JP4004394B2 - ガス警報器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検知ガスを検知するガス検知素子を設けると共に、前記ガス検知素子が所定濃度以上の被検知ガスを第1所定時間以上検知した場合に制御信号を出力する遅延機構と、前記遅延機構からの信号を受けて外部にガス濃度の異常を報知するため警報信号を出力する警報機構と、前記遅延機構からの制御信号を第2所定時間以上受けた場合に外部接続されている被検知ガス供給路を遮断する遮断信号を出力する遮断機構とを有するガス警報器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス警報器としては、被検知ガスを検知するガス検知素子を備え、前記ガス検知素子が検知した被検知ガスのガス濃度が警報点濃度以上であれば被検知ガスのガス濃度が異常である旨の警報を、警報音、警報ランプ、外部出力等で報知するものが知られていた。そして、雑ガス等によるノイズの影響を排除するため、図4に示したように、前記ガス検知素子が警報点濃度C以上の被検知ガスを第1時間t1以上検知した場合に被検知ガスのガス濃度が異常である旨を警報音などで報知し、このような検知状態が第2時間t2以上継続した場合に、外部接続されている被検知ガス供給路を遮断する遮断信号を発する構成となっていた。
【0003】
このように、前記ガス警報器は、警報点濃度以上のガス濃度を一定時間(例えば40秒から1分程度)以上検知した場合に警報を発する構成(以下、警報遅延機構)であるため、前記ガス警報器の定期点検時において、点検ガスを一定時間以上前記ガス検知素子に接触させる必要があった。そのため、点検作業に要する時間が長くなる上に、点検ガスの消費量が多くなるという問題点があった。
【0004】
このような問題を避けるために、定期点検時等に、意図的に前記警報遅延機構が働かないようにするガス警報器として、以下の技術が知られていた。
【0005】
特開2000−276673号公報(特許文献1)には、電源投入から経過した設定時間により、前記警報遅延機構の動作の有無を制御する技術が記載されている。具体的には、電源投入から第1設定時間経過前には第1ガス濃度が前記第1ガス警報点以上となった際に前記第1ガス警報を報知し、前記電源投入から前記第1設定時間経過後には前記第1ガス濃度が前記第1ガス警報点以上となった時から第2所定時間を経過した際に前記第1ガス警報を報知する警報遅延制御手段を備えることを特徴としている。
【0006】
例えば、前記第1設定時間を25分と設定した場合、電源投入から25分未満では、CO警報及び警報解除を行い易くするためにCO2段警報遅延時間及びCO警報解除時間を無くして即時にCO警報状態を変化させるようになる。これにより、短時間でしかも簡易的にCO点検を行うことができるようになっていた。
【0007】
また、特開2000−276672号公報(特許文献2)には、スイッチによる切り替えにより前記警報遅延機構の動作の有無を制御する技術が記載されている。具体的には、ガス警報器からの警報信号が所定時間継続すると警報継続信号を出力する遅延回路と、前記遅延回路から出力される警報継続信号を受けて前記ガスメータに前記遮断信号を出力する出力回路と、前記ガス警報器からの警報信号の入力時に前記遅延回路を介さずに前記出力回路より遮断信号を出力するように切り替え可能なスイッチとを設けたことを特徴とする警報器アダプタに関する構成が記載されている。
【0008】
このように構成された警報器アダプタの点検時の動作を説明すると、点検時には、まず、前記スイッチを閉じる。この状態でガス警報器に点検ガスを吹き付けると、警報信号が入力判別回路に入力される。遅延回路をバイパスしたスイッチが閉じられているので、遅延回路による所定の継続時間を待つことなく即マイコンメータに燃料ガスの供給を遮断する遮断信号が出力され、燃料ガスの供給が遮断される。
【0009】
このとき、ガス警報器、警報器アダプタ、マイコンメータ間の接続状態や各機器の不具合のない正常な場合は、ガス警報器に1秒程度点検ガスを吹き付けると、マイコンメータにより燃料ガスの供給が遮断されるようになっている。そのため、ガス警報器、警報器アダプタを新設した場合においても、ガス警報器に1秒程度点検ガスを吹き付ける点検を1回行うだけで、ガス警報器、警報器アダプタ、マイコンメータ間の接続異常の有無や各機器の不具合の有無を確認できる。
尚、通常の監視状態時ではスイッチを開くことで、遅延時間を設け、チャタリングを防止している。
【0010】
