JP2005284104A - 回転ブラシの製造方法、回転ブラシ、帯電装置、及び画像形成装置 - Google Patents

回転ブラシの製造方法、回転ブラシ、帯電装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転ブラシの毛により柔軟性を与えて、毛に寝癖を付き難くしかつ寝癖からの回復を早くすることが可能な回転ブラシの製造方法を提供する。
【解決手段】金属製の回転軸43の周りを発泡弾性部材44により被覆し、導電性接着剤を発泡弾性部材44の外周表面に塗布する。導電性接着剤が硬化する以前に、多数の毛を導電性接着剤層の平滑部材45に対して垂直に植毛し、平滑部材45の外周に植毛層46を形成する。この後、平滑部材45となる導電性接着剤層を硬化させる。これにより、植毛層46の各毛を平滑部材45の外周に安定的に支持した帯電ブラシ41が形成される。これにより、多数の毛の傾き方向が一定となり、多数の毛の向きが揃う。
【選択図】図7

Description

本発明は、多数の毛が回転中心の周りに設けられた円柱状の回転ブラシの製造方法、回転ブラシ、それを用いた帯電装置、及びそれを用いた画像形成装置に関する。
周知の様に電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムを回転させつつ、帯電装置により感光体ドラム表面を均一に帯電させ、光ビームにより感光体ドラム表面を走査して、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像剤を感光体ドラム上の静電潜像に付着させて、感光体ドラム上に現像剤像を形成し、現像剤像を感光体ドラムから記録用紙へと転写させ、記録用紙上の現像剤像を加熱及び加圧して定着させている。
ここで、帯電装置としては、コロナ放電により帯電を行なうものや、ブラシの接触により帯電を行なうもの等がある。前者のコロナ放電の帯電装置では、感光体ドラムを非接触で帯電させており、感光体ドラム表面の均一な帯電に有利である。ただし、その一方で、オゾンの発生量が多いという欠点がある。また、後者のブラシ接触の帯電装置では、バイアス電圧を印加したブラシを感光体ドラム表面に接触させて、感光体ドラムを帯電させており、オゾンが殆ど発生しないという利点がある。
例えば、特許文献1では、回転ブラシの毛に斜めに倒れる様な癖を付けておき、感光体ドラム及び回転ブラシを相互に反対の方向に回転させて、感光体ドラムと回転ブラシの接触部位ではそれらの外周を同一方向に移動させつつ、感光体ドラムを帯電させている。
特開2000−187373号公報
ところで、従来の帯電ブラシは、金属の軸心周りに、多数の毛を植毛したブラシ布を直接巻き付けるか、金属の軸心外周に、多数の毛を直接静電植毛している。しかしながら、回転ブラシの毛としては、細いものが好ましく、その弾性力が弱い。このため、回転ブラシを感光体ドラムに強く押し付けると、回転ブラシの毛に寝癖が付き易く、回転ブラシの毛が感光体ドラム表面に均一に接触しなくなった。また、回転ブラシを感光体ドラムに軽く押し付けるだけでは、やはり回転ブラシの毛が感光体ドラム表面に均一に接触しなかった。このため、回転ブラシによる感光体ドラム表面の均一な帯電が困難であった。
更に、この様な回転ブラシの問題は、帯電用のブラシだけではなく、感光体ドラム等に接触して除電を行なう除電用のブラシや、感光体ドラム等に接触してクリーニングを行なうクリーニング用のブラシなどにも共通しており、除電むらやクリーニングむらが生じていた。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、回転ブラシの毛により柔軟性を与えて、毛に寝癖を付き難くしかつ寝癖からの回復を早くすることが可能な回転ブラシの製造方法、及び回転ブラシを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記本発明の回転ブラシを用いた帯電装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、多数の毛が回転中心の周りに設けられた円柱状の回転ブラシの製造方法において、軸心周りに設けられた発泡弾性部材の外周表面を平滑部材により被覆する表面被覆工程と、平滑部材の表面に、多数の毛を静電植毛する静電植毛工程とを含んでいる。
