JP4003237B2 - 帳票出力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数セルから構成される帳票/伝票に対する修正に応じて帳票(伝票を含む)を出力する帳票出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、事務処理を主とするオフィスコンピュータや汎用コンピュータ等においては、表計算やデータベース等の各種アプリケーションプログラムが利用されており、集計した表データを各種形式の帳票で出力可能とする帳票出力機能を備えている。
【0003】
また、帳票を出力させるためには、その形式や出力形態等の定義内容を設定する必要があり、例えば、アプリケーションプログラムに内蔵された帳票定義機能を利用して行われており、まず、帳票形式を設定し、この帳票内に出力する項目及び項目定義内容を設定し、さらに設定項目に出力するデータが展開されたレコードファイル名(表ファイル名)を設定し、出力形態を設計画面上で設定するといった手順で行われている。
【0004】
このような手順で設定された帳票が画面上に表示された状態で、その帳票内に展開されるセル毎に出力されるデータの種類としては、文字、数値、複数の項目から算出される計算結果等がある。さらに、従来の帳票定義機能としては、セル単位で出力するデータの出力形態を、セル単位で定義する機能も備えられており、この定義機能を利用して、例えば、セル単位でデータの出力色を指定することも可能である。
【0005】
以上の帳票出力方法において、帳票/伝票に対するデータ修正が行われると、その修正箇所に対応する部分のデータを自動的に変更するという技術が存在していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例による帳票出力方法は、データの修正箇所とその修正で影響を受ける部分のデータとを変更するだけなので、データの変更後にその変更内容を確認できるのは当事者だけとなるが、その当事者はもちろん第三者においても変更内容を示す記録がないと、修正結果の正否を確認することが困難である。このため、修正ミス、変更箇所の見逃し等の手落ちが往々にして起こると、操作の度にデータ上のミスが累積されることになり、これを後に修復するとなると、修正履歴があいまいなことからその修復に多大な時間と労力とを費やさなければならないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、帳票を修正した後で修正履歴を容易に確認するための支援が可能になる帳票出力装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数のセルから構成される帳票の各セルに対応づけて、セルの番号と、セルの出力色を示すカラー情報と、セルデータとを有する帳票データを記憶する帳票記憶手段と、前記セルデータが修正された際に、修正されたセルデータに対応するカラー情報を予め決められた第1の色に変更する第1の色変更手段と、前記修正されたセルデータに対応するセルの番号を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたセルの番号と、前記帳票記憶手段に記憶された各セルに対応するセルデータの記憶内容とを比較し、セルデータの記憶内容が計算式であって且つ当該計算式に前記取得手段により取得されたセルの番号が含まれるか否かにより、間接的にセルデータが変化したセルを検索する検索手段と、前記検索手段により検索されたセルに対応するカラー情報を前記第1の色とは異なる第2の色に変更する第2の色変更手段と、前記第1の色変更手段または前記第2の色変更手段のいずれかにより前記カラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する第1の帳票出力手段と、前記第1の色変更手段または前記第2の色変更手段のいずれかにより前記カラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する際に、前記第1の色変更手段または前記第2の色変更手段のいずれかにより前記カラー情報が変更されたセルデータに対応するカラー情報を前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色に変更する第3の色変更手段と、前記第3の色変更手段により前記カラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する第2の帳票出力手段と、を具備することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図11には、本発明の帳票出力方法を適用したコンピュータシステムの一実施の形態が示されている。
【0019】