このように、ガス警報器、警報器アダプタ、マイコンメータの作動確認を行う点検時には、従来要していた40秒から1分程度の遅延時間が無くなり、点検時間が短縮できるとともに、点検ガスの吹き付け量を減少でき、コストを削減できるものとなっていた。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−276673号公報(特許請求の範囲、段落0069)
【特許文献2】
特開2000−276672号公報(段落0013〜0017、第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ガス警報器は、燃料ガスの供給経路と接続され、ガス濃度の異常を検出した場合に、前記供給経路の遮断を行う信号を発生させる。前記ガス警報器と前記供給経路とは通常離れた位置に設置されるため、前記ガス警報器と前記供給経路とは配線により接続されている。この時、前記配線の施工直後など、前記ガス警報器と前記供給経路との接続が確実である場合(つまり、前記ガス警報器と前記供給経路との接続において断線が発生していない場合)は、前記ガス警報器から遮断信号が発信されると前記供給経路に確実に遮断信号が伝達されて前記供給経路の遮断が確実に行われる。そのため、前記ガス警報器と前記供給経路との接続が確実で、燃料ガスの供給経路が確実に遮断できることが判っている場合は、ガス警報器が外部にガス濃度の異常を報知する警報を発する動作の点検のみが行われれば十分である。
【0013】
しかし、上述した従来のガス警報器によれば、ガス警報器に1秒程度点検ガスを吹き付ける点検を1回行うだけで、ガス警報器、警報器アダプタ、マイコンメータ間の接続異常の有無や各機器の不具合の有無を確認できる構成となっている。そのため、点検ガスの吹き付けにより遮断信号が出力され、燃料ガスの供給が遮断されるようになっている。
【0014】
つまり、このような構成であると、燃料ガスの供給経路が確実に遮断できることが判っている場合においても、被検知ガスのガス濃度の異常を報知する警報を発する動作と燃料ガスの供給経路を遮断する動作の両方の処理を行っていた。そのため、点検後には、燃料ガスの供給経路の遮断を解除する等の作業が必要となり、作業効率が悪いという問題点があった。
【0015】
従って、本発明の目的は、点検作業効率を向上可能なガス警報器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、
被検知ガスを検知するガス検知素子を設けると共に、前記ガス検知素子が所定濃度以上の被検知ガスを第1所定時間以上検知した場合に制御信号を出力する遅延機構と、前記遅延機構からの信号を受けて外部にガス濃度の異常を報知するため警報信号を出力する警報機構と、前記遅延機構からの制御信号を第2所定時間以上受けた場合に外部接続されている被検知ガス供給路を遮断する遮断信号を出力する遮断機構とを有し、さらに、前記遅延機構の作動を制御する制御機構を備えるガス警報器において、
電源投入から第3所定時間が経過するまでは、前記遅延機構を作動させないように前記制御機構を制御し、この時、被検知ガスを検知して前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発し、さらに、前記警報機構による警報の後、再度被検知ガスを検知して前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発すると共に、前記第2所定時間より短い時間で前記遮断機構により被検知ガス供給路を遮断するように構成し、
電源投入から第3所定時間の経過後は、前記遅延機構を作動させるように制御機構を制御する点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0017】
〔作用効果1〕
つまり、前記制御機構は、前記ガス警報器の電源投入から、第3所定時間が経過するまでは前記遅延機構を作動させないように、さらに、電源投入から第3所定時間の経過後は前記遅延機構を作動させるように制御するため、第3所定時間が経過するまでに定期点検作業を行い、第3所定時間経過後には通常のガス検知を行うことが可能となる。
【0018】
第3所定時間が経過するまでは、点検ガスである被検知ガスを検知して、前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発するように構成されているが、これは、1度目に点検ガスに暴露された場合の動作を制御する構成となる。この時、警報機構による警報の発生のみの点検を行うことができる。
