JP4005579B2 - 回転ブラシのクリーニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる回転ブラシのクリーニング装置に関する。
周知の様に電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラム(静電潜像担持体)を回転させつつ、帯電装置により感光体ドラム表面を均一に帯電させ、光ビームにより感光体ドラム表面を走査して、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像剤を感光体ドラム上の静電潜像に付着させて、感光体ドラム上に現像剤像を形成し、現像剤像を感光体ドラムから記録用紙へと転写させ、記録用紙上の現像剤像を加熱及び加圧して定着させている。
ここで、帯電装置としては、コロナ放電により帯電を行うものや、ブラシの接触により帯電を行うもの等がある。前者のコロナ放電の帯電装置では、感光体ドラムを非接触で帯電させており、感光体ドラム表面の均一な帯電に有利である。ただし、その一方で、オゾンの発生量が多いという欠点がある。
また、後者のブラシ接触の帯電装置では、バイアス電圧を印加したブラシを感光体ドラム表面に接触させて、感光体ドラムを帯電させており、オゾンが殆ど発生しないという利点がある。
しかしながら、ブラシ接触の帯電装置では、感光体ドラムの残留現像剤等の汚れがブラシに付着して、ブラシが汚れるという欠点がある。このブラシの汚れは、感光体ドラムの帯電むらや傷の原因となり、画像品質の低下を招く。
より詳しくは、感光体ドラム上の現像剤が100%の転写効率で記録用紙上に転写されず、感光体ドラム上に残留現像剤が発生する。この残留現像剤は、クリーニング用のゴムブレード等を感光体ドラム表面に十分に強く圧接することにより除去することができるものの、このゴムブレードの圧接力を強くすると、感光体ドラムの感光層が削れてしまうので、このゴムブレードの圧接力を十分に強くすることができない。このため、残留現像剤のうちの小さな粒子径のもの、あるいは感光体ドラムとの静電結合力の強いものが除去されず、除去されなかった感光体ドラム上の残留現像剤が帯電装置のブラシに静電的に吸着されて付着する。
このため、ブラシ接触の帯電装置では、ブラシに付着した現像剤等を除去するためのクリーニング機構を備えることが多い。
例えば、特許文献1では、感光体ドラム及び帯電ブラシを相互に反対の方向に回転させて、感光体ドラムと帯電ブラシの接触部位ではそれらの外周を同一方向に移動させつつ、感光体ドラムを帯電させ、またブラシクリーナを回転させつつ帯電ブラシの毛に押し付けることにより、帯電ブラシの汚れを除去している。
特開2000−187373号公報
しかしながら、特許文献1では、ブラシクリーナにより帯電ブラシの毛に付着した現像剤を除去しても、ブラシクリーナに付着した現像剤の除去についての記載がなく、このためブラシクリーナに付着した現像剤が多くなると、逆にブラシクリーナに付着した現像剤が帯電ブラシに転移する可能性がある。従って、帯電ブラシの毛に付着した現像剤を確実に除去しているとは言えなかった。
また、ブラシに付着した現像剤等を除去する方法としては、他に、電気的にブラシから残留現像剤を除去するというものがある。しかしながら、この方法では、残留現像剤を除去する電界と感光体ドラムの帯電極性とが逆極性となるので、感光体ドラムの帯電特性に悪影響を与えてしまう。
更に、この様な帯電ブラシの問題は、感光体ドラム等に接触して除電を行なう除電用のブラシや、感光体ドラム等に接触してクリーニングを行うクリーニング用のブラシなどにも共通しており、除電むらやクリーニングむらが生じていた。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れを確実に除去し、しかも回転ブラシの毛の乱れを防止することが可能な回転ブラシのクリーニング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電位を静電潜像担持体に付与するために、静電潜像担持体に当接もしくは摺接する回転ブラシのクリーニング装置において、静電潜像担持体との接触部位よりも回転ブラシの回転方向下流側で、回転ブラシの毛に圧接される発泡弾性体と、発泡弾性体よりも回転ブラシの回転方向下流側で、回転ブラシの毛に圧接される滑り部材とを備え、発泡弾性体は、連発泡の発泡弾性体であって、回転ブラシとの接触面及び該発泡弾性体に侵入した現像剤等を排出する排出面を除く他の面を封止されており、この排出面に現像剤等を回収するための現像材回収容器を設けている。