また、本発明においては、平滑部材の表面に静電植毛された多数の毛は、該表面に対する傾き方向が一定である。
更に、本発明においては、平滑部材は、発泡弾性部材の外周表面に塗布される導電性接着剤である。
また、本発明においては、平滑部材は、発泡弾性部材の外周表面を覆うシートである。
更に、本発明においては、平滑部材は、一定の抵抗値を有しており、平滑部材から多数の毛への通電が可能である。
また、本発明においては、平滑部材は、導電性を有する軸心に導通されており、軸心から平滑部材を介して多数の毛への通電が可能である。
一方、本発明は、多数の毛が回転中心の周りに設けられた円柱状の回転ブラシにおいて、軸心と、軸心周りに設けられた発泡弾性部材と、発泡弾性部材の外周表面を被覆する平滑部材と、平滑部材の表面に植毛された多数の毛とを備えている。
また、本発明の帯電装置では、上記本発明の回転ブラシを用いて、静電潜像担持体を帯電させている。
あるいは、本発明の画像形成装置では、上記本発明の回転ブラシを用いている。
本発明の回転ブラシの製造方法によれば、軸心周りに設けられた発泡弾性部材の外周表面を平滑部材により被覆し、平滑部材の表面に多数の毛を静電植毛している。従って、回転ブラシは、軸心、発泡弾性部材、平滑部材、及び植毛された多数の毛からなる植毛層を同心状に重ねたものである。この回転ブラシを静電潜像担持体(例えば感光体ドラム)等に押し付けると、回転ブラシの毛だけではなく、発泡弾性部材も弾性変形する。この発泡弾性部材の弾性変形により、発泡弾性部材がないときよりも、回転ブラシの毛が柔軟に変形して静電潜像担持体表面に均一に接触する。あるいは、静電潜像担持体表面に接触する多数の毛の圧力が均一化され、毛の並びの乱れが防止される。更に、回転ブラシの毛に寝癖が付いても、この寝癖の回復が早くなる。発泡弾性部材がなければ、この寝癖の回復に略半日かかるが、発泡弾性部材があれば、この寝癖の回復が10分以内となる。このため、回転ブラシを静電潜像担持体の帯電に用いた場合は、静電潜像担持体表面が均一に帯電される。また、回転ブラシを静電潜像担持体の除電やクリーニングに用いた場合は、静電潜像担持体表面が均一に除電されたりクリーニングされる。
また、平滑部材の表面に多数の毛を静電植毛するので、該表面に対する多数の毛の傾き方向が一定となり、多数の毛の向きが揃う。これによっても、回転ブラシの毛が静電潜像担持体に均一に接触し、静電潜像担持体表面の均一な帯電、除電、クリーニング等が可能になる。
仮に、発泡弾性部材の表面に多数の毛を直接静電植毛するならば、発泡弾性部材の表面に多数の微小な凹凸があり、これらの凹凸に多数の毛が直接植毛されるため、多数の毛の向きが揃わず、発泡弾性部材表面からの多数の毛の高さにむらが生じる。この場合は、回転ブラシの毛が静電潜像担持体に均一に接触せず、静電潜像担持体表面の均一な帯電、除電、クリーニング等が不可能になる。
更に、植毛層と発泡弾性部材間に平滑部材が介在するので、植毛層の毛に付着した現像剤等が平滑部材で阻止されて発泡弾性部材まで侵入することはない。
仮に、平滑部材がなければ、植毛層の毛に付着した現像剤が発泡弾性部材まで侵入し、発泡弾性部材の弾性が無くなってしまい、先に述べた発泡弾性部材の弾性による作用及び効果が達成されなくなる。
また、本発明によれば、平滑部材として、導電性接着剤を用いている。これにより、平滑部材と植毛層間を導通させることができ、回転ブラシによる帯電や除電を行ない易くなる。
更に、本発明によれば、平滑部材として、シートを用いている。これにより、発泡弾性部材の外周の平滑な表面を容易に得ることができる。シートは、例えばチューブ状のものでも、平面状のものでも構わない。また、シートとして、導電性を有するものを適用すれば、平滑部材と植毛層間を導通させることができ、回転ブラシによる帯電や除電を行ない易くなる。