【0019】
さらに、前記警報機構による警報の後、再度被検知ガスを検知して、前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発すると共に、前記第2所定時間より短い時間で前記遮断機構により被検知ガス供給路を遮断するように構成されているが、これは、2度目の点検ガスに暴露された場合の動作を制御する構成となる。この時、警報機構による警報の発生、及び、遮断機構による被検知ガス供給路の遮断の点検を行うことができる。
【0020】
従って、電源投入から第3所定時間が経過するまで、つまり、遅延機構が作動しない期間中は、警報機構による警報の発生のみの点検と、警報機構による警報の発生、及び、遮断機構による被検知ガス供給路の遮断の点検とを分けて行うことができるようになる。
【0021】
ここで、前記ガス警報器の点検を1度目の点検ガス暴露だけ行って点検作業を終了すると、警報の発生の点検のみを行ったことになる。つまり、前記ガス警報器と前記被検知ガス供給路との接続が確実で、燃料ガスの供給経路が確実に遮断できることが判っているとき等、警報機構による警報の発生のみの点検が行われれば十分である場合に、遮断機構による被検知ガス供給路の遮断をすることなく点検作業を終了することができる。そのため、点検後に、燃料ガスの供給経路の遮断を解除する等の作業が不要となり、作業効率が向上する。
【0022】
その後、2度目の点検ガス暴露を行えば、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発すると共に、前記第2所定時間より短い時間で前記遮断機構により被検知ガス供給路を遮断することができるため、燃料ガスの供給経路が確実に遮断できるか否かが不明である場合であっても、被検知ガス供給路の遮断動作の点検を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のガス警報器Xは、図1に示すように、被検知ガスを検知するガス検知素子10を設けると共に、前記ガス検知素子10が所定濃度以上の被検知ガスを第1所定時間以上検知した場合に制御信号を出力する遅延機構11と、前記遅延機構11からの信号を受けて外部にガス濃度の異常を報知するため警報信号を出力する警報機構12と、前記遅延機構11からの制御信号を第2所定時間以上受けた場合に外部接続されている被検知ガス供給路20を遮断する遮断信号を出力する遮断機構13とを有する。
【0024】
前記ガス検知素子10は、周知のガス検知素子であれば適用可能である。好適なガス検知素子として、半導体式ガス検知素子、接触燃焼式ガス検知素子等が例示される。
【0025】
前記遅延機構11は、前記ガス検知素子10が所定濃度以上の被検知ガスを第1所定時間以上検知した場合に、被検知ガスのガス濃度が異常である旨の信号(制御信号)を、前記警報機構12、或いは、前記遮断機構13に出力するように制御されたマイコン等で構成される。
【0026】
第1所定時間は適宜設定可能であるが、例えば10〜30秒程度とするのが好ましい。
【0027】
前記警報機構12は、前記遅延機構11からの制御信号を受けて外部にガス濃度の異常を報知するため警報信号を出力するように制御されたマイコン等で構成される。前記警報機構12は、外部接続機器であるスピーカ、警報ランプ等の報知手段21と接続されている。前記警報機構12から前記報知手段21に警報信号が出力されると、警報音により聴覚的に、或いは、ランプの点滅等により視覚的にガス漏れを報知することができる。
【0028】
前記遮断機構13は、前記遅延機構11からの信号を第2所定時間以上受けた場合に外部接続されている被検知ガス供給路20を遮断する遮断信号を出力するように制御されたマイコン等で構成される。
【0029】
前記遮断信号は、前記被検知ガス供給路20を制御するマイコンメータに応じた信号が前記遮断機構13より出力される。前記マイコンメータについては、II型やC型、L型、これらを統合したS型マイコンメータ等の種々の形態が知られているが、本実施の形態は、前記被検知ガス供給路20がS型マイコンメータにより制御されている場合について例示する。つまり、「5秒ON−5秒OFF」の遮断信号が前記遮断機構13より出力されると、前記被検知ガス供給路20に接続されているS型マイコンメータが前記遮断信号を受ける。そして、前記S型マイコンメータが前記遮断信号を2回以上受けたときに、前記S型マイコンメータが前記被検知ガス供給路20を遮断する動作を行う。この例では、前記遮断信号は信号の「ON―OFF」を1セットとし、前記被検知ガス供給路20が遮断された後には前記遮断信号の出力は解除される。