まず、構成を説明する。図1は本実施の形態のコンピュータシステムの要部構成を示すブロック図、図2は本実施の形態による帳票ファイルのフォーム例を説明する図、図3はセル単位の帳票データのメモリ構成例を示す図、図4は図1に示したRAM内のカラー定義メモリのメモリ構成例を示す図、そして、図5は本実施の形態による帳票データの一例を示す図である。
【0020】
図1に示したコンピュータシステム1は、例えば、CPU2、入力部3、RAM4、記憶媒体制御部5、記憶装置6、カラー印字部7及びカラー表示部8により構成されており、各部はバス9により接続されている。
【0021】
RAM(Random Accesss Memory )4は、指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリ4aと、帳票ファイル別にセル毎の帳票データ(図3を用いて後述するがヘッダ部とデータ部とで構成される)を格納する帳票ファイル4bと、セル単位でセルの状態に対応するカラー情報を定義するためのカラー情報を予め格納しているカラー定義メモリ4cと、を有する。
【0022】
図2には、帳票ファイル4bに格納される帳票ファイルのフォームFMが示されている。このフォームFMにおいては、品名別の単価、個数、及び金額がセル(帳票データ)の配列で示されている。このフォームFMにおいて、「品名」欄(列方向)には、データNo.A1,A2,A3,A4の帳票データが格納され、「単価」欄(列方向)には、データNo.B1,B2,B3,B4の帳票データが格納され、「個数」欄(列方向)には、データNo.C1,C2,C3,C4の帳票データが格納され、「金額」欄(列方向)には、D1,D2,D3,D4の帳票データが格納されている。これらデータNo.A1〜A4,B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4の位置はフォームFMの行列4×4のマトリクスにおけるセル位置を示している。
【0023】
各帳票データは、図3に示したように、ヘッダ部とデータ部とから構成され、その内のヘッダ部には、データNo.データとカラー情報データとが対応付けて格納される。データNo.データは、上述した如く、「品名」のA1〜A4、「単価」のB1〜B4、「個数」のC1〜C4、及び、「金額」のD1〜D4のいずれかのデータNo.を示すものである。カラー情報データは、図4に示したカラー定義メモリ4cのカラー定義に従って設定(変更)されるものである。
【0024】
このカラー定義メモリ4cには、図4に示した如く、修正されたセルの状態、もしくは他セルの修正により影響を受けたセルの状態に対応させてカラー情報データと色データとが記憶されている。セルの状態には、「未変更の部分」、「前回変更された部分」、「今回変更された部分」、及び、「変更により影響の出た部分」の4種類が定義されており、これらはセルの修正履歴の種類として分類されている。
【0025】
第1の「未変更の部分」は、自セルもしくは他セルに修正があっても変更の無いセルに当り、その色属性は「モノ」(モノクロマティック)となってカラー情報データ「0」が対応する。一例として、あるセル(例えばデータNo.A1)に修正が行われた際に、現在に至るまで未変更の自セル(例えばデータNo.A2)には修正(影響)が及ばないのであれば、その色属性は「モノ」となり、データNo.A2のセルはモノクロマティックで表示出力もしくは印刷出力されることになる。すなわち、この色属性「モノ」にはカラー情報データとして「0」が割り付けられており、帳票データを構成するヘッダ部には、データNo.データ「A2」に対応させてカラー情報データ「0」が格納される。したがって、データNo.A2のセル表示もしくはセル印刷はモノクロマティックで行われるので、そのデータNo.A2のセルは未変更の部分であることを修正履歴として表現される。
【0026】
第2の「前回変更された部分」は、前回の修正で変更があったセルに当り、色属性は「緑」となってカラー情報データ「1」が対応する。一例として、あるセル(例えばデータNo.B1)に前回修正が行われた場合には、その色属性は「緑」となり、データNo.B1のセルはその色属性「緑」で表示出力もしくは印刷出力されることになる。すなわち、この色属性「緑」にはカラー情報データとして「1」が割り付けられており、帳票データを構成するヘッダ部には、データNo.データ「B1」に対応させてカラー情報データは「1」が格納される。したがって、データNo.B1のセル表示もしくはセル印刷は緑色で行われるので、そのデータNo.B1のセルは前回変更された部分であることを修正履歴として表現される。
【0027】
