な状態にない場合には、このプリンタ30、32から別のプリンタに代替印刷をすることとした。このため、ユーザは、例えばプリンタ30で印刷ができなくとも、プリンタ32から印刷結果を取得することができる。
【0146】
また、プリンタ30、32は、自ら周囲のプリンタと通信をして、周囲のプリンタとの間の相対的な距離を把握し、代替プリンタリストテーブルTB40を生成することとした。このため、プリンタ30、32が、代替プリンタを選択するにあたっては、最初に印刷送信用データD10を受信したプリンタから最も近い位置にある別のプリンタを選択できるようになり、このため、ユーザが当初予定していたプリンタの位置から、最も近い位置にあるプリンタで、代替印刷の印刷結果を取得することができるようになる。
【0147】
さらに、周辺にあるプリンタ同士が互いに同一の機器固有情報であるようにするとともに、印刷送信用データD10を受信したプリンタと代替プリンタとの間の相対距離が、所定範囲内にある場合には、印刷送信用データD10を受信したプリンタはこの印刷送信用データD10をそのまま代替プリンタに転送することとした。一方、印刷送信用データD10を受信したプリンタと代替プリンタとの間の相対距離が、所定範囲内にない場合には、印刷送信用データD10を受信したプリンタは、この印刷送信用データD10を復号して取得した印刷データD05を、代替プリンタの公開鍵で再び暗号化して、印刷送信用データD15を生成し、この印刷送信用データD15を代替プリンタに送信することとした。このため、相対距離が所定範囲内にある場合には、暗号化のための処理を省くことができる。
【0148】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態は、上述した第1実施形態に変形を加えて、印刷クライアント20から印刷送信用データを受信したプリンタ30が、印刷を実行できない状態にある場合には、これを印刷クライアント20に通知して、印刷クライアント20から代替プリンタに再び印刷送信用データを送信するようにしたものである。より詳しくを以下に説明する。
【0149】
なお、本実施形態に係るプリンタ30、32のハードウェア構成は、上述した図2と同様であり、上述した印刷クライアント20のハードウェア構成は、図3と同様である。但し、本実施形態においては、プリンタ30の機器固有情報とプリンタ32の機器固有情報は、必ずしも、同一である必要はない。また、本実施形態においては、代替印刷をする際の印刷データの流れが、上述した第1実施形態と異なる。
【0150】
図17は、本実施形態に係る印刷システムにおいて、印刷送信用データを受信したプリンタ30が印刷を実行できる状態でない場合に、プリンタ32で代替印刷を行う際の処理内容を説明するブロック図である。
【0151】
まず、印刷クライアント20のユーザは、印刷するべきデータを作成し、印刷クライアント20に対してプリンタ30を指定して印刷を指示する。印刷クライアント20は、プリンタ30の公開鍵PKEY0を用いて印刷データD05を暗号化し、印刷送信用データD10を生成する。続いて、印刷クライアント20は、この生成した印刷送信用データD10を、ネットワーク10を介して、プリンタ30に送信する。この印刷送信用データD10を受信したプリンタ30は、図2に示すように、この受信した印刷送信用データD10をRAM42に一旦格納する。そして、プリンタ30は、この暗号化された印刷送信用データD10を複数の所定の秘密鍵を用いて、復号しようとする。そして、いずれかの秘密鍵を用いることにより、この印刷送信用データD10の復号ができた場合には印刷を行い、いずれの秘密鍵を用いても印刷送信用データD10の復号ができなかった場合には、印刷を行わない。
【0152】
ここで、プリンタ30は、何らかの理由で印刷を行うことができなかったとする。すると、プリンタ30は、代替印刷通知とともに、このプリンタ30が保持している代替プリンタリストテーブルを印刷クライアント20に送信する。この代替プリンタリストテーブルを受信した印刷クライアント20は、この代替プリンタリストテーブルと公開鍵テーブルTB20とに基づいて、印刷クライアント20が公開鍵を取得しているプリンタの中で、プリンタ30から最も近いプリンタを代替プリンタとして選択する。ここでは、代替プリンタとして、プリンタ32が選択されたとする。
【0153】
次に、印刷クライアント20は、印刷データD05を、代替プリンタ32の公開鍵PKEY1を用いて暗号化し、印刷送信用データD15を生成する。そして、印刷クライアント20は、この印刷送信用データD15を代替プリンタ32に、ネットワーク10を介して、送信する。
【0154】
この印刷送信用データD15を受信した代替プリンタ32では、この印刷送信用データD15を複数の所定の秘密鍵を用いて、復号しようとする。そして、いずれかの秘密鍵を用いることにより、この印刷送信用データD15の復号ができた場合には印刷を行い、いずれの秘密鍵を用いても印刷送信用データD15の復号ができなかった場合には、印刷を行わない。
【0155】
次に、各プリンタの公開鍵を印刷クライアント20が取得する場合における、印刷クライアント20及びプリンタ30、32の処理についてであるが、これらの処理は上述した第1実施形態と同様である。一方、代替プリンタリストテーブルを生成するためのプリンタ30、32の処理であるが、基本的には、上述した第1実施形態と同様である。但し、第1実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB40と比べると、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルは公開鍵D43を含んでいない点が異なる。
【0156】
図18は、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB60の構成の一例を示す図である。本実施形態においても、この代替プリンタリストテーブルTB60は、プリンタ30、32のハードディスク58に格納されている。この図18に示すように、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB60は、データ項目として、ネットワークアドレスD40と、プリンタ機種情報D41と、相対距離D42とを含んでいるが、公開鍵は含まれていない。これは、代替印刷をする場合に、この代替プリンタリストテーブルTB60を印刷クライアント20に送信するので、公開鍵のセキュリティを確保するためである。
【0157】
このため、本実施形態に係るプリンタ情報送信処理は、上述した第1実施形態と部分的に異なる。図19は、本実施形態に係るプリンタ情報送信処理を説明するフローチャートであり、上述した図12に対応している。本実施形態に係るプリンタ情報送信処理は、ステップS220〜ステップS226までは、上述した第1実施形態と同様である。但し、ステップS226に続くステップS400以降の処理が上述した第1実施形態と異なる。
【0158】
すなわち、ステップS226で相手のプリンタとの間の相対距離を算出した後に、プリンタ32は、プリンタ情報を生成する(ステップS400)。本実施形態においては、このプリンタ情報には、プリンタ32のネットワークアドレスと、プリンタ機種情報と、ステップS226で算出した相対距離とが、少なくとも含まれている。
【0159】
次に、プリンタ32は、この生成したプリンタ情報を、プリンタ30に送信する(ステップS402)。これにより、本実施形態に係るプリンタ情報送信処理が終了する。
【0160】
次に、本実施形態に係る印刷実行処理であるが、プリンタ30が印刷を実行できる状態でないと判断した場合の処理が、第1実施形態と異なる。図20は、プリンタ30が印刷を実行できる状態でないと判断した場合の印刷実行処理を説明するフローチャートであり、上述した図15に対応している。すなわち、図14の部分の処理は、上述した第1実施形態と同様である。
【0161】
この図20に示すように、図14のステップS286で、プリンタ30が復号した印刷データD05を印刷できる状態にないと判断した場合(ステップS286:No)には、プリンタ30は、ハードディスク58に格納されている代替プリンタリストテーブルTB60を取得する(ステップS410)。
【0162】
次に、プリンタ30は、この代替プリンタリストテーブルTB60を含む代替印刷通知を、印刷送信用データD10を送信した印刷クライアント20に送信する(ステップS412)。そして、図14のステップS270に戻る。これ以外の部分は、上述した第1実施形態と同様である。
【0163】
次に、本実施形態に係る印刷要求処理を、図21及び図22に基づいて説明する。図21及び図22は、本実施形態に係る印刷要求処理を説明するフローチャートであり、上述した図13に対応している。図21に示すように、ステップS258において、プリンタ30から受信した印刷結果情報が代替印刷通知であったと、印刷クライアント20で判断した場合の処理が、上述した第1実施形態と異なる。
【0164】
すなわち、受信した印刷結果情報が代替印刷通知であった場合(ステップS258:Yes)には、図22に示すように、印刷クライアント20は、代替プリンタを選択する(ステップS420)。本実施形態においては、印刷クライアント20は、この印刷クライアント20が公開鍵を保持しているプリンタの中で、最もプリンタ30から近い位置にあるプリンタを、代替プリンタとして選択する。具体的には、公開鍵テーブルTB20に登録されているプリンタの中で、受信した代替プリンタリストテーブルTB60の相対距離D42が最も近いプリンタを選択する。相対距離D42から直線的な距離Lの算出は、上述した式(1)を用いて行う。
【0165】
次に、印刷クライアント20は、選択した代替プリンタの公開鍵を、公開鍵テーブルTB20から読み出す(ステップS422)。ここでは、代替プリンタとしてプリンタ32が選択され、公開鍵PKEY1が読み出されたとする。続いて、印刷クライアント20は、公開鍵PKEY1を用いて、印刷データD05を再び暗号化し、印刷送信用データD15を生成する(ステップS424)。
【0166】
次に、印刷クライアント20は、ユーザに代替プリンタを特定する情報を通知する(ステップS426)。続いて、印刷クライアント20は、ステップS424で生成した印刷送信用データD15を、ネットワーク10を介して、プリンタ32に送信する(ステップS428)。これにより、本実施形態に係る印刷要求処理が終了する。
