JP4002621B2 - 手術用観察装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外科手術の際に使用され、微小物体を立体的にビデオ観察する手術用観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、外科手術の際に使用される手術用観察装置として例えば特開平3−39711号公報には対物光学系が組込まれた対物鏡筒と、接眼光学系が組込まれた接眼鏡筒とが各々別体に設けられた構成の装置が示されている。
【0003】
また、上記特開平3−39711号公報、特開平4−166146号公報および東独特許DD259265A1には対物光学系の結像部に撮像素子を設置するとともに、術者等の頭部に取り付けるヘッドマウントディスプレイを設け、対物光学系の撮像素子で撮像した映像を術者等の頭部のヘッドマウントディスプレイによって観察する構成の装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成の特開平3−39711号公報の構成の装置では対物光学系が組込まれた対物鏡筒と、接眼光学系が組込まれた接眼鏡筒とが各々別体に設けられているので、この装置の使用時には術者は先ず対物鏡筒を観察位置に合わせた後、接眼鏡筒を所望の位置に動かして位置合わせする2回の位置合わせ作業が必要になる。そのため、使用前の装置の位置合わせ等のセッティング操作が二度手間になるので、操作性が悪い問題がある。
【0005】
また、上記特開平3−39711号公報、特開平4−166146号公報、及び東独特許DD259265A1等に開示されているようなヘッドマウントディスプレイを使用する構成の観察装置では手術中、術者の頭部には常にディスプレイ等が装着されている状態で保持されるので、術者にとっては大変煩わしい問題がある。特に、術者が頭部にヘッドマウントディスプレイ等を装着した状態で長時間の手術を行う場合には術者の負担が一層大きくなる問題がある。
【0006】
更に、上記各従来技術では、対物鏡筒と接眼鏡筒(ヘッドマウントディスプレイを含む)との間の相対的な位置関係を検出する手段が格別に設けられていないので、術者が観察視野を移動する操作が難しい問題がある。すなわち、上記各従来技術では、対物鏡筒と接眼鏡筒との位置関係が全く相関が取れていないため、術者が観察視野を移動する場合に対物鏡筒をどの方向に移動操作すれば所望の視野移動が行われるかを判断することが困難であり、手術の長時間化を招き、ひいては術者及び患者に対する負担を増大する問題がある。
【0007】
また、接眼鏡筒を覗く際の観察方向と、実際の作業方向との相関も格別に取られていないため、観察者(術者)にとっては観察像の立体感が不自然に感じることがあり、術者の負担をさらに増大させる問題がある。
【0008】
さらに、ヘッドマウントディスプレイを使用して手術する場合には、次のような問題もある。すなわち、ヘッドマウントディスプレイには処置部の周辺部位のみの狭い範囲の観察像が表示されている状態で保持されることが多いので、術者が手術作業中に術部全体の広範囲の視野を確認したり、鉗子等を交換する場合には、術者はヘッドマウントディスプレイと顔との間の隙間から広範囲の視野や、鉗子等の位置を確認するか、或いは術者以外の助手等の補助作業者が手動でヘッドマウントディスプレイの表示画面を直視モードに切り換えて確認する等の煩わしい作業が必要になる問題がある。
【0009】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、使用前の位置合わせ等のセッティング操作や、観察視野の移動時等の操作性が良く、術者の負担を軽減することができる手術用観察装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、対物レンズと結像レンズを有する光学系と、この光学系による観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像した観察像を表示する表示手段とを有する手術用観察装置において、前記光学系及び前記撮像手段が組込まれた鏡体部と、前記表示手段を有する表示部及び前記鏡体部を別体に支持する支持手段と、前記表示部の移動に伴い前記鏡体部を移動させる制御または前記表示部のみを移動させる制御を行う制御手段と、前記制御手段による制御を選択する信号を入力可能な入力手段と、を有することを特徴とする手術用観察装置である。
請求項2の発明は、前記入力手段は前記表示部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の手術用観察装置である。
請求項3の発明は、前記支持手段は、前記鏡体部を支持する鏡体部支持手段と、前記鏡体部支持手段の一部を共有して前記表示部を支持する表示部支持手段と、を有していることを特徴とする請求項1記載の手術用観察装置である。
請求項4の発明は、前記支持手段は前記鏡体部を移動可能に支持する鏡体部支持手段及び前記鏡体部支持手段と独立し前記表示部を移動可能に支持する表示部支持手段とからなり、前記表示部支持手段に設けられた表示部の位置を検出可能な位置検出手段と、前記位置検出手段の出力に応じ、前記表示部の移動量に応じて前記鏡体部の移動を行うように前記鏡体部支持手段を駆動制御可能な演算手段と、を更に有することを特徴とする請求項1記載の手術用観察装置である。
請求項5の発明は、前記位置検出手段は前記鏡体部と前記表示部の相対的位置を判別するための測定手段を有していることを特徴とする請求項4記載の手術用観察装置である。
【0011】