第3の「今回変更された部分」は、今回の修正で変更があったセルに当り、色属性は「赤」となってカラー情報データ「2」が対応する。一例として、あるセル(例えばデータNo.C1)に今回修正が行われた場合には、その色属性は「赤」となり、データNo.C1のセルはその色属性「赤」で表示出力もしくは印刷出力されることになる。すなわち、この色属性「赤」にはカラー情報データとして「2」が割り付けられており、帳票データを構成するヘッダ部には、データNo.データ「C1」に対応させてカラー情報データ「2」が格納される。したがって、データNo.C1のセル表示もしくはセル印刷は赤色で行われるので、そのデータNo.C1のセルは今回変更された部分であることを修正履歴として表現される。
【0028】
第4の「変更により影響の出た部分」は、他のセルの修正で影響を受けるセルに当り、色属性は「青」となってカラー情報データ「3」が対応する。一例として、あるセル(例えばデータNo.B1)に今回修正が行われた場合には、単価に変動が生じることから、その単価に対応する金額に影響を及ぼすことになる。すなわち、データNo.B1の色属性の変更に伴ってデータNo.D1の色属性も変更されることから、その色属性は「青」となって、データNo.D1のセルはその色属性「青」で表示出力もしくは印刷出力されることになる。すなわち、この色属性「青」にはカラー情報データとして「3」が割り付けられており、帳票データを構成するヘッダ部には、データNo.データ「D1」に対応させてカラー情報データ「3」が格納される。したがって、データNo.D1のセル表示もしくはセル印刷は青色で行われるので、そのデータNo.D1のセルは他のセルの変更により影響の出た部分であることを修正履歴として表現される。
【0029】
図2に示したフォームFMにおいて、「単価」欄、「個数」欄、及び、「金額」欄の関係は、次式(1)に示すように、
「金額」=「単価」×「個数」 ・・・ (1)
となる。したがって、「金額」欄の各データNo.D1〜D4には、上記(1)式のデータ式がセルデータとして格納される。例えば、データNo.D1のセルについては、図5に示した帳票データのように、ヘッダ部には、データNo.データ「D1」とカラー情報データ「3」とが格納され、データ部には、セルデータ「$B1*$C1」が格納される。ここで、「$」はセルの予約語を示し、「B1」、「C1」はそれぞれセルのデータNo.を示し、「*」は乗算の演算子を示している。
【0030】
再び、図1の説明に戻る。CPU(Central Processing Unit )2は、記憶装置6に記憶されているGUI(Graphical User Interface)としてのウインドウシステムプログラム及び当該ウインドウシステムに対応する各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラム、入力部3から入力される各種指示あるいはデータをRAM4内のワークメモリ4aに格納し、この入力指示及び入力データに応じてRAM4内に格納したアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM4内のワークメモリ4aに格納するとともに、カラー表示部8に表示する。そして、ワークメモリ4aに格納した処理結果を入力部3から入力指示される記憶装置6内の保存先に保存する。
【0031】
また、CPU2は、上記アプリケーションプログラムに従って帳票(伝票含む)ファイルについてその修正履歴をカラー情報に代替えして記憶する場合、修正が行われる度に、セル単位に、修正による未変更、前回変更、今回変更、及び、変更による影響(他のセルの変更に伴う変更)を最新の修正によるセルの状態としてそれぞれ異なるカラー情報(色属性)でセルデータに対応させて帳票ファイル4bに記憶する。
【0032】
また、CPU2は、上記アプリケーションプログラムに従って帳票ファイルの出力処理(帳票表示/印刷処理)を行う場合、その表示/印刷対象となる帳票ファイルの各セルについて、帳票ファイル4bから帳票データ(前述の図3に示したヘッダ部、データ部)を読み出して、そのヘッダ部に設定されているカラー情報(0、1、2、又は3)に従って色属性を判別し、さらにデータ部に設定されているセルデータを読み出して、そのセルデータに判別された色属性を与えてカラー表示部8もしくはカラー印字部8により帳票をカラー出力(カラー表示/カラー印刷)する。
【0033】
入力部3は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、ポインティングデバイスであるマウスと、を備え、キーボードで押下されたキーの押下信号をCPU2に出力するとともに、マウスによる操作信号をCPU2に出力する。
【0034】
記憶媒体制御部5は、図1に示す記憶媒体10(例えば、フロッピーディスク)を駆動制御する記憶媒体駆動装置としての機能を有し、CPU2からの指示により記憶媒体10を駆動して、書き込み指示が入力された場合は指定されたデータを記憶媒体10の指定された記憶領域に書き込み、読み出し指示が入力された場合は指定されたデータを記憶媒体10から読み出し、記憶装置6内の記憶媒体10の指定された記憶領域に書き込む。
