JP4002848B2 - 作業装置、及び部品実装基板生産装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに対し複数の作業を行なう為の作業装置に関するものであり、特に、上記ワークとしての基板に複数の部品を実装して部品実装基板を生産する上記作業を行なう作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークに対し複数の作業を行う為には、夫々の作業に特化した複数の作業装置が必要であった(例えば、特許文献1参照)。例えば、あるワークに穴を開けた後、マークを印字し、最後に検査するという作業を行う為に、ボール盤、印刷機、外観検査機といった各種作業装置が必要となっていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−76691号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の作業装置では、ワークの品種切り替えに伴う作業内容の変更が頻繁である場合、全ての作業装置の中から、使用する作業装置だけを毎回レイアウトし直す為に費やす時間と労力が大きな負担となっていた。
【0005】
また、レイアウト変更をせずに使用する作業装置と使用しない作業装置を混在させた場合、工程でのワークの流れや作業順序が分かりにくくなり、またワークの搬送距離が長くなるといった効率の低下を招いてしまっていた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決し、ワークに対し複数の作業を行うことが可能で旦つワークの品種切り替えのような作業内容の変更に対し、フレキシビリティが高く作業性が良好な作業装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明は以下の構成を有する。
【0008】
本発明の第1態様によれば、上下方向であるZ方向に往復移動可能なツールを個々に搭載した複数のツールカセットを、脱着可能に装備するカセット装着部と、
このカセット装着部の下方に配設され、ワークを解除可能に保持するワーク保持部とを備え、
上記カセット装着部と上記ワーク保持部とを、上記Z方向に略直交する方向であり、かつ、互いに略直交する方向であるX方向とY方向とに相対的に移動させて、上記複数のツールカセットのうちのいずれかの上記ツールカセットが備える上記ツールにより、上記保持されたワークに作業を行うことを特徴とする作業装置を提供する。
【0009】
本発明の第2態様によれば、上記夫々のツールカセットを、上記カセット装着部に入れ替え自由に脱着可能である第1態様に記載の作業装置を提供する。
【0010】
本発明の第3態様によれば、上記夫々のツールカセットは、上記ワークに対して作業可能にその下部に上記ツールを備えるとともに、上記下部以外の部分に、上記カセット装着部への上記脱着可能な取付部を備える第2態様に記載の作業装置を提供する。
【0011】
本発明の第4態様によれば、上記夫々のツールカセットに備えられ、上記各々のツールの動作を制御可能なツール制御部と、
上記ワーク保持部の上記保持動作、及び上記相対的な移動動作の夫々を制御可能であるとともに、上記夫々のツール制御部による上記ツールの動作制御を選択的に開始させる主制御部とをさらに備える第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0012】
本発明の第5態様によれば、上記夫々のツール制御部は、上記主制御部の制御とは無関係の制御として、上記ツールの動作制御を実施可能である第4態様に記載の作業装置を提供する。
【0013】
本発明の第6態様によれば、上記夫々のツール制御部は、上記主制御部との間で、上記ツールの動作制御に関する情報の伝達を行なう情報伝達部を備え、上記主制御部より上記情報伝達部を通して入力される上記動作制御の開始の信号に基づいて、上記ツールの動作制御を開始可能であるとともに、上記ツールの動作制御の完了の信号を上記情報伝達部を通して出力可能であり、
上記主制御部は、上記夫々のツールカセットのうちの一の上記ツールカセットの上記ツール制御部からの上記動作制御の完了信号の入力に基づいて、別の一の上記ツールカセットの上記ツール制御部に、上記動作制御の開始の信号の出力を行なう第4態様又は第5態様に記載の作業装置を提供する。
【0014】
本発明の第7態様によれば、上記主制御部は、上記夫々のツールカセットによる上記ワークに対する作業の順序を決定可能であって、上記決定された順序に基づいて、上記夫々のツール制御部に上記動作制御の開始の信号を順次出力する第4態様から第6態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0015】
本発明の第8態様によれば、上記夫々のツールカセットにおける上記ツール制御部は、上記各々が備えるツールの種類の識別情報を上記主制御部に出力可能に保持しており、
上記主制御部は、入力される上記識別情報に基づいて、上記カセット装着部に装備された上記ツールの種類、及び上記カセット装着部における上記ツールカセット配置を認識可能である第4態様から第7態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0016】
本発明の第9態様によれば、上記夫々のツールカセットのうちの少なくとも1つのツールカセットは、上記ツールとして、上記ワークに対して加工作業を実施可能な加工装置を備える第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0017】
本発明の第10態様によれば、上記夫々のツールカセットのうちの少なくとも1つのツールカセットは、上記ツールとして、装填物を装填可能でかつ当該装填物の上記ワークへの付加作業を実施可能な付加装置を備える第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0018】
本発明の第11態様によれば、上記夫々のツールカセットのうちの少なくとも1つのツールカセットは、上記ツールとして、上記ワーク上に配置された部品の調整を目的として、当該部品の回転移動作業を実施可能な回転移動装置を備える第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0019】
本発明の第12態様によれば、上記夫々のツールカセットのうちの少なくとも1つのツールカセットは、上記ツールとして、上記ワークの検査作業を実施可能な検査装置を備える第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0020】
本発明の第13態様によれば、上下方向であるZ方向に往復移動することにより、ワークに対する工程を実施するツールと、上記ツールの上記往復移動の制御を行なうことで、上記ワークに対する上記工程の制御を行うツール制御部とを備えるツールカセットとして、
互いに異なる2つの上記工程のうちの一方の工程を行なう第1のツールと、上記第1のツールの上記制御を行う第1のツール制御部とを備える第1のツールカセットと、
他方の工程を行なう第2のツールと、上記第2のツールの上記制御を行う第2のツール制御部とを備える第2のツールカセットとを備え、
さらに、上記第1のツールカセットと上記第2のツールカセットとを脱着可能に装備するカセット装着部と、
上記カセット装着部に装備された上記夫々のツールにより上記夫々の工程を実施可能に、かつ、上記ワークを解除可能に保持するワーク保持部と、
上記Z方向に略直交する方向であり、かつ、互いに略直交する方向であるX方向とY方向とに、上記保持されたワークと上記装備された夫々のツールとを相対的に移動させる相対移動駆動装置と、
上記相対移動駆動装置による上記相対的な移動を制御可能であって、かつ、上記第1のツール制御部及び上記第2のツール制御部のうちのいずれか一方を選択して、当該選択されたツール制御部による上記ツールの制御を開始可能とさせる主制御部とを備えることを特徴とする作業装置を提供する。
【0021】
本発明の第14態様によれば、上記ワークは基板であって、上記夫々の工程は上記基板に複数の部品が実装された部品実装基板を生産するときの複数の工程のうちのいずれかの工程であり、
上記第1のツールカセットと上記第2のツールカセットは、上記基板に対して上記複数の工程を行なうための複数の種類の上記ツールカセットの中から選択されたいずれかのツールカセットであって、
上記第1のツールと上記第2のツールとにより、上記夫々の工程が行なわれることにより、上記基板に上記夫々の部品を実装して上記部品実装基板を生産可能である第13態様に記載の作業装置を提供する。
【0022】