また、本発明によれば、平滑部材は、一定の抵抗値を有しているので、平滑部材から多数の毛への通電が可能である。更に、平滑部材を導電性を有する軸心に導通させて、軸心から平滑部材を介して多数の毛への通電を可能しても良い。
尚、本発明の回転ブラシ、それを用いた帯電装置及び画像形成装置では、上記本発明の回転ブラシの製造方法と同様の作用並びに効果を達成することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施例1を示す側面図である。この画像形成装置1は、原稿搬送部2、原稿読取り装置3、印刷部4、記録用紙搬送部5、給紙部6、及び排紙トレイ7を備えている。
原稿搬送部2では、少なくとも1枚の原稿が原稿セットトレイ11にセットされると、原稿を1枚ずつ原稿セットトレイ11から引き出して搬送し、原稿の先端がPSローラ12に達したときに原稿の搬送を一時的に停止して、原稿の先端をPSローラ12と平行にする。そして、印刷部4による画像記録動作と同期を取ってから、PSローラ12と駆動軸間のクラッチをオンにして、PSローラ12を回転駆動し、PSローラ12によって原稿を再搬送して、原稿をプラテンガラス8aと原稿押え板9間に通過させる。
原稿読取り装置3では、原稿の搬送に際し、第1走査ユニット15によって原稿を露光し、第1及び第2走査ユニット15、16によって原稿からの反射光を結像レンズ17へと導き、結像レンズ17によって原稿を光電変換素子(以下CCDと称する)18上に結像する。CCD18は、原稿を主走査方向に繰り返し走査して読取り、原稿を示す画像データを出力する。
また、原稿がプラテンガラス8b上に置かれた場合は、第1及び第2走査ユニット15、16を相互に所定の速度関係を維持しつつ移動させ、第1走査ユニット15によってプラテンガラス8b上の原稿を露光し、第1及び第2走査ユニット15、16によって原稿からの反射光を結像レンズ17へと導き、結像レンズ17によって原稿をCCD18上に結像する。
CCD18から出力された画像データは、マイクロコンピュータ等の制御回路により各種の画像処理を施されてから、印刷部4に出力される。
印刷部4は、画像データによって示される原稿を記録用紙に記録するものであって、感光体ドラム21、ブラシ帯電装置22、レーザスキャンユニット(以下LSUと称する)23、現像器24、転写器25、クリーニング器26、除電器(図示せず)、及び定着器27等を備えている。感光体ドラム21は、一方向に回転しており、その表面をクリーニング器26と除電器によりクリーニングされてから、その表面をブラシ帯電装置22により均一に帯電される。レーザスキャンユニット23は、画像データに応じてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラム21表面を主走査方向に繰り返し走査して、静電潜像を感光体ドラム21表面に形成する。現像器24は、トナーを感光体ドラム21表面に供給して、静電潜像を現像し、トナーの可視像を感光体ドラム21表面に形成する。転写器25は、感光体ドラム21表面のトナーの可視像を記録用紙搬送部5により搬送されてきた記録用紙に転写する。定着器27は、記録用紙を加熱及び加圧して、記録用紙上のトナーの可視像を定着させる。この後、記録用紙は、記録用紙搬送部5により排紙トレイ7へと更に搬送されて排出される。
記録用紙搬送部5は、記録用紙を搬送するためのPSローラ28、搬送ローラ29、搬送経路31、反転搬送経路32、排紙ローラ33、及び分岐爪34等を備えている。搬送経路31では、記録用紙を給紙部6から受け取り、記録用紙の先端がPSローラ28に達したときに記録用紙の搬送を一時的に停止して、記録用紙の先端をPSローラ28と平行にし、この後に記録用紙をPSローラ28により印字部4の転写器25へと搬送し、更に記録用紙を排紙部7へと搬送する。また、記録用紙の裏面にも画像を記録する場合は、分岐爪34を回転移動させ、搬送経路31と反転搬送経路32の分岐路を切換えてから、記録用紙を搬送経路31から反転搬送経路32へと逆方向に搬送する。反転搬送経路32では、記録用紙を搬送経路31から受け取ると、記録用紙の表裏を反転させてから、記録用紙を搬送経路31のPSローラ28へと戻す。これにより、記録用紙の裏面にも画像が記録される。これらの搬送経路31、32には、記録用紙の通過を検出するための複数の検知スイッチが配置されており、各検知スイッチの検知に基づいて記録用紙の搬送タイミング等の制御が行なわれる。
