JP4002864B2 - バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置 - Google Patents

バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4002864B2
JP4002864B2 JP2003183174A JP2003183174A JP4002864B2 JP 4002864 B2 JP4002864 B2 JP 4002864B2 JP 2003183174 A JP2003183174 A JP 2003183174A JP 2003183174 A JP2003183174 A JP 2003183174A JP 4002864 B2 JP4002864 B2 JP 4002864B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
semiconductor
varactor diode
layer
junction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003183174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005019736A (ja
Inventor
眞次 野▲崎▼
和男 内田
和彦 本城
弘 森崎
修一 加藤
Original Assignee
株式会社ナノテコ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ナノテコ filed Critical 株式会社ナノテコ
Priority to JP2003183174A priority Critical patent/JP4002864B2/ja
Publication of JP2005019736A publication Critical patent/JP2005019736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4002864B2 publication Critical patent/JP4002864B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Bipolar Transistors (AREA)
  • Bipolar Integrated Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に電圧可変容量素子、およびかかる電圧可変容量素子を有するMMIC(マイクロ波モノリシック集積回路装置)に関する。ただし本発明はMMICに集積化される電圧可変容量素子に限定されるものではなく、単体の電圧可変容量素子をも含むものである。
【0002】
マイクロ波帯域で動作するいわゆるMMICは、携帯電話や無線LANその他のマイクロ波帯域で動作する無線装置あるいは電子装置で広く使われている。
【0003】
このようなMMICにおいては、特にチューナー部などにおいて電圧制御発振器VCOが使われるが、このようなVCOにおいてはバリアブルキャパシタあるいはバラクタダイオードと呼ばれる電圧可変容量素子が使われる。特にMMICなどで使われるバラクタダイオードは、MMICを構成するHBTやHEMT、MESFETなどの高速能動素子と共に共通基板上に集積化できるのが望ましい。
【0004】
【従来の技術】
バラクタダイオードには接合容量型のものやショットキーバリア型、あるいはMOS容量型のものが知れられているが、図1は、MMICへの集積化に適した本発明の関連技術による接合容量型バラクタ10の構成の例を示す。
【0005】
図1を参照するに、バラクタダイオード10はn+型のGaAsコンタクト層12を形成された半絶縁性GaAs基板11上に形成されており、前記コンタクト層12上に形成されたn-型GaAs層13と、前記n-型GaAs層13上に形成され前記GaAs層13との間にpn接合14Jを形成するp+型のGaAs層14とを含み、前記n+型GaAsコンタクト層12上にはn側オーミック電極15が、また前記p+型GaAs層14上にはp側オーミック電極16が形成されている。
【0006】
図1の例ではバラクタダイオード10は単体素子を形成しているが、図1のバラクタダイオード10をMMIC上に集積化する場合には、前記n+型GaAs層12を前記MMICが基板される基板上にエピタキシャルに成長させればよい。
【0007】
このような構成のバラクタダイオード10では前記オーミック電極15,16の間に前記n-型GaAs層13とp+型GaAs層14との間に形成されるpn接合14Jを逆バイアスするように電圧を印加することにより、前記接合14Jに形成されていた空乏層17が拡大し、接合容量が減少する。
【0008】
【非特許文献1】
Lundien, K., et al., Hyperabrupt Junction Varactor Diodes for Millimeter-Wavelength Harmonic Generators, IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL.MTT-31, No.2, February 1983.
【0009】
【非特許文献2】
Williams, R. E., et al., Graded Channel FET's: Improved Linearity and Noise Figure, IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL.ED-25, NO.6, JUNE 1978, pp.600-605.
【0010】
【非特許文献3】
Sassen, Stefan, et al., Barrier Height Engineering on GaAs THz Schottky Diodes by Means of High-Low Doping, InGaAs- and InGaP-Layers, IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL.ED-47, NO.1, JANUARY 2000, pp.24-32.
【0011】
【非特許文献4】
Lheurette, E., et al., Capacitance Engineering for InP-Based Heterostructure Barrier Varactor, IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS, VOL.19, NO.9, SEPTEMBER 1998, pp.338-340.
【0012】
【非特許文献5】
「リード端子タイプでは業界宰相のバリキャップダイオードを製品化−携帯機器向けに1006タイプのEFPパッケージを採用し、実装面積を従来の1406タイプ品の約70%に小型化」2002年4月4日http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2002/0404/0404.pdf
【0013】
【非特許文献6】
M. T. Fresina, et al., "InGaP/GaAs HBT with novel layer structure for emitter edge fabrication", IEDM 96-207 (1996)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成の従来のバラクタダイオードで実現できる接合容量の変化比、すなわちキャパシタンス変化比はせいぜい3倍程度であり、100〜200GHzの超高周波帯域で動作するMMICと集積化でき、しかも10倍あるいはそれを超える接合容量変化比を実現できるバラクタダイオードは実現されていなかった。例えば従来のバラクタダイオードでは、印加電圧を増大させても容量変化は3倍程度で飽和してしまう。
【0015】
図1のバラクタダイオード10においてキャパシタンス変化比を増大させるには、pn接合14Jを形成しているGaAs層13の不純物濃度を増大させて、駆動電圧を印加しない初期状態の空乏層の厚さを減少させればよいが、このようにGaAs層13および14の不純物濃度を増大させると、電極15および16の間に駆動電圧を印加した場合に容易に降伏が生じてしまい、結果的に大きなキャパシタンス変化比を実現することができない。
【0016】
このため、従来のバラクタダイオードでは前記GaAs層13の不純物濃度を低減させ、また前記層13においてGaAsのかわりにバンドギャップの大きいInGaPを使うなどの対策がなされているが、この場合には大きな駆動電圧を印加しても得られるキャパシタンス変化比は、先にも説明したように、せいぜい3倍程度にしかならない。
【0017】
そこで本発明は上記の課題を解決した、新規で有用なバラクタダイオードおよびかかるバラクタダイオードを有する半導体集積回路装置を提供することを概括的課題とする。
【0018】