また、本発明においては、滑り部材は、平滑面を有しており、この平滑面を回転ブラシの毛に圧接して、回転ブラシの毛の方向を揃えている。
更に、本発明においては、発泡弾性体は、連発泡の発泡弾性体である。
また、本発明においては、発泡弾性体は、回転ブラシとの接触面及び該発泡弾性体に侵入した現像剤等を排出する排出面を除く他の面を封止されている。
更に、本発明においては、静電潜像担持体の下側表面に回転ブラシが接触している。
本発明のクリーニング装置によれば、静電潜像担持体表面との接触部位よりも回転ブラシの回転方向下流側に、回転ブラシの毛に圧接される発泡弾性体を設けている。この発泡弾性体の表面には多数の小孔が形成されているため、この発泡弾性体を回転ブラシの毛に圧接すると、この発泡弾性体の面の各小孔により回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れが掻き取られ、更に現像剤等の汚れが該各小孔を通じて発泡弾性体内に吸収されて行く。このため、回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れが確実に除去され、回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れを原因とする静電潜像担持体の帯電むらや傷等を防止することができる。
ただし、発泡弾性体を回転ブラシの毛に圧接させると、回転ブラシの毛の向きが乱れる。そこで、発泡弾性体よりも回転ブラシの回転方向下流側に、回転ブラシの毛に圧接される滑り部材を設けている。この滑り部材は、ここに圧接されて移動して行く回転ブラシの毛を一定方向に揃える。これにより、回転ブラシの毛の向きの乱れを原因とする静電潜像担持体表面の帯電むらを防止することができる。
従って、回転ブラシの毛に発泡弾性体を圧接して、回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れを除去し、このときに乱れた回転ブラシの毛を滑り部材に圧接して、回転ブラシの毛を一定方向に揃えている。これにより、回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れを原因とする静電潜像担持体表面の帯電むらを防止し、回転ブラシの毛の向きの乱れによる静電潜像担持体表面の帯電むらが生じない様にしている。
例えば、滑り部材の平滑面に回転ブラシの毛を圧接して、回転ブラシの毛の方向を揃えている。
また、本発明によれば、発泡弾性体として、連発泡の発泡弾性体を用いている。この連発泡の発泡弾性体では、連発泡により形成された各小孔がつながっているので、現像剤等の汚れが該各小孔を通じて速やかに流通し、より多くの現像剤等の汚れを吸収することが可能になる。更に、回転ブラシと発泡弾性体の接触面及び該発泡弾性体に侵入した現像剤等を排出する排出面を除く他の面を封止しておけば、回転ブラシの毛に付着した現像剤等の汚れが、発泡弾性体の接触面から吸収されて該発泡弾性体の各小孔を通じて流通し、更に発泡弾性体の排出面から排出される。これにより、多量の現像剤等の汚れを回転ブラシの毛から除去することが可能になる。
また、本発明によれば、静電潜像担持体の下側表面に回転ブラシが接触している。この場合は、重力に逆らわずに、発泡弾性体の各小孔により回転ブラシの現像剤等の汚れを除去して、現像剤等の汚れを該各小孔を通じて排出面へと流通させて排出することができ、汚れの除去効率が向上する。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係わる画像形成装置を示す側面図である。この画像形成装置1は、原稿搬送部2、原稿読取り装置3、印刷部4、記録用紙搬送部5、給紙部6、及び排紙トレイ7を備えている。
原稿搬送部2では、少なくとも1枚の原稿が原稿セットトレイ11にセットされると、原稿を1枚ずつ原稿セットトレイ11から引き出して搬送し、原稿の先端がPSローラ12に達したときに原稿の搬送を一時的に停止して、原稿の先端をPSローラ12と平行にする。そして、印刷部4による画像記録動作と同期を取ってから、PSローラ12と駆動軸間のクラッチをオンにして、PSローラ12を回転駆動し、PSローラ12によって原稿を再搬送して、原稿をプラテンガラス8aと原稿押え板9間に通過させる。