本発明の第15態様によれば、上記作業装置は、上記いずれかのツールカセットが選択された残りの上記複数の種類のツールカセットの中の上記いずれかのツールカセットとは別の種類のツールカセットを、上記カセット装着部に装備可能に待機して備え、
上記カセット装着部は、上記選択されたいずれかのツールカセットを、上記待機された上記別の種類のツールカセットと、交換可能に装備する第14態様に記載の作業装置を提供する。
【0023】
本発明の第16態様によれば、上記夫々の工程は、上記部品実装基板を生産するときの連続した複数の工程のうちの互いに連続した工程である第13態様から第15態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0024】
本発明の第17態様によれば、上記第1のツールカセットと上記第2のツールカセットは、
上記ツールが、上記基板に上記部品を実装するための接合材を上記基板に供給する接合材供給部であって、上記工程として、接合材供給工程を実施可能な接合材供給工程用のツールカセットと、
上記ツールが上記部品を解除可能に保持する部品保持部材であって、上記工程として、上記保持された部品を上記基板に実装する部品実装工程を実施可能な部品実装工程用のツールカセットである第13態様から第16態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0025】
本発明の第18態様によれば、上記カセット装着部は、上記第1のツールカセット及び上記第2のツールカセットとは別に、さらに第3のツールカセットを脱着可能に備え、
上記第3のツールカセットは、上記ツールが、上記接合材供給工程用のツールカセットによる上記接合材の供給状態、あるいは、上記部品実装工程用のツールカセットによる上記部品の実装状態の検査を行なう検査装置であって、上記工程として、検査工程を実施可能な検査工程用のツールカセットである第17態様に記載の作業装置を提供する。
【0026】
本発明の第19態様によれば、上記X方向及びY方向において、上記カセット装着部を固定し、かつ、上記ワーク保持部を移動可能とすることにより、上記カセット装着部と上記ワーク保持部との上記相対的な移動が行なわれる第1態様から第18態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0027】
本発明の第20態様によれば、上記夫々のツールカセットが、工具を要することなく上記カセット装着部から脱着可能である第1態様から第19態様のいずれか1つに記載の作業装置を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明を行なうに先立って、本明細書で用いられる用語の定義について記載する。
【0029】
用語「ワーク」とは、本発明に係る作業装置により作業(若しくは工程)が施される「対象物」のことである。このような対象物としては、機械的な加工が施される部材等も含まれ、さらに、部品の実装のための作業が施される基板等も含まれる。
【0030】
用語「部品」とは、電子部品、機械部品、光学部品などを含む部品であって、例えば、電子部品としては、チップ部品(抵抗体やコンデンサ等)やIC部品(ベアICチップやIC内蔵部品等)、さらに、電子回路接続型部品(コネクタ部品等)がある。また、これらの部品は、上記ワーク上に配置されたり、上記ワークの一例である上記基板に実装等されるものである。なお、上記機械部品としては、電気的な機能を備えた機械部品(各種スイッチや、音声ボリューム、等)と、単純にネジやナット等のように純粋な機械部品との両者が含まれる。
【0031】
用語「基板」とは、上述した「ワーク」の一例であるとともに、その内部や表面に電子回路や光電回路等が形成された回路形成体のことであって、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味するものである。
【0032】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1、図2は本発明の第1実施形態に係る作業装置の一例である作業装置101の構成を模式的に示す模式斜視図である。
【0034】
図1に示すように、作業装置101は、図示上下方向であるZ方向に往復移動可能な(すなわち昇降可能な)ツール1を個々に搭載する複数のツールカセット2を、脱着可能に装備するカセット装着部3と、そのカセット装着部3の下方に配設されて、ワーク5を解除可能に保持するワーク保持部4とを備え、カセット装着部3と、ワーク保持部4とを、上記Z方向に略直交する方向であり、かつ、互いに略直交する方向であるX方向及びY方向に相対的に移動可能な構成となっており、ワーク保持部4が保持するワーク5に夫々のツール1により各種作業を行うというものである。なお、図1及び図2においては、ワーク5が略板状形状を有しており、ワーク5の表面に略直交する方向がZ方向となっており、上記表面沿いの方向が、X方向及びY方向となっている。
【0035】
また、図2に示すように、作業装置101は、カセット装着部3とワーク保持部4との相対的な移動を行う相対移動駆動装置の一例として、ワーク保持部4を支持するとともに、ワーク保持部4を図示Y方向に進退移動させるY方向移動装置16と、Y方向移動装置16を支持するとともに、ワーク保持部4及びY方向移動装置16を図示X方向に進退移動させるX方向移動装置15とを備えている。一方、カセット装着部3は、X方向及びY方向に関して、その位置が固定されているため、カセット装着部3に対するワーク保持部4の図示X方向及びY方向の移動が可能とされている。なお、図1は、図2に示す作業装置101の構成の主要部のみをさらに模式的に示したものである。
【0036】
ツールカセット2は、図3に示すように、略箱型の筐体6に、ツール1及びその駆動の為の駆動手段(若しくは、駆動部、以下同じ)7と制御手段(若しくは、制御部、以下同じ)8、図中には示していない記憶手段(若しくは、記憶部、以下同じ)を収めている。この筐体6は、夫々のツールカセット2において、共通の外形寸法に収まるようになっており、前記カセット装着部3に自由に入れ替えられるようになっている。例えば、図示X方向、Y方向、及びZ方向の寸法が、20mmx257mmx182mmとなるように、筐体6は形成されている。ただし、ツールカセット2の中に他より著しく大きさを必要とするものがあった場合、全ての筐体6の外形寸法を共通化しようとすると、筐体6の大半は不必要に大きなものとなってしまうので、必要に応じて筐体6の外形寸法を他の構成物と干渉しない範囲で大きくしたり、ツールカセット2を2台配置する代わりに、ツールカセット2の2台分の外形寸法を持った筐体にするといった変更を行ってもよい。
【0037】
図3に示すツールカセット2は、筐体6の上面にカセット装着部3への取付部の一例であるスライダー10を備えており、このスライダー10は、図4に示すように、カセット装着部3に一定のピッチで設けられた複数のスライダー溝11のいずれにでも装着することができ、ツールカセット2の位置決めと保持を可能としている。これにより、夫々のツールカセット2は作業内容に応じた最適の配列でカセット装着部3に配置することが可能となる。
【0038】
図3に示すように、筐体6の側面に設けられたコネクター12は、ツールカセット2に電源供給と制御信号の授受を行う為のものであり、夫々のツールカセット2の筐体6で共通の場所に、共通の形状で設けられている。これにより、コネクター12は、ツールカセット2をカセット装着部3に装着した時に、図示しないが、カセット装着部3に前記スライダー溝11と同様に一定ピッチで設けられた複数のコネクター接続部のいずれにでも接続可能となっている。
【0039】
以上のように、夫々のツールカセット2の外形形状、装着方法、コネクター接続方法を共通化することにより、夫々のツールカセット2をカセット装着部3に入れ替え自由に脱着することが可能となる。なお、ここでは筐体6の上面と側面に、夫々スライダー10とコネクター12を設けているが、ツールカセット2、すなわち筐体6の下面以外であれば特に上記の位置関係を規定するものではない。また、ここでは、ツールカセット2の位置決めと保持の為に、スライダー10を用いたが、筐体6自身にスライダーの役割を持たせてもよく、また位置決めの為に、新たに位置決めピンを用いてもよい。
【0040】
ツール1は駆動手段7により、図3に示すZ方向へ上下され、ワーク5に対して作業を繰り返すようになっている。駆動手段7は、ツール1の種類により、ツール1を単にZ方向へ上下させるだけでなく、Z方向沿いのその軸心を回転中心として回転させたり、ツール1が機能する為に必要な駆動の全てを行うものである。
【0041】