本発明のより具体的な課題は、高周波用途への応用に適した構造を有し、降伏を生じることなく大きな駆動電圧を印加でき、大きな駆動電圧に応じた大きなキャパシタンス変化比を実現できるバラクタダイオード、およびかかるバラクタダイオードを有する半導体集積回路装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を、
請求項1に記載したように
電領域と、
前記導電領域に接して形成され、前記導電領域との界面において接合面を形成する、p型あるいはn型の導電型を有する半導体領域とを含むバラクタダイオードであって、
前記半導体領域は、前記導電型の不純物元素を、前記接合面に近接するにつれて増大する濃度分布で含み、
前記半導体領域においては全体として、前記不純物元素の深さ方向への相対濃度変化率が、前記接合面に向かって増大し、
前記半導体領域は、前記接合面近傍に前記接合面を含むように形成された接合領域を含み、前記接合領域においては前記相対濃度変化率が、前記半導体領域中、前記接合領域の外におけるよりも減少し、
前記半導体領域において前記濃度分布は階段状に変化することを特徴とするバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記不純物元素の濃度は、前記接合領域においては実質的に一定であることを特徴とする請求項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記接合領域は、60nm未満の厚さを有することを特徴とする請求項1または2記載のバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記接合領域は、10nmの厚さを有することを特徴とする請求項のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記接合領域は、前記接合面から延伸する空乏層が、前記接合領域中において降伏が生じる前に前記外側領域中に侵入するような膜厚および不純物濃度で形成されることを特徴とする請求項のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記半導体領域は、前記不純物元素の濃度が5.0×1016cm-3で厚さが24nmの第1層と、前記第1層上に積層され、前記不純物元素の濃度が1.0×1017cm-3で厚さが18nmの第2層と、前記第2層上に積層され、前記不純物元素の濃度が5.0×1017cm-3で厚さが12nmの第3層と、前記第3層上に積層され、前記不純物元素の濃度が1.0×1018cm-3の第4層とより形成され、前記第4層が前記導電層との間に前記接合面を形成することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、また
求項に記載したように、
前記半導体領域は、前記接合面において1.0×1018cm-3以上のキャリア濃度を有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体層はp+型あるいはn+型の導電型を有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項に記載したように、
前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体層は、前記逆導電型の不純物元素を、前記逆導電型の不純物元素の濃度が前記接合面に向かって増大するような濃度分布で含むことを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項10に記載したように、
前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体領域は、前記半導体層よりも大きなバンドギャップを有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項11に記載したように、
前記導電領域はGaAsよりなり、前記半導体領域はInGaPよりなることを特徴とする請求項10記載のバラクタダイオードにより、または
請求項12に記載したように、
前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体領域は前記半導体層と実質的に同一のバンドギャップを有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項13に記載したように、
前記導電領域および前記半導体領域はInGaPよりなることを特徴とする請求項12記載のバラクタダイオードにより、または
請求項14に記載したように、
前記導電領域はショットキー電極よりなることを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項15に記載したように、
前記半導体領域は、前記導電型を有する半導体基板の表面上に形成されることを特徴とする請求項1〜14のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項16に記載したように、
前記半導体基板の裏面上には、オーミック電極が形成されていることを特徴とする請求項15記載のバラクタダイオードにより、または
請求項17に記載したように、
前記半導体領域は、半絶縁性半導体基板上に形成されることを特徴とする請求項1〜14のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項18に記載したように、
前記半絶縁性基板上には、他の半導体素子が形成されていることを特徴とする請求項17記載のバラクタダイオードにより、または
請求項19に記載したように、
前記バラクタダイオードは孤立した素子を形成することを特徴とする請求項1〜17のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項20に記載したように、
前記半導体領域は、逆メサ構造を形成することを特徴とする請求項1〜19のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオードにより、または
請求項21に記載したように、
前記逆メサ構造は、500μm以下の径を有することを特徴とする請求項20記載のバラクタダイオードにより、または
請求項22に記載したように、
前記逆メサ構造は、結晶面により画成されていることを特徴とする請求項20または21記載のバラクタダイオードにより、または
請求項23に記載したように、
第1の素子領域と第2の素子領域とを画成された基板と
前記基板上、前記第1の領域に形成されたバラクタダイオードと、
前記基板上、前記第2の領域に形成された能動素子とよりなる半導体集積回路装置であって、
前記バラクタダイオードは、
前記基板上、前記第1の領域に形成された一導電型半導体層よりなるコンタクト層と、
前記コンタクト層上に形成された、前記一導電型の半導体領域と、
前記半導体領域上に形成され、前記半導体領域との間に接合面を形成する導電領域とよりなり、
前記半導体領域は、前記一導電型の不純物元素を、前記接合面に近接するにつれて増大する濃度分布で含み、
前記半導体領域においては全体として、前記不純物元素の深さ方向への相対濃度変化率が、前記接合面に向かって増大することを特徴とする半導体集積回路装置により、または
請求項24に記載したように、
第1の素子領域と第2の素子領域とを画成された基板と、
前記基板上、前記第1の領域に形成されたバラクタダイオードと、
前記基板上、前記第2の領域に形成された能動素子とよりなる半導体集積回路装置であって、
前記バラクタダイオードは、
前記基板上、前記第1の領域に形成された一導電型半導体層よりなるコンタクト層と、
前記コンタクト層上に形成された、前記一導電型の半導体領域と、
前記半導体領域上に形成され、前記半導体領域との間に接合面を形成する導電領域とよりなり、
前記半導体領域は、前記一導電型の不純物元素を、前記接合面に近接するにつれて増大する濃度分布で含み、
前記半導体領域においては全体として、前記不純物元素の深さ方向への相対濃度変化率が、前記接合面に向かって増大し、
前記半導体領域は、前記接合面近傍に前記接合面を含むように形成された接合領域を含み、前記接合領域においては前記相対濃度変化率が、前記半導体領域中、前記接合領域の外におけるよりも減少し、
前記半導体領域において前記濃度分布は階段状に変化することを特徴とする半導体集積回路装置により、または
請求項25に記載したように、
前記バラクタダイオードは、前記基板上にモノリシックに形成されていることを特徴とする請求項23または24記載の半導体集積回路装置により、または
請求項26に記載したように、
前記能動素子は、前記基板上にモノリシックに形成されたHBTよりなることを特徴とする請求項2325のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置により、または
請求項27に記載したように、
前記能動素子は、前記基板上にモノリシックに形成されたMESFETよりなることを特徴とする請求項2325のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置により、または
請求項28に記載したように、
前記能動素子は、前記基板上にモノリシックに形成されたHEMTよりなることを特徴とする請求項2325のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置により、または
