JP4002073B2 - Fm変調装置及びfm変調装置の周波数制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、FM変調装置及びFM変調装置の周波数制御方法に係り、更に詳しくは、例えば、地上マイクロ波通信、衛星通信の送信機において用いられる周波数が変更可能なFM変調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のFM変調装置の構成を示したブロック図であり、特開昭56−116307号公報に開示されたものである。図中の51はサブシンセサイザ、52は混合器、53は主発振器、54は出力端子、55は直流増幅器、56、57はローパスフィルタ、58は位相検波器、59はFM変調用発振器、60、61は分周器、62は周波数変更確認回路、63はスイッチ切替回路、SW1〜SW7は切替スイッチである。
【0003】
主発振器53において生成された信号は二分され、一方は出力信号として出力端子54へ出力され、他方は混合器52に入力される。混合器52において、サブシンセサイザ51からの周波数信号と、主発振器の出力信号とが混合され、両信号の差の周波数を信号が生成される。ローパスフィルタ57により、この信号から不要な信号が除かれ、位相検波器58に信号が送られる。
【0004】
位相検波器58は、FM変調用発振器59の変調出力とローパスフィルタ57の出力信号との位相比較を行って、位相誤差信号をローパスフィルタ56、直流増幅器55を介して主発振器53に帰還させている。
【0005】
切替スイッチSW1〜SW7をa側に倒した場合には、閉ループ伝達特性のカットオフ周波数がFM変調信号の最高周波数を十分に通し、b側に倒した場合に最低周波数よりも十分に低くなるように、ローパスフィルタ56の特性及び直流増幅器55の増幅度が決められている。
【0006】
切替スイッチSW1〜SW7をb側に倒した場合、FM変調ひずみ特性や、FM分離度特性は良いが、PLLの応答が非常に遅い。このため、周波数変更時の一定時間のみ、切替スイッチSW1〜SW7をa側に倒し、周波数が安定してからb側に戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のFM変調装置は以上のように構成されているので、2種類の位相同期ループにより構成され、周波数を変更する場合には、切替スイッチSW1〜SW7を制御してループ構成を切り替えなければならず、多数の切替スイッチを制御する必要があった。
【0008】
また、切替スイッチSW1〜SW7を切り替えることによって、位相同期ループを切り替えるため、周波数を変更する際、位相同期ループの位相が乱れて連続にならないという問題があった。例えば、同期信号を含む画像信号をFM変調して伝送しようとする場合に問題となる。
【0009】
更に、位相同期ループ内に周波数変換器を用いているため、FM変調用信号の周波数において主発振器53が発振が可能であれば、位相同期ループに擬似ロックが発生するという問題があった。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、ループ構成を切り替えることなく、周波数変更時における位相同期ループのロックアップタイムを短縮したFM変調装置を提供することを目的とする。また、周波数変更時における位相同期ループの擬似ロックを抑制して、位相同期ループのロックアップタイムを短縮したFM変調装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明によるFM変調装置は、入力信号をFM変調するFM変調回路と、FM変調回路の出力信号が入力される位相検波器を含み、上記出力信号の周波数変換を行う位相同期ループとを備え、位相同期ループの出力周波数を変更する際にFM変調回路から無変調信号が出力されるように構成される。
【0012】
この様な構成により、通常時には、FM変調回路が入力信号のFM変調を行い、位相同期ループがこの変調信号に対し周波数変換を行うことにより、所望周波数のFM変調信号が得られる。一方、位相同期ループの出力周波数を変更する際には、FM変調回路から位相同期ループへ無変調信号が入力される。周波数変更の際、位相同期ループに周波数偏移のない無変調信号を入力することにより、周波数変更時における位相同期ループのロックアップタイムを短縮することができる。この無変調信号は、例えば、周波数変更から所定時間だけ位相同期ループに入力すればよい。
【0013】
請求項2に記載の本発明によるFM変調装置は、位相同期ループが、上記位相検波器により出力される位相誤差信号を電圧制御発振器へ帰還するループフィルタを備え、位相同期ループの出力周波数を変更する際にループフィルタの時定数を低減するように構成される。