【0035】
記憶装置6は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記憶媒体を有しており、この記憶媒体は磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体は記憶装置6に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、この記憶媒体には上記GUIとしてのウインドウシステムプログラム及び当該ウインドウシステムに対応する各種アプリケーションプログラム、印刷処理プログラム及び各処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0036】
また、この記憶媒体に記憶するプログラム、データ等は、通信回線等を介して接続された他の機器から受信して記憶する構成にしてもよく、更に、通信回線等を介して接続された他の機器側に上記記憶媒体を備えた記憶装置を設け、この記憶媒体に記憶されているプログラム、データを通信回線を介して使用する構成にしてもよい。
【0037】
カラー印字部7は、CPU2から入力される印字データ(帳票データ等)を指定された色で印刷出力する。
【0038】
カラー表示部8は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD( Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU2から入力される表示データに基づいて帳票(伝票)等の表示対象をカラー表示する。
【0039】
次に、動作について説明する。
図6は本実施の形態によるメイン処理を説明するフローチャート、図7はそのメイン処理における帳票情報セット処理を説明するフローチャート、図8はそのメイン処理における被影響部分修正処理を説明するフローチャート、そして、図9はそのメイン処理における帳票ファイル作成処理を説明するフローチャートである。図10及び図11は上記フローチャートに対応する操作手順の一例を説明する図である。
【0040】
図6に示されるメイン処理が開始されると、まず、ステップS61において、帳票ファイルの存在が確認される。その結果、帳票ファイルの存在が確認されると、処理はステップS62に移行して、帳票情報セット処理を実行する。また、帳票ファイルがなければ、図10(A)に示した如く、帳票/伝票入力により新規に帳票データを入力して、処理をステップS63に移行させる。
【0041】
処理が帳票情報セット処理に移行すると、図7に示したように、まず、ステップS71において、帳票ファイル4bの注目の帳票ファイルをオープンする。このように、注目の帳票ファイルがオープンされると、そこから1データ(帳票ファイルデータ)を読み出す処理が実行される(ステップS72)。その読み出しの際に、注目の帳票ファイルがファイルエンドに達したのであれば、読み出しはNG(ノー・グッド)として、処理はステップS76に移行して、その帳票ファイルをクローズする。その後、図6のメイン処理に戻る。
【0042】
また、ステップS72において、注目の帳票ファイルからの読み出しが可能であれば、読み出しはOK(オー・ケイ)として、そこから1データ(帳票ファイルデータ)が読み出され、続くステップS73において、帳票ファイルデータのデータ部に「$」(予約語)が指定されているか否か判定される。その結果、「$」が指定されているという判定結果が得られた場合には、処理はステップS74に移行して、その「$」によりデータ部で特定されるセルと、演算子等との関係によるデータ式等でそのデータ部の計算を実行する。例えば、データNo.D1の帳票ファイルデータが読み出された場合には、図5に示したように、データ部のデータ式から、データNo.B1のセルデータとデータNo.C1のセルデータとの乗算(*)結果がデータNo.D1のセルデータとして格納されることになる。その計算結果は表示画面のデータNo.D1のセルの位置に表示処理させるための画面表示データとしてワークメモリ4aにセットされる(ステップS75)。また、ステップS73において、データ部に「$」の指定がないという判定結果が得られた場合には、データ部に設定されているデータがそのまま画面表示データとしてワークメモリ4aにセットされる(ステップS75)。
【0043】
このように、ステップS72〜S75の処理がファイルエンドまで繰り返し実行されると、一帳票ファイル分の画面表示データが揃うことになり、その段階で現処理はこの帳票情報セット処理から抜ける。
【0044】