請求項29に記載したように、
前記第1の素子領域と第2の素子領域とは、素子分離溝により画成されていることを特徴とする請求項2328のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置により、または
請求項30に記載したように、
前記第1の素子領域と第2の素子領域とは、段差部により画成されていることを特徴とする請求項2328のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置により、解決する。
【0020】
本発明によれば、前記接合領域の不純物濃度を高く設定することにより、駆動電圧を印加しない初期状態における空乏層の厚さが減少し、初期状態におけるバラクタダイオードのキャパシタンスが増大する。さらにかかるバラクタダイオードに駆動電圧を印加することにより空乏層は延在し、バラクタダイオードのキャパシタンスが減少する。このように本発明のバラクタダイオードでは、前記初期状態におけるキャパシタンスが大きいため、駆動電圧を印加することにより、大きなキャパシタンス変化比を確保することができる。その際、前記半導体領域中において不純物濃度を前記接合領域あるいは接合面から徐々に減少させることにより、バラクタダイオードのキャパシタンスを印加される駆動電圧と共に滑らかに変化させることが可能になる。
【0021】
さらに本発明のバラクタダイオードでは、駆動電圧を印加した場合に前記接合領域に生じやすい降伏を抑制し、大きな駆動電圧を印加することで非常に大きなキャパシタンス変化比が実現できるように、前記外側領域において不純物濃度が前記接合面から離れるにつれて急激に減少するように不純物濃度分布を制御している。すなわち本発明のバラクタダイオードでは、駆動電圧の印加により延伸した空乏層の先端部が、空乏層のさらなる延伸に伴って不純物元素濃度のより低い領域に侵入するように、前記外側領域の不純物濃度分布が設計されており、このため大きな駆動電圧を印加した場合でも、空乏層中の多量の空間電荷が形成する強電界による降伏の問題が回避される。また本発明ではこのような降伏を抑制するために、前記不純物元素を高濃度に導入される接合領域の厚さを制限している。
【0022】
【発明の実施の形態】
[原理]
本発明の発明者は、本発明の基礎となる研究において、図1のバラクタダイオード構造をもとに、その不純物濃度プロファイルを様々に変化させ、キャパシタンス変化比、さらに降伏電圧との関係を実験的に求めた。
【0023】
図2は、本発明の発明者が前記実験において使ったバラクタダイオードのモデル構造を示す。ただし図2中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0024】
図2を参照するに、本発明では図1のバラクタダイオード10においてより大きな駆動電圧を印加できるように、図1のn-型GaAs層13の代わりに膜厚および不純物濃度の異なるn型InGaPエピタキシャル層23A〜23Dの積層よりなるn型InGaP積層構造23を使う。なお以下に説明する実験は、図2の構造を、(100)面に対して2度の傾斜角を有するGaAs傾斜基板上に形成した試料について行ったものである。
【0025】
図3は、本発明の発明者が、本発明の基礎となる研究において、研究の出発点として使った、前記InGaP積層構造23中における不純物濃度分布を、また以下の表1は、図3の各層中における不純物濃度と膜厚とを示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004002864
図3を参照するに、前記p+型GaAs層14としてはC(炭素)により4.0×1019cm-3のキャリア濃度にドープされた厚さが50nm(500Å)のGaAs層を使っている。なお、同じGaAs膜は、以下に説明する本発明者の実験において、前記GaAs層14として、一貫して使われている。
【0027】
図3の不純物濃度分布では、大きな駆動電圧を印加することにより大きなキャパシタンス変化比が実現できるように、前記p+型GaAs層14に隣接するn型層23Dとしてバンドギャップの大きなInGaPを使い、さらに前記n型InGaP層23Dの不純物濃度を5×1016cm-3まで減少させ、さらにその厚さを240nmと大きな値に設定している。
【0028】
図4および5は、それぞれ図2,3のモデル構造を有するバラクタダイオードについて求めた降伏特性および電圧対キャパシタンス特性を示す。ただし図4中、横軸は図1の構造中、電極15,16間に印加した逆バイアス電圧を、また縦軸は前記接合面を流れる電流を表し、データ(I)は、前記n型InGaP積層構造23が前記図3および表1の不純物濃度分布プロファイルを有する場合について得られた、前記接合面を流れる電流と印加電圧との関係を示す。また図5中、データ(I)は、前記n型InGaP積層構造23が前記図3および表1の不純物濃度分布プロファイルを有する場合について得られた、印加電圧対キャパシタンス特性を示す。
【0029】
図4を参照するに、前記図3および表1に対応するデータ(I)の結果は、前記p+型GaAs層14に印加される電圧が−25Vを超え27V近くに達しても、前記GaAs層14とn-型InGaP層23Dとの間の接合面14Jにおいて降伏、すなわちリーク電流の急増は生じないことがわかる。
【0030】
このように図4の結果からは、前記表1の不純物濃度プロファイルを有するバラクタダイオードには大きさが27Vを超える非常に高い駆動電圧を印加することができるのがわかるが、一方、図5の印加電圧対キャパシタンス特性からは、このようなバラクタダイオードでは、20Vを超える高い駆動電圧を印加しても、キャパシタンスの変化は高々3倍程度に過ぎないことがわかる。
【0031】
図5の結果は、図3および表1に示す不純物濃度分布を有するバラクタダイオードでは、前記p+型GaAs層14に接するn型InGaP層23D中における不純物濃度が低いため、駆動電圧を印加しない初期状態においても前記pn接合面14Jから空乏層がかなり延伸しており、これに伴って初期容量が小さく、大きな駆動電圧を印加しても十分なキャパシタンス変化比を達成できないものと考えられる。
【0032】
そこで、本発明の発明者は、図6に示すように、前記p+型GaAs層14に接するn型InGaP層23Dの不純物濃度を1×1018cm-3まで増大させ、さらにその膜厚を60nmまで減少させる実験を行った。
【0033】
またこれに伴って、前記n型InGaP層23C,23Bおよび23Aの濃度を、前記接合面14Jから遠ざかるにつれて減少するように、また膜厚が前記接合面14Jから遠ざかるにつれて増大するように、前記n型InGaP積層構造23中の不純物濃度分布を制御した。
【0034】
以下の表2は、図6の不純物濃度分布プロファイルを表す。
【0035】
【表2】
Figure 0004002864
図4および図5中、データ(II)は前記図6および表2の不純物濃度分布プロファイルを有するバラクタダイオードについて求められた降伏特性および電圧対キャパシタンス特性を示す。
【0036】
図5を参照するに、前記図6および表2の不純物濃度分布プロファイルを有するバラクタダイオードでは印加電圧がゼロの場合に110pFに達する大きなキャパシタンスが実現されているのがわかる。
【0037】
一方、図6の不純物濃度分布プロファイルを有するバラクタダイオードでは、図4よりわかるように、前記電極15,16間に印加される逆バイアス電圧の大きさが5Vを超えたあたりからリーク電流が急増しており、降伏が生じていることを示している。この降伏は5V程度の大きさで生じるため、図5の電圧対キャパシタンス特性においても、実際に素子に印加できる駆動電圧は5V程度に限定されてしまい、その結果、この駆動電圧範囲で実現できるキャパシタンス変化比は2〜3倍程度に限定されてしまう。
【0038】
これに対し、前記図3の、接合面から遠ざかるにつれて不純物濃度が増大するプロファイル(I)から出発して前記n-型InGaP層23Dの膜厚を減少させ、さらに各半導体層の膜厚を前記接合面から遠ざかるにつれて徐々に増加させた図7および以下の表3に示す不純物濃度プロファイルを有する素子を試みたが、この場合、図4,5にデータ(III)で示すように降伏電圧は大きく増大するがキャパシタンス変化比を向上させることは出来なかった。
【0039】
【表3】
Figure 0004002864
一方、初期状態において非常に大きなキャパシタンスが実現できた前記図6のプロファイルから出発して、前記n+型InGaP層23Dの膜厚を減少させた、図8および以下の表4に示す不純物濃度プロファイルを有するバラクタダイオードを形成したところ、図4,5のデータ(IV)で示すように、降伏を生じることなく10Vを超える駆動電圧を印加することができ、しかもキャパシタンスをこの電圧範囲内において約100pFからほぼ10pFまで滑らかに変化させることが見出された。この場合、10.0に達するキャパシタンス変化比を実現することができる。
【0040】
【表4】
Figure 0004002864