【0030】
第2所定時間は適宜設定可能であるが、例えば30秒〜1分程度とするのが好ましい。
【0031】
また、前記ガス警報器Xは、前記遅延機構11の作動を制御する制御機構14を備えている。
前記制御機構14は、前記ガス警報器Xの電源投入から、第3所定時間が経過するまでは前記遅延機構11を作動させないように、さらに、電源投入から第3所定時間の経過後は前記遅延機構11を作動させるように構成されている。
【0032】
これにより、前記ガス警報器Xの電源投入から第3所定時間は遅延機構11が作動しない期間を設定することができる。そして、この遅延機構11が作動しない期間に定期点検作業を行うようにする。
【0033】
第3所定時間は適宜設定可能であるが、例えば1〜10分程度とするのが好ましい。
【0034】
そして、電源投入から第3所定時間が経過するまで、つまり、遅延機構11が作動しない期間中には、点検ガスである被検知ガスを検知して(1度目の点検ガス暴露)、前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構12により警報を発するように構成されている。
さらに、前記警報機構12による警報の後、再度被検知ガスを検知して(2度目の点検ガス暴露)、前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構12により警報を発すると共に、前記第2所定時間より短い時間で前記遮断機構13により被検知ガス供給路を遮断するように構成されている。
【0035】
このように構成すると、警報機構12による警報の発生のみの点検と、警報機構12による警報の発生、及び、遮断機構13による被検知ガス供給路の遮断の点検とを分けて行うことができる。つまり、1度目の点検ガス暴露が警報の発生のみの点検、2度目の点検ガス暴露が警報の発生及び被検知ガス供給路の遮断の点検となる。
【0036】
従って、前記ガス警報器の点検を、1度目の点検ガス暴露だけ行って点検作業を終了すると、警報の発生の点検のみを行ったことになる。つまり、前記ガス警報器Xと前記ガス供給路20との接続が確実で、燃料ガスの供給経路が確実に遮断できることが判っている時等、警報機構12による警報の発生のみの点検が行われれば十分である場合に、遮断機構13による被検知ガス供給路の遮断をすることなく点検作業を終了することができる。そのため、点検後に、燃料ガスの供給経路の遮断を解除する等の作業が不要となり、作業効率が向上する。
【0037】
また、警報機構12による警報は、前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に前記第1所定時間より短い時間で発生させており、さらに、前記遮断機構13による被検知ガス供給路の遮断は、前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に前記第2所定時間より短い時間で行っているため、通常のガス検知時における警報、或いは、被検知ガス供給路の遮断よりも迅速に対応できる構成となっている。
【0038】
また、第3所定時間経過後には通常のガス検知を行うようにすれば警報遅延を行うことができるため、通常のガス検知において雑ガス等によるノイズの影響を排除することができる。
【0039】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
一酸化炭素(CO)、LPガス、メタンガス等を特異的に検出するガス警報器Xの点検時における動作フローを図2に、点検時の出力応答のチャートを図3に示す。
【0040】
まず、前記ガス警報器Xの電源を投入する。この時、前記ガス警報器Xに内蔵されているタイマーにより、電源投入からの時間を計測する。前記タイマーは、例えば、前記制御機構14内に備える構成としてもよい。
【0041】
本実施例では、電源投入後の初期通電時の出力が不安定なときに警報を発するのを防止するために、初期鳴動防止機構を備えた場合を例示している。この初期鳴動防止機構による初期鳴動防止(工程a)を、例えば、1分間行う。この後、点検を行うため、初期鳴動防止機構による初期鳴動防止を解除して点検を始める。
【0042】
この時、点検は、例えば、電源投入後4分(第3所定時間:T)で終了するように前記制御機構14を設定する。そのため、前記ガス警報器Xは、電源投入から4分が経過するまでは、前記遅延機構11を作動させない(工程b)ように、また、電源投入から4分経過後は、前記遅延機構11を作動させる(工程c)ように制御される。