そして、処理がメイン処理に戻ると、ステップS63から再開する。このステップS63では、注目の帳票ファイルの各セルについて、ヘッダ部の各データNo.に対応するカラー情報データを読み出して、そのカラー情報データに示されるカラー情報から色を判別し、その色で帳票入力画面をカラー表示する処理が実行される。その際、帳票ファイルの新規登録では、カラー情報データをもたないので、カラー情報は「0」(未変更の部分)となり、画面表示データに基づく表示画面は、例えば図10(B)に示したように、モノクロマティックで表示される。
【0045】
次に、ステップS64において、帳票修正、もしくは終了の処理が判断され、帳票修正が行われた場合には、処理はステップS65に移行して、帳票修正処理を実行し、一方、終了が指示された場合には、ステップS68に移行して、帳票ファイル作成処理を実行する。
【0046】
新規登録に際しては、ステップS64において終了の指示が入るので、処理は帳票ファイル作成処理に移行する。この帳票ファイル作成処理では、図9に示したように、まず、ステップS91において、帳票ファイル書込モードがオープンされ、続くステップS92〜S97において前回変更されたセルについてカラー情報を変更する処理が実行される。ただし、新規登録では、前回の変更はなく、すべて未変更のセルとなることから、全データNo.についてのカラー情報のチェックが終了すると、処理はファイルエンドとしてステップS98に移行して、注目の帳票ファイルをクローズして帳票ファイル4bに新規登録する。その後、処理はメイン処理に戻って、そのメイン処理を終了させる。この新規登録では、図10(C)に示したように、帳票ファイル4bへの登録の他に、例えば、記憶媒体制御部5の制御で記憶媒体10に書き込むこともできる。
【0047】
さて、上述の説明では、新規登録を主体に説明したが、次に、図6のメイン処理においてステップS64で過去に登録した帳票ファイルを修正する場合についても詳述する。
【0048】
ステップS64において、例えば、図10(D)及び(F)に示したように、品名「AAA」(データNo.A1)の物品について、個数(データNo.C1)を2個(図10(B)参照)から5個に修正すると、帳票修正として、処理はステップS65に移行する。このステップS65では、今回の帳票変更部分(セル)に対してカラー情報を設定するので、その設定対象はデータNo.「C1」となる。したがって、データNo.C1は、今回変更されたセルであることから、色属性「赤」を示すカラー情報データ「2」が対応付けて設定される。
【0049】
この後、処理はステップS66に移行して、被影響部分修正処理を実行する。この被影響部分修正処理では、図8に示したように、まず、ステップS81において、今回変更されたセルのデータNo.C1が取得され、そのデータNo.データ「C1」が図示せぬRAM4のレジスタに変数Mとして格納される。
【0050】
続くステップS82〜S86では、注目の帳票ファイルから、今回変更されたセルを除いて1データ(帳票ファイルデータ)づつ読み出され(ステップS82)、その中からレジスタに格納された変数、M(データNo.データ「C1」)をデータ部に「$」で指定しているものが検索される(ステップS84)。さらに、データ部にその$Mをもつ帳票ファイルデータについて、そのデータ部に対応するヘッダ部のカラー情報データは変更により影響の出たセルを示す色属性「青」となるように「3」に変更され(ステップS85)、そのデータ部の計算が行われて、その結果が同データ部に格納される(ステップS86)。
【0051】
以上の処理がファイルエンドまで繰り返し実行される。そこで、データNo.C1の変更で影響の出るセルは、同品名「AAA」に対応して記憶される金額欄のセルであることから、そのセルは金額欄に配置されるデータNo.D1となる。すなわち、図2に示したフォームFMでは、上述したステップS82〜S86において、データNo.C1のセルデータの変更により影響の出るセルデータはデータNo.D1だけなので、そのデータNo.D1のヘッダ部に格納されるカラー情報データだけがステップS85において色属性「青」の「3」に変更されることになる。このようにしてステップS82でファイルエンドが確認されると、処理は再びメイン処理に戻り、ステップS67より処理を再開する。
【0052】
ステップS67では、上述したように、未変更のセルと、今回変更されたセルと、その変更により影響の出たセルとの間で、今回の修正結果を表示色の違いで視認できるように、注目の帳票ファイルについて、各セルのヘッダ部のカラー情報データを読み出し、そのカラー情報データに基づく色で対応するデータ部のセルデータに基づいて帳票入力画面を再表示する処理が実行される。その結果、図10(E)に示したように、今回変更したデータNo.C1のセルの表示欄には、例えばセルの背景色が赤色(図中、右上がりの斜線で示す)に変更され、他の未変更のセルがモノ表示されていることから、その表示色の違いから、今回変更されたセルであることを視認することができる。さらに、今回の変更により影響の出たデータNo.D1のセルの表示欄には、例えばセルの背景色が青色(図中、右下がりの斜線で示す)に変更され、他の未変更のセルがモノ表示されていることから、及び、今回変更されたセルが赤色で表示されていることから、その表示色の違いから、今回の変更で影響の出たセルであることを視認することができる。