【0167】
以上のように、本実施形態に係る印刷システムによっても、印刷データD05及びプリンタ30、32のセキュリティを確保することができる。また、位置検出部54の検出精度の関係から、公開鍵送信処理において公開鍵を生成する際に使用したプリンタ位置情報と、印刷実行処理において秘密鍵を生成する際に使用するプリンタ位置情報との間にずれが生じていても、このずれを吸収して、印刷送信用データD10を復号できる秘密鍵を生成することができる。
【0168】
さらに、本実施形態に係るプリンタ30、32によれば、印刷送信用データD10の復号ができたとしても、プリンタが印刷実行可能な状態にない場合には、印刷クライアント20に、代替印刷をすることができるプリンタの一覧である代替プリンタリストテーブルTB60を通知することとした。このため、印刷クライアント20は、この代替プリンタリストテーブルTB60の中から代替プリンタを選択することができる。
【0169】
しかも、代替プリンタリストテーブルTB60には、印刷送信用データD10を送信したプリンタと、その代替プリンタの候補との間の相対距離D42が含まれているので、印刷クライアント20は、この印刷クライアント20が公開鍵を取得しているプリンタの中で、印刷送信用データD10を送信したプリンタに最も近い位置にある代替プリンタを選択することができる。
【0170】
さらに、本実施形態における代替プリンタリストテーブルTB60には、プリンタの公開鍵は含まれていないので、実際に印刷クライアント20が公開鍵を正当に取得できたプリンタでしか、代替印刷をできないようにすることができる。このため、権限のないユーザが代替プリンタで印刷を行わないようにすることができる。
【0171】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態は、上述した第1実施形態における印刷データD05の送信手法を変形したものであり、印刷データD05に、この印刷データD05を送信するプリンタのプリンタ位置情報を結合することにより、印刷送信用データD100を生成するようにしたものである。より詳しくを、以下に説明する。
【0172】
なお、本実施形態に係るプリンタ30、32のハードウェア構成は、上述した図2と同様であり、上述した印刷クライアント20のハードウェア構成は、図3と同様である。但し、本実施形態においては、プリンタ30の機器固有情報とプリンタ32の機器固有情報は、必ずしも、同一である必要はない。また、本実施形態においては、印刷送信用データの生成手法が、上述した第1実施形態と異なる。
【0173】
図23は、印刷送信用データD100を受信したプリンタ30がプリンタ32に代替印刷を行う場合に、このプリンタ32が所定範囲内に位置している場合の処理内容を説明するブロック図であり、図24は、同様の場合に、プリンタ32が所定範囲内に位置していない場合の処理内容を説明するブロック図である。
【0174】
まず、印刷クライアント20は、予め、例えばプリンタ30からこのプリンタ30のプリンタ位置情報を取得しておく。本実施形態においては、このプリンタ位置情報の取得は、ネットワーク10を介して行われる。すなわち、プリンタ30は、プリンタ位置情報を要求してきた印刷クライアントが正当な権限を有しているかどうかを確認し、正当な権限を有する場合にのみ、プリンタ位置情報を通知する。但し、プリンタ30のプリンタ位置情報は、必ずしもネットワーク10を介して印刷クライアント20に通知する必要はない。例えば、印刷クライアント20のユーザが、正当な権限を有する者であれば、プリンタ30の設置場所に出向いて、プリンタ30を操作することができるのであるから、ユーザがプリンタ30のコントロールパネルを操作して、プリンタ30のプリンタ位置情報を取得するようにしてもよい。この場合、ユーザは、例えば、プリンタ30のプリンタ位置情報をフレキシブルディスク等の記録媒体に記録し、これを印刷クライアント20に読み込ませればよい。
【0175】
次に、印刷クライアント20のユーザは、印刷するべきデータを作成し、印刷クライアント20に対してプリンタ30を指定して印刷を指示する。図25は、印刷送信用データD100のデータフォーマットを説明する図である。
【0176】
この図25に示すように、印刷クライアント20は、生成した印刷データD05に、取得したプリンタ位置情報を結合することにより、印刷送信用データD100を生成する。なお、印刷送信用データD100は、この図25に示した印刷データD05とプリンタ位置情報D50以外のデータを含んでいてもよい。
【0177】
図23及び図24に示すように、続いて、印刷クライアント20は、この生成した印刷送信用データD100を、ネットワーク10を介して、プリンタ30に送信する。この印刷送信用データD10を受信したプリンタ30は、図2に示すように、この受信した印刷送信用データD10をRAM42に一旦格納する。そして、プリンタ30は、印刷送信用データD100に含まれているプリンタ位置情報を取得し、その時点におけるプリンタ30のプリンタ位置情報とが合致するかどうかを判断する。但し、印刷送信用データD100に含まれていたプリンタ位置情報と、その時点におけるプリンタ30のプリンタ位置情報との差が、所定範囲内にある場合には、プリンタ30は、両者が合致したと判断する。
【0178】
そして、プリンタ30は、両者が合致した場合には、印刷送信用データD10に含まれている印刷データD05を、印刷エンジン52に送信して印刷を行い、両者が合致しなかった場合には、印刷は行わない。
【0179】
ここで、プリンタ30は、何らかの理由で印刷を行うことができなかったとする。すると、プリンタ30は、代替プリンタリストテーブルを検索し、相対距離が最も近いプリンタを、この印刷データD05の印刷を代替させるプリンタとして選択する。ここでは、代替プリンタとしてプリンタ32が選択されたとする。
【0180】
次に、プリンタ30は、このプリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が、所定範囲内にあるかどうかを判断する。プリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が所定範囲内にある場合には、図23に示すように、受信した印刷送信用データD100をそのまま転送しても代替プリンタ32で印刷されることが期待できるので、そのまま印刷送信用データD100を代替プリンタ32に転送する。代替プリンタ32では、受信した印刷送信用データD100に含まれているプリンタ位置情報と、その時点における代替プリンタ32のプリンタ位置情報とを比較し、両者の差が所定範囲内であれば印刷を行い、両者の差が所定範囲内になければ印刷を行わない。
【0181】
一方、プリンタ30と代替プリンタ32との間の距離が所定範囲内にない場合には、受信した印刷送信用データD100をそのまま転送すると、代替プリンタ32では印刷されないと考えられる。このため、プリンタ30は、図24に示すように、代替プリンタ32のプリンタ位置情報を、印刷データD05に結合して、別の印刷送信用データD150を生成する。そして、この印刷送信用データD150を、代替プリンタ32に送信する。この印刷送信用データD150を受信した代替プリンタ32では、受信した印刷送信用データD150に含まれているプリンタ位置情報と、その時点における代替プリンタ32のプリンタ位置情報とを比較する。そして、受信した印刷送信用データD150に含まれているプリンタ位置情報と、その時点における代替プリンタ32のプリンタ位置情報との差が所定範囲内であれば印刷を行い、所定範囲内になければ印刷を行わない。
【0182】
次に、各プリンタのプリンタ位置情報を印刷クライアント20が取得する場合における、印刷クライアント20及びプリンタ30、32の処理について、詳しく説明する。
【0183】
図26は、印刷クライアント20で実行される位置情報要求処理を説明するフローチャートである。この位置情報要求処理は、印刷クライアントのROM68又はハードディスク76に格納されている位置情報要求プログラムをCPU64が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、この公開鍵要求処理は、プリンタ30、32が設置された後、ユーザが印刷クライアント20に初期設定として1回だけ実行させる処理である。ここでは、印刷クライアント20からプリンタ30にプリンタ位置情報を要求する場合を想定して説明する。
【0184】
図26に示すように、この位置情報要求処理においては、まず印刷クライアント20は、プリンタ30に接続する(ステップS510)。具体的には、印刷クライアント20は、プリンタ30のネットワークアドレスを指定することにより、印刷クライアント20とプリンタ30との間の接続を確立する。
【0185】
次に、印刷クライアント20は、プリンタ30へ認証情報を送信する(ステップS512)。ここで認証情報とは、印刷クライアント20、又は、印刷クライアント20を操作しているユーザが、プリンタ30を使用する権限を有しているかどうかを、プリンタ30が判断するための情報である。本実施形態においては、この認証情報として、印刷クライアントを特定するためのクライアントIDと、パスワードとの組み合わせを用いている。したがって、印刷クライアント20は、クライアントIDとパスワードとを、プリンタ30へ送信する。
【0186】
これに続いて、印刷クライアント20は、プリンタ30から認証が受け入れられたか否かを示す認証結果を受信するので、この認証結果に基づいて、プリンタ30で認証が認められたかどうかを判断する(ステップS514)。認証が認められなかった場合(ステップS514:No)には、上述したステップS512からを繰り返す。
【0187】
一方、認証が認められた場合(ステップS514:Yes)には、印刷クライアント20は、位置情報取得要求をプリンタ30へ送信する(ステップS516)。そして、プリンタ30からプリンタ位置情報を受信したかどうかを判断する(ステップS518)。プリンタ30からプリンタ位置情報を受信していない場合(ステップS518:No)には、このステップS518を繰り返して待機する。
【0188】
