JP4503748B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は手術用顕微鏡による術部の観察中に、他の画像情報を観察可能な手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、手術用顕微鏡を用いて微細な手術を行ういわゆるマイクロサージャリーおいては、より手術を低侵襲にすることを目的とし、手術中にさまざまな画像情報が用いられている。
【0003】
このような画像情報の1つに、手術用顕微鏡では観察できない部分を観察するための内視鏡や、組織内部の断層像を得るための超音波観測装置がある。さらには手術中の患者の神経の電位を計測するいわゆる神経モニター装置などの診断機器がある。このような画像情報を観察可能とするため、特開昭62−166310号公報および特開平10−333047号公報は、手術用顕微鏡観察下で内視鏡の画像等を観察可能にした手術用顕微鏡を開示する。
【0004】
また、顕微鏡には観察者による目の視力(屈折力)の違いを調整するいわゆる視度調整が必要であり、従来の視度調整技術は特開平7−281103号公報に記載されている。手術用顕微鏡においても手術毎にこの視度調整が行われている。
【0005】
一方、目の屈折力を測定する方法は特開平3−200914号公報に記載されている。これは、眼底に指標を投影し、眼底からの反射光を検出し、屈折力を測定するものであり、観察者ではなく患者の目の屈折力を測定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭62−166310号公報および特開平10−333047号公報に記載のような手術用顕微鏡では、顕微鏡観察と内視鏡観察とを同一視視野内で行うことが可能であるが、しかし、術部の領域内で内視鏡を移動させるときは、内視鏡画像の観察と合わせて、内視鏡で組織を損傷しないようにするために顕微鏡像上で内視鏡の先端を確認しながら行わなければならない。したがって、顕微鏡の視野は内視鏡画像にさえぎられないこと、換言すると、内視鏡画像が顕微鏡像上で小さく表示されることが望ましい。
【0007】
一方、内視鏡画像を見ながら処置等を行う場合は、内視鏡画像は十分な大きさである必要がある。また、術具の挿入や、術部の広範囲を監視するために、顕微鏡像による観察も必要である。すなわち、内視鏡画像が顕微鏡像上で大きく表示されることが望ましい。
【0008】
しかしながら、特開昭62−166310号公報および特開平10−333047号公報に記載の手術用顕微鏡では、内視鏡画像は顕微鏡視野に対して一定の位置および範囲に表示されている。このため、内視鏡を用いた手術において、内視鏡の移動操作と内視鏡画像を見ながらの処置との双方の要求を満足することは困難であり、内視鏡画像が邪魔になるか、あるいは、内視鏡画像が小さくスムーズに処置できないという点で不都合である。
【0009】
これにより、術者が手術作業に集中することは困難であり、術者の疲労が増大し、手術時間が延長されるといった問題を招いていた。
【0010】
また、超音波診断装置においても、プローブを移動させる場合と、超音波観察および超音波観察下で処置を行う場合に同様の問題があった。
【0011】
更に、手術用顕微鏡観察下で使用される内視鏡は、顕微鏡の死角部分の観察を目的としているため、挿入方向に対して異なる方向が観察可能ないわゆる斜視内視鏡が使用される。斜視内視鏡は、挿入方向を軸として回転させると顕微鏡の術野に対してどの方向を見ているの判断できなくなる。このために、術者は内視鏡画像に表示されている組織形態から、観察方向を判断しなければならず、手術作業に集中することが困難となり、疲労が増大し、手術時間が延長されるといった問題を招いていた。
【0012】
更に、手術中に術者が、手術用顕微鏡の観察像に集中していると、神経モニター装置の変化に気づかない場合があった。これを防ぐために、術者は手術作業中にも他機器の状態にも注意をはらわねばならず、手術への集中の妨げになったり、疲労の増大につながっていた。
【0013】
一方、特開平7−281103号公報に記載のような従来の視度調整作業は煩わしく、手術用顕微鏡を使用するまでのセットアップの時間を長引かせるとともに、手術中に術者が交代すると再度調整が必要である。
【0014】
しかしながら、通常手術用顕微鏡を外部に対して滅菌するドレープをかけた状態での調整は困難であり、視度が合わないまま使用していた。このため、術者の右眼あるいは左眼でピントが合わない手術作業により、術者の疲労の増大あるいは手術用顕微鏡に接続されるTVカメラや35mmカメラとピントが合わないなどの問題があった。
【0015】
この場合、特開平3−200914の構成を用いて術者の目の屈折率を測定し、自動で視度を補正することが可能であるとしても、これらは光学系内に検出用の指標投影光学系とその受光光学系を設けなければならず、装置の大型化を招き、手術作業の妨げとなる。
【0016】
また、投影する光は可視域以外の波長を用いても顕微鏡の観察性能への影響を完全に排除することはできず、このため、手術効率の低下および術者の疲労を招く事になる。