そして、上記構成により、鏡体部と、表示部とをそれぞれ相対的に移動させることにより、視野移動のために鏡体部を動かしても術者の観察位置及びアイポイントが変わらないようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施の形態の手術用観察装置全体の概略構成を示すものである。この手術用観察装置には移動可能な架台1が設けられている。この架台1の上端には操作アームユニット(支持手段)2が装着されている。
【0013】
この操作アームユニット2には複数の操作アーム、本実施の形態では5つのアーム3〜7が設けられている。ここで、第1アーム3の一端部は架台1の上端に鉛直方向の軸aを中心に回動可能に取り付けられている。さらに、第1アーム3の他端部には連結部材8を介して第2アーム4の一端部が鉛直方向の軸b及び水平方向の軸cを中心に回動可能に取り付けられている。
【0014】
また、第2アーム4の他端部には連結部材9の上端部が鉛直方向の軸dを中心に回動可能に取り付けられている。この連結部材9の下端部にはXY駆動装置10が取り付けられている。このXY駆動装置10には軸dと直交する平面上で直交する2方向、すなわちX方向およびY方向にそれぞれ駆動される図示しない可動部が設けられている。そして、このXY駆動装置10の図示しない可動部には第3アーム5を介して鏡体部11が取り付けられている。そのため、鏡体部11は3次元空間の所望の位置に設定することができる。
【0015】
また、連結部材9には第4アーム6の一端部が取り付けられている。この第4アーム6の他端部には第5アーム7の一端部が軸eを中心に回動可能に取り付けられている。さらに、第5アーム7の他端部には接眼鏡筒(表示部)12が軸fを中心に回動可能に取り付けられている。そのため、接眼鏡筒12は鏡体部11に対して相対的に移動可能に支持されている。
【0016】
また、手術用観察装置の鏡体部11には図2に示すように鏡筒13が設けられている。この鏡筒13の内部には左右の観察光路14,15と、左右の観察光路14,15に共通の対物レンズ16とが設けられている。ここで、対物レンズ16は鏡筒13内の最下端位置に配置されている。
【0017】
さらに、左側の観察光路14にはズーム(変倍)光学系17a、絞り機構18a、結像レンズ19aおよび撮像素子(撮像手段)20aが対物レンズ16側から順次配設されている。同様に、右側の観察光路15にはズーム光学系17b、絞り機構18b、結像レンズ19bおよび撮像素子20bが対物レンズ16側から順次配設されている。これにより、鏡筒13の内部に立体撮像光学系が構成されている。なお、鏡筒13の内部には照明光学系21(図4に示す)が装着されている。
【0018】
また、手術用観察装置の接眼鏡筒12には図3に示すように左右一対のディスプレイ(表示手段)22a,22bが内蔵されているとともに、左右一対の接眼レンズ23a,23bが配設されている。ここで、左側の接眼レンズ23aの光軸上には左側のディスプレイ22a、右側の接眼レンズ23bの光軸上には右側のディスプレイ22bがそれぞれ配設されている。
【0019】
さらに、この接眼鏡筒12の外面には手掴み用のグリップ24が取り付けられている。このグリップ24には鏡体部11の移動機構部のロック状態と、ロック解除状態とを切換える押しボタンである第1のスイッチ25及び接眼鏡筒12の移動機構部のロック状態と、ロック解除状態とを切換える押しボタンである第2のスイッチ26がそれぞれ設けられている。
【0020】
また、第1のスイッチ25及び第2のスイッチ26は図5に示すように電磁ブレーキ制御部27に接続されている。この電磁ブレーキ制御部27は架台1に内蔵された制御ユニット28に設けられている。さらに、電磁ブレーキ制御部27には操作アームユニット2の軸a、軸b、軸c、軸d、軸e、及び軸fにそれぞれ内蔵された電磁ブレーキ29が接続されている。
【0021】
また、鏡体部11内の一対の撮像素子20a,20bは図4に示すように左右のプロセッサ30a,30bにそれぞれ接続されている。さらに、左側のプロセッサ30aは左側のディスプレイ22aに、また右側のプロセッサ30bは右側のディスプレイ22bにそれぞれ接続されている。ここで、左右のプロセッサ30a,30bはそれぞれ接続された撮像素子20a,20bの図示しない駆動回路、図示しない映像信号生成回路、及びこの映像信号生成回路からの映像信号に従い輝度レベルを算出する図示しない輝度算出回路で構成されている。
【0022】
また、左右のプロセッサ30a,30bは架台1に取り付けられた光源31にそれぞれ接続されている。この光源31には図示しない光量調整手段が内蔵されている。そして、左右のプロセッサ30a,30bからは光量調整手段に対して輝度信号を出力するようになっている。
【0023】
さらに、光源31には図示しない集光光学系が内蔵されている。この集光光学系の集光点にはライトガイド32の入射端面が設置されている。このライトガイド32の出射端は鏡体部11の照明光学系21に接続されている。
【0024】
また、架台1にはフットスイッチ(動き制御手段)33が接続されている。このフットスイッチ33にはジョイスティックスイッチ34、フォーカス(照準)スイッチ35及びズーム(変倍)スイッチ36がそれぞれ設けられている。
【0025】
さらに、架台1に内蔵された制御ユニット28には視野移動制御部37、フォーカス(照準)制御部38及びズーム(変倍)制御部39がそれぞれ設けられている。ここで、視野移動制御部37にはフットスイッチ33のジョイスティックスイッチ34と、鏡体部11をXY平面上で移動するXY駆動装置10とがそれぞれ接続されている。また、フォーカス制御部38にはフットスイッチ33のフォーカススイッチ35と、撮像素子20a,20bに結像される観察像のフォーカス位置を調整するフォーカス調整手段41とがそれぞれ接続されている。さらに、ズーム制御部39にはフットスイッチ33のズームスイッチ36と、鏡体部11内のズーム光学系17a,17bの図示しないレンズ群を駆動して撮像素子20a,20bに結像される観察像の拡大率を調整するズーム調整手段42とがそれぞれ接続されている。