一方、プリンタ30からプリンタ位置情報を受信した場合(ステップS518:Yes)には、このプリンタ位置情報を格納する(ステップS520)。本実施形態においては、印刷クライアント20は、ハードディスク76にプリンタ位置情報テーブルTB100を設けており、取得したプリンタ位置情報は、このプリンタ位置情報テーブルTB100に格納されて保持される。
【0189】
図27は、このプリンタ位置情報テーブルTB100の構成の一例を示す図である。この図27に示すように、プリンタ位置情報テーブルTB100は、プリンタを特定するための情報を格納する項目D110と、取得したプリンタ位置情報をプリンタに対応させて格納する項目D111とを備えている。
【0190】
本実施形態においては、項目D110には、プリンタを特定するための情報の一例として、そのプリンタのネットワークアドレスが格納されている。項目D111は、プリンタ特定情報のうちの緯度を格納する項目D112と、経度を格納する項目D113と、高度を格納する項目D114とを備えている。そして、このプリンタ位置情報テーブルTB100は、複数のプリンタに関するプリンタ位置情報を、各プリンタ毎に保持することができるようになっている。また、このようにハードディスク78のプリンタ位置情報テーブルTB100にプリンタ位置情報を格納することにより、印刷クライアント20の電源がオフされて再び電源が投入された場合でも、それ以前に取得したプリンタ位置情報をそのままハードディスク78から読み出して使用することができるようになっている。
【0191】
このプリンタ位置情報テーブルTB100に、取得したプリンタ位置情報を格納することにより、図26に示した位置情報要求処理は終了する。
【0192】
次に、図28に基づいて、印刷クライアント20の位置情報要求処理に対応して、プリンタ30、32で実行される位置情報送信処理について説明する。この図28は、プリンタ30、32で実行される位置情報送信処理を説明するフローチャートである。この位置情報送信処理は、プリンタのROM44又はハードディスク58に格納されている位置情報送信プログラムをCPU40が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでも上述と同様に、印刷クライアント20からプリンタ30にプリンタ位置情報を要求する場合を想定して説明する。
【0193】
図28に示すように、まず、プリンタ30は、印刷クライアント20と接続を確立する(ステップS530)。これは上述した印刷クライアント20側のステップS510に対応している。続いて、プリンタ30は、印刷クライアント20から認証情報を受信したかどうかを判断する(ステップS532)。認証情報を受信していない場合(ステップS532:No)には、このステップS532の処理を繰り返して待機する。
【0194】
一方、認証情報を印刷クライアント20から受信した場合(ステップS532:Yes)には、その認証情報がこのプリンタ30に予め登録してある認証情報と一致するかどうかを判断する(ステップS534)。具体的には、上述したように、印刷クライアント20からクライアントIDとパスワードが認証情報として送信されてくるので、このクライアントIDとパスワードが、このプリンタ30に予め登録されているクライアントIDとパスワードと一致するかどうかを判断する。
【0195】
認証情報が一致しなかった場合(ステップS534:No)には、プリンタ30は印刷クライアント20に、認証が受け入れられなかった旨の認証結果を送信し(ステップS536)、ステップS532の処理に戻る。一方、認証が一致した場合(ステップS534:Yes)には、プリンタ30は印刷クライアント20に、認証が受け入れられた旨の認証結果を送信する(ステップS538)。
【0196】
なお、これらステップS532からステップS538の認証処理は、省くことも可能である。その場合、図26の位置情報要求処理におけるステップS512及びステップS514も省くことができる。
【0197】
次に、プリンタ30は、印刷クライアント20から位置情報取得要求を受信したかどうかを判断する(ステップS540)。この位置情報取得要求を受信していない場合(ステップS540:No)には、このステップS540の処理を繰り返して待機する。
【0198】
一方、印刷クライアント20から位置情報取得要求を受信した場合(ステップS540:Yes)には、プリンタ30は位置検出部54から、その時点におけるプリンタ30のプリンタ位置情報を取得する(ステップS542)。
【0199】
次に、プリンタ30は、このプリンタ位置情報を印刷クライアント20に送信する(ステップS544)。これにより、本実施形態に係る位置情報送信処理が終了する。
【0200】
次に、プリンタが他のプリンタから相対距離を含むプリンタ情報を取得して、代替プリンタリストテーブルを生成する処理を説明する。代替プリンタリストテーブルを生成するプリンタが行う代替プリンタリスト生成処理は、上述した第1実施形態に係る図10と同様である。但し、代替プリンタリストテーブルの構成が、上述した第1実施形態と異なる。
【0201】
図29は、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB80の構成の一例を示す図である。この図29に示すように、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB80は、上述した第1実施形態における代替プリンタリストテーブルTB40の公開鍵D43の代わりに、プリンタ位置情報D44を備えて構成されている。このプリンタ位置情報D44には、代替プリンタの候補となるプリンタから送信されたプリンタ情報に含まれている代替プリンタのプリンタ位置情報が格納される。
【0202】
図30は、代替プリンタの候補となるプリンタが実行するプリンタ情報送信処理を説明するフローチャートであり、上述した図19に対応する図である。このプリンタ情報送信処理は、ステップS400が図19と異なる。すなわち、プリンタ32は、プリンタ機種情報と、相対距離と、プリンタ位置情報とを、プリンタ情報に含める(ステップS400A)。それ以外の処理は、図19と同様である。
【0203】
なお、本実施形態においては、代替プリンタリストテーブルTB80を生成するプリンタと、その代替プリンタの候補となるプリンタとの間の相対距離を、代替プリンタの候補となるプリンタが算出して、代替プリンタリストテーブルTB80を生成するプリンタに送信することとしているが、代替プリンタリストテーブルTB80を生成するプリンタがこれを算出するようにしてもよい。この場合、代替プリンタリストテーブルTB80を生成するプリンタが、代替プリンタの候補となるプリンタのプリンタ位置情報を取得してから、その相対距離を算出するようにすればよい。
【0204】
次に、印刷クライアント20が印刷を行いたいときに、その印刷要求をプリンタ30、32に送信する場合の印刷クライアント20及びプリンタ30、32の処理について、詳しく説明する。
【0205】
図31は、印刷クライアント20で実行される印刷要求処理を説明するフローチャートであり、上述した図13に対応する図である。この印刷要求処理は、印刷クライアントのROM68又はハードディスク76に格納されている印刷要求プログラムをCPU64が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでは、印刷クライアント20からプリンタ30に印刷を要求する場合を想定して説明する。
【0206】
この図31に示すように、印刷クライアント20は、ユーザの印刷要求に基づいて、印刷データD05を作成する(ステップS550)。この印刷データD05は、プリンタ30が通常のプリンタである場合に、印刷を実際に行うのに必要となるデータである。
【0207】
次に、印刷クライアント20は、ハードディスク76の代替プリンタリストテーブルTB80にあらかじめ登録してあった出力したいプリンタ30のプリンタ位置情報D50を読み出す(ステップS552)。続いて、印刷クライアント20は、印刷データD05に、この読み出したプリンタ位置情報D50を加えて、印刷送信用データD100を生成する(ステップS554)。
【0208】
次に、印刷クライアント20は、この印刷送信用データD100を暗号化する(ステップS556)。そして、この暗号化した印刷送信用データD100を、プリンタ30に送信する(ステップS558)。具体的には、プリンタ30のネットワークアドレスを指定して、ネットワーク10に印刷送信用データD100を送出する。
【0209】
次に、印刷クライアント20は、プリンタ30から印刷結果情報を受信したかどうかを判断する(ステップS560)。印刷結果情報を受信していない場合(ステップS560:No)には、このステップS560の処理を繰り返して待機する。一方、印刷結果情報を受信した場合(ステップS560:Yes)には、その印刷結果情報が印刷完了通知であるかどうかを判断する(ステップS562)。
【0210】
この印刷結果情報が印刷完了通知である場合(ステップS562:Yes)には、プリンタ30で印刷が正常に終了したことを意味しているので、ユーザにプリンタ30で印刷が完了した旨を通知する(ステップS564)。一方、受信した印刷結果情報が印刷完了通知でない場合(ステップS562:No)には、その印刷結果情報が位置情報不一致通知であるかどうかを判断する(ステップS566)。
【0211】
印刷結果情報が位置情報不一致通知である場合(ステップS566:Yes)には、印刷送信用データD100のプリンタ位置情報D50と、プリンタ30における現在のプリンタ位置情報とが一致しなかったため、印刷が行われなかった旨をユーザに通知する(ステップS568)。これにより、プリンタ30が移動したことが分かり、プリンタ30の盗難等を疑うことができる。
【0212】
一方、印刷結果情報が位置情報不一致通知でない場合(ステップS566:No)には、その印刷結果情報が代替印刷通知であるかどうかを判断する(ステップS570)。印刷結果情報が代替印刷通知である場合(ステップS570:Yes)には、ユーザに代替印刷が行われたことを通知するとともに、代替印刷が行われるプリンタを特定する情報を通知する(ステップS572)。
【0213】