【0017】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、術者が手術作業に専念でき、かつ、疲労の軽減および手術時間の短縮が可能な手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1の発明は、術部を光学的に拡大するための第1の観察光学系と、外部機器からの任意の画像情報を観察するための第2の観察光学系と、前記第1の観察光学系の観察像と前記第2の観察光学系の観察像とを同時に観察するための接眼光学系を備えた手術用顕微鏡において、前記第2の観察光学系は前記外部機器の動作情報に基づいて前記外部機器からの画像情報の表示状態を変更可能な表示状態変更手段を具備し、前記表示状態変更手段は、前記外部機器の動作情報を入力する動作入力部と、前記第1の観察光学系の観察像の観察方向に対して前記第2の観察光学系の観察方向を同一方向に光学的に変更する光学的変更手段と、前記動作入力部からの入力情報に基づき前記光学的変更手段を動作させる制御手段よりなることを特徴とする。
請求項2の発明は、前記光学的変更手段は、前記第2の観察光学系の倍率を変更可能な倍率変更手段よりなることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡である。
請求項3の発明は、前記光学的変更手段は、前記第1の観察光学系に対して、前記第2の観察光学系の位置を変更可能な表示位置変更手段よりなることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡である。
請求項4の発明は、前記倍率変更手段は、前記第2の観察光学系を構成する変倍光学系を移動させるレンズ移動手段であることを特徴とする請求項2に記載の手術用顕微鏡である。
請求項5の発明は、前記表示位置変更手段は、前記第1の観察光学系の光軸を中心に、前記第2の観察光学系を回転させる回転手段であることを特徴とする請求項3に記載の手術用顕微鏡である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
(構成)
図1から図5は、本発明の第1実施形態を示す。
図1に、本実施形態の手術用顕微鏡装置と内視鏡装置との概略構成を示すように、本実施形態の手術用顕微鏡装置1は架台2に装架されている。この架台2には、床面を移動自在なベース2aと、このベース2a上に立設された支柱2bとが設けられている。この支柱2bの上端部には、手術用顕微鏡装置1の鏡体3を移動可能に支持する移動アーム機構4が設けられ、この移動アーム機構4は第1アーム5と第2アーム6と第3アーム7と俯仰アーム8との複数の可動アームから形成されている。
【0020】
ここで、第1アーム5の一端は、支柱2bの上端部に軸Oaを中心に回動自在に取り付けられている。この第1アーム5には図示しない照明用光源が内蔵されている。また、第1アーム5の他端には、第2アーム6の一端が軸Obを中心に回動自在に取り付けられている。
【0021】
この第2アーム6は、鏡体3を上下方向に移動操作可能とするために、リンク機構とバランス調整用のスプリング部材とを有するパンタグラフアームとして形成してある。この第2アーム6の他端には、第3アーム7が軸Ocを中心に回動自在に取り付けられている。
【0022】
この第3アーム7には、俯仰アーム8の基端部が連結されている。この俯仰アーム8の先端部には、鏡体3と、立体観察用の双眼鏡筒9と、ハンドル10とがそれぞれ設けられている。そして、この俯仰アーム8は、図1の紙面に垂直な軸Odを中心とし、術者の観察方向に対して鏡体3を前後方向に回動する前後方向の俯仰、および、軸Oeを中心とし、術者の左右方向に鏡体3を回動する左右方向俯仰をそれぞれ可能とした状態で支持されている。
【0023】
さらに、移動アーム機構4の各回転軸Oa〜Oeにおける回動部には鏡体3を空間的に自在に位置調整し、位置固定を行うために、図示しない電磁ブレーキが各々設けられている。これらの電磁ブレーキはハンドル10に設けられた図示しないスイッチ操作によりロック/フリーの状態を自由に選択することができるよう構成されている。なお、その移動アーム機構4の図示しない電源部は例えば架台2の支柱2bに内蔵させることが好ましい。
【0024】
また、鏡体3の双眼鏡筒9には立体観察すべく、左右の観察光路が構成されている。そして双眼鏡筒9の左右観察光路にはそれぞれ対物レンズ(図示しない)および変倍光学系(図示しない)が備えられている。符号40は手術用顕微鏡の死角を観察する為の内視鏡システムを示す。
【0025】
図2に示すように、内視鏡システム40は、挿入方向に対して所定角度の観察口軸Ogを有する硬性鏡41と、硬性鏡の観察像を撮像するTVカメラヘッド42aおよびTVコントローラー42bを有するTVカメラ42と、コントローラー42bに接続され、硬性鏡41の観察像を表示するモニター43とを備える。この硬性鏡41は、スコープホルダー44により、ベッドサイドのステー45に固定される。
【0026】
スコープホルダー44は、ベッドサイドのステー45に固定される固定部46から順に、それぞれ回転軸Op,Oq,Or,Os,〇tの回りに回動可能に接続された垂直アーム47と移動アーム48a,48bと傾斜アーム49と保持部50とを備えている。保持部50は硬性鏡41を回転軸Ou回りに回動可能に保持している。また、それぞれの回転軸の部分には、硬性鏡41を3次元的に自在に位置調整を行い、位置固定を行うために、電磁ブレーキ51a,51b,51c,51d,51eが各々設けられている。
【0027】