【0026】
次に、上記構成の手術用観察装置の作用について説明する。本実施の形態の手術用観察装置の使用時には、まず、鏡体部11及び接眼鏡筒12を手術に適した位置に移動させる使用前のセッティング操作が行われる。ここで、術部を観察するのに適した位置に鏡体部11を移動する作業時には接眼鏡筒12のグリップ24の第1のスイッチ25がオン操作される。これにより、第1アーム3及び第2アーム4の各軸a〜dに設けられた各電磁ブレーキ29がフリーになるので、術者は鏡体部11を3次元空間の所望の位置に移動することができる。
【0027】
次に、術者が観察するために適した位置に接眼鏡筒12を移動する作業が行なわれる。この作業時には接眼鏡筒12のグリップ24の第2のスイッチ26がオン操作される。これにより、第4アーム6及び第5アーム7の各軸e、fに設けられた各電磁ブレーキ29がフリーになるので、術者は接眼鏡筒12を鏡体部11に対して所望の距離及び高さに移動した位置に設定することができる。
【0028】
このように鏡体部11及び接眼鏡筒12のセッティング操作の終了後、本実施の形態の手術用観察装置による術部の観察が行われる。この場合には、光源31が点灯される。この光源31から出射される照明光は図示しない集光光学系によりライトガイド32の入射端面に集光される。さらに、ライトガイド32を通して伝送された照明光は鏡体部11の鏡筒13内の照明光学系21に入射される。そして、この照明光学系21から外部に照射される照明光によって術部が均一に照明される。
【0029】
このとき、術部から反射された反射光は対物レンズ16により集光され、左右の観察光路14,15に観察像が入射される。そして、左側の観察光路14に入射された入射光はズーム光学系17aおよび絞り機構18aを経て結像レンズ19a側に導かれ、この結像レンズ19aにより撮像素子20aの撮像面に左側の観察像が結像される。同様に、右側の観察光路15に入射された入射光はズーム光学系17bおよび絞り機構18bを経て結像レンズ19b側に導かれ、この結像レンズ19bにより撮像素子20bの撮像面に右側の観察像が結像される。
【0030】
さらに、鏡体部11内の一対の撮像素子20a,20bの撮像面で結像された光学像は、左右の各撮像素子20a,20bにより電気信号に変換され、左右のプロセッサ30a,30bにそれぞれ伝達される。このとき、左右のプロセッサ30a,30bによって撮像素子20a,20bからの電気信号が映像信号に変換される。そして、左側のプロセッサ30aから出力される映像信号は左側のディスプレイ22aに入力され、同様に右側のプロセッサ30bから出力される映像信号は右側のディスプレイ22bに入力される。
【0031】
従って、左右のディスプレイ22a,22bには術部の左右の映像がそれぞれ表示されるので、術者は左右のディスプレイ22a,22bの表示映像を左右の接眼レンズ23a,23bにより拡大して観察することができる。また、術者は一対のディスプレイ22a,22bの映像を左右の目で各々観察することにより、術部の映像を立体的に認識することができる。すなわち、術者は接眼鏡筒12の左右の接眼レンズ23a,23bを覗き込むことにより、術部の立体映像を認識することができる。
【0032】
また、術部の観察中に術者が術部の映像の視野移動・フォーカス(照準)調整及びズーム(変倍)調整等の作業を行いたい場合には、フットスイッチ33のジョイスティックスイッチ34・フォーカススイッチ35及びズームスイッチ36がそれぞれ操作される。これにより、所望の観察視野・フォーカス調整・観察倍率を選択することが可能である。
【0033】
さらに、術者が視野を大きく移動したい場合には、グリップ24の第1のスイッチ25がオン操作される。これにより、操作アームユニット2の軸a〜軸dの各電磁ブレーキがフリーになるため、第1アーム3及び第2アーム4を大きく移動することができるので、第1アーム3及び第2アーム4の移動にともない観察視野を容易に大きく移動することができる。
【0034】
また、光源31に内蔵された図示しない光量調整手段に対して左右のプロセッサ30a,30bから図示しない輝度算出回路により輝度信号が出力されている。そして、左右のプロセッサ30a,30bから出力される輝度信号に対して最適な光量になるように光量調整手段により光源31が制御される。
【0035】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、架台1の上の操作アームユニット2によって接眼鏡筒12を鏡体部11に対して相対的に移動可能に支持させたので、術者の任意の観察位置で術部の立体観察が可能となる。そのため、ヘッドマウントディスプレイを使用する場合のようにモニターを術者の頭部に装着する必要がないので、術者に対する負担が大幅に軽減される。
【0036】
また、撮像手段である鏡体部11と観察手段である接眼鏡筒12とが各々独立して操作可能であり、自由度も高いため、術者の体格によらず楽な姿勢で観察を行うことができる。
【0037】
更に、鏡体部11による観察位置を変更する場合、XY駆動装置10を用いることにより、撮像手段である鏡体部11のみを接眼鏡筒12とは独立して移動することが可能であるため、術者は接眼鏡筒12による観察位置を変えることなく術部の視野移動が可能である。
【0038】
更に、本実施の形態によれば、観察像の明るさを光源31の光量により調整しているため、絞り調整による焦点深度の変化がなく、画質も最適な状態に保たれ、非常に観察しやすい立体像を得ることができる。そのため、術者は観察において負担が少ない。
【0039】