【0053】
このようにして処理は再びステップS64に戻るが、さらに、図10(E)に示したように、品名「DDD」(データNo.A4)の物品については、単価(データNo.B4)を100円(図10(B)参照)から200円に修正すると、この場合にも帳票修正として、処理はステップS65に移行する。このステップS65では、前述した如く、今回の帳票変更部分(セル)に対してカラー情報を設定するので、その設定対象はデータNo.「B4」となり、そのデータNo.B4は、色属性「赤」を示すカラー情報データ「2」をもつことになる。
【0054】
この場合も、前述の品名「AAA」の場合と同様に処理が実行される。被影響部分修正処理では、図8に示したように、まず、ステップS81において、今回変更されたセルのデータNo.B4が取得され、そのデータNo.データ「B4」が図示せぬRAM4のレジスタに変数Mとして格納される。
【0055】
続くステップS82〜S86では、注目の帳票ファイルから、今回変更されたセルを除いて1データ(帳票ファイルデータ)づつ読み出され(ステップS82)、その中からレジスタに格納された変数、M(データNo.データ「B4」)をデータ部に「$」で指定しているものが検索される(ステップS84)。さらに、データ部にその$Mをもつ帳票ファイルデータについて、そのデータ部に対応するヘッダ部のカラー情報データは変更により影響の出たセルを示す色属性「青」となるように「3」に変更され(ステップS85)、そのデータ部の計算が行われて、その結果が同データ部に格納される(ステップS86)。
【0056】
以上の処理がファイルエンドまで繰り返し実行される。そこで、データNo.C1の変更で影響の出るセルは、同品名「DDD」に対応して記憶される金額欄のセルであることから、そのセルは金額欄に配置されるデータNo.D4となる。すなわち、図2に示したフォームFMでは、上述したステップS82〜S86において、データNo.B4のセルデータの変更により影響の出るセルデータはデータNo.D4だけなので、そのデータNo.D4のヘッダ部に格納されるカラー情報データだけがステップS85において色属性「青」の「3」に変更されることになる。このようにしてステップS82でファイルエンドが確認されると、処理は再びメイン処理に戻り、ステップS67より処理を再開する。
【0057】
ステップS67では、上述したように、未変更のセルと、今回変更されたセルと、その変更により影響の出たセルとの間で、今回の修正結果を表示色の違いで視認できるように、注目の帳票ファイルについて、各セルのヘッダ部のカラー情報データを読み出し、そのカラー情報データに基づく色で対応するデータ部のセルデータに基づいて帳票入力画面を再表示する処理が実行される。その結果、図10(E)に示したように、今回変更したデータNo.B4のセルの表示欄には、例えばセルの背景色が赤色(図中、右上がりの斜線で示す)に変更され、他の未変更のセルがモノ表示されていることから、その表示色の違いから、今回変更されたセルであることを視認することができる。さらに、今回の変更により影響の出たデータNo.D4のセルの表示欄には、例えばセルの背景色が青色(図中、右下がりの斜線で示す)に変更され、他の未変更のセルがモノ表示されていることから、及び、今回変更されたセルが赤色で表示されていることから、その表示色の違いから、今回の変更で影響の出たセルであることを視認することができる。
【0058】
この後、メイン処理において、終了が指示されると、処理はステップS68に移行して、帳票ファイル作成処理を実行する。
【0059】
処理がこの帳票ファイル作成処理に入ると、図9に示したように、まず、ステップS91において帳票ファイル書込モードがオープンされる。そして、続くステップS92〜S97において、帳票ファイルデータを1データずつ読み出し、そのデータに対応するヘッダ部のカラー情報データを参照して(ステップS93、又はS95)、その値が今回の変更を示す「2」(赤色)、もしくは今回の変更で影響が出たことを示す「3」(青色)であれば、次回この注目の帳票ファイルがオープンされたときにその修正履歴を視認できるように、その変更のあった各ヘッダ部のカラー情報データを「1」(緑色)に変更する処理が実行される(ステップS94、又はS96)。具体的には、データNo.C1及びB4がどちらもヘッダ部にカラー情報データ「2」(色属性「赤」)を設定しているので、ステップS93において、データNo.C1とデータNo.B4のときに、カラー情報データ「2」(色属性「赤」)が判別され、処理をステップS94に移行させ、カラー情報データを「2」から「1」に変更、すなわち色属性を「赤」から「緑」に変更する処理が実行される。