これらの電磁ブレーキは保持部50に設けられたスイッチ52を操作することによりロック/フリーの状態を選択することができるようになっている。このスイツチ52および電磁ブレーキ51a〜51eはホルダー制御部53に接続されている。ホルダー制御部53は、スイッチ52からの操作信号が入力されている間、電磁ブレーキ51a〜51eに固定を解除する駆動信号を出力すべく駆動回路(図示しない)と、スイッチ52の入力信号を後述の視野内表示コントローラ54にスルーで出力する回路とを備えている。
【0028】
図3は本実施形態における双眼鏡筒9の概略構成を示すものである。この双眼鏡筒9には図3に示す右眼用観察光学系11と図示しない左眼用観察光学系とが設けられている。なお、図3は双眼鏡筒9の側面から見た右眼用観察光学系11の部分構成を示している。この双眼鏡筒9の左眼用観察光学系は図3に示す右眼用観察光学系11と同様に構成されているため、ここでは右眼用観察光学系11についてのみ説明する。
【0029】
すなわち、本実施形態の右眼用観察光学系11には、手術用顕微鏡の観察像を観察する双眼鏡筒光学系(第1の観察光学系)12と、観察像とは異なる任意の画像情報を観察する画像投影光学系(第2の観察光学系)13とが設けられている。ここで双眼鏡筒光学系12には、結像光学系14と、イメージローテーター15と、平行四辺形プリズム16と、接眼光学系17とが設けられている。そして、双眼鏡筒光学系12に入射される手術用顕微鏡の観察像は結像光学系14から、イメージローテーター15および平行四辺形プリズム16を順次介して接眼光学系17に導光されるようになっている。
【0030】
また、画像投影光学系13は、視野内表示機能としてのLCDディスプレイ20と、コリメート光学系21と、投影倍率を変更可能な変倍光学系22と、結像光学系23と、可動プリズム24とを備えている。この可動プリズム24は、反射面24aの面内において矢印A方向に向け、モーター25aにより画像投影光学系13に対して移動可能に取り付けられており、また、変倍光学系22もモーター25bの駆動により倍率を可変に接続されている。
【0031】
この可動プリズム24と変倍光学系22との駆動の関係は、可動プリズム24が双眼鏡筒光学系12に対しての挿入量に比例して、変倍光学系22がLCDディスプレイ20の像を拡大して投影するように構成されている。
【0032】
そして、LCDディスプレイ20に表示される画像情報は、コリメート光学系21と、変倍光学系22と、結像光学系23と、可動プリズム24とを順次介して接眼光学系17に導光される。また、接眼光学系17では双眼鏡筒光学系12を経由して送られる手術用顕微鏡の観察像と、画像投影光学系13を経由して送られる任意の画像情報とを同時に観察可能になっている。
【0033】
符号54は視野内表示コントローラ(表示形態変更手段)を示し、前記スコープホルダー44のスイッチ52が接続されるホルダー制御部53と、LCDディスプレイ20と、TVコントローラ42bおよびモータ25a,25bに接続されている。この視野内表示コントローラ54は、可動プリズム24の移動用のモーター25aおよび変倍光学系22の駆動用のモーター25bのそれぞれの駆動回路と、その駆動量を制御する制御回路と、TVカメラ42のTVコントローラー42からの映像信号を入力され、LCDディスプレイ20に画像を表示する表示制御回路とより構成されている。
【0034】
(作用)
上述の手術用顕微鏡1の観察像は、双眼鏡筒9の双眼鏡筒光学系12により鏡体3を介して、術部が立体観察される。このとき、画像投影光学系13の可動プリズム24は、図3に示すように双眼鏡筒光学系12の光路上に挿入されている。また、硬性鏡41により観察される術部の像は、図2に示すTVカメラヘツド42aにより撮像され、TVコントローラ42bを介してモニター43に表示されると共に、図3に示す視野内表示コントローラ54を介してLCDディスプレイ20上に表示される。この表示画像は、画像投影光学系13および接眼光学系17を介して観察される。
【0035】
図4は、硬性鏡の画像を主に観察しながら手術を行う場合の観察状態を示す。図4において、符号55は顕微鏡の観察像を示し、符号56は硬性鏡41を通した画像を示す。顕微鏡の観察像55内には、この硬性鏡41自体が表示されている。
【0036】
一方、術者が硬性鏡41の観察位置を変更したい場合は、スコープホルダー44のスイッチ52を押し、電磁ブレーキ51a〜51fによるロック状態を解除する。これにより、硬性鏡41を3次元的に自在に移動させることができる。この時、ホルダー制御部53はスイッチ52からのON信号を入力中に電磁ブレーキ51a〜51eのロック状態を解除するとともに、スイッチ52のON信号をスルーで視野内表示コントローラー54に出力する。
【0037】
視野内表示コントローラー54はこの信号を入力され、モーター25a,25bを予め記憶された規定量にしたがって駆動し、可動プリズム24の双眼鏡筒光学系の挿入量を小さくする。これと同時に、変倍光学系22を可動プリズム24の移動量に対して一義的に定められている倍率に変更(縮小)する。これにより、接眼光学系17を通して観察される画像は、図5に示すようになる。すなわち、顕微鏡の観察像55に対して、硬性鏡の画像56が視野の端に移動するとともに、縮小表示される。
【0038】