なお、本実施の形態では、観察像の明るさを光源31の光量により調整しているが、撮像手段である鏡体部11の撮像素子20a,20bの感度を調整して観察像の明るさを調整しても良い。同様に、プロセッサ30a,30bによる映像信号の輝度レベルを一定に保つ増幅回路、即ちオートゲインコントロール回路を用いても良い。この場合、感度を上げると観察像が劣化するため、一定のレベル以上の感度アップが必要な場合には自動的に撮像光学系の絞り18a,18bを開ける手段を設けても良い。
【0040】
この変形例によると、光源31の光量を調整する場合に比べ、比較的安価で容易に実現可能である。また、応答速度を考慮すると、反応が早いため、観察時の明るさ調整による違和感が生じない。
【0041】
また、眼科における手術のように術部に大きな光量を与えると網膜障害等のおそれがある場合には、光量に一定の上限値を設けておき、上限値を越える程度の光量が必要となった場合に自動的に鏡体部11に内蔵されている絞り18a,18bを開き、光量を上限値以下にするような機構を設けても良い。
【0042】
この変形例によると、一定以上の光量が患部に照射されるおそれがないため、特に眼科のように大きな光量を与えると問題があるような症例に適用する場合にも安全である。
【0043】
さらに、本実施の形態では鏡体部11に内蔵されている絞り18a,18bを一定に保ち、観察像の焦点深度を変えないようにする手段を述べたが、脳神経外科における手術のように高倍観察の多い場合は、観察倍率が高くなるに従って撮像光学系の絞り18a,18bを閉じ、焦点深度を深くするような構成としても良い。この変形例によると、術者は高倍観察時でも焦点深度の深い観察し易い像を得ることができる。
【0044】
また、図6乃至図8は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態の手術用観察装置は図6に示すように第1の実施の形態の撮像手段である鏡体部11を支持する鏡体部支持機構(支持手段)51と、図7に示すように観察手段である接眼鏡筒12を支持する接眼鏡筒支持機構(支持手段)52とをそれぞれ独立に設けたものである。なお、図6乃至図8中で、第1の実施の形態(図1乃至図5)と同一部分には、同じ番号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施の形態の鏡体部支持機構51には図6に示すように移動可能な架台53が設けられている。この架台53の上端には第1の操作アームユニット54が装着されている。
【0046】
この第1の操作アームユニット54には複数の操作アーム、本実施の形態では3つのアーム55〜57が設けられている。ここで、第1アーム55の一端部は架台53の上端に鉛直方向の軸aを中心に回動可能に取り付けられている。さらに、第1アーム55の他端部には連結部材58を介して第2アーム56の一端部が鉛直方向の軸b及び図6の紙面に垂直な水平方向の軸cを中心に回動可能に取り付けられている。
【0047】
また、第2アーム56の他端には第3アーム57の一端が図6の紙面に垂直な水平方向の軸dを中心に回動可能に取り付けられている。さらに、第3アーム57の他端には第1の実施の形態と同様の構成の鏡体部11が図6の紙面に垂直な水平方向の軸eを中心に回動可能に取り付けられている。
【0048】
なお、第1アーム55、第2アーム56、第3アーム57及び鏡体部11は、図示しないバランス機構により概略のバランスが取られている。さらに、第1の操作アームユニット54の各軸a〜eには図8に示す駆動モーター59a〜59e及び図示しないスリップ機構が内蔵されている。
【0049】
また、鏡体部11には第1の実施の形態と同様にライトガイド32の一端部が取り付けられている。このライトガイド32の他端部は架台53に設置された光源31に接続されている。
【0050】
さらに、架台53には第1の実施の形態と同一構成のフットスイッチ33が同様に接続されている。このフットスイッチ33にはジョイスティックスイッチ34、フォーカス(照準)スイッチ35及びズーム(変倍)スイッチ36がそれぞれ設けられている。
【0051】
また、接眼鏡筒支持機構52には図7に示すように床に設置されたベット60に固定されるベース部材61が設けられている。このベース部材61の上端には第2の操作アームユニット62が装着されている。
【0052】
この第2の操作アームユニット62には複数の操作アーム、本実施の形態では5つのアーム63〜67が設けられている。ここで、第1アーム63の下端部はベース部材61の上端に鉛直方向の軸fを中心に回動可能に連結されている。さらに、第1アーム63の上端部には第2アーム64の一端が図7の紙面に垂直な水平方向の軸gを中心に回動可能に取り付けられている。この第2アーム64の他端には第3アーム65の一端が図7の紙面に垂直な水平方向の軸hを中心に回動可能に接続されている。
【0053】
更に、第3アーム65の他端には第4アーム66の一端が図7の紙面に垂直な水平方向の軸iを中心に回動可能に取り付けられている。この第4アーム66の他端には第5アーム67の一端が鉛直方向の軸jを中心に回動可能に取り付けられている。また、第5アーム67の他端には第1の実施の形態と同様の構成の接眼鏡筒12が水平方向の軸kを中心に回動可能に取り付けられている。
【0054】
なお、第1アーム63、第2アーム64、第3アーム65、第4アーム66、第5アーム67及び接眼鏡筒12は、各々図示しないバランス機構により概略のバランスが取られている。さらに、第2の操作アームユニット62の各軸f〜kには各々図8に示す電磁ブレーキ68f〜68k及びエンコーダー69f〜69kが内蔵されている。
【0055】
また、接眼鏡筒12に連結されたグリップ24には第1のスイッチ70及び第2のスイッチ71がそれぞれ設けられている。
