JP4004124B2 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents
電池用電極の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4004124B2 JP4004124B2 JP36558397A JP36558397A JP4004124B2 JP 4004124 B2 JP4004124 B2 JP 4004124B2 JP 36558397 A JP36558397 A JP 36558397A JP 36558397 A JP36558397 A JP 36558397A JP 4004124 B2 JP4004124 B2 JP 4004124B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- active material
- substrate
- battery electrode
- heating member
- material filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元多孔金属基体に活物質を充填したのち、該活物質の一部を除去して三次元多孔金属基体の一部表面を露出し、該露出個所に集電部材を接続する電池用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ蓄電池等に用いられる電極構造の一つとして、発泡式金属等の三次元多孔金属基体に活物質を充填した構造のものがある。この構造の電極は、比較的製造工程が簡単であり、また、導電性の低い活物質を用いる場合にも良好な集電特性が得られ、電極の高容量化も可能である点で優れている。
【0003】
しかしながら、活物質を充填する前に予め電極に電流出し入れのための集電引き出し部を設けておくのが難しく、基体全体に活物質を充填した後、基体の所定一部領域から活物質を除去して、ここに集電部材を接続することによって集電引き出し部を形成するという方法が用いられている。
【0004】
この方法により集電リードを接続する場合、基板から活物質や活物質を保持するために用いられる樹脂等を基板表面から完全に除去する必要があり、活物質を除去する好適な方法として、基板の所定個所に超音波振動を加える方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
できるだけ容量密度の大きい電池を作製するためには、出来るだけ多くの活物質を基体内に充填する必要がある。この要請を満たすために、これまで上記三次元多孔金属基体に活物質を充填した構造の電極において、活物質の粒径分布の調整、結着樹脂の低減、三次元多孔金属基体骨格の細骨格化、三次元多孔金属基体の目付けの減少、さらに三次元多孔金属基体に活物質を充填した後のプレスと、プレス圧の増大といった対策を講じてきた。そしてこれらの対策により、これまで、電池の容量を徐々に大きくしてくることに成功してきた。
【0006】
ところが一方で、基体内の活物質充填密度の増大に伴い、製造工程における不良率の増大が生じるようになってきた。そこでこの原因を調べた結果、充填密度増大に伴って活物質はより強固に基体内に保持されるようになり、従来の超音波振動等による物理的な方法による活物質の除去が困難になっており、このため、活物質を除去すべき基板表面から活物質が完全に除去されずに残り、接続した集電部材の接続強度が低下し、後の電池組立工程において集電部材脱落という不良を発生させていることがわかった。
【0007】
そこで、このような不良発生を防ぐために、活物質除去の際の超音波振動の強度を強くしたり、集電部材接続のためのスポット溶接や超音波溶接等のエネルギー投入量を大きくしたりといった方法について検討を行ってきた。しかしながら、活物質除去の際の超音波振動強度の増大という方法は、三次元多孔金属基体への損傷を大きくし集電部材接続部の基体強度の低下を引き起こし、結果として集電部材がその接続部周辺の基体部分が切断して脱落し、問題の解決にはならなかった。
【0008】
また、接続時のエネルギー投入量の増大という方法においても、基体等に強度上の限界がありある一定以上にはエネルギー強度を上げることができず、さらにはエネルギーの無駄となるため、この方法も問題の解決にはならなかった。さらに、所定領域の結着材のみを溶媒等によって除去して活物質の保持力を低下させた後活物質を除去するといった方法についても検討を行ったが、高容量電極では活物質の充填密度増大のために結着材量が非常に少なくなっており、また、活物質の保持力の大部分が基体がプレスされることによる圧力に負うものとなっているため、このような結着材への処理はあまり効果がなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、まず第一に、本願発明の電池用電極の製造方法は、三次元多孔金属基体に活物質を含んでなる活物質充填材を充填してプレスにより空隙率が30%以下となるようにした後、該基体の所定個所に固体加熱部材を当接して活物質を変成または変形するための熱と、主として活物質充填材を除去するための超音波振動とを加えることにより活物質充填材を除去し、該基体所定個所に集電部材を電気的に接続することを特徴としている。
