JP2003309127A - 半導体装置およびそれを用いた電子装置 - Google Patents

半導体装置およびそれを用いた電子装置

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JP2003309127A
JP2003309127A JP2002115606A JP2002115606A JP2003309127A JP 2003309127 A JP2003309127 A JP 2003309127A JP 2002115606 A JP2002115606 A JP 2002115606A JP 2002115606 A JP2002115606 A JP 2002115606A JP 2003309127 A JP2003309127 A JP 2003309127A
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thin film
layer
semiconductor device
thickness
semiconductor
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JP2002115606A
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Makoto Kudo
真 工藤
Kiyoshi Ouchi
潔 大内
Tomoyoshi Mishima
友義 三島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 格子定数の大きく異なる2つの材料を用いた
超格子薄膜の品質を向上させ,それを用いた半導体装置
ならびに電子装置の特性を向上させる。 【解決手段】 半導体基板上に格子定数の異なる2種類
の半導体層を交互に積層した超格子薄膜を有する半導体
装置の、上記超格子薄膜を構成する1層目の層の厚さを
2層目以降の各層の厚さよりも薄くする。 【効果】 本発明によれば,格子定数の大きく異なる2
つの材料を用いた超格子薄膜の品質を向上できるため,
それを用いた半導体装置ならびに電子装置の特性を向上
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,格子定数の大きく
異なる半導体層からなる超格子薄膜を利用した半導体装
置に係り、特に,高周波で動作するヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ(以下HBTとする),高電子移動度ト
ランジスタ(以下HEMTとする)やそれを用いた高周
波モジュール等の電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】混晶半導体を薄膜成長する際に,混晶半
導体を構成する半導体を極薄く交互に積層し,組成の均
一性を向上させたり,合金散乱の影響を低減させた例
は,InAs/GaAs短周期超格子薄膜からなるIn
GaAs混晶の例が,ジャーナル・オブ・アプライド・
フィジックス69(1991)第3941頁から第39
49頁(Journal of Applied Physics 69(1991)pp.3941
-3949)にて知られている。また,AlSb/AlAs
短周期超格子薄膜からなるAlAsSb混晶の例が,ジ
ャーナル・オブ・クリスタル・グロウス150(199
5)第838頁から第843頁(Journal of Crystal G
rowth 150(1995)pp.838-843)にて知られている。
【0003】また,GaAsSbをベース層に用い,I
nPをコレクタ層およびエミッタ層に用いたHBTの例
が,特開平6−37104および特開平8−33558
8にて知られている。前者はベース層のドーパントはシ
リコンであり,後者はカーボンである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年,携帯電話の小型
化,軽量化への要求は強まっており,そのため,HBT
の高性能化,特に低動作電圧化は必須の課題である。H
BTの動作電圧を低減するためには,InPに格子整合
するInGaAsやGaAsSbなどのバンドギャップ
が小さく,正孔移動度の大きい材料をベース層の材料と
して用いる必要がある。インターネットの普及に伴うデ
ータ伝送容量の増大に対応するための高速光伝送受信器