また、図8に示すように第1の操作アームユニット54の各軸a〜eに内蔵されている駆動モーター59a〜59eは架台53に内蔵されたモーター制御部72に各々接続されている。このモーター制御部72は架台53に内蔵された演算部73に接続されている。
【0056】
さらに、この演算部73にはフットスイッチ33のジョイスティックスイッチ34、第2の操作アームユニット62の各軸f〜kに内蔵されているエンコーダー69f〜69k,グリップ24の第1のスイッチ70,および架台53に内蔵されたブレーキ駆動部74がそれぞれ接続されている。また、ブレーキ駆動部74には第2の操作アームユニット62の各軸f〜kに内蔵されている電磁ブレーキ68f〜68kが接続されているとともに、グリップ24の第1のスイッチ70及び第2のスイッチ71が接続されている。
【0057】
次に、上記構成の本実施の形態の手術用観察装置の作用について説明する。本実施の形態の手術用観察装置の使用時には次の操作が行われる。はじめに術者は、鏡体部11に力を加えて鏡体部11を所望の位置に移動させ、術部を観察するのに適した位置に鏡体部11を大まかにセッティングする。このとき、鏡体部11を支持している第1の操作アームユニット54の各軸a〜eのスリップ機構がスリップすることにより、第1の操作アームユニット54の各アーム55〜57を鏡体部11の移動に追従させて移動させることができる。
【0058】
また、鏡体部11の大まかなセッティング後、続いてこの鏡体部11の詳細な位置合わせ及び観察倍率の設定が行われる。この作業は接眼鏡筒12または図示しないTVモニターを観察しながら、フットスイッチ33の各スイッチ34、35、36を操作することにより行われる。すなわち、ジョイスティックスイッチ34を操作することにより、第1の操作アームユニット54の各軸a〜eに内蔵されたモーター59a〜59eが駆動され、術者が所望する任意の位置に鏡体部11が移動される。この後、フォーカススイッチ35を操作することにより、鏡体部11に内蔵された図示しない照準機構が駆動され、観察点に照準が合わされる。更に、ズームスイッチ36を操作することにより、術者の所望の観察倍率に設定される。
【0059】
また、術者がグリップ24の第2のスイッチ71を操作することにより、ブレーキ駆動部74にスイッチ信号が伝達され、第2の操作アームユニット62の各軸f〜kの電磁ブレーキ68f〜68kが解除される。従って、術者はグリップ24を持った状態で、グリップ24の第2のスイッチ71を操作しながら観察鏡筒12を観察し易い所望の位置に移動し、設置することができる。このとき、術者が第2のスイッチ71から手を離すと、自動的に電磁ブレーキ68f〜68kがロックされ、観察鏡筒12はその位置に確実に固定される。
【0060】
次に、術者が鏡体部11を移動操作する場合には、グリップ24の第1のスイッチ70を操作する。この場合にはブレーキ駆動部74にスイッチ信号が伝達され、電磁ブレーキ68f〜68kが解除される。同時に、このスイッチ信号は演算部73にも伝達され、エンコーダー69f〜69kの値が演算部73に入力される。
【0061】
この状態で、術者がグリップ24を操作して観察鏡筒12を移動すると、演算部73はエンコーダー69f〜69kの値より観察鏡筒12を支持する第2の操作アームユニット62の各軸f〜kの回転量が演算され、観察鏡筒12がどの方向にどれだけ移動したかが算出される。この結果より、演算部73は鏡体部11を観察鏡筒12の観察方向に合わせるようにどれだけ第1の操作アームユニット54のアーム55〜57を移動すれば良いかを演算する。
【0062】
さらに、この演算結果をもとに、演算部73からはモーター制御部72にモーター駆動信号が出力される。このとき、モーター制御部72は、モーター駆動信号をもとに第1の操作アームユニット54の各軸a〜eに内蔵されたモーター59a〜59eを駆動して、鏡体部11を術者の任意の位置に移動する。
【0063】
また、術者が観察鏡筒12の位置だけを変更したい場合には、グリップ24の第2のスイッチ71を操作することにより、観察鏡筒12の位置のみを変更することができる。
【0064】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、第1の実施の形態の撮像手段である鏡体部11を支持する鏡体部支持機構51と、図7に示すように観察手段である接眼鏡筒12を支持する接眼鏡筒支持機構52とをそれぞれ独立に設け、接眼鏡筒12を鏡体部11に対して相対的に移動可能に支持させたので、第1の実施の形態と同様に術者の任意の観察位置で術部の立体観察が可能となる。そのため、視野移動のために鏡体部11を動かしても術者の観察位置及びアイポイントが変わらないので、術者の楽な姿勢で手術を行うことができ、術者の疲労を大幅に軽減することができる。
【0065】
さらに、ヘッドマウントディスプレイを使用する場合のようにモニターを術者の頭部に装着する必要がないので、術者に対する負担が大幅に軽減される。したがって、手術が効率的に行えるため、手術時間の短縮により患者の負担も大幅に軽減することができる。
【0066】
また、術者は観察鏡筒12のみの移動及び観察鏡筒12に連動して鏡体部11を移動する操作を適宜選択することができるので、操作性が高く、観察の自由度も高い立体観察手術装置を提供することができる。
【0067】
また、図9乃至図11は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態の手術用観察装置は図9に示すように第2の実施の形態と同様に第1の実施の形態の撮像手段である鏡体部11を支持する鏡体部支持機構81を設けるとともに、観察手段として図10に示すように術者82の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ83を設けたものである。なお、図9乃至図11中で、第1の実施の形態(図1乃至図5)及び第2の実施の形態(図6乃至図8)と同一部分には、同じ番号を付してその説明を省略する。