ツールカセット2に搭載されたツール1の種類や、動作量、動作タイミング、その補正量といった動作条件は図示しない記憶手段により記憶され、ツール1の切り替え、経時変化、ワーク5との相性等に応じて、適時書き換えられる。前記の記憶手段の持つ情報の伝達、書き換えは前記コネクター12を通して、作業装置又は書き換え専用の装置によって行う。ここでは、記憶手段としてメモリーのような電気的なものとして記述したが、特にツールカセット2内で記憶手段の情報を授受する必要がなければ、バーコードとバーコードホルダーのような光学的なものを用いてもよい。この場合は、情報の伝達、書き換えは前記コネクター12を利用できないので、バーコードリーダーと張り替え用のバーコード作成装置が新たに必要となる。また、前記の記憶手段の持つ情報の伝達、書き換え手段としては、上記の他に無線を用いてもよい。
【0042】
ツールカセット2の制御手段8は、前記の記憶手段の動作条件の情報に基づき、ツール1の駆動手段7を制御するようになっているので、ツール1の動作に関するツールカセット2の外部との制御信号の授受は、ツール1の動作開始、停止に関する最低限のものとすることができる。また、これにより作業装置101は、ツールカセット2の種類によって制御信号の種類を別個に用意する必要がなくなり、ツールカセット2のプラットフォームとして、より簡素なものとすることができる。
【0043】
次に、このような基本構成を有するツールカセット2に関して、その様々な種類について以下に説明する。
【0044】
図5は、ツール1として、ワーク5に対して、加工作業を実施可能な加工装置を備えるツールカセット2の一例である加工作業用のツールカセット2Aの模式斜視図である。図5において、ツール1は、例えばリューターであり、駆動手段7によってツール1のその軸心を回転中心とした回転が行われ、そして同図に示すZ方向を下方に送り出される。ツール1が必要な距離を下降した後、カセット装着部3とワーク保持部4(図示せず)の相対移動(すなわち、図2におけるX方向移動装置15及びY方向移動装置16によるワーク保持部4の移動、以下第1実施形態において同じ)によりワーク5の一定部分を研削加工し、研削加工が完了すれば、再び駆動手段7によってツール1はZ方向を今度は上方へ引き上げられる。
【0045】
ツール1が上記加工装置の一例としてドリルであった場合は、ツール1のZ方向の上下、及び、ツール1の軸心をその回転中心とした回転駆動、即ち穴開けが完了した後に、ワーク5の次に穴開けが必要な場所の上方にツール1が来るように、カセット装着部3とワーク保持部4の相対移動が行われる。
【0046】
また、ツール1が上記加工装置の一例としてレーザヘッドであった場合は、必要な熱量や加工精度により、ツール1をZ方向へ上下させるが、加工が完了すればレーザ照射を切ればよいので、ワーク5の上面との干渉の心配がなければ、カセット装着部3とワーク保持部4の相対移動の際にツール1をZ方向に上下させる必要はない。
【0047】
図6は、ツール1としてが、ワーク5への装填物13の付加作業を実施可能な付加装置を備えるツールカセット2の一例である付加作業用のツールカセット2Bの模式斜視図である。図6において、ツール1は、例えばディスペンサーであり、装填物13は例えば接着剤のようなものである。この装填物13は、付加作業用のツールカセット2B内に、装填されて、ツール1を通してワーク5の表面に供給可能な状態で収容されおり、駆動手段7によって押圧され、ツール1の先端より吐出される。吐出された装填物13は、駆動手段7がツール1をZ方向へ下降させることによってワーク5に付加(供給)され、例えば、この付加される装填物13によりワーク5の表面に描画のように線を引く場合は、装填物13は吐出されながらカセット装着部3とワーク保持部4の相対移動によりワーク5上に線状に付加される。当該付加が完了すれば、前記駆動手段7による押圧が止まり、吐出が終了するとともに駆動手段7よってツール1が引上げられる。これが、点状の付加でよい場合は、ツール1が下降している間にカセット装着部3とワーク保持部4の相対移動を行わない。
【0048】
装填物13のワーク5への付加状態は、装填物13自身の物性以外では、ツール1の下降と装填物13の吐出開始のタイミング、装填物13の吐出時間、ツール1の下降停留時間、引上げ速度といった諸条件で決まる。これら諸条件は、制御手段8と図示していない記憶手段により制御され、必要に応じた適切な装填物13のワーク5への付加が行われる。
【0049】
なお、ここでは装填物13を接着剤のような流体としたが、ワーク5に付加するものであれば、スティックに入った電子部品や半田ボールといったものや、リールに巻かれたシールのようなものであってもよい。
【0050】
図7は、ツール1として、ワーク5上に配置された部品の調整を目的として、当該部品のZ方向を回転中心とする回転移動作業を実施可能な回転移動装置を備えるツールカセット2の一例である回転移動作業用のツールカセット2Cの模式斜視図である。図7においてツール1は、例えばドライバーであり、駆動手段7によってツール1が下降され、ワーク5上の半固定抵抗器のような調整つまみを持った被調整体14に当接される。その後、駆動手段7によりツール1はその軸心を回転中心として適切な量の回転を行い、被調整体14の上記調整つまみを回転させて、調整が完了すれば、再び元の位置へ引き上げられ、カセット装着部3とワーク保持部4の相対移動により次の被調整体14の調整可能な位置を確保する。ツール1の下降量や回転量、回転トルクは、制御手段8と図示していない記憶手段により制御され、適切な調整がなされる。
【0051】
図8は、ツール1として、ワーク5の検査作業を実施可能な検査装置を備えるツールカセット2の一例である検査作業用のツールカセット2Dの模式斜視図である。図8において、ツール1は、例えばカメラ及びレンズであり、駆動手段7によって焦点の調整が行われ、ワーク5の外観や他のツールカセット2が行った作業結果等の画像の取込みを行う。取込んだ画像の判定は、制御手段8と図示していない記憶手段により行われ、判定結果はコネクター12を通して作業装置に伝達されるようになっている。なお、ここでは検査手段として光学的検査について説明したが、ツール1がコンタクトピンのような接触式の導通検査や温度検査でもよい。
【0052】
以上のように、ツールカセット2及びツール1の種類により手順の違いはあるが、ツール1のZ方向への上下と、カセット装着部3とワーク保持部4の相対移動によりワーク5へ作業を進めていくという点では共通であり、夫々の作業内容や手順の違いは制御手段8と図示していない記憶手段により対応するので、これらツール1を搭載するツールカセット2は、カセット装着部3に対し、必要に応じて自由に入れ替えが可能である。
【0053】
なお、夫々のツールカセット2を自動的に交換するカセット自動交換装置(図示しない)を用いて、カセット装着部3に装備されたツールカセット2が交換されるような場合であってもよい。
【0054】
本第1実施形態の作業装置101では、図2に示すように、カセット装着部3とワーク保持部4の相対移動を行う為、ワーク保持部4にX方向移動装置15、Y方向移動装置16を設けてワーク保持部4を移動させ、カセット装着部3は固定としている。これにより、カセット装着部3により多くのツールカセット2を装着することや、大重量のツールカセット2があったとしても、慣性力を考慮する必要がないので、カセット装着部3の強度確保、カセット装着部3とワーク保持部4とを相対移動させる為の動力確保が容易となる。
【0055】
また、ツールカセット2が受ける外力は作業時のツール1の反力のみとなるので、この反力さえ考慮しておけばツールカセット2の重量に関わらず、カセット装着部3へのツールカセット2の固定をフックやトグルクランプのような工具を必要としない簡易なものとすることができる。ただし、同時に作業を行いたいツールカセット2の数が少ない場合や、ワーク5が非常に大きくてワーク保持部4を移動させるのが困難な場合は、あえてワーク保持部3を移動させる必要はないので、この限りではない。
【0056】
(第2実施形態)
なお、本発明は上記第1実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2実施形態に係る作業装置の一例である部品実装基板生産装置201の半透過模式斜視図を図9に示す。
【0057】
図9に示すように、部品実装基板生産装置201は、ワークの一例である基板25に、複数の部品を実装することにより、当該基板25を部品実装基板としての生産を行う作業装置である。このような部品実装基板生産装置201においては、複数の作業、すなわち、複数の工程が基板25に対して施され、例えば、基板25の表面に部品を接合するための接合材の供給工程、当該接合材を介在させた部品の接合を行なう部品実装工程、当該部品を接合している接合材を溶融(リフロー)することにより部品を実装するリフロー工程、さらに、夫々の工程における作業結果状態の検査を行なう検査工程等の工程が、連続的かつ選択的に行われることにより、部品実装基板の生産が可能となっている。