の増幅器としてもHBTの高性能化が必要となる。いず
れの用途においても,HBTを高性能化する上で理想的
な材料がInPとGaAsSbからなるHBTであると
言われている。その理由は,InPとの伝導帯バンド不
連続の値が,InGaAsでは約0.25eVと大きいのに対
し,GaAsSbでは約-0.18と負の値をとるためであ
る。この伝導帯バンド不連続の値は小さい方が低電圧高
効率動作および超高速動作に有利な素子構造を作製でき
ることが知られている。ところが,InP基板に格子整
合するInGaAs層やGaAsSb層では,混晶を構
成する組成比が約0.5(InGaAsではInAsと
GaAsの割合,GaAsSbではGaAsとGaSb
の割合が50%ずつ)と大きく,均一な混晶を得ること
が最も難しい組成領域を利用しなければならない。特
に,GaAsSbの場合,GaAsとGaSbが混ざり
づらいミスシビリティギャップ領域にあたっており,良
質な結晶が得られないという問題がある。
【0005】従来例で述べたように,混晶半導体の均一
性を向上させる方法として,混晶を複数の材料に分け,
超格子薄膜とし,超格子薄膜を構成する材料の膜厚の比
で組成を制御することが提案されている。しかしなが
ら,上記従来例は組成が0.3未満の領域に関するもの
で,InP基板に格子整合するGaAsSbやInGa
Asのように組成0.5近傍における実験例は我々の知
る限り報告されていない。この理由は,組成0.5近傍
では,GaAsとGaSbの両方がInP基板に対して
3%以上の格子不整合を持つため,良質な薄膜が形成で
きる膜厚が数分子層以下に限られているためであると思
われる。また,仮に極薄い分子層程度の膜厚のGaAs
とGaSbを交互に積層させた短周期超格子薄膜を作製
しても,基板自体が数分子層程度の凹凸を有することが
一般的なので,超格子内で基板の凹凸により散乱を受
け,移動度が低下することも問題となっていると思われ
る。
【0006】したがって,格子定数の大きく異なる2つ
の材料を用いた際に,高品質となる超格子薄膜を実現す
る必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的の,格子定数の
大きく異なる2つの材料を用いた際に高品質となる超格
子薄膜を実現させるため,本発明では,6%以上格子定
数の異なる2種類の半導体層を交互に積層した超格子を
有する半導体装置において,上記半導体層の厚さをいず
れも3分子層より厚くした超格子薄膜を用いる。ここ
で,超格子薄膜を構成する第1層目と最上層をそれより
薄くすることにより,その効果はより大きなものとな
る。本発明の第1の特徴は、(1)半導体基板上に格子定
数の異なる2種類の半導体層を交互に積層した超格子薄
膜を有する半導体装置の、上記超格子薄膜を構成する1
層目の層の厚さを2層目以降の各層の厚さよりも薄くし
た半導体装置にある。(1) において、(2)上記超格子薄
膜を構成する1層目の層の厚さがSK臨界膜厚以下であ
り、その他の層の厚さが最上層を除きSK臨界膜厚を越
えていることが好ましい。(1) において、(3)上記超格
子薄膜を構成する上記2種類の半導体層のいずれか一方
にAsを含み,もう一方にSbを含むことが好ましい。
(1) において、(4)上記超格子薄膜を構成する上記2種
類の半導体層のいずれか一方がGaAs,もう一方がG
aSbから成ることが好ましい。(1) において、(5)上
記超格子薄膜をヘテロ接合バイポーラトランジスタのベ
ース層として用いることが好ましい。また、本発明の第
2の特徴は、(6)格子定数の異なる2種類の半導体層を
交互に積層した超格子薄膜を有する半導体装置の、上記
超格子薄膜を構成する1層目と最上層を除いた半導体層
の厚さが3分子層より厚い半導体装置にある。(6) にお
いて、(7)上記超格子薄膜を構成する半導体層の厚さが
いずれも7分子層より薄いことが好ましい。(6) におい
て、(8)上記超格子薄膜を構成する上記2種類の半導体
層のいずれか一方にAsを含み,もう一方にSbを含む
ことが好ましい。(6) において、(9)上記超格子薄膜を
構成する上記2種類の半導体層のいずれか一方がGaA
s,もう一方がGaSbから成ることが好ましい。(7)
において、(10)上記超格子薄膜をヘテロ接合バイポーラ
トランジスタのベース層として用いることが好ましい。
また、本発明の第3の特徴は、(11)半導体基板上に格子