給紙部6は、未使用の記録用紙を収容して、この未使用の記録用紙を記録用紙搬送部5に供給するものであって、給紙カセット36を備えている。給紙カセット36には、記録用紙が積層収容され、半月形のピックアップローラ35により記録用紙が1枚ずつ引き出されて搬送される。記録用紙が給紙カセット36から引き出されてPSローラ28へと搬送される。
次に、ブラシ帯電装置22について、更に詳しく説明する。図2は、ブラシ帯電装置22を示す側面図である。このブラシ帯電装置22では、バイアス電圧回路42のバイアス電圧Vbを帯電ブラシ41に印加し、帯電ブラシ41を感光体ドラム21表面に圧接して、帯電ブラシ41及び感光体ドラム21をそれぞれの矢印方向A、Bに同一の周速度で回転させ、これにより感光体ドラム21表面を帯電させている。
帯電ブラシ41は、回転軸43の周りに発泡弾性部材44を設け、発泡弾性部材44の外周面を平滑部材45により被覆し、平滑部材45の表面に多数の毛を静電植毛してなる植毛層46を設け、回転軸43、発泡弾性部材44、平滑部材45、及び植毛層46を同心状に設けたものである。回転軸43は金属製であり、発泡弾性部材44、平滑部材45、及び植毛層46は、導電性を有する。従って、バイアス電圧回路42のバイアス電圧Vbを、回転軸43、発泡弾性部材44、及び平滑部材45を通じて植毛層46に印加することができる。
尚、図3に示す様に平滑部材45を導電部材47を通じて回転軸43に接続し、バイアス電圧回路42のバイアス電圧Vbを、回転軸43、導電部材47、及び平滑部材45を通じて植毛層46に印加しても良い。この場合は、発泡弾性部材44に導電性を持たせる必要がない。
バイアス電圧回路42は、帯電ブラシ41に印加するバイアス電圧Vbとして、直流電圧、又は直流電圧に交流電圧を重畳させたものを出力する。
直流のバイアス電圧Vbを用いた場合は、オゾンの発生量が少なくて済む。
また、直流と交流を重畳したバイアス電圧Vbを用いた場合は、オゾンの発生量が多くなるももの、感光体ドラム21表面の帯電むらを抑えることができる。これは、帯電ブラシ41の毛先から感光体ドラム21表面へと急激な電荷注入が起こっても、帯電ブラシ41の他の毛の腹部が急激な電荷注入の箇所に接触して、この箇所の余分な電荷が他の毛からの交流電圧印加により放電され、該箇所の電位が周囲の電位に等しくなるためである。交流電圧の振幅電圧は、直流電圧の略2倍もしくは2倍以上が好ましい。
ここで、帯電ブラシ41を感光体ドラム21表面に圧接して、帯電ブラシ41及び感光体ドラム21をそれぞれの矢印方向A、Bに同一の周速度で回転させると、帯電ブラシ41と感光体ドラム21の接触部位では帯電ブラシ41の外周と感光体ドラム21の外周が同一方向に同一速度で移動する。帯電ブラシ41の毛は、感光体ドラム21表面の回転方向に順目となる様に、その傾きの向きが設定されている。このため、図4に示す様に帯電ブラシ41の毛先が感光体ドラム21表面に突き当たることなく、帯電ブラシ41の毛の腹部が感光体ドラム21表面を滑って行く。しかも、帯電ブラシ41は、感光体ドラム21だけに接触し、他のものに接触することがない。
これにより、帯電ブラシ41の毛先が感光体ドラム21表面に突き当たって乱されることが防止され、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面で滑って該帯電ブラシ41の周方向に吹き流されることになり、帯電ブラシ41の毛が周方向に常に整列される。
この様に帯電ブラシ41の毛が周方向に常に整列されていれば、毛の並びの乱れが感光体ドラム21表面の帯電むらとなって映ることはなく、感光体ドラム21表面が均一に帯電される。仮に、帯電ブラシの毛の並びに乱れが生じると、毛の並びの乱れが感光体ドラム21表面の帯電むらとなって映る。