【0068】
本実施の形態の鏡体部支持機構81には図9に示すように移動可能な架台84が設けられている。この架台84の上端には操作アームユニット85が装着されている。
【0069】
この操作アームユニット85には複数の操作アーム、本実施の形態では3つのアーム86〜88が設けられている。ここで、第1アーム86の一端部は架台84の上端に鉛直方向の軸aを中心に回動可能に取り付けられている。さらに、第1アーム86の他端部には連結部材89を介して第2アーム87の一端部が鉛直方向の軸b及び図9の紙面に垂直な水平方向の軸cを中心に回動可能に取り付けられている。
【0070】
また、第2アーム87の他端部には連結部材90の上端部が鉛直方向の軸dを中心に回動可能に取り付けられている。この連結部材90の下端部にはXY駆動装置91が取り付けられている。このXY駆動装置91には軸dと直交する平面上で直交する2方向、すなわちX方向およびY方向にそれぞれ駆動される図示しない可動部が設けられている。そして、このXY駆動装置91の図示しない可動部には第3アーム88を介して鏡体部11が取り付けられている。そのため、鏡体部11は3次元空間の所望の位置に設定することができる。
【0071】
また、鏡体部11には照明光学系21(図4参照)が装着されているとともに、左右の超音波受信機92,93が設置されている。そして、照明光学系21にはライトガイド94の出射端が接続されている。さらに、ライトガイド94の入射端は架台84に取り付けられた光源95に接続されている。
【0072】
また、ヘッドマウントディスプレイ83には図10に示すように左右一対のディスプレイ96,96、各ディスプレイ96,96の前方に離間対向配置された固定ミラー97,97および術者82の左右の目98,98の前方に離間対向配置された可動ミラー99,99がそれぞれ設けられている。ここで、ヘッドマウントディスプレイ83の本体100には術者82の左右の目98,98と可動ミラー99,99との間を結ぶ直線上に窓101が設けられている。
【0073】
さらに、左右の可動ミラー99は軸hを中心に回動可能に取り付けられている。なお、軸hには図11の示すロータリーソレノイド102が取り付けられている。そして、このロータリーソレノイド102によって左右の可動ミラー99が図11中に実線で示すように術者82の左右の目98,98の前面に配置された使用位置と、同図中に点線で示すように術者82の左右の目98,98の前面から外れた位置に退避させた配置された非使用位置とに回動されるようになっている。
【0074】
また、このヘッドマウントディスプレイ83の本体100の前面上部の中心部には超音波信号を発信する超音波発信機103が設置されている。そして、この超音波発信機103から発信された超音波が鏡体部11の左右の超音波受信機92,93に受信されるようになっている。
【0075】
また、鏡体部11の左右の超音波受信機92,93は図11に示すように演算部104に接続されている。この演算部104は制御部105に接続されている。さらに、制御部105にはヘッドマウントディスプレイ83に内蔵されたロータリーソレノイド102及びXY駆動装置91がそれぞれ接続されている。
【0076】
次に、上記構成の本実施の形態の手術用観察装置の作用について説明する。本実施の形態の手術用観察装置の使用時には術者82の頭部にヘッドマウントディスプレイ83が装着される。この状態で、ヘッドマウントディスプレイ83の超音波発信機103からは超音波が出力される。
【0077】
この超音波発信機103から出力された超音波は鏡体部11の左右の超音波受信機92,93に受信される。このとき、超音波受信機92,93は受信した超音波を演算部104に入力される。この演算部104では位相のズレから図11に示すように発信機103と左側の受信機92との間の距離L1 と、発信機103と右側の受信機93との間の距離L2 と、および発信機103を中心とする左右の超音波受信機92,93間のなす角θとがそれぞれ演算される。
【0078】
このとき、演算部104で演算された値が、
L1 >Lmax かつ L2 >Lmax
である場合は、θの値に関係なく制御部105にロータリーソレノイド102を駆動する信号が出力される。そのため、左右の可動ミラー99,99は図10中に点線で示す非使用位置に設定される。この状態では術者82は、ヘッドマウントディスプレイ83の窓101から肉眼像を得ることができる。そして、術者82は、この状態で鏡体部11を術部の適切な位置に移動する。
【0079】
次に、術者82が鏡体部11に接近し、
Lmax >L1 かつ Lmax >L2 かつ θ>θmin
の状態になると、演算部104からは制御部105にロータリーソレノイド102の駆動を停止する信号が出力される。そのため、左右の可動ミラー99,99は図10中に実線で示す使用位置に設定される。このとき、鏡体部11の一対の撮像素子20a,20b(図2参照)で撮像された術部の観察像は左右のディスプレイ96,96に表示されている。そのため、術者82は、左右のディスプレイ96,96に表示されている術部の観察像の映像を固定ミラー97,97及び可動ミラー99,99を介して観察することにより、術部の立体映像を観察することができる。
【0080】
また、例えば術者82が横を向き、鏡体部11の左右の超音波受信機92,93に受信される超音波のエネルギーが低くなった場合には、演算部104はL1 ・L2 の値に関係なく制御部105にロータリーソレノイド102を駆動する信号を出力する。従って、この場合には術者82はヘッドマウントディスプレイ83の窓101から肉眼像を得ることができる。