【0014】
この様な構成により、周波数変更後における位相同期ループがロックするまでの間は時定数を短くしてロックアップタイムを短縮させる一方、ロック後は時定数を長くして、位相同期ループの安定化させるとともに、ループ帯域を狭くして帯域外スプリアスを抑制することができる。ループフィルタの時定数は、例えば、周波数変更から所定時間だけ低減させればよい。
【0015】
請求項3に記載の本発明によるFM変調装置は、入力信号をFM変調するFM変調回路と、所定の周波数信号を生成するシンセサイザと、FM変調回路の出力信号が入力される位相検波器を含み、シンセサイザにより出力された上記周波数信号を用いて上記出力信号の周波数変換を行う位相同期ループとを備えたFM変調装置において、シンセサイザが、周波数制御信号に基づき上記周波数信号を生成し、FM変調回路が、周波数制御信号に基づき位相同期ループの出力周波数が変更される際に無変調信号を出力するように構成される。
【0016】
この様な構成により、シンセサイザが、周波数制御信号に基づき、位相同期ループの出力周波数に応じた周波数信号を位相同期ループに供給し、位相同期ループは、シンセサイザからの周波数信号に基づき、FM変調回路の出力信号に対し周波数変換を行う。つまり、位相同期ループの出力周波数は、周波数制御信号に基づいて決められる。このため、FM変調回路が、周波数制御信号に基づき無変調信号を出力することにより、位相同期ループの出力周波数が変更される際に位相同期ループに無変調信号を入力することができる。この無変調信号は、例えば、周波数制御信号により周波数の変更が指示されてから所定時間だけ位相同期ループに入力すればよい。
【0017】
請求項4に記載の本発明によるFM変調装置は、周波数制御信号に基づき、入力信号又は所定の一定信号を選択的にFM変調回路へ出力するスイッチング手段を備え、通常時に上記入力信号がFM変調回路へ出力され、位相同期ループの出力周波数の変更時に上記一定信号がFM変調回路へ出力されるように構成される。
【0018】
この様な構成により、このスイッチング手段が、周波数制御信号に基づき、通常時には、入力信号をFM変調器に入力させる一方、位相同期ループの出力周波数が変更される際には一定信号をFM変調器に入力させる。このため、出力周波数の変更時にFM変調器から位相同期ループへ無変調信号を出力させることができる。
【0019】
請求項5に記載の本発明によるFM変調装置は、位相同期ループがループフィルタを備えて構成され、このループフィルタは、上記位相検波器により出力された位相誤差信号を電圧制御発振器へ帰還させるとともに、周波数制御信号に基づき、位相同期ループの出力周波数を変更する際に時定数を低減させるように構成される。
【0020】
この様な構成により、周波数制御信号に基づき、位相同期ループの出力周波数を変更する際にループフィルタの時定数を低減させることができる。つまり、周波数変更後における位相同期ループがロックするまでの間は時定数を短くしてロックアップタイムを短縮させる一方、ロック後は時定数を長くして、位相同期ループの安定化させるとともに、ループ帯域を狭くして帯域外スプリアスを抑制することができる。ループフィルタの時定数は、例えば、周波数変更から所定時間だけ低減させればよい。
【0023】
請求項6に記載の本発明によるFM変調装置は、上記周波数制御信号に基づき、出力周波数に応じたオフセット信号を出力するオフセット信号源を備え、上記位相同期ループが、上記位相誤差信号を平均化するループフィルタと、上記ループフィルタの出力信号に上記オフセット信号を加算して上記電圧制御発振器へ帰還する加算器とを備えて構成される。
【0026】
請求項7に記載の本発明によるFM変調装置は、上記周波数制御信号に基づき、出力周波数に応じたオフセット信号を出力するオフセット信号源を備え、上記位相同期ループが、上記位相誤差信号に上記オフセット信号を加算して出力する加算器と、上記加算器の出力信号を平均化して上記電圧制御発振器へ帰還させるループフィルタとを備えて構成される。
【0027】
この様な構成により、FM変調回路の出力信号に対する位相誤差信号は、加算器でオフセット信号が加算された後に、ループフィルタを介して電圧制御発振器に帰還される。このため、ループフィルタによって、オフセット信号に含まれる帯域外雑音を低減することができる。
【0030】
請求項8に記載の本発明によるFM変調装置は、上記位相同期ループが、電圧制御発振器及びシンセサイザの出力信号を混合する周波数変換器を備え、高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタを介して電圧制御発振器及びシンセサイザの周波数の和に相当する周波数信号が周波数変換器の出力信号から抽出され、広帯域のFM変調信号として出力されるように構成される。