また、帯電ブラシ41の毛先が感光体ドラム21表面に突き当たらないので、帯電ブラシ41の毛先から感光体ドラム21表面への急激な電荷注入が起こらず、この急激な電荷注入による感光体ドラム21表面の帯電むらが発生することもない。仮に、帯電ブラシの毛先が感光体ドラム21表面に突き当たると、帯電ブラシの毛先から感光体ドラム21表面へと電荷が急激に注入されて、感光体ドラム21表面の帯電むらが発生する。
図5(a)及び(b)は、本実施例の様に帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面で滑って行く状態で記録された一定階調レベルのグレイ画像51と、帯電ブラシの毛先が感光体ドラム21表面に突き当たる状態で記録された一定階調レベルのグレイ画像52とを比較して示している。この比較から明らかな様に、本実施例によるグレイ画像51が一様な階調レベルであるのに対して、グレイ画像52には多数の線が生じている。これは、帯電ブラシの毛先が感光体ドラム21表面に突き当たって、毛先から電荷が急激に注入され、感光体ドラム21表面に線状の帯電むらが生じたためである。
また、帯電ブラシ41の毛先もしくは毛の腹部が感光体ドラム21表面を滑って行く場合は、帯電ブラシ41と感光体ドラム21間の機械的な抵抗が小さく、帯電ブラシ41の毛及び感光体ドラム21表面が摩耗し難い。また、帯電ブラシ41と感光体ドラム21間の機械的な抵抗が小さいことから、感光体ドラム21の回転トルクを大きくする必要がない。このため、感光体ドラム21の回転トルクを大きくしたときに発生する回転むらが発生せず、図6に示す様なバンディング53(すじ状の画像むら)が発生することもない。
更に、回転軸43の周りに発泡弾性部材44を設けていることから、帯電ブラシ41を感光体ドラム21に押し付けると、帯電ブラシ41の毛だけではなく、発泡弾性部材44も弾性変形する。この発泡弾性部材44の弾性変形により、発泡弾性部材44がないときよりも、帯電ブラシ41の毛が柔軟に変形して感光体ドラム21表面に均一に接触する。これにより、感光体ドラム21表面がより均一に帯電される。
また、多数の毛を静電植毛して、植毛層46を形成していることから、植毛層46に継ぎ目が存在しない。このため、感光体ドラム21表面に対する植毛層46の継ぎ目の影響が現れることはない。仮に、ブラシ布等を巻き付けて、帯電ブラシを形成した場合は、ブラシ布の継ぎ目が感光体ドラム21表面の帯電むらの原因になる可能性がある。
更に、帯電ブラシ41の毛だけではなく、発泡弾性部材44も弾性変形することから、感光体ドラム21表面に接触する多数の毛の圧力が均一化され、毛の並びの乱れが防止される。これにより、感光体ドラム21表面の均一な帯電が維持され続ける。
また、帯電ブラシ41の毛及び発泡弾性部材44が共に変形するので、帯電ブラシ41の毛に対する負荷が軽減され、帯電ブラシ41の毛に癖が付きにくくなる。その上、帯電ブラシ41の毛に寝癖が付いても、この寝癖の回復が早くなる。発泡弾性部材44がなければ、この寝癖の回復に略半日かかるが、発泡弾性部材44があれば、この寝癖の回復が10分以内となる。
更に、植毛層46と発泡弾性部材44間に平滑部材45が介在するので、植毛層46により感光体ドラム21表面から掻き取られて該植毛層46の毛に付着した現像剤が平滑部材45で阻止されて発泡弾性部材44まで侵入することはない。
仮に、平滑部材45がなければ、植毛層46の毛に付着した現像剤が発泡弾性部材44まで侵入し、発泡弾性部材44の弾性が無くなってしまい、先に述べた発泡弾性部材44の弾性による作用及び効果が達成されなくなる。
次に、図7及び図8を参照しつつ、帯電ブラシ41の製造方法を説明する。
まず、図7(a)に示す様に金属製の回転軸43の周りを発泡弾性部材44により被覆する。そして、図7(b)に示す様に発泡弾性部材44を塗布ローラ51に押し当てた状態で、発泡弾性部材44及び塗布ローラ51を回転させつつ、液状の導電性接着剤を塗布ローラ51周面に供給して、塗布ローラ51により液状の導電性接着剤を発泡弾性部材44の外周表面に均一に塗布し、図7(c)に示す様に発泡弾性部材44の外周表面を被覆する導電性接着剤層の平滑部材45を形成する。