このように、前記図8および表4の不純物濃度プロファイルでは、前記図6および表2の不純物濃度プロファイルにおいて前記n+型InGaP層23Dの膜厚を減少させているが、このような不純物濃度プロファイルを使ったバラクタダイオードでは、駆動電圧が印加され前記pn接合面14Jから空乏層が延伸した場合、前記空乏層の先端部が直ちに不純物濃度のより低いn型InGaP層23C中に侵入し、空乏層内の空間電荷密度が減少するものと考えられる。さらに前記駆動電圧を増大させ、前記空乏層の先端部がその下のn型InGaP層23Bあるいはn-型InGaP層23Aに侵入した場合、空乏層中の空間電荷密度はさらに減少することになる。このような空乏層の延伸の結果、バラクタダイオードのキャパシタンスは駆動電圧と共に滑らかに変化する。
【0041】
このように、本発明では、前記図8および表4の不純物濃度プロファイルに従って、前記p+型領域に対してpn接合を形成するn型InGaP層23Dの不純物濃度を増大させると同時にその膜厚を減少させ、さらに前記InGaP層23Dの外側に形成されるInGaP層23C〜23Aの不純物濃度を前記接合面14Jから離れるにつれて徐々に減少させることにより、初期状態において大きなキャパシタン値を確保すると同時に降伏の発生を抑制しており、その結果、大きなキャパシタンス変化比を実現することが可能になる。
【0042】
図8の不純物濃度分布では、前記InGaP層23A〜23Dの膜厚は前記接合面14Jから離間するにつれて増大しており、また縦軸の不純物濃度は対数スケールで示されているため、Nを不純物濃度、xを深さとして、1/N×(dN/dx)(=d(logeN(x))/dx)で定義される不純物元素の相対濃度変化率は、図8中に破線で示すように、前記層23A〜23C中においては全体として、前記接合面14Jに接近するにつれて増大する。ただし図8中の破線は、階段状に変化する層23A〜23C中の不純物濃度分布を滑らかな曲線でフィットしたものである。
【0043】
なお、本発明は図8に示す階段状の不純物濃度プロファイルに限定されるものではなく、図9あるいは図10に示すように連続的なものであってもよい。図9のプロファイルでは層23A〜23C中の不純物濃度は前記接合面14Jに向かって連続的に増大し、また深さ方向の不純物濃度変化率も前記接合面14Jに向かって変化しているが、前記接合面14Jに沿って、前記InGaP層23Dに対応する平坦部が形成されているのがわかる。一方図10のプロファイルでは、連続的な不純物濃度プロファイルは接合面14Jまで連続して形成されている。図9,図10の濃度分布プロファイルにおいても、前記相対濃度変化率は、接合面14Jに近接するにつれて増大するのがわかる。
【0044】
図10のプロファイルでは、前記接合面14Jに沿った高濃度領域の厚さが極小になるため、先に説明したメカニズムにより、前記接合面14J近傍における降伏の発生が非常に効果的に抑制される。
【0045】
さらに前記半導体層23A〜23DはInGaPに限定されるものではなく、例えばAlGaAsやGaN、AlGaNなど、他のワイドギャップ化合物半導体材料を使うことも可能である。
【0046】
このように接合面に隣接する半導体層が相対濃度変化率が接合面に近接するにつれて増大するプロファイルを有するバラクタダイオードでは、相対濃度変化率が一定なプロファイルを有するバラクタダイオードに比べて大きなキャパシタンス変化比を実現することができる。
【0047】
電位分布φとドナー濃度プロファイルND(x)の関係は、p+/n接合の場合、以下に示すポアソンの方程式により与えられる。
【0048】
【数1】
Figure 0004002864
ただしε0は真空の誘電率、Ksは半導体の比誘電率を表す。なお、同様な関係はn+/p接合の場合も成立するため、以下ではn+/p接合の場合の説明は省略する。
【0049】
このような半導体層中においては、電界E(=−dφ/dx)は幅がWの空乏層の端(x=W)ではゼロとなるため、逆バイアス電圧Vは、
【0050】
【数2】
Figure 0004002864
で与えられる。
【0051】
そこで、式(1)で与えられる逆バイアス電圧Vを、図8に示した相対濃度変化率が接合面14Jに近接するにつれて増大する不純物濃度プロファイルと、前記相対濃度変化率が一定な不純物濃度プロファイル、すなわち指数関数的な不純物濃度プロファイルとを比較すると、図11に示すように接合面14J(x=0)と、例えばGaAs層12とInGaP層23Aとの界面(x=x)において二つの不純物濃度分布の不純物濃度が一致するとして、前記半導体層23A〜23D中においては(x<x)、式(1)において積分核となっている量xN(x)は、本発明の場合の方が常に小さいため(xND2(x)<xND1(x);ND1(x)は指数関数濃度分布における深さxでの不純物濃度、ND2(x)は本発明の濃度分布における深さxでの不純物濃度分布を表す)、前記式(1)の積分値は、同じ空乏層幅Wで比較すれば、本発明のものの方が、指数関数濃度分布のものよりも必ず小さくなる。換言すると、本発明の不純物濃度分布を有するバラクタダイオードと指数関数濃度分布を有するバラクタダイオードにおいて同じキャパシタンスCを実現した場合、本発明の方が低い電圧で所望のキャパシタンスを実現することができるのがわかる。換言すると、
R2(C)<VR1(C) (式2)
の関係が成立する。ただしVR2(C)は本発明のバラクタダイオードにおいてCのキャパシタンスを実現するために印加する必要のある逆バイアス電圧を、VR1(C)は、指数関数濃度分布を有するバラクタダイオードにおいてCのキャパシタンスを実現するために印加する必要のある逆バイアス電圧を示す。
【0052】
次に降伏電圧について考察する。
【0053】
このようなバラクタダイオードでは、最大電界Emaxは接合面14J(x=0)において生じるため、前記最大電界Emaxの大きさは、
【0054】
【数3】
Figure 0004002864
により与えられる。
【0055】
従って、同一のキャパシタンス、従って同一の空乏層幅Wで比較した場合、本発明のバラクタダイオードで生じる最大電界Emaxは、ND2(x)<ND1(x)の関係より、指数関数濃度分布を有するバラクタダイオードの最大電界よりも必ず小さくなり、指数関数濃度分布を有するバラクタダイオードで降伏が発生している場合でも、本発明のバラクタダイオードでは降伏までにまだ余裕があることがわかる。
【0056】
このことはまた、本発明のバラクタダイオードではより高い駆動電圧Vを印加することにより、空乏層幅をさらに広げ、より大きなキャパシタンス変化を実現することができることを意味している。
[第1実施例]
図12は、本発明の第1実施例によるバラクタダイオード40の構成を示す。
【0057】
図12を参照するにバラクタダイオード40は不純物濃度が4.0×1018cm-3で厚さが500nmのn+型GaAsコンタクト層42をエピタキシャルに形成された、傾斜角が2度の半絶縁性GaAs傾斜基板41上に形成されており、前記GaAsコンタクト層42上には、前記図8の不純物濃度分布に対応した、不純物濃度が5.0×1016cm-3で厚さが240nmのn-型InGaP層43Aと、不純物濃度が1.0×1017cm-3で厚さが180nmのn型InGaP層43Bと、不純物濃度が5.0×1017cm-3で厚さが120nmのn型InGaP層43Cと、不純物濃度が1.0×1018cm-3で厚さが10nmのn型InGaP層43Dとを積層したn+型InGaP積層構造43がエピタキシャルに形成されている。
【0058】
さらに前記InGaP構造43の最上層43Dに接してCにより4.0×1019cm-3の不純物濃度にドープされたp+型GaAs層44が50nmの厚さに形成されており、前記InGaP積層構造43およびp+GaAs層44は前記n+型GaAs層42上においてメサ構造を形成している。
【0059】
さらに前記n+型GaAs層42上にはn側オーミック電極45が形成されており、さらに前記p+型GaAs層44上にはp側オーミック電極46が形成されている。
【0060】
図12のバラクタダイオード40は、典型的には345μm×180μmの、非常に小さな孤立素子ないし部品を形成する。このようにして形成されたバラクタダイオード40は通常のMHz〜GHz帯域などの高周波帯域においても動作可能であるが、特に100〜200GHzの超高周波帯域において動作可能であり、このような超高周波帯域において大きなキャパシタンス変化比を実現することができる。
【0061】
本実施例においては前記p+型GaAs層44の代わりにp+型InGaP層など、他の半導体層を使うことも可能である。さらに前記積層構造43をGaN層の積層により形成することも可能である。さらに、図12の構成において導電型を反転させ、前記層42をp+型GaAs層により、層43Aをp-型InGaP層により、層43B,43Cをそれぞれp-型およびp型InGaP層により、さらに層43Dをp+型InGaP層により形成することも可能である。この場合、前記層44はn+型GaAs層により形成される。
【0062】
前記p+型GaAs層44の代わりにp+型InGaP層を使った場合には、前記層44と43Dとの間に形成されるpn接合面はホモ接合となる。
[第2実施例]
図13は、本発明の第2実施例によるバラクタダイオード40Aの構成を示す。ただし図13中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0063】