同様に、データNo.D1及びD4がどちらもヘッダ部にカラー情報データ「3」(色属性「青」)を設定しているので、ステップS95において、データNo.D1とデータNo.D4のときに、カラー情報データ「3」(色属性「青」)が判別され、処理をステップS96に移行させ、カラー情報データを「3」から「1」に変更、すなわち色属性を「青」から「緑」に変更する処理が実行される。その後、カラー情報データに変更のあった帳票ファイルデータもしくは変更のなかった帳票ファイルデータは、いずれもステップS97において、帳票ファイル4bの元のアドレスにセル単位で書き込まれる(更新される)。なお、この帳票ファイル作成処理では、図11(A)に示したように、登録の指示で前述と同様に、記憶媒体10への書き込みも可能である。
【0060】
このように、帳票ファイル作成処理が終了すると、処理は再びメイン処理に戻って、メイン処理を終了する。
【0061】
さて、図11(A)に示したように、記憶媒体10に登録した帳票ファイルをさらに修正する場合には、同図(B)に示したように、所望の帳票ファイルを再び注目の帳票ファイルとして読み出せばよい。この場合には、メイン処理において、ステップS61で帳票ファイル有りとして続くステップS62に移行し、前述したように帳票情報セット処理(図7参照)を行ってから、ステップS63による表示処理に移行することになる。このステップS63では、データNo.B4、No.C1、No.D1、及びNo.D4のセルのヘッダ部において、いずれもカラー情報データが「1」に設定されていることから、図11(C)に示したように、各セルの欄は前回変更された部分として緑色の背景色(図中、横線で示す)で表示されることになる。
【0062】
そして、続くステップS64で終了の指示が確認されると、前述と同様に、ステップS68に移行して、帳票ファイル作成処理(図9参照)を実行してから、メイン処理を終了する。
【0063】
以上説明したように本実施の形態によれば、任意のセル内のデータを修正することにより直接的(自セルの変更)あるいは間接的(他セルの変更の影響)にデータが変化するセルについてその出力色を変更して出力するようにしたので、出力色の違いから修正の有無が区別され、これによって、帳票を修正した後で修正履歴を容易に確認するための支援が可能になる。
【0064】
また、データ部のセルデータが変化する要因が直接的と間接的とで異なる出力色となるように変更するようにしたので、出力色の違いから直接的に修正されたものと間接的に修正されたものとが修正状況の違いとして区別され、これによって、帳票を修正した後で修正履歴を容易に確認するための支援が可能になる。
【0065】
また、各セル内のデータの修正履歴をセル毎に帳票ファイル4bや記憶媒体10等に記憶しておき、帳票ファイルオープンの際に、その修正履歴を参照して前回修正のあったセルについて出力色を変更して出力するようにしたので、前回修正のあったセルと前回修正のなかったセルとが出力色で容易に区別され、これによって、帳票を修正した後で修正履歴を容易に確認するための支援が可能になる。
【0066】
さて、前述した実施の形態では、図3に示したフォームFMに従って一セルの修正によりその修正の影響で変更すべきセルをひとつだけに設定していたが、設定されたフォームに応じて一セルの修正が複数のセルに影響を及ぼすようにしてもよい。
【0067】
また、前述した実施の形態では、今回変更した部分(セル)とその変更により影響が出た部分(セル)とが次回の帳票ファイルオープンの際に、いずれも前回変更があった部分として表現するために同一色(緑)で表示するようにしていたが、次回の帳票ファイルオープンの際にも前回の修正履歴を識別できるように色分けして表示するようにしてもよい。
【0068】
また、前述した実施の形態では、修正履歴に応じて色表現する対象を一例としてセルの背景色としていたが、どのセルを対象として色を付加しているのかを使用者が容易に識別できるのであれば、セルの文字色、セルの枠等の対象としてもよい。