発泡弾性部材44は、ウレタン、EPDM、シリコーン樹脂、及びクロロプレン等に導電性の粒子を混入してなるスポンジ状のものである。導電性の粒子としては、導電性カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アルミ等の金属粉、イオン導電性を有する金属塩等がある。
導電性接着剤は、発泡弾性部材44の接着に適した周知の接着剤に、発泡弾性部材44と同様の導電性の粒子を混入したものである。
発泡弾性部材44及び導電性接着剤層の平滑部材45は、導電性の粒子の混入量の調節により適宜の体積抵抗値(概ね103〜106Ω・cm)に設定される。これは、発泡弾性部材44及び導電性接着剤層の平滑部材45の抵抗値が低過ぎると、帯電ブラシ41から感光体ドラム21への通電電流量が多くなって、帯電ブラシ41と感光体ドラム21間で異常放電が発生し、また該抵抗値が高過ぎると、帯電ブラシ41の毛の電位が低くなって、感光体ドラム21表面を一定の帯電電位に保てなくなるためである。
引き続いて、平滑部材45となる導電性接着剤層が硬化する以前に、図8(a)に示す様に回転軸43を金属板52に対して一定の距離だけ上方に離間させて平行配置し、回転軸43を軸支して回転駆動し、導電性接着剤層の平滑部材45を回転移動させる。また、金属板52上に多数の導電性の毛を載せておき、金属板52を回転軸43の長手方向と直交する方向に徐々に移動させる。平滑部材45と金属板52の対向部位では、両者の移動方向が逆向きとなる。更に、直流電源53の直流電圧を回転軸43と金属板52間に印加する。回転軸43、発泡弾性部材44、及び平滑部材45が導電性を有することから、直流電源53の直流電圧が回転軸43及び発泡弾性部材44を通じて平滑部材45に印加され、平滑部材45と金属板52間に静電界が発生する。
この状態では、平滑部材45と金属板52間の静電界により金属板52上の多数の毛が未硬化の導電性接着剤層の平滑部材45へと飛翔し、多数の毛が平滑部材45の外周表面に対して垂直に植毛される。平滑部材45の回転移動及び金属板52の移動に伴い、平滑部材45の全周に多数の毛が垂直に植毛されて行き、平滑部材45の外周に植毛層46が形成される。
この後、図8(b)に示す様に金属製円筒54の中心に回転軸43を差し入れ、直流電源55の直流電圧を回転軸43と金属製円筒54間に印加して、平滑部材45と金属製円筒54間に放射状の静電界を発生させ、この放射状の静電界により植毛層46の各毛を平滑部材45の外周表面に対して垂直に維持した状態で、平滑部材45となる導電性接着剤を硬化させる。これにより、植毛層46の各毛を平滑部材45の外周表面に対して垂直に支持した帯電ブラシ41が形成される。
更に、回転軸43を軸支して高速回転させ、カッターの刃を平滑部材45の外周表面から一定距離離間させて、カッターの刃を高速回転移動する植毛層46の各毛に対し略直角に当て、植毛層46の各毛を切り揃える。最後に、帯電ブラシ41を筒体(図示せず)に入れ、植毛層46の各毛を筒体の内壁面に接触させつつ、帯電ブラシ41を回転させた状態で、筒体の内側を加熱し、これにより植毛層46の各毛に斜めに倒れる様な癖を付ける。あるいは、回転軸43を回転させつつ、植毛層46の各毛を平坦面に押し付けて加熱し、植毛層46の各毛に癖を付けても良い。
この様な製造方法によれば、平滑部材45の外周表面に多数の毛を静電植毛するので、該外周表面に対する多数の毛の傾き方向が一定となり、多数の毛の向きが揃う。これによっても、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21に均一に接触し、感光体ドラム21表面の均一な帯電が可能になる。