図13を参照するに、本実施例では半絶縁性GaAs基板41の代わりにn+型のGaAs基板41Aが使われており、また前記n側オーミック電極45のかわりに前記GaAs基板41Aの裏面にn側オーミック電極45Aが形成されている。
【0064】
また図13のバラクタダイオード40Aは底面に電極45Aを有しているため、回路基板上に形成された配線パターン上に容易に実装することができる。
【0065】
本実施例においても前記p+型GaAs層44の代わりにp+型InGaP層など、他の半導体層を使うことも可能である。さらに前記積層構造43をGaN層の積層により形成することも可能である。さらに、図13の構成において導電型を反転させ、前記基板41Aおよび層42をそれぞれp+型GaAs基板およびp+型GaAs層により、層43Aをp-型InGaP層により、層43B,43Cをそれぞれp-型およびp型InGaP層により、さらに層43Dをp+型InGaP層により形成することも可能である。この場合、前記層44はn+型GaAs層により形成される。
[第3実施例]
図14は、本発明の第3実施例によるバラクタダイオード40Bの構成を、図15は前記バラクタダイオード40B中において使われる不純物濃度分布を示す。
【0066】
図14を参照するに、本実施例においては前記p+型GaAs層44の代わりに図15に示す階段状の不純物濃度分布を有するp+型InGaP層が前記層44として形成されており、前記InGaP層44中において前記接合面14Jから遠ざかるにつれて、p型不純物、すなわちCの濃度が減少する。
【0067】
このような不純物濃度分布を前記p型InGaP層44中に形成することにより、前記接合面14JからInGaP層44中への空乏層の侵入に伴う降伏の発生を、先に説明したのと同様なメカニズムにより抑制することが可能になる。なお図14中、InGaP層43A〜43Dにおいては前記図8のプロファイルが使われている。
【0068】
もちろん、前記InGaP層44中の不純物濃度分布は階段状のプロファイルに限定されるものではなく、連続的なプロファイルを使うことも可能である。また図15の例では前記InGaP層44中の不純物濃度は前記InGaP層43Dの濃度よりも高く設定されているが、本発明はこのような特定の濃度に限定されるものではなく、前記InGaP層44中の不純物濃度を前記InGaP層43Dの濃度よりも低く設定してもよい。
[第4実施例]
図16は、本発明の第4実施例によるバラクタダイオード40Cの構成を示す。ただし図16中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0069】
図16を参照するに、バラクタダイオード40Cは図13のバラクタダイオード40Aと同様な構成を有しているが、本実施例では前記p+型GaAs層44の代わりにAuなどのショットキー電極46Aを形成し、ショットキー型のバラクタダイオードを構成している。また前記電極46Aによりショットキー接合を形成するために、前記n+型InGaP層43Dの表面には薄いn型InGaP層43dが形成される。
【0070】
このようなショットキー型のバラクタダイオード40Cにおいても前記半導体層43に先に図8で説明したような不純物元素の濃度分布プロファイルを形成することにより、金属・半導体接合面近傍における降伏の発生を抑制することができる。
[第5実施例]
図17は、本発明の第5実施例による、バラクタダイオードとヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)とを集積化した半導体集積回路装置60の構成を示す。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図17を参照するに、半導体集積回路装置60は半絶縁性GaAs基板61上に形成されており、前記基板61上には素子分離溝61Iにより、バラクタダイオードの素子領域60AとHBTの素子領域60Bとが画成されている。
【0072】
前記素子領域60Aおよび60B上には、図12の層42に対応するn+型GaAs層62Aおよび62Bがそれぞれコンタクト層およびコレクタコンタクト層としてエピタキシャルに形成されており、前記GaAs層62A上には図12のn型InGaP層43A〜43Dおよびp+型GaAs層44が順次エピタキシャルに積層され、積層構造63Aを形成している。
【0073】
一方、前記GaAs層62B上には、同じn型InGaP層43A〜43Dおよびp+型GaAs層44が順次エピタキシャルに積層され、前記InGaP層43A〜43Dがコレクタ層となる積層構造63Bを形成している。前記p+型GaAs層44はp型ベース層64を形成する。すなわち本実施例ではHBTはコレクタ層が前記バラクタダイオードに対応した傾斜組成を有する。
【0074】
さらに前記積層構造63B上には前記ベース層64に接するようにn型のInGaP層65がHBTのエミッタ層として、エピタキシャルに形成されている。
【0075】
前記素子領域60Aおよび60Bにおいて前記積層構造63Aおよび63Bはメサ構造を形成しており、前記素子領域60Aにおいては前記n+型GaAsコンタクト層62Aの露出表面に、前記図12のオーミック電極45に対応するオーミック電極62aが形成されている。また前記p+型GaAsコンタクト層44上には図12のオーミック電極46に対応するオーミック電極64aが形成されている。ここで「メサ構造」は、側壁面で画成され平坦な頂面を有する凸構造を意味し、頂面の面積が基部よりも小さいいわゆる順メサ構造や、頂面の面積が基部よりの大きいいわゆる逆メサ構造のみならず、垂直な側壁面を有し、頂面と基部が実質的に同一面積を有する構造をも含むものとする。
【0076】
一方、前記素子領域60Bにおいては前記コレクタコンタクト層62Bの露出表面には前記オーミック電極62aと同様なコレクタ電極62bが形成され、また前記ベース層64の表面には前記オーミック電極64aと同様なベース電極64bが形成されている。なお、前記エミッタ層65は前記ベース層64上において前記ベース電極62bに囲まれてメサ構造を形成している。
【0077】
さらに前記エミッタ層65上には、n+型GaAsよりなるエミッタコンタクト層65Aを介してn型オーミック電極65bが形成されている。
【0078】
このような構成の半導体集積回路装置60では、バラクタダイオードとして先に説明した図8の組成プロファイルを使うことにより、非常に大きなキャパシタンス変化比を実現でき、また前記バラクタダイオードとHBTとを同一の半導体積層構造体からエッチングにより、容易に、効率よく、安い費用で形成することが可能になる。
[第6実施例]
図18は、本発明の第6実施例による半導体集積回路装置80の構成を示す。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0079】
図18を参照するに前記半導体集積回路装置80は半絶縁性GaAs傾斜基板81上に形成されており、前記基板81上には素子分離溝81Iによりバラクタダイオードの素子領域80AとHBTの素子領域80Bとが画成されている。
【0080】
前記基板81上には前記素子領域80Bに対応してn+GaAsよりなるコレクタコンタクト層82が形成されており、前記コレクタコンタクト層82上にはn型GaAsよりなるコレクタ層83が形成されている。また前記コレクタ層83上にはp+型のGaAsベース層84が形成されている。
【0081】
本実施例では、同じ半導体層82〜84が前記素子領域80A上にも積層されているが、前記素子領域80Aにおいては前記p+型GaAs層84上にn型InGaP層85とn+型GaAs層86とが、それぞれエミッタ層およびエミッタコンタクト層として形成されている。
【0082】
再び素子領域80Bを参照するに、前記p+型GaAsベース層84上にはn型InGaP層よりなるエミッタ層85が形成されており、前記コレクタコンタクト層82上にはコレクタ電極82Aが、また前記ベース層84上にはベース電極84Aが、それぞれコレクタ層83が形成するメサ構造およびエミッタ層85が形成するメサ構造を囲むように形成されている。
【0083】
さらに前記エミッタ層85上には、エミッタコンタクト層86を介してエミッタ電極87Aが形成されている。
【0084】
一方、前記エミッタコンタクト層86上には、先に図12で説明した構造がエピタキシャルに形成されており、バラクタダイオードが前記基板81上にモノリシックに形成されている。
【0085】
図18の半導体集積回路装置80では、前記基板81上にバラクタダイオードと共にモノリシックに集積化されるHBTが、必ずしもバラクタダイオードと同じ層構造を有する必要がなく、所望の半導体層あるいは濃度プロファイルを使うことにより、所望の特性を有するHBTを形成することが可能である。
【0086】
その際、前記バラクタダイオードおよびHBTは、図19に示すHBTの層構造とバラクタダイオードの層構造を積層した半導体積層構造をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0087】
なお本実施例において、前記コレクタ層をInGaPとしてもよい。この場合、HBTは実際にはダブル接合へテロバイポーラトランジスタ(DHBT)となる。なお、先に図17で説明したHBTも、実際にはDHBTとなっている。