定数の異なる2種類の半導体層を交互に積層した超格子
薄膜を有する半導体装置の、上記超格子薄膜を構成する
1層目の層の厚さが2層目以降の各層の厚さよりも薄い
半導体装置を有する電子装置にある。また、本発明の第
4の特徴は、(12)格子定数の異なる2種類の半導体層を
交互に積層した超格子薄膜を有する半導体装置の、上記
超格子薄膜を構成する1層目と最上層を除いた半導体層
の厚さが3分子層より厚い半導体装置を有する電子装置
にある。
【0008】
【発明の実施の形態】<実施例1>本願発明の実施例1
を図1から図9を用いて説明する。図1はHBTのベー
ス層の超格子の断面図,図2は超格子の周期とベース層
の正孔移動度の関係を示す図,図3より図7は本例の製
造工程を順次示す装置の断面図である。図8及び図9に
本HBTの適用例を示す。
【0009】図1より図7を参酌して,本例の製造工程
の説明する。まず,MBE(Molecular Be
am Epitaxy)装置により,半絶縁性InP基
板1上に,n型InPサブコレクタ層2(ドーピング濃
度:3×1019cm-3)を厚さ100nm,n型InP
コレクタ層3(ドーピング濃度:2×1016cm-3)を
厚さ200nm,GaAs/GaSb超格子からなるp
型GaAsSbベース層4(ドーピング濃度:5×10
19cm-3)を厚さ50nm,n型InPエミッタ層5
(ドーピング濃度:5×1017cm-3)を厚さ50n
m,n型InPエミッタ層6(ドーピング濃度:2×1
19cm-3)を厚さ20nm,n型InGaAsエミッ
タキャップ層7(ドーピング濃度:4×1019cm-3
を厚さ20nmに順次積層する。
【0010】ここで,GaAs/GaSb超格子薄膜か
らなるp型GaAsSbベース層4は,約0.9nm以上の
厚さのGaAs11とGaSb12を交互に積層した超
格子薄膜とする(図1)。0.9nmは約3分子層に相当す
る厚さである。図2に,我々が行った超格子薄膜の周期
(GaAsとGaSb各1層の厚さの合計)と正孔の移
動度の関係を示す(グラフ内の実施例1の曲線参照)。
ここで,ドーピング濃度は約3×1019cm-3である。
周期の厚さが6分子層より薄い超格子薄膜では,混晶と
同程度の移動度しか得られないことがわかる。これは,
超格子薄膜を構成する各層が3分子層程度以下となり,
ヘテロ界面の凹凸と同程度となるため,正孔が散乱され
やすくなるためと考えられる。一方,周期が3分子層よ
り厚くなるとヘテロ界面の凹凸の影響が軽減され移動度
が向上していることがわかる。周期の厚さの上限に関し
ては,混晶移動度を上回る移動度が得られる限り本発明
の効果はあるといえるが,素子設計上,サブバンドが形
成できる程度の周期の超格子薄膜である必要があるた
め,各層が2nm程度以下の厚さであることが必要とな
る。これは,周期4nm,すなわち14分子層程度の周
期に相当する。周期の厚さが14分子層程度であって
も,本発明の効果があることは,図2の実験結果からも
わかる通りである。
【0011】こうして作成した半導体積層体上に,エミ
ッタ電極23となるWSi(タングステン・シリサイ
ド)30及びW(タングステン)31を順に,各々35
0nm,150nmの厚さに堆積した。これを通例のホ
トレジストをマスクとして,例えばECRエッチングに
より加工する。エッチングの際にオーバーエッチングを
施すことによりWSi層30のサイドエッチングが生
じ,アンダーカット形状が形成される(図3)。
【0012】次に,こうして形成したエミッタ電極23
をマスク領域として,通例のウエットエッチングにより
エミッタキャップ層7及びエミッタ層6,5を加工す
る。続けて,ベース電極材料を蒸着し,いわゆるリフト
オフ法によって,所望形状のベース電極22を形成する
(図4)。ベース電極22は,例えば,最下層がPtで
形成されるPt/Ti/Mo/Ti/Pt/Auの積層
体によって形成される。尚,ベース電極22の形成と,
同時に同じ材料層32が,W(タングステン)31層上
に積層され,エミッタ電極23を構成する。
【0013】次に,エミッタ領域をホトレジストで覆い
ながら,ベース電極領域をマスク領域としてベース層4
のベースのメサエッチングを行う(図5)。更に,コレ
クタ電極21を形成する領域のみコレクタ層3をエッチ
ングする。そして,この領域にTi/Pt/Auの積層
体を蒸着し,この積層体を,リフトオフ法を用いて所望
形状のコレクタ電極21を形成する。更に,サブコレク
タ層2の周囲をエッチングし,素子分離を図る(図6)。
【0014】次に,層間絶縁膜25を形成し,その後,
この層間絶縁膜25にコンタクト孔を形成し,Au等の
導電性材料により配線26を設ける(図7)。
【0015】尚,HBT部の具体的構成については,本
例とは別の形態も当然とり得るものである。
【0016】図8及び図9に本HBTの適用例を示す。
図8は本実施例1のHBTを組み込んだ電子装置のシス
テム構成を示すブロック図である。ここでは,携帯電話
機のシステム構成を示している。本実施例のHBTは高
周波送信電力増幅器77に用いられる。図9はこの高周
波送信電力増幅器77のブロック構成及びその具体的回
路例を例示する。図9のHBTと表示したトランジスタ
が本願発明のHBTである。
【0017】携帯電話機は,受話器51および送話機5
2を有する送受話器50と,受信信号処理部61,復調
器62,送信信号処理部63,変調器64を有するベー
スバンド部60と,RFブロック部70と制御回路91
と表示キー92を有する制御部90を有している。
【0018】RFブロック部70には,アンテナスイッ
チ71があり,高周波増幅器74と受信ミキサ73,I
F増幅器72からなる受信部75と,送信電力増幅器7
7と送信ミキサ76を有する送信部78と,アンテナ8
0に接続されている。
【0019】また,受信ミキサ73及び送信ミキサ76
は周波数シンセサイザ79に接続されている。
【0020】ここで送信電力増幅器77に用いられるH
BTは,ベースの正孔移動度が高く,寄生抵抗が小さく
抑えられているため,電源電圧が低下しても,送信特性
が良好な携帯電話機が作製できる。また,ベース抵抗が
低減できるとその分ベース層を薄くできるため,高速化
にも有効である。
【0021】<実施例2>本発明の実施例2を図10を
用い説明する。
【0022】ベース層以外の製造工程については,実施
例1と共通である。 まず,MBE(Molecula
r Beam Epitaxy)装置により,半絶縁性
InP基板1上に,n型InPサブコレクタ層2(ドー
ピング濃度:3×1019cm -3)を厚さ100nm,n
型InPコレクタ層3(ドーピング濃度:2×1016
-3)を厚さ200nm,GaAs/GaSb超格子か
らなるp型GaAsSbベース層4(ドーピング濃度:
5×1019cm-3)を厚さ50nm,n型InPエミッ
タ層5(ドーピング濃度:5×1017cm-3)を厚さ5
0nm,n型InPエミッタ層6(ドーピング濃度:2
×1019cm-3)を厚さ20nm,n型InGaAsエ
ミッタキャップ層7(ドーピング濃度:4×1019cm
-3)を厚さ20nmに順次積層する。
【0023】ここで,GaAs/GaSb超格子薄膜か
らなるp型GaAsSbベース層4は,1層目13と最
終層14を除いて,約0.9nm以上の厚さのGaAs11
とGaSb12を交互に積層した超格子薄膜とし,1層
目13と最終層14の厚さは,他の層の約半分の厚さと
した(図10)。0.9nmは約3分子層に相当する厚さで
ある。図2に,我々が行った超格子薄膜の周期(GaA
sとGaSb各1層の厚さの合計)と正孔の移動度の関
係を示す(実施例2の曲線参照)。ここで,ドーピング
濃度は3×1019cm-3である。また,グラフの横軸の
周期は,1層目と最上層を除く層のGaAs/GaSb
一周期の厚さである。1層目13と最上層14の厚さを
薄くすることにより,実施例1に比べて更に移動度が向
上していることがわかる。この理由について,以下に詳
細に記述する。
【0024】本実施例のように,格子定数の大きく異な
る(約6%以上)材料を組み合わせた超格子薄膜では,
格子不整合による結晶の品質低下が起こる膜厚(臨界膜
厚と呼ぶ)に関して,2種類の劣化モードがあることに
注意する必要がある。1つは,ミスフィット転位の導入
による結晶の劣化で,通常の歪量子井戸レーザや歪チャ
ネルHEMTの歪層の厚さを決める際に参考とする指標
である。この劣化は格子不整合が2%程度以下の歪格子
に適用可能な指標である。もう1つは,3次元成長化に
よる結晶品質(平坦性)の低下で,これは,格子不整合
が2.5%程度以上の歪格子成長時に注意しなければな
らない指標である。本実施例ではGaAsとGaSbが
約7.5%の格子不整合を持ち,GaAsとGaSbは
基板であるInPに対してそれぞれ約3.7%,約3.