仮に、発泡弾性部材44の表面に多数の毛を直接静電植毛するならば、発泡弾性部材44表面の微小な凹凸に多数の毛が直接植毛されるため、発泡弾性部材44表面からの多数の毛の高さにむらが生じる。この場合は、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21に均一に接触せず、感光体ドラム21表面の均一な帯電が不可能になる。
尚、ここでは、発泡弾性部材44の外周表面に導電性接着剤を塗布し硬化させて、平滑部材45を形成しているが、この代わりに、発泡弾性部材44の外周表面に導電性接着剤を塗布してから、発泡弾性部材44外周に合成樹脂シート等を巻き付け、導電性接着剤を硬化させて、この合成樹脂シートを平滑部材とし、この平滑部材の外周表面に接着剤を塗布して、この平滑部材の外周表面に静電植毛を行っても良い。
あるいは、発泡弾性部材44の外径よりも大きな内径を有する合成樹脂チューブに、発泡弾性部材44を差し入れ、この後に合成樹脂チューブを加熱し熱収縮させて、合成樹脂チューブを発泡弾性部材44の外周表面に密着させ、この合成樹脂チューブを平滑部材とし、この平滑部材の外周表面に接着剤を塗布して、この平滑部材の外周表面に静電植毛を行っても良い。
この様に合成樹脂シートや合成樹脂チューブを用いた場合は、平滑な周面を容易に得ることができ、この平滑な周面に形成された植毛層の各毛の向き及び高さが揃い易い。
図9は、本発明の画像形成装置の実施例2を概略的に示す側面図である。この画像形成装置は、カラー画像を形成するためのものであり、4つの可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bと、転写定着ローラ61とを備えている。
各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bでは、感光体ドラム62の周囲にブラシ帯電装置22、レーザスキャンユニット63、現像器64、転写ローラ65、クリーナー66を配置している。各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bの現像器64には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色トナーが収容されている。そして、各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bにおいては、ブラシ帯電装置22により感光体ドラム62表面を一様に帯電した後、画像情報に応じてレーザスキャンユニット63のレーザー光を変調しつつ、レーザー光を感光体ドラム62表面に照射して、感光体ドラム62表面に静電潜像を形成し、更に現像器64により感光体ドラム62表面の静電潜像にトナーを付着させて、感光体ドラム62表面にトナー像を形成し、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された転写ローラ65により感光体ドラム62表面のトナー像を中間転写ベルト67上に転写する。
各可視像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bにより感光体ドラム62表面に各色のトナー像を形成して、各色のトナー像を中間転写ベルト67上に順次重ねて転写する。これにより、中間転写ベルト67上に、1つのカラーのトナー像Tが形成される。このカラーのトナー像Tは、転写定着ローラ61により記録紙Pに転写されて定着される。
この様なカラー画像形成装置では、トナーの色の数だけ、ブラシ帯電装置22及び感光体ドラム62を設ける必要があり、例えば4つの色を用いるならば、4組のブラシ帯電装置22及び感光体ドラム62を設ける必要がある。このため、仮にコロナ放電の帯電装置を用いるならば、大量のオゾンが発生し、オゾンの臭気だけではなく、オゾンによる感光体ドラム62の劣化が問題となる。
ところが、ブラシ帯電装置22は、図1の画像形成装置のものと同様のものであるため、オゾンの発生量が極めて少ない。