【0031】
この様な構成により、電圧制御発振器の出力信号と、高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタの出力信号とを用いることができ、広帯域の出力周波数が得られる。
【0032】
請求項9に記載の本発明によるFM変調装置の周波数制御方法は、入力信号をFM変調してFM変調信号を生成する変調ステップと、FM変調信号を位相同期ループの位相検波器へ入力し、周波数変換を行う周波数変換ステップと、位相同期ループの出力周波数を変更するとともに、出力周波数を変更する際に無変調信号を上記位相検波器へ入力する周波数変更ステップとを備えて構成される。
【0033】
請求項10に記載の本発明によるFM変調装置の周波数制御方法は、周波数変更ステップが、位相同期ループの出力周波数を変更する際に位相同期ループを構成するループフィルタの時定数を低減するように構成される。
【0034】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。図中の11はFM変調器、12は位相検波器、13はループフィルタ、14は加算器、15は電圧制御発振器、16は周波数変換器、17は帯域通過フィルタ、18はD/A(Digital/Analog)変換器、19は周波数制御回路、20は周波数シンセサイザ、21は低域通過フィルタである。また、L1は位相同期ループ(Phase Locked Loop )、SWa及びSWbは切替スイッチ、T1〜T4は入出力端子である。なお、図中の破線は制御信号を示している。
【0035】
位相同期ループL1は、位相検波器12、ループフィルタ13、加算器14、電圧制御発振器15、周波数変換器16及び低域通過フィルタ21により構成される。この位相同期ループL1は、FM変調器11から出力されるFM変調信号に対し周波数変換を行っている。
【0036】
端子T1は、図1のFM変調装置により変調される情報信号の入力端子であり、端子T1から入力されたベースバンド信号はFM変調器11へ出力される。端子T3及びT4は、ベースバンド信号をFM変調して得られたFM変調信号の出力端子であり、周波数の異なるFM変調信号が各端子から出力される。例えば、同期信号を含む画像信号をベースバンド信号として端子T1に入力すれば、所定周波数のFM変調信号が端子T3及びT4から出力される。ここでは、FM変調信号の周波数とは、その搬送波の周波数を意味するものとする。
【0037】
端子T2は、周波数制御信号が入力される入力端子であり、端子T2から入力された周波数制御信号は周波数制御回路19に入力される。周波数制御信号は、端子T3及びT4から出力されるFM変調信号の周波数を制御するための信号であり、この出力信号の周波数は周波数制御信号に基づき変更される。
【0038】
切替スイッチSWa及びSWbは、周波数制御回路19からの切替制御信号に基づき、2つの端子a、bからの入力信号のいずれかを選択的に出力する切替手段である。切替スイッチSWa及びSWbは、通常時には端子a側が選択され、周波数変更時には所定の期間だけ端子b側が選択される。
【0039】
切替スイッチSWaは、出力側端子がFM変調器11に接続されるとともに、端子aが入力端子T1に接続され、端子bが接地されている。このため、切替スイッチSWaは、切替制御信号に基づき、通常のFM変調時には入力端子T1からの入力信号をFM変調器11へ出力する一方、周波数変更時には一定の電位レベルをFM変調器11へ出力して、無信号状態を作り出す。
【0040】
切替スイッチSWbは、ループフィルタ13の時定数を設定する手段であり、予め定められた2つの時定数のいずれかを選択する。端子b側を選択した場合には、端子a側を選択した場合に比べて時定数が小さくなるように構成され、ループフィルタ13の時定数は、周波数変更時には通常時よりも時定数が小さくなる。なお、ここでは、ループフィルタ13の時定数制御に切替スイッチSWbを用いる例について説明するが、周波数制御回路19からの切替制御信号に基づきループフィルタ13の時定数の切替可能であれば他の構成を採用してもよい。
【0041】
FM変調器11は、切替スイッチSWaからの入力信号をベースバンド信号としてFM変調する変調手段であり、周波数fmodのFM変調信号を位相同期ループL1へ出力する。ただし、周波数変更時には、切替スイッチSWaから一定レベルの信号が入力されるため、FM変調器11からは周波数fmodの無変調信号(すなわち搬送波)が出力されることになる。
【0042】