【0058】
次に、この部品実装基板生産装置201の構成について説明する。部品実装基板生産装置201は、基本的には、上記第1実施形態の作業装置101と同様な基本構造を有しており、図9に示すように、複数の種類のツールカセット2を脱着可能に装備するカセット装着部23と、基板25を解除可能に保持するワーク保持部の一例である基板保持部24と、部品実装基板生産装置201において、その設置位置が固定されているカセット装着部23に対して、基板保持部24を、図示X方向又はY方向に移動させる相対移動駆動装置の一例であるXYテーブル26とを備えている。
【0059】
また、カセット装着部23に装備される複数のツールカセット2は、上記第1実施形態において説明した夫々のツールカセット2と基本的には同じ構造を有しており、夫々の下部には、夫々のツールカセット2により行なわれる工程に適した機能を備えるツール1が備えられている。
【0060】
このようにカセット装着部23に備えられる夫々のツールカセット2のうちのいくつかの種類のツールカセットについて、図10(A)に示す模式説明図、及び図10(A)に示す組み合わせのツールカセット2を備える部品実装基板生産装置201にて行なわれる工程を示すフロー図を用いて、この部品実装基板生産装置201にて行なわれる工程の内容とともに説明する。
【0061】
図10(A)に示すように、カセット装着部23は、第1のツールカセット、第2のツールカセット、又は、第3のツールカセットの一例であり、接合材供給工程用のツールカセットの一例であるディスペンス工程用ツールカセット2Pと、部品実装工程用ツールカセット2Qと、リフロー工程用ツールカセット2Rと、検査工程用ツールカセット2Sとを備えている。なお、上記夫々のツールカセット2(上記2P、2Q、2R、及び2Sを総称するものとする。以下、同じ)が、部品実装基板を生産するための複数の工程を行なう複数の種類のツールカセット2の中から選択されたツールカセット2の一例ともなっている。
【0062】
図10(A)及び(B)に示すように、ディスペンス工程用ツールカセット2Pは、装填物の一例であるクリーム半田等の接合材を供給可能に収容しており、そのツールとして、接合材供給部の一例である接合材供給ノズル1Pを備えている。このような接合材供給ノズル1Pと基板25における所定の位置である部品実装位置との位置合わせを、XYテーブル26により行ない、その後、接合材供給ノズル1Pを下降させて、基板25の表面における上記部品実装位置に接合材を供給し、接合電極17を形成することにより、ディスペンス工程用ツールカセット2Pにおいて、ディスペンス工程が行なわれる。
【0063】
また、図10(A)及び(B)に示すように、部品実装工程用ツールカセット2Qは、複数の部品18(例えば、チップ部品等)を供給可能に収納しており、さらに、その収納されている夫々の部品18を個別に取り出すとともに、その先端で吸着保持して、基板25の表面に実装することが可能なツールの一例であり、部品保持部材の一例でもある吸着ノズル1Qを備えている。このような吸着ノズル1Qと基板25の上記部品実装位置との位置合わせを、XYテーブル26により行ない、その後、吸着ノズル1Qの先端に、供給された部品18を吸着保持するとともに、吸着ノズル1Qを下降させて、基板25の表面における上記部品実装位置に、接合電極17を介して部品18を実装することにより、部品実装工程用ツールカセット2Qにおいて、部品実装工程が行なわれる。なお、このような部品実装工程用ツールカセット2Qに関しては、後述においてその構成例を説明するものとする。
【0064】
また、図10(A)及び(B)に示すように、リフロー工程用ツールカセット2Rは、部品18を基板25に実装している接合電極17を、加熱溶融可能にレーザを照射するレーザヘッド1Rを、ツールの一例として備えている。このようなレーザヘッド1Rと基板25の上記部品実装位置との位置合わせを、XYテーブル26により行ない、その後、レーザヘッド1Rによりレーザを、夫々の接合電極17に照射して、接合電極17の加熱溶融を行なって、その後、レーザの照射を停止して冷却固化させることができ、部品18の実装のためのリフロー工程を行なうことができる。
【0065】
さらに、図10(A)及び(B)に示すように、検査工程用ツールカセット2Sは、上述した夫々の工程が基板25に対して行なわれることにより、基板25の上記部品実装位置において実装された部品18の実装状態の検査を行うためのツールの一例として、検査装置の一例でもある撮像ヘッド1Sを備えている。このような撮像ヘッド1Sと基板25の上記部品実装位置との位置合わせを、XYテーブル26により行ない、その後、撮像ヘッド1Sにより、部品18の実装状態の画像を撮像して、当該画像に基づいて部品18の実装状態の良否等の検査を行なうことにより、検査工程用ツールカセット2Sにおいて、検査工程が行なわれる。
【0066】
なお、夫々のツールカセット2P、2Q、2R、及び2Sに備えられる夫々のツール1P、1Q、1R、及び1Sが、第1のツール、又は第2のツールの一例となっている。
【0067】
次に、このようなカセット装着部23に装備される主要な上記4種類のツールカセット2P、2Q、2R,及び2Sの夫々に備えられるツール制御部(第1又は第2のツール制御部)と、部品実装基板生産装置201に備えられる主制御部との構成的な関係について、図11の制御ブロック図を用いて説明する。なお、図11においては、説明の理解を容易とするために、夫々の制御部が備える主要な構成部分のみを表示している。
【0068】
図11に示すように、部品実装基板生産装置201は、当該装置において行なわれる夫々の工程の統括的な制御を行う主制御部30を備えている。また、夫々のパーツカセット2は、夫々の動作制御を個別に行なうツール制御部を備えており、ディスペンス工程用ツールカセット2Pは、ディスペンス用ツール制御部40を、部品実装工程用ツールカセット2Qは、部品実装用ツール制御部50を、リフロー工程用ツールカセット2Rは、リフロー用ツール制御部60を、さらに、検査工程用ツールカセット2Sは、検査用ツール制御部70を備えている。なお、上記夫々のツール制御部が、第1のツール制御部又は第2のツール制御部の一例となっている。
【0069】
図11に示すように、主制御部30は、部品実装基板生産装置201の外部より主制御部30に入力される部品実装のためのNCデータ等の実装データに基づいて、夫々のツール制御部を統括的に制御する制御部の一例である主CPU31と、上記実装データ等のデータを取り出し可能に記憶する記憶部の一例であるメモリ部32と、夫々のツール制御部との間で、情報の受渡し(入出力)を行なう入出力部33と、さらに、XYテーブル26の移動動作及び基板保持部24による基板25の保持/保持解除動作の制御を行うXY移動用ドライバ34とを備えている。また、主制御部30においては、メモリ部32、入出力部33、及びXY移動用ドライバ34の夫々が互いに関係付けられながら、主CPUにより統括的に制御されており、例えば、メモリ部32に記憶されている情報が、主CPU31により取り出されて、必要な情報形式に変換されるとともに、入出力部33を通して、夫々のツール制御部40、50、60、又は70に出力することが可能となっている。
【0070】
一方、図11に示すように、ディスペンス用ツール制御部40は、主制御部30との間で情報の受渡し(入出力)を行なう情報伝達部の一例である入出力部43と、接合材供給工程を行なうためのツールとして備えられている接合材供給ノズル1Pの動作制御データや、ディスペンス工程用ツールカセット2Pにて上記接合材供給工程を行なえることを識別させるための識別情報(例えば、ツールとして接合材供給ノズル1Pが備えられていることを識別可能な情報)を取り出し可能に記憶する記憶部の一例であるメモリ部42と、メモリ部42に記憶された制御データに基づいて、接合材供給ノズル1Pの動作や当該動作に関係するディスペンス用ツールカセット2Pの動作の制御を行うディスペンス用ドライバ44とを備えている。
【0071】
さらに、ディスペンス用ツール制御部40は、メモリ部42、入出力部43、及びディスペンス用ドライバ44の夫々を互いに関係付けながら統括的な制御を行なう制御部の一例であるCPU41を備えている。このCPU41は、例えば、主制御部30の入出力部33からディスペンス用ツール制御部40の入出力部43に入力される制御動作の開始の信号に基づいて、メモリ部42から上記制御データを取り出すとともに、当該制御データに基づいてディスペンス用ドライバ44に上記制御動作を行わせるというような統括的な制御を行うことができる。また、CPU41は、ディスペンス用ドライバ44による上記制御動作が完了した場合には、入出力部43を通して主制御部30に制御動作の完了の信号を出力することでもって、主制御部30に上記制御が完了したことを認識させることが可能となっている。従って、ディスペンス用ツール制御部40においては、主制御部30からの上記動作制御の開始の信号(あるいは、動作制御の停止の信号であってもよい)の入力等、ディスペンス用ツール制御部40におけるディスペンス用ツールカセット2Pの動作の制御に、間接的には関係するものの直接的には関係しない上記信号の入力等を除いては、主制御部30の制御とは無関係の制御として、ディスペンス用ドライバ44による上記動作制御を行なうことが可能となっている。