8%の格子不整合を持っているため,3次元化による結
晶品質の低下を考慮する必要がある。この場合の臨界膜
厚は成長条件にもよるが2から3分子層厚程度である。
しかしながら,実施例1でも述べたとおり,3分子層厚
のGaAsとGaSbからなる周期6分子層の超格子薄
膜の移動度はGaAsSb混晶の移動度と同程度であ
り,むしろ3次元成長が起こる厚さの周期の超格子薄膜
の方が移動度が高くなっている。この理由は,歪補償超
格子(基板に対して格子定数の大きな材料と小さな材料
を交互に積層した超格子薄膜で,本実施例の構造はこれ
にあたる。)の臨界膜厚が,各層の格子歪ではなく第1
層目からの累積の歪により決まることによる。表1に実
施例1および2における超格子の周期が約9分子層の試
料の累積の歪を層毎に計算した結果を示す。
【0025】
【表1】 ここでMLはMonoLayerの略で分子層厚の意味である。表
1からわかるように,2層目以降は格子不整合が2%以
下になるので,3次元成長化による結晶品質(平坦性)
の低下を考えなくてよいことがわかる。実施例1の場合
は,第1層が多少凹凸ができるものの,それ以降の層の
繰り返しにより平坦性が回復し,混晶を上回る移動度が
得られたのである。実施例2に関しては,1層目が3次
元成長化の臨界膜厚程度と,平坦性が確保されており,
かつ残りの全ての層において臨界膜厚以下であるため,
通常の混晶の約2倍という非常に高い移動度が得られた
のである。なお,累積歪の計算式は,式1の通りであ
る。
【0026】
【式1】 式1において,εはその層と基板との格子不整合で,基
板より格子定数が小さい層の成長の場合はマイナスとす
る。Lは各層の厚さである。
【0027】こうして作製した多層構造結晶体上に,エ
ミッタ電極23となるWSi及びWを順に各々350n
m,150nm堆積する。そして,当該電極材料を,通
例のホトレジストマスクを用いて,所望形状にエッチン
グ加工する。次に,実施例1と同様にして,形成したエ
ミッタ電極23をマスクに,更なるエッチング加工を加
え,Pt/Ti/Mo/Au系ベース電極22を蒸着及
びリフトオフ法にて形成する。
【0028】次にエミッタ領域をホトレジストで覆った
後,ベース・メサエッチングを行い,コレクタ電極21
を形成する部分のみエッチングする。そして,当該領域
にTi/Pt/Au系材料にてコレクタ電極21を形成
する。
【0029】最後に素子分離のエッチング,層間絶縁層
膜形成後,配線加工を行い,図7に示すHBT素子を作
製する。
【0030】本実施例に用いたHBT構造は一例であ
り,格子定数の大きく異なる2つの材料を用いた超格子
を有するHBTであれば,他の材料や構造を用いていて
も本発明の効果に変わりは無く,必ずしもGaAsとG
aSbからなる超格子薄膜を用いなくても本願発明の効
果に変わりは無い。また,本発明をHBT以外の半導体
装置,例えばHEMTなどの高移動度化合物半導体素子
に適用することも当然可能であり,所定の効果を奏する
ことが出来る。
【0031】本実施例2のHBTを組み込んだ電子装置
は,実施例1の場合と同様,図8及び図9の構成によっ
て実現することが出来る。本実施例のHBTは,前述の
例と同様に,高周波送信電力増幅器77に用いられる。
【0032】ここで送信電力増幅器77に用いられるH
BTは,ベース層の寄生抵抗が低減されているため,電
源電圧が低下した際にも良好な送信特性をもつ携帯電話
が作製できる。
【0033】ベース抵抗の低減は,ベース層の薄層化に
よる高速化の余地があることを示しているため,本願発
明を40Gbps以上の動作速度の光伝送向けICや7
7GHzといった超高速動作が要求されるミリ波レーダ
ー等,携帯電話以外の電子装置に用いることによって
も,効果が得られる。
【0034】以上,詳細に説明した通り,本願発明によ
れば,格子定数の大きく異なる2つの材料を用いた超格
子の品質を向上できるため,それを用いた半導体装置な
らびに電子装置の特性を向上できる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば,格子定数の大きく異な
る2つの材料を用いた超格子薄膜の品質を向上できるた
め,それを用いた半導体装置ならびに電子装置の特性を
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のHBTのベース層の超格子
薄膜の断面を示す図である。
【図2】超格子薄膜の周期とベース層の正孔移動度の関
係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例1のHBTのバッファ層の構造
と熱抵抗率の関係をまとめた表である。
【図4】本発明の実施例1のHBTの断面概略図であ
る。
【図5】本発明の実施例1の携帯電話のシステム構成を
示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例2のHBTの断面概略図であ
る。
【図7】本発明の実施例2のHBTのバッファ層のバッ
ファ厚さと格子定数及び熱抵抗率の関係を示すグラフで
ある。
【図8】本実施例1のHBTを組み込んだ電子装置のシ
ステム構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の電子装置に用いられる高周波送信電力
増幅器のブロック構成及びその具体的回路例を例示する
図である。
【図10】本発明の実施例2のHBTのベース層の超格
子薄膜の断面を示す図である。
【符号の説明】
1・・・半絶縁性n型InP基板,2・・・n型InPサブコ
レクタ層,3・・・n型InPコレクタ層,4・・・p型Ga
AsSbベース層,5・・・n型InPエミッタ層,6・・・
n型InPエミッタ層,7・・・n型InGaAsエミッ
タキャップ層,11・・・GaAs層,12・・・GaSb
層,13・・・超格子の第1層目,14・・・超格子を構成す
る最終層,21・・・コレクタ電極,22・・・ベース電極,
23・・・エミッタ電極,50・・・送受話器,51・・・受話
器,52・・・送話機,60・・・ベースバンド部,61・・・
受信信号処理部,62・・・復調器,63・・・送信信号処理
部,64・・・変調器,70・・・RFブロック部,71・・・
アンテナスイッチ,72・・・IF増幅器,73・・・受信ミ
キサ,74・・・高周波増幅器,75・・・受信部,76・・・
送信ミキサ,77・・・送信電力増幅器,78・・・送信部,
80・・・アンテナ,90・・・制御部,91・・・制御回路,
92・・・表示キー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三島 友義 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F003 BA92 BB01 BB04 BC01 BE01 BE90 BF06 BG06 BH07 BH99 BM03 BN09 BP32 BP95 BS08 5F052 JA05 KA03 KA05 5F103 AA04 DD30 GG01 HH03 JJ01 LL16 NN10 RR06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に格子定数の異なる2種類の
    半導体層を交互に積層した超格子薄膜を有する半導体装
    置の、上記超格子薄膜を構成する1層目の層の厚さが2
    層目以降の各層の厚さよりも薄いことを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】上記超格子薄膜を構成する1層目の層の厚
    さがSK臨界膜厚以下であり、その他の層の厚さが最上
    層を除きSK臨界膜厚を越えていることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】上記超格子薄膜を構成する上記2種類の半
    導体層のいずれか一方にAsを含み,もう一方にSbを
    含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】上記超格子薄膜を構成する上記2種類の半
    導体層のいずれか一方がGaAs,もう一方がGaSb
    から成ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】上記超格子薄膜をヘテロ接合バイポーラト
    ランジスタのベース層として用いることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】格子定数の異なる2種類の半導体層を交互
    に積層した超格子薄膜を有する半導体装置の、上記超格
    子薄膜を構成する1層目と最上層を除いた半導体層の厚
    さが3分子層より厚いことを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】上記超格子薄膜を構成する半導体層の厚さ
    がいずれも7分子層より薄いことを特徴とする請求項6
    記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】上記超格子薄膜を構成する上記2種類の半
    導体層のいずれか一方にAsを含み,もう一方にSbを
    含むことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】上記超格子薄膜を構成する上記2種類の半
    導体層のいずれか一方がGaAs,もう一方がGaSb
    から成ることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】上記超格子薄膜をヘテロ接合バイポーラ
    トランジスタのベース層として用いることを特徴とする
    請求項6記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】半導体基板上に格子定数の異なる2種類
    の半導体層を交互に積層した超格子薄膜を有する半導体
    装置の、上記超格子薄膜を構成する1層目の層の厚さが
    2層目以降の各層の厚さよりも薄い半導体装置を有する
    ことを特徴とする電子装置。
  12. 【請求項12】格子定数の異なる2種類の半導体層を交
    互に積層した超格子薄膜を有する半導体装置の、上記超
    格子薄膜を構成する1層目と最上層を除いた半導体層の
    厚さが3分子層より厚い半導体装置を有することを特徴
    とする電子装置。
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