【0010】
すなわち本発明の第1の思想は、三次元多孔金属基体の所定個所に熱を加えることによって、活物質等の接触状態を熱による変形等によって変化させて保持力を低減させようというものであって、すなわち、三次元多孔金属基体または活物質充填材に熱を加え、これによって三次元多孔金属基体を熱膨張させ、または活物質充填材中の少なくとも一つの成分を変成または変形して、三次元多孔金属基体に対する活物質充填材の保持力を低下させ、該保持力の低下した活物質充填材を超音波振動により三次元多孔金属基体より除去しようというものである。そして、より効果的には、活物質充填材中の少なくとも一つの成分を変成または変形させようとするものである。
【0011】
三次元多孔金属基体を熱膨張させることは、基体と接触している活物質充填材との間に例えばせん断力を生じるようなずれを生じて表面からその活物質充填材を剥がすように作用し、また基体中に保持されている活物質充填材全体を揺さぶることにより新たな隙間を生じさせて保持力を低下させる。従って、このような効果を大きくするには、基体の温度上昇は大きくするほうが良く、さらには収縮による効果も加えるために温度上昇と冷却を速い周期で生じさせるのが良い。ただし、温度上昇は基体の強度や電気伝導度を低下させないよう、その材質に応じた適当な温度で行うのがよい。
【0012】
活物質充填材は、主として活物質(場合によっては活物質のみ)からなり、これに樹脂等の結着材、導電材、その他の添加材が加えられてなるものであって、この中の少なくとも一つの成分を変成させることは、各成分同士の結着力、基体との結着力を低下させるような変化を起こさせるものであって、これにより活物質充填材の保持力を低下させるものである。また、少なくとも一つの成分を変形させることは、活物質充填材の充填状態を変化させ、また、新たな隙間を生じさせ、また、接触面をずらして引き剥がすように作用し、活物質充填材の保持力を低下させる。
【0013】
なお、この変形には、基体と同様に熱膨張、熱収縮により生じるもの以外に、変成の結果生じるものもあり、特に、活物質充填材中の活物質の比率が高いものにおいては、活物質の変成と変形が重要な役割を果たすようになる。この場合、活物質の熱による酸化または還元反応が重要で、活物質の種類に応じて温度や酸素存在、水素存在雰囲気といったような雰囲気が調整される。
【0014】
熱と超音波振動を加える順番は、熱を加える目的から、効率を上げるためには超音波振動を熱より先に加えないほうが良く、同時に行うか、熱を加えた後超音波振動を加えるのが良い。同時に加える場合には、活物質充填材除去工程を短時間で済ませることが可能となるという利点があり、熱を加えた後超音波振動を加える場合には、超音波印加までの時間や雰囲気温度等を調整することによって冷却の効果を加えることも可能で、高いエネルギー効率での除去が可能となり、また、熱を加える条件も調整しやすくなるので好ましい。
【0015】
第2に、本願発明の電池用電極の製造方法は、基体の所定個所に固体加熱部材を当接して主として活物質充填材を変性または変形するための熱を与えることを特徴とする。すなわち、本願発明の第2の特徴は、熱を与える方法にあり、固体加熱部材を用いることによって、加熱部位の寸法決めが容易になり、余分な個所を加熱してしまうことを防ぐことができる。また、固体加熱部材の温度を所定の温度に制御するのは容易であり、これによって電極に加える熱の温度を容易に制御でき、加熱処理の信頼性の向上等を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
ニッケル水素電池等に用いられる水酸化ニッケル電極の例を適宜用いながら本発明についてさらに詳細に説明する。三次元多孔金属基体としては、金属繊維焼結体や発泡式金属体を用いることが出来るが、水酸化ニッケル電極を本発明の方法により製造する場合には、例えば、住友電工製の発泡ニッケル等のメッキ式ニッケル三次元多孔基体を用いるのが最も本発明を生かすことができ適している。
【0017】
活物質充填材は、粉末状の水酸化ニッケル(Ni(OH)2)活物質を主とし、種々の方法で添加されたグラファイトや金属ニッケルまたは水酸化コバルトまたは金属コバルト等のコバルト化合物の導電剤等からなり、これに適宜CMC、MC等の増粘剤やPFD、PTFE等の結着のための樹脂が加えられて構成される。さらに必要に応じてこれにオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)粉末等の添加剤が加えられて構成される。そして、この活物質充填材は、例えば水等が加えられてペースト状にされ、三次元多孔金属基体に塗布されて充填され、乾燥された後プレスされて充填密度が上げられ電極とされる。例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)粉末100重量部とオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)粉末15重量部と0.4wt%のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液とを混合してペースト状にし、これを発泡ニッケル基板に塗布、乾燥、プレスして作製する。
【0018】
ついで、この電極に集電部材、例えばニッケル箔からなる集電タブを電気的に接続する。電気的に接続するためには、例えば導電性のはんだや樹脂を用いる方法もあるが、通常、スポット溶接や超音波接合、レーザー溶接が行われる。この接合を強固にかつ導電性を阻害することなく行うためには、接合部位の活物質充填材を除去し、接合部位の金属基体を露出させる必要がある。さらに、その表面は出来るだけ清浄で酸化皮膜等の導電性阻害皮膜が形成されていないのが良い。このような、表面状態を実現することにより、強固、かつ良好な導電性を保った接合が実現され、さらに、接合のために必要とされるエネルギーを低減することが出来るからである。
【0019】
本発明では、活物質充填材除去のためにまず基体の集電部材接続個所に固体加熱部材を当接することにより熱を加える。熱を加える方法としては、赤外線を照射する方法、レーザーを照射する方法、バーナーの火炎を吹き付ける方法等種々の方法が考えられるが、固体加熱部材を当接する方法がより好ましい。熱を加える領域は、集電部材接続時の余裕を考慮して、集電部材の接続部の大きさよりも少し大きくしておくのが良い。したがって、固体加熱部材の基体との当接面の大きさを集電部材接続部の大きさよりも大きくしておくのが良い。また、その形状は、余分な面積を減らす目的から集電部材接続部形状と相似形とするのが良い。また、集電部材形状は、その生産効率の観点から方形とするのが良く、したがって、固体加熱部材の基体との当接面の形状も方形とするのが良い。
【0020】
加える熱の温度は、活物質充填材を変性または変形できる温度とするのが好ましく、水酸化ニッケル電極の場合には、主たる活物質が水酸化ニッケルであるため、その結晶水を除くことのできる100℃以上が好ましく、より好ましくは水酸化ニッケルが酸化ニッケルとなる220℃以上とするのが良い。
【0021】
また、樹脂が含まれている場合には250℃以上とするのがさらにより好ましく、例えば、CMC、MC等の増粘剤やPFD、PTFE等の結着樹脂が含まれている場合には有効である。また、上限温度は、基体がニッケル金属からなる三次元多孔金属基体の場合には650℃以下が好ましい。特に、例えば上記発泡ニッケル等のメッキにより骨格が形成された三次元多孔金属基体の場合には、この温度が好ましい。これは、温度がこれ以上に高いと加熱時間が長くなった場合に、活物質充填材の変成、変形以外に基体の変成が生じて強度低下、導電性低下を引き起こすためである。また、水酸化ニッケルの場合、加熱時の雰囲気は大気中で良く、この場合設備が簡略化できて好ましい。
【0022】
また、上記固体加熱部材を2個用意し、該固体加熱部材により基体を厚み方向で挟み込むようにして基体所定個所に固体加熱部材を当接するようにすることは、活物質充填材への熱の印加を短時間で行うことを可能とするため、加熱の必要のない他の部位等への影響を最小限にすることができ、また、厚さ方向に均一に熱を加えることができるようになるので、活物質充填材の加熱処理をむらなく均一に行うことができ、活物質充填材の除去をより確実に行うことができるので好ましい。また、熱を与えた後、所定の時間をおいて主として活物質充填材を除去するための超音波振動を三次元多孔金属基体の厚み方向の一方の側から加え、同時に他方の側から活物質充填材の吸引を行うことは、冷却の効果を加えることができ、また、除去した活物質の除去の効率を高め、飛散を防ぐことができるので好ましい。
【0023】
次に、熱を加えた接続個所に超音波振動を加えて、保持力の低下した活物質充填材を除去するのであるが、超音波振動を加える領域は、熱により変成した活物質を残さないために、熱を加えた領域を含んでしまうように熱を加えた領域よりも少し大き目の方が良い。従って、金属ホーンのような固体超音波印加手段を用いてこれを基体所定個所に押し当てて超音波を印加するような場合には、固体超音波印加手段の当接面の大きさを固体加熱部材の基体との当接面の大きさよりも大きくしておくのが良く、また、その形状は、余分な面積を減らす目的から固体加熱部材の基体との当接面形状と相似形とするのが良い。
【0024】
また、集電部材形状は、その生産効率の観点から方形とするのが良く、したがって、固体加熱部材の基体との当接面の形状を方形とし、さらに、固体超音波印加手段の当接面の形状も方形とするのが良い。また、超音波振動は、効率よく活物質充填剤を除去するために三次元多孔金属基体を押しつぶしながら行うのが良い。なお、固体加熱部材は、熱が伝わる程度に当接すれば良い。また、固体加熱部材が超音波印加部材を兼ねるようにすることは、加熱と超音波の印加とを同時に行うことができ、工程も減らせるので好ましく、この場合、固体加熱部材を三次元多孔基体の厚み方向の一方の側に当接して加熱と超音波の印加とを同時に行い、さらに、同時に他方の側から活物質充填材の吸引を行うことは、除去した活物質の除去の効率を高め、飛散を防ぐことができるのでより好ましい。
【0025】
以上のような処理を行うことにより、効率良くまたよりきれいに活物質充填材を除去することができ、接続部材の接続を確実に効率よく行うことが可能となる。また、発泡メッキ式ニッケル三次元多孔基体を用いた水酸化ニッケル電極の場合、プレスにより空隙率が30%以下、より顕著には28%以下となるような電極において本発明適用の顕著な効果が生じる。すなわち、30%より大きい空隙率を有するものの場合、従来の超音波のみによる方法でもその条件を調整することで、その接続部材の接続強度低下による接続部材の脱落等不良発生率を本発明の場合と同程度にまで抑えることが可能であるが、充填密度がさらに大きくなり上記空隙率以下となると従来の方法では対応できなくなり、本発明による不良発生率低減の効果は顕著なものとなり、特に28%以下ではより顕著に現れる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を説明する。8ミクロンの径を有する水酸化ニッケル活物質粒子90重量部と、6ミクロンの径を有する水酸化コバルト粒子10重量部とを、0.4wt%カルボキシメチルセルロース水溶液に分散させてペーストを調製した。これを多孔度95%の発泡ニッケル(住友電工製、商品名セルメット)に塗布充填し、ついで乾燥し、これをプレスしてほぼもとの半分の厚さにして水酸化ニッケル電極を作製した。空隙率は27%であった。この電極に本発明を適用してニッケル箔からなる集電タブを超音波溶接により接続した。
【0027】
図1は、本発明に係る固体加熱部材である金属コテによる加熱方法を説明する図、図2は、本発明に係る超音波印加除去方法を説明する図、図3は、本発明に係る集電タブ取り付け状態を示す概略図である。図中、ともに(a)は断面状態を示し、(b)は電極の平面状態を示す。以下、図を参照しながら説明する。本実施例では、金属コテ31,32が2個用意され、電極1を厚み方向で挟み込むようにして(すなわち基体を厚み方向で挟み込むようにして)、図1中斜線で示された所定の個所に金属コテ31,32が当接される。金属コテ31,32の当接面は平面で、その形状は正方形である。金属コテ31,32の先端温度は480℃に保たれており、空気中で電極1に対して3秒間当てられる。この熱処理後、処理部の電極の色が、ほぼ金属コテ面と同じ形と大きさで緑色から黒っぽく変色した。
【0028】
この後、電極1が室温まで冷却された後、図2に示されるようにTiホーン4により超音波を印加しながらこれを電極1に押し付ける。これにより、電極1が圧縮されながら活物質充填材が除去される。この際、同時に真空吸引口5より除去された活物質充填材を吸引除去した。 Tiホーン4の当接面は、略正方形状の平面で、図中斜線部がTiホーン4が接触する領域であり、網線部が上記加熱された部分である。これにより、斜線部ではごくわずかに活物質充填材が残るが、網線部では完全に活物質充填材の除去された非常にきれいな発泡ニッケル骨格面が得られた。
【0029】
こうして活物質充填材の除去された網線部に集電タブ2を超音波溶接により接続した。尚、比較の為、上記熱処理を行わず超音波印加のみで活物質充填材を除去して集電タブを接続した。そして各種条件を最適化した後得られたものの集電タブ接続強度を測定し、上記本実施例のものと比較した結果、本実施例では、従来の方法によるものの3倍の接続強度が得られた。また、本実施例により得られた電極を用いて電池を組み立てると、従来の方法による場合に比べて集電タブ接続不良に起因する不良率が、ほぼ半分に低減した。また、これにより、これまでよりより高容量、高密度の電極の製造が可能となった。
【0030】
また、本実施例において加熱時間を3秒に代えて30秒まで変化させた実験をおこなった結果、ほぼ同じ接続強度が得られた。なお、金属コテの温度は、同じ熱印加時間で比較した場合、400℃から500℃に設定した場合にもっとも強い接続強度が得られた。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、基体の強度を低下させることなく、また、少ない接続エネルギーでもって、三次元多孔金属基体に活物質を含んでなる活物質充填材を充填した電極に対して、集電部材を強く接続することが出来る。また、活物質の除去時の超音波印加のエネルギーも従来より小さく出来る。また、後の電池組立工程において集電部材脱落という不良の発生を低減させることができる。さらに、基体に損傷を与えることなく熱処理を行うことができ、作業工程も安全であり、熱処理の正確な寸法制御が可能である。
【0032】
また、三次元多孔金属基体がニッケル金属からなり、主たる活物質が水酸化ニッケルである電極の製造において本発明を適用した場合には、水酸化ニッケルが酸化による変成、変形を受けやすいために効果が大きく、基体も熱による悪影響を受けることが少ないので良い。さらには、この場合従来の超音波を用いた除去に比較して、理由は不明であるが、除去した後非常にきれいな基体表面がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属コテによる加熱方法を説明する図である。
【図2】超音波印加除去方法を説明する図である。
【図3】集電タブ取り付け状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 電極
2 集電タブ
31、32 金属コテ
4 Tiホーン
5 真空吸引口
Claims (7)
- 三次元多孔金属基体に活物質を含んでなる活物質充填材を充填してプレスにより空隙率が30%以下となるようにした後、該基体の所定個所に固体加熱部材を当接して活物質を変性または変形するための熱を与え、さらに主として活物質充填材を除去するための超音波振動を加えることにより活物質充填材を除去し、該活物質充填材の除去された基体所定個所に集電部材を電気的に接続することを特徴とする電池用電極の製造方法。
- 上記固体加熱部材を2個用意し、該固体加熱部材により基体を厚み方向で挟み込むようにして基体所定個所に固体加熱部材を当接することを特徴とする請求項1記載の電池用電極の製造方法。
- 熱を与えた後、所定の時間をおいて主として活物質充填材を除去するための超音波振動を三次元多孔金属基体の厚み方向の一方の側から加え、同時に他方の側から活物質充填材の吸引を行うことを特徴とする請求項1または2記載の電池用電極の製造方法。
- 固体加熱部材が超音波印加部材を兼ねるようにし、これにより加熱と超音波の印加とを同時に行うことを特徴とする請求項1記載の電池用電極の製造方法。
- 固体加熱部材を三次元多孔基体の厚み方向の一方の側に当接して加熱と超音波の印加とを同時に行い、さらに、同時に他方の側から活物質充填材の吸引を行うことを特徴とする請求項4記載の電池用電極の製造方法。
- 三次元多孔金属基体をニッケル金属とし、主たる活物質を水酸化ニッケルとし、固体加熱部材の温度を100℃以上650℃以下とすることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の電池用電極の製造方法。
- 固体加熱部材の温度を250℃以上650℃以下とすることを特徴とする請求項6記載の電池用電極の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36558397A JP4004124B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 電池用電極の製造方法 |
EP98124338A EP0924783B1 (en) | 1997-12-22 | 1998-12-21 | Process for producing a porous pasted electrode |
DE69813164T DE69813164T2 (de) | 1997-12-22 | 1998-12-21 | Verfahren zur Herstellung einer porösen, mit aktiver Masse gefüllten Elektrode |
CNB981258638A CN1222060C (zh) | 1997-12-22 | 1998-12-22 | 电极、使用该电极的电池以及制造该电极的方法 |
US09/218,451 US6241790B1 (en) | 1997-12-22 | 1998-12-22 | Electrode, cell using the same and process for producing electrode |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36558397A JP4004124B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 電池用電極の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11185740A JPH11185740A (ja) | 1999-07-09 |
JP4004124B2 true JP4004124B2 (ja) | 2007-11-07 |
Family
ID=18484627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36558397A Expired - Lifetime JP4004124B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 電池用電極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4004124B2 (ja) |
-
1997
- 1997-12-22 JP JP36558397A patent/JP4004124B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11185740A (ja) | 1999-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6241790B1 (en) | Electrode, cell using the same and process for producing electrode | |
JP6944783B2 (ja) | 全固体電池用電極の製造方法および全固体電池の製造方法 | |
JP2010157484A (ja) | 非水電解質二次電池用電極構造体、その製造方法、および非水電解質二次電池 | |
JP2000323137A (ja) | 電池用電極の製造方法 | |
JP4527844B2 (ja) | 電池用電極板の製造方法 | |
JP4004124B2 (ja) | 電池用電極の製造方法 | |
JPH0992272A (ja) | 二次電池の電極及びその製造方法、及び二次電池 | |
JPH11185741A (ja) | 電池用電極の製造方法 | |
JPH11250893A (ja) | 電極およびこれを用いた電池 | |
JPH11185742A (ja) | 電池用電極の製造方法 | |
JP3582524B2 (ja) | 二次電池用極板材料 | |
JP3113276B2 (ja) | 海綿構造の基板を有する電気化学電池用電極上に金属接合耳を結合するための方法、及び該方法により得られる電極 | |
JPH02250261A (ja) | アルカリ蓄電池用ペースト式電極の製造方法 | |
JPH09245777A (ja) | 二次電池用電極とその製造方法 | |
JP3485738B2 (ja) | ニッケル−水素二次電池用負極に用いる水素吸蔵合金粉末及び水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP3913395B2 (ja) | アルカリ蓄電池の製造方法 | |
JPH0513064A (ja) | アルカリ蓄電池用電極板の製造方法 | |
JP2733231B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造法 | |
JP3761763B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極、それを用いた電池およびこれらの製造法 | |
JPH06251771A (ja) | 電極基体の製造法 | |
JP3555118B2 (ja) | ペースト式電極の製造法 | |
JP3668481B2 (ja) | 電池用電極の製造方法 | |
JPH117939A (ja) | 電池用電極板の製造法 | |
JPH0963575A (ja) | 電池用極板の製造方法 | |
JPH1064533A (ja) | 二次電池用電極とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041206 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050530 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20051213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070409 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070820 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070821 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130831 Year of fee payment: 6 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |