JP4003619B2 - ナノ複合樹脂組成物の製造方法及びナノ複合樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機ガラス等の代替物として好適に用いることのできる樹脂組成物の製造方法、及びその製造方法によって得ることのできる樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、水性型のシリカ等の無機系微粒子を乾燥して粉末と成し、次いで前記粉末を樹脂モノマー又は樹脂モノマー及び有機溶媒より成る溶液に配合し、次いで前記樹脂モノマーを重合させてポリマー化することを技術の要点とし、樹脂の透明性を悪化させることなく、部材の剛性向上ならびに熱膨張係数低減に寄与するシリカ等の無機系微粒子を配合した、ナノ複合樹脂組成物の合理的な新規製造方法及びそのナノ複合樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明材料部材において、樹脂材料は、無機材料に比べ軽量でかつ成形の自由度が大きいという利点はあるが、一方で弾性率が小さいため剛性が低い、熱膨張係数が大きい、また硬度が低いため表面が傷つき易いという難点がある。このため、透明樹脂材料は、従来、自動車において例えばヘッドランプやサンルーフなど比較的低剛性でかつ表面処理のしやすい小物部品には採用されているものの、自動車外装のかなりの面積を占める窓ガラスについては所定の機能を満足するものがまだなく本格的な採用までには至っていない。
【0003】
このような透明樹脂部材の欠点を克服するために、無機系微粒子材料を透明樹脂に配合する有機・無機ナノコンポジット材の研究開発が活発となり、各種の手法が提案されてきた。
【0004】
例えば、特開平11−343349号公報には、樹脂製ウィンドウの強度または剛性及び透明性を確保することを目的として、無機のシリカ微粒子を透明な非結晶の有機物(透明樹脂)に分散・混合した透明樹脂組成物からなる樹脂製ウィンドウが開示されている。本公報における実施例では、無機系微粒子材料はいずれも官能基としてシラノール基(Si−OH)をもつシリカが使用されており、四塩化ケイ素(SiCl4)の高温加水分解で製造される乾式製法粉である「アエロジルシリカRX200(日本アエロジル(株))」、ケイ酸ソーダ((SiO2)n・Na2O)の加水分解で製造される湿式製法により得た、水性型コロイダルシリカ「スノーテックスC(日産化学工業(株))、及び有機溶媒型オルガノゾルシリカ「スノーテックスMEK−ST(日産化学工業(株))」を配合した有機・無機ナノコンポジット材が例示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報で開示される透明樹脂組成物は、表面硬度・剛性等の性能向上効果は認められるものの、配合する上記乾式製法シリカおよび湿式製法シリカともそれぞれ性能面ならびに使用環境面での解決すべき問題があるため、窓ガラス等透明部材への適用までには至っていない。
【0006】
より詳細に述べると、アエロジルシリカRX200で例示している乾式製法シリカは、焼結開始温度の800℃を超える1000℃近傍の温度で製造されるため、可視光線の波長(380〜770nm)以上の粒径のシリカが混在し、その形成コンポジット材には曇りがあり、透明性が無欠とは言えない。また、嵩密度が低く綿雪のような状態の材料のため、輸送・保管および材料配合の取り扱い性が良くない等の問題がある。
【0007】
一方、スノーテックスCおよびスノーテックスMEK−STで例示している湿式製法シリカの粒径は10〜50nmでありコンポジット材用として理想的な状態にあるが、溶媒型のため物流費が高くかつ在庫管理に多くの場所を要するという共通の難点がある。また、前者のスノーテックスCは水性型のため懸濁重合にしか適用できず、後者のスノーテックスMEK−STはメチルエチルケトンを溶媒とするオルガノゾルのため価格が高く、また火災の懸念がある等の問題がある。なお、スノーテックスMEK−STはスノーテックスC等の水性型コロイダルシリカの溶媒置換で製造されるもので、その一技法が特開平11−43319号公報に開示されている。
【0008】
本発明は、上記両製法シリカの利点と難点を勘案してなされたものであり、透明性を保持しながら部材の弾性率の向上と熱膨張係数の低減が図れる、合理的な樹脂組成物の製造方法とその技法で製造した安価な樹脂組成物の提供を課題とする。
【0009】
[課題を解決するための手段]
上記課題は、次の手段によって達成される。すなわち、まず水を媒体とするコロイド状のシリカ等の無機系微粒子を乾燥して粉末と成し、次いで、前記乾燥粉末を樹脂モノマーを含む溶液中に分散させた後、前記樹脂モノマーを重合させてポリマー化して複合材とすることを特徴とする、ナノ複合樹脂組成物の製造方法である。
【0010】
本発明者等は、上述した問題点に鑑み鋭意検討した結果、水性型のコロイダルシリカなどの無機系微粒子を噴霧乾燥法等の手段により乾燥して得られた粉末を、樹脂モノマーを含む溶液中に分散させると、前記無機系微粒子は前記樹脂モノマーのもつ官能基との間に相互作用を結び、平均一次粒子径が5〜100nm大きさで溶液に溶解することを見出し、本発明に至った。
【0011】
本発明によれば、通常の樹脂組成物の製造工程に対して、コロイド状の無機系微粒子を乾燥して粉末化し、これを樹脂モノマーを含む溶液中に分散させるという極めて簡単な工程を追加するのみで、上述のような微細な無機系微粒子粉末が配合されたナノ複合樹脂組成物を製造することができる。すなわち、従来のように、乾式製法又は湿式製法などにより、透明樹脂に配合すべき所定の大きさの無機系微粒子を予め別個に作製するという繁雑な工程を用いることなく、極めて簡易に目的とする透明かつ剛性などに優れた樹脂組成物を安価に製造することができる。加えて、粉末化により、前掲の火災等の懸念は解消され、物流及び在庫管理も簡素化することができる。
【0012】
なお、本発明の好ましい態様においては、前記溶液中に前記樹脂モノマーに加えて有機溶媒を含有させる。例えば、前述した無機系微粒子としてシラノール基を有するコロイダルシリカなどを用いた場合、前記シラノール基同士が水素結合して所定量のシリカが会合してしまい、後の乾燥工程を経て得た粉末の粒子径が可視光の波長以上に増大しまう場合があった。この結果、最終的に得たナノ複合樹脂組成物は、巨大化した前記粉末を含有することにより半透明なものとなってしまい、十分な透明性を確保できない場合があった。
【0013】
このような場合において、上述した本発明の好ましい態様に従って、前記溶液中に有機溶媒を加えることにより、例えば、シリカ中のシラノール基同士の会合を遮断することができ、無機系微粒子粉末の粒子径を例えば可視光の波長以下まで低減させることができるようになる。その結果、最終的に得たナノ複合樹脂組成物の透明性を十分に確保できるようになる。
【0014】
なお、前記有機溶媒の添加時期について特に限定されるものではないが、少なくとも前記樹脂モノマーの重合時には前記溶液に対して添加しておくことが要求される。
本発明のその他の特徴及び利点については以下に詳述する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
本発明で使用する水性型のコロイド状無機微粒子の種類は特に限定されるものではないが、無機酸化物が水に分散している酸化物ゾルであることが好ましい。このような酸化物ゾルとしては、SiO2、A12O3、Sb2O5、TiO2、SnO2、ZrO2などの水性ゾルを例示することができる。
【0016】
特には、前記無機系微粒子をシラノール基を有するコロイダルシリカから構成することが好ましい。シラノール基の極性は高く、樹脂モノマーの官能基との相互作用によりシリカは母材樹脂に微細に分散するようになるので、目的とするナノ複合樹脂組成物の透明性をより向上させることができるようになる。
前述したシラノール基を有するコロイダルシリカは、ケイ酸ソーダ((SiO2)n・Na2O)を加水分解することによって得ることが好ましい。これによって前記シラノール基を有するコロイダルシリカを少ない工程で安価に得ることができるようになる。
【0017】
また、コロイダルシリカを上述したケイ酸ソーダ((SiO2)n・Na2O)の加水分解を通じて得る場合は、イオン交換法などを用いることにより前記ケイ酸ソーダ中のナトリウムイオン(Na+)を除去することが好ましい。これによって、目的とするナノ複合樹脂組成物中にNa成分が混入しなくなり、前記ナノ複合樹脂組成物の前記Na成分に起因した諸特性の劣化を効果的に抑制することができるようになる。
【0018】
なお、前記ケイ酸ソーダからナトリウムイオンを除去することにより、加水分解を行なう溶液の液性は酸性となるが、アンモニアなどのアルカリ物質で前記溶液の液性調整を行なうことにより、前記溶液をアルカリ性にすることもできる。したがって、前記加水分解を酸性及びアルカリ性のいずれの状態においても実施することができるようになる。
【0019】
また、アンモニアを用いて液性調整すれば、アンモニアは最終的に得たナノ複合樹脂組成物中に残留しないので、この複合樹脂組成物の特性に何ら影響を及ぼすことなく、前述した液性調整を行なうことができるようになる。
【0020】
次いで、本発明においては、上述のようにして準備した水性型のコロイド状無機系微粒子に対して乾燥処理を施して粉末化する。前記乾燥処理は、常温自然乾燥法、加熱強制乾焼法、及び凍結乾燥法(フリーズドライ法)などの公知の方法を用いて行なうことができる。しかしながら、無機系微粒子粉末の生産性と、以下に説明する前記粉末中の含水率の制御性とを考慮すると、加熱強制乾燥法を用いることが好ましい。
【0021】
加熱強制乾燥法には、一般的な重油・電気加熱炉を用いる方法の他に、赤外線加熱法、真空乾燥法及び噴霧乾燥法(スプレードライ法)などがある。上述した無機系微粒子粉末の生産性と、前記粉末中の含水率の制御性とを考慮すると、これらの具体的な方法の中でも特に噴霧乾燥法を用いることが好ましい。
【0022】
上述した加熱強制乾燥法を用いる場合、前記乾燥処理は800℃以下の温度で行なうことが好ましい。800℃を超える温度で乾燥処理を行なうと、無機系微粒子粉末同士が表面融着によって結合して粗大化し、その粒径が可視光の波長領域を超えて増大することにより、前記無機系微粒子粉末を含む目的とするナノ複合樹脂組成物の透明性が劣化してしまう場合がある。
【0023】
なお、前記乾燥処理における下限温度は特に限定されるものではないが、好ましくは150℃である。これ以下の温度で乾燥処理を実施した場合、前記無機系微粒子を粉末化するために長時間を要し、効率的でない。
【0024】
以上のような乾燥工程を経て得た無機系微粒子粉末は、含水率が20重量%以下であることが好ましい。前記粉末中の含水率が20重量%を超えると、樹脂モノマーとの相溶性が劣化して相分離を引き起こし、前記粉末の前記樹脂モノマーを含む溶液中での分散性が低下し、さらには前記粉末が溶液中に沈殿してしまう場合がある。その結果、最終的に得るナノ複合樹脂組成物中で前記無機系微粒子が不均一に分布するようになり、前記複合樹脂組成物の透明性や特性を劣化させてしまう場合がある。
【0025】
上述のような含水率は、無機系微粒子の乾燥処理を上述した本発明の好ましい態様に従って実施することにより簡易に実現することができる。また、前記無機系微粒子粉末の前記樹脂モノマーを含む前記溶液中での均一な分散をより確実なものとするためには、前記含水率を10重量%以下とすることが好ましい。
【0026】
また、前記無機系微粒子粉末の平均一次粒子径は380nm以下であることが好ましく、さらには5nm〜100nmであることが好ましい。上述したように、可視光の波長範囲は380nm〜770nmであるので、目的とするナノ複合樹脂組成物中に上述した大きさの無機系微粒子粉末が均一に分散することにより、透明性を低下させることなく、剛性及び熱膨張性(熱膨張係数)の低減を図ることができるようになる。
【0027】
なお、上述した平均一次粒子径を有する無機系微粒子粉末は、上述したような本発明の好ましい態様に従って製造することにより、簡易に得ることができる。
【0028】
無機系微粒子として上記シラノール基を有するコロイダルシリカを用いる場合、前記無機系微粒子を乾燥して得た粉末に対して、シリコン系改質剤を用いて表面改質処理を施し、前記粉末の表面を疎水化することが好ましい。これによって、目的とするナノ複合樹脂組成物の樹脂成分と前記無機系微粒子との親和性が増大し、前記ナノ複合樹脂組成物の高剛性及び低熱膨張性を保持した状態において、その透明性をさらに向上させることができるようになる。
【0029】
シリコン系改質剤としては、n−ブチルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、n−ドデシルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−へプチルトリクロロシラン、n−へキサデシルトリクロロシラン、n−へキシルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルメチルジクロロシラン、n−デシルメチルジクロロシラン、ジーn−ブチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジ−n−へキシルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジ−n−オクチルジクロロシラン、ドコシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、n−へプチルメチルジクロロシラン、n−へキシルメチルジクロロシラン、メチルペンチルジクロロシラン、n一オクタデシルメトキシジクロロシラン、n−オクタデシルメチルジクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、n−デシルジメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、n−オクタデシルジメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、n−プロピルジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、ジメチルジメトキシクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ビス[2−(クロロジメチルシリル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス(クロロジメチルシリルプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチルジメチルシロキベンゼン、ブロモフェニルトリクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、P−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、P−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、クロロメチルジメチルフェニルシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリクロロシラン、(p−クロロメチルフェニルトリ−n−プロポキシシラン、クロロフェニルメチルジクロロシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、P−クロロフェニルトリメチルシラン、クロロプロピルジフェニルメチルシラン、3−クロロプロピルフェニルジクロロシラン、2−(4−クロロスルフオニルフェニル)エチルトリクロロシラン、3−シアノプロピルフェニルジクロロシラン、ジペンジロキシジクロロシラン、1,3−ジクロロ−1,3−ジフェニルー1,3−ジメチルジシロキサン、ジクロロフェニルトリクロロシラン、1,3−ジクロロテトラフェニルジシロキサン、ジメシチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジ(p−トリル)ジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、P−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン、2−メチル−2−フェニルエチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フエノキシトリクロロシラン、m−フエノキシフェニルジメチルクロロシラン、3−フエノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フエノキシプロピルトリクロロシラン、フェニルビス(ジメチルアミノ)クロロシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシランなどの、クロル基を有するシリコン系改質剤を例示することができる。
【0030】
また、n−ブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−へキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−(m−アミノフエノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、ベンゾイルオキシプロピルトリメトキシシラベンジロキシトリメチルシラン、1、4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフオニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、ジメシチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどの、メトキシ基を有するシリコン系改質剤を例示することができる。
【0031】
さらに、n−デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−へキシルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ビス−(N−メチルペンヅアミド)エトキシメチルシラン、t−ブチルジフェニルエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、ジフエニルジエトキシシラン、ジフエニルメチルエトキシシラン、ジフエニルホスフイノエチルジメチルエトキシシラン、2−(ジフェニルホスフイノ)エチルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フエニルジメチルエトキシシランなどのエトキシ基を有するシリコン系改質剤を例示することができる。
【0032】
また、2−アミノエチルアミノメチルベンジロキシジメチルシラン、3−アミノフエノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフエノキシジメチルビニルシラン、ビス(p−アミノフエノキシ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、1,3−ジフェニルー1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、フェネチルジメチル(ジメチルアミノ)シランなどのアミノ基を有するシリコン系改質剤を例示することができる。
【0033】
本発明に係わる無機系微粒子の配合対象となる樹脂は、無機系微粒子との相互作用による微細分散の観点から、O(酸素)あるいはN(窒素)そしてF(フッ素)等の電気陰性度の大きい原子を含む官能基を持つ樹脂が望ましく、
例えば酸素系官能基を含む樹脂としてアクリル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアレート等が、窒素系官能基を含む樹脂としてポリアミド、ポリアミドイミド等が、フッ素を含む樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン等の各種フッ素樹脂が挙げられる。この中でアクリル樹脂は、その出発原料としての樹脂モノマーが前記無機系微粒子との相互作用が大きく、無機系微粒子を微細に分散させる機能があり、とくに好ましい樹脂である。このアクリル樹脂は樹脂自体としても高い剛性を有し、特に上述したシラノール基を有するコロイダルシリカとの高い親和性を有する。したがって、目的とするナノ複合樹脂組成物の透明性及び剛性も向上し、無機ガラスの代替材料として好適に用いることができるようになる。
【0034】
アクリル系樹脂モノマーは官能性モノマーと非官能性モノマーに大別される。官能性アクリル系樹脂モノマーとしては、アクリル酸などのカルボキシル基を有するもの、メタクリル酸ヒドロキシルエチル及びメタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのようにメタクリル酸ヒドロキシ基を有するもの、アクリルアマイド及びメタアクリルアマイドなどのアマイド基を有するもの、アクリル酸グリシジル及びメタクリル酸グリシジルなどのグリシジル基を有するもの、その他のメタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸第三ブチルアミノエチル等を例示することができる。
【0035】
非官能性アクリル系樹脂モノマーとしては、硬質モノマーに分類されるメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸正ブチル及びメタクリル酸イソブチルや、軟質モノマーに分類されるメタクリル酸正へキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸正プチル、アクリル酸イソブチル及びアクリル酸−2−エチルへキシル等を例示することができる。
【0036】
本発明のナノ複合樹脂組成物を自動車窓ガラスなどの屋外での使用頻度が高い部材として使用する場合、前記ナノ複合樹脂組成物には上述した透明性及び剛性などの特性の他に、耐候性などが要求される。したがって、前記ナノ複合樹脂組成物は、前述した要件を満足する高耐候性のアクリル系樹脂、特にメタクリル酸メチルを基本骨格とする単独重合あるいは共重合のアクリル樹脂から構成することが好ましい。したがって、前記樹脂モノマーとしてはアクリル系樹脂モノマーを使用することが好ましい。
【0037】
また、本発明において、上述した無機系微粒子粉末と樹脂モノマーとの配合比率は特に限定されるものではないが、前記無機系微粒子粉末を前記樹脂モノマー100重量部に対して1〜80重量部であることが好ましい。
【0038】
無機系微粒子粉末の配合量が増すにつれて、母材樹脂との水素結合等の相互作用の割合が増し、それとともにナノ複合樹脂組成物の強度は増加し、熱膨張率は低下するようになる。しかしながら、前記無機系微粒子粉末の、前記樹脂モノマー、すなわち前記ナノ複合樹脂組成物を構成する母材樹脂の100重量部に対する配合量が80重量部を超えても、上述した特性向上が認められないばかりでなく、透明性が低下し、比重が高くなって部材の重量が増えるという問題が生じる場合がある。
【0039】
一方、前記無機系微粒子粉末の、前記樹脂モノマー100重量部に対する配合量が1重量部未満の場合においては、目的とするナノ複合樹脂組成物の剛性などが不十分となる場合がある。
【0040】
また、本発明においては、上述したように前記樹脂モノマーを含む溶液に対して有機溶媒を含有させることが好ましい。これによって、例えば、シリカ中のシラノール基同士の会合を遮断することができ、無機系微粒子粉末の粒子径を例えば可視光の波長以下、具体的には前記無機系微粒子粉末の平均一次粒子径を上述した380nm以下にまで簡易に低減することができる。その結果、最終的に得たナノ複合樹脂組成物の透明性を十分に確保できるようになる。
【0041】
上述したように、前記有機溶媒は少なくとも前記樹脂モノマーの重合時には前記溶液に対して添加しておくことが要求される。
【0042】
このような有機溶媒としては、アセトン、アニリン、キシレン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、へキサンなどの脂肪族系や芳香族系、メタノールなどのアルコール類を例示することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各種評価は以下の方法により実施した。また、特記しない場合には、「部」は重量部を、「%」は重量%を示す。