このように硬牲鏡41の画像56は、手術用顕微鏡の観察像55に対して、硬性鏡41の観察位置を固定している時は大きな範囲に、硬性鏡41の観察位置を変更(硬性鏡を移動)する場合は小さな範囲に観察される。また、通常の硬性鏡観察を行わない場合は、図示しない手術用顕微鏡のフットスイッチを操作することにより、視野内表示コントローラー54を介して、可動プリズム24を双眼鏡筒光学系12の光路から完全に離脱させることも容易である。これにより、従来の手術用顕微鏡と同様の観察も可能である。
【0039】
(効果)
硬性鏡画像56を通じて所要の処置を行いあるいは観察する場合は、硬性鏡画像56が、手術用顕微鏡の観察像55上に大きく表示されるため、処置操作が容易に行える。また硬性鏡41を移動させている時は、硬性鏡画像56が小さく表示されるため、顕微鏡の観察像55の中で硬性鏡41の挿入状態を十分に観察可能である。
【0040】
本実施形態では、硬性鏡41の操作状態の検出を、硬性鏡41を保持するスコープホルダー44の固定解除の検出により行っている為、特別な装置およびその操作が不要であり、手術の妨げにはならない。
【0041】
また、硬性鏡41の移動の検出は、後述の第2実施形態の光学式位置検出装置により行うことも容易である。
【0042】
(第2実施形態)
図6から図8は、第2実施形態を示す。
図6に概略的に示すように、本実施形態の手術用顕微鏡装置1および内視鏡システム40は第1実施形態と同様であり、したがって、その詳細な説明は省略する。ここでは、手術用顕微鏡装置1および内視鏡システム40の光学式位置検出装置に関して説明する。この光学式位置検出装置は公知のものでもよい。
【0043】
図6に示すように、手術用顕微鏡装置1および内視鏡システム40のそれぞれに発光指標60,61が取り付けられている。これらの発光指標60,61は、撮像手段を備えた発光体撮像装置62で撮像される。この発光体撮像装置62には、発光体撮像装置62からの信号に基づき、発光体の位置および角度を演算する位置検出部63が接続されている。この位置検出部63は、鏡体9の位置データ演算処理部と、硬性鏡41の位置データ・演算処理部と、鏡体3の位置に対する硬性鏡41の位置を算出する位置算出部とから構成されており、鏡体3に対する硬性鏡の観察方向の情報を後述の視野内表示コントローラ64に出力する。
【0044】
図7は本実施形態における双眼鏡筒65の概略構成を示すものである。
双眼鏡筒65の双眼鏡筒光学系12は、上述の第1実施形態と同様であるためその説明を省略し、ここでは異なる部分である画像投影光学系69の構成を説明する。
【0045】
画像投影光学系69は、視野内表示機能としてのLCDディスプレイ20とコリメート光学系66と、結像光学系67と、プリズム68とを備える。このLCDディスプレイ20に表示される画像情報は、コリメート光学系66と結像光学系67とプリズム68とを順次介して接眼光学系17に導光される。
【0046】
画像投影光学系69は、シャーシ70に内蔵され、双眼鏡筒65の接眼光学系15の光軸Ofまわりを、モーター71により、シャーシ70と一体的に回動可能に接続されている。また、接眼光学系17では、双眼鏡筒光学系12を経由して送られる手術用顕微鏡の観察像と、画像投影光学系69を経由して送られる任意の画像情報とを同時に観察可能になっている。
【0047】
視野内表示コントローラー64は、上述の光学式位置検出装置の位置検出部63と、TVコントローラー42bと、LCDディスプレイ20と、シャーシ回転用のモーター71とに接続されている。この視野内表示コントローラ64は、シャーシ回転用のモーター71の駆動回路と、その駆動量を制御する制御回路と、LCDディスプレイ20の表示制御回路と、位置算出部63からの位置信号により、モーター71の回転量を制御する制御回路と、TVカメラ42からの映像信号を入力し、LCDディスプレイ20に画像を表示する表示制御回路とから構成されている。
【0048】
(作用)
この第2実施形態による手術用顕微鏡の観察像は、双眼鏡筒9の双眼鏡筒光学系12により鏡体3を介して、術部が立体観察される。この時、画像投影光学系69の可動プリズム24は、図7に示すように双眼鏡筒光学系12の光路上に挿入されている。また硬性鏡41により観察される術部の像はTVカメラヘッド42aにより撮像され、TVコントローラ42bを介してモニター43に表示され、更に、視野内表示コントローラ64を介してLCDディスプレイ20上に表示される。このLCDディスプレイ20上の表示画像は、画像投影光学系69および接眼光学系17を介して観察される。
【0049】
また、手術中、鏡体3と、硬性鏡41との位置は常に公知の光学式位置検出装置により検出され、位置検出部63にて鏡体3の観察方向に対する硬性鏡41の観察方向(角度)が求められ、角度情報を視野内表示コントローラー64に出力する。視野内表示コントローラー64はこの角度情報に対応すべく、モーター71を必要量回転させ、常に硬性鏡の観察方向と同一方向に、画像投影光学系69をシャーシと一体的に回転させる。接眼光学系17にて観察される状態を図8の(A)および(B)に示す。ここでは、硬性鏡41の観察方向(矢印B)に対して硬性鏡41の画像が同一方向に表示される。
【0050】
(効果)
本実施形態の手術用顕微鏡1では、硬性鏡41を通して得られ、観察視野内に表示される画像56が、硬性鏡の観察方向と同一方向に表示されるため、術者は硬性鏡41の観察方向を直感的に認識することが可能であり、煩わしさがなく、手術に専念できる。またこれにより手術時間の短縮につながる。