原稿読取り装置3では、原稿の搬送に際し、第1走査ユニット15によって原稿を露光し、第1及び第2走査ユニット15、16によって原稿からの反射光を結像レンズ17へと導き、結像レンズ17によって原稿を光電変換素子(以下CCDと称する)18上に結像する。CCD18は、原稿を主走査方向に繰り返し走査して読取り、原稿を示す画像データを出力する。
また、原稿がプラテンガラス8b上に置かれた場合は、第1及び第2走査ユニット15、16を相互に所定の速度関係を維持しつつ移動させ、第1走査ユニット15によってプラテンガラス8b上の原稿を露光し、第1及び第2走査ユニット15、16によって原稿からの反射光を結像レンズ17へと導き、結像レンズ17によって原稿をCCD18上に結像する。
CCD18から出力された画像データは、マイクロコンピュータ等の制御回路により各種の画像処理を施されてから、印刷部4に出力される。
印刷部4は、画像データによって示される原稿を記録用紙に記録するものであって、感光体ドラム21、ブラシ帯電装置22、レーザスキャンユニット(以下LSUと称する)23、現像器24、転写器25、クリーニング器26、除電器(図示せず)、及び定着器27等を備えている。感光体ドラム21は、一方向に回転しており、その表面をクリーニング器26と除電器によりクリーニングされてから、その表面をブラシ帯電装置22により均一に帯電される。レーザスキャンユニット23は、画像データに応じてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラム21表面を主走査方向に繰り返し走査して、静電潜像を感光体ドラム21表面に形成する。現像器24は、トナーを感光体ドラム21表面に供給して、静電潜像を現像し、トナーの可視像を感光体ドラム21表面に形成する。転写器25は、感光体ドラム21表面のトナーの可視像を記録用紙搬送部5により搬送されてきた記録用紙に転写する。定着器27は、記録用紙を加熱及び加圧して、記録用紙上のトナーの可視像を定着させる。この後、記録用紙は、記録用紙搬送部5により排紙トレイ7へと更に搬送されて排出される。
記録用紙搬送部5は、記録用紙を搬送するためのPSローラ28、搬送ローラ29、搬送経路31、反転搬送経路32、排紙ローラ33、及び分岐爪34等を備えている。搬送経路31では、記録用紙を給紙部6から受け取り、記録用紙の先端がPSローラ28に達したときに記録用紙の搬送を一時的に停止して、記録用紙の先端をPSローラ28と平行にし、この後に記録用紙をPSローラ28により印字部4の転写器25へと搬送し、更に記録用紙を排紙部7へと搬送する。また、記録用紙の裏面にも画像を記録する場合は、分岐爪34を回転移動させ、搬送経路31と反転搬送経路32の分岐路を切換えてから、記録用紙を搬送経路31から反転搬送経路32へと逆方向に搬送する。反転搬送経路32では、記録用紙を搬送経路31から受け取ると、記録用紙の表裏を反転させてから、記録用紙を搬送経路31のPSローラ28へと戻す。これにより、記録用紙の裏面にも画像が記録される。これらの搬送経路31、32には、記録用紙の通過を検出するための複数の検知スイッチが配置されており、各検知スイッチの検知に基づいて記録用紙の搬送タイミング等の制御が行なわれる。
給紙部6は、未使用の記録用紙を収容して、この未使用の記録用紙を記録用紙搬送部5に供給するものであって、給紙カセット36を備えている。給紙カセット36には、記録用紙が積層収容され、半月形のピックアップローラ35により記録用紙が1枚ずつ引き出されて搬送される。記録用紙が給紙カセット36から引き出されてPSローラ28へと搬送される。
次に、本実施例のブラシ帯電装置22について、更に詳しく説明する。図2は、ブラシ帯電装置22を示す側面図である。このブラシ帯電装置22では、バイアス電圧回路42のバイアス電圧Vbを帯電ブラシ41に印加し、帯電ブラシ41を感光体ドラム21表面に圧接して、帯電ブラシ41及び感光体ドラム21をそれぞれの矢印方向A、Bに同一の周速度で回転させ、これにより感光体ドラム21表面を帯電させている。
帯電ブラシ41は、回転軸43の周りに弾性部材44を設けて、回転軸43と弾性部材44を同心円状に配置し、弾性部材44周りにブラシ布45を設けたものである。回転軸43は金属製であり、弾性部材44、及びブラシ布45は、導電性を有する。従って、バイアス電圧回路42のバイアス電圧Vbを、回転軸43及び弾性部材44を通じてブラシ布45に印加することができる。