【0044】
(ナノ複合樹脂組成物の評価方法)
(1)全光線透過率は、ヘイズメータ(村上色彩研究所製HM−65)で計測、75%以上を合格とした。
(2)シリカの分散状態は、透過電子顕微鏡(日立製作所(株)製H−800)で観測した。
(3)曲げ強度・弾性率は、オートグラフ(島津製作所(株)製DSC−10T)で計測した。曲げ強度130MPa以上を合格とした。
(4)線膨張係数は、熱機械測定装置(セイコー電子工業(株)製TMA120C)で計測した。
【0045】
(実施例1)<本発明に係わるシリカの樹脂モノマー等への溶解性ついて>
ケイ酸ソーダ((SiO2)n Na2O)を加水分解して製造した、表層にシラノール基を有する酸性型シリカゾルスラリー(日産化学工業(株)製商品名:スノーテックス0、濃度20%)10リットルを、ガスバーナ温度を300℃として、噴霧乾燥機((株)セイシン企業製商品名:フラッシュジェットドライヤー)で乾燥処理をし、約2kgの粉末を得た。得られたシリカは、含水率10%、外観が白色の粉末であった。
【0046】
次いで、樹脂モノマーとしてメタアクリル酸メチル(以下MMA)、アクリル酸(以下AA)及び極性有機溶媒としてメチルエチルケトン(以下MEK)、非極性溶媒としてトルエンを選び、これらの単独および混合溶液に、上記乾燥シリカを5%、15%、30%の3水準で加え、溶解性を観測した。結果を表1に示す。
【0047】
表1から明らかなように、シリカはいずれの溶液にも溶解するが、相対的には樹脂モノマーへの溶解性が良く、更に樹脂モノマーと非極性溶媒から成る溶液への溶解性が一段と良くなるという特性がある。これは樹脂モノマーとシリカのシラノール基との相互作用、並びに非極性溶媒の樹脂モノマーに対する溶解性がシリカの液中での微細分散に微妙に関係しているものと推定される。すなわち、樹脂モノマーと非極性溶媒から成る溶液系では、シリカは限りなく本来の一次粒径の10〜20nmに戻って溶液に分散し、透明度が増すと考察される。
【0048】
比較例1<シリカの樹脂モノマー等への溶解性ついて>
四塩化ケイ素(SiCl4)を高温加水分解し、次いでへキサメチルジシラザンで表面処理をした疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRX200)15%を実施例1と同一の単独および混合溶液に加え溶解性を観測したところ表1の結果が得られた。表1から明らかなように、シリカ配合のいずれの溶液も濁りと未溶解物の沈殿があり、透明性が不良であった。この理由は前述のように当該シリカは焼結開始温度を超える1000℃近傍の温度下で製造されるため、その粉末の中に可視光線の波長(380〜770nm)超える粒径のものが混在しているためである。
【0049】
【表1】
【0050】
実施例2<シリカの許容含水率ついて>
実施例1と同一のシリカゾルスラリー10リットルを、ガスバーナ温度を300℃として、噴霧乾燥機((株)セイシン企業製商品名:フラッシュジェットドライヤー)で乾燥処理をし、約2kgの粉末を得た。当該シリカは含水率30%、外観は実施例1と同じ白色粉末であった。次に設定温度80℃の加熱炉にこのシリカ粉末を入れて、処理時間を変えて乾燥し、6種の含水率の異なるシリカ粉末を作製した。ついで、これらの粉末を4種の樹脂モノマー溶液に入れて溶解したところ、表2の結果が得られた。
【0051】
【表2】
【0052】
表2から明らかなように、含水率が増すにつれてシリカの樹脂モノマー溶液への溶解性は低下し、含水率が20%を超えると不溶なシリカが沈殿して溶液中に残存するようになる。従って、本発明に係わるシリカの含水率は20%以下であることが好ましいことが分かる。なお、相対的には樹脂モノマーに加える有機溶媒は実施例1と同様トルエンの非極性溶媒が好ましいという結果になった。また、含水率が増すにつれてシリカの樹脂モノマー溶液への溶解性は低下するのは、水分が樹脂モノマーとシリカのシラノール基間での相互作用の生成を阻害するためと推定される。
【0053】
実施例3<シリカの適正配合量について>
ステップI
フラスコに有機溶媒としてトルエン250部、樹脂モノマーとしてメタクリル酸メチル(MMA)100部、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソプチロニトリル)0.25部、及び実施例1で作製した含水率が10%のシリカをそれぞれ1、5、10、20、40、60、80、100、120部の10水準加え、撹拌子で撹拌し、次いでフラスコ内の空気を窒素等の不活性ガスで置換して系内を密封し、この溶液を80℃の温度下で24時間処理してMMAを重合させた。反応終了後、へキサンを滴下して沈殿させ、本発明に係わる10種のメタクリル酸系ナノ複合樹脂組成物を得た。
【0054】
ステップ II