【0051】
更に、本実施形態では光学式位置検出手段を用いているため、診断画像上に手術用顕微鏡および硬性鏡41の観察位置を表示する公知のナビゲーションシステムとの融合が容易である。
【0052】
更に、本実施形態では、鏡体3に対する硬性鏡41の観察方向を検出するために、光学式位置検出手段を用いているが、しかし、これに限らず、硬性鏡41の観察方向は、第1実施形態のスコープホルダーの関節部に回転角度検出手段であるエンコーダー等を設けることによっても容易に可能である。この場合はシンプルなシステムで実現できる。
【0053】
(第3実施形態)
図9に従い第3実施形態を説明する。本実施形態は、第1実施形態の手術用顕微鏡装置に対して、その双眼鏡筒が異なり、術者の目に合わせて自動で視度調整を行うものである。
【0054】
図9は本実施形態における双眼鏡筒80の概略構成を示すものである。この双眼鏡筒80には第1実施形態と同様の双眼鏡筒光学系(第1の観察光学系)12と、観察像とは異なる任意の画像情報を観察する画像投影光学系81と、屈折率測定のための測定光学系87と、受光光学系88が設けられておいる(画像投影光学系81と、測定光学系87と、受光光学系88とが第2の観察手段を形成する)。この双眼鏡筒光学系11は上述の第1実施形態と同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0055】
画像投影光学系81は、視野内表示手段としてのLCDディスプレイ82とコリメート光学系83と結像光学系84と可動プリズム85とを備えるとともに、可動プリズム85と結像光学系84の間の光路上にダイクロイックミラー86を配設させている。可動プリズム85は図示しないモーターにより、光路上に挿脱可能に設けられている。
【0056】
測定投射光学系87は、前記可動プリズム85と、ダイクロイックミラー86と、ハーフミラー89と、基準屈折力を有する被検眼の眼底と共役な位置にあるスリット板90と、拡散板91と、赤外光を発光する発光ダイオード92とを備え、画像投影光学系81と一部共通の構成になっている。
【0057】
受光光学系88は、可動プリズム85と、ダイクロイックミラー86と、ハーフミラー89と、スリット板90と共役な位置にある遮光部材94と瞳孔と共役な位置にある受光素子95とを備え、測定投射光学系87と一部を共通としている。符号96は、受光素子95の光量分布から被検眼の屈折力を演算する測定部を示す。この測定部96は、発光ダイオード92と後述する視度補正モーター駆動制御部99と視野内表示コントローラー100とに接続されている。
【0058】
接眼光学系17は、双眼鏡筒光学系12を経由して送られる手術用顕微鏡の観察像と、画像投影光学系81を経由して送られる任意の画像情報とを同時に観察可能になっている。更に、この接眼光学系17は、その光軸Of方向に移動することにより視度調整が可能な構成となっており、光軸Of方向の移動は、モーター98により行うことができる。符号99はモーター98と後述の視野内表示コントローラーに接続された視度補正モーター駆動制御部を示し、モーター98の駆動回路と、モーターの駆動量を制御する制御回路を備えている。このモーター98と視度補正モーター駆動制御部99とより、視度補正電動駆手段が構成されている。
【0059】
視野内表示コントローラ100は、LCDディスプレイ82と、測定部96と、手術用顕微鏡装置に接続されたスイッチ102と、可動プリズム85の図示しないモーターと、外部の画像機器とに接続されている。この視野内表示コントローラ100は、可動プリズム85のモーター駆動制御回路と、図示しない外部画像機器からの映像信号を入力され、LCDディスプレイ82に画像を表示するとともに、スイッチ102からの入力に応じ、記憶されている測定用の固視表示パターンを表示する表示制御回路と、測定部を駆動する駆動信号出力回路より構成されている。
【0060】
(作用)
本実施形態における手術用顕微鏡の観察像および、LCDディスプレイ82に表示される画像は、第1および第2実施形態と同様の作用により、接眼光学系17を通して観察される。また可動プリズム85を光路からはずすことにより従来の手術用顕微鏡と同様の観察が可能である。
【0061】
次に、視度調整について説明する。
術者が手術用顕微鏡装置のスイッチ102をオンすると、視野内表示コントローラー100は予め記憶されている固視表示パターンをLCDディスプレイ82に表示させる。この画像は、画像投影光学系81と接眼光学系17とにより術者に観察される。術者の目はこの固視表示パターンを注視することにより固定される。これと同時に、視野内表示コントローラー100は検出部96に屈折力の測定動作を開始させる。
【0062】
次に、この屈折力測定の作用を説明する。
検出部96からの信号で、発光ダイオード92から赤外光が発せられる。この赤外光は、拡散板91と、スリット板90の図示しないスリットと、ハーフミラー89と、ダイクロイックミラー86と、可動プリズム85と接眼光学系17とを通して術者の眼底に投射される。すなわちスリット板90のスリット像が眼底に投影されることになる。
【0063】
この投影された赤外光は、眼底で反射し、再度接眼光学系17と、可動プリズム85と、ダイクロイックミラー86と、ハーフミラー89と、ミラー93と、遮光部材94とを介して受光素子95に到達する。ここで測定部は受光素子からの光量分布の情報により、術者の目の屈折力を演算し、視度補正モーター駆動制御部はこの結果に合わせて、モーター98を回転させ、接眼光学系17を光軸Of方向に必要量移動させる。これにより、術者の視度調節が完了する。