周波数制御回路19は、周波数制御信号に基づき、切替スイッチSWa、SWb、D/A変換器18及びシンセサイザ20に対し制御信号を出力して、位相同期ループの出力周波数を制御している。すなわち、位相同期ループの出力周波数は、周波数制御信号に基づいて決定され、その設定及び変更の制御は、周波数制御回路19が行っている。
【0043】
シンセサイザ20は、周波数制御回路19により指定された周波数信号を生成し、周波数変換器16へ出力する。シンセサイザ20の出力信号は、位相同期ループL1における周波数変換幅(アップコンバート幅)に相当する周波数を有し、この周波数をfsynとする。
【0044】
D/A変換器18は、周波数制御回路19から入力される電圧レベルを示すデジタル信号に基づき、アナログ電圧信号を生成し、加算器14へ出力する。このアナログ信号は、電圧制御発振器の出力周波数又はその付近に相当する電圧レベルに制御される。
【0045】
切替スイッチSWa及びSWbは、周波数制御回路19からの切替信号に基づき、位相同期ループL1の出力周波数を変更する際には端子b側に、その他の場合には端子a側に切替制御される。
【0046】
電圧制御発振器15は、入力電圧レベルに基づき発振周波数が制御されるVCO(Voltage Controlled Oscillator )であり、その出力信号は端子T3へ出力される。周波数変換器16は、電圧制御発振器15の出力信号と、シンセサイザ20の出力信号とを混合する混合器からなる。周波数変換器16の出力は、両信号の周波数の和に相当する周波数成分と、両信号の周波数の差に相当する周波数成分からなる混合信号であり、帯域通過フィルタ17及び低域通過フィルタ21へ出力される。
【0047】
低域通過フィルタ21は、所定周波数以下の信号成分を選択的に出力するフィルタであり、周波数変換器16の出力信号から後者の周波数成分(周波数の差に相当する成分)を抽出して、位相検波器12へ出力する。位相検波器12は、FM変調器11の出力信号と、低域通過フィルタ21の出力信号の位相を比較し、両者の位相誤差に相当する位相誤差信号を出力する。
【0048】
ループフィルタ13は、位相誤差信号を積分する積分回路として構成することができ、所定の時定数により、位相誤差信号を平均化された電圧信号に変換する。加算器14は、ループフィルタ13の出力する電圧レベルと、D/A変換器18の出力する電圧レベル値とを加算し、その演算結果が電圧制御発振器15に帰還される。つまり、D/Aコンバータの出力信号は、電圧制御発振器15への入力信号のオフセット値である。
【0049】
帯域通過フィルタ17は、所定の帯域内にある周波数成分を選択的に出力するフィルタであり、周波数変換器16の出力信号から前者の周波数成分(周波数の和に相当する成分)を抽出して、端子T4へ出力する。なお、ここでは帯域通過フィルタを用いているが、これに代えて高域通過フィルタを採用しても、周波数の和に相当する成分を抽出することができる。
【0050】
VCO15の出力周波数をfvco、シンセサイザ20の出力周波数をfsynとすると、周波数変換器16の出力信号は、周波数fvco+fsynの信号と、周波数fvco−fsynの信号からなる混合信号である。低域通過フィルタ21のカットオフ周波数は、この混合信号から周波数fvco−fsynを取り出すように決められる。また、帯域通過フィルタ17のカットオフ周波数は、混合信号から周波数fvco+fsynを取り出すように決められる。
【0051】
位相検波器12からの位相誤差信号が十分に小さくなり、位相同期ループL1がロックしている場合、fmod=fvco−fsynが成立する(fmodはFM変調器11の出力周波数)。このとき、出力端子T3からは、周波数がfvco=fsyn+fmodのFM変調信号が出力され、出力端子T4からは、周波数がfsyn+fvco=2fsyn+fmodのFM変調信号が出力されている。つまり、端子T4には広帯域のFM変調信号が得られる。
【0052】
図2は、図1の位相同期ループL1の出力周波数を変更する際の動作の一例を示したタイミングチャートである。図中の(a)には端子T2に入力される周波数制御信号、(b)にはシンセサイザ20の出力周波数、(c)にはD/A変換器18の出力電圧、(d)には切替スイッチSWa、SWbの切替制御信号、(e)にはFM変調器11の出力信号、(f)にはループフィルタ13の時定数が示されている。
【0053】
端子T2から入力される周波数制御信号には、位相同期ループL1の新たな出力周波数の指定が含まれる。周波数制御回路19は、この周波数制御信号に基づき、切替スイッチSWa及びSWbに対し切替制御信号を出力した後、シンセサイザ20に対し、新たな周波数を指示するとともに、D/A変換器18に新たなオフセット値を指示する。