【0043】
前記工程bについて以下に詳述する。
被検知ガスである点検ガス(LPガス)を前記ガス警報器Xに曝す(b−1)。この時、前記点検ガスは、所定濃度(例えば、1800ppm)以上のガス濃度を有しているものであり、前記ガス警報器Xに備えられているガス検知素子10が前記点検ガスを検知して所定濃度以上となると、前記遅延機構11は作動していないため、即座に前記警報機構12により警報を発するように制御する(b−2)。この時、前記警報機構12により警報を発するまでに要する時間は、前記第1所定時間より短い時間(上記実施の形態に例示した時間に従えば、10〜30秒より短い時間)に設定してもよい。
【0044】
この時、前記ガス警報器Xにおいて、外部にガス濃度の異常を報知する警報を発する動作の点検が行われたことになる。そして、前記警報機構12から警報信号を受けてスピーカ等の報知手段21から正常に警報を発することができれば、前記警報機構12の点検は終了となる。
【0045】
ここで、前記ガス警報器Xと前記ガス供給路20との接続が確実で、燃料ガスの供給経路が確実に遮断できることが判っている場合であれば、点検作業は終了してもよい。しかし、前記ガス警報器Xと前記ガス供給路20との接続についても点検を行う場合は、再度、点検ガスを前記ガス警報器Xに曝す(b−3)。前記ガス警報器Xに備えられているガス検知素子10が前記点検ガスを検知して所定濃度以上となると、前記遅延機構11は作動していないため即座に前記警報機構12により警報を発すると共に、前記遮断機構13により被検知ガス供給路20を遮断するような制御を行う(b−4)。この時、前記警報機構12により警報を発するまでに要する時間は、前記第1所定時間より短い時間(例えば、10秒より短い時間)に設定してもよく、さらに、前記遮断機構13により被検知ガス供給路20を遮断するまでに要する時間は、前記第2所定時間より短い時間(例えば、30秒より短い時間)に設定してもよい。
【0046】
この時、前記ガス警報器Xにおいて、外部にガス濃度の異常を報知する警報を発する動作の点検と共に、前記被検知ガス供給路20を遮断する動作の点検が行われたことになる。そして、前記被検知ガス供給路20の遮断が正常に行われれば、前記遮断機構13の点検は終了となる。
【0047】
点検作業終了後、つまり、電源投入から4分経過後は、前記遅延機構11を作動させる(工程c)ように制御されるため、通常のガス検知を行うことができる。
【0048】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、同様の作用効果を奏するものであれば、各部構成を適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス警報器の構成の概略図
【図2】本発明のガス警報器の点検時における動作フローチャートを示した図
【図3】本発明のガス警報器の点検時の出力応答のチャートを示した図
【図4】従来のガス警報器の点検時の出力応答のチャートを示した図
【符号の説明】
11 遅延機構
12 警報機構
13 遮断機構
14 制御機構
20 被検知ガス供給路
X ガス警報器
Claims (1)
- 被検知ガスを検知するガス検知素子を設けると共に、前記ガス検知素子が所定濃度以上の被検知ガスを第1所定時間以上検知した場合に制御信号を出力する遅延機構と、前記遅延機構からの信号を受けて外部にガス濃度の異常を報知するため警報信号を出力する警報機構と、前記遅延機構からの制御信号を第2所定時間以上受けた場合に外部接続されている被検知ガス供給路を遮断する遮断信号を出力する遮断機構とを有し、さらに、前記遅延機構の作動を制御する制御機構を備えるガス警報器において、
電源投入から第3所定時間が経過するまでは、前記遅延機構を作動させないように前記制御機構を制御し、この時、被検知ガスを検知して前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発し、さらに、前記警報機構による警報の後、再度被検知ガスを検知して前記被検知ガスが前記所定濃度以上となった場合に、前記第1所定時間より短い時間で警報機構により警報を発すると共に、前記第2所定時間より短い時間で前記遮断機構により被検知ガス供給路を遮断するように構成し、
電源投入から第3所定時間の経過後は、前記遅延機構を作動させるように制御機構を制御するガス警報器。
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