バイアス電圧回路42は、帯電ブラシ41に印加するバイアス電圧Vbとして、直流電圧、又は直流電圧に交流電圧を重畳させたものを出力する。
直流のバイアス電圧Vbを用いた場合は、オゾンの発生量が少なくて済む。
また、直流と交流を重畳したバイアス電圧Vbを用いた場合は、オゾンの発生量が多くなるももの、感光体ドラム21表面の帯電むらを抑えることができる。これは、帯電ブラシ41の毛先から感光体ドラム21表面へと急激な電荷注入が起こっても、帯電ブラシ41の他の毛の腹部が急激な電荷注入の箇所に接触して、この箇所の余分な電荷が他の毛からの交流電圧印加により放電され、該箇所の電位が周囲の電位に等しくなるためである。交流電圧の振幅電圧は、直流電圧の略2倍もしくは2倍以上が好ましい。
ここで、帯電ブラシ41を感光体ドラム21表面に圧接して、帯電ブラシ41及び感光体ドラム21をそれぞれの矢印方向A、Bに同一の周速度で回転させると、帯電ブラシ41と感光体ドラム21の接触部位では帯電ブラシ41の外周と感光体ドラム21の外周が同一方向に同一速度で移動する。帯電ブラシ41の毛は、感光体ドラム21表面の回転方向に順目となる様に、その傾きの向きが設定されている。このため、図3に示す様に帯電ブラシ41の毛先が感光体ドラム21表面に突き当たることなく、帯電ブラシ41の毛の腹部が感光体ドラム21表面を滑って行く。
これにより、帯電ブラシ41の毛先が感光体ドラム21表面に突き当たって乱されることが防止され、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面で滑って該帯電ブラシ41の周方向に吹き流されることになり、帯電ブラシ41の毛が周方向に常に整列される。
この様に帯電ブラシ41の毛が周方向に常に整列されていれば、毛の並びの乱れが感光体ドラム21表面の帯電むらとなって映ることはなく、感光体ドラム21表面が均一に帯電される。仮に、帯電ブラシの毛の並びに乱れが生じると、毛の並びの乱れが感光体ドラム21表面の帯電むらとなって映る。
また、帯電ブラシ41の毛先が感光体ドラム21表面に突き当たらないので、帯電ブラシ41の毛先から感光体ドラム21表面への急激な電荷注入が起こらず、この急激な電荷注入による感光体ドラム21表面の帯電むらが発生することもない。仮に、帯電ブラシの毛先が感光体ドラム21表面に突き当たると、帯電ブラシの毛先から感光体ドラム21表面へと電荷が急激に注入されて、感光体ドラム21表面の帯電むらが発生する。
図4(a)及び(b)は、本実施例の様に帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面で滑って行く状態で記録された一定階調レベルのグレイ画像51と、帯電ブラシの毛先が感光体ドラム21表面に突き当たる状態で記録された一定階調レベルのグレイ画像52とを比較して示している。この比較から明らかな様に、本実施例によるグレイ画像51が一様な階調レベルであるのに対して、グレイ画像52には多数の線が生じている。これは、帯電ブラシの毛先が感光体ドラム21表面に突き当たって、毛先から電荷が急激に注入され、感光体ドラム21表面に線状の帯電むらが生じたためである。
また、帯電ブラシ41の毛先もしくは毛の腹部が感光体ドラム21表面を滑って行く場合は、帯電ブラシ41と感光体ドラム21間の機械的な抵抗が小さく、帯電ブラシ41の毛及び感光体ドラム21表面が摩耗し難い。また、帯電ブラシ41と感光体ドラム21間の機械的な抵抗が小さいことから、感光体ドラム21の回転トルクを大きくする必要がない。このため、感光体ドラム21の回転トルクを大きくしたときに発生する回転むらが発生せず、図5に示す様なバンディング53(すじ状の画像むら)が発生することもない。
更に、回転軸43の周りに弾性部材44を設けていることから、帯電ブラシ41を感光体ドラム21に押し付けると、帯電ブラシ41の毛だけではなく、弾性部材44も弾性変形する。この弾性部材44の弾性変形により、弾性部材44がないときよりも、帯電ブラシ41の毛が柔軟に変形して感光体ドラム21表面に均一に接触する。これにより、感光体ドラム21表面がより均一に帯電される。
また、図6に示す様に帯状のブラシ布45を螺旋状に巻き付けていることから、帯状のブラシ布45の継ぎ目が螺旋状になる。このため、帯電ブラシ41の毛を感光体ドラム21に接触させ、帯電ブラシ41及び感光体ドラム21を回転させた状態では、感光体ドラム21表面に対するブラシ布45の継ぎ目の影響が現れ難くなる。
あるいは、帯電ブラシ41を感光体ドラム21に押し付けない状態では、螺旋状の継ぎ目で毛の密度が低くなり、これが帯電むらの原因になると考えられる。ところが、帯電ブラシ41を感光体ドラム21に押し付けた状態では、弾性部材44の弾性変形により帯電ブラシ41の毛が柔軟に変形し、螺旋状の継ぎ目に周囲の毛が寄ってきて、螺旋状の継ぎ目近傍であっても、毛の密度が高くなり、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面に均一に接触して、感光体ドラム21表面が均一に帯電される。
更に、帯電ブラシ41の毛だけではなく、弾性部材44も弾性変形することから、感光体ドラム21表面に接触する多数の毛の圧力が均一化され、毛の並びの乱れが防止される。これにより、感光体ドラム21表面の均一な帯電が維持され続ける。
また、帯電ブラシ41の毛及び弾性部材44が共に変形するので、帯電ブラシ41の毛に対する負荷が軽減され、帯電ブラシ41の毛に癖が付きにくくなる。その上、帯電ブラシ41の毛に寝癖が付いても、この寝癖の回復が早くなる。弾性部材44がなければ、この寝癖の回復に略半日かかるが、弾性部材44があれば、この寝癖の回復が10分以内となる。
一方、この様なブラシ帯電装置22においては、感光体ドラム21の残留現像剤等の汚れが帯電ブラシ41に付着して、帯電ブラシ41が汚れるという欠点がある。この帯電ブラシ41の汚れを放置しておくと、感光体ドラム21の帯電むらや傷が発生し、画像品質の低下を招く。
そこで、本実施例のブラシ帯電装置22には、帯電ブラシ41のクリーニング装置を付設している、このクリーニング装置では、帯電ブラシ41の上側に発泡弾性部材46を配置して、帯電ブラシ41の毛に発泡弾性部材46を圧接し、帯電ブラシ41の毛に付着した現像剤や汚れ等を除去している。また、帯電ブラシ41の右側に滑り板47を配置して、帯電ブラシ41の毛に滑り板47を圧接し、発泡弾性部材46の圧接により乱れた帯電ブラシ41の毛を一定方向に揃えている。
発泡弾性部材46は、帯電ブラシ41と感光体ドラム21の接触部位よりも帯電ブラシ41の回転方向下流側に位置する。また、滑り板47は、発泡弾性部材46よりも該帯電ブラシ41の回転方向下流側に位置する。従って、帯電ブラシ41の毛は、感光体ドラム21に接触して、感光体ドラム21を帯電させた後、発泡弾性部材46に圧接し、引き続いて滑り板47に圧接し、再び感光体ドラム21に接触する。
発泡弾性部材46下側の面は、帯電ブラシ41の毛に圧接する圧接面46aとなっている。また、発泡弾性部材46上側の面は、排出面46bとなっており、この排出面46bに現像剤回収容器48が覆い被さっている。発泡弾性部材46の圧接面46a及び排出面46bは、いずれも開放されている。更に、発泡弾性部材46の各側面46cは、ケーシング49により封止されている。
発泡弾性部材46は、スポンジ状の合成樹脂であり、単発泡及び連発泡を含む。単発泡は、単独で存在する気泡であり、他の気泡とのつながりがない。また、連発泡は、相互につながる多数の気泡であり、相互につながる多数の小孔であるとも言える。発泡弾性部材46の圧接面46a、排出面46b、及び各側面46cのいずれにも、多数の小孔(気泡)が存在し、これら小孔が発泡弾性部材46内の多数の小孔(連発泡)につながっている。
滑り板47は、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂であり、小さな摩擦係数の平滑面47aを有している。
この様な構成のクリーニング装置では、帯電ブラシ41の回転に伴い、帯電ブラシ41の多数の毛が発泡弾性部材46の圧接面46aに押し付けられる。このとき、発泡弾性部材46の圧接面46aが帯電ブラシ41の多数の毛の根元付近に達する。そして、発泡弾性部材46の圧接面46aの各小孔により帯電ブラシ41の多数の毛に付着した現像剤等の汚れが掻き取られ、この掻き取られた現像剤等の汚れが該圧接面46aの各小孔に転移し、帯電ブラシ41の多数の毛がその根元付近からクリーニングされる。