【0072】
また、図11に示す部品実装用ツール制御部50、リフロー用ツール制御部60、及び、検査用ツール制御部70についても、ディスペンス用ツール制御部40と同様な構成を有している。
【0073】
具体的には、部品実装用ツール制御部50は、CPU51と、メモリ部52と、入出力部53と、実装用ドライバ54とを備え、部品実装工程を制御可能に構成されている。また、リフロー用ツール制御部60は、CPU61と、メモリ部62と、入出力部63と、リフロー用ドライバ64とを備え、リフロー工程を制御可能に構成されている。また、検査用ツール制御部70は、CPU71と、メモリ部72と、入出力部73と、検査用ドライバ74とを備え、検査用工程を制御可能に構成されている。
【0074】
なお、図11に示すように、主制御部30と、夫々のツール制御部40、50、60、及び70とは、例えば、図3に示すコネクター12を介して有線で互いに接続されているが、このような場合に代えて、無線で互いに接続されるような場合であってもよい。
【0075】
次に、このような部品実装基板生産装置201において、基板保持部24に供給されて保持された基板25に対して、上記夫々の工程を施し、部品実装基板を生産する場合における制御動作の手順を、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0076】
まず、図12に示すように、ステップS1において、カセット装着部23に装備されている複数のツールカセット2の種類が、主制御部30により認識される。具体的には、夫々のツール制御部40、50、60、及び70における夫々のメモリ部42、52、62、及び72に記憶されて保持されている上記ツールカセット2の種類(あるいはツール1の種類)の識別情報が、主制御部30に入力されることにより、主制御部30にて、上記識別情報に基づいて、どの種類のツールカセット2が、カセット装着部23にどのような配置にて配列されているかが認識される。当該認識結果は、例えば、主制御部30のメモリ部32に取り出し可能に記憶される。
【0077】
次に、図12のステップS2において、夫々のツールカセット2の動作により行なわれる夫々の工程の作業順序が主制御部30にて決定される。具体的には、主制御部30のメモリ部32に予め入力されて取り出し可能に記憶されている実装データ等が、主CPU31により取り出されるとともに、先の認識結果と照合されることでもって、上記順序の決定が行なわれる。決定された順序はメモリ部32に記憶される。
【0078】
次に、図12のステップS3において、上記ステップS2にて決定された順序に基づいて、1番目のツールカセット2として、例えば、ディスペンス工程用ツールカセット2Pが選択される。その後、ステップS4において、主制御部30の入出力部33から、ディスペンス工程用ツールカセット2Pに対する工程(作業)の開始信号が出力されて、当該開始信号がディスペンス用ツール制御部40に入出力部43を介して入力される。
【0079】
なお、主制御部30によるツールカセット2の選択後、主制御部30により、XYテーブル26による基板25の移動制御が行なわれて、上記選択されたツールカセット2のツール1と、基板25における作業位置である部品実装位置との、相対的な位置合わせが行なわれる。従って、ステップS4における工程の開始信号の出力は、この位置合わせが完了した後、あるいは、略完了したに等しい状態とされた後に行なわれる。
【0080】
当該開始信号の入力を受けたディスペンス用ツール制御部40においては、接合材供給ノズル1Pの動作制御が開始されて、基板25の上記部品実装位置への接合材の供給が行なわれ、接合電極17が形成される(ステップS5)。なお、このような選択されたツールカセット2による工程の実施の際において、例えば、ツール1と基板25との相対的に移動が必要な場合にあっては、主制御部30とツール制御部との間にて、信号の受渡しが行われて、主制御部により、XYテーブル26による基板25の移動制御が行なわれる。
【0081】
その後、接合電極17の形成動作が完了して、ディスペンス工程が完了すると、ディスペンス用ツール制御部40より主制御部30に、作業(工程)完了信号が出力される(ステップS6)。
【0082】
上記作業完了信号を受けた主制御部30においては、基板25に対するディスペンス工程が完了したことを認識するとともに、メモリ部32に記憶されている上記作業順序決定データが主CPU31により取り出されて、次の作業(工程)の有無、すなわち、次に選択すべきツールカセット2があるかどうかが確認される(ステップS7)。
【0083】
次に選択すべきツールカセット2がある場合には、ステップS8において、そのツールカセット2、例えば、部品実装工程用ツールカセット2Qが選択される。その後、選択されたツールカセット2と主制御部30との間で、上記ステップS4からS7までの作業か繰り返して行なわれる。例えば、部品実装工程用ツールカセット2Qが選択された場合には、部品実装用ツール制御部50により基板25に対して部品実装工程が行なわれる。その後、リフロー工程用ツールカセット2Rが選択されて、リフロー用ツール制御部60により基板25に対してリフロー工程が行なわれる。さらにその後、検査工程用ツールカセット2Sが選択されて、検査用ツール制御部70により基板25に対して検査工程が行なわれる。なお、ステップS7において行なわれる次のツールカセット2の選択の判断、及びステップS8において行なわれる次のツールカセット2の選択の夫々においては、1度選択されたツールカセット2もその選択の対象とされて、上記1度選択されたツールカセット2が再び選択されるような場合であってもよい。同じツールカセット2により繰り返し同じ工程を行なう場合もあるからである。
【0084】
一方(あるいはその後)、ステップS7において、次に選択すべきツールカセット2がないと判断された場合には、部品実装基板生産装置201における夫々の工程が終了したものと判断されて終了する。
【0085】
次に、部品実装基板生産装置201へのツールカセット2の装備例について、いくつかの実施例を挙げて説明する。
【0086】
まず、当該装備例にかかる第1の実施例を図13(A)の模式説明図、及び図13(A)に示すツールカセット2の組み合わせを有する部品実装基板生産装置201において行なわれる工程のフロー図を図13(B)に示す。図13(A)及び(B)に示すように、部品実装基板生産装置201には、ディスペンス工程用ツールカセット2Pと、2台の部品実装工程用ツールカセット2Qと、検査工程用ツールカセット2Sとの合計4台のツールカセット2が装備されている。
【0087】
このような場合にあっては、ディスペンス工程用ツールカセット2Pにより、基板25における夫々の部品実装位置に接合電極17を形成した後、2台の部品実装工程用ツールカセット2Qにより、順次、部品18と、部品18とは別の種類の部品19を、接合電極17を介して基板25に実装して、さらにその後、検査工程用ツールカセット2Sにより、基板25における部品18及び部品19の実装状態の検査を行なうことができる。従って、基板25に複数の種類の部品を実装するような場合に、夫々の実装される部品の種類に応じた部品実装工程を行ない得る部品実装工程用ツールカセット2Qを、必要な数量だけ装備させることで、当該部品実装に対応することができ、様々な形態の部品実装に対応することができる。
【0088】
なお、本第1の実施例の部品実装基板生産装置201においては、図10(A)に示す部品実装基板装置201が装備して備えるリフロー工程用ツールカセット2Rを取り外して、この取り外されたツールカセット2とは別の種類のツールカセット2である部品実装工程用ツールカセット2Qを装備させることにより、上述のような夫々のツールカセット2の装備構成を実現することができる。すなわち、図10(A)に示す部品実装基板生産装置201が、既に装備されている夫々のツールカセット2と別の種類(同じ種類であってもよい)のツールカセット2を交換装備可能に待機させて備えていることにより、上述のような交換装備を行なうことができ、生産される部品実装基板の機種切替え等に柔軟に対応することができる。
【0089】
次に、第2の実施例を図14(A)の模式説明図、及び図14(A)に示すツールカセット2の組み合わせを有する部品実装基板生産装置201において行なわれる工程のフロー図を図14(B)に示す。図14(A)及び(B)に示すように、部品実装基板生産装置201には、ディスペンス工程用ツールカセット2Pと、部品実装工程用ツールカセット2Qと、検査工程用ツールカセット2Sとの合計3台のツールカセット2が装備されている。
【0090】
このような場合にあっては、ディスペンス工程用ツールカセット2Pにより、基板25における夫々の部品実装位置に接合電極17を形成した後、部品実装工程用ツールカセット2Qにより、部品18を接合電極17を介して基板25に実装して、さらにその後、接合電極17をリフローさせることなく、検査工程用ツールカセット2Sにより、基板25における部品18のリフロー前の実装状態の検査を行なうことができる。
【0091】
また、第3の実施例を図15(A)の模式説明図、及び図15(A)に示すツールカセット2の組み合わせを有する部品実装基板生産装置201において行なわれる工程のフロー図を図15(B)に示す。図15(A)及び(B)に示すように、部品実装基板生産装置201には、ディスペンス工程用ツールカセット2Pと、部品実装工程用ツールカセット2Qと、検査工程用ツールカセット2Sとの合計3台のツールカセット2が装備されている。
【0092】
このような場合にあっては、ディスペンス工程用ツールカセット2Pにより、基板25における夫々の部品実装位置に接合電極17を形成した後、部品19の実装を行なう前に、検査工程用ツールカセット2Sにより、基板25における接合電極17の形成状態の検査を行うことができる。さらにその後、当該検査が行われた接合電極17を介しての部品19の実装を、部品実装工程用ツールカセット2Qにより行なうことができる。すなわち、検査工程用ツールカセット2Sを、部品19の実装状態の検査用として用いるだけでなく、接合電極17の形成状態の検査等、様々な検査に対しても用いることができる。
【0093】
次に、部品実装基板生産装置201において、装備された複数種類のツールカセット2により、夫々の工程(作業)が成される場合におけるその作業時間の短縮化を図る手法について説明する。
【0094】
例えば、図16(A)の模式説明図に示すように、部品実装基板生産装置201が、ディスペンス工程用ツールカセット2Pと、2台の部品実装工程用ツールカセット2Qと、リフロー工程用ツールカセット2Rと、検査工程用ツールカセット2Sとの合計5台のツールカセット2を装備して、これらのツールカセット2により夫々の工程が順次実施される場合を例として説明する。また、図16(A)に示すように、ディスペンス工程用ツールカセット2Pにより実施されるディスペンス工程に要する時間を12秒とし、夫々の部品実装工程用ツールカセット2Qにより実施される部品実装工程に要する時間を、夫々4秒とし、リフロー工程用ツールカセット2Rにより実施されるリフロー工程に要する時間を10秒とし、検査工程用ツールカセット2Sにより実施される検査工程に要する時間を2秒とする。すると、図16(A)における部品実装基板生産装置201にて、夫々の工程を実施して、部品実装基板を生産するのに要する合計の作業時間は、夫々の工程に要する作業時間の合計となって、32秒となる。
【0095】
一方、図16(B)に示すように、夫々のツールカセット2を2台の部品実装基板生産装置201及び202に分けて装備させた場合について考える。部品実装基板生産装置201に、ディスペンス工程用ツールカセット2Pと、2台の部品実装工程用ツールカセット2Qとを装備させ、部品実装基板生産装置202に、リフロー工程用ツールカセット2Rと検査工程用ツールカセット2Sとを装備させる。さらに、夫々の部品実装基板生産装置201と202との間に基板の搬送を行う基板搬送装置203を備えさせて、部品実装基板生産装置201にて夫々の工程が施された後、基板搬送装置203により基板が部品実装基板生産装置202に搬送されて、部品実装基板生産装置202にて夫々の工程が施されることとなる。なお、この部品実装基板生産装置202における夫々の工程の実施の際に、部品実装基板生産装置201においては、新たな次の基板が供給されて、上記夫々の工程が行なわれることとなる。
【0096】
このような場合にあっては、部品実装基板生産装置201においては、合計20秒の作業時間を要し、部品実装基板生産装置202においては、合計12秒の作業時間を要することとなるが、両装置にて並行して上記夫々の工程が実施されることから、1枚の部品実装基板を生産するのに要する作業時間は、部品実装基板生産装置201の作業時間に制約されて、合計20秒とすることができる。従って、図16(A)のように、1台の部品実装基板生産装置201で全ての工程を実施する場合に比べて、作業時間の短縮化を図り、効率的な生産を行ない得る。ただし、このように2台の部品実装基板生産装置201及び202に、夫々のツールカセット2を分けて装備させるような場合にあっては、少なくとも、1台の部品実装基板生産装置に装備される夫々のツールカセット2は、連続して行なわれる工程を行ない得るものでなければならないことは言うまでもない。
【0097】
さらに、図16(C)に示すように、2台の部品実装基板生産装置201及び202における夫々のツールカセット2の装備区分を工夫し、部品実装基板生産装置201に、ディスペンス工程用ツールカセット2Pと、1台の部品実装工程用ツールカセット2Qとを装備させ、部品実装基板生産装置202に、もう1台の部品実装工程用ツールカセット2Qと、リフロー工程用ツールカセット2Rと、検査工程用ツールカセット2Sとを装備させるような場合であってもよい。
【0098】
このような場合にあっては、部品実装基板生産装置201における合計の作業時間が16秒となり、部品実装基板生産装置202における合計の作業時間が16秒となることより、1枚の部品実装基板の生産に要する作業時間を16秒とさらに短縮して、効率的な生産を行うことができる。
【0099】
次に、上述した部品実装工程用パーツカセット2Qの構造例について、図17に示す斜視図を用いて説明する。
【0100】
図17に示すように、部品実装工程用パーツカセット2Qは、チップ部品等の部品18を、多数収納する部品ケース81を備えている。部品ケース81内に収納されているばら状態の部品18は、図示しない通路を通って部品整列部84に、その自重によって流れ込むように構成されている。部品整列部84に設けられた磁石(図示せず)と、部品整列部84の回転運動によって、図示矢印の方向へ搬送された部品18は、整列したものから順に搬送通路85へと送り出され、自重と真空力によって搬送通路85の終端に位置する位置決め部86へ搬送されて位置決めされる。
【0101】
部品18の位置決め部86への到達の確認は、位置決め部86の近傍に設けられた図示しない光電センサによって行なわれる。当該到達が確認された部品18は、位置決め部86を通過するように昇降可能に設けられた吸着ノズル1Qによって吸着保持され、吸着ノズル1Qとともに下降されて、その下方に位置する基板25における部品実装位置に実装されるようになっている。
【0102】
このような構造及び機能を有する部品実装工程用ツールカセット2Qにおいては、ばら状態の部品18の整列搬送から基板25への実装まで、部品18の受け渡しを円滑に行なうことができ、また、ツールカセットというコンパクトな装置で行なうことができる。
【0103】
さらに、部品実装工程用パーツカセット2Qの別の構造例として、部品供給工程用パーツカセット90の斜視図を図18に示す。
【0104】
図18に示すように、部品供給工程用パーツカセット90は、上述のばら状態の部品ではなく、キャリアテープ91に収納されたいわゆるテープ状部品の供給を行なうことが可能となっている。部品供給工程用パーツカセット90は、キャリアテープ91を巻き回して収納するリール93を着脱可能かつ回転可能に装備するリール取付部92と、キャリアテープ91を位置決め部95にまで搬送する搬送用ローラ94とを備えている。搬送用ローラ94により搬送されたキャリアテープ91は、カバーテープが剥離されること等により、夫々の部品18が露出された状態で位置決め部95に搬送される。なお、位置決め部95にて吸着ノズル96により部品18が吸着保持されて、基板25に実装される動作については、部品実装工程用パーツカセット2Qと同様である。
【0105】
上記第2実施形態によれば、本発明にかかるワークに対してツールにより作業を施すという作業装置を、基板25に対して、吸着ノズル1Q等のツールにより、複数の部品18を実装して部品実装基板を生産する部品実装基板生産装置201に適用することができる。
【0106】
特に、部品実装基板の生産においては、1枚の基板25に対して、順次、複数の種類の工程が連続的に施されることにより、基板25から部品実装基板が生産されるという特徴を利用して、夫々の工程を行ない得るツールカセット2をカセット装着部23に装備させることにより、順次、各々のツールカセット2により夫々の工程を基板25に対して施し、部品実装基板の生産を可能としている。
【0107】
また、各々のツールカセット2には、その工程を制御するツール制御部40等が備えられ、夫々のツール制御部40等と、部品実装基板生産装置101の統括的な制御を行なう主制御部30との間で、情報の受渡しを可能としていることにより、制御的な側面から、夫々のツールカセット2の交換装備を可能としている。
【0108】
また、併せて、様々なツールカセット2が選択的に装備可能とされているにも拘らず、その工程に必要な動作制御は、各々のツール制御部40等にて実施可能であるため、主制御部30の構成及び機能をより簡単なものとすることができる。さらに、このようにすることで、主制御部30と夫々のツール制御部40等との間で受け渡される情報(信号等)を、夫々の工程の開始の信号あるいは完了の信号等とすることができる。従って、様々な工程を選択的に実施可能でありながら、主制御部30と夫々のツール制御部40等との間で受渡しが行なわれる信号量を低減させて、制御的に簡単な構成とすることができる。
【0109】
また、部品実装基板生産装置201において、部品実装基板を生産するための複数の工程を行うことができるディスペンス工程用ツールカセット2P、部品実装工程用ツールカセット2Q、リフロー工程用ツールカセット2R、及び検査工程用ツールカセット2Sの全てを、あるいは、その一部を選択的に装備させて、生産される部品実装基板の種類等に応じて、選択的にかつ適切な順序で、夫々のツールカセット2P、2Q、2R、2Sを動作させていくことにより、上記部品実装基板の種類に応じた工程を、順次実施することが可能となる。従って、より多様化された種類の部品実装基板の生産にも柔軟(フレキシブル)にかつ適切に対処することができ、効率的な生産を行うことが可能となる。
【0110】
また、装備させるパーツカセット2の交換や追加装備を容易に行なうことができるため、生産される部品実装基板の機種切替え等にも迅速かつ容易に対応することができる。
【0111】
また、部品実装基板生産装置201においては、基板25に対して複数の工程が実施されるにも拘らず、当該複数の工程を施すための基板25の搬送を不要とすることができるため、生産効率を向上させることができる。
【0112】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、夫々の有する効果を奏するようにすることができる。
【0113】
【発明の効果】
本発明の上記第1態様によれば、作業装置において、カセット装着部に複数のツールカセットが装備されており、ワークを保持するワーク保持部と上記カセット装着部との相対的な移動、すなわち、上記複数のツールカセットにおける夫々のツールと上記ワークとの相対的な移動が可能とされていることにより、上記夫々のツールにより上記ワークに対し複数の作業をその内容に応じて、柔軟に(フレキシブル)にかつ容易に行なうことができる。さらに、このような構成とすることで、複数の作業を行なうことが可能でありながらも、上記作業装置をコンパクトなものとすることができ、省スペース化を図ることができる。
【0114】
また、上記作業装置においては、上記ワークに対して複数の作業が行なわれるのも拘らず、これらの上記作業を施すための上記ワークの搬送を不要とすることができるため、作業効率を向上させることができる。
【0115】
本発明の上記第2態様によれば、上記夫々のツールカセットを上記カセット装着部に入れ替え自由に脱着可能であることにより、上記ワークの種類に応じて、上記パーツカセットを選択し、当該作業内容に最も効率のよい配列で上記選択された夫々のパーツカセットを装備させて、上記ワークに対する作業を行なうことができる。
【0116】
本発明の上記第3態様によれば、上記ツールカセットの下方に配置される上記ワークに対して、効率的に作業を施すことができる位置である上記ツールカセットの下部を、上記ツールの装備位置とし、当該下部以外の部分で、上記パーツカセットを上記カセット装着部に取り付けるという構成を採用することにより、上記ツールと上記カセット装着部への取付部との干渉を防止することができる。
【0117】
また、上記ワーク上面のクリアランスを上記ツールカセットの下面のみで決定することができるので、上記ワーク上面に凸部が存在しても、そのようなワークに適したツールカセットを用意すれば、干渉の心配をなくすことができる。
【0118】
本発明の上記第4態様によれば、上記各々のツールの動作を制御可能なツール制御部が、上記夫々のツールカセットに備えられ、上記相対的な移動動作を制御可能であるとともに、上記夫々のツール制御部による上記ツールの制御動作を選択的に開始させる主制御部が、作業装置側に備えられていることにより、上記主制御部を、上記ワークに対する夫々の作業内容の種類に拘りなく、共通な制御である上記相対的な移動の制御に限り、さらに、上記夫々の作業内容の種類により異なる上記ツールの動作制御を上記ツールカセットに備えられた上記ツール制御部により行う構成とすることができる。従って、上記ワークに対する作業の種類に応じて、機械的な構成である上記ツールと、制御的な構成である上記ツールカセットとを、上記ツールカセットの交換装備により、選択的に装備させることができる。よって、様々な作業内容に対しても、柔軟にかつ容易に対応することができる。また、上記主制御部は、上記ツール制御部の制御に関しては、動作の開始の支持機能を備えさせているだけであることにより、上記主制御部の構成を簡単なものとすることができる。
【0119】
本発明の上記第5態様によれば、上記夫々のツール制御部は、上記主制御部の制御とは無関係の制御として、上記ツールの動作制御を行うことができることより、様々な構造や機能を有する上記ツールの動作制御に容易に対応することができ、上記ワークに対して実施する作業内容の自由度を向上させることができる。
【0120】
本発明の上記第6態様によれば、上記夫々のツール制御部が情報伝達部を備えることにより、上記主制御部より出力される上記動作制御の開始信号を上記情報伝達部を通して入力し、当該開始信号に基づいて、上記ツールの動作制御を開始可能であるとともに、上記ツールの動作制御の完了信号を上記情報伝達部を通して上記主制御部に出力し、上記主制御部にて当該完了信号に基づいて、別のツールカセットの上記ツール制御部に、上記開始信号の出力を行うことができる。これにより、上記主制御部と上記夫々のツール制御部との間で受渡しが行なわれる信号を、上記開始信号や上記完了信号というように、情報伝達量を低減させることを可能としながら、上記夫々の態様による効果を得ることができる。
【0121】
本発明の上記第7態様によれば、上記主制御部が、上記夫々のツールカセットによる上記ワークに対する作業の順序を決定可能であり、当該決定された順序に基づいて上記夫々のツール制御部に上記動作制御の開始信号を順次出力することにより、上記夫々のツールカセットによる上記ワークへの作業を順次実施していくことを可能とすることができる。
【0122】
本発明の上記第8態様によれば、上記夫々のツール制御部が、各々が備える上記ツールの種類の識別信号を上記主制御部に出力可能であることにより、上記主制御部にて確実に、上記夫々のツールの種類、及び上記夫々のツールカセットの配置を認識することができ、上記夫々の作業を適切に上記ワークに対して実施することができる。また、このようにすることで、行なわれる作業に適した上記ツールが装備されているかどうかの確認を容易にすることができるとともに、上記主制御部があらゆる種類の上記ツールに関する情報を保持しておく必要を無くすことができ、取り扱い性を良好なものとすることができる。
【0123】
本発明の上記第9態様によれば、上記ワークに対する、穴開けや切断、溶融といった加工作業を行うことができる。
【0124】
本発明の上記第10態様によれば、上記ワークに対する、接着剤の塗布や部品の装着(実装)、挿入、印字といった装填物の付加作業を行なうことができる。
【0125】
本発明の上記第11態様によれば、上記ワークに対する、配置された部品の調整を目的としたネジ締め、ボリューム調整といった当該部品の回転移動作業を行なうことができる。
【0126】
本発明の上記第12態様によれば、上記ワークに対する、画像認識、接触テストといった検査作業を行なうことができる。
【0127】
本発明の上記第13態様によれば、互いに異なる工程を行なう第1のツールカセットと第2のツールカセットとを備え、上記第1のツールカセットが備える第1のツール制御部と、上記第2のツールカセットが備える第2のツール制御部とのいずれかの上記ツール制御部を、主制御部が選択してその動作制御を開始可能とさせることにより、上記夫々のツールカセットが備える夫々のツールにより、上記ワークに対し夫々の工程をその内容に応じて、柔軟に(フレキシブル)にかつ容易に行なうことができる。さらに、このような構成とすることで、複数の工程を行なうことが可能でありながらも、上記作業装置をコンパクトなものとすることができ、省スペース化を図ることができる。
【0128】
本発明の上記第14態様によれば、上記夫々の工程が、部品実装基板が生産されるときの複数の工程のうちのいずれかの工程であって、上記第1のツールカセット及び上記第2のツールカセットにより上記いずれかの工程が実施可能とされていることにより、1枚の基板に対して、順次、複数の種類の工程が施されることにより、上記基板から部品実装基板が生産されるという部品実装における特徴を利用して、上記各々のツールカセットにより夫々の工程を上記基板に対して施し、部品実装基板の生産を可能とすることができる。
【0129】
本発明の上記第15態様によれば、上記選択されたいずれかのツールカセットと別の種類のツールカセットを、上記カセット装着部に装備可能に待機して備えることにより、上記生産される基板の種類あるいは上記施される工程の内容に応じて、適切なツールカセットを上記別の種類のツールカセットの中より選択して交換装備させることができる。従って、より多様な種類の部品実装基板の生産に柔軟にかつ容易に対応することができる作業装置を提供することができる。
【0130】
本発明の上記第16態様によれば、特に、上記選択される夫々のツールカセットにより行なわれる工程が、上記部品実装基板の生産における工程のうちの連続した工程であることにより、上記夫々の態様による効果を顕著なものとすることができる。
【0131】
本発明の上記第17態様又は上記第18態様によれば、上記選択される夫々のツールカセットが、接合材供給工程用のツールカセット、又は部品実装工程用のツールカセットであること、さらに、検査工程用のツールカセットをも併せて装備されることにより、上記部品実装基板の生産を有効に行なうことができる。
【0132】
本発明の上記第19態様によれば、上記カセット装着部を固定して、上記ワーク保持部を移動させるため、動力を気にすることなく、上記カセット装着部に上記ツールカセットを多数装備させることができたり、大重量の上記ツールカセットを装備させたりすることができる。従って、より様々な工程を行なうことができる上記ツールカセットを装備して、様々な機種の部品実装基板の生産に対応することができる。
【0133】
本発明の上記第20態様によれば、工具を要することなく、上記カセット装着部への上記ツールカセットの脱着を行なうことができるため、上記ツールカセットの交換等のための脱着を、容易かつ短時間で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる作業装置の斜視図である。
【図2】 上記第1実施形態の作業の斜視図である。
【図3】 図1の作業装置に装備されるツールカセットの斜視図である。
【図4】 図1の作業装置のカセット装着部の要部拡大図である。
【図5】 ツールが加工装置であるツールカセットの斜視図である。
【図6】 ツールが装填物の付加装置であるツールカセットの斜視図である。
【図7】 ツールが回転移動装置であるツールカセットの斜視図である。
【図8】 ツールが検査装置であるツールカセットの斜視図である。
【図9】 本発明の第2実施形態にかかる部品実装基板生産装置の半透過斜視図である。
【図10】 (A)は、上記第2実施形態の部品実装基板生産装置が備えるツールカセットを模式的に示す模式説明図であり、(B)は、(A)に示す組み合わせのツールカセットにより行なわれる工程のフロー図である。
【図11】 上記部品実装基板生産装置における制御構成を示す制御ブロック図である。
【図12】 上記部品実装基板生産装置における制御動作の手順を示すフローチャートである。
【図13】 (A)は、上記部品実装基板生産装置におけるツールカセットの装備パターンの一例(第1の実施例)を示す模式説明図であり、(B)は、(A)に示す組み合わせのツールカセットにより行なわれる工程のフロー図である。
【図14】 (A)は、上記装備パターンの別の例(第2の実施例)を示す模式説明図であり、(B)は、(A)に示す組み合わせのツールカセットにより行なわれる工程のフロー図である。
【図15】 (A)は、上記装備パターンのさらに別の例(第3の実施例)を示す模式説明図であり、(B)は、(A)に示す組み合わせのツールカセットにより行なわれる工程のフロー図である。
【図16】 上記部品実装基板生産装置における作業時間を説明するための模式説明図であり、(A)は1台の装置にツールカセットを装備させた場合を示し、(B)は2台の装置に分割してツールカセットを装備させた場合を示し、(C)は2台の装置に装備させた場合のさらに別の例である。
【図17】 部品実装工程用ツールカセットの斜視図である。
【図18】 別の例にかかる部品実装工程用ツールカセットの斜視図である。
【符号の説明】
1…ツール、1P…接合材供給ノズル、1Q…吸着ノズル、1R…レーザヘッド、1S…撮像ヘッド、2…ツールカセット、2P…ディスペンス工程用ツールカセット、2Q…部品実装工程用ツールカセット、2R…リフロー工程用ツールカセット、2S…検査工程用ツールカセット、3…カセット装着部、4…ワーク保持部、5…ワーク、6…筐体、7…駆動手段、8…制御手段、10…スライダー、11…スライダー溝、12…コネクター、13…装填物、14…被調整体、15…X方向移動装置、16…Y方向移動装置、17…接合電極、18…部品、19…部品、23…カセット装着部、24…基板保持部、25…基板、26…XYテーブル、30…主制御部、31…主CPU、32…メモリ部、33…入出力部、34…XY移動用ドライバ、40…ディスペンス工程用ツール制御部、41…CPU、42…メモリ部、43…入出力部、44…ディスペンス用ドライバ、50…部品実装工程用ツール制御部、51…CPU、52…メモリ部、53…入出力部、54…実装用ドライバ、60…リフロー工程用ツール制御部、61…CPU、62…メモリ部、63…入出力部、64…リフロー用ドライバ、70…検査工程用ツール制御部、71…CPU、72…メモリ部、73…入出力部、74…検査用ドライバ、101…作業装置、201及び202…部品実装基板生産装置。
Claims (2)
- 上下方向であるZ方向に往復移動することにより、ワークに対する工程を実施するツールと、上記ツールの上記往復移動の制御を行なうことで、上記ワークに対する上記工程の制御を行うツール制御部とを備えるツールカセットとして、
互いに異なる2つの上記工程のうちの一方の工程を行なう第1のツールと、上記第1のツールの上記制御を行う第1のツール制御部とを備える第1のツールカセットと、
他方の工程を行なう第2のツールと、上記第2のツールの上記制御を行う第2のツール制御部とを備える第2のツールカセットとを備え、
さらに、上記第1のツールカセットと上記第2のツールカセットとを脱着可能に装備するカセット装着部と、
上記カセット装着部に装備された上記夫々のツールにより上記夫々の工程を実施可能に、かつ、上記ワークを解除可能に保持するワーク保持部と、
上記Z方向に略直交する方向であり、かつ、互いに略直交する方向であるX方向とY方向とに、上記保持されたワークと上記装備された夫々のツールとを相対的に移動させる相対移動駆動装置と、
上記相対移動駆動装置による上記相対的な移動を制御可能であって、かつ、上記第1のツール制御部及び上記第2のツール制御部のうちのいずれか一方を選択して、当該選択されたツール制御部による上記ツールの制御を開始可能とさせる主制御部とを備え、
上記ワークは基板であって、上記夫々の工程は上記基板に複数の部品が実装された部品実装基板を生産するときの連続した複数の工程のうちの互いに連続した工程であり、
上記第1のツールカセットと上記第2のツールカセットは、上記基板に対して上記互いに連続した工程を行なうための複数の種類の上記ツールカセットの中から選択されたいずれかのツールカセットであって、
上記第1のツールと上記第2のツールとにより、上記互いに連続した工程が行なわれることにより、上記基板に上記夫々の部品を実装して上記部品実装基板を生産可能であることを特徴とする作業装置。 - 上記部品実装基板を生産するときの連続した複数の工程のうちの互いに連続した工程を行うための上記ツールカセットが装備された請求項1に記載の第1の作業装置および第2の作業装置と、
上記第1の作業装置にて上記互いに連続した工程が行われた上記基板を、上記第2の作業装置に搬送して、上記第2の作業装置にて上記互いに連続した工程を行わせる基板搬送装置とを備え、
上記第2の作業装置における上記互いに連続した工程は、上記第1の作業装置における上記互いに連続した工程にさらに連続する工程であることを特徴とする部品実装基板生産装置。
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