【0064】
(効果)
本実施形態の手術用顕微鏡は、視野内に他の画像が表示可能な画像投影光学系と、屈折力を測定するための光学系(測定投射光学系、受光光学系)とを一部共用としたため、構造が極めて簡単になる。また、手術用顕微鏡の観察像とは別の光路を用いているため、顕微鏡の観察性能を損ねない。
更に、術者に注視させるための固視表示をLCDディスプレイ画面で行うため、目のピント調整能力の影響がなく、正確な測定が可能である。
更に、可動プリズムを光路からはずすことにより、手術用顕微鏡の観察性能を全く落とすことがない。
【0065】
(第4実施形態)
図10および図11に示す第4実施形態では、手術用顕微鏡の視野内に、手術中に患者の神経状態を表示する神経モニター装置の画像を表示する。本実施形態は、第1実施形態に対して、視野内表示コントローラのみが異なる。
【0066】
図10に接続構成を示すように、本実施形態の視野内表示コントローラ110は、第1実施形態と同様の双眼鏡筒9に接続されている。神経モニター装置111は、神経状態を示す波形画像を図示しないモニターに表示するとともに、波形画像の映像信号を視野内表示コントローラー110に出力している。また神経モニター装置111は、神経状態の変化を術者に知らしめるための異常信号出力手段を備え、これが視野内表示コントローラー110に接続されている。
【0067】
視野内表示コントローラ110は、第1実施形態の可動プリズム24の移動用のモーター25aおよび変倍光学系22の駆動用のモーター25bのそれぞれの駆動回路と、神経モニター装置111の異常信号出力手段からの信号を入力されてモーター25a,25bの駆動量を制御する制御回路と、神経モニター装置111からの映像信号を入力されてLCDディスプレイ20に画像を表示する表示制御回路より構成されている。
【0068】
(作用)
本実施形態の手術用顕微鏡では、手術中、神経モニター装置111の画像115が、通常は、手術用顕微鏡視野内で図11の(A)に示すように表示される。そして、手術中に患者の神経状態に変化が生じた場合は、神経モニター装置111の異常信号出力手段から信号が出力され、視野内表示コントローラ110はこれを受けて、第1実施形態と同様の作用により、モーター25a,25bを駆動させて、図11の(B)に示すように、神経モニター画像115が大きく表示される。
これにより術者は患者の神経状態を容易に認識可能である。
【0069】
(効果)
したがって、本実施形態の手術用顕微鏡によると、手術術者が手術作業に集中していても、神経モニター装置の表示情報の大きさが変わるため、患者の神経状態の変化を見逃すことがない。
【0070】
なお、前述した説明によれば、少なくとも以下に付記として列記する特徴事項が得られる。
【0071】
<付記>
1. 術部を光学的に拡大観察する為の第1の観察光学系と、
前記第1の観察光学系とは異なる、外部機器からの任意の画像情報を観察するための第2の観察光学系と、前記第1の観察光学系および第2の観察光学系の観察像を同時に観察する為の接眼光学系を備えた手術用顕微鏡において、
前記第2の観察光学系は、前記外部機器の動作情報に基づき、前記画像情報の表示形態を変更可能な表示状態変更手段を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0072】
この付記項1の従来技術は次の通りである。
近年、手術用顕微鏡を用いて微細な手術を行ういわゆるマイクロサージャリーおいては、より手術を低侵襲にすることを目的とし、手術中にさまざまな画像情報が用いられている。
その1つに手術用顕微鏡では観察できない部分を観察するための内視鏡や、組織内部の断層像を得るための超音波観測装置がある。さらには手術中の患者の神経の電位を計測するいわゆる神経モニター装置などの診断機器がある。
手術用顕微鏡観察下で内視鏡の画像等を観察可能にした手術用顕微鏡として、特開昭62−166310、特開平10−333047号がある。
【0073】
そして、解決しようとする課題は以下の通りである。
顕微鏡観察、内視鏡観察が同一視視野内で行えるが、術部で内視鏡を移動させるときは、内視鏡画像の観察と合わせて、内視鏡で組織を損傷しないようにするために顕微鏡像上で内視鏡の先端を確認しながら行わなければならない。すなわち顕微鏡の視野は内視鏡画像にさえぎられないこと、すなわち内視鏡画像が顕微鏡像上で小さく表示されることが望ましい。
一方、内視鏡画像を見ながら処置等を行う場合は、内視鏡画像は十分な大きさである必要がある。このときに術具の挿入や、術部の広範囲を監視する目的で顕微鏡像による観察も必要である。すなわち、内視鏡画像が顕微鏡像上で大きく表示されることが望ましい。
しかしながら、特開昭62−166310号、特開平10−333047号は内視鏡画像の表示状態は顕微鏡視野に対して一定の位置、範囲であり、内視鏡を用いた手術において、内視鏡の移動操作と内視鏡画像を見ながらの処置両方の要求を満足することは出来ず、内視鏡画像が邪魔になる、あるいは内視鏡画像が小さくスムーズに処置できないという問題があった。
これにより、手術作業に集中できない、術者の疲労の増大、手術時間の延長といった問題を招いていた。