一方、印刷結果情報が代替印刷通知でない場合(ステップS570:No)には、その他の何らかのエラーであると考えられるので、ユーザに、そのエラーの種類に応じた通知を行う(ステップS574)。
【0214】
これらステップS564、ステップS568、ステップS572及びステップS574の通知により、この印刷クライアント20における印刷要求処理は終了する。
【0215】
次に、図32及び図33に基づいて、印刷クライアント20の印刷要求処理に対応して、プリンタ30、32で実行される印刷実行処理について説明する。図32及び図33は、プリンタ30、32で実行される印刷実行処理を説明するフローチャートである。この印刷実行処理は、プリンタ30、32のROM44に格納されている印刷実行プログラムをCPU40が読み込んで実行することにより実現される処理である。ここでも上述と同様に、印刷クライアント20からプリンタ30に印刷を要求する場合を想定して説明する。
【0216】
図32に示すように、プリンタ30は、印刷送信用データD10をネットワーク10から受信したかどうかを判断する(ステップS580)。何ら印刷送信用データD100を受信していない場合(ステップS580:No)には、このステップS580の処理を繰り返して待機する。
【0217】
一方、印刷送信用データD100を受信した場合(ステップS580:Yes)には、印刷送信用データD100を復号する(ステップS582)。続いて、プリンタ30は、この復号した印刷送信用データD100に含まれているプリンタ位置情報D50を取得する(ステップS584)。
【0218】
次に、プリンタ30は、位置検出部54から、その時点におけるプリンタ30のプリンタ位置情報を取得する(ステップS586)。このようにプリンタ位置情報を、その都度、位置検出部54から取得することとしているのは、プリンタ30が別の場所に移動された場合には、このプリンタ30がユーザの意図しない場所に設置されている可能性があり、このような場合にはプリンタ30で印刷が行われないようにするためである。
【0219】
次に、プリンタ30は、受信した印刷送信用データD100に含まれているプリンタ位置情報D50の緯度と、この時点で取得したプリンタ位置情報の緯度との差が、所定範囲内(例えば±10m)であるかどうかを判断する(ステップS588)。両者の緯度の差が所定範囲内でない場合(ステップS588:No)には、プリンタ位置情報が一致しなかったことになるので、印刷クライアント20に位置情報不一致通知を送信する(ステップS602)。
【0220】
一方、両者の緯度の差が所定範囲内である場合(ステップS588:Yes)には、受信した印刷送信用データD100に含まれているプリンタ位置情報D50の経度と、この時点で取得したプリンタ位置情報の経度との差が、所定範囲内(例えば±10m)であるかどうかを判断する(ステップS590)。両者の経度の差が所定範囲内にない場合(ステップS590:No)には、プリンタ位置情報が一致しなかったことになるので、印刷クライアント20に位置情報不一致通知を送信する(ステップS602)。
【0221】
一方、両者の経度の差が所定範囲内である場合(ステップS590:Yes)には、受信した印刷送信用データD100に含まれているプリンタ位置情報D50の高度と、この時点で取得したプリンタ位置情報の高度との差が、所定範囲内(例えば±10m)であるかどうかを判断する(ステップS592)。両者の高度の差が所定範囲内でない場合(ステップS592:No)には、プリンタ位置情報が一致しなかったことになるので、印刷クライアント20に位置情報不一致通知を送信する(ステップS602)。
【0222】
一方、両者の高度の差が所定範囲内である場合(ステップS592:Yes)には、プリンタ位置情報が一致したことになるので、プリンタ30は、印刷送信用データD100に含まれている印刷データD05を取得する(ステップS594)。すなわち、本実施形態においては、印刷送信用データD100に含まれていたプリンタ位置情報D50と、ステップS586で取得したプリンタ位置情報との差が所定範囲内にある場合には、印刷送信用データD100がその時点におけるプリンタ位置情報と合致したと判断する。
【0223】
次に、プリンタ30は、このプリンタ30自体が印刷実行可能な状態にあるかどうかを判断する(ステップS596)。例えば、プリンタ30で紙詰まりが発生していたり、紙無しエラーが発生していたりした場合には、プリンタ30は印刷実行可能な状態にないと判断する。
【0224】
プリンタ30が印刷可能な状態である場合(ステップS596:Yes)には、得られた印刷データD05に基づいて、印刷エンジン52を駆動した印刷を実行する(ステップS598)。具体的には、印刷データD05の言語解釈を行い、印刷エンジン52に適合した印刷要求データを生成する。そして、この印刷要求データを印刷エンジン52に送信することにより、印刷エンジン52で印刷用紙等に印刷が行われる。
【0225】
この印刷が正常に完了した時点で、プリンタ30は、印刷が正常に終了した旨の印刷完了通知を、印刷結果情報として、印刷クライアント20に送信する(ステップS600)。そして、上述したステップS580の処理に戻る。
【0226】
これに対して、上述したステップS596で、プリンタ30が印刷実行可能な状態にないと判断した場合(ステップS596:No)には、図33に示すように、プリンタ30は、代替印刷を行わせる代替プリンタを選択する(ステップS610)。具体的には、プリンタ30は、代替プリンタリストテーブルTB80を検索し、プリンタ30からの相対距離D42が最も近いプリンタを、代替プリンタとして選択する。ここでは、プリンタ32が代替プリンタとして選択されたとする。
【0227】
次に、プリンタ30は、代替プリンタとして選択したプリンタとの距離が、所定範囲内であるかどうかを判断する(ステップS612)。本実施形態においては、ステップS588〜ステップS592に示したように、緯度、経度、高度の差がそれぞれ±10mの範囲内にあれば印刷が実行されるので、これに対応して、代替プリンタとして選択したプリンタの相対距離ΔX、ΔY、ΔZが、それぞれ±10mの範囲内であるかどうかを判断する。なぜなら、相対距離D42のΔX、ΔY、ΔZのそれぞれが±10mの範囲内であれば、印刷クライアント20から受信した印刷送信用データD100をそのままプリンタ32に転送しても、プリンタ32で印刷が行われると考えられるからである。
【0228】
したがって、代替プリンタとして選択したプリンタとの距離が所定範囲内である場合(ステップS612:Yes)には、プリンタ30から受信した印刷送信用データD100をそのまま別のプリンタ32に送信する(ステップS614)。
【0229】
一方、代替プリンタとして選択したプリンタとの距離が所定範囲内でない場合(ステップS612:No)には、代替プリンタのプリンタ位置情報を取得する(ステップS616)。具体的には、代替プリンタリストテーブルTB80を検索して、プリンタ32のプリンタ位置情報を取得する。
【0230】
次に、プリンタ30は、印刷データD05に、ステップS616で取得したプリンタ位置情報を結合することにより、印刷送信用データD150を生成する(ステップS618)。続いて、プリンタ30は、この生成した印刷送信用データD150を、ネットワーク10を介して、代替プリンタであるプリンタ32に送信する(ステップS620)。
【0231】
これらステップS614及びステップS620の後、プリンタ30は、印刷結果情報として代替印刷通知をプリンタ30に送信する(ステップS622)。本実施形態においては、この代替印刷通知には、代替印刷を行うプリンタを特定する情報が含まれている。そして、プリンタ30は、上述した図32のステップS580に戻る。
【0232】
なお、プリンタ30から印刷送信用データD100又は印刷送信用データD150を受信したプリンタ32でも、この印刷実行処理が行われる。このため、プリンタ32において、印刷送信用データD100、D150に含まれているプリンタ位置情報D50と、プリンタ32のプリンタ位置情報との差が所定範囲にある場合には、プリンタ32で印刷が行われ、この差が所定範囲にない場合には、プリンタ32で印刷が行われないこととなる。
【0233】
以上のように、本実施形態に係る印刷システムによっても、印刷データD05及びプリンタ30、32のセキュリティを確保することができる。また、位置検出部54の検出精度の関係から、位置情報送信処理で送信したプリンタ位置情報と、印刷実行処理で取得したプリンタ位置情報との間にずれが生じていても、このずれを吸収して、印刷送信用データD100の印刷を実行させることができるさらに、本実施形態に係るプリンタ30、32によれば、印刷送信用データD100のプリンタ位置情報が合致したとしても、プリンタが印刷実行可能な状態にない場合には、このプリンタ30、32から別のプリンタに代替印刷をすることとした。このため、ユーザは、例えばプリンタ30で印刷ができなくとも、プリンタ32から印刷結果を取得することができる。
【0234】
また、プリンタ30、32は、自ら周囲のプリンタと通信をして、周囲のプリンタとの間の相対的な距離を把握し、代替プリンタリストテーブルTB80を生成することとした。このため、プリンタ30、32が、代替プリンタを選択するにあたっては、最初に印刷送信用データD100を受信したプリンタから最も近い位置にある別のプリンタを選択できるようになり、このため、ユーザが当初予定していたプリンタの位置から、最も近い位置にあるプリンタで、代替印刷の印刷結果を取得することができるようになる。
【0235】
さらに、印刷送信用データD100を受信したプリンタと代替プリンタとの間の相対距離が、所定範囲内にある場合には、印刷送信用データD100を受信したプリンタはこの印刷送信用データD100をそのまま代替プリンタに転送することとした。一方、印刷送信用データD100を受信したプリンタと代替プリンタとの間の相対距離が、所定範囲内にない場合には、印刷送信用データD100を受信したプリンタは、この印刷送信用データD100に含まれている印刷データD05に、代替プリンタ32のプリンタ位置情報を結合して、再び印刷送信用データD150を生成し、この印刷送信用データD150を代替プリンタ32に送信することとした。このため、相対距離が所定範囲内にある場合には、印刷送信用データD150を生成するための処理を省くことができる。