【0054】
端子a側を選択していた切替スイッチSWa、SWbは、この切替制御信号に基づいて端子b側を選択する。このため、FM変調信号を出力していたFM変調器11からは無変調信号が出力され、ループフィルタ13の時定数が小さくなる。そして、その後にシンセサイザ20の出力信号の周波数が変化し、D/A変換器18の出力レベルが変化する。
【0055】
シンセサイザ20の周波数が変化することにより、位相同期ループL1は非ロック状態となる。この時、位相検波器12には、FM変調器11からは無変調信号が入力されており、位相同期ループL1には、端子T1からの入力信号に起因する周波数偏移が生じていない。また、ループフィルタ13の時定数を小さくしている。このため、位相同期ループL1のロックアップタイムが短縮される。
【0056】
更に、位相同期ループL1が非ロック状態に入る際には、D/A変換器18が新たなオフセット値を出力している。このオフセット値は、電圧制御発振器15の新たな発振周波数、すなわち、端子T3から出力される新たな周波数の中心に設定されている。これにより、非ロック状態における位相検波器12の位相誤差信号を小さくし、変更前後の実際の周波数差に比べて、見かけ上の周波数差を小さくすることができるので、位相同期ループL1のロックアップタイムが短縮されるとともに、擬似ロックの発生を抑制することができる。
【0057】
位相同期ループL1が非ロック状態に入ってからロックするまでに十分な時間が経過すると、周波数制御回路19は、切替スイッチSWa及びSWbに対し切替制御信号を出力する。端子b側を選択していた切替スイッチSWa及びSWbは、この切替制御信号に基づいて端子a側を選択する。
【0058】
このため、無変調信号を出力していたFM変調器11からはFM変調信号が出力されるとともに、ループフィルタ13はその時定数が大きくなる。つまり、ロック状態にある通常時には、位相同期ループが安定化するとともに、ループ帯域が狭くなるので、帯域外スプリアスを抑制することができる。
【0059】
本実施の形態によれば、位相同期ループL1の出力周波数を変更する際、位相同期ループL1の位相検波器12には、FM変調器11から無変調信号が入力される。このため、非ロック状態の位相同期ループにおける周波数偏移がなく、位相同期ループL1のロックアップタイムを短縮させることができる。
【0060】
また、位相同期ループL1の出力周波数を変更する際に、位相誤差信号を電圧制御発振器15へ帰還するループフィルタ13の時定数を変化させ、周波数変更からロックするまでは短くし、ロック後は長くしている。このため、ロックアップタイムを短縮させるとともに、ロック時における安定化を図ることができるとともに、ループ帯域を狭くして帯域外スプリアスを抑制することができる。
【0061】
また、位相誤差信号にD/A変換器18のオフセット値を加算して電圧制御発振器15へ帰還しているため、位相同期ループL1の出力周波数を変更する際に、D/A変換器18から加算器14へ供給されるオフセット値が、新たな周波数の中心に設定されている。このため、周波数変更時の見かけ上の周波数差を低減し、ロックアップタイムを短縮することができるとともに、擬似ロックの発生を抑制することができる。
【0062】
更に、本実施の形態では、従来のFM変調装置とは異なり、位相同期ループの出力周波数を変更する際にループ切替を行っていない。このため、位相が連続であり、ループフィルタの時定数切替時の位相変化量を低減することができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、出力周波数を変更する際にループ切替を行うことなくロックアップタイムの短縮等を実現するための種々の方法について説明した。これら全ての方法を採用することが望ましいが、本発明は、この様な場合に限定されず、いずれかの方法を単独で採用し、あるいは、2つ以上を組み合わせて採用することもできる。
【0064】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。図中の11はFM変調器、12は位相検波器、13はループフィルタ、14は加算器、15は電圧制御発振器、16は周波数変換器、17は帯域通過フィルタ、18はD/A変換器、19は周波数制御回路、20は周波数シンセサイザ、21は低域通過フィルタである。また、L2は位相同期ループ、SWa及びSWbは切替スイッチ、T1〜T4は入出力端子である。図中の位相同期ループL2を図1の位相同期ループL1と比較すれば、ループを構成する加算器14の位置が異なる。
【0065】