また超音波診断装置においても、プローブを移動させる場合と、超音波観察および超音波観察下で処置を行う場合に同様の問題があった。
【0074】
この付記項1の目的は、顕微鏡視野内での表示画像(内視鏡画像)の表示形態を画像機器(内視鏡)の使用状態に合わせて自動で変更可能にし、術者が手術作業に専念できかつ、疲労の軽減、手術時間の短縮が可能な手術用顕微鏡を提供することにある。
この付記項1は、第1の観察光学系の観察像と第2の観察光学系の画像が同時に表示されているとき、外部機器の動作状態が変更されると表示状態変更手段により第2の観察手段により観察される画像が自動的に手術に適した状態に変更される、作用をなす。
そして、顕微鏡視野内での表示画像の表示形態が画像機器の使用状態に合わせて自動で変更されるため、手術に専念でき、術者の疲労の軽減、手術時間の短縮が可能となる、といった効果が得られる。
【0075】
2. 術部を光学的に拡大観察する為の第1の観察光学系と、
前記第1の観察光学系とは異なる、外部機器からの任意の画像情報を観察するための第2の観察光学系と、前記第1の観察光学系および第2の観察光学系の観察像を同時に観察する為の接眼光学系を備えた手術用顕微鏡において、
前記第2の観察光学系は、観察者の目を注視させるべく固視用画像表示手段と、眼底への指標投影光学系と、前記眼底からの反射光を受像する受像光学系とを備え、
前記受像光学系からの情報により屈折力を演算する検出手段と、
前記検出手段からの情報に基づき視度調整機構を駆動する視度調整駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0076】
この付記項2の従来技術は次の通りである。
すなわち、顕微鏡には観察者による目の視力(屈折力)の違いを調整するいわゆる視度調整が必要である。従来の視度調整は特開平7−281103に記載されている。手術用顕微鏡においても手術毎にこの視度調整が行われていた。
一方、目の屈折力を測定する方法は特開平3−200914に記載されている。これは観察者ではなく患者の目の屈折力を測定するものである。これは、眼底に指標を投影し、眼底からの反射光を検出し、屈折力を測定するものである。
【0077】
そして、その解決しようとする技術的課題は、次の通りである。
従来の視度調整作業は煩わしく、手術用顕微鏡を使用するまでのセットアップの時間を長引かせるとともに、手術中に術者が交代すると再度調整が必要となった。しかしながら通常手術用顕微鏡を外部に対して滅菌するドレープをかけた状態での調整は困難であり、視度が合わないまま使用していた。これにより、術者の右眼、左眼でピントが合わず手術作業において術者の疲労の増大、手術用顕微鏡に接続されるTVカメラや35mmカメラとピントが合わないなどの問題があった。
特開平3−200914の構成を用いて術者の目の屈折率を測定し、自動で視度を補正することは容易であるが、
しかしながらこれらは光学系内に検出用の指標投影光学系とその受光光学系を設けなければならず、装置の大型化、を招き手術作業の妨げとなる。
また、投影する光は可視域以外の波長を用いても顕微鏡の観察性能への影響は無くせなかった。このため、手術効率の低下、術者の疲労を招く事になる。
【0078】
付記項2の目的は、小型で、観察性能を低下させず、術者が視度補正が不要な手術用顕微鏡を提供することにある。
この手術用顕微鏡は、屈折力の測定は、第2の観察光学系を通して行われ、この屈折力に基づき、視度調整駆動制御手段により自動的に視度調整を行う、作用をなす。
そして、自動で視度調整が可能であり調整の煩わしさがない。また手術用顕微鏡の観察性能を落とすことがなく、術者は手術に集中できるとともに、疲労を招かない、といった効果が得られる。
【0079】
3. 前記表示状態変更手段は、前記外部機器の動作情報を入力する動作入力部と、前記第1の観察光学系の観察像に対して前記第2の観察光学系の画像情報の表示形態を光学的に変更可能な光学的変更手段と、前記動作入力部からの入力情報に基づき前記光学的変更手段を動作させる制御手段よりなることを特徴とする上記1項に記載の手術用顕微鏡。
付記項3の解決しようとする課題および目的は上記付記項1と同じである。
【0080】
4. 前記光学的変更手段は、前記第2の観察光学系の倍率を変更可能な倍率変更手段よりなることを特徴とする上記3項記載の手術用顕微鏡。
【0081】
この付記項4の解決しようとする技術的課題は、次の通りである。
手術用顕微鏡観察下で使用される内視鏡は、顕微鏡の死角部分の観察を目的としているため、挿入方向に対して異なる方向が観察可能ないわゆる斜視内視鏡が使用される。斜視内視鏡は、挿入方向を軸として回転させると顕微鏡の術野に対してどの方向を見ているのかわからなくなってしまっていた。このために、術者は内視鏡画像に表示されている組織形態から、観察方向を判断しなければならず、手術作業に集中できない、術者の疲労の増大、手術時間の延長といった問題を招いていた。
したがって、その目的は、内視鏡移動時と内視鏡観察状態に合わせて、それぞれ顕微鏡視野内での内視鏡画像の大きさが可変で、内視鏡を移動させる時に、顕微鏡で内視鏡先端が十分に観察できる小型表示と、内視鏡観察下で処置が容易に行える大型表示が可能な手術用顕微鏡の提供にある。
【0082】
5. 前記光学的変更手段は、前記第1の観察光学系に対して、前記第2の観察光学系の位置を変更可能な表示位置変更手段よりなることを特徴とする上記3項記載の手術用顕微鏡。