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、セルデータが修正された際に、修正されたセルデータに対応するカラー情報を予め決められた第1の色に変更すると共に、修正されたセルデータに対応するセルの番号と、帳票記憶手段に記憶された各セルに対応するセルデータの記憶内容とを比較して、セルデータの記憶内容が計算式であって且つ当該計算式に修正されたセルデータに対応するセルの番号が含まれるか否かにより、間接的にセルデータが変化したセルを検索し、検索されたセルに対応するカラー情報を第1の色とは異なる第2の色に変更し、第1の色または第2の色のいずれかにカラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する際に、第1の色または第2の色のいずれかにカラー情報が変更されたセルデータに対応するカラー情報を第1の色及び第2の色とは異なる第3の色に変更するようにしたので、セルデータが修正されたセルと、他のセルデータが修正されたことにより間接的にセルデータが変化したセルとをセルデータが修正されていない他のセルと夫々区別できると共に、更に、前回変更されたセルを他のセルと区別することができるので、出力色の違いから修正の有無及び前回変更の有無を区別して修正履歴を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帳票出力方法を適用した一実施の形態のコンピュータシステムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態による帳票ファイルのフォーム例を説明する図である。
【図3】本実施の形態におけるセル単位の帳票データのメモリ構成例を示す図である。
【図4】図1に示したRAM内のカラー定義メモリのメモリ構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態による帳票データの一例を示す図である。
【図6】本実施の形態によるメイン処理を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態による帳票情報セット処理を説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態による被影響部分修正処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態による帳票ファイル作成処理を説明するフローチャートである。
【図10】本実施の形態による操作手順の一例を説明する図である。
【図11】本実施の形態による操作手順の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 コンピュータシステム
2 CPU
3 入力部
4 RAM
4a ワークメモリ
4b 帳票ファイル
4c カラー定義メモリ
5 記憶媒体制御部
6 記憶装置
7 カラー印字部
8 カラー表示部
9 バス
10 記憶媒体
Claims (1)
- 複数のセルから構成される帳票の各セルに対応づけて、セルの番号と、セルの出力色を示すカラー情報と、セルデータとを有する帳票データを記憶する帳票記憶手段と、
前記セルデータが修正された際に、修正されたセルデータに対応するカラー情報を予め決められた第1の色に変更する第1の色変更手段と、
前記修正されたセルデータに対応するセルの番号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたセルの番号と、前記帳票記憶手段に記憶された各セルに対応するセルデータの記憶内容とを比較し、セルデータの記憶内容が計算式であって且つ当該計算式に前記取得手段により取得されたセルの番号が含まれるか否かにより、間接的にセルデータが変化したセルを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたセルに対応するカラー情報を前記第1の色とは異なる第2の色に変更する第2の色変更手段と、
前記第1の色変更手段または前記第2の色変更手段のいずれかにより前記カラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する第1の帳票出力手段と、
前記第1の色変更手段または前記第2の色変更手段のいずれかにより前記カラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する際に、前記第1の色変更手段または前記第2の色変更手段のいずれかにより前記カラー情報が変更されたセルデータに対応するカラー情報を前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色に変更する第3の色変更手段と、
前記第3の色変更手段により前記カラー情報が変更されたセルデータを含む帳票データを出力する第2の帳票出力手段と、
を具備することを特徴とする帳票出力装置。
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-
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- 1996-05-10 JP JP11651596A patent/JP4003237B2/ja not_active Expired - Fee Related
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