【0236】
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態は、上述した第3実施形態に変形を加えて、印刷クライアント20から印刷送信用データを受信したプリンタ30が、印刷を実行できない状態にある場合には、これを印刷クライアント20に通知して、印刷クライアント20から代替プリンタに再び印刷送信用データを送信するようにしたものである。より詳しくを以下に説明する。
【0237】
なお、本実施形態に係るプリンタ30、32のハードウェア構成は、上述した図2と同様であり、上述した印刷クライアント20のハードウェア構成は、図3と同様である。但し、本実施形態においては、プリンタ30の機器固有情報とプリンタ32の機器固有情報は、必ずしも、同一である必要はない。また、本実施形態においては、代替印刷をする際の印刷データの流れが、上述した第3実施形態と異なる。
【0238】
図34は、本実施形態に係る印刷システムにおいて、印刷送信用データを受信したプリンタ30が印刷を実行できる状態でない場合に、プリンタ32で代替印刷を行う際の処理内容を説明するブロック図である。
【0239】
まず、印刷クライアント20のユーザは、印刷するべきデータを作成し、印刷クライアント20に対してプリンタ30を指定して印刷を指示する。印刷クライアント20は、印刷データD05に、プリンタ30のプリンタ位置情報D50を結合して、印刷送信用データD100を生成する。続いて、印刷クライアント20は、この生成した印刷送信用データD100を、ネットワーク10を介して、プリンタ30に送信する。この印刷送信用データD100を受信したプリンタ30は、図2に示すように、この受信した印刷送信用データD100をRAM42に一旦格納する。そして、プリンタ30は、この印刷送信用データD100からプリンタ位置情報D50を取得して、その時点におけるプリンタ30のプリンタ位置情報との差が所定範囲にあるかどうかを判断する。プリンタ位置情報の差が所定範囲にある場合には、印刷送信用データD10に含まれている印刷データD05を、印刷エンジン52に送信して印刷を行い、所定範囲にない場合には、印刷は行わない。
【0240】
ここで、プリンタ30は、何らかの理由で印刷を行うことができなかったとする。すると、プリンタ30は、代替印刷通知とともに、このプリンタ30が保持している代替プリンタリストテーブルを印刷クライアント20に送信する。この代替プリンタリストテーブルを受信した印刷クライアント20は、この代替プリンタリストテーブルとプリンタ位置情報テーブルTB100とに基づいて、印刷クライアント20がプリンタ位置情報を取得しているプリンタの中で、プリンタ39から最も近いプリンタを代替プリンタとして選択する。ここでは、代替プリンタとして、プリンタ32が選択されたとする。
【0241】
次に、印刷クライアント20は、印刷データD05に、代替プリンタ32のプリンタ位置情報D50を結合して、印刷送信用データD150を生成する。そして、印刷クライアント20は、この印刷送信用データD150を代替プリンタ32に、ネットワーク10を介して、送信する。
【0242】
この印刷送信用データD150を受信した代替プリンタ32では、印刷送信用データD150に含まれているプリンタ位置情報D50を取得して、このプリンタ位置情報D50と、その時点でプリンタ32が取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲にあるかどうかを判断する。プリンタ位置情報の差が所定範囲にある場合には、印刷送信用データD150に含まれている印刷データD05を、印刷エンジン52に送信して印刷を行い、その差が所定範囲にない場合には、印刷は行わない。
【0243】
次に、プリンタのプリンタ位置情報を印刷クライアント20が取得する場合における、印刷クライアント20及びプリンタ30、32の処理についてであるが、これらの処理は上述した第3実施形態と同様である。また、代替プリンタリストテーブルを生成するためのプリンタ30、32の処理も、基本的には、上述した第1実施形態と同様である。但し、代替プリンタリストテーブルTB80と比べると、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルは、プリンタ位置情報D44を含んでいない点が異なる。
【0244】
図35は、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB200の構成の一例を示す図である。本実施形態においても、この代替プリンタリストテーブルTB200は、プリンタ30、32のハードディスク58に格納されている。この図35に示すように、本実施形態に係る代替プリンタリストテーブルTB200は、データ項目として、ネットワークアドレスD40と、プリンタ機種情報D41と、相対距離D42とを含んでいるが、プリンタ位置情報は含まれていない。これは、代替印刷をする場合に、この代替プリンタリストテーブルTB200を印刷クライアント20に送信するので、プリンタ位置情報のセキュリティを確保するためである。
【0245】
このため、本実施形態に係るプリンタ情報送信処理では、上述した第3実施形態における図30のステップS400Aにおいて、プリンタ機種情報と相対距離とをプリンタ情報に含めることにより、このプリンタ情報を生成するが、プリンタ位置情報は含めない。これ以外の点は、上述した第3実施形態と同様である。
【0246】
次に、本実施形態に係る印刷実行処理であるが、プリンタ30が印刷を実行できる状態でないと判断した場合の処理が、第3実施形態と異なる。図36は、プリンタ30が印刷を実行できる状態でないと判断した場合の印刷実行処理を説明するフローチャートであり、上述した図33に対応している。この図36に示すように、図32のステップS596で、プリンタ30が印刷データD05を印刷できる状態にないと判断した場合(ステップS596:No)には、プリンタ30は、ハードディスク58に格納されている代替プリンタリストテーブルTB200を取得する(ステップS710)。
【0247】
次に、プリンタ30は、この代替プリンタリストテーブルTB200を、印刷送信用データD100を送信した印刷クライアント20に送信する(ステップS712)。そして、図32のステップS580に戻る。これ以外の部分は、上述した第3実施形態と同様である。
【0248】
次に、本実施形態に係る印刷要求処理を、図37及び図38に基づいて説明する。図37及び図38は、本実施形態に係る印刷要求処理を説明するフローチャートであり、上述した図31に対応している。図37に示すように、ステップS570において、印刷クライアント20が、プリンタ30から受信した印刷結果情報が、代替印刷通知であったと判断した場合の処理が、上述した第3実施形態と異なる。
【0249】
すなわち、受信した印刷結果情報が代替印刷通知であった場合(ステップS570:Yes)には、図38に示すように、印刷クライアント20は、代替プリンタを選択する(ステップS720)。本実施形態においては、印刷クライアント20は、この印刷クライアント20がプリンタ位置情報を保持しているプリンタの中で、最もプリンタ30から近い位置にあるプリンタを、代替プリンタとして選択する。具体的には、プリンタ位置情報テーブルTB100に登録されているプリンタの中で、受信した代替プリンタリストテーブルTB200の相対距離D42が最も近いプリンタを選択する。相対距離D42から直線的な距離Lの算出は、上述した式(1)を用いて行う。
【0250】
次に、印刷クライアント20は、選択した代替プリンタのプリンタ位置情報を、プリンタ位置情報テーブルTB100から読み出す(ステップS722)。ここでは、代替プリンタとしてプリンタ32が選択され、プリンタ32のプリンタ位置情報が読み出されたとする。続いて、印刷クライアント20は、印刷データD05に、プリンタ32のプリンタ位置情報を結合して、印刷送信用データD150を生成する(ステップS724)。
【0251】
次に、印刷クライアント20は、ユーザに代替プリンタを特定する情報を通知する(ステップS726)。続いて、印刷クライアント20は、ステップS724で生成した印刷送信用データD150を、ネットワーク10を介して、プリンタ32に送信する(ステップS728)。これにより、本実施形態に係る印刷要求処理が終了する。
【0252】
以上のように、本実施形態に係る印刷システムによっても、印刷データD05及びプリンタ30、32のセキュリティを確保することができる。また、位置検出部54の検出精度の関係から、位置情報送信処理において印刷クライアント20に送信したプリンタ位置情報と、印刷実行処理において取得したプリンタ位置情報との間にずれが生じていても、このずれを吸収して、印刷送信用データD10の印刷を実行させることができる。
【0253】
さらに、本実施形態に係るプリンタ30、32によれば、印刷送信用データD100のプリンタ位置情報が合致したとしても、プリンタが印刷実行可能な状態にない場合には、印刷クライアント20に、代替印刷をすることができるプリンタの候補一覧である代替プリンタリストテーブルTB200を通知することとした。このため、印刷クライアント20は、この代替プリンタリストテーブルTB200の中から代替プリンタを選択することができる。
【0254】
しかも、代替プリンタリストテーブルTB200には、印刷送信用データD100を送信したプリンタと、その周囲のプリンタとの間の相対距離D42が含まれているので、印刷クライアント20は、この印刷クライアント20がプリンタ位置情報を取得しているプリンタの中で、印刷送信用データD100を送信したプリンタに最も近い位置にある代替プリンタを選択することができる。
【0255】
さらに、本実施形態における代替プリンタリストテーブルTB200には、プリンタのプリンタ位置情報は含まれていないので、実際に印刷クライアント20がプリンタ位置情報を正当に取得できたプリンタでしか、代替印刷をできないようにすることができる。このため、権限のないユーザが代替プリンタで印刷を行わないようにすることができる。
【0256】
なお本発明は上記実施形態に限定されずに種々に変形可能である。例えば、上述した第1及び第2実施形態においては、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを中心として、その周囲の26カ所の位置情報を、パスフレーズ生成用の候補として選定したが、その選定の態様及び個数はこれに限られるものではない。例えば、図39に示すように、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを中心として、その周囲6カ所の位置情報を、パスフレーズ生成用の候補として選定するようにしてもよい。
【0257】
さらには、上述した第1及び第2実施形態においては、位置検出部54の最小測定単位1つ分である±10mの範囲までに含まれる位置情報を、パスフレーズ生成用の候補として選定したが、プリンタ位置情報Xnow、Ynow、Znowを中心として、最小測定単位N個分(Nは自然数)の範囲までに含まれる位置情報を、パスフレーズ生成用の候補として選定するようにしてもよい。
【0258】
また、上述した各実施形態においては、代替プリンタリストテーブルを生成するプリンタ30が、代替プリンタの候補であるプリンタ32へプリンタ30のプリンタ位置情報を送信し、プリンタ32で相対距離を算出することとしたが、この相対距離はプリンタ30で生成するようにしてもよい。すなわち、代替プリンタリストテーブルを生成するプリンタ30が、プリンタ32からプリンタ32のプリンタ位置情報をネットワーク10を介して取得し、プリンタ30が相対距離を算出するようにしてもよい。
【0259】
また、上述した実施形態においては、代替プリンタリストテーブルにおける他のプリンタとの間の相対距離を、代替プリンタを選択するために使用したが、他の目的のために使用することもできる。
【0260】
また、上述した実施形態では、プリンタ30、32の印刷媒体が印刷用紙である場合を例に説明したが、印刷媒体はこれに限るものではなく、例えば、OHPシート等の他の印刷媒体であっても本発明を適用することができる。
【0261】
さらに、上述の実施形態で説明した各処理については、これら各処理を実行するためのプログラムをフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ROM、メモリカード等の記録媒体に記録して、記録媒体の形で頒布することが可能である。この場合、このプログラムが記録された記録媒体を印刷クライアント20及び/又はプリンタ30、32に読み込ませ、実行させることにより、上述した実施形態を実現することができる。
【0262】
また、印刷クライアント20及び/又はプリンタ30、32は、オペレーティングシステムや別のアプリケーションプログラム等の他のプログラムを備える場合がある。この場合、印刷クライアント20及び/又はプリンタ30、32の備える他のプログラムを活用し、記録媒体には印刷クライアント20及び/又はプリンタ30、32が備えるプログラムの中から、上述した実施形態と同等の処理を実現するプログラムを呼び出すような命令を記録するようにしてもよい。
【0263】
さらに、このようなプログラムは、記録媒体の形ではなく、ネットワークを通じて搬送波として頒布することも可能である。ネットワーク上を搬送波の形で伝送されたプログラムは、印刷クライアント20及び/又はプリンタ30、32に取り込まれて、このプログラムを実行することにより上述した実施形態を実現することができる。
【0264】
また、記録媒体にプログラムを記録する際や、ネットワーク上を搬送波として伝送される際に、プログラムの暗号化や圧縮化がなされている場合がある。この場合には、これら記録媒体や搬送波からプログラムを読み込んだ印刷クライアント20及び/又はプリンタ30、32は、そのプログラムの復号や伸張を行った上で、実行する必要がある。
【0265】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリンタ、印刷クライアント及び印刷システムによれば、プリンタが他のプリンタとの間の相対距離を把握することができるので、他のプリンタに代替印刷を要求する場合等において、自らのプリンタから最も近いプリンタを容易に選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプリンタのハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る印刷クライアントの構成の一例を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態において、代替印刷を行う場合の印刷データと印刷送信用データとの流れを説明する図(代替印刷を要求するプリンタと代替印刷を要求されたプリンタとの間の相対距離が所定範囲にある場合)。
【図5】本発明の第1実施形態において、代替印刷を行う場合の印刷データと印刷送信用データとの流れを説明する図(代替印刷を要求するプリンタと代替印刷を要求されたプリンタとの間の相対距離が所定範囲にない場合)。
【図6】本発明の第1実施形態における印刷データと印刷送信用データとの関係を説明する図。
【図7】本発明の第1実施形態に係る印刷クライアントが実行する公開鍵要求処理を説明するフローチャートを示す図。
【図8】本発明の第1実施形態に係る印刷クライアントが備える公開鍵テーブルの構成の一例を示す図。
【図9】本発明の第1実施形態に係るプリンタが実行する公開鍵送信処理を説明するフローチャートを示す図。
【図10】本発明の第1実施形態に係るプリンタが実行する代替プリンタリスト生成処理を説明するフローチャートを示す図。
【図11】本発明の第1実施形態に係るプリンタが保持する代替プリンタリストテーブルの構成の一例を示す図。
【図12】本発明の第1実施形態に係るプリンタが実行するプリンタ情報送信処理を説明するフローチャートを示す図。
【図13】本発明の第1実施形態に係る印刷クライアントが実行する印刷要求処理を説明するフローチャートを示す図。
【図14】本発明の第1実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図(その1)。
【図15】本発明の第1実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図(その2)。
【図16】本発明の第1実施形態に係るプリンタが選定する、プリンタ位置情報の周囲にある26カ所の位置関係を説明する図。
【図17】本発明の第2実施形態において、代替印刷を行う場合の印刷データと印刷送信用データとの流れを説明する図。
【図18】本発明の第2実施形態に係るプリンタが保持する代替プリンタリストテーブルの構成の一例を示す図。
【図19】本発明の第2実施形態に係るプリンタが実行するプリンタ情報送信処理を説明するフローチャートを示す図。
【図20】本発明の第2実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図。
【図21】本発明の第2実施形態に係る印刷クライアントが実行する印刷要求処理を説明するフローチャートを示す図(その1)。
【図22】本発明の第2実施形態に係る印刷クライアントが実行する印刷要求処理を説明するフローチャートを示す図(その2)。
【図23】本発明の第3実施形態において、代替印刷を行う場合の印刷データと印刷送信用データとの流れを説明する図(代替印刷を要求するプリンタと代替印刷を要求されたプリンタとの間の相対距離が所定範囲にある場合)。
【図24】本発明の第3実施形態において、代替印刷を行う場合の印刷データと印刷送信用データとの流れを説明する図(代替印刷を要求するプリンタと代替印刷を要求されたプリンタとの間の相対距離が所定範囲にない場合)。
【図25】本発明の第3実施形態に係る印刷送信用データのデータフォーマットを説明する図。
【図26】本発明の第3実施形態に係る印刷クライアントが実行する位置情報要求処理を説明するフローチャートを示す図。
【図27】本発明の第3実施形態に係る印刷クライアントが備えるプリンタ位置情報テーブルの構成の一例を示す図。
【図28】本発明の第3実施形態に係るプリンタが実行する位置情報送信処理を説明するフローチャートを示す図。
【図29】本発明の第3実施形態に係るプリンタが保持する代替プリンタリストテーブルの構成の一例を示す図。
【図30】本発明の第3実施形態に係るプリンタが実行するプリンタ情報送信処理を説明するフローチャートを示す図。
【図31】本発明の第3実施形態に係る印刷クライアントが実行する印刷要求処理を説明するフローチャートを示す図。
【図32】本発明の第3実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図(その1)。
【図33】本発明の第3実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図(その2)。
【図34】本発明の第4実施形態において、代替印刷を行う場合の印刷データと印刷送信用データとの流れを説明する図。
【図35】本発明の第4実施形態に係るプリンタが保持する代替プリンタリストテーブルの構成の一例を示す図。
【図36】本発明の第4実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図。
【図37】本発明の第4実施形態に係る印刷クライアントが実行する印刷要求処理を説明するフローチャートを示す図(その1)。
【図38】本発明の第4実施形態に係る印刷クライアントが実行する印刷要求処理を説明するフローチャートを示す図(その2)。
【図39】本発明の第1及び第2実施形態の変形例を説明する図。
【符号の説明】
10 ネットワーク
20 印刷クライアント
30、32 プリンタ
40 CPU
42 RAM
44 ROM
46 内部バス
48、50 インターフェース
52 印刷エンジン
54 位置検出部
58 ハードディスク
60 コンピュータ本体
62 ディスプレイ
64 CPU
66 RAM
68 ROM
70 内部バス
72、74、78 インターフェース
76 ハードディスク

Claims (41)

  1. 当該プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を取得する、プリンタ位置情報取得手段と、
    前記プリンタ位置情報取得手段が取得した前記プリンタ位置情報を、他のプリンタに送信し、前記他のプリンタに、当該プリンタと前記他のプリンタとの間の相対距離を算出させる、プリンタ位置情報送信手段と、