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、植毛層46の毛に帯電ブラシ41の周面で斜めに傾く様な癖を付けいるが、この代わりに、植毛層46の毛を回転軸43に対して放射状に設けておき、帯電ブラシ41と感光体ドラム21の接触部位でそれらの外周を同一方向に移動させ、帯電ブラシ41の周速度を感光体ドラム21よりも速くする。これによっても、帯電ブラシ41の毛が感光体ドラム21表面の回転方向に順目となる様に傾き、植毛層46の毛が帯電ブラシ41の周方向に整列して傾斜する。
また、本発明の回転ブラシは、ブラシ帯電装置22の帯電ブラシ41だけではなく、画像形成装置1における、クリーニング器26のクリーニングブラシ、除電器(図示せず)の除電ブラシ等に適用することができる。
本発明の画像形成装置の実施例1を示す側面図である。 図1の画像形成装置におけるブラシ帯電装置を示す側面図である。 図2のブラシ帯電装置における帯電ブラシの変形例を示す図である。 図2のブラシ帯電装置における帯電ブラシと感光体ドラムの接触状態を拡大して示す側面図である。 (a)及び(b)は、図2のブラシ帯電装置を用いたときのグレイ画像、及び比較例のブラシ帯電装置を用いたときのグレイ画像を比較して示す図である。 感光体ドラムの回転むらを原因とするバンディング(すじ状の画像むら)を示す図である。 (a)乃至(c)は、図2のブラシ帯電装置における帯電ブラシの製造工程を示す図である。 (a)及び(b)は、図6に引き続く製造工程を示す図である。 本発明の画像形成装置の実施例2を概略的に示す側面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 原稿搬送部
3 スキャナー部
4 印字部
6 給紙部
7 排紙装置
11 原稿セットトレイ
12、28 PSローラ
15 第1走査ユニット
16 第2走査ユニット
17 結像レンズ
18 CCD
21 感光体ドラム
22 ブラシ帯電装置
23 レーザスキャンユニット
24 現像器
25 転写器
26 クリーニング器
41 帯電ブラシ
42 バイアス電圧回路
43 回転軸
44 発泡弾性部材
45 平滑部材
46 植毛層

Claims (9)

  1. 多数の毛が回転中心の周りに設けられた円柱状の回転ブラシの製造方法において、
    軸心周りに設けられた発泡弾性部材の外周表面を平滑部材により被覆する表面被覆工程と、
    平滑部材の表面に、多数の毛を静電植毛する静電植毛工程と
    を含むことを特徴とする回転ブラシの製造方法。
  2. 平滑部材の表面に静電植毛された多数の毛は、該表面に対する傾き方向が一定であることを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシの製造方法。
  3. 平滑部材は、発泡弾性部材の外周表面に塗布される導電性接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシの製造方法。
  4. 平滑部材は、発泡弾性部材の外周表面を覆うシートであることを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシの製造方法。
  5. 平滑部材は、一定の抵抗値を有しており、平滑部材から多数の毛への通電が可能なことを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシ。
  6. 平滑部材は、導電性を有する軸心に導通されており、軸心から平滑部材を介して多数の毛への通電が可能なことを特徴とする請求項5に記載の回転ブラシ。
  7. 多数の毛が回転中心の周りに設けられた円柱状の回転ブラシにおいて、
    軸心と、
    軸心周りに設けられた発泡弾性部材と、
    発泡弾性部材の外周表面を被覆する平滑部材と、
    平滑部材の表面に植毛された多数の毛と
    を備えることを特徴とする回転ブラシ。
  8. 請求項7に記載の回転ブラシを用いて、静電潜像担持体を帯電させることを特徴とする帯電装置。
  9. 請求項7に記載の回転ブラシを用いた画像形成装置。

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