【0088】
図18の実施例の場合、前記コレクタコンタクト層82およびコレクタ層83は前記HBTの素子領域80Bを超えてバラクタダイオード80Aの素子領域にまで形成されるが、素子領域80AはHBTの素子領域80Bに対して、前記半絶縁性GaAs基板81にまで到達する素子分離溝81Iにより分離されており、これらの存在がバラクタダイオードの特性に影響することはない。またバラクタダイオードがHBTの動作に影響することはない。
【0089】
また図18の構造では、前記素子領域80Bに形成される能動素子はHBTに限定されず、例えば図20に示すように非ドープGaAsよりなる電子走行層92とnチャネルAlGaAsなどよりなる電子供給層93を備え、前記電子走行層92中に前記電子供給層93との界面に沿って2次元電子ガス92Aを形成したHEMT(高電子移動度トランジスタ)であってもよい。前記電子供給層93は、前記2次元電子ガス中における電子の不純物散乱を最小化するため、前記電子走行層92との界面に沿って、非常に薄い非ドープスペーサ層(図示せず)を設けられている場合が多い。ただし図20中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。この場合には、前記HEMTを構成する電子走行層92および電子供給層93が素子領域80Aにも存在するが、図18のHBTの場合と同様に、HEMTの動作がバラクタダイオードの動作に影響することはなく、またバラクタダイオードの動作がHEMTの動作に影響することはない。
【0090】
図20の構成では、前記電子供給層93上に、チャネル領域に対応して前記電子供給層93に対してショットキー接触するゲート電極94Gが形成され、その両側にオーミック電極よりなるソース電極94Sおよびドレイン電極94Dが、それぞれ前記n+型GaAs層85に対応するn+型GaAsコンタクト層を介して形成されている。
【0091】
さらに図21に示すように、前記素子領域80Bに、電子走行層102を備えたMESFET(金属−半導体電界効果トランジスタ)を形成することも可能である。だだし図21中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。この場合には、前記MESFETを構成する電子走行層102が素子領域80Aにも存在するが、図18のHBTの場合と同様に、MESFETの動作がバラクタダイオードの動作に影響することはなく、またバラクタダイオードの動作がMESFETの動作に影響することはない。
【0092】
図21の構成では、前記電子走行層102上に、チャネル領域に対応して前記電子走行層102に対してショットキー接触するゲート電極103Gが形成され、その両側にオーミック電極よりなるソース電極103Sおよびドレイン電極103Dが、それぞれ前記n+型GaAs層85に対応するn+型GaAsコンタクト層を介して形成されている。
【0093】
さらに本発明においては、図18の構成を変形し、図22に示すようにバラクタダイオードが前記基板81上、HBTよりも下層に位置するように形成することも可能である。同様に、前記バラクタダイオードがHEMTあるいはMESFETよりも下層に位置するように形成することも可能である。ただし図22中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。また同様な変形は、図20あるいは21の集積回路装置においても可能である。
[第7実施例]
さらに本発明の発明者は、本発明の第7実施例の基礎となる研究において、図13の積層構造を有するバラクタダイオードについて、メサ構造のサイズを変化させ、メサ構造のサイズとバラクタダイオードの特性との関係を調べる研究を行った。
【0094】
図23(A),(B)は、本発明の発明者が、本発明の第7実施例の基礎となる研究において作製したバラクタダイオード試験片の構成を示す。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付している。
【0095】
図23(A),(B)を参照するに、図示の試験片では図13の積層構造体上に、前記電極46をマスクに前記GaAs層44およびその下のInGaP層43を切るようにメサエッチングを行うことにより、複数のメサ構造Mが形成されており、その結果、各々のメサ構造M上には前記p側オーミック電極46として、Au/Pt/Ti積層構造の積層電極が形成されている。また前記n+型GaAs基板41Aの底面には、前記n側オーミック電極45Aとして、Au/Ni/AuGe積層構造の積層電極が形成されている。なお前記InGaP層43のメサエッチングの際には、HClをエッチャントとして使っている。
【0096】
本発明の発明者は前記試験片において、このようにして形成された多数のバラクタダイオード素子の電極46、従ってメサ構造Mの径Dを様々に変化させ、バラクタダイオード素子の電気特性を測定した。
【0097】
図24は、このようにして得られた様々なメサ径Dを有するバラクタダイオード素子についてのキャパシタンス特性を、また図25は降伏特性を示す。
【0098】
図24、25を参照するに、同じ電圧同士で比較した場合、単位面積あたりのキャパシタンスは駆動電圧が低い場合、メサ径Dによらないが、駆動電圧が高い場合にはメサ径Dに依存するようである。メサ径Dが100μmより大きな試料では降伏電圧が十分に高くないため、高い駆動電圧を印加できず、キャパシタンス変化比のメサ径依存性は見られていない。しかし、メサ径Dが100μmの試料では、降伏電圧が十分高いとは言えないが、キャパシタンス変化比の増大が見られる。前記メサ径Dが100μmの場合、10V程度の駆動電圧の印加により、30倍近いキャパシタンス変化比が実現できることがわかる。
【0099】
図23(A),(B)の試験片の場合、メサ構造Mの形成にHClをエッチャントとして使っており、その結果、前記メサ構造Mは、図26に示すように側壁面が傾斜した逆メサ構造になっているものと考えられる(非特許文献6)。なお、図26は本発明の第7実施例によるバラクタダイオード110の構成を示す。図26中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0100】
このようにメサ構造Mが、下方に向かって面積を減少させる逆メサ構造となっている場合、前記pn接合面から延在する空乏層が形成するキャパシタンスは、前記空乏層が延伸するにつれて減少する分に加えて空乏層の面積が減少する効果が加わり、その結果、キャパシタンスの減少が加速されるものと考えられる。またこのような、メサ構造の効果は、メサ構造Mの径Dが小さければ小さいほど顕著に現れると考えられる。
【0101】
このように、図26の本発明第7実施例によるバラクタダイオード110では、前記メサ構造Mを逆メサ構造とし、前記メサ径Dを約100μm、あるいはそれ以下とすることで、通常の空乏層の延伸によるキャパシタンスの変化に加えて、逆メサ構造に伴う素子面積の減少の効果を利用し、非常に大きなキャパシタンス変化比を実現することができる。同様な効果は、前記メサ径Dを500μm以下とした場合にも、降伏の発生を抑制することにより達成できるものと考えられる。このような逆メサ構造のバラクタダイオードにおいても、駆動電圧の印加に伴ってキャパシタンスを滑らかに変化させることができる。
【0102】
先にも述べたように、このような逆メサ構造はInGaP層をメサエッチングする場合にはエッチャントとしてHClを使うことで実現できる。その場合、前記メサ構造Mの側壁面には、前記電極46が図23(A)に示すように円形にパターニングされていても、InGaPの(111)面が露出する。なお図26では縦横のスケールが同じでないことに注意が必要である。
【0103】
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、前記接合領域の不純物濃度を高く設定することにより、駆動電圧を印加しない初期状態における空乏層の厚さが減少し、初期状態におけるバラクタダイオードのキャパシタンスが増大する。さらにかかるバラクタダイオードに駆動電圧を印加することにより空乏層は延在し、バラクタダイオードのキャパシタンスが減少する。このように本発明のバラクタダイオードでは、前記初期状態におけるキャパシタンスが大きいため、駆動電圧を印加することにより、大きなキャパシタンス変化比を確保することができると共に、キャパシタンスを滑らかに変化させることが可能になる。
【0105】
さらに本発明のバラクタダイオードでは、駆動電圧を印加した場合に前記接合領域に生じやすい降伏を抑制し、大きな駆動電圧を印加することで非常に大きなキャパシタンス変化比が実現できるように、前記外側領域において不純物濃度が前記接合面から離れるにつれて急激に減少するように不純物濃度分布を制御している。すなわち本発明のバラクタダイオードでは、駆動電圧の印加により延伸した空乏層の先端部が、空乏層のさらなる延伸に伴って不純物元素濃度のより低い領域に侵入するように、前記外側領域の不純物濃度分布が設計されており、このため大きな駆動電圧を印加した場合でも、空乏層中の多量の空間電荷が形成する強電界による降伏の問題が回避される。また本発明ではこのような降伏を抑制するために、前記不純物元素を高濃度に導入される接合領域の厚さを制限している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の関連技術によるバラクタダイオードの構成を示す図である。