【0083】
6. 前記倍率変更手段は、前記第2の観察光学系を構成する変倍光学系を移動させるレンズ移動手段であることを特徴とする上記4項記載の手術用顕微鏡。
【0084】
これは、顕微鏡観察像に対して内視鏡の観察方向が容易に認識可能な手術用顕微鏡の提供を目的とする。
【0085】
7. 前記表示位置変更手段は、前記第1の観察光学系の光軸を中心に、前記第2の観察光学系を回転させる回転手段であることを特徴とする上記5項記載の手術用顕微鏡。
【0086】
この付記項7が解決しようとする課題は、次の通りである。
【0087】
手術中に術者が、手術用顕微鏡の観察像に集中していると、神経モニター装置の変化に気づかない場合があった。これを防ぐために、術者は手術作業中にも他機器の状態にも注意をはらわねばならず、手術への集中の妨げになったり、疲労の増大につながっていた。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、術者が手術作業に専念でき、かつ、疲労の軽減および手術時間の短縮が可能な手術用顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による手術用顕微鏡および内視鏡装置の全体構造を概略的に示す説明図。
【図2】図1の内視鏡を支えるスコープホルダーと共に示す内視鏡システムの概略的な説明図。
【図3】図1の手術用顕微鏡の双眼鏡筒の概略構成を示す説明図。
【図4】内視鏡の画像を主に観察しながら手術を行う状態の手術用顕微鏡の観察状態を示す説明図。
【図5】内視鏡の観察位置を移動するときの手術用顕微鏡の観察状態を示す図4と同様な説明図。
【図6】第2の実施形態による手術用顕微鏡および内視鏡システムの全体を概略的に示す図1と同様な説明図。
【図7】図6の手術用顕微鏡における双眼鏡筒の概略構成を示す説明図。
【図8】図7に示す双眼鏡筒の接眼光学系を通じた観察状態を示す説明図。
【図9】第3実施形態による手術用顕微鏡の双眼鏡筒の光学系を説明する説明図。
【図10】第4実施形態による手術用顕微鏡の視野内表示コントローラの概略を示す説明図。
【図11】第4実施形態による手術用顕微鏡の視野内の表示状態を示す説明図。
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡、2…架台、3…鏡体、4…移動アーム機構、5,6,7,8,47,48,49…アーム、9,65,80…双眼鏡筒、10…ハンドル、11…右眼用観察光学系、12…双眼鏡筒光学系、13,69,81…画像投影光学系、14…結像光学系、15…イメージローテーター、16…平行四辺形プリズム、17…接眼光学系、20,82…LCDディスプレイ、21,66,83…コリメート光学系、22…変倍光学系、23,67,84…結像光学系、24,68,85…プリズム、25a,25b,71,98…モーター、40…内視鏡システム、41…硬性鏡、42…TVカメラ、43…モニター、44…スコープホルダー、45…ステー、46…固定部、50…保持部、51…電磁ブレーキ、52,102…スイッチ、53…ホルダー制御部、54,64,100,110…視野内表示コントローラ、55,56…観察像、60,61…発光指標、62…発光体撮像装置、63…位置検出部、70…シャーシ、86…ダイクロイックミラー、87…測定光学系、88…受光光学系、89…ハーフミラー、90…スリット板、91…拡散板、92…発光ダイオード、93…ミラー、94…、遮光部材、95…受光素子、96…測定部、99…視度補正モーター駆動制御部、111…神経モニター装置、115…神経モニター画像。
Claims (5)
- 術部を光学的に拡大するための第1の観察光学系と、
外部機器からの任意の画像情報を観察するための第2の観察光学系と、
前記第1の観察光学系の観察像と前記第2の観察光学系の観察像とを同時に観察するための接眼光学系を備えた手術用顕微鏡において、
前記第2の観察光学系は前記外部機器の動作情報に基づいて前記外部機器からの画像情報の表示状態を変更可能な表示状態変更手段を具備し、
前記表示状態変更手段は、前記外部機器の動作情報を入力する動作入力部と、前記第1の観察光学系の観察像の観察方向に対して前記第2の観察光学系の観察方向を同一方向に光学的に変更する光学的変更手段と、前記動作入力部からの入力情報に基づき前記光学的変更手段を動作させる制御手段よりなることを特徴とする手術用顕微鏡。 - 前記光学的変更手段は、前記第2の観察光学系の倍率を変更可能な倍率変更手段よりなることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
- 前記光学的変更手段は、前記第1の観察光学系に対して、前記第2の観察光学系の位置を変更可能な表示位置変更手段よりなることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
- 前記倍率変更手段は、前記第2の観察光学系を構成する変倍光学系を移動させるレンズ移動手段であることを特徴とする請求項2に記載の手術用顕微鏡。
- 前記表示位置変更手段は、前記第1の観察光学系の光軸を中心に、前記第2の観察光学系を回転させる回転手段であることを特徴とする請求項3に記載の手術用顕微鏡。
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