    前記他のプリンタから前記相対距離を受信する、相対距離受信手段と、
    前記相対距離受信手段が受信した前記相対距離を格納する、相対距離格納手段と、
    を備えることを特徴とするプリンタ。
  2. 当該プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を取得する、プリンタ位置情報取得手段と、
    他のプリンタから、前記他のプリンタのプリンタ位置情報を受信する、プリンタ位置情報受信手段と、
    前記プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報と、前記プリンタ位置情報受信手段で受信したプリンタ位置情報とに基づいて、当該プリンタと前記他のプリンタとの間の相対距離を算出する、相対距離算出手段と、
    前記相対距離算出手段が算出した前記相対距離を格納する、相対距離格納手段と、
    を備えることを特徴とするプリンタ。
  3. 印刷クライアントが送信した印刷送信用データを受信する、印刷送信用データ受信手段と、
    当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記相対距離が最も近い他のプリンタを、代替プリンタに選択して、前記印刷送信用データの代替印刷を要求する、代替印刷要求手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリンタ。
  4. 前記代替プリンタと当該プリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあるかどうかを判断する、相対距離判断手段を、さらに備えることを特徴とする請求項3に記載のプリンタ。
  5. 前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと当該プリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあると判断した場合には、受信した前記印刷送信用データを前記代替プリンタに転送する、転送手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のプリンタ。
  6. 前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと当該プリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にないと判断した場合には、受信した前記印刷送信用データに基づいて、前記代替プリンタに適合した代替印刷送信用データを生成し、この代替印刷送信用データを前記代替プリンタに送信する、代替送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のプリンタ。
  7. 前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データを復号することにより印刷データを取得し、この取得した印刷データを前記代替プリンタで復号できるように再び暗号化することにより、前記代替印刷送信用データを生成する、ことを特徴とする請求項6に記載のプリンタ。
  8. 前記プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報又はその周囲の位置情報を少なくとも含むパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で、前記印刷送信用データが復号できた場合には、前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、復号できなかった場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、選択印刷実行手段を、さらに備えることを特徴とする請求項7に記載のプリンタ。
  9. 前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、前記印刷送信用データを復号して取得した印刷データを、前記代替プリンタの公開鍵で暗号化して、前記代替印刷送信用データを生成する、ことを特長とする請求項8に記載のプリンタ。
  10. 前記印刷送信用データに含まれているプリンタ位置情報と、前記プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲内であるかどうかを判断し、両者の差が前記所定範囲内にある場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、両者の差が前記所定範囲内にない場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、選択印刷実行手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のプリンタ。
  11. 前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データから印刷データを取得し、この取得した印刷データに前記代替プリンタのプリンタ位置情報を結合することにより、前記代替印刷送信用データを生成する、ことを特徴とする請求項10に記載のプリンタ。
  12. 印刷クライアントが送信した印刷送信用データを受信する、印刷送信用データ受信手段と、
    当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記他のプリンタの前記相対距離をプリンタ毎にリスト化した代替プリンタリストを、前記印刷送信用データを送信した印刷クライアントに送信する、リスト送信手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  13. 前記代替プリンタリストを、前記相対距離の近い順にソートする、ソート手段をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のプリンタ。
  14. 前記代替プリンタリストには、前記他のプリンタを特定するための情報として、前記他のプリンタのネットワークアドレスが含まれている、ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のプリンタ。
  15. 印刷データに基づいて印刷送信用データを生成する、印刷送信用データ生成手段と、
    前記印刷送信用データをプリンタに送信する、第1送信手段と、
    前記プリンタが印刷を実行できる状態にない場合に、前記プリンタから代替印刷通知を受信する、代替印刷通知受信手段であって、前記代替印刷通知には、代替プリンタの候補をリスト化した代替プリンタリストが少なくとも含まれており、前記代替プリンタリストには、前記プリンタと前記代替プリンタの候補との間の相対距離が少なくとも含まれている、代替印刷通知受信手段と、
    少なくとも前記代替プリンタリストに基づいて、代替プリンタを選択する、代替プリンタ選択手段と、
    選択した代替プリンタに、印刷送信用データを送信する、第2送信手段と、
    を備えることを特徴とする印刷クライアント。
  16. 各プリンタに対応する公開鍵をテーブル化した公開鍵テーブルを、さらに備えており、
    前記印刷送信用データ生成手段は、印刷データを送信するプリンタに対応する公開鍵を用いて、この印刷データを暗号化することにより、前記印刷送信用データを生成する、ことを特徴とする請求項15に記載の印刷クライアント。
  17. 前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記公開鍵テーブルとに基づいて、前記公開鍵テーブルにおいて公開鍵を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択する、ことを特徴とする請求項16に記載の印刷クライアント。
  18. 前記第2送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタの公開鍵を用いて、再び印刷データを暗号化して印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信する、ことを特徴とする請求項17に記載の印刷クライアント。
  19. 各プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を、各プリンタに対応させてテーブル化したプリンタ位置情報テーブルを、さらに備えており、
    前記印刷送信用データ生成手段は、印刷データを送信するプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合することにより、前記印刷送信用データを生成する、ことを特徴とする請求項15に記載の印刷クライアント。
  20. 前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記プリンタ位置情報テーブルとに基づいて、前記プリンタ位置情報テーブルにおいてプリンタ位置情報を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択する、ことを特徴とする請求項19に記載の印刷クライアント。
  21. 前記第2送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合して、印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信する、ことを特徴とする請求項20に記載の印刷クライアント。
  22. 1のプリンタの設置されている場所を特定するための第1プリンタ位置情報を取得する、第1プリンタ位置情報取得手段と、
    他のプリンタの少なくとも1つについて、その設置されている場所を特定するための第2プリンタ位置情報を取得する、第2プリンタ位置情報取得手段と、
    前記第1プリンタ位置情報と前記第2プリンタ位置情報とに基づいて、前記1のプリンタと前記他の1のプリンタとの間の相対距離を算出する、相対距離算出手段と、
    前記相対距離算出手段が算出した前記相対距離を前記1のプリンタに格納する、相対距離格納手段と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
  23. 前記1のプリンタは、
    印刷クライアントが送信した印刷送信用データを前記1のプリンタで受信する、印刷送信用データ受信手段と、
    前記1のプリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記相対距離が最も近い他のプリンタを、代替プリンタに選択して、前記印刷送信用データの代替印刷を要求する、代替印刷要求手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の印刷システム。
  24. 前記1のプリンタは、前記代替プリンタと前記1のプリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあるかどうかを判断する、相対距離判断手段を、さらに備えることを特徴とする請求項23に記載の印刷システム。
  25. 前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと前記1のプリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にあると判断した場合には、受信した前記印刷送信用データを前記代替プリンタに転送する、転送手段を備えることを特徴とする請求項24に記載の印刷システム。
  26. 前記代替印刷要求手段は、前記相対距離判断手段が、前記代替プリンタと前記1のプリンタとの間の前記相対距離が所定範囲内にないと判断した場合には、受信した前記印刷送信用データに基づいて、前記代替プリンタに適合した代替印刷送信用データを生成し、この代替印刷送信用データを前記代替プリンタに送信する、代替送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載の印刷システム。
  27. 前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データを復号することにより印刷データを取得し、この取得した印刷データを前記代替プリンタで復号できるように再び暗号化することにより、前記代替印刷送信用データを生成する、ことを特徴とする請求項26に記載の印刷システム。
  28. 前記1のプリンタは、前記第1プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報又はその周囲の位置情報を少なくとも含むパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で、前記印刷送信用データが復号できた場合には、前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、復号できなかった場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第1選択印刷実行手段を、さらに備え、
    前記代替プリンタは、前記第2プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報又はその周囲の位置情報を少なくとも含むパスフレーズを用いて生成したいずれかの秘密鍵で、前記1のプリンタから受信した前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データが復号できた場合には、前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、復号できなかった場合には前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第2選択印刷実行手段を、さらに備える、
    ことを特徴とする請求項27に記載の印刷システム。
  29. 前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、前記1のプリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、前記印刷送信用データを復号して取得した印刷データを、前記代替プリンタの公開鍵で暗号化して、前記代替印刷送信用データを生成する、ことを特長とする請求項28に記載の印刷システム。
  30. 前記1のプリンタは、前記印刷送信用データに含まれているプリンタ位置情報と、前記第1プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲内であるかどうかを判断し、両者の差が前記所定範囲内にある場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、両者の差が前記所定範囲内にない場合には前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第1選択印刷実行手段をさらに備え、
    前記代替プリンタは、前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに含まれているプリンタ位置情報と、前記第2プリンタ位置情報取得手段で取得したプリンタ位置情報との差が、所定範囲内であるかどうかを判断し、両者の差が前記所定範囲内にある場合には前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとし、両者の差が前記所定範囲内にない場合には前記印刷送信用データ又は前記代替印刷送信用データに基づく印刷を実行しない、第2選択印刷実行手段をさらに備える、
    ることを特徴とする請求項26に記載の印刷システム。
  31. 前記選択印刷実行手段で前記印刷送信用データに基づく印刷を実行しようとした際に、当該プリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記代替送信手段は、受信した前記印刷送信用データから印刷データを取得し、この取得した印刷データに前記代替プリンタのプリンタ位置情報を結合することにより、前記代替印刷送信用データを生成する、ことを特徴とする請求項30に記載の印刷システム。
  32. 前記1のプリンタは、
    印刷クライアントが送信した印刷送信用データを受信する、印刷送信用データ受信手段と、
    前記1のプリンタが前記印刷送信用データに基づく印刷を実行できる状態にない場合には、前記他のプリンタの前記相対距離をプリンタ毎にリスト化した代替プリンタリストを、前記印刷送信用データを送信した印刷クライアントに送信する、リスト送信手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の印刷システム。
  33. 前記1のプリンタは、前記代替プリンタリストを、前記相対距離の近い順にソートする、ソート手段をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の印刷システム。
  34. 前記代替プリンタリストには、前記他のプリンタを特定するための情報として、前記他のプリンタのネットワークアドレスが含まれている、ことを特徴とする請求項32又は請求項33に記載の印刷システム。
  35. 前記印刷クライアントは、
    少なくとも前記代替プリンタリストに基づいて、代替プリンタを選択する、代替プリンタ選択手段と、
    選択した代替プリンタに、印刷送信用データを送信する、再送信手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項32乃至請求項34のいずれかに記載の印刷システム。
  36. 前記印刷クライアントは、
    各プリンタに対応する公開鍵をテーブル化した公開鍵テーブルと、
    印刷データを送信するプリンタに対応する公開鍵を用いて、この印刷データを暗号化することにより、前記印刷送信用データを生成し、前記1のプリンタに送信する、印刷送信用データ送信手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項35に記載の印刷システム。
  37. 前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記公開鍵テーブルとに基づいて、前記公開鍵テーブルにおいて公開鍵を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択する、ことを特徴とする請求項36に記載の印刷システム。
  38. 前記再送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタの公開鍵を用いて、再び印刷データを暗号化して印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信する、ことを特徴とする請求項37に記載の印刷システム。
  39. 前記印刷クライアントは、
    各プリンタの設置されている場所を特定するためのプリンタ位置情報を、各プリンタに対応させてテーブル化したプリンタ位置情報テーブルと、
    印刷データを送信するプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合することにより、前記印刷送信用データを生成し、前記1のプリンタに送信する、印刷送信用データ送信手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項35に記載の印刷システム。
  40. 前記代替プリンタ選択手段は、前記代替プリンタリストと前記プリンタ位置情報テーブルとに基づいて、前記プリンタ位置情報テーブルにおいてプリンタ位置情報を保持しているプリンタの中で、最も相対距離の近いプリンタを、前記代替プリンタとして選択する、ことを特徴とする請求項39に記載の印刷システム。
  41. 前記再送信手段は、前記代替プリンタとして選択されたプリンタのプリンタ位置情報を、印刷データに結合して、印刷送信用データを再生成し、この再生成した印刷送信用データを、前記代替プリンタに送信する、ことを特徴とする請求項40に記載の印刷システム。
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