この位相同期ループL2では、位相検波器12とループフィルタ13との間に加算器14が挿入され、この加算器14は、位相検波器12から出力される位相誤差信号にD/A変換器18から出力されるオフセット信号を加算して、ループフィルタ13へ出力している。このため、オフセット信号に含まれる雑音のうち、帯域外雑音についてはループフィルタ13の特性によって低減された後に電圧制御発振器15へ入力される。
【0066】
本実施の形態によれば、加算器14がFM変調器11の出力信号に対する位相誤差信号にD/A変換器18からのオフセット信号を加算してループフィルタへ出力する。このため、FM変調装置の位相雑音特性及び耐雑音特性を向上させることができる。
【0067】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。図中の11はFM変調器、12は位相検波器、13はループフィルタ、14は加算器、15は電圧制御発振器、16は周波数変換器、17は帯域通過フィルタ、18はD/A変換器、19は周波数制御回路、20は周波数シンセサイザ、21は低域通過フィルタ、22はA/D変換器である。また、L2は位相同期ループ、SWa及びSWbは切替スイッチ、T1〜T4は入出力端子である。この図を図1と比較すれば、A/D変換器22を備えている点で異なる。
【0068】
A/D変換器22は、加算器14に入力される位相誤差信号を検出する。すなわち、ループフィルタ13から出力されるアナログ信号としての位相誤差信号をデジタル信号に変換して、周波数制御回路19へ出力している。周波数制御回路19は、A/D変換器22から入力される検出信号に基づき、位相同期ループL1内の位相誤差が最小となる様にD/A変換器18のオフセット信号を制御する。
【0069】
本実施の形態では、A/D変換器22がループフィルタ13の出力信号を検出し、周波数制御回路19がこの検出結果に基づきオフセット信号を変化させ、このオフセット信号をループフィルタ13の出力信号に加算している。このため、各素子の経年変化、温度変化、電源電圧の変化等に起因して生ずるオフセット信号のずれを補正することができる。従って、周波数変更時における位相同期ループのロックアップタイムを短縮することができるとともに、通常時に置ける位相同期ループの安定性を向上させることができる。
【0070】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。図中の11はFM変調器、12は位相検波器、13はループフィルタ、14は加算器、15は電圧制御発振器、16は周波数変換器、17は帯域通過フィルタ、18はD/A変換器、19は周波数制御回路、20は周波数シンセサイザ、21は低域通過フィルタ、22はA/D変換器である。また、L2は位相同期ループ、SWa及びSWbは切替スイッチ、T1〜T4は入出力端子である。この図を図3と比較すれば、A/D変換器22を備えている点で異なり、図4と比較すれば、位相同期ループを構成する加算器14の位置が異なる。
【0071】
A/D変換器22は、電圧制御発振器15に入力される位相誤差信号を検出する。すなわち、ループフィルタ13から出力されるアナログ信号としての位相誤差信号をデジタル信号に変換して、周波数制御回路19へ出力している。周波数制御回路19は、A/D変換器22から入力される検出信号に基づき、位相同期ループL1内の位相誤差が最小となる様にD/A変換器18のオフセット信号を制御する。
【0072】
本実施の形態では、A/D変換器22がループフィルタ13の出力信号を検出し、周波数制御回路19がこの検出結果に基づきオフセット信号を変化させ、このオフセット信号を位相検波器12の出力信号に加算している。このため、各素子の経年変化、温度変化、電源電圧の変化等に起因して生ずるオフセット信号のずれを補正することができる。従って、周波数変更時における位相同期ループのロックアップタイムを短縮することができるとともに、通常時に置ける位相同期ループの安定性を向上させることができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によるFM変調装置は、入力信号をFM変調するFM変調回路と、FM変調回路の出力信号に対し周波数変換を行う位相同期ループとを備え、位相同期ループの出力周波数を変更する際にFM変調回路から無変調信号が出力される。このため、位相同期ループの出力周波数を変更する際、位相同期ループに周波数偏移のない無変調信号を入力することにより、周波数変更時における位相同期ループのロックアップタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。