術者82はこの状態で鉗子の交換等を行う。
【0081】
また、例えば術者82が体を前方向に動かし、
Lmin >L1 または Lmin >L2
の状態になった場合には、θの値に関係なく制御部105にロータリーソレノイド102を駆動する信号が出力される。この場合には、術者82はヘッドマウントディスプレイ83の窓101から肉眼像を目視させることにより、鏡体部11に接近しすぎている状態を知らせることができる。
【0082】
更に、術者が前後左右に体を動かし、
L1 :L2 ≒1 かつ Lmin <L1 <Lshort
の状態になった場合には、XY駆動装置91の可動部を術者82からみて前方へ駆動する。
【0083】
逆に、
L1 :L2 ≒1 かつ Lmax >L1 <Llong
の状態になった場合には、XY駆動装置91の可動部を術者82からみて後方へ駆動する。
【0084】
更に、左右のディスプレイ96,96に術部の立体像が表示されている条件で、
L1 /L2
があらかじめ設定された値よりも大きい場合には、XY駆動装置91の可動部を術者82からみて右方向に駆動する。
【0085】
逆に、
L2 /L1
があらかじめ設定された値よりも大きい場合には、XY駆動装置91の可動部を術者82からみて左方向に駆動する。
【0086】
なお、これまでに示したLmax ,Lmin ,Lshort ,Llong,θmin の値は、あらかじめ設定された値であり、使用者が以下の条件下で任意に設定しても良い。
Lmax >Llong>Lshort >Lmin
また、実際にXY駆動装置91を駆動する前に、左右のディスプレイ96,96上に駆動方向をスーパーインポーズさせて、術者82に駆動方向を表示しても良い。
【0087】
このように本実施の形態によれば、術者82がヘッドマウントディスプレイ83を頭部に装着した状態でも、手術を行う態勢以外では外部の状況が把握できるため、スムーズに手術を行うことができる。そのため、手術時間の短縮が可能であるので、術者82及び患者に対する負担が大幅に軽減される。
【0088】
さらに、鉗子等を選択する場合も、首を横に振るだけで容易に確認が可能であるため、手術の中断も最低限に押さえられる。また、本実施の形態では、XY駆動装置91との同調も行っているため、術者82の頭の動きのみでXY駆動装置91の操作入力が可能であり、操作入力の手間が大幅に簡略化される。
【0089】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
【0090】
記
(付記項1) 対物レンズと結像レンズを有する光学系と、この光学系による像を少なくとも一つの撮像素子で撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像した像を表示する像表示手段とを有する手術用観察装置において、前記光学系及び前記撮像手段を有する鏡体部と、この鏡体部とは別体に設けられた前記像表示手段を有する表示部と、前記鏡体部と前記表示部とのうち少なくとも一方の動きを任意に制御する動き制御手段と、を具備したことを特徴とする手術用観察装置。
【0091】
(付記項2) 付記項1記載の手術用観察装置であって、前記光学系の光束、及び撮像素子の数は複数個であり、立体観察が可能であることを特徴とする手術用観察装置。
【0092】
(付記項3) 付記項1記載の手術用観察装置であって、前記制御部は、前記鏡体部または前記表示部の移動方向、及び向きを指示する入力手段を有することを特徴とする手術用観察装置。
【0093】
(付記項4) 対物レンズと結像レンズを有する光学系と、この光学系による像を少なくとも一つの撮像素子で撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像した像を表示する像表示手段とを有する手術用観察装置において、前記撮像手段での像の明るさを、所定の明るさにする明るさ調整手段を具備したことを特徴とする手術用観察装置。
【0094】
(付記項5) 付記項4記載の手術用観察装置であって、前記明るさ調整手段は、前記撮像手段での像の明るさを検出する明るさ検出手段と、この明るさ検出手段からの信号に基づいて、光源の光量を調節する光量調節手段とからなることを特徴とする手術用観察装置。
【0095】
(付記項6) 付記項4、または付記項5記載の手術用観察装置であって、前記光学系の瞳位置には、絞り径可変の明るさ絞りが設けられていることを特徴とする手術用観察装置。
【0096】
(付記項4〜6の従来技術) 従来技術のように術者が接眼鏡筒のディスプレイ画面を観察する観察装置においては、観察像の焦点深度は対物光学系に設けられた絞りによって決定される。しかしながら、光学観察と同様に観察光量の調整を絞りによって行う場合には観察光量の調整操作に連動して観察像の焦点深度も変化する問題があるため、観察部位の変更に応じて観察光量を調整する度に焦点深度も変化することとになり、非常に観察しにくくなる問題がある。
【0097】
(付記項4〜6の目的) 術者が焦点深度等に対する違和感がなく使用できる手術用観察装置を提供することにある。
(付記項7) 複数の光束を有する光学系と、該複数の光束を一つ又は複数の撮像素子で撮像する撮像手段と、観察者の左右の眼に対応する各々の光束の撮影像を供給する表示手段とからなる手術用観察装置において、前記光学系及び前記撮像素子を内蔵する撮影部と前記表示手段を内蔵する表示部とが別体に設けられており、入力手段により前記撮影部及び前記表示部が一体又は別体に位置操作できる制御部を有したことを特徴とする手術用観察装置。
【0098】
(付記項8) 前記入力手段は、前記表示部に設けられていることを特徴とする付記項7に記載の手術用観察装置。