【図2】本発明の基礎となる研究で使われたバラクタダイオードのモデル構造を示す図である。
【図3】本発明の基礎となる研究で使われた不純物濃度分布を示す図である。
【図4】本発明の基礎となる研究において作製されて様々なバラクタダイオードの降伏特性を示す図である。
【図5】本発明の基礎となる研究において作製された様々なバラクタダイオードのキャパシタンス特性を示す図である。
【図6】本発明の基礎となる研究で使われた別の不純物濃度分布を示す図である。
【図7】本発明の基礎となる研究で使われた別の不純物濃度分布を示す図である。
【図8】本発明の基礎となる研究で使われたさらに別の不純物濃度分布を示す図である。
【図9】本発明で使われる概略的な不純物濃度分布を示す図である。
【図10】本発明で使われる別の不純物濃度分布を示す図である。
【図11】本発明の原理を説明する図である。
【図12】本発明の第1実施例によるバラクタダイオードの構成を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例によるバラクタダイオードの構成を示す図である。
【図14】本発明の第3実施例によるバラクタダイオードの構成を示す図である。
【図15】図13のバラクタダイオードにおける不純物濃度分布を示す図である。
【図16】本発明の第4実施例によるショットキー型バラクタダイオードの構成を示す図である。
【図17】本発明の第5実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図である。
【図18】本発明の第6実施例による半導体集積回路装置の構成を示す図である。
【図19】図18の半導体集積回路装置の製造に使われる積層半導体構造体を示す図である。
【図20】図18の一変形例による半導体集積回路装置の構成を示す図である。
【図21】図18の他の変形例による半導体集積回路装置の構成を示す図である。
【図22】図18のさらに他の変形例による半導体集積回路装置の構成を示す図である。
【図23】(A),(B)は本発明第7実施例の基礎となる研究で使われた試験片の構成を示す図である。
【図24】図23の試験片について求められたキャパシタンス特性を示す図である。
【図25】図23の試験片について求められた降伏特性を示す図である。
【図26】本発明第7実施例によるバラクタダイオードの構成を示す図である。
【符号の説明】
10,40 バラクタダイオード
11,21,41 基板
12,42,62A コンタクト層
13,23,43,63A n型半導体層
14,44 p型半導体層
15,45,62a n側オーミック電極
16,46,64a p側オーミック電極
20 バラクタダイオードモデル構造
23A〜23D,43A〜43D InGaP層
46 金属電極
46A ショットキー電極
60,80,90,100 半導体集積回路装置
60A,80A バラクタダイオード素子領域
60B,80B HBT素子領域
61I,81I 素子分離溝
62B,82 コレクタコンタクト層
62b,82A コレクタ電極
63B,83 コレクタ層
64,84 ベース層
64b,84A ベース電極
65,85 エミッタ層,S/Dコンタクト層
65b,87A エミッタ電極
86 エミッタコンタクト層
92 電子走行層
92A 2次元電子ガス
93,102 電子供給層
94G,103G ゲート電極
94S,103S ソース電極
94D,103D ドレイン電極

Claims (30)

  1. 導電領域と、
    前記導電領域に接して形成され、前記導電領域との界面において接合面を形成する、p型あるいはn型の導電型を有する半導体領域とを含むバラクタダイオードであって、
    前記半導体領域は、前記導電型の不純物元素を、前記接合面に近接するにつれて増大する濃度分布で含み、
    前記半導体領域においては全体として、前記不純物元素の深さ方向への相対濃度変化率が、前記接合面に向かって増大し、
    前記半導体領域は、前記接合面近傍に前記接合面を含むように形成された接合領域を含み、前記接合領域においては前記相対濃度変化率が、前記半導体領域中、前記接合領域の外におけるよりも減少し、
    前記半導体領域において前記濃度分布は階段状に変化することを特徴とするバラクタダイオード。
  2. 前記不純物元素の濃度は、前記接合領域においては実質的に一定であることを特徴とする請求項記載のバラクタダイオード。
  3. 前記接合領域は、60nm未満の厚さを有することを特徴とする請求項1または2記載のバラクタダイオード。
  4. 前記接合領域は、10nmの厚さを有することを特徴とする請求項のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  5. 前記接合領域は、前記接合面から延伸する空乏層が、前記接合領域中において降伏が生じる前に前記外側領域中に侵入するような膜厚および不純物濃度で形成されることを特徴とする請求項のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  6. 前記半導体領域は、前記不純物元素の濃度が5.0×1016cm-3で厚さが24nmの第1層と、前記第1層上に積層され、前記不純物元素の濃度が1.0×1017cm-3で厚さが18nmの第2層と、前記第2層上に積層され、前記不純物元素の濃度が5.0×1017cm-3で厚さが12nmの第3層と、前記第3層上に積層され、前記不純物元素の濃度が1.0×1018cm-3の第4層とより形成され、前記第4層が前記導電層との間に前記接合面を形成することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  7. 前記半導体領域は、前記接合面において1.0×1018cm-3以上のキャリア濃度を有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  8. 前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体層はp+型あるいはn+型の導電型を有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  9. 前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体層は、前記逆導電型の不純物元素を、前記逆導電型の不純物元素の濃度が前記接合面に向かって増大するような濃度分布で含むことを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  10. 前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体領域は、前記半導体層よりも大きなバンドギャップを有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  11. 前記導電領域はGaAsよりなり、前記半導体領域はInGaPよりなることを特徴とする請求項10記載のバラクタダイオード。
  12. 前記導電領域は、前記半導体領域の導電型とは逆導電型を有する半導体層を含み、前記半導体領域は前記半導体層と実質的に同一のバンドギャップを有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  13. 前記導電領域および前記半導体領域はInGaPよりなることを特徴とする請求項12記載のバラクタダイオード。
  14. 前記導電領域はショットキー電極よりなることを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  15. 前記半導体領域は、前記導電型を有する半導体基板の表面上に形成されることを特徴とする請求項1〜14のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  16. 前記半導体基板の裏面上には、オーミック電極が形成されていることを特徴とする請求項15記載のバラクタダイオード。
  17. 前記半導体領域は、半絶縁性半導体基板上に形成されることを特徴とする請求項1〜14のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  18. 前記半絶縁性基板上には、他の半導体素子が形成されていることを特徴とする請求項17記載のバラクタダイオード。
  19. 前記バラクタダイオードは孤立した素子を形成することを特徴とする請求項1〜17のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  20. 前記半導体領域は、逆メサ構造を形成することを特徴とする請求項1〜19のうち、いずれか一項記載のバラクタダイオード。
  21. 前記逆メサ構造は、500μm以下の径を有することを特徴とする請求項20記載のバラクタダイオード。
  22. 前記逆メサ構造は、結晶面により画成されていることを特徴とする請求項20または21記載のバラクタダイオード。