得られた10種のナノ複合樹脂組成物を乾燥して粒となし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。得られたシートついて全光線透過率、シリカの分散状態、曲げ強度、曲げ弾性率そして線膨張係数を計測したところ表3の結果が得られた。配合量1部以下ではシリカ非配合のポリメチルメタクリレート樹脂の特性と変わらず物性改善の効果が薄い。また配合量が100部を超えると物性改善の効果は認められず、逆にコンポジット透明性が低下すると言う難点がある。
【0055】
一方、3部から100部の配合範囲では透明性を損なうことなくコンポジット材の物性を改善できる。ただし、シリカの配合量が増えるにつれてコンポジット材の比重が増し、部材の重量を増やすことが考えられる。この観点から評価すると樹脂100質量部に対する表面改質シリカ組成物の配合量は3部〜100部の範囲、特に5部〜80部とするのが望ましいことが分かる。
【0056】
【表3】
【0057】
実施例4〜7<表面改質シリカの特性について>
[シリカの表面改質]
実施例1で作製した含水率が10%のシリカを三ロフラスコ中にある400gのシクロへキサンに配合した(0.5wt%)。次いで、この溶液にシリコン系表面改質剤のジメチルジクロロシラン((CH3)2SiC12)(実施例4)を0.3g、触媒としてピリジンを0.3mlを投入し、液温を80℃として、6時間還流処理をした。反応終了後シクロへキサンで洗浄、ついで乾燥し表面改質シリカ組成物を得た。
【0058】
同様に、他のシリコン系表面改質剤である、ジメチルジメトキシシラン(実施例5)及びジエチルジエトキシシラン(実施例6)、並びに2−アミノエチルアミノメチルペンジロキシジメチルシラン(実施例7)の3種の表面改質剤で、実施例1で作製した含水率が10%のシリカを、いずれもピリジンを無配合、上記と同一の方法・条件で還流処理をして3種の表面改質シリカ組成物を得た。
【0059】
[コンポジット材の合成]
ステップI
フラスコに有機溶媒としてトルエン250部、樹脂モノマーとしてメタクリル酸メチル(MMA)100部、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソプチロニトリル)0.25部、及び前述した4種の表面改質シリカ組成物を40部加えて、撹拌子で撹拌し、次いでフラスコ内の空気を窒素等の不活性ガスで置換して系内を密封し、前記フラスコ内の溶液を80℃の温度下で24時間処理してMMAを重合させた。反応終了後、へキサンを滴下して沈殿させ、本発明に係わる4種のメタクリル酸系ナノ複合樹脂組成物を得た。
【0060】
ステップ II
得られた4種のナノ複合樹脂組成物を乾燥して粒となし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。得られたシートついて全光線透過率、シリカの分散状態、曲げ強度、曲げ弾性率そして線膨張係数を計測したところ表4の結果が得られた。表4から明らかなように、実施例1における複合樹脂組成物に比べて、総体的に明確な差異はないが、曲げ特性が若干良くなる傾向がある。これはシリカ表層のシラノール基がアルキル化やアミノ化されることにより母材のアクリル樹脂との相互作用が増大するためと考えられる。
【0061】
比較例2
ステップI
フラスコに有機溶媒としてトルエン250部、樹脂モノマーとしてメタクリル酸メチル(MMA)100部、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソプチロニトリル)0.25部、及び四塩化ケイ素(SiCl4)の高温加水分解で製造される乾式製法粉で、更にヘキサメチルジシラザンで表面改質をした市販微粒子シリカの「アユロジルRX200(日本アエロジル(株))」を40部加え、撹拌子で撹拌し、次いでフラスコ内の空気を窒素等の不活性ガスで置換して系内を密封し、前記フラスコ内の溶液を80℃の温度下で24時間処理してMMAを重合させた。反応終了後、へキサンを滴下して沈殿させ、メタクリル酸系ナノ複合樹脂組成物を得た。
【0062】
ステップ II
得られたナノ複合樹脂組成物を乾燥して粒となし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。得られたシートについて全光線透過率、シリカの分散状態、曲げ強度、曲げ弾性率そして線膨張係数を計測したところ表4の結果が得られた。表4から明らかなように、全光線透過率ならびに曲げ強度等の機械的物性が合格基準に達せずNGであった。前記シリカは、その製造において、焼結開始温度の800℃を超える1000℃近傍の温度で処理されるため、可視光線の波長(380〜770nm)以上の粒子径シリカが混在するためである。
【0063】
比較例3
粒状のポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン(株)製アクリペットVH)を押出法により厚さ2mmのシートに成形した。得られたシートついて、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率そして線膨張係数を計測したところ表4の結果が得られた。透明性においては本発明の複合樹脂組成物と同等であるが、剛性などの機械的強度において本発明の複合樹脂組成物よりも劣っていることが分かる。
【0064】
【表4】
【0065】
以上、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明してきたが、本発明は上記の内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、無機成分としてのシリカ等の無機系微粒子を予め粉末化してから樹脂モノマーに配合するという新たな手法で、ナノ複合樹脂組成物を製造する。したがって、透明性や物性といった機能を損なわずに、従来からの課題であった物流・保管・材料配合操作といった問題点を解消することができる。前記ナノ複合樹脂組成物は無機ガラスの代替材料として使用することができ、自動車や家電あるいは住宅等の工業用途に用いることにより、それらの軽量化と造型の自由度の拡大を図ることができる。
【0067】
特に、自動車の窓材として使用することにより、車両の軽量化と新規デザインの創出に大いに貢献できる。また、前記軽量化に伴って、省燃費とCO2の排出低減をも図ることができ、地球環境の保全にも寄与することができる。
Claims (16)
- 水性型のコロイド状無機系微粒子を乾操して粉末とし、前記粉末を樹脂モノマーを含む溶液中に分散させた後、前記樹脂モノマーを重合させてポリマー化して複合化するナノ複合樹脂組成物の製造方法であって、
前記無機系微粒子は、シラノール基を有するコロイダルシリカが水に分散してなる酸化物ゾルであり、
前記シラノール基を有するコロイダルシリカからなる前記無機系微粒子粉末に対してシリコン系改質剤を用いて表面改質処理を施し、前記無機系微粒子粉末の表面を疎水化することを特徴とする、ナノ複合樹脂組成物の製造方法。 - 前記コロイダルシリカは、ケイ酸ソーダ((SiO2)n・Na2O)の加水分解で得られるシラノール基を有するコロイド状シリカであることを特徴とする、請求項1に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記コロイダルシリカは、Na+を除去した酸性コロイダルシリカであることを特徴とする、請求項2に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記酸化物ゾルに対して液性調整を施し、アルカリ性コロイダルシリカとすることを特徴とする、請求項3に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記液性調整はアンモニアを用いて行なうことを特徴とする、請求項4に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子に対する乾燥処理は、加熱強制乾燥法を用いて実施することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子に対する乾燥処理は、噴霧乾燥法を用いて行なうことを特徴とする、請求項6に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子に対する乾燥処理は、800℃以下の温度で行なうことを特徴とする、請求項6又は7に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子粉末の含水率が20重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子粉末は球状又は鎖状であって、その平均一次粒子径が380nm以下であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子粉末の平均一次粒子径が5nm〜100nmであることを特徴とする、請求項10に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記樹脂モノマーは、メタクリル酸メチル単独の一成分系モノマーであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記樹脂モノマーは、メタクリル酸メチルと他のアクリルモノマーから成る多成分系モノマーであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機系微粒子粉末の配合量が、前記樹脂モノマーの100重量部に対して1〜80重量部であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 前記溶液は前記樹脂モノマーに加えて有機溶媒を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜15のいずれか一に記載の方法で製造したことを特徴とするナノ複合樹脂組成物。
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