(付記項9) 前記撮影部の支持手段と前記表示部の支持手段は、一部を共有していることを特徴とする付記項7に記載の手術用観察装置。
【0099】
(付記項10) 前記撮影部の支持手段と前記表示部の支持手段は独立しており、前記表示部の支持手段に設けられた位置検出手段の出力に応じて、前記撮影部の支持手段を駆動する制御部を有したことを特徴とする付記項7に記載の手術用観察装置。
【0100】
(付記項11) 前記表示部は、ヘッドマウントディスプレイ又はフェイスマウントディスプレイであることを特徴とする付記項7に記載の手術用観察装置。
(付記項12) 前記撮影部と前記表示部の相対位置を判別するための測定手段を備えたことを特徴とする付記項7に記載の手術用観察装置。
【0101】
(付記項13) 前記測定手段は、超音波を用いることを特徴とする付記項12に記載の手術用観察装置。
(付記項14) 複数の光束を有する光学系と、該光学系の瞳位置に設けられた絞り径可変の明るさ絞りと、前記複数の光束を一つ又は複数の撮像素子で撮像する撮像手段と、観察者の左右の眼に対応する各々の光束の撮影像を供給する表示手段とからなる手術用観察装置において、前記明るさ絞りの絞り径によらず前記撮像手段により適正な明るさの映像信号が得られるべく調整手段を有することを特徴とする手術用観察装置。
【0102】
(付記項15) 前記調整手段は映像信号の輝度レベルを一定に保つ増幅回路であることを特徴とする付記項14に記載の手術用観察装置。
(付記項16) 前記調整手段は光源側に設けられた撮像素子への光量を一定に保つ光量調節手段であることを特徴とする付記項14に記載の手術用観察装置。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、視野移動のために鏡体部を動かしても術者の観察位置及びアイポイントが変わらないため、術者の楽な姿勢で手術を行うことができ、術者の疲労を大幅に軽減することができる。更に、入力手段によって制御手段による制御を選択する信号を入力し、制御手段によって表示部の移動に伴い鏡体部を移動させる制御または表示部のみを移動させる制御を行うことにより、術者が表示部のみの移動及び表示部に連動して鏡体部を移動する操作を適宜選択できるようにして、操作性が高く、観察の自由度も高くすることができる。そのため、手術が効率的に行えるため、手術時間の短縮により、患者の負担も大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における手術用観察装置全体の概略構成図。
【図2】 第1の実施の形態の手術用観察装置の鏡体部を示す概略構成図。
【図3】 第1の実施の形態の手術用観察装置の接眼鏡筒を示す概略構成図。
【図4】 第1の実施の形態の手術用観察装置の要部の概略構成図。
【図5】 第1の実施の形態における制御ユニットの接続状態を示す概略構成図。
【図6】 本発明の第2の実施の形態における手術用観察装置の鏡体部の支持機構を示す概略構成図。
【図7】 第2の実施の形態における手術用観察装置の接眼鏡筒の支持機構を示す概略構成図。
【図8】 第2の実施の形態における手術用観察装置の要部の概略構成図。
【図9】 本発明の第3の実施における形態の手術用観察装置の鏡体部の支持機構を示す概略構成図。
【図10】 第3の実施の形態における手術用観察装置のヘッドマウントディスプレイの装着状態を示す概略構成図。
【図11】 第3の実施の形態における手術用観察装置の要部の概略構成図。
【符号の説明】
2…操作アームユニット(支持手段)、11…鏡体部、12…接眼鏡筒(表示部)、16…対物レンズ、19a,19b…結像レンズ、20a,20b…撮像素子(撮像手段)、22a,22b…ディスプレイ(表示手段)、25,70…第1のスイッチ(動き制御手段)、26,71…第2のスイッチ(動き制御手段)、33…フットスイッチ(動き制御手段)、51…鏡体部支持機構(支持手段)、52…接眼鏡筒支持機構(支持手段)。
Claims (5)
- 対物レンズと結像レンズを有する光学系と、この光学系による観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像した観察像を表示する表示手段とを有する手術用観察装置において、
前記光学系及び前記撮像手段が組み込まれた鏡体部と、
前記表示手段を有する表示部及び前記鏡体部を別体に支持する支持手段と、
前記表示部の移動に伴い前記鏡体部を移動させる制御または前記表示部のみを移動させる制御を行う制御手段と、
前記制御手段による制御を選択する信号を入力可能な入力手段と、
を有することを特徴とする手術用観察装置。 - 前記入力手段は前記表示部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の手術用観察装置。
- 前記支持手段は、前記鏡体部を支持する鏡体部支持手段と、前記鏡体部支持手段の一部を共有して前記表示部を支持する表示部支持手段と、を有していることを特徴とする請求項1記載の手術用観察装置。
- 前記支持手段は前記鏡体部を移動可能に支持する鏡体部支持手段及び前記鏡体部支持手段と独立し前記表示部を移動可能に支持する表示部支持手段とからなり、前記表示部支持手段に設けられた表示部の位置を検出可能な位置検出手段と、
前記位置検出手段の出力に応じ、前記表示部の移動量に応じて前記鏡体部の移動を行うように前記鏡体部支持手段を駆動制御可能な演算手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1記載の手術用観察装置。 - 前記位置検出手段は前記鏡体部と前記表示部の相対的位置を判別するための測定手段を有していることを特徴とする請求項4記載の手術用観察装置。
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