この発泡弾性部材46の圧接面46aによる帯電ブラシ41の毛のクリーニングが継続されると、現像剤等の汚れが該圧接面46aの各小孔に連続的に転移して、該圧接面46aの各小孔が満杯となり、該圧接面46aの各小孔内の現像剤等の汚れが発泡弾性部材46内の多数の小孔(連発泡)に侵入して移動して行く。そして、発泡弾性部材46内の現像剤等の汚れは、発泡弾性部材46の排出面46b又は各側面46cに到達する。発泡弾性部材46の排出面46bに到達した現像剤等の汚れは、そのまま現像剤回収容器48に排出されて回収される。また、発泡弾性部材46の各側面46cに到達した現像剤等の汚れは、該各側面46cがケーシング49により封止されていることから、該各側面46cを回避して、排出面46bへと移動して行き、最後に排出面46bに到達して、現像剤回収容器48に排出されて回収される。
従って、帯電ブラシ41の回転に伴い、帯電ブラシ41の毛に付着した現像剤等の汚れが発泡弾性体46の圧接面46aにより掻き取られ、更に現像剤等の汚れが発泡弾性体46内を通じて現像剤回収容器48まで移動して回収される。
引き続いて、帯電ブラシ41の回転に伴い、帯電ブラシ41の多数の毛が滑り板47の平滑面47aに押し付けられる。このときにも、滑り板47の平滑面47aが帯電ブラシ41の多数の毛の根元付近に達する。
滑り板47の平滑面47aは、その摩擦係数が極めて小さいことから、帯電ブラシ41の毛を損傷させたり引き抜くことなく、帯電ブラシ41の毛を周方向に揃える。これにより、帯電ブラシ41の毛の向きの乱れを原因とする感光体ドラム21表面の帯電むらを防止することができる。
この様に本実施例では、帯電ブラシ41の毛に発泡弾性体46を圧接して、帯電ブラシ41の毛に付着した現像剤等の汚れを除去し、このときに乱れた帯電ブラシ41の毛を滑り部材47に圧接して、帯電ブラシ41の毛を一定方向に揃えている。これにより、帯電ブラシ41の毛に付着した現像剤等の汚れを原因とする感光体ドラム21表面の帯電むらを防止し、帯電ブラシ41の毛の向きの乱れにより感光体ドラム21表面の帯電むらが生じない様にしている。
図7は、本発明の画像形成装置の実施例2を概略的に示す側面図である。この画像形成装置は、カラー画像を形成するためのものであり、4つの可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bと、転写定着ローラ61とを備えている。
各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bでは、感光体ドラム62の周囲にブラシ帯電装置22、レーザスキャンユニット63、現像器64、転写ローラ65、クリーナー66を配置している。各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bの現像器64には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色トナーが収容されている。そして、各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bにおいては、ブラシ帯電装置22により感光体ドラム62表面を一様に帯電した後、画像情報に応じてレーザスキャンユニット63のレーザー光を変調しつつ、レーザー光を感光体ドラム62表面に照射して、感光体ドラム62表面に静電潜像を形成し、更に現像器64により感光体ドラム62表面の静電潜像にトナーを付着させて、感光体ドラム62表面にトナー像を形成し、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された転写ローラ65により感光体ドラム62表面のトナー像を中間転写ベルト67上に転写する。
各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bにより感光体ドラム62表面に各色のトナー像を形成して、各色のトナー像を中間転写ベルト67上に順次重ねて転写する。これにより、中間転写ベルト67上に、1つのカラーのトナー像Tが形成される。このカラーのトナー像Tは、転写定着ローラ61により記録紙Pに転写されて定着される。
この様なカラー画像形成装置では、トナーの色の数だけ、ブラシ帯電装置22及び感光体ドラム62を設ける必要があり、例えば4つの色を用いるならば、4組のブラシ帯電装置22及び感光体ドラム62を設ける必要がある。このため、仮にコロナ放電の帯電装置を用いるならば、大量のオゾンが発生し、オゾンの臭気だけではなく、オゾンによる感光体ドラム62の劣化が問題となる。
ところが、ブラシ帯電装置22は、図1の画像形成装置と同様のものであるため、オゾンの発生量が極めて少ない。
また、ブラシ帯電装置22を感光体ドラム21下側に配置しているので、重力に逆らわずに、発泡弾性体46の各小孔により帯電ブラシ41の現像剤等の汚れを除去して、現像剤等の汚れを発泡弾性体46の各小孔を通じて下方の排出面46bへと流通させて現像剤回収容器48に排出することができ、汚れの除去効率が向上する。
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、ブラシ布45の毛に帯電ブラシ41の周面で斜めに傾く様な癖を付けいるが、この代わりに、ブラシ布45の毛を回転軸43に対して放射状に設けておき、帯電ブラシ41と感光体ドラム21の接触部位でそれらの外周を同一方向に移動させ、帯電ブラシ41の周速度を感光体ドラム21よりも速くする。これによっても、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面の回転方向に順目となる様に傾き、ブラシ布45の毛が帯電ブラシ41の周方向に整列して傾斜する。
また、ブラシ布45を螺旋状に巻き付け接着する代わりに、図8に示す様にブラシ布45を弾性部材44の周りにのり巻き状に巻き付けて接着しても良い。この場合は、ブラシ布45の毛が回転軸43に対して放射状になるので、ブラシ布45の毛を帯電ブラシ41の周方向に整列させ傾斜させることが容易になる。
また、本発明のクリーニング装置は、ブラシ帯電装置22の帯電ブラシ41だけではなく、画像形成装置1における、クリーニング器26のクリーニングブラシ、除電器(図示せず)の除電ブラシ等に適用することができ、更に回転ブラシの構造にかかわらず、適用することができる。
本発明の画像形成装置の実施例1を示す側面図である。 図1の画像形成装置におけるブラシ帯電装置並びにクリーニング装置を示す側面図である。 図2のブラシ帯電装置における帯電ブラシと感光体ドラムの接触状態を拡大して示す側面図である。 (a)及び(b)は、図2のブラシ帯電装置を用いたときのグレイ画像、及び比較例のブラシ帯電装置を用いたときのグレイ画像を比較して示す図である。 感光体ドラムの回転むらを原因とするバンディング(すじ状の画像むら)を示す図である。 図2のブラシ帯電装置における帯電ブラシのブラシ布の巻き方を示す斜視図である。 本発明の画像形成装置の実施例2を概略的に示す側面図である。 図2のブラシ帯電装置における帯電ブラシのブラシ布の他の巻き方を示す斜視図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 原稿搬送部
3 スキャナー部
4 印字部
6 給紙部
7 排紙装置
11 原稿セットトレイ
12、28 PSローラ
15 第1走査ユニット
16 第2走査ユニット
17 結像レンズ
18 CCD
21 感光体ドラム
22 ブラシ帯電装置
23 レーザスキャンユニット
24 現像器
25 転写器
26 クリーニング器
41 帯電ブラシ
42 バイアス電圧回路
43 回転軸
44 弾性部材
45 ブラシ布

Claims (3)

  1. 電位を静電潜像担持体に付与するために、静電潜像担持体に当接もしくは摺接する回転ブラシのクリーニング装置において、
    静電潜像担持体との接触部位よりも回転ブラシの回転方向下流側で、回転ブラシの毛に圧接される発泡弾性体と、
    発泡弾性体よりも回転ブラシの回転方向下流側で、回転ブラシの毛に圧接される滑り部材とを備え、
    発泡弾性体は、連発泡の発泡弾性体であって、回転ブラシとの接触面及び該発泡弾性体に侵入した現像剤等を排出する排出面を除く他の面を封止されており、この排出面に現像剤等を回収するための現像材回収容器を設けたことを特徴とする回転ブラシのクリーニング装置。
  2. 滑り部材は、平滑面を有しており、この平滑面を回転ブラシの毛に圧接して、回転ブラシの毛の方向を揃えることを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシのクリーニング装置。
  3. 静電潜像担持体の下側表面に回転ブラシが接触することを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシのクリーニング装置。
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