【図2】 図1の位相同期ループL1の出力周波数を変更する際の動作の一例を示したタイミングチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態2によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態3によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態4によるFM変調装置の一構成例を示したブロック図である。
【図6】 従来のFM変調装置の構成を示したブロック図であり、特開昭56−116307号公報に開示されたものである。
【符号の説明】
11 FM変調器、12 位相検波器、13 ループフィルタ、
14 加算器、15 電圧制御発振器、16 周波数変換器、
17 帯域通過フィルタ、18 D/A変換器、19 周波数制御回路、
20 周波数シンセサイザ、21 低域通過フィルタ、22 A/D 変換器
L1及びL2 位相同期ループ、SWa及びSW2b 切替スイッチ、
T1〜T4 入出力端子
Claims (10)
- 入力信号をFM変調するFM変調回路と、FM変調回路の出力信号が入力される位相検波器を含み、上記出力信号の周波数変換を行う位相同期ループとを備え、位相同期ループの出力周波数を変更する際にFM変調回路から無変調信号が出力されることを特徴とするFM変調装置。
- 上記位相同期ループは、上記位相検波器により出力される位相誤差信号を電圧制御発振器へ帰還するループフィルタを備え、位相同期ループの出力周波数を変更する際にループフィルタの時定数を低減することを特徴とする請求項1に記載のFM変調装置。
- 入力信号をFM変調するFM変調回路と、所定の周波数信号を生成するシンセサイザと、FM変調回路の出力信号が入力される位相検波器を含み、シンセサイザにより出力された上記周波数信号を用いて上記出力信号の周波数変換を行う位相同期ループとを備えたFM変調装置において、シンセサイザが、周波数制御信号に基づき上記周波数信号を生成し、FM変調回路が、周波数制御信号に基づき位相同期ループの出力周波数が変更される際に無変調信号を出力することを特徴とするFM変調装置。
- 上記周波数制御信号に基づき、入力信号又は所定の一定信号を選択的にFM変調回路へ出力するスイッチング手段を備え、
通常時に上記入力信号がFM変調回路へ出力され、位相同期ループの出力周波数の変更時に上記一定信号がFM変調回路へ出力されることを特徴とする請求項3に記載のFM変調装置。 - 上記位相同期ループは、上記位相検波器により出力された位相誤差信号を電圧制御発振器へ帰還させるとともに、周波数制御信号に基づき、位相同期ループの出力周波数を変更する際に時定数を低減させるループフィルタを備えたことを特徴とする請求項3に記載のFM変調装置。
- 上記周波数制御信号に基づき、出力周波数に応じたオフセット信号を出力するオフセット信号源を備え、上記位相同期ループは、上記位相誤差信号を平均化するループフィルタと、上記ループフィルタの出力信号に上記オフセット信号を加算して上記電圧制御発振器へ帰還する加算器とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のFM変調装置。
- 上記周波数制御信号に基づき、出力周波数に応じたオフセット信号を出力するオフセット信号源を備え、上記位相同期ループは、上記位相誤差信号に上記オフセット信号を加算して出力する加算器と、上記加算器の出力信号を平均化して上記電圧制御発振器へ帰還させるループフィルタとを備えたことを特徴とする請求項3に記載のFM変調装置。
- 上記位相同期ループは、電圧制御発振器及びシンセサイザの出力信号を混合する周波数変換器を備え、高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタを介して電圧制御発振器及びシンセサイザの周波数の和に相当する周波数信号が周波数変換器の出力信号から抽出され、広帯域のFM変調信号として出力されることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載のFM変調装置。
- 入力信号をFM変調してFM変調信号を生成する変調ステップと、FM変調信号を位相同期ループの位相検波器へ入力し、周波数変換を行う周波数変換ステップと、位相同期ループの出力周波数を変更するとともに、出力周波数を変更する際に無変調信号を上記位相検波器へ入力する周波数変更ステップとを備えたFM変調装置の周波数制御方法。
- 上記周波数変更ステップが、位相同期ループの出力周波数を変更する際に位相同期ループを構成するループフィルタの時定数を低減することを特徴とする請求項9に記載のFM変調装置の周波数制御方法。
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