  23. 第1の素子領域と第2の素子領域とを画成された基板と、
    前記基板上、前記第1の領域に形成されたバラクタダイオードと、
    前記基板上、前記第2の領域に形成された能動素子とよりなる半導体集積回路装置であって、
    前記バラクタダイオードは、
    前記基板上、前記第1の領域に形成された一導電型半導体層よりなるコンタクト層と、
    前記コンタクト層上に形成された、前記一導電型の半導体領域と、
    前記半導体領域上に形成され、前記半導体領域との間に接合面を形成する導電領域とよりなり、
    前記半導体領域は、前記一導電型の不純物元素を、前記接合面に近接するにつれて増大する濃度分布で含み、
    前記半導体領域においては全体として、前記不純物元素の深さ方向への相対濃度変化率が、前記接合面に向かって増大することを特徴とする半導体集積回路装置。
  24. 第1の素子領域と第2の素子領域とを画成された基板と、
    前記基板上、前記第1の領域に形成されたバラクタダイオードと、
    前記基板上、前記第2の領域に形成された能動素子とよりなる半導体集積回路装置であって、
    前記バラクタダイオードは、
    前記基板上、前記第1の領域に形成された一導電型半導体層よりなるコンタクト層と、
    前記コンタクト層上に形成された、前記一導電型の半導体領域と、
    前記半導体領域上に形成され、前記半導体領域との間に接合面を形成する導電領域とよりなり、
    前記半導体領域は、前記一導電型の不純物元素を、前記接合面に近接するにつれて増大する濃度分布で含み、
    前記半導体領域においては全体として、前記不純物元素の深さ方向への相対濃度変化率が、前記接合面に向かって増大し、
    前記半導体領域は、前記接合面近傍に前記接合面を含むように形成された接合領域を含み、前記接合領域においては前記相対濃度変化率が、前記半導体領域中、前記接合領域の外におけるよりも減少し、
    前記半導体領域において前記濃度分布は階段状に変化することを特徴とする半導体集積回路装置。
  25. 前記バラクタダイオードは、前記基板上にモノリシックに形成されていることを特徴とする請求項23または24記載の半導体集積回路装置。
  26. 前記能動素子は、前記基板上にモノリシックに形成されたHBTよりなることを特徴とする請求項2325のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置。
  27. 前記能動素子は、前記基板上にモノリシックに形成されたMESFETよりなることを特徴とする請求項2325のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置。
  28. 前記能動素子は、前記基板上にモノリシックに形成されたHEMTよりなることを特徴とする請求項2325のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置。
  29. 前記第1の素子領域と第2の素子領域とは、素子分離溝により画成されていることを特徴とする請求項2328のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置。
  30. 前記第1の素子領域と第2の素子領域とは、段差部により画成されていることを特徴とする請求項2328のうち、いずれか一項記載の半導体集積回路装置。
JP2003183174A 2003-06-26 2003-06-26 バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置 Expired - Fee Related JP4002864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003183174A JP4002864B2 (ja) 2003-06-26 2003-06-26 バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003183174A JP4002864B2 (ja) 2003-06-26 2003-06-26 バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005019736A JP2005019736A (ja) 2005-01-20
JP4002864B2 true JP4002864B2 (ja) 2007-11-07

Family

ID=34183351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003183174A Expired - Fee Related JP4002864B2 (ja) 2003-06-26 2003-06-26 バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4002864B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4789489B2 (ja) * 2005-03-11 2011-10-12 アンリツ株式会社 マイクロ波モノリシック集積回路
JP5878739B2 (ja) * 2011-11-22 2016-03-08 アンリツ株式会社 バラクタダイオードおよび半導体集積回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005019736A (ja) 2005-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7009225B2 (en) Heterojunction bipolar transistor with a base layer that contains bismuth
US9947741B2 (en) Field-effect semiconductor device having pillar regions of different conductivity type arranged in an active area
US10636897B2 (en) Semiconductor device having a collector layer including first-conductivity-type semiconductor layers
US9019028B2 (en) Integrated epitaxial structure for compound semiconductor devices
US20050029557A1 (en) High-breakdown-voltage semiconductor device
US8975640B2 (en) Heterojunction semiconductor device and manufacturing method
US8716757B1 (en) Monolithic HBT with wide-tuning range varactor
US9136397B2 (en) Field-effect semiconductor device
US7821037B2 (en) Heterojunction bipolar transistor
EP0292568B1 (en) Hetero-junction bipolar transistor
JP2018101652A (ja) バイポーラトランジスタ及びその製造方法
JP2001345328A (ja) 半導体装置、及び、半導体集積回路
JP4002864B2 (ja) バラクタダイオードおよび半導体集積回路装置
JP4789489B2 (ja) マイクロ波モノリシック集積回路
JP3874919B2 (ja) 化合物半導体装置
JP2000299386A (ja) 半導体回路装置及びその製造方法
JP5551790B2 (ja) 横方向のエミッタおよびコレクタを有するバイポーラトランジスタならびに製造方法
Ghione et al. RF and microwave semiconductor technologies
US20190363198A1 (en) Gallium-nitride-based transcaps for millimeter wave applications
KR100198455B1 (ko) 부저항 출력특성을 개선한 이종접합 바이폴러 트랜지스터
JPH05343435A (ja) 半導体装置
JP2003309127A (ja) 半導体装置およびそれを用いた電子装置
JP2002217212A (ja) ヘテロ接合電界効果トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070316

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070517

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070820

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees